JP2002150621A - 光ディスク原盤製造方法、光ディスク原盤、光ディスク並びに光ディスク原盤露光装置 - Google Patents

光ディスク原盤製造方法、光ディスク原盤、光ディスク並びに光ディスク原盤露光装置

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JP2002150621A JP2000344492A JP2000344492A JP2002150621A JP 2002150621 A JP2002150621 A JP 2002150621A JP 2000344492 A JP2000344492 A JP 2000344492A JP 2000344492 A JP2000344492 A JP 2000344492A JP 2002150621 A JP2002150621 A JP 2002150621A
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慎 増原
Tsutomu Ishimoto
努 石本
Shoei Kobayashi
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Shinji Katsuramoto
伸治 桂本
Kamon Uemura
嘉門 植村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の長さのピットを形成するときには、記
録信号に凹型パルスを付加し、適正なアシンメトリー値
を保ちながらピット幅を減少させた光ディスク原盤を製
造する。 【解決手段】 記録信号生成部30は、パルスの立ち上
がり及び立ち下がりの電圧Vpと、中間の少なくとも一
部の電圧Vmとの関係が、Vm<Vpとされた記録信号を
生成する。変調部9は、記録信号生成部30で生成され
た記録信号を用いて記録光を変調する。記録光は、フォ
トレジストが塗布されたガラス原盤に照射される。な
お、Vm<Vpの関係は、ピット列のパターン露光に用い
る記録光のスポット径φwが、再生光のスポット径φr
に対してφw≧0.65φrであるときを条件としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ディスク原盤製造
方法に関し、特に、光ディスクのマスタリング原盤上
に、再生専用領域のピット列パターンを露光する露光工
程を有する光ディスク原盤製造方法に関する。また、こ
の光ディスク原盤製造方法により製造された光ディスク
原盤、この光ディスク原盤を基に製造された光ディス
ク、並びに光ディスク原盤露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報記録媒体である光ディスクには、図
16の(a)に示す光学的に透明なプラスチック製ディ
スク基板100の一方の面(信号記録面)101に、連
続溝状のグルーブ102(図16の(b)に示す)、又
は連続したピット103の列(図16の(c)に示す)
が、トラック毎に所定のトラックピッチPでスパイラル
状に設けられている。
【0003】記録可能な相変化型あるいは光磁気型等の
ライタブル光ディスクに関しては、グルーブを設けた面
上に、相変化膜あるいは磁性膜、光反射層、及び保護膜
層(いずれも図示せず)が形成されている。この凹凸の
片方(例えばランド)を記録エリア、片方(例えばグル
ーブ)をトラッキング用光反射エリアとして用いるもの
が多い。また、再生専用の光ディスクに関しては、ピッ
トの列を設けた面上に、光反射層及び保護膜層(いずれ
も図示せず)が形成されている。
【0004】これらの光ディスクを回転させながら、基
板の信号記録面とは反対側の再生面に、光学ピックアッ
プ(図示せず)からレーザー光を照射する。記録可能な
ディスクでは、その照射光によって例えばランド上の記
録層に情報が書き込まれ、あるいは、反射光によって同
記録層へ書き込みした情報が読み取られる。さらに、記
録または再生用のレーザー光が常にトラック上に照射さ
れるように、例えばグルーブからの反射光を検出してト
ラッキングを行っている。再生専用の光ディスクでは、
再生面への照射光に対して、ピット列を設けた信号記録
