JP2002151477A - 回路基板のアッシング方法及びその装置 - Google Patents

回路基板のアッシング方法及びその装置

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JP2002151477A
JP2002151477A JP2000346860A JP2000346860A JP2002151477A JP 2002151477 A JP2002151477 A JP 2002151477A JP 2000346860 A JP2000346860 A JP 2000346860A JP 2000346860 A JP2000346860 A JP 2000346860A JP 2002151477 A JP2002151477 A JP 2002151477A
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circuit board
ashing
electric field
electrodes
pulse
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Application number
JP2000346860A
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English (en)
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Takuya Yara
卓也 屋良
Motokazu Yuasa
基和 湯浅
Koji Honma
孝治 本間
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Sekisui Chemical Co Ltd
Chemitronics Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Chemitronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造工程におけるアッシング工程にお
いて、大気圧条件下で安定した放電状態を実現させるこ
とができ、簡便な装置でアッシングをすることができる
効率的な方法及び装置の提供。 【解決手段】 大気圧近傍の圧力下、対向する一対の電
極の少なくとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、当
該一対の対向電極間に処理ガスを導入してパルス状の電
界を印加することにより得られるプラズマを回路基板に
接触させ、回路基板をアッシングする機構とアッシング
された回路基板の外観検査機構とを備えてなることを特
徴とする回路基板のアッシング方法及び装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造工程に
おけるアッシング工程において、大気圧近傍でのパルス
電界を利用した放電プラズマによるスミア、スカム等の
回路基板用樹脂基材の加工くず、あるいはレジスト膜を
アッシングする機構と外観検査機構とを備えた方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI、液晶ディスプレイ製造等の半導
体製造工程においては、従来、マスク形成に感光性樹脂
を用いたフォトレジストを何度も用いるが、これは、所
定の工程後に除去される。この時、レジスト膜は、剥離
液では除去できないほど強固に硬化、炭化している場合
があり、放電や紫外線を利用して生成した活性酸素分子
やオゾン分子を用いてレジスト膜を化学的な作用によっ
て灰化(一種の燃焼現象)させ除去する方法(アッシン
グ)が必要となる。
【0003】また、近年高速演算の要請から回路配線の
細線化と回路中の誘電体の低誘電率化が重要となってい
る。例えば、ポリフェニレンエーテル(以下、PPEと
略することがある)は、誘電率2.45、誘電正接0.
0007を有し、非常に電気的に優れた熱可塑性樹脂で
あるため、これらを熱硬化性に変性して耐溶剤性と耐熱
性とを向上させて積層板用プリプレグに用いることが試
みられている。積層板用プリプレグとは、多層配線板な
どの積層回路を形成すべくPPEフィルムの両面に銅箔
を回路形状に施し、積層化されたものである。PPEで
隔てられた隣接する各層間の接続は、PPEフィルムに
ビアホールあるいはスルーホールと呼ばれる貫通穴を開
け、その中を導電化処理することで表裏の回路間を接続
する方法によって行われている。
【0004】このビアホールの穴開け加工後の穴周辺に
は、穴開け不十分による樹脂残渣や、ビアホールの壁面
に炭化した樹脂が残渣として残り、その後の銅メッキ時
の接着性を著しく低下させたり、その部分の組成変化や
脆化による剥離等が生じることがある。そのため、炭酸
ガスレーザー照射後、銅箔の両表面を平均的に機械研磨
あるいは、薬液でエッチングし、同時にバリ除去する必
要がある。このような除去方法は、工程が複雑となり、
より簡易な除去方法の開発が望まれていた。
【0005】これを解決する手段としては、ヘリウムを
用いた大気圧プラズマを用いたアッシング等も提案され
てきた(例えば、特開平7−99182号公報)。とこ
