JP2002151379A - ステージ装置および露光装置 - Google Patents

ステージ装置および露光装置

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JP2002151379A JP2000340506A JP2000340506A JP2002151379A JP 2002151379 A JP2002151379 A JP 2002151379A JP 2000340506 A JP2000340506 A JP 2000340506A JP 2000340506 A JP2000340506 A JP 2000340506A JP 2002151379 A JP2002151379 A JP 2002151379A
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
    • G03F7/70858Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature
    • G03F7/709Vibration, e.g. vibration detection, compensation, suppression or isolation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で容易に定盤の振動を制振する。 【解決手段】 ステージ本体が定盤6上を移動する。定
盤6に、定盤6の振動によって連成振動する連成装置4
6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクや基板等の
試料を保持するステージ本体が移動するステージ装置、
およびこのステージ装置に保持されたマスクと基板とを
用いて露光処理を行う露光装置に関し、特に半導体集積
回路や液晶ディスプレイ等のデバイスを製造する際に、
リソグラフィ工程で用いて好適なステージ装置および露
光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイスの製造工程の
1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレ
チクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パ
ターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガ
ラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用
いられている。
【0003】例えば、半導体デバイス用の露光装置とし
ては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターン
の最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチ
クルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転
写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0004】この縮小投影露光装置としては、レチクル
のパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領
域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の
静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)
や、このステッパを改良したもので、特開平8−166
043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハと
を一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ
上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキ
ャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニン
グ・ステッパ)が知られている。
【0005】これらの縮小投影露光装置においては、ス
テージ装置として、床面に先ず装置の基準になるベース
プレートが設置され、その上に床振動を遮断するための
防振台を介してレチクルステージ、ウエハステージおよ
び投影光学系(投影レンズ)等を支持する本体コラムが
載置されたものが多く用いられている。最近のステージ
装置では、前記防振台として、内圧が制御可能なエアマ
ウント、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを備
え、本体コラム(メインフレーム)に取り付けられた、
例えば6個の加速度計の計測値に基づいて前記ボイスコ
イルモータ等を制御することにより本体コラムの振動を
制御するアクティブ防振台が採用されている。
【0006】ところで、上記のステッパ等は、ウエハ上
のあるショット領域に対する露光の後、他のショット領
域に対して順次露光を繰り返すものであるから、ウエハ
ステージ(ステッパの場合)、あるいはレチクルステー
ジおよびウエハステージ(スキャニング・ステッパの場
合)の加速、減速運動によって生じる反力が本体コラム
の振動要因となって、投影光学系とウエハ等との相対位
置誤差を生じさせ、ウエハ上で設計値と異なる位置にパ
ターンが転写されたり、その位置誤差に振動成分を含む
場合には像ボケ(パターン線幅の増大)を招く原因にな
るという不都合があった。
【0007】そこで、従来、上記のようなアクティブ防
振台では、定盤上をステージ本体が移動する際に定盤に
加わる反力による振動を、予め計算された装置のパラメ
ータ、例えばボディ重心、慣性主軸、サーボゲイン、非
干渉化ブロック等を用いてボディの動特性を制御するこ
とで、上述した不都合を抑制していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のステージ装置および露光装置には、以下
のような問題が存在する。近時においては、半導体デバ
イスの微細化や露光処理の高速化の要請が益々高まって
きており、この要請に応えることができるステージ装置
および露光装置が強く要望されている。ところが、予め
コンピュータ等で計算されたパラメータを用いて制御し
ていても実機と計算値とでは若干の差異があるため、ど
うしてもボディ振動の残留振動が計算値よりも悪くなっ
てしまう。
【0009】一例として、従来では、投影光学系とウエ
ハとの光軸方向における相対関係を維持するために、レ
