JP2002154489A - 航空機用拡張式ラバトリーユニット - Google Patents

航空機用拡張式ラバトリーユニット

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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 航空機内に装備されるラバトリーユニットに
拡張式の収納モジュールを設ける。 【解決手段】 ラバトリー本体１０には、収納モジュー
ル５０がラバトリー本体１０に対して拡張、収縮自在に
装備されている。この収納モジュール５０は、例えば、
乗客のコート、ジャケット等を収納するためのクローゼ
ットが設けられる。クローゼット５０をラバトリー本体
１０から引き出して、ラバトリー内部のスペースは拡張
され、ベンチ１５０等も使用することができるので乗客
に対するサービスの向上を図ることができる。クローゼ
ット５０の一部は、ドア８０の前面のスペースに突出す
るが、このスペースは飛行中には使用することがないの
で、スペースの有効利用を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機に搭載する
化粧室ユニット（以下ラバトリー）に関する。
【０００２】
【従来の技術】乗客のためのプライバシーのある個別空
間のほとんど無い旅客航空機では、ラバトリーは単に便
所、あるいは化粧室としてだけでなく、着替えを行なう
場所としても広く利用されている。着替えは主に、最近
の長時間化した飛行時間をリラックスして過ごすため、
あるいは目的地の気候に合せるため等に行われる。
【０００３】しかし、現行一般のラバトリーの大きさは
着替えには充分とはいえない一方、シートベッド付きの
上級客室の乗客は横になるのに適した服装への着替えを
したいとの要望が高まっている。このため一部の航空会
社では従来に比べてより大型のラバトリーを搭載する等
してきたが、大型のラバトリーは限られた航空機の収益
客室スペースを大きく占めるため、普及するには至って
いない。また、ラバトリーは機体の出入口付近に、他の
客室以外の設備−コート・クローゼット、各種収納ユニ
ット等とともに設置されることが多いが、航空会社は収
益を維持するため客席数を減らせないため、大型ラバト
リー搭載に際しては、これらの設備を縮小して対応して
きた。
【０００４】一方、ラバトリーが設置されることの多い
出入口付近では、この出入口の空間は、航空機が地上に
あるときは出入口として、また、離着陸に際しては、非
常用避難口／通路として重要な機能を持つが、飛行中は
ほとんど使用されることが無い。
【０００５】拡張型ラバトリーのパテントしては、US45
89463(1986-05-20)、US6079669(1998-09-30)、US6007025
(1998-07-01)等があるが、これらは一般的な大きさのラ
バトリーの室内空間をさらに広く拡張し、付加価値を与
えようとするものではない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】この発明はラバトリー
に、クローゼット、あるいはその他収納設備をモジュー
ルとして格納し、必要に応じてこれらを飛行中止用され
ていない出入口スペースに移動・展開することより、ラ
バトリーの室内を拡張し、着替え、あるいは車椅子を必
要とする乗客の使用等、通常より広い空間を必要とする
場合に、充分な室内空間を提供するものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】このラバトリーは、旅客
航空機の出入口に面して搭載されるもので、本体と、そ
れに収容される引き出し式の収納モジュールを機体の出
入口側の側面に有する。ラバトリー本体は、収納モジュ
ールを収納するに十分な大きさをもち、通常のドアのほ
か、引き出し式の収納モジュールを出し入れするための
開口部が機体の出入口側に設けられている。
【０００８】乗客の着替え等のために広い室内空間が必
要となった場合は、この収納モジュールを格納位置に固
定してロックを解除し、モジュール前面に付いている引