ろが、ヘリウムガスは自然界での存在量が極めて少なく
高価である。また、安定的な放電のためには、高い割合
でヘリウムを使用する必要から、反応に必要な酸素系ガ
スの添加割合が少なく十分なアッシング速度効率が得ら
れていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、半導体製造工程におけるアッシング工程において、
大気圧条件下で安定した放電状態を実現させることがで
き、簡便な装置かつ、少量の処理用ガスで処理の可能な
放電プラズマ処理を用いて、アッシングをすることがで
きる方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、大気圧条件下で安定し
た放電状態を実現させることができる放電プラズマ処理
機構により簡便にアッシングを行うことができ、さらに
外観検査機構を組み合わせることにより効率的なシステ
ムとなることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明の第1の発明は、大気圧
近傍の圧力下、対向する一対の電極の少なくとも一方の
対向面に固体誘電体を設置し、当該一対の対向電極間に
処理ガスを導入してパルス状の電界を印加することによ
り得られるプラズマを回路基板に接触させ、回路基板を
アッシングする機構とアッシングされた回路基板の外観
検査機構とを備えてなることを特徴とする回路基板のア
ッシング方法である。
【0009】また、本発明の第2の発明は、処理ガス
が、4体積%以上の酸素を含むガスであることを特徴と
する第1の発明に記載の回路基板のアッシング方法であ
る。
【0010】また、本発明の第3の発明は、パルス状の
電界が、パルス立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が
100μs以下、電界強度が0.5〜250kV/cm
であることを特徴とする第1又は2の発明に記載の回路
基板のアッシング方法である。
【0011】また、本発明の第4の発明は、パルス状の
電界が、周波数が0.5〜100kHz、パルス継続時
間が1〜1000μsであることを特徴とする第1〜3
のいずれかの発明に記載の回路基板のアッシング方法で
ある。
【0012】また、本発明の第5の発明は、大気圧近傍
の圧力下、少なくとも一方の対向面に固体誘電体が設置
された一対の対向電極と、当該一対の対向電極間に処理
ガスを導入する機構、該電極間にパルス状の電界を印加
する機構、該パルス電界により得られるプラズマを回路
基板に接触させアッシングする機構、及びアッシングさ
れた回路基板の外観検査機構を備えてなることを特徴と
する回路基板のアッシング装置である。
【0013】また、本発明の第6の発明は、第5の発明
に記載の装置と回路基板をアッシング機構に送りこむ回
路基板供給機構、外観検査により良品と再処理必要品と
を仕分ける仕分け機構とを具備してなる回路基板のアッ
シング装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、大気圧近傍の圧力下、
対向する一対の電極の少なくとも一方の対向面に固体誘
電体を設置し、当該一対の対向電極間に処理ガスを導入
して、該電極間にパルス状の電界を印加することにより
得られるプラズマを回路基板に接触させ、回路基板をア
ッシングする方法とアッシングされた回路基板の外観検
査機構とを組み合わせたアッシング方法であり、好まし
くは、回路基板のアッシング機構に、回路基板をアッシ
ング機構に送りこむ回路基板供給機構、アッシングした
回路基板を検査する外観検査機構、外観検査により良品
と再処理必要品を仕分ける仕分け機構を備えるアッシン
グ方法及び装置である。以下に本発明を詳細に説明す
る。
【0015】本発明において、上記大気圧近傍の圧力下
とは、1.333×10〜10.4×10Paの圧
力下を指す。中でも、圧力調整が容易で、装置が簡便に
なる9.3×10〜10.4×10Paの範囲が好
ましい。
【0016】本発明のアッシング処理における処理ガス
としては、アッシングの燃焼現象を進行させるため、酸
素ラジカルを発生させるガスを用いる。酸化反応に寄与
するラジカルとしては、例えば、酸素分子、励起酸素分
子、酸素分子イオン、酸素原子、酸素原子イオン、励起
オゾン分子、オゾン分子イオン等が挙げられる。これら
の発生源としては、含酸素ガスであれば良く、酸素の他
に一酸化炭素、二酸化炭素、空気、水蒸気等も用いるこ
とができる。プラズマ中に上記のような酸素を含有する
ガスを導入すると、酸化処理による不要樹脂の除去に特
に有効である。また除去材料の種類によって、必要に応
じてフッ素系ガスを添加することもできる。
【0017】本発明の処理ガスは、酸素を4体積%以
上、好ましくは4〜30体積%含有するガスが好まし
く、それにより高密度のプラズマを発生させることがで
き、高速処理を行うことが可能となる。酸素が4体積%
未満であると、高濃度のプラズマが実現しない。酸素が
30体積%を超えても処理はできるが、効果は、ほとん
ど変わらないので、経済性や取り扱い性の面で下記の希
釈ガスを用いるとよい。
【0018】上記希釈ガスとしては、アルゴン、ネオ
ン、キセノン、ヘリウム、窒素、乾燥空気(空気を用い
る場合の酸素含有量は、空気中の酸素も含めた値であ
