JP2002155010A - ディスコティック液晶化合物及び該液晶化合物を用いた導電性液晶素子、有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

ディスコティック液晶化合物及び該液晶化合物を用いた導電性液晶素子、有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2002155010A
JP2002155010A JP2000346045A JP2000346045A JP2002155010A JP 2002155010 A JP2002155010 A JP 2002155010A JP 2000346045 A JP2000346045 A JP 2000346045A JP 2000346045 A JP2000346045 A JP 2000346045A JP 2002155010 A JP2002155010 A JP 2002155010A
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crystal compound
discotic liquid
layer
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JP2000346045A
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English (en)
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Atsushi Kamatani
淳 鎌谷
Shinjiro Okada
伸二郎 岡田
Takao Takiguchi
隆雄 滝口
Akira Tsuboyama
明 坪山
Takashi Moriyama
孝志 森山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリア注入特性或いはキャリア輸送能に優
れたディスコティック液晶化合物を提供し、該液晶化合
物を用いて発光効率の高い有機EL素子を構成する。 【解決手段】 トリフェニレンヘキサイルに炭素原子数
が5以上のアルキル基を置換してなる特定の構造を有す
るディスコティック液晶化合物を用いてキャリア輸送層
或いはキャリア注入層を形成し、有機EL素子を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なディスコテ
ィック液晶化合物、及び該液晶化合物の高キャリア移動
度を利用した導電性液晶素子、及び該液晶素子を用いて
構成した有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスコティック液晶は1977年に
S.Chandrasekhar等により発見され
た〔”Pramana”9、471(1977)〕液晶
である。例えば、同著者等による”Discotic
Liquid Crystal”、Rep.Prog.
Phys.53(1990)57に、或いは、「ディス
コティック液晶分子のデザインと合成」竹中俊介、日本
化学会編・季刊化学総説22巻60頁に解説されている
ように、ディスク(円盤)状のコアに比較的長い側鎖が
複数個結合した化合物である。その化合物の種類は主に
コアの構造によって類別することができ、6置換ベンゼ
ン及び3置換ベンゼンの誘導体、フタロシアニン及びポ
ルフィリンの誘導体、トリフェニレン、トルクセン、ピ
リリウムの各誘導体、トリベンゾシクロノネン誘導体、
アザクラウン誘導体、シクロヘキサン誘導体などがあげ
られる。ディスコティック液晶の構造的な特徴から過
去、デバイスへの応用を示唆するいくつかの報告がなさ
れている。
【0003】フタロシアニンやトリフェニレンのような
共役π電子を有する系においては電子(または正孔)の
チャネルを提供することができる(“J.Am.Che
m.Soc.”Piechocki et al.,1
982,104,pp5245)。また、コアがアザク
ラウンのような環状の場合には中心の空隙部を選択的に
分子が通過する分子チャネルを提供できることが示唆さ
れている(“J.Chem.Soc.,Chem.Co
mmun.”Lehn et al.,1985,pp
1794)。
【0004】一方、1987年にT.W.Tangらに
より蛍光性金属キレート錯体とジアミン系分子の薄膜を
積層した構造を利用して低電圧DC駆動で高輝度な発光
が得られることが実証されて以来、高速応答性や高効率
の発光素子として有機エレクトロルミネッセンス(以
下、「有機EL素子」と記す)の応用研究が精力的に行
われている。有機EL素子は発光層に到達した電子と正
孔が再結合する際に生じる発光を利用した、キャリア注