面からの反射・回折光を検出することで情報の読み取り
及びトラッキングを行っている。
【0005】このように、光ディスク基板に記録された
凹凸パターン形状は、情報記録媒体としての性能を左右
するものであるため、光ディスク基盤を高精度に作成す
ることが要求される。
【0006】これまでに知られている光ディスク原盤製
造方法と光ディスク作製方法とを図17及び図18を用
いて説明する。一般的に、光ディスクのグルーブやピッ
トといった凹凸構造の作製方法としては、フォトリゾグ
ラフィ技術が用いられる。つまり、後述するガラス原盤
110上に塗布されたフォトレジスト111層を露光、
現像することによって形成されている。
【0007】先ず、図17の(a)に示すガラス原盤研
磨・洗浄工程において、ガラス原盤110は平坦に研磨
されてから洗浄される。次に、図17の(b)に示すフ
ォトレジスト塗布工程において、感光させることによっ
てアルカリ可溶性となるフォトレジスト111がスピン
コート法によってガラス原盤110上に厚さ約100n
mに塗布される。
【0008】次に、図17の(c)に示すパターン露光
工程において、フォトレジスト111が塗布されたガラ
ス原盤110が回転され、記録信号に合わせて強度変調
を受けた記録レーザー光112が対物レンズ113によ
りフォトレジスト111上に集光され、露光される。こ
のとき、ガラス原盤110と対物レンズ113の位置
を、相対的にガラス原盤の半径方向に移動させることに
より、スパイラル状の潜像114を形成することができ
る。
【0009】次に、図18の(d)に示す現像工程にお
いて、露光されたフォトレジスト111が現像されるこ
とにより、感光した領域が溶解し、グルーブ115やラ
ンド116又はピット列といった構造が形成される。
【0010】次に、図18の(e)に示すNiメッキに
よる光ディスク原盤(スタンパー)作製工程において、
ガラス原盤110上にNiメッキ117を施した後に剥
がし取ることで、上記グルーブ115やランド116構
造を転写した光ディスク原盤(スタンパー)117を製
造する。そして、図18の(f)に示すプラスチック基
板への転写工程において、光ディスク原盤(スタンパ
ー)117を金型としてプラスチック射出成型又はPhot
o Polymerization法(2P法)による平坦なディスクへ
の転写を行い、上記グルーブ115やランド116等の
構造を有する光ディスク基板100が作製される。な
お、記録可能な光ディスクに関しては、このレプリカと
なる光ディスク基板100の作製後に、基板信号面上に
記録膜、反射膜等を成膜する。また、再生専用の光ディ
スクに関しては、基板信号面上に反射膜や保護膜を成膜
する。
【0011】特に、図17の(c)に示したパターン露
光工程は、ガラス原盤110を回転させながら、記録レ
ーザ光112を半径方向に一回転あたり等距離ずつ移動
することにより、グルーブ或いはピットの潜像114を
一定のトラックピッチで、スパイラル状に形成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、記録可能デ
ィスクのフォーマットは、信号の記録・再生時の案内溝
となるグルーブ構造で主に構成されるが、アドレス情報
やディスク固有情報(TOCと呼ばれる)を付加するた
め再生専用ディスクと同様のピットパターンも混在する
のが一般的である。このため、上述のパターン露光工程
において、グルーブとピットを同一信号面上に混在する
ように露光する必要がある。しかし、グルーブとピット
を同一信号面上に混在させて露光するときには際には、
以下に述べる課題が発生する場合がある。
【0013】グルーブとピットが混在するフォーマット
では、グルーブ幅とピット幅の最適値が異なるので、そ
れぞれの最適値に合わせてパターンが形成される必要が
ある。
【0014】一般的にピットを再生するときには、ピッ
ト幅が太くなるにつれ、隣トラックへのクロストークが
増加して再生信号を劣化させる。また後で詳しく説明す
るがピット幅が再生スポットと同等の大きさに近づいて
くると、再生信号に「折り返し」と呼ばれる歪が発生し
て検出に著しく支障を及ぼす。このため、ピット幅はあ
まり太くできない。