る。)等を用いることができ、これらは単独でも2種以
上を混合して用いてもよい。処理効果と経済性や取り扱
い性の兼合いを考慮すると、酸素とアルゴン、窒素又は
空気とからなる処理ガスが好ましい。
【0019】従来、大気圧近傍の圧力下においては、ヘ
リウムの存在下の処理が行われてきたが、本発明のパル
ス化された電界を印加する方法によれば、ヘリウムに比
較して安価な窒素、アルゴン中における安定した処理が
可能である。
【0020】上記電極としては、銅、アルミニウム等の
金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間化合物等
からなるものが挙げられる。電極の形状としては、特に
限定されないが、電界集中によるアーク放電の発生を避
けるために、対向電極間の距離が一定となる構造である
ことが好ましい。この条件を満たす電極構造としては、
例えば、平行平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、
双曲対向平板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。
【0021】また、略一定構造以外では、円筒対向円筒
型で円筒曲率の大きなものもアーク放電の原因となる電
界集中の度合いが小さいので対向電極として用いること
ができる。曲率は少なくとも半径20mm以上が好まし
い。固体誘電体の誘電率にもよるが、それ以下の曲率で
は、電界集中によるアーク放電が集中しやすい。それぞ
れの曲率がこれ以上であれば、対向する電極の曲率が異
なっても良い。曲率は大きいほど近似的に平板に近づく
ため、より安定した放電が得られるので、より好ましく
は半径40mm以上である。
【0022】さらに、プラズマを発生させる電極は、一
対のうち少なくとも一方に固体誘電体が配置されていれ
ば良く、一対の電極は、短絡に至らない適切な距離をあ
けた状態で対向してもよく、直交してもよい。
【0023】上記固体誘電体は、電極の対向面の一方又
は双方に設置する。この際、固体誘電体と電極が密着
し、かつ、接する電極の対向面を完全に覆うようにす
る。固体誘電体によって覆われずに電極同士が直接対向
する部位があると、そこからアーク放電が生じやすい。
【0024】上記固体誘電体の形状は、シート状でもフ
ィルム状でもよく、厚みが0.01〜4mmであること
が好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高
電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁
破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。ま
た、固体誘電体の形状として、容器型のものも用いるこ
とができる。
【0025】固体誘電体の材質としては、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
【0026】特に、固体誘電体は、比誘電率が2以上
(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比
誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、ポリテトラ
フルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げること
ができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生
させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体を用
いことが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるも
のではないが、現実の材料では18,500程度のもの
が知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体とし
ては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化ア
ルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮
膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮
膜からなり、その被膜の厚みが10〜1000μmであ
るものを用いることが好ましい。
【0027】上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、1〜50mmであることが好まし
い。1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するの
に充分でないことがある。50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくい。
【0028】本発明のパルス電界について説明する。図
1にパルス電圧波形の例を示す。波形(a)、(b)は
インパルス型、波形(c)はパルス型、波形(d)は変
調型の波形である。図1には電圧印加が正負の繰り返し
であるものを挙げたが、正又は負のいずれかの極性側に
