JP2002154047A - 揚送装置 - Google Patents

揚送装置

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JP2002154047A
JP2002154047A JP2000350004A JP2000350004A JP2002154047A JP 2002154047 A JP2002154047 A JP 2002154047A JP 2000350004 A JP2000350004 A JP 2000350004A JP 2000350004 A JP2000350004 A JP 2000350004A JP 2002154047 A JP2002154047 A JP 2002154047A
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Yoshio Wakana
芳生 若菜
Makoto Tayui
誠 田結
Hidekatsu Takeuchi
英勝 竹内
Seiichi Yanagawa
誠市 梁川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揚送用の無端ベルトの横ずれの程度に応じ
て、その横ずれを解消するための適切な制御を実施可能
な揚送装置を提供すること。 【解決手段】 揚送装置が備える無端ベルトの左縁と右
縁の位置を検出し(S10〜S20)、両位置の相対距
離に異常があれば警告灯を点灯する(S30〜S4
0)。異常がない場合、無端ベルトに接する第1テンシ
ョンローラの回転軸の傾斜角を、検出した左縁位置また
は右縁位置に応じた傾斜角に変更する(S50〜S7
0)。ここで変更される傾斜角は、無端ベルトが左右ど
ちらへずれているかに応じた傾斜角ではなく、左または
右へどの程度ずれているかに応じた傾斜角とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技球を揚送する
揚送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の揚送装置としては、例え
ば特開平9−28909号公報に記載されたものが知ら
れている。同公報に記載の装置は、揚送用の無端ベルト
の横ずれをセンサで検知して、その横ずれが解消する方
向へ無端ベルトを移動させる制御を行うように構成され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の揚送装置は、無端ベルトの横ずれの有無および方向
を検知しているだけであり、横ずれがあることを検知し
た場合には、その横ずれの程度の大小を考慮することな
く、単に横ずれが解消する方向へ無端ベルトを移動させ
るだけであった。
【0004】そのため、無端ベルトを比較的小さく移動
させるものにおいては、大きな横ずれを解消するのに時
間がかかるという問題を招き、一方、無端ベルトを比較
的大きく移動させるものにおいては、小さな横ずれを解
消する際に無端ベルトが過剰に移動してしまい、そのよ
うな過剰な移動によって生じた横ずれを解消すべく無端
ベルトの移動を繰り返すと、ハンチングが発生して無端
ベルトの幅方向への動きが収束しなくなるという問題を
招く恐れがあった。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、揚送用の無端ベルトの横
ずれの程度に応じて、その横ずれを解消するための適切
な制御を実施可能な揚送装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上述
の目的を達成するために、請求項1に記載の揚送装置
は、循環駆動される無端ベルトと該無端ベルトの上昇箇
所に対面する挟持面との間に遊技球を導入し、該遊技球
を前記無端ベルトと前記挟持面との間に挟み込んで、前
記無端ベルトに追従する方向へ揚送可能な揚送装置にお
いて、与えられた制御量に応じて大きさおよび/または
向きが変化する力を、前記無端ベルトに作用させて、該
無端ベルトの幅方向位置を変更可能なベルト位置変更手
段と、前記無端ベルトの幅方向位置を検知可能なベルト