【0015】またグルーブ幅は、トラッキング用信号量
等、案内溝として満たしていなければならない特性を決
定するのみならず、そこへ記録されるMOまたは相変化
記録信号の品質にも重大な影響を与える。さらにランド
及びグルーブの双方に信号を記録するフォーマットの場
合には、ランドとグルーブの信号バランスをとるため
に、それぞれの成膜後の実効的な幅が等しくなるように
形成されねばならない。このため、グルーブ幅はできれ
ば太くすると良い。
【0016】現在光ディスクのトラックピッチは0.5
0μm程度にまで狭まっており、グルーブ幅については
最適値からのずれ量を±10nm以下に抑えなくてはな
らず、ピット幅についてもトラックピッチや再生スポッ
トによって同様の制約が設けられる。
【0017】ところが、ピット幅とグルーブ幅それぞれ
の最適値の差が大きくなると、それらを両立してピット
及びグルーブの凹凸パターンを形成することが非常に困
難になってくる。何故なら、パターンサイズを決定する
一番大きな要素は記録スポット径φであるが、これは記
録光の波長λと対物レンズ開口数NAからφ=λ/NA
と決定されるので、同一露光装置上で露光される以上、
形成されるパターンサイズはある範囲内に制限されてし
まうからである。
【0018】上記記録光波長λまたは対物レンズ開口数
NAを変更する以外に、記録露光量によってパターンサ
イズを変化させることが可能であり、あるいはピットと
グルーブを独立の光学系による二つの露光スポットで個
々に記録する場合であれば、対物レンズ入射前にビーム
エキスパンダーを用い、拡大率を異ならせることによ
り、若干スポット径を調整することもできる。しかし、
これらでも調整しきれないほど、ピットとグルーブの所
望の幅が大きく異なる場合、現在の露光法では対応でき
ない。
【0019】上述の問題が著しいのは、グルーブに対し
てピットをより細く形成しなくてはならない場合であ
る。例えば、相変化若しくはMO信号をグルーブ上に記
録し、円周内に数十箇所、グルーブを中断してアドレス
ピットを挿入するフォーマットが考えられる。
【0020】また、信号がグルーブ上に記録される場
合、一般的にグルーブ幅を広めにとる方が良好な再生信
号特性を得られるので(ワイドグルーブ記録と呼ばれ
る)、図19に示すように、トラックピッチTpに対す
るグルーブG幅の比率は60%〜80%の範囲に設定さ
れる。これに対して、アドレスピット部Adを構成する
ピットPの幅WpはトラックピッチTpに対して30〜4
0%が一般的なので、グルーブ幅Wgのおよそ1/2で
ある。或いはランド/グルーブ記録の場合には、グルー
ブ幅はトラックピッチTpに対して50%であるから、
ピット幅Wpは、やはりグループGよりも細く形成する
必要がある。
【0021】ただし、ピットPは単に細く形成すればよ
いのでなく、同時に長さについて、より厳密に制御しな
くてはならない。所望のピット幅Wpを得るために記録
露光量を制御すると同時に長さ方向も変化し、それが直
接、再生信号の「アシンメトリー値」に影響を与えてし
まうからである。逆に言えば、アシンメトリー値が適正
な範囲に入るように露光量を調節すればおのずとピット
幅Wpも適正に決定されてしまう。
【0022】ここでいう、アシンメトリー値は、長いピ
ットと短いピットの再生信号振幅中心レベルのずれ量を
表す値である。図20を用いてDVDに用いられてい
る、EFM+信号の場合のアシンメトリー値の算出につ
いて説明する。EFM+信号はピット長が3Tから14
Tである。アシンメトリー値は、一番長いピット14T
と短いピット3Tの光強度の比較となるので、次の式に
より求められる。
【0023】アシンメトリー値=-[(I14H+I14L)-
(I3H+I3L)]/2(I14H-I14 ) 上記式では、+と-の符合がフォーマットによって入れ替
わることがあるが、ここでは、オーバー側(ピットの大
きい方)を-としている。
【0024】上記式に示したアシンメトリー値が0%、
すなわち、ずれの無い状態が理想であり、ここから値が
上下するにつれて信号が歪み、誤検出率が増加してしま
う。
【0025】さらに、アシンメトリー値にも密接に関連
するが、信号品質の良し悪しを示す「ジッター値」とい
