JP2002155884A - マグネットポンプのインペラ支持構造 - Google Patents
マグネットポンプのインペラ支持構造Info
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Abstract
ポンプ室内に回転自在に支持されるための軸と軸受孔に
おいて、特にその軸受穴を加工することなく、シャフト
に対して僅かの加工を施すだけで、軸受の軸方向に2箇
所の摺動支持箇所を設けることができ、インペラの軸心
振れを抑止し、安定した状態で回動させ、ひいてはコス
ト低減をすること。 【解決手段】 インペラ室1の中心箇所にシャフト取付
部2を形成したハウジング本体A1 と、大径軸部5aと
小径軸部5bとが同一軸方向に形成され,前記大径軸部
5a側が前記シャフト取付部2に装着されるインペラシ
ャフト5と、テーパ状軸受孔7が形成された軸受部B1
を有し,該軸受部B1 の周囲にインナーマグネット9が
配置されたインペラBとから構成されること。前記イン
ペラシャフト5が前記テーパ状軸受孔7に挿通されるこ
と。
Description
トが装着されたインペラがポンプ室内に回転自在に支持
されるための軸と軸受孔において、特にその軸受穴を加
工することなく、シャフトに対して僅かの加工を施すだ
けで、軸受の軸方向に2箇所の摺動支持箇所を設けるこ
とができ、インペラの軸心振れを抑止し、安定した状態
で回動させることができ、ひいてはコスト低減をするこ
とができるマグネットポンプのインペラ支持構造に関す
る。
ャフトに、回転自在に支持されたインペラ及びインナー
マグネットを有するマグネットポンプがある。そのマグ
ネットポンプのインペラ支持構造として、例えば、実公
昭63−29906号に示されているようなものがあ
る。この内容は、インペラのインナーマグネットの軸方
向の両側端部にそれぞれ軸受が設けられ、該軸受を介し
てシャフトにインペラが回転自在に支持されている。
トレート軸径即ち軸方向に同一径となるシャフトに対し
て、単一ストレート孔径即ち孔方向に同一内径となる軸
受が回転自在に支持されるものである。このように、単
一ストレート軸径のシャフトに単一ストレート穴径の軸
受を設けるものとして、軸受をインペラ,インナーマグ
ネットの軸方向の両側端部に個別に設けたり、又、その
インペラ,インナーマグネットの軸方向に単一的に設け
たりするものもある。
ーマグネットは、ケーシング側に固定されたシャフトに
対して安定した状態で回転自在に支持される必要があ
る。そのために、インペラ,インナーマグネットの軸心
に対する振れを抑える必要があることから、インペラ,
インナーマグネットの軸方向に長い軸受を設けたり、ま
た軸方向に長くなるように両側端部に個別に軸受を設け
たりすることがある。
軸方向に長い単一の軸受を設ける場合、シャフトの全長
を高精度に加工形成されたストレート軸径に対して軸受
孔全体も極めて高精度に加工形成されたストレートな孔
径としなければならない。そのためにシャフトと単一軸
受との回転摺動面全体におけるクリアランスは、適正な
範囲に確保するために極めて高い精度で仕上げる必要が
あり、それゆえに加工コストが高くなり、容易に使用す
ることができない。
方向の両側端部に、それぞれ個別の軸受を設ける実施形
態の場合には、上記の単一軸受を設けた実施形態のよう
に長い軸方向のストレート孔径を加工形成することはな
く、軸方向の長さが短い軸受けとすることができ、スト
レート孔径の加工形成が容易になるが、その反面,軸受
を2箇所使用することから、二つの軸受の軸芯をきちん
と揃えなくてはならず、また部品点数も増え、組付け工
程が必要になり、コスト低減が難しくなる。
材,樹脂材などの材質に関係なく、ストレート孔径を高
精度に加工形成する必要があった。本発明は、上記の軸
受の加工精度及び組付け精度を高くするために生じる製
造の困難性及びコスト上昇を抑えることを目的とするも
のである。
題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、本発明を、
