JP2002151996A - 表面弾性波素子 - Google Patents

表面弾性波素子

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JP2002151996A
JP2002151996A JP2000343611A JP2000343611A JP2002151996A JP 2002151996 A JP2002151996 A JP 2002151996A JP 2000343611 A JP2000343611 A JP 2000343611A JP 2000343611 A JP2000343611 A JP 2000343611A JP 2002151996 A JP2002151996 A JP 2002151996A
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acoustic wave
surface acoustic
wave device
pair
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JP2000343611A
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English (en)
Inventor
Kyosuke Ozaki
恭輔 尾崎
Takashi Sato
崇 佐藤
Moriaki Ueno
守章 上野
Satoshi Waga
聡 和賀
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振周波数f及び共振周波数差Δfが任意の
値に制御可能であり、SAW共振器を設計する際の自由
度が大きく、その結果、表面弾性波フィルタとして用い
た場合の通過帯域及び阻止帯域の減衰量を制御すること
が容易な表面弾性波素子を提供する。 【解決手段】 Si基板11の表面にダイヤモンド層1
2を形成した硬質基板13上に金属層14を形成し、金
属層14を含む硬質基板13上にZnO層15を形成
し、ZnO層15上に互いに対向する一対のIDT1
6、17を形成してSAW共振器18とし、SAW共振
器18の両側にグレーティング反射器21、22を形成
し、これらの外側に、IDT16、17各々に接続され
て少なくともその一部が金属層14と互いに対向する配
線電極23、24を形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面弾性波素子に係
り、特に、移動体通信機器のRF(無線周波数)フィル
タやIF(中間周波数)フィルタ、アンテナ共振器等に
用いて好適な表面弾性波素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やPHS等の移動体通信
機器においては、小型化、軽量化が可能なことから、表
面弾性波素子が多く用いられている。この表面弾性波素
子は、弾性体の表面もしくは界面に沿って伝播する表面
弾性波(Surface Acoustic Wave:SAW)を伝送回路
における周波数選択素子として用いた電気・機械変換素
子である。
【0003】図12は、従来の表面弾性波素子の1種で
ある1端子対の表面弾性波(SAW)フィルタを示す平
面図であり、タンタル酸リチウム(LiTaO3)やニ
オブ酸リチウム(LiNbO3)等の圧電体単結晶基板
1の表面に、電気信号と表面弾性波(SAW)との間の
変換器として機能する一対の櫛型電極(IDT:Inter-
Digital Transducer)2、3が互いに対向するように形
成されてSAW共振器4とされ、このSAW共振器4の
両側に、励起された表面弾性波を多重反射させて定在波
を生じさせるグレーティング反射器5、6が形成されて
いる。
【0004】この表面弾性波フィルタにおいては、基板
1の表面を伝播する表面弾性波の音速vと櫛型電極2、
3の各々の電極指の幅(間隔)wによって、SAW共振
器4の共振周波数fが決定される。この共振周波数fは
下記の(1)式で表される。 f=v/λ=v/4w ……(1) ここで、λは表面弾性波の波長である。この(1)式か
ら、電極指の幅wが小さく、音速vが速い程、共振周波
数fが高くなり、高周波帯域で使用することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の表面
弾性波フィルタを、例えば、携帯用通信機器に適用した
場合においては、伝播する表面弾性波の音速vは300
0〜4000m/sであるから、共振周波数fを実用上