入型の自発光デバイスである。
【0005】図1及び図2に一般的な有機EL素子の構
成を模式的に示す。図中、10は有機化合物層、11は
透明基板、12は透明電極、13は正孔輸送層、14は
発光層、15は金属電極、21は電子輸送層である。
【0006】一般に、陽極には発光した光を取り出すた
めに透明電極12を用い、陰極には金属電極15を用い
る。透明電極11にはインジウム錫酸化物(ITO)等
の仕事関数の大きな導電性材料が用いられ、金属電極1
5にはアルミニウムやアルミニウム・リチウム合金、マ
グネシウム・銀合金などの仕事関数の大きな金属が用い
られる。
【0007】透明電極12、金属電極15間に有機化合
物層10が挟持されている。有機化合物層10を構成す
る各層の膜厚は数百Å程度であり、図1に示すように、
発光層14と正孔輸送層13からなる2層構造、或い
は、図2に示すように電子輸送層21、発光層14、正
孔輸送層13の3層からなる構造が一般的である。ここ
で、正孔輸送層13は透明電極12からの正孔を効率よ
く発光層14に注入させるため、電子輸送層21は金属
電極15からの電子を効率よく発光層14に注入させる
ために用いられる。また、同時に正孔輸送層13は電子
を、電子輸送層21は正孔を発光層14に閉じ込める
(キャリアブロック)機能を有し、発光効率を高める効
果がある。
【0008】これらキャリア輸送層(正孔輸送層13、
電子輸送層21)に関して、重要な特性と考えられるの
が電荷輸送能、特にキャリア移動度である。一般的にア
モルファス状態の有機化合物のキャリア移動度は10-5
cm2/Vsec程度であり、輸送特性は十分なものと
は言えない。キャリア輸送層の移動度を上げることがで
きれば、より多くのキャリアを発光層に注入させること
ができ、発光効率が高まると考えられており、同時に高
移動度が達成されれば、一般的に数百Å程度の膜厚であ
るキャリア輸送層の膜厚を厚く(〜1μm)することが
できるため、上下ショートを防止し、生産性も向上する
ことが期待できる。現在、有機EL素子の高効率化を達
成するためのキャリア輸送層の化合物材料開発が活発に
行われている。このような状況で、キャリア輸送層を形
成する有機化合物に液晶性を付与することで高移動度を
達成しようとする動きがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、広い
温度範囲において安定したディスコティック液晶相を示
し、電子、正孔などのキャリア輸送に適した新規なディ
スコティック液晶化合物を提供し、該液晶化合物を導電
膜に用いて、高キャリア移動度或いは電極からのキャリ
ア注入特性を向上した導電性液晶素子、及び、上記液晶
化合物をキャリア輸送層に用いて、その高キャリア移動
度及びキャリア注入特性を利用して発光効率が高く信頼
性を向上した有機EL素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、下記一
般式(1)で示される構造を有することを特徴とするデ
ィスコティック液晶化合物である。
【0011】一般式(1) (R−X)n−Ar−(X’−R’)m 上記式中、Arは2,3,5,6−ベンゾキノンテトラ
イル、2,3,4,6,7,8−アントラキノンヘキサ
イル、2,3,6,7,10,11−トリフェニレンヘ
キサイル、2,3,7,8,12,13−トルクセンヘ
キサイル、2,3,6,7,10,11−トリシクロキ
ナゾリンヘキサイルまたは1,2,5,6,8,9,1
2,13−ジベンゾピレンオクタイルのいずれかを示
す。
【0012】Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、−OO
C−または−COO−のいずれかを示す。
【0013】X’は−CO−を示す。
【0014】Rは炭素数3〜20の直鎖状または分岐状
のアルキル基を示し、該アルキル鎖中の1個のメチレン
基は酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−または−C≡
C−に置き換わってもよい。
【0015】R’は炭素数5〜20の直鎖状または分岐
状のアルキル基を示し、該アルキル鎖中の1個のメチレ
ン基は酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−または−C
≡C−に置き換わってもよい。
【0016】n+mはArが2,3,5,6−ベンゾキ
ノンテトライルの場合4であり、2,3,4,6,7,
8−アントラキノンヘキサイル、2,3,6,7,1
0,11−トリフェニレンヘキサイル、2,3,7,
8,12,13−トルクセンヘキサイル及び2,3,
6,7,10,11−トリシクロキナゾリンヘキサイル
の場合6であり、1,2,5,6,8,9,12,13