ーザ干渉計等を用いて投影光学系と定盤との相対距離を
計測し、計測結果に基づいてアクチュエータを駆動する
ことで、投影光学系に対して定盤を追従させている(例
えば、光軸方向では1μm、光軸回りでは1μra
d)。具体的には、ステージが移動したときに振動し
て、図8に示すように、定盤Jは図中二点鎖線で示すよ
うに捻れて撓む。そして、投影光学系(または投影光学
系を支持する鏡筒定盤)に設けた、例えば3つのレーザ
干渉計で定盤上面の位置との間の距離をそれぞれ計測し
てアクチュエータを駆動することで、定盤JがZ方向
(光軸方向)、ピッチング方向(例えば、X軸回りの回
転方向)、ローリング方向(例えばY軸回りの回転方
向)について所定の相対位置関係になるように制御して
いる。
【0010】この制御の際、定盤は例えば、少なくとも
10〜30Hz程度の周波数で投影光学系に追従させる
ためのサーボ剛性が必要である。図9に、投影光学系と
定盤との間の位置の周波数特性を示す。この図に示すよ
うに、定盤を駆動すると、高周波領域で定盤の固有振動
数に応じた周波数fで共振する。そのため、10〜30
Hz程度の低周波領域で投影光学系に対して定盤を追従
させる制御をしても、高周波でピーク(残留振動)が出
てしまい、十分なサーボ剛性を得ることができず、所定
の制御が実施できないという問題があった。
【0011】特に、従来では、投影光学系と定盤とが一
体化した構成が採用されており、これらがほぼ追従する
構成であったが、近年では、これらを独立して設置し、
個々に振動を制御する方式が検討されている。この場
合、投影光学系とウエハ等との相対位置誤差を抑制する
ためには、投影光学系と定盤との追従制御を厳密に行う
必要がある。
【0012】一方、高周波領域でもサーボ剛性を得るた
めに、高周波振動にも対応できるアクチュエータを設置
する等の方策が考えられるが、構成部品が多くなると、
装置の大型化、コスト上昇を招くとともに、その中の一
つに故障をはじめとする事故が発生した場合でも、事故
原因を特定するために多くの時間を要するという問題が
起こる。
【0013】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、簡単な構成で容易に定盤の振動を制振でき
るステージ装置、および定盤の振動に起因する投影光学
系と定盤との相対位置誤差を抑制して露光精度の向上に
寄与する露光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、実施の形態を示す図1ないし図6に対応
付けした以下の構成を採用している。本発明のステージ
装置は、ステージ本体(5)が定盤(6)上を移動する
ステージ装置(7)であって、定盤(6)に、定盤
(6)の振動によって連成振動する連成装置(41)が
設けられることを特徴とするものである。
【0015】従って、本発明のステージ装置では、ステ
ージ本体(5)の移動により定盤(6)に振動が発生し
た場合、連成装置(41)の振動系が励振されることに
より、定盤(6)の振動エネルギーが連成装置(41)
に吸収された状態となる。そのため、定盤(6)は、振
動エネルギーが減少することで振動が抑制される。この
連成装置(41)としては、定盤(6)に取り付けられ
る弾性体(42)と、弾性体(42)に連結される質量
体(43)とを有することが好ましい。また、連成装置
(41)の振動特性として、振動系の固有振動数を定盤
(6)の固有振動数に基づいて、これらをほぼ同一に設
定することが好ましい。さらに、定盤(6)に発生する
振動の腹となる箇所近傍に設けることで、より効果的に
定盤(6)の振動を抑制できる。
【0016】また、本発明の露光装置は、マスクステー
ジ(2)に保持されたマスク(R)のパターンを基板ス
テージ(5)に保持された基板(W)に投影光学系(P
L)を介して露光する露光装置において、マスクステー
ジ(2)と基板ステージ(5)との少なくとも一方のス
テージとして、請求項1から5のいずれかに記載された
ステージ装置(7)が用いられることを特徴とするもの
である。
【0017】従って、本発明の露光装置では、定盤
(6)の振動を抑制することで、投影光学系(PL)に
対してマスク(R)や基板(W)を容易に追従させるこ
とができる。そのため、投影光学系(PL)とマスク
(R)や基板(W)との間の相対位置誤差を抑制した状
態で高精度の露光処理を実施でき、投影光学系(PL)
を介して投影されたパターンの合焦状態を向上させるこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のステージ装置およ
び露光装置の実施の形態を、図1ないし図6を参照して
説明する。ここでは、例えば露光装置として、レチクル
とウエハとを同期移動しつつ、レチクルに形成された半
導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、ス
キャニング・ステッパを使用する場合の例を用いて説明
する。また、この露光装置においては、本発明のステー
ジ装置をウエハステージに適用するものとする。なお、
これらの図において、従来例として示した図8と同一の
構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0019】図1に示す露光装置1は、光源(不図示)
からの露光用照明光によりレチクル(マスク)R上の矩
形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度で照明
する照明光学系IU、試料であるレチクルRを保持する
マスクステージとしてのレチクルステージ2および該レ
チクルステージ2を支持するレチクル定盤3を含むステ
ージ装置4、レチクルRから射出される照明光をウエハ
(基板)W上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保
持する基板ステージとしてのウエハステージ(ステージ
本体)5および該ウエハステージ5を支持するウエハ定
盤(定盤)6を含むステージ装置7、上記ステージ装置
4および投影光学系PLを支持するリアクションフレー
ム8とから概略構成されている。なお、ここで投影光学
系PLの光軸方向をZ方向とし、このZ方向と直交する
方向でレチクルRとウエハWの同期移動方向をY方向と
し、非同期移動方向をX方向とする。また、それぞれの
軸周りの回転方向をθZ、θY、θXとする。
【0020】照明光学系IUは、リアクションフレーム
8の上面に固定された支持コラム9によって支持され
る。なお、露光用照明光としては、例えば超高圧水銀ラ
ンプから射出される紫外域の輝線(g線、i線)および
KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外
光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長19
3nm)およびF2レーザ光(波長157nm)等の真
空紫外光(VUV)などが用いられる。
【0021】リアクションフレーム8は、床面に水平に
載置されたベースプレート10上に設置されており、そ
の上部側および下部側には、内側に向けて突出する段部
8aおよび8bがそれぞれ形成されている。
【0022】ステージ装置4の中、レチクル定盤3は、
各コーナーにおいてリアクションフレーム8の段部8a
に防振ユニット11を介してほぼ水平に支持されており
(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せ
ず)、その中央部にはレチクルRに形成されたパターン
像が通過する開口3aが形成されている。なお、レチク
ル定盤3の材料として金属やセラミックスを用いること
ができる。防振ユニット11は、内圧が調整可能なエア
マウント12とボイスコイルモータ13とが段部8a上
に直列に配置された構成になっている。これら防振ユニ
ット11によって、ベースプレート10およびリアクシ
ョンフレーム8を介してレチクル定盤3に伝わる微振動
がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている(G
は重力加速度)。
【0023】レチクル定盤3上には、レチクルステージ
2が該レチクル定盤3に沿って2次元的に移動可能に支
持されている。レチクルステージ2の底面には、複数の
エアベアリング(エアパッド)14が固定されており、
これらのエアベアリング14によってレチクルステージ
2がレチクル定盤3上に数ミクロン程度のクリアランス
を介して浮上支持されている。また、レチクルステージ
2の中央部には、レチクル定盤3の開口3aと連通し、
レチクルRのパターン像が通過する開口2aが形成され
ている。
【0024】レチクルステージ2について詳述すると、
図2に示すように、レチクルステージ2は、レチクル定
盤3上を一対のYリニアモータ15、15によってY軸
方向に所定ストロークで駆動されるレチクル粗動ステー
ジ16と、このレチクル粗動ステージ16上を一対のX
ボイスコイルモータ17Xと一対のYボイスコイルモー
タ17YとによってX、Y、θZ方向に微小駆動される
レチクル微動ステージ18とを備えた構成になっている
(なお、図1では、これらを1つのステージとして図示
している)。
【0025】各Yリニアモータ15は、レチクル定盤3
上に非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エ
アパッド)19によって浮上支持されY軸方向に延びる
固定子20と、この固定子20に対応して設けられ、連
結部材22を介してレチクル粗動ステージ16に固定さ
れた可動子21とから構成されている。このため、運動
量保存の法則により、レチクル粗動ステージ16の+Y
方向の移動に応じて、固定子20は−Y方向に移動す
る。この固定子20の移動によりレチクル粗動ステージ
16の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の
変化を防ぐことができる。
【0026】また、固定子20は、レチクル定盤3上に
代えて、リアクションフレーム8に設けてもよい。固定
子20をリアクションフレーム8に設ける場合には、エ
アベアリング19を省略し、固定子20をリアクション
フレーム8に固定して、レチクル粗動ステージ16の移
動により固定子20に作用する反力をリアクションフレ
ーム8を介して床に逃がしてもよい。
【0027】レチクル粗動ステージ16は、レチクル定
盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面に固定
されY軸方向に延びる一対のYガイド51、51によっ
てY軸方向に案内されるようになっている。また、レチ
クル粗動ステージ16は、これらYガイド51、51に
対して不図示のエアベアリングによって非接触で支持さ
れている。
【0028】レチクル微動ステージ18には、不図示の
バキュームチャックを介してレチクルRが吸着保持され
るようになっている。レチクル微動ステージ18の−Y
方向の端部には、コーナキューブからなる一対のY移動
鏡52a、52bが固定され、また、レチクル微動ステ
ージ18の+X方向の端部には、Y軸方向に延びる平面
ミラーからなるX移動鏡53が固定されている。そし
て、これら移動鏡52a、52b、53に対して測長ビ
ームを照射する3つのレーザ干渉計(いずれも不図示)
が各移動鏡との距離を計測することにより、レチクルス
テージ2のX、Y、θZ(Z軸周りの回転)方向の位置
が高精度に計測される。なお、レチクル微動ステージ1
8の材質として金属やコージェライトまたはSiCから
なるセラミックスを用いることができる。
【0029】図1に戻り、投影光学系PLとして、ここ
では物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両
方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や
蛍石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)から
なる1/4(または1/5)縮小倍率の屈折光学系が使
用されている。このため、レチクルRに照明光が照射さ
れると、レチクルR上の回路パターンのうち、照明光で
照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射
し、その回路パターンの部分倒立像が投影光学系PLの
像面側の円形視野の中央にスリット状に制限されて結像
される。これにより、投影された回路パターンの部分倒
立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW
上の複数のショット領域のうち、1つのショット領域表
面のレジスト層に縮小転写される。
【0030】投影光学系PLの鏡筒部の外周には、該鏡
筒部に一体化されたフランジ23が設けられている。そ
して、投影光学系PLは、リアクションフレーム8の段
部8bに防振ユニット24を介してほぼ水平に支持され
た鋳物等で構成された鏡筒定盤25に、光軸方向をZ方
向として上方から挿入されるとともに、フランジ23が
係合している。なお、鏡筒定盤25として、高剛性・低
熱膨張のセラミックス材を用いてもよい。
【0031】フランジ23の素材としては、低熱膨張の
材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、