必要とされる2GHz帯以上とすると、電極指の幅wが
0.5μm以下という薄膜電極を用いる必要がある。こ
のような薄膜電極では、大電力で動作させた場合にエレ
クトロマイグレーション等により劣化し易く、その結
果、SAW共振器4の耐電力性が低下し、表面弾性波フ
ィルタの信頼性が低下してしまうことになる。また、こ
の表面弾性波フィルタをアンテナ共振器に適用しようと
した場合、耐電力性の点で難があり、実用化に至ってい
ない。
【0006】そこで、通信機器の周波数帯域(2GHz
帯で比帯域3%)の表面弾性波フィルタ、及び該表面弾
性波フィルタを適用したアンテナ共振器の耐電力性を向
上させるために、ダイヤモンド膜を用いた、SiO2
IDT/圧電体/金属膜/ダイヤモンド膜の構造や、S
iO2/金属膜/圧電体/IDT/ダイヤモンド膜の構
造の表面弾性波フィルタが提案されている。しかしなが
ら、これらの表面弾性波フィルタにおいては、耐電力性
は向上するものの、圧電体の膜厚及びSiO2の膜厚に
よって、共振周波数f及び共振周波数差Δf(=反共振
周波数f’−共振周波数f)が一義的に決定されてしま
うために、これら共振周波数f及び共振周波数差Δfの
値を制御することが難しく、したがって、SAW共振器
を設計する際の自由度が小さくなり、その結果、表面弾
性波フィルタの通過帯域及び阻止帯域の減衰量を制御す
ることが難しいという問題点が生じる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、耐電力性が向上した上に、共振周波数f及び共
振周波数差Δfが任意の値に制御可能であり、SAW共
振器を設計する際の自由度が大きく、その結果、表面弾
性波フィルタとして用いた場合の通過帯域及び阻止帯域
の減衰量を制御することが容易な表面弾性波素子を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な表面弾性波素子を採用した。すな
わち、本発明の表面弾性波素子は、硬質基板上に圧電体
層が形成され、該圧電体層上に一対の櫛型電極が対向配
置され、これら圧電体層及び一対の櫛型電極上に二酸化
珪素層が形成された表面弾性波素子において、前記一対
の櫛型電極各々に外部と接続するための配線電極を形成
し、前記硬質基板と前記圧電体層との間または前記二酸
化珪素層上に導電体層を形成し、前記配線電極の少なく
とも一部が前記導電体層と対向してなることを特徴とす
る。
【0009】本発明の表面弾性波素子では、前記一対の
櫛型電極各々に外部と接続するための配線電極を形成
し、前記硬質基板と前記圧電体層との間または前記二酸
化珪素層上に導電体層を形成し、前記配線電極の少なく
とも一部を前記導電体層と対向させたことにより、前記
配線電極と前記導電体層との対向面積を変化させること
で、この間に形成される浮遊容量の容量値が制御可能と
なる。これにより、共振周波数f及び共振周波数差Δf
が任意の値に制御可能となり、SAW共振器を設計する
際の自由度が大きくなる。さらに、この表面弾性波素子
を表面弾性波フィルタとして用いた場合に通過帯域及び
阻止帯域の減衰量を制御することが容易になる。
【0010】本発明の他の表面弾性波素子は、硬質基板
上に一対の櫛型電極が対向配置され、これら硬質基板及
び一対の櫛型電極上に圧電体層が形成され、該圧電体層
上に二酸化珪素層が形成された表面弾性波素子におい
て、前記一対の櫛型電極各々に外部と接続するための配
線電極を形成し、前記圧電体層と前記二酸化珪素層との
間または前記二酸化珪素層上に導電体層を形成し、前記
配線電極の少なくとも一部が前記導電体層と対向してな
ることを特徴とする。
【0011】本発明の表面弾性波素子では、前記一対の
櫛型電極各々に外部と接続するための配線電極を形成
し、前記圧電体層と前記二酸化珪素層との間または前記
二酸化珪素層上に導電体層を形成し、前記配線電極の少
なくとも一部を前記導電体層と対向させたことにより、
前記配線電極と前記導電体層との対向面積を変化させる
ことで、この間に形成される浮遊容量の容量値が制御可
能となる。これにより、共振周波数f及び共振周波数差
Δfが任意の値に制御可能となり、SAW共振器を設計
する際の自由度が大きくなる。さらに、この表面弾性波
素子を表面弾性波フィルタとして用いた場合に通過帯域
及び阻止帯域の減衰量を制御することが容易になる。
【0012】本発明の表面弾性波素子は、前記配線電
極、前記圧電体層及び前記導電体層により構成される容
量の容量値を、前記配線電極と前記導電体層との間の対
向面積の大きさを変化させることにより調整する構成と
してもよい。この様な構成とすることにより、容量値を