う重要な指標がある。このジッター値も記録条件によっ
て敏感に影響を受けてしまう。ここでいう、ジッター値
は、再生信号が検出閾値電圧を横切る際の基準クロック
(=理想の時刻)に対する時間的揺らぎ量を標準偏差値
で表した値である。この値が低い方が望ましく、実際に
は理想の再生状態(合焦点、ディスク傾き無し等の状
態)で8%以下であれば実用になるといわれる。15%
以上になると誤検出率は急激に増加する。
【0026】以上の要因が、理想的な形状のピット形成
をさらに困難にしている。よって、本来ピットを露光す
る場合には、記録波長、対物レンズNA、記録光強度等
の記録条件を最適化することが必須となる。
【0027】しかし、ピット形成に対して最適化した条
件でグルーブとピットが混在するフォーマットを露光す
ると、ピット幅より太い所望のグルーブ幅を形成出来な
くなる場合がある。そこでやむを得ずグルーブ幅を優先
した条件で露光を行うと、逆にピットを理想的に狭めら
れずに再生信号の「折り返し現象」という重大な問題を
引き起こす可能性がある。
【0028】本来は、再生スポットがピットを照射する
際に、ランドとピットの反射光が干渉して反射率が最も
低下する。ところが、図21に示すように、ピットPの
幅Wpと再生スポットSrの径Wsがほぼ同等の大きさま
で近づくと、ピットP1中央付近にてスポットSrがピッ
ト底平面にほぼ埋まってしまい、干渉効果が減少して反
射率が若干増加する様子が観察される。この現象が「折
り返し」と呼ばれる。
【0029】この折り返しの度合いが、再生信号で
「1」と「0」を識別する際の閾値電圧に引っかかって
しまうほど大きい場合、図22の(b)に示すように誤
検出が頻発してエラーレートは極端に増加する。これに
対して、折り返しが発生しない通常の再生信号であれ
ば、図22(a)に示すように、閾値電圧の上下で誤検
出が発生せず、「1」と「0」を判定できる。特にビタ
ビ復号等、複数の閾値電圧で多値検出を行う場合には、
反射率最小時の電圧レベルに近い場所にも閾値電圧が設
けられるので、折り返し信号が洩れ込む確率が高くなり
危険である。
【0030】また、エラーレートが増加するほどで無く
とも、折り返しがあることによって「変調度」「アシン
メトリー」といった、ディスクの性能指標となる重要な
パラメータを定義できなくなるので、フォーマット規格
との整合性に支障を来す。
【0031】グルーブとピットが混在するフォーマット
の記録可能ディスクのアドレスピット再生時に上述の問
題が発生する可能性は大いにある。何故なら、記録/再
生スポット径は、相変化若しくはMO信号の記録信号に
対して最適化されており、アドレスピットの再生に関し
ては必ずしも最適とは限らないからである。
【0032】また、ピット列のみより構成される再生専
用ディスクにおいても同様の現象は起こりうる。以下に
理由を述べる。近年、青色波長半導体レーザーの商品化
及びさらなる短波長化技術の発展、また対物レンズの高
NA化の目処がついたことから再生スポットの小径化が
一気に加速しているが、これに対してマスタリング側で
は記録スポットの小径化が行き詰まっている。記録波長
として現在350nm程度のUV光が一般的だが、これ
より短波長のDeep−UV領域の光を扱うのは光学素子、
レジストプロセスの両面で相当困難である。よって、再
生スポット側から要求される高記録密度に対してマスタ
リングのパターン微細化技術が追いつかず、理想のピッ
トサイズを形成することが困難になってきているのが現
状である。このため、小径化した再生スポットがピット
の底平面にほぼ埋まってしまうこともあり得、よって折
り返し現象の発生の可能性が出てくる。
【0033】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、所定の長さのピットを形成するときには、記録
信号に凹型パルスを付加し、適正なアシンメトリー値を
保ちながらピット幅を減少させた光ディスク原盤を製造
できる光ディスク原盤製造方法、この光ディスク原盤製
造方法により製造された光ディスク原盤、この光ディス
ク原盤に基づいて製造された光ディスク並びに光ディス
ク原盤露光装置の提供を目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光ディスク