電圧を印加するタイプのパルスを用いてもよい。また、
直流が重畳されたパルス電界を印加してもよい。本発明
におけるパルス電界の波形は、ここで挙げた波形に限定
されず、さらに、パルス波形、立ち上がり時間、周波数
の異なるパルスを用いて変調を行ってもよい。上記のよ
うな変調は高速連続表面処理を行うのに適している。
【0029】上記パルス電界の立ち上がり及び/又は立
ち下がり時間は、100μs以下が好ましい。100μ
sを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定な
ものとなり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保
持しにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり
時間が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よ
く行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス
電界を実現することは、実際には困難である。より好ま
しくは50ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち
上がり時間とは、電圧変化が連続して正である時間、立
ち下がり時間とは、電圧変化が連続して負である時間を
指すものとする。
【0030】また、パルス電界の立ち下がり時間も急峻
であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の100
μs以下のタイムスケールであることが好ましい。パル
ス電界発生技術によっても異なるが、立ち上がり時間と
立ち下がり時間とが同じ時間に設定できるものが好まし
い。
【0031】上記パルス電界の電界強度は、0.5〜2
50kV/cmとなるようにするのが好ましい。電界強
度が0.5kV/cm未満であると処理に時間がかかり
すぎ、250kV/cmを超えるとアーク放電が発生し
やすくなる。
【0032】上記パルス電界の周波数は、0.5〜10
0kHzであることが好ましい。0.5kHz未満であ
るとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎ、
100kHzを超えるとアーク放電が発生しやすくな
る。より好ましくは、1〜100kHzであり、このよ
うな高周波数のパルス電界を印加することにより、処理
速度を大きく向上させることができる。
【0033】また、上記パルス電界におけるひとつのパ
ルス継続時間は、1〜1000μsであることが好まし
い。1μs未満であると放電が不安定なものとなり、1
000μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。
より好ましくは、3〜200μsである。ここで、ひと
つのパルス継続時間とは、図1中に例を示してあるが、
ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、
ひとつのパルスの連続するON時間を言う。
【0034】本発明の基材である回路基板としては、積
層基板用プリプレグ、例えば、PPEフィルムの両面に
銅箔などを回路形状に施し、積層回路を形成する積層多
層配線板にビアホール等を穴開け加工した回路基板等が
挙げられる。
【0035】プラズマを回路基板に接触させる手段とし
ては、例えば、(1)対向する電極間で発生するプラズ
マの放電空間内に回路基板を配置して、回路基板にプラ
ズマを接触させる方法、及び(2)対向する電極間で発
生させたプラズマを放電空間の外に配置された回路基板
に向かって導くようにして接触させる方法(ガン型)が
ある。
【0036】上記(1)の具体的方法としては、固体誘
電体を被覆した平行平板型電極間に回路基板を配置し、
プラズマと接触させる方法であって、多数の穴を有する
上部電極を用い、シャワー状プラズマで処理する方法、
フィルム状回路基板を放電空間内を走行させる方法、一
方の電極に吹き出し口ノズルを有する容器状固体誘電体
を設け、該ノズルからプラズマを他の電極上に配置した
回路基板に吹き付ける方法等が挙げられる。
【0037】また、上記(2)の具体的方法としては、
固体誘電体が延長されてプラズマ誘導ノズルを形成して
おり、放電空間の外に配置された回路基板に向けて吹き
付ける方法等が挙げられ、平行平板型電極と長尺型ノズ
ル、同軸円筒型電極と円筒型ノズルの組み合わせを用い
ることができる。なお、ノズル先端の材質は、必ずしも
上記の固体誘電体である必要がなく、上記電極と絶縁が
とれていれば金属等でもかまわない。
【0038】これらの中でも、ガス吹き出し口ノズルを
有する固体誘電体を通して、対向電極間で発生したプラ
ズマを回路基板に吹き付ける方法は、回路基板が直接高
密度プラズマ空間にさらされることが少なく、回路基板
表面の目的とする箇所にのみにプラズマ状態のガスを運
び、処理することができるので、回路基板への電気的熱
的負担が軽減された好ましい方法である。
【0039】本発明における方法は、上記のプラズマを
回路基板に吹き付けて回路基板をアッシングする機構と
アッシングされた回路基板の外観検査機構を備えてなる
方法及び装置であり、大気圧で検査装置との組み合わせ