インペラ室の中心箇所にシャフト取付部を形成したハウ
ジング本体と、大径軸部と小径軸部とが同一軸方向に形
成され,前記大径軸部側が前記シャフト取付部に装着さ
れるインペラシャフトと、テーパ状軸受孔が形成された
軸受部を有し,該軸受部の周囲にインナーマグネットが
配置されたインペラとからなり、前記インペラシャフト
が前記テーパ状軸受孔に挿通されてなるマグネットポン
プのインペラ支持構造としたことにより、インペラシャ
フトに対して軸受部の孔を高い精度の仕上げ加工するこ
となく、安定したインペラの回動を実現させることがで
き、上記課題を解決したものである。
基づいて説明する。まず、マグネットポンプの構成につ
いて説明すると、ポンプハウジングAは、主にハウジン
グ本体A1 と隔壁体A2 とから構成される。そのハウジ
ング本体A1 には、略円形状のインペラ室1が形成さ
れ、該インペラ室1の中心位置には、後述するインペラ
シャフト5のシャフト取付部2が形成されている〔図1
(A),(B)参照〕。また前記インペラ室1には、吸
入口3及び吐出口4が形成されている。
1 のインペラ室1と対向して装着され、該インペラ室1
と共にインペラBを収納する部品である。前記隔壁体A
2 は、その外形が略ハット形状をなしており、前記イン
ペラ室1を被覆するカバー部11bと、インペラBのイ
ンナーマグネット9を収納することができる円筒形状の
収納部11aとからなる隔壁本体11と、連結部12と
から構成されている〔図1(B)参照〕。
1 の内周側面1a内に挿入可能となる円周状に形成され
ており、O(オー)リング等の密閉材13が嵌まり込む
ことができる溝条12aが形成され、隔壁体A2 をハウ
ジング本体A1 に装着したときにインペラ室1をポンプ
外部と前記密閉材13を介して水密構造にすることがで
きる〔図1(A)参照〕。
部5aと小径軸部5bが軸方向に連続して形成されてお
り、また、大径軸部5aの他端側(前記小径軸部5bの
反対側)には鍔状部5cが形成されており、該鍔状部5
cから軸固定部5dが形成されている(図3参照)。該
軸固定部5dは、前記ハウジング本体A1 側に形成され
たシャフト取付部2に取り付ける部位であり、前記鍔状
部5cがシャフト取付部2へのストッパの役目をなして
いる。前記軸固定部5dは、シャフト取付部2に対して
圧入により、装着固定されるものである。
段部5eを介して連続しているものであり、該軸段部5
eは、大径軸部5aから小径軸部5bに向かうに従い窄
まるように形成されている(図3参照)。また、大径軸
部5aの直径D1 と、小径軸部5bの直径D2 とは、比
較的微小な差である。
ネット収納部6と、インナーマグネット9及び軸受部B
1 から構成されている〔図1(A),(B)参照〕。該
軸受部B1 は、合成樹脂又は非磁性金属材等から形成さ
れており、軸方向中心にテーパ状軸受孔7形成されてい
る。該テーパ状軸受孔7のテーパは、成形時に設ける程
度でも良い。
7aと小径テーパ孔部7bとから形成され、大径テーパ
孔部7aと小径テーパ孔部7bとは、軸方向に沿って同
一軸芯上にあり、前記大径テーパ孔部7aと小径テーパ
孔部7bとは段部7cを介して区切られている。該段部
7cは、前記大径テーパ孔部7aから小径テーパ孔部7
bに向かって窄まるように形成されている(図4,図5
等参照)。
によって成形され、テーパ状軸受孔7は、金型内におけ
る中子ピンの引抜きテーパによってそのまま成形される
ものである。また、軸受部B1 の円筒状部8の軸方向一
端側には鍔部8aが形成され、他端側に係止溝8bが形
成されている。インペラBを合成樹脂材で成形する際、
インナーマグネット9がインサート成形されている。そ
のインペラBとインナーマグネット9との中央部に、前
記軸受部B1 が装着固定されている。
ーマグネット9の貫通孔が位置しており、その貫通孔に
前記軸受部B1 が挿入され、該軸受部B1 の鍔部8aと
他端側の係止溝8bに装着した止め輪(サークリップ)
により、インナーマグネット9が軸方向に固定されてい
る。また、軸受部B1 とインナーマグネット9との回転
方向の固定は、接着剤により行われる。