−ジベンゾピレンオクタイルの場合8である。ただし、
n,mは少なくとも1以上である。
【0017】また、本発明の第二は、2枚の対向する電
極間に、少なくとも上記本発明のディスコティック液晶
化合物からなる液晶層を有することを特徴とする導電性
液晶素子。
【0018】さらに本発明の第三は、2枚の対向する電
極間に、少なくとも上記本発明のディスコティック液晶
化合物からなるキャリア輸送層或いはキャリア注入層を
有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
素子である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のディスコティック液晶化
合物は、下記一般式(1)で示される構造を有する。
【0020】一般式(1) (R−X)n−Ar−(X’−R’)m 上記式中、Arは2,3,5,6−ベンゾキノンテトラ
イル、2,3,4,6,7,8−アントラキノンヘキサ
イル、2,3,6,7,10,11−トリフェニレンヘ
キサイル、2,3,7,8,12,13−トルクセンヘ
キサイル、2,3,6,7,10,11−トリシクロキ
ナゾリンヘキサイルまたは1,2,5,6,8,9,1
2,13−ジベンゾピレンオクタイルのいずれかを示
す。
【0021】該Arは、液晶の温度域の点から好ましく
は、2,3,5,6−ベンゾキノンテトライル、2,
3,4,6,7,8−アントラキノンヘキサイル、2,
3,6,7,10,11−トリフェニレンヘキサイルま
たは1,2,5,6,8,9,12,13−ジベンゾピ
レンオクタイル、さらに好ましくは、2,3,6,7,
10,11−トリフェニレンヘキサイルまたは1,2,
5,6,8,9,12,13−ジベンゾピレンオクタイ
ル、望ましくは、2,3,6,7,10,11−トリフ
ェニレンヘキサイルである。
【0022】Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、−OO
C−または−COO−のいずれかを示し、液晶性の観点
から好ましくはXは酸素原子または−COO−である。
【0023】X’は−CO−を示す。
【0024】Rは炭素数3〜20の直鎖状または分岐状
のアルキル基を示し、該アルキル鎖中の1個のメチレン
基は酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−または−C≡
C−に置き換わってもよい。また、R’は炭素数5〜2
0の直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、該アルキ
ル鎖中の1個のメチレン基は酸素原子、硫黄原子、−C
H=CH−または−C≡C−に置き換わってもよい。液
晶性の観点から好ましくはR,R’がそれぞれ独立に、
炭素数5〜20の直鎖状アルキル基であり、m=1〜3
である。
【0025】n+mはArが2,3,5,6−ベンゾキ
ノンテトライルの場合4であり、2,3,4,6,7,
8−アントラキノンヘキサイル、2,3,6,7,1
0,11−トリフェニレンヘキサイル、2,3,7,
8,12,13−トルクセンヘキサイル及び2,3,
6,7,10,11−トリシクロキナゾリンヘキサイル
の場合6であり、1,2,5,6,8,9,12,13
−ジベンゾピレンオクタイルの場合8である。ただし、
n,mは少なくとも1以上である。
【0026】本発明者らは上記一般式(1)で示される
ディスコティック液晶化合物が安定で広いディスコティ
ック液晶相を有し、有機EL素子のキャリア輸送層に用
いることで高効率の発光素子が実現できることを見出し
た。また、金属との高接合効率や高移動度が実現できる
ことで、導電性液晶素子として種々の半導体デバイスに
応用することが可能である。
【0027】以下、本発明のディスコティック液晶化合
物の具体的な構造を下記表に示す。但し、これらは代表
例を提示しただけで、本発明の液晶化合物はこれらに限
定されるものではない。また、具体例の記載に使用して
いるA〜Fは下記表1に示した骨格をあらわす略号であ
る。
【0028】
【表1】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】
【表9】
【0036】本発明の導電性液晶素子は、一対の電極間
に上記した本発明のディスコティック液晶からなる液晶
層を挟持していれば良く、構成するデバイスに応じた基
板上に一方の電極を形成すればよい。また電極の素材や
製法については、一般のデバイス技術を用いることがで
きる。また、本発明の有機EL素子は、該液晶層をキャ
リア輸送層或いはキャリア注入層として用いていればよ
く、例えば、図1、図2における正孔輸送層13、電子
輸送層21、或いは、不図示の正孔注入層、電子注入層
の少なくとも1層を上記特定のディスコティック液晶化