精度良く制御することが可能になり、共振周波数f及び
共振周波数差Δfを所望の値に精度良く制御することが
可能となる。
【0013】本発明の表面弾性波素子は、前記一対の櫛
型電極の両側に反射器を設けた構成としてもよい。この
様な構成とすることにより、伝播する表面弾性波のエネ
ルギーを前記反射器により共振器内に効果的に閉じ込め
ることが可能になり、表面弾性波素子の低損失化を図る
ことが可能になる。
【0014】本発明の表面弾性波素子は、前記硬質基板
を、シリコン基板またはサファイア基板の表面に、ダイ
ヤモンド層またはダイヤモンド状の炭素層を形成した構
成としてもよい。この様な構成とすることにより、前記
硬質基板の表面を伝播する表面弾性波の音速vが速くな
り、共振周波数fが高くなる。これにより、使用する周
波数帯域が高周波数側にシフトされ、2GHz以上の高
周波帯域で使用することが可能になる。
【0015】本発明の表面弾性波素子は、前記導電体層
を金属層としてもよい。この金属層の成分としては、白
金(Pt)、白金ロジウム合金(Pt−Rh)、金(A
u)、ニッケル(Ni)等が好適に用いられる。また、
前記圧電体層を、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウ
ム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タ
ンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウム
(KNbO3)のいずれか1種としてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面弾性波素子の
各実施形態について図面に基づき説明する。なお、以下
に示す各実施形態の表面弾性波素子は本発明の表面弾性
波素子の一例を示すものであり、本発明は下記の各実施
形態のみに限定されるものではない。
【0017】[第1の実施形態]以下、本発明の第1の
実施形態の表面弾性波素子について図面に基づき説明す
る。図1は、本実施形態の表面弾性波素子の1種である
1端子対の表面弾性波(SAW)フィルタを示す平面
図、図2は図1のA−A線に沿う断面図であり、このS
AWフィルタは、シリコン(Si)基板11の表面にダ
イヤモンド層12が形成されて硬質基板13とされ、こ
のダイヤモンド層12上にPt、Pt−Rh等からなる
金属層14が形成され、この金属層14を含むダイヤモ
ンド層12上に圧電体層となる酸化亜鉛(ZnO)層1
5が形成され、このZnO層15上に、電気信号と表面
弾性波(SAW)との間の変換器として機能するPt、
Pt−Rh等からなる一対の櫛型電極(IDT)16、
17が互いに対向するように形成されてSAW共振器1
8とされている。
【0018】このSAW共振器18の両側には、励起さ
れた表面弾性波を多重反射させて定在波を生じさせるグ
レーティング反射器21、22が形成されている。前記
ZnO層15上かつグレーティング反射器21の外側の
位置には、櫛型電極16に接続される略矩形状の配線電
極23が形成され、同様に、グレーティング反射器22
の外側の位置には、櫛型電極17に接続される略矩形状
の配線電極24が形成されている。これら配線電極2
3、24各々は、少なくともその一部が下部の金属層1
4の両端部と互いに対向するように配置されている。
【0019】そして、SAW共振器18、グレーティン
グ反射器21、22及び配線電極23、24を覆うよう
に二酸化珪素(SiO2)層25が形成されている。前
記ダイヤモンド層12を、ダイヤモンド状の炭素層と置
き換えてもよい。また、ZnO層15を、AlN層、L
iNbO3層、LiTaO3層、KNbO3層のいずれか
と置き換えてもよい。さらに、Si基板11をサファイ
ア基板と置き換えてもよい。
【0020】このSAWフィルタでは、Si基板11の
表面にダイヤモンド層12を形成して硬質基板13とし
たことにより、ダイヤモンド層12を形成しない場合と
比べて表面を伝播する表面弾性波の音速vが速くなり、
共振周波数fが高くなる。したがって、共振周波数fが
高くなる分、使用する周波数帯域が高周波数側に広が
り、2GHz以上の高周波帯域で安定して使用すること
が可能である。
【0021】また、例えば、トリミング等を行うことに
より、配線電極23、24各々の面積を変えることが可
能である。これら配線電極23、24と金属層14との
対向面積を変化させることにより、これら配線電極2
3、24と金属層14の間に形成される浮遊容量Csの
容量値を所望の容量値とすることが可能になり、SAW