き出しハンドルにより、これを引き出す。いっぱいに引
き出した後、固定ラッチを操作して、収納モジュールを
展開位置で固定する。これらの操作はすべてラバトリー
の外から行なうことができる。
【０００９】収納モジュールを引き出すと、ラバトリー
室内には収納モジュールが収容されていたスペースに、
引き出された分と同じ空間が拡張された分と同じ空間が
拡張されて、乗客に広く快適な室内空間を提供できる。
収納モジュールは、飛行中には利用されていない出入口
スペースに引き出されるため、スペースの無駄がなく、
また、引き出された収納モジュールが、客室通路等の必
要スペースを塞ぐこともない。
【００１０】引き出し式の収納モジュールは、その扉が
ラバトリーの開口部に合せて設けられているため、この
モジュールを移動させることなく、いつでも使用するこ
とができる。従って、地上での乗降時に乗客のコート、
手荷物等を預かる場合等にも、まったく出入口を邪魔す
ることなく使用可能である。
【００１１】また、ラバトリーも、引き出し式の収納モ
ジュールが収容されている場合にも、一般的な室内空間
を確保してあり、ドアも通路側に収納モジュール用とは
別に用意されているため、いつでも通常のラバトリーと
して使用できる。
【００１２】
【発明の実施の形態】図１，図２は、本発明の航空機の
化粧室ユニット（以下、ラバトリーユニットと称する）
の斜視図である。全体を符号１で示すラバトリーユニッ
トは、パネル材で構成される箱形のラバトリー本体１０
を有し、航空機の床板７０上の適宜位置に設置される。
【００１３】ラバトリー本体１０の内部の床面１１０上
には、トイレユニット２０が取付けられており、トイレ
ユニット２０の側方には、洗面ユニット３０が装備され
る。このラバトリー本体１０には、収納モジュール５０
がラバトリー本体１０に対して拡張、収縮自在に装備さ
れている。この収納モジュール５０は、例えば、乗客の
コート、ジャケット等を収納するためのクローゼットが
設けられる。
【００１４】航空機の前部ドア８０より機首側の客室に
は、ファーストクラスやビジネスクラス等のシートが配
設され、これらのクラスの乗客のコートやジャケット
は、飛行中はクローゼット等に収納される。ファースト
クラスやビジネスクラス用のラバトリーユニット１０
は、前部ドア８０の機首側のスペースに配設される。
【００１５】図１は、クローゼット５０がラバトリー本
体１０内に格納された状態を示す。この状態にあって
も、収納モジュール５０のラバトリーの室内側のパネル
は、ラバトリー本体の入口ドアの開口部と干渉しない位
置にロックされるので、乗客はトイレット２０と洗面台
３０を自由に使用することができる。また、ドア８０に
通ずる床面７０も充分に確保され、ドア８０を開いて乗
降ができる。
【００１６】図２は、クローゼット５０をラバトリー本
体１０から引き出して、ラバトリーユニットを拡張した
状態を示す。ラバトリー内部のスペースは拡張され、ベ
ンチ１５０等も使用することができる。したがって、乗
客に対するサービスの向上を図ることができる。引き出
されたクローゼット５０の一部は、ドア８０の前面のス
ペースに突出するが、このスペースは飛行中には使用す
ることがないので、スペースの有効利用を図ることがで
きる。
【００１７】図３は、本発明のラバトリーユニットの外
観を示す正面図、図４は上面図、図５は右側面図、図６
は左側面図である。ラバトリー本体１０の前面には、中
折れ式のドア１００が取付けられ、ドアの部１０２によ
り開閉される。ドア１００に隣接する前面パネル１２０
にも、適宜の部材が装備される。ラバトリー本体１０の
航空機のドア側に面する開口部には、クローゼット５０
が組込まれる。クローゼット５０は箱形の筐体を有し、
前面にはドア５００がノブ５１０により開閉自在に設け
られる。クローゼット５０は前面パネル１２にボールベ
アリング入りスライドレール５５０により保持されると
ともに、拡張、収納時に滑らかに案内される。
【００１８】クローゼット５０の前面には、複数のロッ
ク装置５２０，５２２が設けられる。このロック装置５
２０は、クローゼット５０を格納した状態でラバトリー
