JP2003502528A

JP2003502528A - 抄紙機におけるシュープレス／シューカレンダのシュー位置決め方法および方式

Info

Publication number: JP2003502528A
Application number: JP2001505381A
Authority: JP
Inventors: カリハサネン、; ティモトルビ、; ヘレナレッパコスキ、
Original assignee: メトソペーパカールスタッドアーベー
Priority date: 1999-06-03
Filing date: 2000-05-31
Publication date: 2003-01-21
Also published as: FI991272A0; FI991272A; US6790316B1; EP1198641A1; BR0012105A; CA2396414A1; WO2000079042A1

Abstract

(57)【要約】本発明は抄紙機においてシュープレス／シューカレンダのシューを位置決めする方法に関するものである。本方法では、シューカレンダ／シュープレスのシュー（11）位置を測定し、その測定結果に基づいてシュー位置を制御し、ニップ圧搾方向の理想的な位置に位置決めする。本発明は更に、抄紙機においてシュープレス／シューカレンダのシューを位置決めする方式に関するものである。本方式はシューロール（10）またはその等価物を含み、これはシュー（11）と、これに連結されてシュー（11）を動かす液圧式シリンダ（12）とを含む。本方式は更に、シュー（11）位置測定用の少なくとも２つの測定装置（15）と、これら測定装置により得られた結果に基づいてシュー（11）位置を調整しニップ圧搾方向において理想的な位置に位置決めする手段（12）とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、抄紙機におけるシュープレス／シューカレンダのシュー位置決め方
法に関するものである。

【０００２】更に本発明は、抄紙機におけるシュープレス／シューカレンダのシュー位置決
め方式に関するものである。本方式はシューロールまたはその等価物を含み、こ
れはシューと、これに連結されてシューを動かす液圧式シリンダと、液圧シリン
ダおよびシューを取り付けた支持要素とを含む。

【０００３】現在の技術から知られているように、シュープレス／シューカレンダにおける
負荷用ロールとして、シューをポリウレタンベルトの内側に配した負荷用ロール
が用いられている。このベルトは耐油性とするため両端部で接着されていて、そ
のソック／ベルトはシュー構体の周囲にぴったりと保持されている。シュー構体
はオイルダクトと、シューをバッキングロール／サーモロールに対して押し付け
る液圧式シリンダとを含む。フィンランド特許出願第943278号では、いわゆるベ
ルトカレンダ用の負荷用ロール方式が開示され公知となっている。開示されてい
る装置には、紙ウェブまたは板紙ウェブを磨くため、ウェブが通過する研磨区域
が設けられていて、これにはウェブの居留時間が長くなるよう、ウェブ方向に測
定した一定の厚さが与えられている。この装置には研磨区域を相対する側から構
成する２つの研磨面、すなわち機械駆動式ロールのマントルによって構成されて
いる一方の研磨面と、周走する滑走フェルトによって構成されている他方の研磨
面とが設けられている。また、滑走フェルトによって包まれロールのマントル面
を補足する滑り面を有する滑りシューが設けられ、ロールと滑りシューとを互い
に押し付け合わせる手段が設けられている。

【０００４】公知の方式における１つの問題は、シュー位置が分からないために、例えばニ
ップを閉じる場合、シューが不均等な位置におかれ、生成されるニップの力が不
均一になることである。これは、とりわけ、ウェブの破損の原因となる。

【０００５】カレンダにおける、特に高速運転時に生じる１つの問題は、シューが理想的な
位置にないために、ドローの型が不均一な／望ましくないものとなってしまうこ
とである。これはニップで悪影響を生じ、不均一な圧搾によってウェブを破損さ
せることとなる。

【０００６】また、プレスに大きな負荷をかけた時に生じる問題もある。これは、シューが
望ましくない位置にある場合、バッキングロールおよびベルトが損耗することで
ある。更に、シューの潤滑にも問題が発生する。なぜなら、シューが直線状にな
っていない場合、バッキングロールと最初に接触するエッジにおいて、潤滑油膜
が薄くなるからである。

【０００７】プレス部で生じる問題は、望ましくない状態でニップが閉じると、プレスフェ
ルトが揉みくちゃになることである。

【０００８】 1000m/分を超える高速運転の抄紙機では、シューの配置が不適切であるために
シューがフェルト／ワイヤを斜めに引っ張ってしまうと、フェルト／ワイヤの調
整に問題が生じる。