フィルタの共振周波数f及び共振周波数差Δfを任意の
値に設定することが可能になる。
【0022】次に、本実施形態のSAWフィルタの製造
方法について、図2に基づき説明する。まず、Si基板
11の表面に、減圧CVD(Chemical Vapor Depositio
n)法等を用いてダイヤモンド層12を形成し、硬質基
板13とする。次いで、このダイヤモンド層12上に金
属層のマスクパターンが形成されたマスクを配置し、ス
パッタ法、蒸着法等を用いてPt等の金属層14を形成
し、この金属層14を含むダイヤモンド層12上に、反
応性スパッタ法等を用いて圧電体層となるZnO層15
を形成する。
【0023】ここでは、圧電体としてZnOを選択した
が、ZnOの替りに、AlN、LiNbO3、LiTa
3、KNbO3等を選択しても圧電体層を得ることが可
能である。なお、AlN層、LiNbO3層、LiTa
3層、KNbO3層等を形成する場合には、反応性スパ
ッタ法あるいはCVD法等を適宜選択することで所望の
材料の圧電体層を得ることができる。
【0024】次いで、縮小投影露光法あるいは電子ビー
ム露光法等を用いて、このZnO層15上に一対のID
T16、17、グレーティング反射器21、22及び配
線電極23、24を形成する。ここで、配線電極23、
24と金属層14との対向面積を変化させる必要が生じ
た場合、あるいは前記対向面積の大きさを高精度で調整
する必要が生じた場合等においては、配線電極23、2
4各々にトリミング等を行うことにより、配線電極2
3、24各々の前記金属層14と対向している部分の面
積を調整することが可能である。
【0025】このように、配線電極23、24と金属層
14との対向面積を変化させることにより、配線電極2
3、24と金属層14の間に形成される浮遊容量Csの
容量値を所望の容量値に調整することができる。最後
に、反応性スパッタ法あるいはCVD法等を用いて、S
AW共振器18、グレーティング反射器21、22及び
配線電極23、24を覆うようにSiO2層25を形成
し、本実施形態のSAWフィルタを得る。
【0026】図3は、本実施形態のSAWフィルタの等
価回路を示す回路図であり、IDT16、17の電極指
間の容量Coを含むSAW共振器18の等価回路に、配
線電極23、24と金属層14の間に形成される浮遊容
量Csを並列接続した構成である。
【0027】図4は、本実施形態のSAWフィルタを適
用したラダー型SAWフィルタの一例を示す図であり、
1端子対のSAWフィルタ31、31を直列に接続し、
これらのSAWフィルタ31、31間及び入出力側それ
ぞれに同一構造の複数の1端子対のSAWフィルタ3
2、32、…を並列に接続し、一方の端子33、33を
入力(IN)側、他方の端子34、34を出力(OU
T)側とした構成である。
【0028】図5は、本実施形態のSAWフィルタを適
用したラダー型SAWフィルタの他の例を示す図であ
り、複数の1端子対のSAWフィルタ31、31、…を
直列に接続し、これらのSAWフィルタ31、31、…
間それぞれに同一構造の1端子対のSAWフィルタ3
2、32、…を並列に接続し、これらSAWフィルタ3
2、32、…の1端子側をアース35側とした構成であ
る。
【0029】ラダー型SAWフィルタにおいては、SA
Wフィルタ31の電極指間の容量をCo1、配線電極2
3、24と金属層14の間の浮遊容量をCs1、SAW
フィルタ32の電極指間の容量をCo2、配線電極2
3、24と金属層14の間の浮遊容量をCs2とする
と、SAWフィルタ31、32の容量比γは次の式で表
すことが出来る。 γ=(Co2+Cs2)/(Co1+Cs1
【0030】一般に、SAWフィルタの通過帯域の周波
数特性の減衰率は、γの値が小さくなるにしたがって漸
次大きくなるという性質があるので、減衰率を小さくす
るためには、γの値を大きくする必要がある。ここで
は、SAWフィルタ32の容量Co2+Cs2をSAWフ
ィルタ31の容量Co1+Cs1より大きくすればよい。
【0031】また、配線電極23、24と金属層14と
の対向面積を大きくすればする程、SAWフィルタの共
振周波数fは高周波数側へシフトする。このように、配
線電極23、24と金属層14との対向面積と、SAW
フィルタの共振周波数fとの間には対応関係があるの
で、前記対向面積の大きさを変えることにより、SAW
フィルタの共振周波数fを所望の周波数帯域へシフトさ
せることができる。例えば、SAWフィルタの共振周波
数fを2MHz以上の高周波数帯域へシフトさせたい場
合には、配線電極23、24と金属層14との対向面積