合物を用いて構成すればよい。また、必要に応じて図1
に示した透明基板11等の基板を用いて構成しても良
い。よって、本発明の有機EL素子の電極の素材や製法
は、従来の有機EL素子の技術をそのまま用いることが
できる。
【0037】
【実施例】(実施例1)以下、前記例示化合物(12)
を合成した。その合成系路及び合成法を以下に示す。
【0038】
【化1】
【0039】カテコール(i)110g(1.00mo
l)、炭酸カリウム276gを1500mlナスフラス
コに入れ、ジメチルホルムアミド1000mlに溶解さ
せて65〜75℃に昇温させた。系内を70〜75℃に
保ったままアミルブロマイド(ii)317.2g(2
mol)を10分間かけて滴下した。3時間撹拌を行っ
た後、再びアミルブロマイド(ii)151gを10分
間かけて滴下を行い、3時間撹拌を行った。このとき、
系内は常に70〜75℃を維持した。反応後、冷水30
00mlで希釈し、トルエン1000ml×3、5%水
酸化ナトリウム水溶液1000ml、水1000mlで
分液、洗浄を行い、濃縮することによって褐色液体20
4gを得た。減圧蒸留を行うことで84gの(iii)
(b.p.141〜142℃/3.7×10-2Pa)を
得ることができた。
【0040】
【化2】
【0041】(iii)149g(0.595mmo
l)、ヨウ素60.4g(0.238mol)、HIO
4・2H2O27.1g(0.595mol)、90%酢
酸149g、62.5%硫酸930gを3000mlナ
スフラスコに入れて35℃、6時間撹拌を行った。ヨウ
素の色が消失したのを確認した後、氷水1000mlで
希釈し、トルエン中で抽出、ハイポ洗浄、水で洗浄した
後、pH=7にし、減圧蒸留を行い、(iv)181g
を得た。
【0042】
【化3】
【0043】(iv)175g(0.422mol)、
Cu127.3g(1.989mol)を500ml、
4つ口フラスコに入れて反応温度230〜240℃で2
時間反応を行った。途中、激しく発熱を伴い、系内の温
度は最大270℃まで上昇した。反応後、トルエンに生
成物を溶解させ、銅粉を濾過し、トルエン/ヘキサン=
1/1でカラムクロマトグラフィーを行った後、トルエ
ン/メタノールで再結晶を行い、(v)91gを得た。
【0044】
【化4】
【0045】(vi)50g(531mmol)、炭酸
カリウム219.8gを1000mlナスフラスコに入
れ、ジメチルホルムアミド550mlに溶解させて65
〜75℃に昇温させた。系内を70〜75℃に保ったま
まアミルブロマイド(ii)120g(796mmo
l)を10分間かけて滴下した。8時間撹拌を行った。
このとき、系内は常に70〜75℃を維持した。反応
後、冷水3000mlで希釈し、トルエン500ml×
3、5%水酸化ナトリウム水溶液500ml、水500
mlで分液、洗浄を行い、濃縮することによって微黄色
液体(vii)77.2gを得た。
【0046】
【化5】
【0047】(v)21.4g(42.9mmol)、
(vii)21.6g、濃硫酸4.9gを500mlナ
スフラスコに入れ、ジクロロメタン200mlに溶解さ
せ、無水塩化第二鉄68.1gを添加した。35〜40
℃間で昇温し、2時間撹拌を行った。反応後、冷水50
0mlを加え、トルエン500ml×3、水500ml
で分液、洗浄を行い、濃縮した。得られた黒色液体をト
ルエン/ヘキサン=1/2、クロロホルム/ヘキサン=
3/2でシリカゲルクロマトグラフィーを行い、活性炭
で処理することにより淡ピンク色結晶(viii)6g
を得た。
【0048】
【化6】
【0049】(viii)3g(4.55mmol)を
200mlナスフラスコに入れ、ジクロロメタン90m
lに溶解させ、−8℃まで冷却した。塩化アルミニウム
0.91gを添加した後、n−ペンチル酸クロライド
0.92gを滴下した。徐々に昇温を行い、25℃にし
た後、3時間撹拌を行った。反応後、2N塩酸水溶液9
0mlを加えた後、エーテル90ml×2、水90ml
で分液、洗浄を行い、硫酸マグネシウムにより乾燥し濾
過した後に濃縮した。メタノール30mlで再結晶を行
った後、得られた結晶をヘキサン/トルエン=1/1で
シリカゲルクロマトグラフィーを行い、イソプロピルエ
ーテル25mlにより再結晶を行うことにより淡黄色結
晶の例示化合物(12)2.2gを得た。
【0050】この化合物の相転移温度(℃)を以下に示
す。
【0051】
【化7】
【0052】Cryst.:結晶相 D:ディスコテイックカラムナー相 Iso.:等方相
【0053】(比較例1)Chem.Mater.19
68,8,1402−1409に記載されている(A)
の化合物を次に示す経路で合成した。
【0054】
【化8】
【0055】上記化合物の相転移温度(℃)を以下に示
す。
【0056】