マンガン0.25%、および微量の炭素と他の元素を含
む鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。このフ
ランジ23は、投影光学系PLを鏡筒定盤25に対して
点と面とV溝とを介して3点で支持する、いわゆるキネ
マティック支持マウントを構成している。このようなキ
ネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLの
鏡筒定盤25に対する組み付けが容易で、しかも組み付
け後の鏡筒定盤25および投影光学系PLの振動、温度
変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという
利点がある。
【0032】防振ユニット24は、鏡筒定盤25の各コ
ーナーに配置され(なお、紙面奥側の防振ユニットにつ
いては図示せず)、内圧が調整可能なエアマウント26
とボイスコイルモータ27とが段部8b上に直列に配置
された構成になっている。これら防振ユニット24によ
って、ベースプレート10およびリアクションフレーム
8を介して鏡筒定盤25(ひいては投影光学系PL)に
伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようにな
っている。
【0033】ステージ装置7は、ウエハWを保持するウ
エハステージ5、このウエハステージ5をXY平面に沿
った2次元方向に移動可能に支持するウエハ定盤6を主
体に構成されている。ウエハステージ5の底面には、非
接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッ
ド)28が固定されており、これらのエアベアリング2
8によってウエハステージ5がウエハ定盤6上に、例え
ば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持され
ている。
【0034】ウエハステージ5は、該ウエハステージ5
をX方向に駆動する一対のリニアモータ32(ウエハス
テージ5よりも紙面手前側のリニアモータは図示せず)
と、ウエハステージ5をY方向に駆動する一対のリニア
モータ33とによってウエハ定盤6上をXY2次元方向
に移動自在になっている。リニアモータ32の固定子
は、ウエハステージ5のY方向両外側にX方向に沿って
延設されており、一対の連結部材34によって両端部相
互間が連結されて、矩形の枠体35が構成されている。
リニアモータ32の可動子は、ウエハステージ5のY方
向両側面に固定子に対向するように突設されている。
【0035】また、枠体35を構成する一対の連結部材
34またはリニアモータ32の下端面には、電機子ユニ
ットからなる可動子36,36がそれぞれ設けられてお
り、これらの可動子36,36に対応する磁石ユニット
を有する固定子37,37がY方向に延設されてベース
プレート10に突設されている。そして、これら可動子
36および固定子37によってムービングコイル型のリ
ニアモータ33が構成されており、可動子36は固定子
37との間の電磁気的相互作用によりY方向に駆動され
るようになっている。すなわち、このリニアモータ33
によって枠体35と一体的にウエハステージ5がY方向
に駆動されるようになっている。
【0036】なお、固定子37をエアベアリング等によ
りベースプレート10上に移動自在に浮揚させる構成と
してもよい。この場合、運動量保存の法則により、ウエ
ハステージ5の例えば+Y方向の移動に伴う反力で、固
定子37が−Y方向に移動する。この固定子37の移動
によりウエハステージ5の移動に伴う反力を相殺すると
ともに、重心位置の変化を防ぐことができる。
【0037】ウエハステージ5の上面には、ウエハホル
ダ41を介してウエハWが真空吸着等によって固定され
る。また、ウエハステージ5のX方向の位置は、投影光
学系PLの鏡筒下端に固定された参照鏡42を基準とし
て、ウエハステージ5の一部に固定された移動鏡43の
位置変化を計測するレーザ干渉計44によって所定の分
解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイ
ムに計測される。なお、上記参照鏡42、移動鏡43、
レーザ干渉計44とほぼ直交するように配置された不図
示の参照鏡、移動鏡、レーザ干渉計によってウエハステ
ージ5のY方向の位置が計測される。なお、これらレー
ザ干渉計の中、少なくとも一方は、測長軸を2軸以上有
する多軸干渉計であり、これらレーザ干渉計の計測値に
基づいてウエハステージ5(ひいてはウエハW)のXY
位置のみならず、θ回転量あるいはこれらに加え、レベ
リング量をも求めることができるようになっている。
【0038】ウエハ定盤6は、ベースプレート10の上
方に、防振ユニット29を介してほぼ水平に支持されて
いる。防振ユニット29は、内圧が調整可能なエアマウ
ント30とボイスコイルモータ31とがベースプレート
10上に並列に対で配置された構成になっている。な
お、図1では便宜上、エアマウント30およびボイスコ
イルモータ31の双方がウエハ定盤6の直下に配される
構成としているが、実際には、図3に示されるように、
エアマウント30はウエハ定盤6の端縁近傍の直下に配
置され、ボイスコイルモータ31はウエハ定盤6の端縁
から延出するブラケット40の直下に配される。
【0039】そして、平面的には、図4に示すように、
エアマウント30はウエハ定盤6の−Y側端縁に沿った
X方向の両端近傍と、+Y側端縁のX方向中央近傍との
三箇所にほぼ等間隔で配置されている。同様にブラケッ
ト40は、各エアマウント30の近傍に位置するよう
に、ウエハ定盤6の−Y側端縁に沿ったX方向の両端近
傍からそれぞれ−Y側へ向けて延出するとともに、+Y
側端縁のX方向中央近傍から+Y側へ向けて延出するよ
うに配置されている。そして、これら防振ユニット29
によって、ベースプレート10を介してウエハ定盤6に
伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようにな
っている。
【0040】また、本実施の形態では、上記ウエハ定盤
6にダイナミックダンパ(連成装置)46が設けられて
いる。ダイナミックダンパ46は、ウエハ定盤6の振動
によって連成振動するものであって、ソルボ繊維等の粘
性減衰係数が比較的大きいゴム材で形成された弾性体4
7と、例えばタングステンや鉛等の比較的比重の大きい
金属で形成され弾性体47に連結された質量体48とか
ら構成されており、ウエハ定盤6の−Y側においてはブ
ラケット40上に二箇所配設され、ウエハ定盤6の+Y
側においては、図5に示すように、ウエハ定盤6の側面