位置検知手段と、該ベルト位置検知手段によって検知さ
れた前記無端ベルトの幅方向位置に基づいて、該幅方向
位置を目標位置に近づけるのに必要な前記制御量を求め
て、該制御量を前記ベルト位置変更手段に与える制御手
段とを備えたことを特徴とする。
【0007】この揚送装置において、挟持面は、例え
ば、遊技球の表面を研磨するのに適した素材(例えば
布)で形成されているとよい。この場合、遊技球が無端
ベルトに追従する方向へ揚送されるのに伴い、遊技球が
挟持面に擦り付けられる状態になると、遊技球の表面が
挟持面によって研磨されるので、遊技球の揚送と同時に
遊技球表面の汚れを除去することができる。また、例え
ば、循環動作する第2の無端ベルトの外周面を挟持面と
してもよい。この場合、遊技球を挟み込んだ2つの無端
ベルト双方を上昇動作させることにより、遊技球と挟持
面との間で発生する摩擦を抑制しながら遊技球を揚送で
き、揚送装置の揚送能力を向上させることができる。
【0008】ベルト位置変更手段は、無端ベルトの幅方
向に作用させる力の大きさを変えられるものであれば、
無端ベルトに作用させる力の大きさそのものを変化させ
る機構であってもよいし、無端ベルトに作用させる力の
大きさそのものは変化させず、作用方向を変化させるこ
とによって、無端ベルトの幅方向についての分力の大き
さを変えられる機構であってもよい。無端ベルトに作用
させる力の作用方向を変化させる機構としては、例え
ば、無端ベルトが架け渡されている複数のローラの内の
いくつかについて、ローラの回転軸の傾きを任意に変動
させ得る構造などを採用できる。このような構造のベル
ト位置変更手段は、無端ベルトの進行方向に対してロー
ラが傾いた状態で回転するため、無端ベルトの循環動作
に従動してローラが回転するかモータなどの力でローラ
が回転駆動された際に、ローラと無端ベルトとの間に作
用する摩擦力が、無端ベルトの幅方向への分力が現れる
ような向きに作用し、この分力によって無端ベルトを幅
方向に変位させることができる。
【0009】ベルト位置検知手段は、単に無端ベルトの
横ずれの有無のみを検知するものではなく、無端ベルト
の幅方向位置を検知するものである。以上のように構成
された揚送装置において、制御手段は、ベルト位置検知
手段によって検知されるベルトの幅方向位置に基づいて
制御量を求め、その制御量をベルト位置変更手段に与え
る。これにより、ベルト位置変更手段が無端ベルトの幅
方向位置を変化させるが、無端ベルトの移動の方向およ
び速度は前記制御量に応じたものとなる。
【0010】したがって、この揚送装置によれば、無端
ベルトの横ずれの程度の大小にかかわらず単に同じ制御
量をベルト位置変更手段に与えるものとは異なり、無端
ベルトの横ずれの程度に応じて、その横ずれを解消する
ための適切な制御が実施される。具体的には、例えば、
横ずれの程度が小さい場合には、それに応じてベルト位
置変更手段が作動するので、無端ベルトはゆっくりと移
動する。また、横ずれの程度が大きい場合には、それに
応じてベルト位置変更手段が作動するので、無端ベルト
は迅速に移動する。その結果、横ずれの程度が小さい場
合に無端ベルトを過剰に移動させてしまうことはなくな
り、しかも、横ずれの程度が大きい場合に横ずれの解消
に時間がかかってしまうこともなくなる。
【0011】請求項2に記載の揚送装置は、前記ベルト
位置検知手段が、前記無端ベルトの縁で前記無端ベルト
の幅方向位置を検知することを特徴とする。
【0012】このようなベルト位置検知手段としては、
例えば、それぞれが無端ベルトの有無を検知可能な複数
のセンサを無端ベルトの幅方向に配列したものを採用で
きる。この場合、複数のセンサの内、隣接配置されてい
る2つのセンサで検知結果が異なっている箇所に無端ベ
ルトの縁が存在しているので、それら2つのセンサの配
列位置から、無端ベルトの幅方向位置を求めることがで
きる。
【0013】このような揚送装置によれば、無端ベルト
の縁で無端ベルトの幅方向位置を検知するので、無端ベ
ルトそのものには何ら特殊な加工を施すことなく、非接
触で無端ベルトの幅方向位置を検知することができる。
請求項3に記載の揚送装置は、前記ベルト位置検知手段