【化9】
【0057】以上から本発明のディスコティック液晶化
合物である例示化合物(12)がアシル基もメチレン鎖
長が1である(A)に比べてより広いディスコテイック
カラムナー相を有することが分かる。
【0058】(実施例2)実施例1で合成した例示化合
物(12)を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子
を作製した。その断面構成を図3に模式的に示す。図
中、31はガラス基板、32は陽極、33は正孔輸送
層、34a〜34cは発光層、35は電子注入層、16
は陰極である。以下に作製工程を示す。
【0059】厚さ1mmのガラス基板31上に、スパッ
タリング法によりITO膜を70nmの厚さで形成し、
紫外線照射による表面洗浄を行い、32の陽極を形成し
た。この陽極32上に、正孔輸送層33として下記に示
すαNPDを真空蒸着法により膜厚50nmで形成し
た。真空蒸着機内の圧力は約1.33×10-3Paであ
り、加熱による蒸着速度は0.1nm/secである。
さらに、同様の条件で発光層34a〜34cを50nm
の膜厚で形成した。この発光層34a〜34cは複数の
発光波長を取れるようにマスク蒸着により3種の異なる
有機層を用いた。有機層のホスト材料としては下記に示
すAlq3を用いてドーピング材料としてペリレン(5
重量%)を用いて発光波長を短波長側にシフトさせた層
とDCM(スチリル系色素)(5重量%)を用いて発光
波長を長波長側にシフトさせた層、そして中心波長には
ドーパントを用いないAlq3層を用いた。
【0060】
【化10】
【0061】上記発光層34a〜34cの上に、ディス
コティック液晶化合物として前記例示化合物(12)を
厚さ20nmに蒸着して電子注入層35とした。
【0062】さらに、陰極36としては第一層にAlL
i(1.8重量%)合金膜を真空蒸着によって10nm
形成し、その上に第二層としてAl電極層を150nm
の厚さに真空蒸着によって形成して用いた。
【0063】得られた有機EL素子の発光層のドーパン
トのない部分の電流−電圧特性を液晶の温度範囲である
70℃で測定した結果を図4に示す。電界に対して整流
性を持ち、高電流密度が得られたことを示している。発
光輝度はほぼ電流密度に比例するため、高輝度が確認さ
れた。また、下記の比較例2より電界強度が低い(有機
層厚が厚い)にもかかわらず高電流が得られたことで、
本発明のディスコティック液晶化合物を用いて電子注入
層を形成したことにより、電子の注入効率が向上したと
考えられる。
【0064】(比較例2)電子注入層35を形成しない
以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子の発光層のドーパントのない部分
の電流−電圧特性を測定した結果を図5に示す。電流密
度が、実施例2より小さい値が得られた。即ち、実施例
2より電界強度が強いにもかかわらず本例の電流値が小
さいことから電子注入性が本発明のディスコティック液
晶化合物からなる電子注入層を用いた実施例2より電流
特性が劣ることがわかった。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のディスコ
ティック液晶化合物は、電子や正孔といったキャリアの
輸送能及びキャリア注入特性に優れるため、該液晶化合
物からなる液晶層を有する導電性液晶素子は、その高キ
ャリア移動度、高キャリア注入特性を利用して種々のデ
バイスに応用することができる。特に、有機EL素子に
おいては、発光効率の高い素子を構成することができ、
また、有機層の厚膜化を図ることができるため、上下シ
ョートのない信頼性の高い素子を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の基本構成を示す断面模式図であ
る。
【図2】有機EL素子の基本構成の他の例を示す断面模
式図である。
【図3】本発明の実施例で形成した有機EL素子の構成
を示す断面模式図である。
【図4】本発明の実施例の有機EL素子の電流−電圧特
性を示す図である。
【図5】本発明の比較例の有機EL素子の電流−電圧特
性を示す図である。
【符号の説明】
10 有機化合物層 11 透明基板 12 透明電極 13 正孔輸送層 14 発光層 15 金属電極 21 電子輸送層 31 ガラス基板 32 陽極 33 正孔輸送層 34a〜34c 発光層 35 電子注入層 36 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/22 H05B 33/22 D (72)発明者 滝口 隆雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 坪山 明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森山 孝志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 BA01 CA01 CB03 DA01 DA02 DA05 EA02 EB00 4H006 AA01 AB64 BJ50 BP30 BR30 4H027 BA08 BD02 DL01 DL02 DL03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される構造を有す