にX方向の両端近傍に固設されたL字状のブラケット4
9上に二箇所配設されている。
【0041】すなわち、ダイナミックダンパ46は、ウ
エハ定盤6が振動したときの、振動の腹となる箇所であ
るコーナー近傍に配置されている。そして、各ダイナミ
ックダンパ46では、弾性体47がブラケット40また
は49を介してウエハ定盤6に取り付けられるととも
に、この弾性体47の+Z側(すなわちウエハステージ
5の移動面と略直交する方向)に質量体48が所定の剛
性をもって連結されている。
【0042】質量体48の質量は、ウエハ定盤6の振動
モードに対応するモード質量に基づいて設定されてい
る。具体的には、ウエハ定盤6のモード質量の5%〜1
0%を選択することで効果的な減衰が得られることが振
動工学的に知られているが、ここではモード質量の10
%に設定されている。そして、例えばタングステンや鉛
などのような比重の大きな材質を用いることで、質量体
48の小型化を実現している。また、弾性体47および
質量体48を合わせたダイナミックダンパ46の振動系
としての固有振動数は、ウエハ定盤6の固有振動数とほ
ぼ一致するように設定されている。
【0043】また、本露光装置1には、上記レチクル定
盤3、ウエハ定盤6、鏡筒定盤25のZ方向の振動を計
測する3つの振動センサ(例えば加速度計;不図示)
と、XY面内方向の振動を計測する3つの振動センサ
(例えば加速度計;不図示)とがそれぞれ設けられてい
る。後者の振動センサのうち2つは、各定盤のY方向の
振動を計測し、残りの振動センサはX方向の振動を計測
するものである(以下、便宜上これらの振動センサを振
動センサ群と称する)。そして、これらの振動センサ群
の計測値に基づいてレチクル定盤3、ウエハ定盤6、鏡
筒定盤25の6自由度(X、Y、Z、θX、θY、θ
Z)の振動をそれぞれ求めることができる。
【0044】さらに、投影光学系PLのフランジ23に
は、異なる3カ所、具体的にはエアマウント30の配置
に対応した3カ所に3つのレーザ干渉計45が固定され
ている(ただし、図1においてはこれらのレーザ干渉計
のうち1つが代表的に示されている)。各レーザ干渉計
45に対向する鏡筒定盤25の部分には、開口25aが
それぞれ形成されており、これらの開口25aを介して
各レーザ干渉計45からZ方向の測長ビームがウエハ定
盤6に向けて照射される。ウエハ定盤6の上面の各測長
ビームの対向位置には、反射面がそれぞれ形成されてい
る。
【0045】このため、上記3つのレーザ干渉計45に
よってウエハ定盤6の異なる3点のZ位置がフランジ2
3を基準としてそれぞれ計測される(ただし、図1にお
いては、ウエハステージ5上のウエハWの中央のショッ
ト領域が投影光学系PLの光軸の直下にある状態が示さ
れているため、測長ビームがウエハステージ5で遮られ
た状態になっている)。なお、ウエハステージ5の上面
に反射面を形成して、この反射面上の異なる3点のZ方
向位置を投影光学系PLまたはフランジ23を基準とし
て計測する干渉計を設けてもよい。
【0046】なお、上記照明光学系IUや投影光学系P
L等は、不図示の制御装置によって統括的に制御され
る。また、この制御装置は、レチクル用レーザ干渉計、
ウエハ用レーザ干渉計44、ウエハ定盤用レーザ干渉計
45の計測値をモニタしつつ、レチクルステージ2およ
びウエハステージ5を所定位置に所定の速度で走査する
ように制御する。さらに、制御装置は、振動センサ群の
計測結果に基づいて防振ユニット11、24、29を駆
動することにより、レチクル定盤3、ウエハ定盤6、鏡
筒定盤25の振動をアクティブに制御する構成になって
いる。
【0047】次に、上記のように構成されたステージ装
置および露光装置の中、まずステージ装置7の動作につ
いて説明する。ウエハステージ5がリニアモータ15の
駆動により移動すると、防振ユニット29では、レーザ
干渉計44等の計測値に基づいて、ウエハステージ5の
移動に伴う重心の変化による影響をキャンセルする力
(カウンターフォース)が制御装置によりフィードフォ
ワードで与えられ、この力を発生するようにエアマウン
ト30およびボイスコイルモータ31が駆動される。ま
た、ウエハステージ5とリニアモータ32、33の固定
子とウエハ定盤6との3者間の摩擦が零でなかったり、
ウエハステージ5と固定子37との移動方向が僅かに異
なる等の理由で、ウエハ定盤6の6自由度方向の微少な
振動が残留した場合にも、振動センサ群の計測値に基づ
いて上記残留振動を除去すべく、エアマウント30およ
びボイスコイルモータ31をフィードバック制御する。
【0048】また、鏡筒定盤25においては、レチクル
ステージ2、ウエハステージ5の移動による反力で固定
子17、37が移動し、リアクションフレーム8に微振
動が発生しても、リアクションフレーム8との間に防振
ユニット24が介装されて振動に関して独立している。
また、鏡筒定盤25に微振動が発生しても、鏡筒定盤2
5に設けられた振動センサ群の計測値に基づいて6自由
度方向の振動を求め、エアマウント26およびボイスコ
イルモータ27をフィードバック制御することによりこ
の微振動をキャンセルして、鏡筒定盤25を定常的に安
定した位置に維持することができる。したがって、鏡筒
定盤25に支持された投影光学系PLを安定した位置に
維持することができ、投影光学系PLの振動に起因する
パターン転写位置のずれや像ボケ等の発生を効果的に防
止して露光精度の向上を図ることができる。
【0049】ここで、制御装置は、鏡筒定盤25(すな
わち投影光学系PL)とウエハ定盤6との相対位置関係
を同期させるべく、レーザ干渉計45の計測結果に基づ
いて、投影光学系PLとウエハ定盤6との光軸方向(Z
方向)及び光軸直交面に対する傾斜方向の3自由度
(Z、θX、θY)の位置関係を求め、各方向における
相対関係が所定範囲(例えば、Z方向では1μm、θ
X、θYでは1μrad)に収まるように防振ユニット
24、29の駆動を制御してウエハ定盤6を投影光学系
PLに対して追従させる。
【0050】このとき、ウエハ定盤6は、図8に示した
ように、振動により捻れて撓むが、ウエハ定盤6の振動
に伴ってダイナミックダンパ46の振動系が励振されて
Z方向に連成振動する。この連成振動のうち、弾性体4
7の大きな粘性によりウエハ定盤6の振動が減衰されて
その振幅が小さくなる。また、質量体48の質量がウエ
ハ定盤6のモード質量の10%であるとともに、ダイナ
ミックダンパ46の固有振動数がウエハ定盤6の固有振
動数とほぼ一致しているので、ダイナミックダンパ46
の連成振動により、図9に二点鎖線で示されるように、
ウエハ定盤6の固有振動数における共振のピークが小さ
くなる。この結果、ウエハ定盤6を10〜30Hz程度
の低周波領域で投影光学系PLに対して追従させる制御