でアッシング効果を確認しながら製造することのできる
方法及び装置である。
【0040】その具体的な方法の例を図2で説明する。
基材供給機構から回路基板14は、搬送コンベア17で
アッシング機構部に搬送され、上記で詳細に説明したよ
うな装置でアッシングを行い、アッシングの完了した基
材は、そのまま搬送コンベアで外観検査機構部に送られ
る。
【0041】外観検査機構部では、画像取りこみカメラ
20により基材面を写し画像認識機能により、アッシン
グの程度、例えば、スルーホール形状の良否判定を行
う。この判定結果は、次に設けられている仕分け機構
に、良品と再処理必要品の仕分け用信号Aとして送られ
る。また、各基材及び面内場所毎の良否判定データを記
憶し、再処理時に、面内場所毎に不良個所を修復処理す
る場合には、アッシング処理機構に対して、再処理個所
の場所指定などのフィードバック信号Bをアッシング機
構に送付する。
【0042】仕分け機構は、外観検査機構からの仕分け
用信号Aにより、処理品を良品と再処理必要品とに自動
仕分けをする。再処理必要品は、自動又は手動操作によ
り基材供給機構に転送される。良品は、次工程に送られ
る。
【0043】ここで、外観検査機構においては、画像認
識機能以外に、透過光による異形状の探知システム、例
えば、スルーホールを通過する光線を光センサで検知
し、その量から良品、再処理必要品を判定するシステム
とか、プローバー方式、例えば、導通/非導通機構に連
結したプローバーを直接スルーホールに通し、下側に設
置された検知板(導通板)と接触して導通したものが良
品、スカムの存在によりプローバーが穴を通ることがで
きないで導通しないものを再処理必要品であると判定す
るシステムも用いることができる。
【0044】以上の特徴から、本発明は、回路基板等の
表面に存在する有機汚染物等のクリーニング、レジスト
の剥離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還
元、表面改質などに用いることができる。特に本発明
は、スミア、スカム等の加工くずを常圧プラズマ処理す
ることで除去するのに有効である。
【0045】本発明のパルス電界を用いた大気圧放電で
は、ガス種に依存せず、電極間において直接大気圧下で
放電を生じせしめることが可能であり、より単純化され
た電極構造、放電手順による大気圧プラズマ装置、及び
処理手法でかつ高速処理を実現することができる。ま
た、パルス周波数、電圧、電極間隔等のパラメータによ
りクリーニングレート等の処理パラメータも調整でき
る。放電プラズマ処理に要する時間は、印加電圧の大き
さや、回路基板、混合ガス配合等によって適宜決定され
る。
【0046】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0047】実施例1 図3に示した同軸型円筒ノズルを有するプラズマ処理装
置と外観検査機構からなる装置を用い、下記の処理条件
で10cm角のガラス基板上にコートしたレジスト膜を
アッシングした。図3において、1は電源、2は外側電
極、3は内側電極、4は固体誘電体、5はガス吹き出し
口、7はガス導入口、10は排気ガス筒、14は回路基
板、41、42及び43は搬送ベルトをそれぞれ表す。
矢印の方向に処理ガスを導入し、電極間で放電プラズマ
を発生し、回路基板14上のレジストをアッシングす
る。レジスト膜は、ポジ型レジスト(東京応化社製OF
PR−800)をスピンコート後、80℃で、20分加
熱した後、マスクをかけ、365nmの真空紫外光を2
0秒露光したのち現像、水洗し、130℃で50分焼成
したもので、厚みは1.8μmであった。
【0048】プラズマ処理条件 処理ガス:酸素2SLM+N8SLMの混合ガス 放電条件:波形a、立ち上がり/立ち下がり時間5μ
s、出力200W、周波数10KHz、処理時間30
秒;発生したプラズマは、アーク柱のみられない均一な
放電であった。
【0049】外観検査装置により3%の不良品を見つ
け、仕分け機構において再処理必要品を選別し、基材供
給機構に戻し、再処理を行ったところ、不良率は0.5
%に減少した。この間の処理時間は、わずか5分間とい
う時間で素早い処理を行うことができた。なお、処理の
確認は、画像認識装置によるもので、プラズマ照射部分
は、レジストが灰化して除去されており、アッシング速
度は、4200nm/minと見積もられた。
【0050】実施例2 図4に示した平行平板型長尺ノズルを有するプラズマ処
理装置と外観検査機構からなる装置を用い、下記の処理
条件で実施例1で用いたレジスト膜をアッシングした。
図4において、1は電源、2、3は電極、4は固体誘電
体、5はガス吹き出し口、7はガス導入口、10は排気
ガス筒、14は回路基板、42は搬送ベルトをそれぞれ
表す。矢印の方向に処理ガスを導入し、電極間で放電プ
ラズマを発生し、回路基板14上のレジストをアッシン
グした。
【0051】プラズマ処理条件 処理ガス:酸素3SLM+アルゴン9SLMの混合ガス 放電条件:波形a、立ち上がり/立ち下がり時間5μ
s、出力200W、周波数10KHz、処理時間30
秒;発生したプラズマは、アーク柱のみられない均一な
放電であった。
【0052】外観検査装置により3%の不良品を見つ
け、仕分け機構において再処理必要品を選別し、基材供