り段部7cを介して孔径が異なって設けられている。こ
れは、軸受部B1 の軸方向の長さを大きくしても、小径
テーパ孔部7bは、軸受部B1 の軸方向全体に単一テー
パで形成された大径テーパ孔部7aより、軸受部B1 の
中間部に小径テーパ孔部7bの最大径より大きい段部7
cを設けて形成された大径テーパ孔部7aは、その開口
部を小さくでき、大径軸部5aと小径軸部5bとからな
るストレート軸径部を有するインペラシャフト5とのク
リアランスを拡大せずに、適正なクリアランスにするこ
とができる。
部B1 を成形時のテーパ状軸受孔7(大径テーパ孔部7
a,小径テーパ孔部7b)をそのままインペラシャフト
5との軸受摺動面として使用することができる。前記軸
受部B1 の小径テーパ孔部7bとインペラシャフト5の
小径軸部5bとの摺動面P2 と、軸受部B1 の大径テー
パ孔部7aとインペラシャフト5の大径軸部5aとの摺
動面P1 とが、軸受部B1 の軸方向に2箇所の摺動支持
部となって、インペラBを回転自在に支持すると共に、
軸心方向の振れを抑えるように、しっかりと支持するこ
とができる(図5参照)。
1 の軸方向に所定間隔をおいて離れた2箇所の摺動支持
部として得ることができるので、軸受部B1 の軸方向の
長さを長くして、インペラBの振れを抑止することがで
きるものである。また、前記軸受部B1 の軸方向の長さ
を長くすることができるので、該軸受部B1 に対応して
前記インナーマグネット9の軸方向の長さも長くするこ
とができ、該インナーマグネット9と、図示されないア
ウターマグネットとの間における磁力を介した伝達機構
によるマグネットカップリングの磁極面を大きくするこ
とができ、ひいては回転伝達力を大きくすることができ
るものである。
と小径軸部5bと前記テーパ状軸受孔7との間には、隙
間が形成されるが、この隙間に流体が流れ込み、流体が
潤滑剤の役目をなすものである。図6は、前記隙間に流
れ込む流体の流れが矢印で記載されたものである。特
に、テーパ状軸受孔7の大径テーパ孔部7aと小径テー
パ孔部7bとの間に形成された段部7c箇所に流体が流
れ込むことにより、両摺動面P1 ,P2 の付近における
流体の潤滑剤としての作用が大きく働き、滑らかなイン
ペラBは回動を行うことができる。
は、挿通する軸部の略中央箇所に形成され、大径軸部5
aと小径軸部5bとの長さは略同一であるが、その軸段
部5eが大径軸部5a側の根元寄りに形成されることも
ある(図7参照)。これによって、摺動面P1 ,P2 の
間隔を大きくすることができ、インペラBの回動を安定
させることができる。また、図8は、テーパ状軸受孔7
に段部7cが形成されないタイプで、軸方向に一つのテ
ーパで軸受孔が形成されたものである。
構成する合成樹脂材は、ポリフェニレンスルフィド(P
PS)を使用したが、ポンプの使用条件により他の合成
樹脂材も使用することが可能であるので、この材質に限
られるものではない。また、前記インナーマグネット9
は、前記隔壁体A2 の収納部11aの外部側に設けられ
た図示されないアウターマグネットの回転に伴って回転
し、これによってインペラBが回転するものである。
箇所にシャフト取付部2を形成したハウジング本体A1
と、大径軸部5aと小径軸部5bとが同一軸方向に形成
され,前記大径軸部5a側が前記シャフト取付部2に装
着されるインペラシャフト5と、テーパ状軸受孔7が形
成された軸受部B1 を有し,該軸受部B1 の周囲にイン
ナーマグネット9が配置されたインペラBとからなり、
前記インペラシャフト5が前記テーパ状軸受孔7に挿通
されてなるマグネットポンプのインペラ支持構造とした
ことにより、インペラBの軸受部B1 に形成されている
テーパ状軸受孔7を高精度の仕上げ加工することなく、
シャフトに対して僅かの加工を施すだけで、軸受の軸方
向に2箇所の摺動支持箇所を設けて、インペラの軸心振
れを抑止し、インペラシャフト5の回転支持を安定させ
ることができ、ひいてはコスト低減をすることができる
等の効果を奏する。
軸受部B1 とした場合、成形時の引抜テーパによるテー