によって検知される前記無端ベルトの幅方向位置が、あ
らかじめ定められた許容範囲内で変動している場合に、
前記制御手段が前記ベルト位置変更手段を作動させない
ことを特徴とする。
【0014】この揚送装置によれば、制御手段は、ベル
ト位置検知手段によって検出される無端ベルトの幅方向
位置が所定の許容範囲内に収まっている場合には、ベル
ト位置変更手段を作動させず、無端ベルトの幅方向位置
が許容範囲内に収まっていない場合に、ベルト位置変更
手段を作動させる。
【0015】したがって、許容範囲をある程度広めに設
定しておくことにより、僅かな横ずれを無視するように
することができ、これにより、ベルト位置変更手段が過
敏に作動を繰り返すようなことがなくなるので、ベルト
位置変更手段を含む可動機構の耐用寿命が長くなる。ま
た、無端ベルトの寸法にある程度のばらつきや経時変化
があっても、それらの寸法変化を無端ベルトの横ずれで
あると誤認識して、ベルト位置変更手段を作動させてし
まうこともない。
【0016】請求項4に記載の揚送装置は、前記制御手
段が、PID制御によって前記ベルト位置変更手段を制
御することを特徴とする。この揚送装置によれば、制御
手段が、PID制御によってベルト位置変更手段を制御
するので、ベルト位置検知手段によって検知される無端
ベルトの位置が、基準位置から大きくずれている場合は
もちろんのこと、横ずれが小さい場合であっても、その
横ずれが検知され続けている場合や、横ずれの大きさが
時間経過とともに変化する傾向にある場合などに、ベル
ト位置変更手段の制御がなされる。したがって、比較的
小さな横ずれであっても解消されるようになり、また、
無端ベルトの幅方向への動きも収束しやすくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
一例を挙げて説明する。 [第1実施形態]図1に示すように、揚送装置1は、プ
ーリーモータ3、無端ベルト5、布ベルトホルダ7、ロ
アーアール9、アッパーアール11、入れ込み樋13、
第1テンションローラ15、第2テンションローラ1
7、第3テンションローラ19、およびステッピングモ
ータ21などを備えている。
【0018】無端ベルト5は、革製で、装置下部にある
プーリーモータ3と装置上部にある上部ローラ(図示
略)との間に架け渡されて、プーリーモータ3によって
循環駆動される構造になっている。布ベルトホルダ7
は、図2に示すように、装置本体に対して扉状に開閉す
るように取り付けられていて、布ベルトホルダ7の内面
側には、遊技球研磨用の布ベルト23が保持されてい
る。布ベルトホルダ7を閉じると、布ベルト23は無端
ベルト5の上昇部分に対面し、その状態で両者間には遊
技球が挟まれる程度の隙間が形成されるようになってい
る。
【0019】ロアーアール9およびアッパーアール11
も、それぞれ無端ベルト5との間に遊技球が挟まれる程
度の隙間をなすように配設されている。各隙間は、上述
の布ベルト23と無端ベルト5のなす隙間に連通してお
り、これらの隙間が連続することにより、ロアーアール
9からアッパーアール11に至る遊技球の揚送路が形成
されている。
【0020】入れ込み樋13は、外部から供給される遊
技球を整列させて揚送装置1内へ導入するもので、入れ
込み樋13内の通路は、ロアーアール9と無端ベルト5
との隙間に連通している。第1テンションローラ15、
第2テンションローラ17、および第3テンションロー
ラ19は、無端ベルト5のたるみを解消するためのロー
ラ群で、図3に示すように、第1テンションローラ15
および第3テンションローラ19で無端ベルト5を外周
側から押さえるとともに、その間で第2テンションロー
ラ17を無端ベルト5の内周側に圧接させることによ
り、無端ベルト5に適度な張力を与えている。第2テン
ションローラ17を無端ベルト5に圧接させるための手
段は、回転軸17a、ローラ支持シャフト25、および
スプリング27などによって構成され、第2テンション
ローラ17を回転軸17aに対して回転可能に装着し、
回転軸17aをローラ支持シャフト25に対してスライ
ド可能に装着し、ローラ支持シャフト25にスプリング
27を圧縮状態で嵌め込むことにより、スプリング27
