JP2002154422A - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

液圧ブレーキ装置

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JP2002154422A
JP2002154422A JP2000353199A JP2000353199A JP2002154422A JP 2002154422 A JP2002154422 A JP 2002154422A JP 2000353199 A JP2000353199 A JP 2000353199A JP 2000353199 A JP2000353199 A JP 2000353199A JP 2002154422 A JP2002154422 A JP 2002154422A
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JP
Japan
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piston
valve
pressure chamber
diameter piston
brake
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Application number
JP2000353199A
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English (en)
Inventor
Haruo Arakawa
荒川  晴生
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ピストン等の各部材の製作が容易で低コスト
な液圧ブレーキ装置を提供する。 【解決手段】 シリンダ301内を移動する大径ピスト
ン311と、大径ピストン311の内周と係合すると共
に大径ピストン311に対して相対移動可能な小径ピス
トン315と、小径ピストン315に対して相対移動可
能なフローティングピストン321と、第1圧力室32
7と、第2圧力室329と、第3圧力室333と、小径
ピストン315内に設置され、第1圧力室327とリザ
ーバタンクとの連通を断続する第1バルブ343と、小
径ピストン315内に設置され、第1圧力室327と第
2圧力室329間の連通を断続する第2バルブ357
と、第1バルブ343の開弁時に第2バルブ357を開
弁させるリテーナ347、中間部材349及びリフト部
材351を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧ブレーキ装置
に関するものであり、特に、車両等の液圧ブレーキ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液圧ブレーキ装置として、米国特
許第3559406号公報に開示されたものがある。こ
れには、ブレーキ操作時に、エンジンによって発生する
負圧を利用して助勢されたブレーキ負圧倍力装置のパワ
ーピストンによって移動させられる大径ピストンと、大
径ピストンの内周に嵌合し、負圧倍力装置の助勢機能が
失陥した際に、大径ピストンに対して相対移動可能な小
径ピストンを備えた液圧ブレーキ装置が記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記液圧ブレーキ装置
は、大径ピストンは負圧倍力装置の助勢力を受けた際、
車輪用ブレーキが必要とするブレーキ圧を供給するため
所定のストロークを必要とし、シリンダとの間のシール
部材の配置との関係上、相当の全長を必要とする。
【0004】また、負圧倍力装置の助勢機能が失陥した
際には、大径ピストンに対して小径ピストンが必要なだ
けストロークする必要があり、この点においても、大径
ピストンの全長が長くなるきらいがあり、大径ピストン
の内周面の製作上の困難さから、コスト高になるもので
あった。
【0005】そこで本発明は、上記問題点を解決すべ
く、ピストン等の各部材の製作が容易で低コストな液圧
ブレーキ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、シリンダ内においてブレーキブー
スタの出力を受けて移動するマスタピストンと、該マス
タピストンと係合するとともに前記マスタピストンに対
して相対移動可能なフローティングピストンと、前記シ
リンダ、前記マスタピストン及びフローティングピスト
ンによって形成された第1圧力室と、前記マスタピスト
ンとフローティングピストンとの間に形成された第2圧
力室と、前記シリンダと前記フローティングピストンと
によって形成された第3圧力室と、前記マスタピストン
内に設置され、前記第1圧力室とリザーバタンクとの連
通を断続する第1バルブと、前記マスタピストン内に設
置され、前記第1圧力室と第2圧力室間の連通を断続す
る第2バルブと、前記第1バルブの開弁時に前記第2バ
ルブを開弁させるバルブ連動手段を備えたことを特徴と
する液圧ブレーキ装置とした。
【0007】請求項1の発明によると、その作動時にフ