パ状軸受孔7をそのまま軸受孔として設け、これにイン
ペラBを固着し、そのテーパ異径孔に対し、軸段部5e
を設けた段付き状態のインペラシャフト5をハウジング
本体A1 に圧入固定したマグネットポンプのインペラ支
持構造にしたものである。
5aと小径軸部5bとからなるインペラシャフト5を挿
通すると、大径軸部5aと小径軸部5bのそれぞれの軸
端部がテーパ状軸受孔7に適宜に離間した2箇所で支持
され安定した回転状態を得ることができる。これによっ
て、前記インペラBの軸受部B1 に形成されているテー
パ状軸受孔7側には、高精度の仕上げ加工を施す必要が
なく、そのまま使用することにより、製造コスト及び製
造時間を低減することができる。
て、前記軸受部B1 のテーパ状軸受孔7は、その孔方向
の適宜の箇所に段部7cが形成され、該段部7cを介し
て大径テーパ孔部7aと小径テーパ孔部7bが形成され
てなるマグネットポンプのインペラ支持構造としたこと
により、軸受部B1 のテーパ状軸受孔7を加工すること
なく、インペラシャフト5を軸段部5eを介して大径軸
部5aと小径軸部5bとを設けることで、大径軸部5a
と大径テーパ孔部7aとの接触面が摺動面P1となり、
小径軸部5bと小径テーパ孔部7bとの接触面が摺動面
P2 の2箇所での支持となり、インペラBの軸心振れを
抑止し、前記インペラBを安定した状態で回動させるこ
とができる。さらに、品点数を増すことなく、コスト低
減をすることができる。
において、前記インペラシャフト5の大径軸部5aと小
径軸部5bとの軸段部5e箇所は、インペラシャフト5
の軸方向略中間箇所としてなるマグネットポンプのイン
ペラ支持構造としたことによりテーパ状軸受孔7と大径
軸部5a及び小径軸部5bとの間に流体が流れ込み易く
なり、この流体が潤滑剤の役目をなし、インペラBの滑
らかな回動を行わせることができる。
は3において、前記インペラシャフト5の大径軸部5a
と小径軸部5bとの軸段部5e箇所は、大径軸部5aの
根元側寄りに形成されてなるマグネットポンプのインペ
ラ支持構造としたことにより、インペラシャフト5がテ
ーパ状軸受孔7とが接触する摺動面P1 ,P2 間の距離
を長くすることができ、インペラBの回動を安定させる
ことができる。
一部断面にした側面図(B)はインペラ室とインペラと
一部切除した隔壁体とを分解した状態の斜視図
縦断側面図
状態の一部断面にした側面図
状態の断面を含む拡大図
に流体が流れ込む拡大状態図
シャフトを使用した本発明の要部の縦断側面図
軸受孔とした軸受部とインペラシャフトとの構成を示す
縦断側面図(B)は軸方向に一つに統一されたテーパ状
の軸受孔とした軸受部とインペラの縦断側面図
Claims (4)
- 【請求項1】 インペラ室の中心箇所にシャフト取付部
を形成したハウジング本体と、大径軸部と小径軸部とが
同一軸方向に形成され,前記大径軸部側が前記シャフト
取付部に装着されるインペラシャフトと、テーパ状軸受
孔が形成された軸受部を有し,該軸受部の周囲にインナ
ーマグネットが配置されたインペラとからなり、前記イ
ンペラシャフトが前記テーパ状軸受孔に挿通されてなる
ことを特徴とするマグネットポンプのインペラ支持構
造。 - 【請求項2】 請求項1において、前記テーパ状軸受孔
は、その孔方向の適宜の箇所に段部が形成され、該段部
を介して大径テーパ孔部と小径テーパ孔部が形成されて
なることを特徴とするマグネットポンプのインペラ支持
構造。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記インペラ
シャフトの大径軸部と小径軸部との間に形成される軸段
部は、インペラシャフトの軸方向略中間箇所に位置して
なることを特徴とするマグネットポンプのインペラ支持
構造。 - 【請求項4】 請求項1,2又は3において、前記イン
ペラシャフトの大径軸部と小径軸部との間に形成される
軸段部は、大径軸部の根元側寄りに位置してなることを
特徴とするマグネットポンプのインペラ支持構造
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