JP2002155048A - 過有機酸の安定化方法 - Google Patents

過有機酸の安定化方法

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JP2002155048A
JP2002155048A JP2000355529A JP2000355529A JP2002155048A JP 2002155048 A JP2002155048 A JP 2002155048A JP 2000355529 A JP2000355529 A JP 2000355529A JP 2000355529 A JP2000355529 A JP 2000355529A JP 2002155048 A JP2002155048 A JP 2002155048A
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acid
stabilizer
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mol
stabilizing
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JP2000355529A
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Hideyoshi Hashimoto
秀吉 橋本
Kaoru Hamashima
薫 浜島
Yuichi Tanigawa
裕一 谷川
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過有機酸の分解を効果的に抑制することがで
き、且つ安価で毒性の少ない安定化剤及びそれを用いた
安定化方法の提供。 【解決手段】 1.過有機酸溶液にエチレンジアミン四
酢酸類及びリン酸化合物を安定化剤として添加すること
を特徴とする過有機酸の安定化方法。 2.エチレンジアミン四酢酸類及びリン酸化合物を含有
してなる過有機酸用安定化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過有機酸の安定化
方法に関する。詳しくは、過有機酸中に微量の金属イオ
ンが存在する場合に、金属イオンによる過酸の分解を特
定の安定化剤の添加により効果的に抑制し、安定化させ
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】過有機酸は微量の金属イオンが存在する
と、その触媒作用により分解が促進される。この分解は
発熱反応である上、爆発的に生じる惧れがあり、また分
解時に発生する酸素のため、爆発雰囲気が形成される惧
れもあるので、溶液の安定化のために通常金属封鎮剤が
添加されている。
【0003】そして、過有機酸の安定化法については、
これ迄にいろいろな方法が提案されている。例えば、 (1)ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウ
ム等のポリリン酸塩及びそのエステルを安定化剤とする
もの(例えば、特公昭38−25658号公報、特公昭
54−7764号公報等)。 (2)ピリジン−2−メタノールと種々のリン酸系化合
物との混合物を安定化剤とするもの(例えば、特公昭3
8−10521号公報)。 (3)ピリジンカルボン酸又はそのアルカリ金属塩もし
くはアンモニウム塩とヘキサメタリン酸ナトリウムとを
安定化剤とするもの(特公昭52−38009号公
報)。 (4)8−ヒドロキシキノリン、キナルジン酸又はその
塩及びキノリン誘導体を安定化剤とするもの(例えば、
英国特許第906970号明細書)。 (5)リン酸、ピリジンジカルボン酸とヘキサメタリン
酸ナトリウムの混合物を安定化剤とするもの(特公平7
−30013号公報)。 (6)その他、エチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレン
トリアミン五酢酸塩、ロダンカリ、ポリアミノカルボン
酸等(「有機過酸化物、−その化学と工業的利用−」化
学工業社編、164頁)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが、これ迄に提案された安定化剤についてその効果
を検討したところ、過有機酸の溶液に複数の金属種が混
入した場合には、満足の行く安定化効果が得られない
か、或いはある程度の効果が得られたとしても使用コス
トが高いとか毒性が強い等の問題があることが判明し
た。
【0005】本発明は、過有機酸溶液に何らかの理由で
金属が混入した場合に過有機酸の分解を効果的に抑制す
ることができ、且つ安価で毒性の少ない安定化剤及びそ
れを用いた安定化方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、安定化剤としてエチレンジ
アミン四酢酸類とリン酸化合物とを併用すると、各種金
属イオンを含む過有機酸の安定化に極めて効果があり、
且つその使用コストも比較的安価であることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、 1.過有機酸溶液にエチレンジアミン四酢酸類及びリン
酸化合物を安定化剤として添加することを特徴とする過
有機酸の安定化方法 2.エチレンジアミン四酢酸類及びリン酸化合物を含有
してなる過有機酸用安定化剤、にある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の対象となる過有機酸としては、水溶性の過有機
酸が好ましい。その具体例とては、例えば過酢酸、過蟻
酸、過プロピオン酸、過安息香酸、過フタル酸、等の過
カルボン酸類が挙げられる。これらの過有機酸は該当す
る有機酸と過酸化水素との反応等、公知の方法により得
ることができる。
【0009】なお、これらの過有機酸は通常は水溶液の