ローティングピストンがマスタピストンに対し相対移動
するため、マスタピストンの全長を短くでき、製作が容
易で低コストの液圧ブレーキ装置とすることができる。
【0008】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。図1は、車両ブレーキ用の液圧ブレーキ
装置の断面図を表す。
【0009】図1において1は、エンジンによって発生
される負圧によってブレーキ操作力を助勢する本発明に
は含まれないブレーキブースタである。一方、3はブレ
ーキブースタ1と結合してブレーキ操作力に応じたブレ
ーキ液圧を発生させる本発明を構成するマスタシリンダ
である。
【0010】ブレーキブースタ1のハウジング101内
には固定隔壁103と可動隔壁105,107、及びダ
イヤフラム109,111が設置され、ブレーキ操作に
応じて導入される大気の量が可変である2つの変圧室V
1,V2及び常にエンジンと連結して負圧が導入される
2つの定圧室C1,C2が形成されている。定圧室C
1,C2は可動隔壁107に設けられたエアパス107
aによって互いに連通し、変圧室V1,V2も固定隔壁
103に設けられたエアパス103aによって互いに連
通している。
【0011】入力ロッド113は図示しないブレーキペ
ダルに連結して、ブレーキの操作力を出力する。エアピ
ストン115は入力ロッド113に固着しており、入力
ロッド113と共に作動する。エアピストン115は、
更にエアバルブ117とその外周において嵌合するとと
もに、両者の間にはスプリング119が介在し、エアピ
ストン115には止め輪115aが装着されている。
【0012】エアピストン115の先端はパワーピスト
ン121に挿入され、同じくパワーピストン121内に
設置された中間ロッド123と当接している。なお、パ
ワーピストン121は、前述した可動隔壁105,10
7と連結している。エアバルブ117には、ブレーキ非
作動状態においてバルブリテーナ125に装着されたエ
アバルブシール127が当接しており、ブレーキブース
タ1の内部を外気(大気)と遮断している。また、バル
ブリテーナ125にはコントロールバルブシール129
が装着され、図1の状態(ブレーキ非作動状態)では、
パワーピストン121との間に隙間が保たれており、変
圧室V1,V2と定圧室C1,C2との間の連通が維持
されている。なお、バルブリテーナ125はスプリング
118によって左方に付勢されている。
【0013】パワーピストン121上にはリアクション
ディスク131が設置され、リアクションディスク13
1上には出力ロッド133が設けられている。図1にあ
るように、リアクションディスク131の外周部には、
リアクションディスク131と出力ロッド133で取り
囲まれたスペース135が備えられている。出力ロッド
133には第1ロッド137が固着され、第1ロッド1
37内には相対移動可能なように突出しピン139が設
置されている。突出しピン139はリアクションディス
ク131を貫通した中間ロッド123の延在部123a
と当接している。
【0014】次に図2を用いてマスタシリンダ3につい
て詳述する。シリンダボデー301には液密的に、第1
ボデーピース303、第2ボデーピース305、第3ボ
デーピース307、第4ボデーピース309が装着され
ている。第2ボデーピース305には、大径ピストン3
11が摺動可能に挿通されており、第2ボデーピース3
05との間に第1シール313が装着されている。大径
ピストン311内には、大径ピストン311とともに請
求項1のマスタピストンを構成する小径ピストン315
が相対移動可能に設置され、第2シール317及び第3
シール319が大径ピストン311の内周部との間に設
置されている。更に、小径ピストン315の前方にはフ
ローティングピストン321が相対移動可能に嵌合さ
れ、両者の間には第4シール323が介在している。
【0015】更に、第3ボデーピース307とフローテ
ィングピストン321との間には第5シール325が設
置され、第2ボデーピース305、大径ピストン31
1、小径ピストン315等によって第1圧力室327が
形成され、小径ピストン315とフローティングピスト
ン321との間には第2圧力室329が形成されてい
る。また、第4ボデーピース309にはフローティング
ピストン321との間に第6シール331が設置され、
フローティングピストン321の図上左側に第3圧力室
333が形成される。第3圧力室333は、図示しない
車輪ブレーキと連通して、第3圧力室333に発生した
液圧は車輪ブレーキに印加される。
【0016】シリンダボデー301に設けられたインレ
ットポート301a、301e(図1に示す)は、図示
しないリザーバタンク(大気と連通している)へと連結
される。大径ピストン311に設置されたポート311
aは、大径ピストン311及び第2ボデーピース305
に囲まれたリリーフ室335、第2ボデーピース305
に設けられたポート337、及びシリンダボデー301
に設置されたポート301bを介してインレットポート
301aと連通している。
【0017】小径ピストン315は前記したブレーキブ
ースタ1の第1ロッド137と当接し、更に小径ピスト