原盤製造方法は、上記課題を解決するために、光ディス
クのマスタリング原盤上に、再生専用領域のピット列パ
ターンを記録するための露光工程を有する光ディスク原
盤製造方法において、上記露光工程のパターン露光に用
いる記録光のスポット径φwが、製造された光ディスク
の原盤に基づいて作製された光ディスクの再生時の再生
光のスポット径φrに対してφw≧0.65φrである
とき、上記記録光を変調するための記録信号のパルスの
立ち上がり及び立ち下がりの電圧Vpと、上記記録信号
のパルスの中間の少なくとも一部の電圧Vmとの関係
を、Vm<Vpとする。
【0035】本発明に係る光ディスク原盤製造方法は、
上記課題を解決するために、光ディスクのマスタリング
原盤上に、再生専用領域のピット列パターンと、信号追
記領域のグルーブとを円周内に混在して記録するための
露光工程を有する光ディスク原盤製造方法において、上
記ピットの幅Wpとグルーブの幅Wgとの関係がWg>Wp
であるとき、上記記録光を変調するための記録信号パル
スの立ち上がり及び立ち下がりの電圧Vpと、上記パル
スの中間の少なくとも一部の電圧Vmとの関係を、Vm<
Vpとする。また、無記録部分の電圧をVlowとしたと
き、Vlow≦Vm<Vpとする。
【0036】本発明に係る光ディスク原盤は、上記課題
を解決するために、少なくともピット列による再生専用
領域が設けられた光ディスクを作製するために用いられ
る光ディスク原盤において、ピット列のパターン露光に
用いる記録光のスポット径φwが、製造された光ディス
ク原盤に基づいて作製された光ディスク再生時の再生光
のスポット径φrに対してφw≧0.65φrであると
き、上記記録光を変調するための記録信号のパルスの立
ち上がり及び立ち下がりの電圧Vpと、上記パルスの中
間の少なくとも一部の電圧Vmとの関係を、Vm<Vpと
して露光する工程を有した製造方法により製造されたも
のである。
【0037】本発明に係る光ディスクは、上記課題を解
決するために、少なくともピット列よりなる再生専用領
域を備える光ディスクにおいて、上記ピット列には中央
部の幅Wcが最大幅Wmaxよりも小さいピットを有する。
【0038】本発明に係る光ディスク原盤露光装置は、
上記課題を解決するために、光ディスクのマスタリング
原盤上に、再生専用領域のピット列パターンを記録する
ための光ディスク原盤露光装置において、上記ピット列
のパターン露光に用いる記録光のスポット径φwが、再
生時の再生光のスポット径φrに対してφw≧0.65
φrであるとき、記録パルスの立ち上がり及び立ち下が
りの電圧Vpと、上記パルスの中間の少なくとも一部の
電圧Vmとの関係が、Vm<Vpとされた記録信号を用い
て上記記録光を変調する変調手段を備える。
【0039】一般的に、ピットの記録信号は、図23に
示すように、矩形波であり、ピット波長によらずビーム
ON時の電圧Vtop(例えば1.0V)と、OFF時の
電圧Vlow(通常Ov)の2値から構成されている。
【0040】ただし、入力電圧V(Vlow≦V≦Vtop)
に応じて、発光強度は0から最大まで任意に制御するこ
とができる。これを利用して、グルーブとピットが混在
したフォーマットを1ビームで露光する場合、ピットを
グルーブより細く形成するためには、図24に示すよう
に、グルーブに対応する電圧レベル=Vtop、ピットに
対応する電圧レベル=Vp(Vp<Vtop)、ランドに対
応する電圧レベル=Vlowの3値より構成される記録信
号を生成して、Vpの値でピット幅(及びアシンメトリ
ー)を制御させる方法が一般に採られている。
【0041】上記記録信号のピットパターン部分におい
て、再生時に折り返し現象が発生する長さのピットに対
して、信号の立ち上がり/立ち下がり部分では電圧レベ
ルVpであり、ピット中央部ではVpより低い電圧レベル
Vmである凹字型の記録パルス(後述の図11及び図1
2に示す)で露光する方法によって、現状の光ディスク
原盤製造装置に手を加えることなく上記問題を解決し
て、グルーブ及びピットそれぞれに最適な再生信号を得
ることが可能になる。
【0042】次に、上記凹字型パルスによって問題が解