【０００９】本発明は上述の問題に対する解決策を生み出すことを目的とする。

【００１０】本発明は、シュー位置を知り、シューを理想的な位置に案内可能な方式を作る
ことによって、上述の問題を解消することを目的とする。

【００１１】上述の目的および後述の目的を達成するために、本発明による方法は、シュー
カレンダ／シュープレスの位置を測定し、その測定結果に基づいてシュー位置を
調整し、ニップ圧搾方向においてシューを理想的な位置に位置決めすることを主
たる特徴とする。

【００１２】一方、本発明による方式は、シュー位置測定用の少なくとも２つの測定装置と
、これら測定装置により得られた結果に基づいてシュー位置を調整しニップ圧搾
方向において理想的な位置に案内する手段とを含むことを主たる特徴とする。本
発明によれば、測定装置によって得られた結果に基づいてシュー位置を調整する
手段は処理装置を含み、これは、例えば分散型自動システムのプログラマブルロ
ジック、または処理ステーションもしくは演算ステーション（CPU）としてよい
。この処理装置によって演算された信号は、シュー動作の制御用シリンダの動き
を調整する弁へ、例えば計測器または何らかの自動フィールドバスの基準電流信
号または電圧信号によって送信可能である。

【００１３】本発明によれば、シューカレンダ／シュープレスにおけるシュー位置は位置測
定に適した少なくとも２つの測定装置、例えば線形センサによって測定される。
これらの位置測定センサは、最も有利には駆動側および前側のそれぞれのエッジ
付近に配され、幅広の抄紙機にあっては中央区域にも配される。これによりシュ
ー位置が分かり、得られた測定結果に基づいて液圧式シリンダの動きを正確に調
整できるため、ニップは理想的な位置で閉じることとなる。

【００１４】本発明によれば、シュープレス／シューカレンダのシューには少なくとも２つ
の位置測定センサが設けられ、これらセンサによって提供されたデータに基づい
て、シューの動きは、例えば演算アルゴリズムを利用して調整される。そしてニ
ップ圧搾方向において、シューの動きおよび位置が確実に理想的になるよう、液
圧シリンダの作動が制御される。

【００１５】本発明に従ってニップが開閉すれば、ウェブ破損の危険はない。なぜなら、位
置測定センサによって得られた測定結果を受信すれば、シュー位置は正確に分か
り、シューを理想的な位置に位置決め可能だからである。更に本発明によれば、
ウェブの破損または運転停止後に、ニップが理想的な状態で閉じるよう、位置測
定センサから得られた位置データに基づいて液圧式シリンダの油の流れを制御し
、これによってシューを理想的な位置に位置決め可能である。

【００１６】本発明による方式では、したがって、シューは、運転状況に対して最適な状態
で閉じるように制御することができる。

【００１７】次に、添付図面を参照して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はいかなる
場合も添付図面の詳細に狭義に限定されるものではない。

【００１８】図１および図２に示すように、エクステンデッドニップロールまたはシューロ
ール10は、シュー11をベルト13の内側に含み、シューはシュー11に負荷をかける
液圧式シリンダ12を含む。負荷がかかっている状態では、ベルト13は自身を調節
してシューロール10とバッキングロールとの間のニップの形状、すなわちシュー
11の形になる。これらの液圧式シリンダおよびシュー11はロール10のフレーム14
に固定され、少なくとも２つの位置測定センサ15は、シュー11に対して、シュー
11とエクステンデッドニップ（シュー）ロール10の内側のフレーム14との間で配
設されていて、エクステンデッドニップロール10とバッキングロール20との間の
ニップにおけるシュー11の位置は、位置測定センサによって生成されるデータに
基づいて理想的な形になるように制御される。無論、このシュー構造も必要なオ
イルダクトとそれに関連した構体を含んでいるが、明瞭にするためにそれらは図
示していない。測定装置または方式は、例えば線形センサまたは絶対センサにし
てよい。シュー位置を同定するために、光学的方式を用いてもよい。その場合、
例えば、シューに付着しシューと共に動作する指向性光源と、フレームに固定し
て取り付けられたCCDカメラのマトリクスとを用いてよい。これらによりシュー
位置は明確になり、そこから発した光信号をCCDセルのいずれかが「見る」こと
となる。