を行った際に発生する残留振動が小さくなる。
【0051】続いて、上記の構成の露光装置1における
露光動作について以下に説明する。いずれも不図示のレ
チクル顕微鏡およびオフアクシス・アライメントセンサ
等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等
の準備作業が行われ、その後アライメントセンサを用い
たウエハWのファインアライメント(EGA;エンハン
スト・グローバル・アライメント等)が終了し、ウエハ
W上の複数のショット領域の配列座標が求められる。そ
して、アライメント結果に基づいてレーザ干渉計44の
計測値をモニタしつつ、リニアモータ32、33を制御
してウエハWの第1ショットの露光のための走査開始位
置にウエハステージ5を移動する。そして、リニアモー
タ15、33を介してレチクルステージ2とウエハステ
ージ5とのY方向の走査を開始し、両ステージ2、5が
それぞれの目標走査速度に達すると、露光用照明光によ
ってレチクルRのパターン領域が照明され、走査露光が
開始される。
【0052】この走査露光時には、レチクルステージ2
のY方向の移動速度と、ウエハステージ5のY方向の移
動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍あるい
は1/4倍)に応じた速度比に維持されるように、リニ
アモータ15、33を介してレチクルステージ2および
ウエハステージ5を同期制御する。そして、レチクルR
のパターン領域の異なる領域が照明光で逐次照明され、
パターン領域全面に対する照明が完了することにより、
ウエハW上の第1ショットの走査露光が完了する。これ
により、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介し
てウエハW上の第1ショット領域に縮小転写される。
【0053】このようにして、第1ショットの走査露光
が終了すると、リニアモータ32、33を介してウエハ
ステージ5がX、Y方向にステップ移動され、第2ショ
ットの露光のため走査開始位置に移動される。このステ
ップ移動の際に、ウエハステージ5の位置(ウエハWの
位置)を検出するレーザ干渉計44の計測値に基づい
て、ウエハステージ5のX、Y、θZ方向の位置をリア
ルタイムで計測する。そして、この計測結果に基づき、
リニアモータ32、33を制御してウエハステージ5の
XY位置変位が所定の状態になるようにウエハステージ
5の位置を制御する。また、ウエハステージ5のθZ方
向の変位に関しては、この変位の情報に基づいてウエハ
W側の回転変位の誤差を補正するように、レチクルステ
ージ2を回転制御する。この後、上記第1ショット領域
と同様に、第2ショット領域に対して走査露光を行う。
そして、ウエハW上のショット領域の走査露光と次ショ
ット露光のためのステップ移動とが繰り返し行われ、ウ
エハW上の露光対象ショット領域の全てにレチクルRの
パターンが順次転写される。
【0054】本実施の形態のステージ装置では、ウエハ
定盤6の振動によってダイナミックダンパ46が連成振
動してウエハ定盤6の振動エネルギーを吸収するので、
ウエハ定盤6におけるZ方向の振動を減少させるように
制振することができる。また、上記実施の形態では、ダ
イナミックダンパ46の振動系における固有振動数をウ
エハ定盤6の固有振動数とほぼ一致させているので、ウ
エハ定盤6を投影光学系PLに追従させる際に発生する
共振のピークが小さくなるように制振することができ、
低周波領域における十分なサーボ剛性を容易に得ること
ができる。さらに、本実施の形態では、これらダイナミ
ックダンパ46をウエハ定盤6に発生する振動の腹とな
る箇所近傍に取り付けているので、ウエハ定盤6の振動
を効果的に抑制することができる。
【0055】しかも、上記実施の形態では、弾性体47
および質量体48からなるダイナミックダンパ46をウ
エハ定盤6にブラケット40、49を介して取り付ける
という簡単な構成でウエハ定盤6の振動を制振している
ので、装置の小型化および低価格化に寄与できるととも
に、万一、ダイナミックダンパ46に係る故障が発生し
た場合でも容易にその原因を特定することができ、復旧
作業に要する時間を短くすることができる。
【0056】そして、このようにウエハ定盤6のZ方向
の振動を抑制・制振しているので、本実施の形態の露光
装置では、ウエハ定盤6に残留振動があっても、ウエハ
Wを投影光学系PLに容易に追従させることができ、光
軸方向においてウエハWと投影光学系PLとの相対位置
誤差を抑制することができる。このため、本実施の形態
の露光装置では、像ボケ等の発生要因を排除して高精度
の露光処理を実施することができる。特に、投影光学P
Lとウエハ定盤6とが振動的に独立して設置された露光
装置であっても、これらの相対位置誤差を抑制して露光
精度を向上させることが可能である。
【0057】なお、上記実施の形態においては、ダイナ
ミックダンパ46によりウエハ定盤6に発生するZ方向
の振動を抑制・制振する構成としたが、X方向やY方向
等、光軸方向と直交する方向の振動を制振することも可
能である。例えば図6に示すように、Y方向(水平方
向)に間隔をあけて配された壁部55、55間に、質量
体48のY方向両側に弾性体47、47が連結されたダ
イナミックダンパ46を設けたブラケット56をウエハ
定盤6の側面に取り付ける構成としてもよい。この場
合、質量体48のY方向への移動を円滑にするコロや、
エアスライダを設けることが好ましい。この構成では、
ウエハ定盤6のY方向の振動に対しても、ダイナミック
ダンパ46が連成振動するので、上記と同様に、ウエハ
定盤6の振動エネルギを吸収して制振することができ
る。
【0058】また、上記実施の形態では、本発明のステ
ージ装置をウエハW側のステージ装置7に用いる構成と
したが、レチクルR側のステージ装置4に対しても、レ
チクル定盤3にダイナミックダンパ46と同様の構成の
ものを取り付けてもよい。この場合、レチクル定盤3に
発生する振動を抑制・制振することができるので、レチ
クルRと投影光学系PLとの相対位置誤差を抑制するこ
とができる。
【0059】さらに、上記実施の形態では、本発明のス
テージ装置を露光装置1に適用する構成としたが、これ
に限定されるものではなく、露光装置1以外にも転写マ
スクの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等
の精密測定機器にも適用可能である。
【0060】なお、上記実施の形態で示した弾性体4
7、質量体48の材質は一例であり、ウエハ定盤6のモ
ード質量に応じた質量を有する質量体、粘性係数が大き
な弾性体であれば、他の材質も適宜採用可能である。