を所望の高周波数帯域に合わせて拡大すればよい。
【0032】ここで、本実施形態のSAWフィルタの特
性について図6〜図9に基づき説明する。図6は本実施
形態のSAWフィルタのサセプタンス特性を示す図であ
り、配線電極23、24と金属層14との対向面積(P
t面積と称する)を、PT1(Pt面積が0μm2)、
PT2(Pt面積が1700μm2)、PT3(Pt面
積が5780μm2)、PT4(Pt面積が18420
μm2)の4種類とし、PT1〜PT4各々について周
波数(GHz)を変化させた場合のサセプタンス特性を
図示したものである。この図によれば、サセプタンス特
性は、Pt面積がPT1からPT4のように広くなるに
したがって変化が大きくなっていることが分かる。
【0033】図7は本実施形態のSAWフィルタの容量
特性を示す図であり、PT47、PT48、PT56
は、同じ条件で作製し、ばらつきを確認するために併記
したものであり、それぞれについてPt面積を変化(P
T1〜PT4)させたものである。ここでは、PT47
〜PT56各々についてPt面積(μm2)を変化させ
た場合のSAWフィルタの容量CT(pF)を図示し
た。この図によれば、SAWフィルタの容量CTは、P
t面積が広くなるにしたがって略リニアに増加(単調増
加)していることが分かる。
【0034】図8は本実施形態のSAWフィルタの共振
周波数差特性を示す図であり、パラメータを図7と同様
にPT47、PT48、PT56の3種類とし、PT4
7〜PT56各々についてPt面積(μm2)を変化さ
せた場合のSAWフィルタの共振周波数差Δf(MH
z)を図示したものである。この図によれば、SAWフ
ィルタの共振周波数差Δfは、Pt面積が広くなるにし
たがって略対数的に減少していることが分かる。
【0035】図9は本実施形態のSAWフィルタの比帯
域特性を示す図であり、パラメータを図7及び図8と同
様にPT47、PT48、PT56の3種類とし、PT
47〜PT56各々についてPt面積(μm2)を変化
させた場合のSAWフィルタの比帯域(%)を図示した
ものである。この図によれば、SAWフィルタの比帯域
(%)は、Pt面積が広くなるにしたがって略対数的に
減少していることが分かる。
【0036】以上説明した様に、本実施形態のSAWフ
ィルタによれば、Si基板11の表面にダイヤモンド層
12を形成して硬質基板13としたので、表面を伝播す
る表面弾性波の音速vを速くさせることができ、共振周
波数fを高くすることができ、使用する周波数帯域を2
GHz以上の高周波数側にシフトさせることができる。
したがって、2GHz以上の高周波帯域で安定して使用
することができる。
【0037】また、配線電極23、24各々の少なくと
も一部を、金属層14と互いに対向するように配置した
ので、この間に形成される浮遊容量Csの容量値を制御
することにより、SAWフィルタの共振周波数f及び共
振周波数差Δfを任意の値に調整することができる。し
たがって、SAWフィルタを設計する際の自由度を大き
くすることができ、通過帯域及び阻止帯域の減衰量を制
御することができる。
【0038】[第2の実施形態]図10は、本発明の第
2の実施形態の1端子対の表面弾性波(SAW)フィル
タを示す平面図、図11は図10のB−B線に沿う断面
図であり、このSAWフィルタが、上述した第1の実施
形態のSAWフィルタと異なる点は、第1の実施形態の
SAWフィルタでは、グレーティング反射器21の外側
の位置に配線電極23を、グレーティング反射器22の
外側の位置に配線電極24を、それぞれ形成し、これら
配線電極23、24各々の少なくともその一部を下部の
金属層14の両端部と互いに対向するようにしたのに対
し、本実施形態のSAWフィルタでは、一対のIDT1
6、17それぞれの共通電極部分を外方へ拡張して略矩
形状の配線電極41、42とし、これら配線電極41、
42各々の少なくともその一部を下部の金属層43の両
端部と互いに対向するようにした点である。
【0039】このSAWフィルタにおいては、例えば、
トリミング等を行うことにより、配線電極41、42各
々の面積を変えることが可能である。これら配線電極4
1、42と金属層43との対向面積を変化させることに
より、これら配線電極41、42と金属層43の間に形
成される浮遊容量Csの容量値を所望の容量値とするこ
とができ、SAWフィルタの共振周波数f及び共振周波
数差Δfを任意の値に設定することができる。
【0040】以上、本発明の表面弾性波素子の各実施形
態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成