の力で第2テンションローラ17を無端ベルト5側に向
かって付勢するように構成してある。
【0021】また、第1テンションローラ15には、無
端ベルト5を無端ベルト5の幅方向へ移動させる機能も
ある。より詳しく説明すると、図4に示すように、第1
テンションローラ15は、回転軸15aに対して回転可
能に装着されていて、回転軸15aは、一端がステッピ
ングモータ21に駆動されて上下動するスライダー29
に連結され、他端がボルト軸31によって揺動可能な状
態で支持されている。このような構成において、ステッ
ピングモータ21に所定パルス数の駆動信号を与えてモ
ータ軸21aを回転させると、図5に示すように、モー
タ軸21aに螺合しているスライダー29は、モータ軸
21aの回転方向に応じて上昇または下降し(図5にお
いては下降した場合を例示)、これに追従して回転軸1
5aがボルト軸31側を中心に揺動(+側)し、これに
より、第1テンションローラ15を無端ベルト5の外面
に平行な面内で変位させて、第1テンションローラ15
の位置を傾斜角−4°〜+4°(0°=水平)の範囲内
で変えることができる。つまり、スライダー29が下降
した場合には、無端ベルト5の中心より左側を第1テン
ションローラ15が強く押し付けることになり、無端ベ
ルト5が右側(矢印側)に動くことになる。なお、第1
テンションローラ15を含むこれらの構成が、本発明で
いうベルト位置変更手段に相当する。
【0022】また、無端ベルト5の近傍には、図6に示
すように、2つのベルト位置検出センサ33が配設され
ている。図6において左側にあるベルト位置検出センサ
33は、無端ベルト5の左縁の位置を検出するもので、
右側にあるベルト位置検出センサ33は、無端ベルト5
の右縁の位置を検出するものである。各ベルト位置検出
センサ33は、どちらも無端ベルト5の幅方向に配列さ
れた8個のフォトセンサによって構成されている。各フ
ォトセンサは、無端ベルト5によって光路が遮られない
時にオフ、無端ベルト5によって光路が遮られた時にオ
ンとなるもので、各ベルト位置検出センサ33からは、
8個のフォトセンサのオン/オフに対応して各ビットが
1/0となる8ビット値が出力される。この8ビット値
は、上位ビットが外側のフォトセンサに対応し、下位ビ
ットが内側のフォトセンサに対応している。そして、ベ
ルト位置検出センサ33の配設位置は、無端ベルト5が
中央にある場合、2つのベルト位置検出センサ33の出
力値が、ともに“00001111(2進数)”となる
ような位置に設定されている。ベルト位置が左側へ横ず
れした場合、左側のベルト位置検出センサ33の出力値
は大きくなり、右側のベルト位置検出センサ33の出力
値は小さくなる。逆に、ベルト位置が右側へ横ずれした
場合、左側のベルト位置検出センサ33の出力値は小さ
くなり、右側のベルト位置検出センサ33の出力値は大
きくなる。例えば、無端ベルト5がフォトセンサ1個分
だけ左へ横ずれした場合であれば、左側のベルト位置検
出センサ33の出力値は“00011111(2進
数)”になり、右側のベルト位置検出センサ33の出力
値は“00000111(2進数)”になる。なお、こ
れらベルト位置検出センサ33が、本発明でいうベルト
位置検知手段に相当する。
【0023】さらに、プーリーモータ3、ステッピング
モータ21、およびベルト位置検出センサ33は、図7
に示すように、コントローラ35に接続されている。ま
た、このコントローラ35には、警告灯37も接続され
ている。コントローラ35は、CPU、ROM、RAM
などを数個のLSIチップに集積して構成されたマイク
ロコンピュータを中心にして、タイマ、各種インターフ
ェイス回路等を配して構成されたものである。コントロ
ーラ35は、ベルト位置検出センサ33によるベルト位
置の検知結果に基づいて、ステッピングモータ21を駆
動することで第1テンションローラ15の傾斜角を制御
し、これにより、無端ベルト5の幅方向位置を調整す
る。
【0024】次に、コントローラ35が行う第1テンシ
ョンローラ15の傾斜角制御処理について、図8のフロ
ーチャートに基づいて説明する。この処理は、一定時間
が経過する度(本実施形態では、200ミリ秒毎)に実