【００１９】図１に示す方式は３つの位置測定センサ15を含み、シュー11の位置の調整は、
上記センサによって生成される位置測定結果16_１、16_２、16_Ｎ（図２）に基づき
、処理装置17において演算アルゴリズムに基づいて信号18_１、18_２〜18_Ｎを計算
することにより行われ、これら信号は液圧弁19の流量を指示する。液圧式シリン
ダ12の動きは、これらの信号18_１、18_２〜18_Ｎによって制御され、シュー11は、
理想的な方法によってニップ圧搾方向Ｓ（図３）における理想的な位置へ動かさ
れる。

【００２０】本発明による方式は、シュー11の位置測定用の少なくとも２つの測定装置15と
、これら測定装置から得られた結果に基づいてシュー11を理想的な位置に調整す
る手段12；16_１、16_２〜16_Ｎ；17；18_１、18_２〜18_Ｎ；19とを含む。

【００２１】本発明の有利な実施例によれば、プレス／カレンダのシューロール10の位置は
位置測定センサ15によって測定され、測定結果16_１、16_２、16_Ｎからシューロー
ル10のシュー11の位置が不適切であることが分かった場合、シュー11の位置を修
正する手段が始動する。このシュー11の位置調整は、演算アルゴリズムに基づき
、液圧式シリンダ19用の制御信号18_１、18_２〜18_Ｎを処理装置17で計算すること
によって行われる。この演算アルゴリズムは、例えば式△Ｑ＝ｆ（△Ｘ）の形と
してよく、ここでＱ＝Ｑ_０−Ｑ_Ｎ、すなわち油の流量の変化であり、Ｘ＝Ｘ_Ｔ−
Ｘ_Ｍ、すなわちシューの理想的な位置−位置測定結果である。この位置調整によ
って液圧弁19は、液圧式シリンダ12がシュー11の位置を理想的な位置、すなわち
シュー11が傾斜しまたは直線状となる位置へ変更するよう、制御される。通常、
シュー11の理想的な姿勢は「直線状」であり、これは、すべての測定装置15が、
その位置測定結果として実質的に同一の値を得ることを意味する。無論、測定装
置の測定精度の範囲内で、かかる測定結果が機械翻訳される必要がある。事例：２つのセンサを使用し、それらの精度が±１mmの場合、その測定結果センサ１ｘ_１＝12.31mm センサ２ｘ_２＝12.14mm Ｘ_ｄ＝ｘ_１−ｘ_２＝0.17mm センサの測定精度ｅ_Ｘ＝0.1mm は、「シュー直線状」の状態として翻訳することができる。なぜなら、偏差ｘ_ｄが測定精度ｅ_Ｘに比較して著しく大きくなっていないからである。

【００２２】しかし、何らかの理由で、シューの姿勢が直線状ではなく傾斜する（例えば、
駆動側より前側を３mm高くする）方が理想的な場合、本発明による方式はそれも
可能にする。

【００２３】本発明は、シュー11が最適な方法、例えば理想的な位置および／または理想的
な速度で開閉するよう、シューロール10とそのバッキングロール・サーモロール
との間でニップを開閉させる場合にも、適用可能である。本発明によるシュー11
の位置に関する利用可能なアナログ測定データが存在する場合、ニップを制御し
、一定速度以外の方法で閉じることもできる。閉鎖の初期段階で、ニップがまだ
明らかに開いている時は、その閉鎖動作は可能な限り迅速に行うと有利である。
しかしニップが殆ど閉じようとしている時は、その閉鎖動作を減速させて、閉鎖
運動がより穏やかに行われるようにすることが得策である。様々な等級紙に対応
して、ニップの閉鎖動作は様々に緩和する必要がある。厚手で耐久性のある等級
紙の場合にはそのような作用は全く必要ないが、薄手の、あるいはそうでないに
せよ強度の劣る等級紙の場合には、最終段階でニップ閉鎖速度を減速することが
必要だからである。

【００２４】図３に示すように、エクステンデッドニップロール10のシュー11は、ニップ圧
搾方向Ｓにおける理想的な位置へ案内されることにより、バッキングロール20に
対して押し付けられる。横断方向は同図において参照符号Ｗで示す。