本体１０に固定するものであり、ロック装置５２２は、
クローゼット５０を引き出した状態で航空機の床面に固
定するのに利用される。クローゼット５０の側方のパネ
ル１４０には、適宜の収納ユニットのドア１４２が配設
される。
【００１９】ラバトリー本体１０のクローゼット５０に
対向するパネル１３０の外表面は、ファーストクラスや
ビジネスクラスの客室の後方に位置するが、化粧クロス
等で覆われる。
【００２０】図７は、クローゼット５０が、ラバトリー
本体１０内に格納された状態の断面平面図を示す。クロ
ーゼット５０は、スライドレール５６０により案内さ
れ、拡張、収縮されるクローゼット５０を格納した状態
にあっても、クローゼット５０の背面板５３０は、ラバ
トリー本体の入口の中折れドア１１０の開口部と干渉し
ない位置に位置決めされるので、トイレユニット２０、
洗面台３０は自由に使用することができ、またクローゼ
ット５０の背面板５３０にハンドル５８０等を取付ける
ことができる。
【００２１】図８は、クローゼット５０を引き出して、
ラバトリー本体１０の内部を拡張した状態を示す正面
図、図９は平面図、図１０は右側面図、図１１は左側面
図である。ラバトリーの床面１１０のスペースは拡張さ
れ、クローゼット５０とラバトリー本体の前面板１２０
との間に取付けられていたベンチシート１５０が水平位
置まで開いて、ステム１５２により固定される。
【００２２】ラバトリーの利用者は、ベンチシート１５
０も利用でき、利便性が向上する。洗面台２０の上部に
は、ミラー３２等が配設される。クローゼット５０は、
床板５４０の下部に設けられたスライドレール５６０に
より案内されて引き出される。クローゼット５０の前面
には、中折れ式のドア５００が設けられる。
【００２３】
【発明の効果】本発明のラバトリーユニットは、上述し
たように、ラバトリーとクロゼットの機能を保ちつつ、
航空機の限られたスペースを有効に利用できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のラバトリーユニットの斜視図。
【図２】本発明のラバトリーユニットの斜視図。
【図３】本発明のラバトリーユニットの正面図。
【図４】本発明のラバトリーユニットの上面図。
【図５】本発明のラバトリーユニットの右側面図。
【図６】本発明のラバトリーユニットの左側面図。
【図７】本発明のラバトリーユニットの断面平面図。
【図８】本発明のラバトリーユニットの縦断面図。
【図９】本発明のラバトリーユニットの断面平面図。
【図１０】本発明のラバトリーユニットの断面右側面
図。
【図１１】本発明のラバトリーユニットの断面左側面
図。
【符号の説明】
１ ラバトリーユニット １０ 本体 ２０ トイレットユニット ３０ 洗面台 ５０ クロゼット ７０ 航空機の床面 ８０ 航空機のドア １００ ラバトリーユニットの中折れドア １１０ ラバトリーユニットの床面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 パネル材で構成されるラバトリー本体
    と、ラバトリー本体の正面に設けられる入口ドアの開口
    部と、ドアに対向する本体内に装備されるトイレットユ
    ニットと、トイレットユニットの側方に配設される洗面
    台と、洗面台に対向する位置に、ラバトリー本体に対し
    て引き出し自在に装備される収納モジュールを備え、 収納モジュールは、ラバトリー本体内に格納されたとき
    に、そのラバトリーの室内側のパネルはラバトリー本体
    の入口ドアの開口部と干渉しない位置にロックされる航
    空機用拡張式ラバトリーユニット。
  2. 【請求項２】 収納モジュールを引き出した位置でラバ
    トリーの室内側に水平位置に展開されるベンチシートを
    備える請求項１記載の航空機用拡張式ラバトリーユニッ
    ト。
  3. 【請求項３】 収納モジュールを引き出すスペースは、
    航空機のドアの前面のスペースである請求項１記載の航
    空機用拡張式ラバトリーユニット。
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