行される処理である。なお、第1テンションローラ15
の傾斜角度が0°の状態で無端ベルト5の位置が略中央
となるように初期位置を調節しておく。
【0025】本処理を開始すると、コントローラ35
は、まず、無端ベルト5の左縁の現在位置を検出する
(S10)。具体的には、コントローラ35は、左側の
ベルト位置検出センサ33が出力する8ビット値を入力
して、その8ビット値をコントローラ35のメモリ上に
確保された変数DLに格納する。
【0026】また、コントローラ35は、無端ベルト5
の右縁の現在位置を検出する(S20)。具体的には、
コントローラ35は、右側のベルト位置検出センサ33
が出力する8ビット値を入力して、その8ビット値をコ
ントローラ35のメモリ上に確保された変数DRに格納
する。
【0027】続いて、コントローラ35は、無端ベルト
5の幅に異常がないかどうかをチェックする(S3
0)。この処理では、上記変数DL,DRに格納された
2つの8ビット値、つまり計16ビットの内、“1”と
なっているビットが7〜9ビットの場合に異常なしと判
断し、“1”となっているビットが6ビット以下または
10ビット以上の場合に以上ありと判断する。このよう
に判断する理由は、無端ベルト5の幅が理想的な幅であ
る場合、変数DL,DRに格納された2つの8ビット値
中に含まれる16ビットの内、“1”となっているビッ
トは8ビットとなるはずであり、フォトセンサ1個分の
検出誤差を許容する場合、無端ベルト5の幅に異常がな
ければ、“1”となっているビットは7〜9ビットの範
囲内に収まるはずだからである。なお、無端ベルト5の
幅が過剰に狭い(例えば、縁がすり減っている)場合、
“1”となっているビットは6ビット以下となり、無端
ベルト5の幅が過剰に広い(例えば、中央で裂けて両縁
が外側へ広がっている)場合、“1”となっているビッ
トは10ビット以上となる。
【0028】S30の処理において、無端ベルト5の幅
に異常があった場合(S30:YES)、コントローラ
35は、警告灯37を点灯させて(S40)、本処理を
終了する。これにより、利用者は、無端ベルト5の幅に
異常があることを察知することができる。なお、この
時、コントローラ35によりプーリーモータ3を停止制
御してもよい。
【0029】一方、S30の処理において、無端ベルト
5の幅に異常がない場合(S30:NO)、コントロー
ラ35は、変数DL,DRの値を比較し、DL>DRで
あれば(S50:YES)、変数DLの値に基づいて第
1テンションローラ15の新たな傾斜角を決定し、第1
テンションローラ15の傾斜角を現在の傾斜角から新た
な傾斜角に変更する(S60)。具体的には、コントロ
ーラ35は、変数DLの値に応じて、DL=“1111
1111(2進数)”である場合に+4°、DL=“0
1111111(2進数)”である場合に+2°、DL
≦“00111111(2進数)”である場合に0°
を、新たな傾斜角とする。そして、第1テンションロー
ラ15の傾斜角を現在の傾斜角から新たな傾斜角に変更
するのに必要なパルス数の駆動信号を、ステッピングモ
ータ21に対して出力する。
【0030】一方、S50の処理において、DL≦DR
であれば(S50:NO)、変数DRの値に基づいて第
1テンションローラ15の新たな傾斜角を決定し、第1
テンションローラ15の傾斜角を現在の傾斜角から新た
な傾斜角に変更する(S70)。具体的には、コントロ
ーラ35は、変数DRの値に応じて、DR=“1111
1111(2進数)”である場合に−4°、DR=“0
1111111(2進数)”である場合に−2°、DR
≦“00111111(2進数)”である場合に0°
を、新たな傾斜角とする。そして、第1テンションロー
ラ15の傾斜角を現在の傾斜角から新たな傾斜角に変更
するのに必要なパルス数の駆動信号を、ステッピングモ
ータ21に対して出力する。
【0031】このような上記S60またはS70の処理
により、ベルト位置が大きく横ずれしている場合には、
第1テンションローラ15の傾斜角が±4°と大きく傾
くので、迅速に無端ベルト5の横ずれが解消される。ま
た、それよりも横ずれが小さい場合には、第1テンショ