【００２５】以上、本発明をその有利ないくつかの実施例のみを参照して説明した。しかし
、本発明は決して、これらの内容に狭義に限定されるものではない。添付の特許
請求の範囲に明記する本発明の概念の範囲内で多くの改変および改造が実行可能
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による方式の一実施例が適用されたシューロールの模式図である。

【図２】本発明による測定方式の一実施例の模式図である。

【図３】シューロールのニップ圧搾方向への負荷を模式的適用例として示す図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者トルビ、ティモフィンランド共和国エフアイエヌ− 04440 ヤルベンパア、ワルトシランカトゥ 76 ビィー 40 (72)発明者レッパコスキ、ヘレナフィンランド共和国エフアイエヌ− 04440 ヤルベンパア、シルクヤ６Ｆターム(参考） 4L055 CE80 CF50 CG12 CH02 DA16 DA17 DA40 FA23

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】抄紙機におけるシュープレス／シューカレンダのシュー位置
決め方法において、シューカレンダ／シュープレスのシュー（11）位置を測定し
、該シュー位置を測定結果に基づいて調整し、ニップ圧搾方向における理想的な
位置に位置決めすることを特徴とするシュー位置決め方法。
【請求項２】請求項１に記載の方法において、前記シュー（11）位置を少
なくとも２つの位置測定センサ（15）によって測定することを特徴とする方法。
【請求項３】請求項１または２に記載の方法において、前記シュー（11）
位置を、抄紙機の駆動側および前側それぞれのエッジ付近にある位置測定センサ
（15）によって測定することを特徴とする方法。
【請求項４】請求項１ないし３のいずれかに記載の方法において、前記シ
ュー（11）位置を駆動側および前側それぞれのエッジ付近、ならびに抄紙機の中
央付近の３つの位置測定センサ（15）によって測定することを特徴とする方法。
【請求項５】請求項１ないし４のいずれかに記載の方法において、前記シ
ュー（11）の動きは前記測定結果に基づいて演算アルゴリズムを利用して調整し
、前記シュー（11）を操作して理想的な方法で理想的な位置へ移動させるよう、
前記シュープレス／シューカレンダのシュー（11）の液圧シリンダ（12）を制御
することを特徴とする方法。
【請求項６】請求項１ないし５のいずれかに記載の方法において、前記シ
ューが、走行状態に応じた最適な方法によって、有利には理想的な位置および／
または理想的な速度で、バッキングロール／サーモロールに対して形成されたニ
ップに接近するよう、前記シュー（11）を制御することを特徴とする方法。
【請求項７】シューロール（10）またはその等価物を含み、該シューロー
ルはシュー（11）と、該シューに連結されて該シュー（11）を動かす液圧式シリ
ンダ（12）とを含む、抄紙機におけるシュープレス／シューカレンダのシュー位
置決め方式において、該方式は更に、シュー（11）位置測定用の少なくとも２つ
の測定装置（15）と、該測定装置によって得られた結果に基づいて該シュー（11
）位置を調整しニップ圧搾方向において理想的な位置に位置決めする手段（12；
16_１、16_２〜16_Ｎ；17；18_１、18_２〜18_Ｎ；19）とを含むことを特徴とするシュ
ー位置決め方式。
【請求項８】請求項７に記載の方式において、前記測定装置は位置測定セ
ンサ（15）であり、該センサは抄紙機の前側および駆動側それぞれのエッジ付近
に配されていることを特徴とする方式。
【請求項９】請求項７または８に記載の方式において、該方式は更に、測
定結果に基づいて液圧シリンダ（12）を移動させ前記シュー（11）を理想的な位
置に位置決めする手段（18_１、18_２〜18_Ｎ；19）を含むことを特徴とする方式。
【請求項１０】請求項７ないし９のいずれかに記載の方式において、該方
式は、測定結果に基づいて演算アルゴリズムを実行し液圧弁へ流量の指示を与え
る装置（17）を含み、該液圧弁によって液圧式シリンダ（12）は前記シューを理
想的な位置へ動かすように制御されることを特徴とする方式。
【請求項１１】請求項７ないし10のいずれかに記載の方式において、該方
式は３つの位置測定センサ（15）を含み、該センサは抄紙機の前側および駆動側
付近、ならびに抄紙機の中央付近に配されていることを特徴とする方式。