【0061】なお、本実施の形態の基板としては、半導
体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディス
プレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用の
セラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマス
クまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)
等が適用される。
【0062】露光装置1としては、レチクルRとウエハ
Wとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光す
るステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置
(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、
レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRの
パターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させる
ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステ
ッパー)にも適用することができる。
【0063】露光装置1の種類としては、ウエハWに半
導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用
の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置
や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチ
クルなどを製造するための露光装置などにも広く適用で
きる。
【0064】また、露光用照明光の光源として、超高圧
水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h
線(404.7nm)、i線(365nm))、KrF
エキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ
(193nm)、F2レーザ(157nm)のみなら
ず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができ
る。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱
電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タ
ンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線
を用いる場合は、レチクルRを用いる構成としてもよい
し、レチクルRを用いずに直接ウエハ上にパターンを形
成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体
レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0065】投影光学系PLの倍率は、縮小系のみなら
ず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光
学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用
いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過
する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射
屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型
タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には
光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学
系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真
空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系
PLを用いることなく、レチクルRとウエハWとを密接
させてレチクルRのパターンを露光するプロキシミティ
露光装置にも適用可能である。
【0066】ウエハステージ5やレチクルステージ2に
リニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)
を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型お
よびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮
上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ2、5
は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを
設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0067】各ステージ2、5の駆動機構としては、二
次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二
次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電
磁力により各ステージ2、5を駆動する平面モータを用
いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニット
とのいずれか一方をステージ2、5に接続し、磁石ユニ
ットと電機子ユニットとの他方をステージ2、5の移動
面側(ベース)に設ければよい。
【0068】以上のように、本願実施形態の露光装置1
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0069】半導体デバイスは、図7に示すように、デ
バイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設
計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するス
テップ202、シリコン材料からウエハを製造するステ
ップ203、前述した実施形態の露光装置1によりレチ
クルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステップ
204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、
ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検
査ステップ206等を経て製造される。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るス
テージ装置は、定盤に、定盤の振動によって連成振動す
る連成装置が設けられる構成となっている。これによ
り、このステージ装置では、定盤の振動エネルギーを吸
収して、定盤の振動を制振できるという効果が得られ
る。
【0071】請求項2に係るステージ装置は、連成装置
が定盤に取り付けられる弾性体と、弾性体に連結される
質量体とを有する構成となっている。これにより、この
ステージ装置では、簡単な構成で定盤の振動を制振可能
となり、装置の小型化および低価格化に寄与できるとと
もに、万一、故障が発生した場合でも容易にその原因を
特定することができ、復旧作業に要する時間を短くでき
るという効果が得られる。
【0072】請求項3に係るステージ装置は、弾性体と
質量体とがステージ本体の移動面と略直交する方向に所
定剛性をもって連結される構成となっている。これによ
り、このステージ装置では、定盤の振動エネルギーを吸
収して、ステージ本体の移動面と略直交する方向の定盤
の振動を容易に制振できるという効果が得られる。
【0073】請求項4に係るステージ装置は、連成装置
が定盤に発生する振動の腹となる箇所近傍に取り付けら
れる構成となっている。これにより、このステージ装置
では、定盤の振動を効果的に抑制できるという効果が得
られる。
【0074】請求項5に係るステージ装置は、連成装置
の振動特性が定盤の固有振動数に基づいて設定される構
成となっている。これにより、このステージ装置では、
定盤を追従させる際に発生する共振のピークが小さくな
るように制振することができ、低周波領域における十分
なサーボ剛性を容易に得ることができるという効果を奏
する。
【0075】請求項6に係る露光装置は、マスクステー
ジと基板ステージとの少なくとも一方のステージとし
て、請求項1から5のいずれかに記載されたステージ装
置が用いられる構成となっている。これにより、この露
光装置では、定盤に残留振動があっても、基板を投影光
学系に容易に追従させることができ、光軸方向において
基板と投影光学系との相対位置誤差を抑制することがで
きる。このため、像ボケ等の発生要因を排除して高精度
の露光処理を実施できるという効果が得られる。
【0076】請求項7に係る露光装置は、ステージ装置
と投影光学系とが振動的に独立して配設される構成とな
っている。これにより、この露光装置では、ステージ装
置と投影光学系とが振動的に独立して配設された場合で
も、これらの相対位置誤差を抑制して露光精度を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、ダ
イナミックダンパを有する露光装置の概略構成図であ
る。
【図2】 同露光装置を構成するレチクルステージの
外観斜視図である。
【図3】 ウエハ定盤における防振ユニットの配置を
示す部分拡大図である。
【図4】 ダイナミックダンパが設けられたウエハ定
盤の外観斜視図である。
【図5】 ブラケット上にダイナミックダンパ取り付
けられたウエハ定盤の部分拡大図である。
【図6】 ダイナミックダンパの別の取り付け形態を
示す正面図である。
【図7】 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフ
ローチャート図である。
【図8】 ウエハ定盤の外観斜視図である。
【図9】 投影光学系とウエハ定盤との間の位置の周
波数特性図である。
【符号の説明】
PL 投影光学系 R レチクル(マスク) W ウエハ(基板) 1 露光装置 2 レチクルステージ(マスクステージ) 5 ウエハステージ(ステージ本体、基板ステージ) 6 ウエハ定盤(定盤) 7 ステージ装置 46 ダイナミックダンパ(連成装置) 47 弾性体 48 質量体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 515G

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステージ本体が定盤上を移動するステ
    ージ装置であって、 前記定盤に、該定盤の振動によって連成振動する連成装
    置が設けられることを特徴とするステージ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のステージ装置におい
    て、 前記連成装置は、前記定盤に取り付けられる弾性体と、 該弾性体に連結される質量体とを有することを特徴とす
    るステージ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のステージ装置におい
    て、 前記弾性体と前記質量体とは、前記ステージ本体の移動
    面と略直交する方向に所定剛性をもって連結されること
    を特徴とするステージ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のス
    テージ装置において、 前記連成装置は、前記定盤に発生する振動の腹となる箇
    所近傍に取り付けられることを特徴とするステージ装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のス
    テージ装置において、 前記連成装置の振動特性は、前記定盤の固有振動数に基
    づいて設定されることを特徴とするステージ装置。
  6. 【請求項6】 マスクステージに保持されたマスクの
    パターンを基板ステージに保持された基板に投影光学系
    を介して露光する露光装置において、 前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくとも
    一方のステージとして、請求項1から5のいずれかに記
    載されたステージ装置が用いられることを特徴とする露
    光装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の露光装置において、 前記ステージ装置と前記投影光学系とは、振動的に独立
    して配設されることを特徴とする露光装置。
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