ンローラ15の傾斜角が±2°と小さく傾くので、無端
ベルト5が横ずれを解消する方向へ過剰に動いてしまう
のを防止できる。なお、上記S60またはS70の処理
を終えたら、本処理を終了する。以上説明した処理を実
行するコントローラ35が、本発明でいう制御手段に相
当する。
【0032】このように、上記揚送装置1によれば、コ
ントローラ35が上記S60およびS70の処理を行う
ことにより、ベルト位置が大きく横ずれしている場合に
は、迅速に無端ベルト5の横ずれを解消することがで
き、それよりも横ずれが小さい場合には、無端ベルト5
が横ずれを解消する方向へ過剰に動いてしまうのを防止
できる。
【0033】また、上記揚送装置1によれば、DL≦
“00111111(2進数)”且つDR≦“0011
1111(2進数)”である場合は、第1テンションロ
ーラ15の傾斜角を0°に維持するので、無端ベルト5
が僅かに横ずれしている程度では、ステッピングモータ
21および第1テンションローラ15などの可動機構は
過敏に作動しなくなる。したがって、これらの可動機構
の耐用寿命が長くなる。
【0034】さらに、上記揚送装置1によれば、上記S
30およびS40の処理により、無端ベルト5の幅に異
常があることを察知できるので、ベルトの交換など、必
要な対処を速やかに実施することができる。 [第2実施形態]第2実施形態として説明する揚送装置
は、上記第1実施形態の揚送装置1とは、第1テンショ
ンローラ15の傾斜角制御の処理内容が異なるものであ
る。以下の説明においては、上記第1実施形態の揚送装
置1との相違点を中心に詳述し、上記第1実施形態の揚
送装置1と同様な構成については、第1実施形態の説明
時に用いた符号を援用することで詳細な説明を省略す
る。
【0035】図9は、コントローラ35が行う第1テン
ションローラ15の傾斜角制御処理のフローチャートで
ある。この処理は、一定時間が経過する度(本実施形態
では、200ミリ秒毎)に実行される。本処理を開始す
ると、コントローラ35は、まず、無端ベルト5の左縁
の現在位置を検出し(S110)、無端ベルト5の右縁
の現在位置を検出し(S120)、無端ベルト5の幅に
異常がないかどうかをチェックし(S130)、無端ベ
ルト5の幅に異常があった場合(S130:YES)、
警告灯37を点灯させて(S140)、本処理を終了す
る。これらS110〜S140の処理は、先に説明した
第1実施形態におけるS10〜S40の処理と同一なの
で、具体的な処理内容についての説明は省略する。
【0036】一方、S130の処理において、無端ベル
ト5の幅に異常がない場合(S130:NO)、コント
ローラ35は、無端ベルト5の位置POS(以下、ベル
ト位置POSという)を算出する(S150)。具体的
には、コントローラ35は、変数DL中のビットの内、
“0”となっているビット数をカウントし、また、変数
DR中のビットの内、“1”となっているビット数をカ
ウントし、これら2つのカウント値を加算して、その値
をベルト位置POSとする。例えば、図6に例示した位
置に無端ベルト5がある場合、DL=“0000111
1”なので、“0”となっているビット数は4であり、
DR=“00001111”なので、“1”となってい
るビット数は4であり、ベルト位置POSは8になる。
ベルト位置POS=8となるのは、無端ベルト5の横ず
れしていない位置にある場合であり、以下の説明におい
ては、この位置のことを目標位置という。また、この目
標位置からベルト位置がフォトセンサ1個分だけ左へず
れた場合、DL=“00011111”なので、“0”
となっているビット数は3であり、DR=“00000
111”なので、“1”となっているビット数は3であ
り、ベルト位置POSは6になる。ちなみに、変数DL
とDRの値は、例えば無端ベルト5の幅のばらつきやフ
ォトセンサの検出精度のばらつきが原因で、厳密には同
時に変化しないので、変数DL,DRのいずれか一方だ
けが変化する過渡的な状態になることもあり、そのよう
な場合にベルト位置POSは奇数値をとる。
【0037】続いて、コントローラ35は、ベルト位置
POSからベルトの目標位置(本実施形態の場合は8)
を減算して、無端ベルト5の目標位置からの偏差pを算
