JP3897005B2 - 玉揚送機における揚送ベルトの張力調節装置 - Google Patents

玉揚送機における揚送ベルトの張力調節装置 Download PDF

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本発明は、パチンコ島台に立設され且つ回収された玉を揚送ベルトによって上方に揚送する玉揚送機における揚送ベルトの張力調節装置に関するものである。
従来、図7に示すように、パチンコ島台に立設され且つ回収された玉を揚送ベルトEによって上方に揚送する玉揚送機Aにおいては、VベルトCによってモータBの回転が伝達せしめられるプーリDと一体的に回転する下部ローラ(図示しない)と、玉揚送機Aの内部上端に設けられる上部ローラ(図示しない)との間に無端状の揚送ベルトEが掛け渡され、その揚送ベルトEの回転に伴って流入口Gから流入するパチンコ玉を研磨しながら揚送し、上端に形成される排出口Hから排出される構造を有していた。そして、このような構造を有する玉揚送機Aにおいては、揚送ベルトEに所定の張力を付与するために下部ローラのやや上方部の位置で複数のローラF1〜F3を揚送ベルトEに対して交互に配置していた。
しかして、上記した揚送ベルトEは、一般的に革製であるため、湿度によって伸縮し、使用にその張力が緩み、研磨揚送能力が劣化するという問題があった。また、張力を付与するローラF1〜F3が複数個あり且つそれぞれが玉揚送機A本体に止着される支持軸に設けられるため、揚送ベルトEを交換する必要が生じた場合には、その交換が面倒であるという問題があった。本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、揚送ベルトの交換を簡単に行うことができ、更に、揚送ベルトの張力の強弱を簡単に変更することができる玉揚送機における揚送ベルトの張力調節装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の発明においては、該張力調節装置は、前記揚送ベルトに当接し得るテンションローラと、該テンションローラが回転支持される枠と、前記テンションローラによって付与される前記揚送ベルトの張力を任意に調節することが可能な張力調節ネジと、からなり、前記張力調節ネジを前記枠に貫通支持すると共に前記テンションローラを回転自在に軸支するローラ軸の両端部に形成されるメスネジと前記張力調節ネジとを螺合させた状態で、前記張力調節ネジに周設されたコイルバネにより前記テンションローラを前記揚送ベルトに向けて付勢したことを特徴とする。
また、請求項2の発明においては、請求項1記載の玉揚送機における揚送ベルトの張力調節装置において、前記枠を前記揚送ベルトに向かって下方に押し下げるように回動させることにより、前記揚送ベルトに当接して張力を付与する作用位置に前記テンションローラを位置させることを特徴とする。
請求項1の発明においては、湿度等が変化して揚送ベルトが伸縮しても、その揚送ベルトの張力の強弱は、張力調節ネジを調節することにより簡単に行うことができ、さらに湿度等が変化して揚送ベルトが伸縮しても、常時適度な張力を揚送ベルトに付与することができる。
また、請求項2の発明においては、揚送ベルトを簡単に装着することができる。即ち、揚送ベルトを簡単に交換することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図6を参照して実施形態に係る玉揚送機1の全体の構成について説明する。図6は、玉揚送機1の側面図である。図において、玉揚送機1は、玉揚送機本体としての、揚送支持台3と該揚送支持台3の上部に立設される揚送筒体2とに集約して構成されている。即ち、揚送筒体2の上部には、回転ローラとしての上部ローラ4が回転自在に軸支され、揚送支持台3の内部には、駆動源としてのモータ(図示しない)が内蔵される回転ローラとしての大径の下部駆動ローラ5が設けられており、この上部ローラ4と下部ローラ5との間に革製の揚送ベルト6が掛け渡されている。なお、揚送筒体2の内部には、揚送ベルト6の回転を案内するための内部ローラ2a(図1参照)が上下方向に複数個設けられている。また、揚送支持台3には、図示しない回収樋に接続される流入口樋7が設けられ、この流入口樋7によって導かれた使用済玉が揚送ベルト6の摩擦力によって上方に揚送される。そして、その揚送過程において、揚送筒体2の裏面側に設けられる研磨布装着扉9に装着される研磨布(図示しない)に擦られて玉に付着した汚れが拭き落とされ、奇麗になった玉が揚送筒体2の最上部に設けられる排出口樋8から排出されるようになっている。
上記のように構成される玉揚送機1の下部駆動ローラ5のやや上部の揚送筒体2には、揚送ベルト6の張力を調節する張力調節装置としての張力調節装置10が設けられている。この張力調節装置10の構成について以下図1乃至図5を参照して説明する。図1は、張力調節装置10部分の平面図であり、図2は、作用位置における張力調節装置10の側面図であり、図3は、解放位置における張力調節装置10の側面図であり、図4及び図5は、揚送ベルト6とテンションローラ17との位置関係を示す張力調節装置10の背面概略図である。