    ることを特徴とするディスコティック液晶化合物。 一般式(1) (R−X)n−Ar−(X’−R’)m (上記式中、Arは2,3,5,6−ベンゾキノンテト
    ライル、2,3,4,6,7,8−アントラキノンヘキ
    サイル、2,3,6,7,10,11−トリフェニレン
    ヘキサイル、2,3,7,8,12,13−トルクセン
    ヘキサイル、2,3,6,7,10,11−トリシクロ
    キナゾリンヘキサイルまたは1,2,5,6,8,9,
    12,13−ジベンゾピレンオクタイルのいずれかを示
    す。Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、−OOC−また
    は−COO−のいずれかを示す。X’は−CO−を示
    す。Rは炭素数3〜20の直鎖状または分岐状のアルキ
    ル基を示し、該アルキル鎖中の1個のメチレン基は酸素
    原子、硫黄原子、−CH=CH−または−C≡C−に置
    き換わってもよい。R’は炭素数5〜20の直鎖状また
    は分岐状のアルキル基を示し、該アルキル鎖中の1個の
    メチレン基は酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−また
    は−C≡C−に置き換わってもよい。n+mはArが
    2,3,5,6−ベンゾキノンテトライルの場合4であ
    り、2,3,4,6,7,8−アントラキノンヘキサイ
    ル、2,3,6,7,10,11−トリフェニレンヘキ
    サイル、2,3,7,8,12,13−トルクセンヘキ
    サイル及び2,3,6,7,10,11−トリシクロキ
    ナゾリンヘキサイルの場合6であり、1,2,5,6,
    8,9,12,13−ジベンゾピレンオクタイルの場合
    8である。ただし、n,mは少なくとも1以上であ
    る。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)においてArが2,
    3,5,6−ベンゾキノンテトライル、2,3,4,
    6,7,8−アントラキノンヘキサイル、2,3,6,
    7,10,11−トリフェニレンヘキサイルまたは1,
    2,5,6,8,9,12,13−ジベンゾピレンオク
    タイルである請求項1記載のディスコティック液晶化合
    物。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)においてArが2,
    3,6,7,10,11−トリフェニレンヘキサイルま
    たは1,2,5,6,8,9,12,13−ジベンゾピ
    レンオクタイルである請求項1記載のディスコティック
    液晶化合物。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)においてArが2,
    3,6,7,10,11−トリフェニレンヘキサイルで
    ある請求項1記載のディスコティック液晶化合物。
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)においてXが酸素原子
    または−COO−である請求項1記載のディスコティッ
    ク液晶化合物。
  6. 【請求項6】 前記一般式(1)においてR,R’がそ
    れぞれ独立に、炭素数5〜20の直鎖状アルキル基であ
    る請求項1記載のディスコティック液晶化合物。
  7. 【請求項7】 2枚の対向する電極間に、少なくとも請
    求項1〜6のいずれかに記載のディスコティック液晶化
    合物からなる液晶層を有することを特徴とする導電性液
    晶素子。
  8. 【請求項8】 2枚の対向する電極間に、少なくとも請
    求項1〜6のいずれかに記載のディスコティック液晶化
    合物からなるキャリア輸送層或いはキャリア注入層を有
    することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
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