出する(S160)。また、S160の処理で求めた偏
差pを積算値iに加算して、積算値iを更新する(S1
70)。さらに、新たなベルト位置POSから以前のベ
ルト位置OLDPOSを減算して、時間経過に伴うベル
ト位置の変化量dを求める(S180)。そして、次回
の処理で利用するために、上記ベルト位置POSを以前
のベルト位置OLDPOSとして保存する(S19
0)。
【0038】次に、コントローラ35は、上記偏差p,
積算値i,および変化量dに基づいて、第1テンション
ローラ15の傾斜角zを算出する(S200)。具体的
には、比例項ゲインa,積分項ゲインb,微分項ゲイン
c,および現在の傾斜角zを用い、計算式a×p+b×
i+c×d+zを使って算出した値を、新たな傾斜角z
とする。上記計算式中で用いた比例項ゲインa,積分項
ゲインb,および微分項ゲインcは、それぞれ偏差p,
積算値i,および変化量dを制御量に換算するための定
数である。これら比例項ゲインa,積分項ゲインb,お
よび微分項ゲインcの具体的な値は、実際の揚送装置の
具体的な構造等に応じて変わるので、通常は、適当な値
を種々組み合わせて実機を使った試験運転を行うなどし
て、動作の安定性と応答性とのバランスを考慮しながら
各値が決定される。
【0039】こうして傾斜角zを算出したら、第1テン
ションローラ15の傾きを傾斜角zに変更する(S21
0)。具体的には、第1テンションローラ15の傾きを
現在の傾斜角から新たな傾斜角に変更するのに必要なパ
ルス数の駆動信号を、ステッピングモータ21に対して
出力する。なお、S210の処理を終えたら、本処理を
終了する。
【0040】以上のような第1テンションローラ15に
対する傾斜角制御を行う揚送装置でも、上記第1実施形
態の揚送装置1と同様の作用、効果があり、無端ベルト
5の横ずれを解消するに当たって、横ずれの程度を考慮
した制御を行うので、横ずれの程度が小さい場合に無端
ベルトを過剰に移動させてしまうことはなくなり、しか
も、横ずれの程度が大きい場合に横ずれの解消に時間が
かかってしまうこともなくなる。
【0041】また特に、偏差pの他に、積算値iや変化
量dを考慮して、第1テンションローラ15に対する傾
斜角制御を行っているので、例えば、無端ベルト5が目
標位置付近にあって偏差pが小さい場合でも、横ずれす
る方向へ運動している場合には変化量dの値が相応に大
きくなるので、第1テンションローラ15が傾けられ、
これにより、無端ベルト5の横ずれする運動を停止させ
ることができる。また、例えば、無端ベルト5が目標位
置付近にあって偏差pが小さく、しかも、横ずれする方
向へ運動していなくて変化量dの値も小さい場合でも、
無端ベルト5が目標位置から僅かにずれたままになって
いる場合は、積算値iが相応に大きくなるので、第1テ
ンションローラ15が傾けられ、僅かなずれをも解消す
ることができる。
【0042】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、こ
の他にも種々の形態で実施することができる。例えば、
上記第2実施形態の説明においては、比例項ゲインa,
積分項ゲインb,および微分項ゲインcが定数である例
を示したが、これらはそれぞれ偏差p,積算値i,変化
量dのいずれかに基づいて決まる変数であってもよい。
【0043】具体的には、例えば偏差pが小さい場合に
は微分項ゲインcを相対的に小さくする一方、偏差pが
大きい場合には微分項ゲインcを相対的に大きくするこ
とにより、偏差pが小さい場合には安定性を重視した制
御を行い、偏差pが大きい場合には応答性を重視した制
御を行う、といったことができる。また、偏差pが小さ
い場合には、各ゲインを0(ゼロ)にして制御が全く行
われない不感帯を設けてもよい。
【0044】このように比例項ゲインa,積分項ゲイン
b,微分項ゲインcのいずれか1つまたは2つ以上を変
数値とする場合には、パラメータとなる値(例えば偏差
p)が所定のしきい値を超えているか否かに応じて、別
の値に切り替えるようにしてもよいし、パラメータとな
る値がとり得る数値範囲についてパラメータとなる値に
対応する各ゲインをマップデータとして記憶しておい