図において、張力調節装置10は、玉揚送機本体の一部としての揚送筒体2に取り付けられる基板11と、その取付状態が傾度調節ネジ25によって変化し得るように基板11に止着される平面ほぼコ字状の外枠12と、前記揚送ベルト6に対して作用位置と解放位置とを取り得るように外枠12に軸支される内枠13a,13bと、コイルバネ15a,15bが周設される張力調節ネジ14a,14bを介して内枠13a,13bに支持され且つ作用位置で揚送ベルト6に当接し得る回転ローラとしてのテンションローラ17と、から構成されている。
以下、これらをより詳細に説明すると、まず、内枠13a,13bは、図1に示すように、L字状に形成され、その長辺が外枠12に当接するようになっており、その短辺に張力調節ネジ14a,14bが貫通支持されている。張力調節ネジ14a,14bの先端部には、テンションローラ17を回転自在に軸支するローラ軸16の両端部に形成されるメスネジが螺合されている。また、ローラ軸16と内枠13a,13bの内側面との間の張力調節ネジ14a,14bには、コイルバネ15a,15bが周設されている。したがって、テンションローラ17は、張力調節ネジ14a,14bによって支持されていると共に、コイルバネ15a,15bによって常時揚送筒体2側に向かって付勢された状態となっている。なお、コイルバネ15a,15bの付勢力に抗してテンションローラ17を揚送筒体2と逆方向に押す力が作用した場合には、張力調節ネジ14a,14b全体が内枠13a,13bの短辺部を貫通するようにスライド移動することとなる。また、張力調節ネジ14a,14bを回転せしめることにより、それと螺合するローラ軸16が移動することとなるので、コイルバネ15a,15bの付勢力を任意の調節でき、結果的にテンションローラ17によって付与される揚送ベルト6の張力を任意に調節することが可能となる。
ところで、本実施形態におけるテンションローラ17は、図1に示すように、中央の径が大きく端部に向かって徐々に径が小さくなる、いわゆる樽状に形成されているが、これは、揚送ベルト6に当接した状態で図1に示すように、揚送ベルト6を山形状に変形させ、常に揚送ベルト6がテンションローラ17の中央を通るようにしたものである。このように、常に揚送ベルト6がテンションローラ17の中央を通るようにすることにより、揚送ベルト6の周回を円滑に行うことができ、揚送ベルト6の寿命が縮まることを防止できる。しかし、長期間使用した場合には、揚送ベルト6が偏磨耗する場合があり、このような場合には、テンションローラ17の形状だけでテンションローラ17を含む複数のローラ4、5、2aの中央を揚送ベルト6が通るように維持することが困難であり、このようなことを考慮して本実施例では、後述するように傾度調節ネジ25でテンションローラ17の揚送ベルト6に対する取付状態を変化させることができるようになっており、これによって長期間に亘って揚送ベルト6がテンションローラ17を含む複数のローラ4、5、2aの中央を通るように維持している。
上記のようにテンションローラ17が取り付けられる内枠13a,13bは、平面コ字状に形成される外枠12に対して前記したように、その長辺が当接するようになっているが、外枠12の先端側(揚送筒体2と離れる方向)で支点ネジ18a,18bによって止着され、外枠12の後端側(揚送筒体2側)で固定ネジ19a,19bによって止着されている。しかして、固定ネジ19a,19bによって外枠12と内枠13a,13bとが一体的に止着されている状態においては、図2に示すように、テンションローラ17が揚送ベルト6に当接して張力を付与する作用位置となり、固定ネジ19a,19bを弛めて外枠12と内枠13a,13bとが一体的に止着されない状態においては、図3に示すように、内枠13a,13bが支点ネジ18a,18bを回転軸としてその先端側のテンションローラ17が上方に回動した状態となり、テンションローラ17が揚送ベルト6に当接しているものの張力が付与されていない解放位置となる。この解放位置では、揚送ベルト6に張力が付与されていないので、簡単に揚送ベルト6を取り外し又は取りつけることができる。したがって、内枠13a,13bを解放位置にした状態で摩耗又は切断された古い揚送ベルト6を外し、次いで新品の揚送ベルト6をその状態で掛け渡し、その後、内枠13a,13bを下方に押し下げて固定ネジ19a,19bによって外枠12と内枠13a,13bとを一体的に止着することにより、揚送ベルト6を簡単に交換することができる。
一方、平面コ字状に形成される外枠12は、止着ネジ20a,20bによって揚送筒体2に止着されている基板11に取り付けられるようになっているが、その具体的な構造は、以下の通りである。即ち、基板11と外枠12とは、その両側部を支点ネジ21と移動ネジ22とにより止着されている。支点ネジ21は、図4及び図5に示すように、基板11に対して外枠12が傾動する際の支点として機能するものであり、一方、移動ネジ22は、基板11に形成された縦長な移動長孔23を貫通して基板11裏面に設けられる移動体26に止着される。移動体26は、基板11の一側裏面に構成される背面コ字状のネジ取付部24に縦方向に貫通支持される傾度調節ネジ25と螺合するようになっている。そして、移動ネジ22を弛めた状態で傾度調節ネジ25を回すことにより、移動体26が上下動し、これに従動して外枠12が支点ネジ21を回転中心として傾動し、所望の傾動位置で移動ネジ22を締め付けることにより外枠12の傾動状態を堅固に保持することができる。