は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。例え
ば、第1及び第2の実施形態のSAWフィルタでは、ダ
イヤモンド層12とZnO層15との間に金属層14
(43)を形成したが、この金属層14(43)をSi
2層25上に形成し、この金属層14(43)の両端
部と配線電極23、24(41、42)各々の少なくと
も一部が互いに対向した構成としても、同様の作用・効
果を得ることができる。
【0041】また、ダイヤモンド層12上に、SAW共
振器18、グレーティング反射器21、22及び配線電
極23、24(41、42)を形成し、これらの上にZ
nO層15、金属層14(43)、SiO2層25を順
次形成し、この金属層14(43)の両端部と配線電極
23、24(41、42)各々の少なくとも一部が互い
に対向した構成としてもよい。さらに、この金属層14
(43)を、ZnO層15とSiO2層25との間に形
成する替わりに、SiO2層25上に形成した構成とし
てもよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の表面弾性波
素子によれば、硬質基板上に圧電体層を形成し、該圧電
体層上に一対の櫛型電極を対向配置し、これら圧電体層
及び一対の櫛型電極上に二酸化珪素層を形成し、前記一
対の櫛型電極各々に外部と接続するための配線電極を形
成し、前記硬質基板と前記圧電体層との間または前記二
酸化珪素層上に導電体層を形成し、前記配線電極の少な
くとも一部を前記導電体層と対向させたので、前記配線
電極と前記導電体層との間に形成される浮遊容量の容量
値を制御することができる。したがって、共振周波数f
及び共振周波数差Δfを任意の値に制御することがで
き、表面弾性波共振器を設計する際の自由度を大きくと
ることができる。さらに、この表面弾性波素子を表面弾
性波フィルタとして用いた場合、通過帯域及び阻止帯域
の減衰量を制御することができる。
【0043】本発明の他の表面弾性波素子によれば、硬
質基板上に一対の櫛型電極を対向配置し、これら硬質基
板及び一対の櫛型電極上に圧電体層を形成し、該圧電体
層上に二酸化珪素層を形成し、前記一対の櫛型電極各々
に外部と接続するための配線電極を形成し、前記圧電体
層と前記二酸化珪素層との間または前記二酸化珪素層上
に導電体層を形成し、前記配線電極の少なくとも一部を
前記導電体層と対向させたので、前記配線電極と前記導
電体層との間に形成される浮遊容量の容量値を制御する
ことができる。したがって、共振周波数f及び共振周波
数差Δfを任意の値に制御することができ、表面弾性波
共振器を設計する際の自由度を大きくとることができ
る。さらに、この表面弾性波素子を表面弾性波フィルタ
として用いた場合、通過帯域及び阻止帯域の減衰量を制
御することができる。
【0044】また、前記配線電極、前記圧電体層及び前
記導電体層により構成される容量の容量値を、前記配線
電極と前記導電体層との間の対向面積の大きさを変化さ
せることにより調整する構成とすれば、前記配線電極と
前記導電体層との間に形成される浮遊容量の容量値を精
度良く制御することができ、共振周波数f及び共振周波
数差Δfを所望の値に精度良く制御することができる。
【0045】また、前記一対の櫛型電極の両側に反射器
を設けた構成とすれば、伝播する表面弾性波のエネルギ
ーを前記反射器により共振器内に効果的に閉じ込めるこ
とができ、表面弾性波素子の低損失化を図ることができ
る。
【0046】また、前記硬質基板を、シリコン基板また
はサファイア基板の表面にダイヤモンド層またはダイヤ
モンド状の炭素層を形成した構成とすれば、前記硬質基
板の表面を伝播する表面弾性波の音速vを速くし、共振
周波数fを高くすることができる。したがって、使用す
る周波数帯域を高周波数側にシフトすることができ、そ
の結果、2GHz以上の高周波帯域でしかも低損失で使
用することができる。
【0047】以上により、共振周波数f及び共振周波数
差Δfが任意の値に制御可能、表面弾性波共振器を設計
する際の自由度が大、表面弾性波フィルタとして用いた
場合の通過帯域及び阻止帯域の減衰量を制御することが
容易、等の特徴を備えた表面弾性波素子を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態のSAWフィルタを
示す平面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態のSAWフィルタの