ン315中には第2ロッド339が相対移動可能、且つ
ブレーキブースタ1の突出しピン139とブレーキの非
作動状態において隙間Lを保持して当接可能に設置され
ている。(図3)第2ロッド339の左端面には、大径
ピストン311の貫通孔311bに挿通されたストッパ
ーピン341が当接し、ストッパーピン341の両端部
は第2ボデーピース305に当接している。小径ピスト
ン315内にはボールとスティックによって構成された
第1バルブ343が設けられるとともに、第1バルブ3
43はリテーナ345を介して第1スプリング347に
よって図において右方に付勢されている。第1バルブ3
43はブレーキの非作動状態においてストッパーピン3
41の左面に当接するため、第1バルブ343と小径ピ
ストン315の弁座面とは離隔しており、第1圧力室3
27はリリーフ室335、ポート337、ポート301
b及びインレットポート301aを介してリザーバタン
クと連通し、大気圧を維持している。
【0018】リテーナ345は図において左方にて中間
部在349と当接し、更に中間部在349内には、請求
項2のバルブリフト体を構成するリフト部材351が第
2スプリング353によって左方に付勢されながら相対
移動可能に設置されている。また、小径ピストン315
内に嵌着された弁座部材355内には、第2バルブ35
7が第3スプリング359によって図において右方に付
勢されている。ブレーキの非作動時には、リフト部材3
51が第2スプリング353によって左方に付勢される
ことによって第2バルブ357と当接しているため、第
2バルブ357と弁座部材355の弁座面とは隙間L1
だけ離隔しているとともに、リフト部材351と中間部
在349との間には隙間L2が形成されており、ブレー
キ非作動時において、L1とL2との間にはL1>L2
の関係がある。リテーナ345、中間部材349及びリ
フト部材351はバルブ連動手段352を構成する。
【0019】なお、小径ピストン315にはポート36
1が形成され、大径ピストン311にはポート363が
形成されている。なお、フローティングピストン321
は、左方に位置する、もう1つのフローティングピスト
ン369(図1に示す)との間に設置されたリターンス
プリング365,367から所定の付勢力を受けてい
る。もう1つのフローティングピストン369と、シリ
ンダボデー301との間には、リターンスプリング37
1,373が介在し、フローティングピストン369と
シリンダボデー301とによって、図示しないもう1つ
の車輪ブレーキ系につながる第3圧力室375を形成す
る。
【0020】次に、本発明による液圧ブレーキ装置の作
動について説明する。エンジンによって発生する負圧が
ブレーキブースタ1に正常に働く場合、定圧室C1,C
2は常に負圧状態となっている。ブレーキ作動を行う
と、入力ロッド113によってエアピストン115が図
において左方に移動することによって、エアバルブ11
7も左方に移動する。この時、バルブリテーナ125は
スプリング118によって左方に付勢されているため、
エアバルブシール127及びコントロールバルブシール
129と共に、左方に移動する。したがって、コントロ
ールバルブシール129はパワーピストン121に当接
して閉弁した位置で停止し、変圧室V1,V2と定圧室
C1,C2との連通を遮断する。更に、エアピストン1
15が左方に移動すると、エアバルブ117がエアバル
ブシール127から離隔して開弁し、大気が変圧室V
1,V2に流入する。したがって、変圧室V1,V2と
定圧室C1,C2との間に差圧が発生し、差圧によって
助勢力を受けて可動隔壁105,107がパワーピスト
ン121とともに左方に移動する。
【0021】エアピストン115に加わったブレーキ操
作力は、中間ロッド123を介してパワーピストン12
1に働いた助勢力とともにリアクションディスク131
へと印加され、出力ロッド133及び第1ロッド137
へと働き、第1ロッド137は小径ピストン315を押
圧して図において左方へと移動させる。これと同時に、
ブレーキブースタ1のパワーピストン121は大径ピス
トン311を押圧し、図において左方へと移動させる。
結局、大径ピストン311と小径ピストン315は一体
となって図において左方へと移動する。
【0022】この時、小径ピストン315がストッパー
ピン341に対して相対的に左方に移動するため、スト
ッパーピン341が、第1バルブ343を拘束しなくな
り、第1スプリング347の付勢力によって第1バルブ
343が閉弁する。すなわち、第1圧力室327とリザ
ーバタンクとの連通が断たれ、大径ピストン311と小
径ピストン315の作動に応じて第1圧力室327に液
圧が発生する。この時、大径ピストン311のシール有
効断面積S0がフローティングピストン321のシール
有効断面積S1より大であるため、大径ピストン311
の前進移動に伴いフローティングピストン321が前進
して第2の圧力室329が次第に拡張する。この状態で
小径ピストン315とフローティングピストン321が
相対移動しながら移動することになる。フローティング
ピストン321の移動に伴って、第3圧力室333にも