給機構に戻し、再処理を行ったところ、不良率は0.5
%に減少した。この間の処理時間は、わずか5分間とい
う時間で素早い処理を行うことができた。なお、処理の
確認は、画像認識装置によるもので、プラズマ照射部分
は、レジストが灰化して除去されており、アッシング速
度は、3600nm/minと見積もられた。
【0053】比較例1 外観検査装置及び/又は仕分け機構を使わずに行ったこ
と以外は、実施例1と同様にして処理を行った。最終製
品の不良率は5%であった。
【0054】
【発明の効果】本発明のパルス電界を印加する回路基板
のアッシング方法によれば、大気圧近傍で、処理ガスの
プラズマを基材に接触させて基材の表面をアッシングす
る機構とアッシング後の回路基板を検査する外観検査機
構を組み合わせることにより、効率的にアッシングする
ことができ、歩留まり向上に寄与できる。また、本発明
の方法は、大気圧下での実施が可能であるので、容易に
インライン化でき、本発明の方法を用いることにより処
理工程全体の速度低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルス電界の例を示す電圧波形の図で
ある。
【図2】本発明のアッシング方法の一例の工程図であ
る。
【図3】本発明のアッシング処理方法の例を示す図であ
る。
【図4】本発明のアッシング処理方法の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 電源(高電圧パルス電源) 2、3 電極 4 固体誘電体 5 ガス吹き出し口 7 ガス導入口 9 放電空間 10 排気ガス筒 14 回路基板 17 搬送コンベア 20 画像取込用カメラ 41、42、43 搬送コンベア A 仕分け信号 B フィードバック信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯浅 基和 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 本間 孝治 東京都東大和市立野2−703 株式会社ケ ミトロニクス内 Fターム(参考) 5F004 AA13 BA03 BA04 BA20 BB11 BB24 BC06 BD01 DA00 DA22 DA23 DA25 DA26 DB26 EB08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧近傍の圧力下、対向する一対の電
    極の少なくとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、当
    該一対の対向電極間に処理ガスを導入してパルス状の電
    界を印加することにより得られるプラズマを回路基板に
    接触させ、回路基板をアッシングする機構とアッシング
    された回路基板の外観検査機構とを備えてなることを特
    徴とする回路基板のアッシング方法。
  2. 【請求項2】 処理ガスが、4体積%以上の酸素を含む
    ガスであることを特徴とする請求項1に記載の回路基板
    のアッシング方法。
  3. 【請求項3】 パルス状の電界が、パルス立ち上がり及
    び/又は立ち下がり時間が100μs以下、電界強度が
    0.5〜250kV/cmであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の回路基板のアッシング方法。
  4. 【請求項4】 パルス状の電界が、周波数が0.5〜1
    00kHz、パルス継続時間が1〜1000μsである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    回路基板のアッシング方法。
  5. 【請求項5】 大気圧近傍の圧力下、少なくとも一方の
    対向面に固体誘電体が設置された一対の対向電極と、当
    該一対の対向電極間に処理ガスを導入する機構、該電極
    間にパルス状の電界を印加する機構、該パルス電界によ
    り得られるプラズマを回路基板に接触させアッシングす
    る機構、及びアッシングされた回路基板の外観検査機構
    を備えてなることを特徴とする回路基板のアッシング装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の装置と回路基板をアッ
    シング機構に送りこむ回路基板供給機構、外観検査によ
    り良品と再処理必要品とを仕分けする仕分け機構とを具
    備してなる回路基板のアッシング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101319154B1 (ko) * 2006-11-30 2013-10-17 엘지디스플레이 주식회사 세정 장치, 세정 방법, 세정 시스템 및 이의 운용 방법

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KR101319154B1 (ko) * 2006-11-30 2013-10-17 엘지디스플레이 주식회사 세정 장치, 세정 방법, 세정 시스템 및 이의 운용 방법

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