等価回路を示す回路図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態のSAWフィルタを
適用したラダー型SAWフィルタの一例を示す概略構成
図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態のSAWフィルタを
適用したラダー型SAWフィルタの他の例を示す概略構
成図である。
【図6】 本発明の第1の実施形態のSAWフィルタの
サセプタンス特性を示す図である。
【図7】 本発明の第1の実施形態のSAWフィルタの
容量特性を示す図である。
【図8】 本発明の第1の実施形態のSAWフィルタの
共振周波数差特性を示す図である。
【図9】 本発明の第1の実施形態のSAWフィルタの
比帯域特性を示す図である。
【図10】 本発明の第2の実施形態のSAWフィルタ
を示す平面図である。
【図11】 図10のB−B線に沿う断面図である。
【図12】 従来のSAWフィルタを示す平面図であ
る。
【符号の説明】 1 圧電体単結晶基板 2、3 櫛型電極(IDT) 4 SAW共振器 5、6 グレーティング反射器 11 シリコン(Si)基板 12 ダイヤモンド層 13 硬質基板 14 金属層 15 酸化亜鉛(ZnO)層 16、17 櫛型電極(IDT) 18 SAW共振器 21、22 グレーティング反射器 23、24 配線電極 25 二酸化珪素(SiO2)層 31、32 SAWフィルタ 33、34 端子 35 アース 41、42 配線電極 43 金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 守章 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 和賀 聡 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA01 AA13 AA16 AA26 BB11 DD21 DD29 EE08 FF02 FF08 KK03 KK09 LL01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質基板上に圧電体層が形成され、該圧
    電体層上に一対の櫛型電極が対向配置され、これら圧電
    体層及び一対の櫛型電極上に二酸化珪素層が形成された
    表面弾性波素子において、 前記一対の櫛型電極各々に外部と接続するための配線電
    極を形成し、前記硬質基板と前記圧電体層との間または
    前記二酸化珪素層上に導電体層を形成し、前記配線電極
    の少なくとも一部が前記導電体層と対向してなることを
    特徴とする表面弾性波素子。
  2. 【請求項2】 硬質基板上に一対の櫛型電極が対向配置
    され、これら硬質基板及び一対の櫛型電極上に圧電体層
    が形成され、該圧電体層上に二酸化珪素層が形成された
    表面弾性波素子において、 前記一対の櫛型電極各々に外部と接続するための配線電
    極を形成し、前記圧電体層と前記二酸化珪素層との間ま
    たは前記二酸化珪素層上に導電体層を形成し、前記配線
    電極の少なくとも一部が前記導電体層と対向してなるこ
    とを特徴とする表面弾性波素子。
  3. 【請求項3】 前記配線電極、前記圧電体層及び前記導
    電体層により構成される容量の容量値は、前記配線電極
    と前記導電体層との間の対向面積の大きさを変化させる
    ことにより調整されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の表面弾性波素子。
  4. 【請求項4】 前記一対の櫛型電極の両側に反射器を設
    けたことを特徴とする請求項1または2記載の表面弾性
    波素子。
  5. 【請求項5】 前記硬質基板は、シリコン基板またはサ
    ファイア基板の表面に、ダイヤモンド層またはダイヤモ
    ンド状の炭素層が形成されてなることを特徴とする請求
    項1または2記載の表面弾性波素子。
  6. 【請求項6】 前記導電体層は、金属層であることを特
    徴とする請求項1または2記載の表面弾性波素子。
  7. 【請求項7】 前記圧電体層は、酸化亜鉛、窒化アルミ
    ニウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオ
    ブ酸カリウムのいずれか1種からなることを特徴とする
    請求項1または2記載の表面弾性波素子。
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