液圧が発生し、これに伴い、フローティングピストン3
69も図上左方に移動し、第3圧力室375にも液圧が
発生する。これによって、図示しない各々の車輪ブレー
キ系にブレーキ圧が印加される。この状態が、図5にお
いて線図Aで表される。ブレーキ作動の初期において
は、第1圧力室327内においてリフト部材351が受
ける液圧は第2スプリング353の付勢力より小さいた
め、リフト部材351が第2バルブ357に当接し、第
2バルブ357は開弁状態にある。
【0023】大径ピストン311と小径ピストン315
の移動に伴い、第1圧力室327内の液圧が上昇し、所
定圧(ブレーキブースタ1による助勢限界(死点)前の
任意の圧力)を超えると、リフト部材351が受ける液
圧による、図において右方への付勢力が、第2スプリン
グ353による付勢力以上になると、リフト部材351
が弁座部材355に対して右方へと移動し、第2バルブ
357が第3スプリング359の付勢力によって閉弁す
る。これによって、第2圧力室329はブレーキ液が充
填された密閉空間となり、この状態で小径ピストン31
5とフローティングピストン321は一体となって移動
する。
【0024】ブレーキ操作の初期段階においてブレーキ
操作力が比較的小さいとき、突出しピン139と第2ロ
ッド339との間の隙間はL−L3となっており、急な
ブレーキ操作が行われても、誤って第2ロッド339に
よって第1バルブ343が開弁されることはない。その
後、リアクションディスク131に対し、中間ロッド1
23から加わるブレーキ操作力、及びパワーピストン1
21から加わる助勢力が増大すると、リアクションディ
スク131に発生する圧力が増大して、図4に示したよ
うに、リアクションディスク131がリアクションディ
スク131と出力ロッド133で取り囲まれたスペース
135内に入り込む。これによって、リアクションディ
スク131の厚みが、初期状態のTからT−tへと減少
する。したがって、この時の第2ロッド339と突出し
ピン139との間の隙間は、第1バルブ343の開弁時
のバルブリフト量をL3とすれば、L−L3−tに減少
する。
【0025】ブレーキ操作力が更に増大し、ブレーキブ
ースタ1の助勢限界(図5のa点)を超えてブレーキ作
動を行うと、ブレーキ操作力の増大分は、エアピストン
115、中間ロッド123を介して突出しピン139を
押圧する。突出しピン139は第2ロッド339との間
の隙間L−L3−tを埋めて、更に第1ロッド137に
対して図2において左方へと移動し、第2ロッド339
を押圧する。第2ロッド339は第1バルブ343を開
弁させ、第1圧力室327はリリーフ室335、ポート
337、及びポート301bを介してインレットポート
301aへとつながり、リザーバタンクと連通する。第
1圧力室327内の液圧が低下するため、大径ピストン
311と小径ピストン315からの反力が低下し、ブレ
ーキブースタ1の助勢力が勝り、大径ピストン311及
び小径ピストン315を更に押し込む。つまり、フロー
ティングピストン321と一体になった小径ピストン3
15を更に押圧する。これ以降のブレーキ操作では第1
圧力室327内の液圧低下に従い、小径ピストン315
の押圧力が増加していき、第3圧力室333,375
(シール有効断面積S1)内の液圧を上昇させる(図5
のB)。それ以降、第1圧力室327内の液圧がなくな
った後のブレーキ液圧線図は図5のCとなり、第1バル
ブ343による開閉機能がなく、第1圧力室327内の
液圧による反力を受ける場合の線図Dに対して、ブレー
キ液圧を高くできるとともに、勾配も急にすることがで
きる。
【0026】前述した、小径ピストン315とフローテ
ィングピストン321とによって、第2圧力室329内
にブレーキ液を充填したまま密閉する構成は、第1バル
ブ343が開弁した際に、小径ピストン315が一挙に
前進して入り込むことがないように設けられている。
【0027】ブレーキ操作部材が戻されると、第1圧力
室327内の圧力が次第に減少し、リフト部材351が
受ける液圧による右方への付勢力が、第2スプリング3
53による付勢力より小さくなると、第2バルブ357
がリフト部材351によって開弁される。
【0028】ブレーキ操作部材が完全に初期位置に戻る
と、第1バルブ343がストッパーピン341によって
開弁され、第1圧力室327がリリーフ室335、ポー
ト337、及びポート301bを介してインレットポー
ト301aへとつながり、大気と連通する。
【0029】また、小径ピストン315が初期位置に戻
れば、ストッパーピン341によって第1バルブ343
が図において左方に移動され開弁されることによって、
第1バルブ343に当接したリテーナ345も左方に移
動し、続いて中間部材349も左方に移動する。中間部
材349はリフト部材351を押圧して移動させ、リフ
ト部材351が第2バルブ357を押圧する。前述した
ように、第1バルブ343の開弁時には、中間部材34
9とリフト部材351との間の隙間L2は、第2バルブ
357の開弁時のリフト量L1より小さいため、リフト
部材351は第2バルブ357を少なくともL1−L2
だけリフトさせて開弁することができる。
【0030】ブレーキ操作中に、例えばアンチスキッド