て、そのマップデータから各ゲインを読み出すようにし
てもよい。このようなマップデータを用いれば、無端ベ
ルトのずれ具合に応じて熟練者が行う微妙な傾斜角調整
作業を自動化することも可能である。
【0045】また、上記各実施形態においては、ベルト
の幅に異常があるか否かを検出して、異常時に警告灯を
点灯させる例を示したが、このような構成を採用するか
否かは任意である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 揚送装置の斜視図である。
【図2】 揚送装置下部の斜視図である。
【図3】 揚送装置下部の右側面図である。
【図4】 テンションローラ付近の正面図である。
【図5】 第1テンションローラを傾けた状態を示す正
面図である。
【図6】 ベルト位置検出センサと無端ベルトとの位置
関係を示す説明図である。
【図7】 揚送装置の制御系を示すブロック図である。
【図8】 第1実施形態の傾斜角制御を示すフローチャ
ートである。
【図9】 第2実施形態の傾斜角制御を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1・・・揚送装置、3・・・プーリーモータ、5・・・
無端ベルト、7・・・布ベルトホルダ、9・・・ロアー
アール、11・・・アッパーアール、13・・・入れ込
み樋、15・・・第1テンションローラ、17・・・第
2テンションローラ、19・・・第3テンションロー
ラ、21・・・ステッピングモータ、23・・・布ベル
ト、25・・・ローラ支持シャフト、27・・・スプリ
ング、29・・・スライダー、31・・・ボルト軸、3
3・・・ベルト位置検出センサ、35・・・コントロー
ラ、37・・・警告灯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梁川 誠市 愛知県春日井市美濃町2丁目102番地 Fターム(参考) 2C088 BA96 BA99 3C058 AA06 AA09 AB03 AB04 AB08 AC02 BA07 BB03 BB06 BB09 BC01 BC03 BC05 CA01 CB06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】循環駆動される無端ベルトと該無端ベルト
    の上昇箇所に対面する挟持面との間に遊技球を導入し、
    該遊技球を前記無端ベルトと前記挟持面との間に挟み込
    んで、前記無端ベルトに追従する方向へ揚送可能な揚送
    装置において、 与えられた制御量に応じて大きさおよび/または向きが
    変化する力を、前記無端ベルトに作用させて、該無端ベ
    ルトの幅方向位置を変更可能なベルト位置変更手段と、 前記無端ベルトの幅方向位置を検知可能なベルト位置検
    知手段と、 該ベルト位置検知手段によって検知された前記無端ベル
    トの幅方向位置に基づいて、該幅方向位置を目標位置に
    近づけるのに必要な前記制御量を求めて、該制御量を前
    記ベルト位置変更手段に与える制御手段とを備えたこと
    を特徴とする揚送装置。
  2. 【請求項2】前記ベルト位置検知手段が、前記無端ベル
    トの縁で前記無端ベルトの幅方向位置を検知することを
    特徴とする請求項1に記載の揚送装置。
  3. 【請求項3】前記ベルト位置検知手段によって検知され
    る前記無端ベルトの幅方向位置が、あらかじめ定められ
    た許容範囲内で変動している場合に、前記制御手段が前
    記ベルト位置変更手段を作動させないことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の揚送装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段が、PID制御によって前記
    ベルト位置変更手段を制御することを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれかに記載の揚送装置。
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