形態で取り扱われる。本発明で用いられるエチレンジア
ミン四酢酸(以下、EDTAと略記することがある)類
としては、有機過酸溶液に可溶で、その溶液中の金属と
キレートを形成するものであって、且つ有機過酸に対し
て安定であるものであれば、特に限定されるものではな
い。
【0010】なお、EDTA類とは、EDTA及びその
塩類を指す。EDTAの塩類の具体例としては、例えば
EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・3ナトリウム
塩、EDTA・4ナトリウム塩、EDTA・2カリウム
塩、EDTA・3カリウム塩、EDTA・4カリウム
塩、等が挙げられる。これらの中、EDTAのナトリウ
ム塩が好ましく、EDTA・4ナトリウム塩が特に好ま
しい。
【0011】EDTA類の使用量は、その配位数にもよ
るが、鉄以外の遷移金属に対して、当モル以上で効果が
あるが、好ましくは5〜1000倍モル、更に好ましく
は10〜500倍モルである。本発明で用いられるリン
酸化合物としては、有機過酸に可溶であり、有機過酸に
対して安定なものであれば特に限定されるものではな
い。その具体例としては、例えばオルトリン酸、ポリリ
ン酸、メタリン酸及びこれらの塩が挙げられる。これら
の中、ポリリン酸、メタリン酸及びこれらの塩が好まし
い。ポリリン酸及びメタリン酸の縮合数は、有機過酸に
可溶であれば特に限定されず、縮合数の異なる混合物を
用いることもできる。
【0012】リン酸化合物の使用量は、この化合物によ
り封鎖可能な鉄等の金属イオンに対して、通常10倍モ
ル以上、好ましくは10〜1000倍モル、更に好まし
くは20〜200倍モルである。なお、本発明は、鉄イ
オンを10-8モル以上含む系において特に有効である。
このようにして調製された安定剤含有過有機酸は通常の
オレフィンのエポキシ化反応等に何ら支障なく用いるこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例中の
「%」は特記しない限り、「容量%」を示す。 平衡過酢酸調製 ガラス製200ml容量のフラスコに酢酸69.0g
(1.15mol)、硫酸を1.0g(0.01mo
l)、60%過酸化水素水30.0g(0.53mo
l)を加えて撹拌し、25℃で20時間反応させて過酢
酸濃度27〜28重量%平衡過酢酸溶液を得た。
【0014】実施例1 500ml容量のガラス製フラスコにFe5.4×10
-6mol、Ni5.3×10-7mol、Cr2.6×1
-7mol、Co3.6×10-7mol、Zn3.6×
10-6mol、Al2.5×10-6mol、Cu2.3
×10-8mol、Pb3.2×10-9mol、Ti1.
0×10-8molを含む水溶液34ml、EDTAの四
ナトリウム塩1.4×10-4mol、ポリリン酸ナトリ
ウム3.5×10-4molとトルエン240mlを加え
て65℃まで加熱した後、容器内を窒素で置換し、以降
窒素を20ml/分で流通させた。過酢酸の分解が起こ
れば、分解によって生じる酸素によって排気ガス中の酸
素濃度が上昇する。排気ガス中の酸素濃度が0.5%前
後に落ち着いたところで約27重量%の平衡過酢酸34
gと40重量%の酢酸ナトリウム・3水和物水溶液3.
4gを加えて排気ガス中の酸素濃度を酸素濃度が低下し
始めるまで記録し、最大酸素濃度で安定化剤の評価を行
った。その結果、最大酸素濃度は約2%であった。
【0015】実施例2 ポリリン酸ナトリウムの代りに、メタリン酸ナトリウム
を用いた以外は、実施例1と同様に実験を行った。最大
酸素濃度は約2%であった。 比較例1 安定化剤を添加しない外は実施例1と同様の実験を行っ
たところ、途中で酸素濃度が20%を超え、危険なため
実験を中止した。
【0016】比較例2〜14 安定化剤の種類及び添加量を表1のように変えた以外は
実施例1と同様の実験を行った。結果は表1に示す通り
である。比較例3から明らかなように、最大酸素濃度を
約2%以下に維持するためには、高価なEDTA四ナト
リウム塩の使用量が実施例1の約5倍(6.8×10-4
mol)必要であった。
【0017】比較例4〜8については、本発明と同等の
効果を得るためには、高価な安定化剤を10倍以上使用
する必要があり実用的ではなく、また比較例9〜14の
安定化剤については十分な効果は得られなかった。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、過有機酸の安定化剤と
して効果の優れたエチレンジアミン四酢酸類と安価なリ
ン酸化合物とを併用することにより優れた安定化効果と
低コスト性を両立させるので、安全性の面から、その工
業的価値は非常に高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 裕一 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過有機酸溶液にエチレンジアミン四酢酸
    類及びリン酸化合物を安定化剤として添加することを特
    徴とする過有機酸の安定化方法。
  2. 【請求項2】 過有機酸が過カルボン酸である請求項1
    又は2に記載の安定化方法。
  3. 【請求項3】 リン酸化合物がオルトリン酸、ポリリン
    酸、メタリン酸及びこれらの塩から選ばれる少なくとも
    一種である請求項1ないし3のいずれかに記載の安定化
    方法。
  4. 【請求項4】 エチレンジアミン四酢酸類及びリン酸化
    合物を含有してなる過有機酸用安定化剤。
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CN100462128C (zh) * 2007-04-28 2009-02-18 国家环境保护总局华南环境科学研究所 一种有机废气吸收液及其应用
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