制御が行われ、マスタシリンダ3と車輪ブレーキとの連
通が断たれ、液圧ポンプによって第3圧力室333へと
ブレーキ液が還流されると、第3圧力室333内の液圧
が増大し、液圧のバランスによってフローティングピス
トン321と小径ピストン315とに囲まれた第2圧力
室329内の液圧も増大し、第2バルブ357を閉弁す
る方向に力を及ぼす。
【0031】しかしながら、上記したバルブ連動手段3
52の機能によって、第1バルブ343が開弁後は、第
2圧力室329に液圧が封じ込められることはない。
【0032】エンジンによって発生される負圧によるブ
レーキブースタ1の助勢機能が、何らかの原因によって
失陥した場合、入力ロッド113に加えられたブレーキ
操作力は、エアピストン115、中間ロッド123、リ
アクションディスク131を介して出力ロッド133に
伝えられる。出力ロッド133は小径ピストン315を
押圧して、図2において左方へと移動させる。大径ピス
トン311に対する小径ピストン315の相対的な移動
によって、小径ピストン315に装着された第3シール
319が大径ピストン311のポート363に対して図
において左方へと移動するため、第1圧力室327は、
ポート363、ポート311a、リリーフ室335、ポ
ート335、及びポート301bを介してインレットポ
ート301aへとつながり、リザーバタンクと連通す
る。
【0033】したがって、第1圧力室327には液圧が
発生せず、フローティングピストン321は小径ピスト
ン315に直接押圧されて移動するため、ブレーキ操作
部材は第3圧力室333(シール有効断面積S1)内の
液圧による反力を受けることとなり、ブレーキ液圧線図
は図5のEとなり、ブレーキ操作部材が第1圧力室32
7(シール有効断面積S0)内の液圧による反力を受け
た場合の線図Fに比較して、ブレーキ液圧を高くでき
る。
【0034】本発明は上記実施の形態にとらわれるもの
ではない。例えば、液圧ブレーキ装置はタンデムマスタ
シリンダに限ったものではなく、シングルマスタシリン
ダにても実施できることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】本発明によると、ブレーキ作動時にフロ
ーティングピストンが小径ピストンから離隔して作動す
る構成であるため、特に大径ピストン等の全長を長くす
る必要がないため、その製造上低コストの液圧ブレーキ
装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液圧ブレーキ装置を表す断面図であ
る。
【図2】本発明の液圧ブレーキ装置の要部詳細図であ
る。
【図3】本発明の液圧ブレーキ装置に使用されるリアク
ションディスクに関する説明図である。
【図4】本発明の液圧ブレーキ装置に使用されるリアク
ションディスクに関する説明図である。
【図5】本発明の液圧ブレーキ装置のブレーキペダル踏
力とブレーキ液圧との関係を表す線図である。
【符号の説明】
1・・・ブレーキブースタ 3・・・マスタシリンダ 121・・・パワーピストン 131・・・リアクションディスク 133・・・出力ロッド 135・・・スペース 139・・・突出しピン 301・・・シリンダ 311・・・大径ピストン 315・・・小径ピストン 321,369・・・フローティングピストン 327・・・第1圧力室 329・・・第2圧力室 333,375・・・第3圧力室 339・・・第2ロッド 343・・・第1バルブ 357・・・第2バルブ 345・・・リテーナ 349・・・中間部材 351・・・リフト部材 352・・・バルブ連動手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内においてブレーキブースタの
    出力を受けて移動するマスタピストンと、該マスタピス
    トンと係合するとともに前記マスタピストンに対して相
    対移動可能なフローティングピストンと、前記シリン
    ダ、前記マスタピストン及びフローティングピストンに
    よって形成された第1圧力室と、前記マスタピストンと
    フローティングピストンとの間に形成された第2圧力室
    と、前記シリンダと前記フローティングピストンとによ
    って形成された第3圧力室と、前記マスタピストン内に
    設置され、前記第1圧力室とリザーバタンクとの連通を
    断続する第1バルブと、前記マスタピストン内に設置さ
    れ、前記第1圧力室と第2圧力室間の連通を断続する第
    2バルブと、前記第1バルブの開弁時に前記第2バルブ
    を開弁させるバルブ連動手段を備えたことを特徴とする
    液圧ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記バルブ連動手段は、前記第1バルブ
    の弁体に当接したリテーナと、該リテーナの作動によっ
    て前記第2バルブの弁体を開弁させるバルブリフト体と
    を備えたことを特徴とする請求項1を満足する液圧ブレ
    ーキ装置。
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