しかして、図4に示すように、背面から見て左側を下げた状態にした場合には、樽状に構成されるテンションローラ17の中心最大径が左上り傾斜となっていると共に、テンションローラ17が揚送ベルト6の幅方向左側を幅方向右側よりも強く押すことになるので、テンションローラ17と当接して回転駆動せしめられる揚送ベルト6を右側方向に寄せるように作用する。したがって、テンションローラ17の傾斜をなくして通常の水平状態における回転駆動において、揚送ベルト6の偏摩耗により揚送ベルト6が左側に移動する傾向にあるときには、図4に示すように左側を下げて揚送ベルト6が複数のローラ4、5、2aのほぼ中心を通って回転駆動するように調整することができる。一方、図5に示すように、背面から見て左側を上げた状態にした場合には、樽状に構成されるテンションローラ17の中心最大径が左下り傾斜となっていると共に、テンションローラ17が揚送ベルト6の幅方向右側を幅方向左側よりも強く押すことになるので、テンションローラ17と当接して回転駆動せしめられる揚送ベルト6を左側方向に寄せるように作用する。したがって、テンションローラ17の傾斜をなくして通常の水平状態における回転駆動において、揚送ベルト6の偏摩耗により揚送ベルト6が右側に移動する傾向にあるときには、図5に示すように左側を上げて揚送ベルト6が複数のローラ4、5、2aのほぼ中心を通って回転駆動するように調整することができる。
以上、実施形態に係る玉揚送機1における揚送ベルト6の張力調節装置10の構成及び作用について説明したが、本実施形態によれば、作用位置で揚送ベルト6に当接し得るテンションローラ17が張力調節ネジ14a,14bに周設されるコイルバネ15a,15bによって常時付勢されているので、湿度等が変化して揚送ベルト6が伸縮しても常時適度な張力を揚送ベルト6に付与することができる。また、その張力の強弱は、張力調節ネジ14a,14bを調節することにより簡単に変更することができる。また、テンションローラ17が支持される内枠13a,13bは、外枠12に設けられ、その外枠12の取付状態が傾度調節ネジ25によって変化し得るように構成されているので、結果的に揚送ベルト6とテンションローラ17との接触状態を調節することができ、これにより揚送ベルト6に偏摩耗が生じていても適正な位置で揚送ベルト6を回転駆動せしめることができる。更に、テンションローラ17が支持される内枠13a,13bが揚送ベルト6に対して作用し得ない解放位置にもなり得るように外枠12に軸支されているので、切断又は摩耗により揚送ベルト6を交換する際には、内枠13a,13bを開放位置にセットすることにより、簡単に揚送ベルトを交換することができる。
なお、上記した実施形態においては、内枠13a,13bを別体で構成してそれぞれ外枠12に止着したものを示したが、内枠を外枠12と対抗する形の平面コ字状となるように一体的に構成したものでも良い。
実施形態に係る玉揚送機に設けられる張力調節装置部分の平面図である。 作用位置における張力調節装置の側面図である。 解放位置における張力調節装置の側面図である。 揚送ベルトとテンションローラとの位置関係を示す張力調節装置の背面概略図である。 同じく、揚送ベルトとテンションローラとの位置関係を示す張力調節装置の背面概略図である。 実施形態に係る玉揚送機の全体を示す側面図である。 従来の玉揚送機の斜視図である。
符号の説明
1 玉揚送機
2 揚送筒体(玉揚送機本体)
3 揚送支持台(玉揚送機本体)
4 上部ローラ(回転ローラ)
5 下部駆動ローラ(回転ローラ)
6 揚送ベルト
10 張力調節装置
11 基板
12 外枠
13a,13b 内枠
14a,14b 張力調節ネジ
15a,15b コイルバネ
16 ローラ軸
17 テンションローラ(回転ローラ)
18a,18b 支点ネジ
19a,19b 固定ネジ
20a,20b 止着ネジ
21 支点ネジ
22 移動ネジ
23 移動長孔
24 ネジ取付部
25 傾度調節ネジ
26 移動体

Claims (2)

  1. パチンコ島台に立設され且つ回収された玉を揚送ベルトによって上方に揚送する玉揚送機における揚送ベルトの張力調節装置において、
    該張力調節装置は、前記揚送ベルトに当接し得るテンションローラと、該テンションローラが回転支持される枠と、前記テンションローラによって付与される前記揚送ベルトの張力を任意に調節することが可能な張力調節ネジと、からなり、
    前記張力調節ネジを前記枠に貫通支持すると共に前記テンションローラを回転自在に軸支するローラ軸の両端部に形成されるメスネジと前記張力調節ネジとを螺合させた状態で、前記張力調節ネジに周設されたコイルバネにより前記テンションローラを前記揚送ベルトに向けて付勢したことを特徴とする玉揚送機における揚送ベルトの張力調節装置。
  2. 前記枠を前記揚送ベルトに向かって下方に押し下げるように回動させることにより、前記揚送ベルトに当接して張力を付与する作用位置に前記テンションローラを位置させることを特徴とする請求項1に記載の玉揚送機における揚送ベルトの張力調節装置。
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