決される理由を説明する。
【0043】再生信号の折り返しは、図25に示すよう
に、ピットPの中央部(長さ方向)において幅Wpが太
すぎる場合に、再生スポットSRが長さ方向及び半径方
向のランド部分に照射されず、その結果ピットPからの
反射光とランドからの反射光の相互干渉効果による反射
率低減が起こらずに逆に反射率が向上する現象である。
これに対して、ピットPの立ち上がり/立ち下がり付近
では線速度方向のランド部分からの反射光と干渉するの
で問題は無い。よって、ピット幅を低減させることが必
要なのは、ピットの立ち上がり/立ち下がり部分では無
く、折り返しが発生する区間であるところのピット中央
部に限ってよい。
【0044】よって、適正なアシンメトリー値となるよ
うに、ピットの立ち上がり/立ち下がりにおける電圧レ
ベルVpを決定して、後述する図9に示すように、ピッ
トの中央部付近においては折り返しが発生しない程度に
ピット幅太りを抑制するように電圧レベルVm(Vm<V
p)を決定すればよい。
【0045】ただし、もともと折り返しが発生しない比
較的短いピットについては通常の矩形パルスで記録して
もかまわない。短いピットで折り返しが発生しない理由
は、おおよそ記録スポット径よりも短い記録パルス長で
ピットを描画すると、それ以上の長さのピットと比べ被
露光量が不足するためピット幅が自然に減少すること、
また再生スポット径よりも短いピットでは線方向に対し
てスポットがピットに完全に埋まりきらないため常に干
渉が生じること、が挙げられる。
【0046】なお、ピット記録信号パルスは必ずしもV
low、Vm、Vpの3値のみより構成される凹字型である
必要は無い。ピットの中央部分で発光強度を下げ、結果
としてピットの幅太りが充分抑制されればよい。凹字型
パルスに類似した方式として、立ち上がり・立ち下がり
から中央にかけて階段状に電圧を落としていく多値パル
ス形状、あるいはピット内部で発光を一時停止する櫛型
パルス形状なども考えられるが、ピット内部の少なくと
も一地点において、立ち上がり・立ち下がり地点におけ
る電圧Vpよりも低い電圧Vmを有する記録信号形状は、
全て本発明の概念に含まれる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。この実施の形態は、本
発明の光ディスク原盤製造方法に基づいて光ディスク原
盤を製造するときに使われる、図1及び図2に示す光デ
ィスク原盤露光装置1である。図1には光ディスク原盤
露光装置1の記録光学系を示し、図2には光ディスク原
盤露光装置1の概略を示す。この光ディスク原盤露光装
置1は、上記図16及び図17に示した光ディスク原盤
の製造方法における、パターン露光工程において用いら
れる。パターン露光工程の後には、現像工程、スタンパ
ー作製工程が続き、光ディスク原盤が製造される。ま
た、光ディスク原盤製造方法によって製造された光ディ
スク原盤を用い、プラスチック基板への転写工程を経た
後に、光ディスクが作製される。
【0048】光ディスク原盤露光装置1は、光ディスク
のマスタリング原盤上に、再生専用領域のピット列パタ
ーンを記録するために、記録信号のパルスの立ち上がり
及び立ち下がりの電圧Vpと、上記記録パルスの中間の
少なくとも一部の電圧Vmとの関係が、Vm<Vpとされ
た記録信号を用いて、記録光を変調し、後述するフォト
レジストが塗布されたガラス原盤にその記録光を照射す
る。
【0049】この記録信号は、記録信号生成部30によ
り生成され、変調部9に供給される。変調部9は、記録
信号生成部30で生成された上記記録信号を用いて上記
記録光を変調する。
【0050】なお、上記Vm<Vpの関係は、ピット列の
パターン露光に用いる記録光のスポット径φwが、製造
された光ディスク原盤に基づいて作製された光ディスク
再生時の再生光のスポット径φrに対してφw≧0.6
5φrであるときを条件としている。この条件について
は後述する。
【0051】光ディスク原盤露光装置1は、変調部9、
記録信号生成部30の他に、記録用レーザ光を出射する
気体レーザー2と、記録光制御部3と、ビームエクスパ
ンダー部15と、対物レンズ18と、図2に示すターン
テーブル19と、ガラス原盤110と対物レンズ18を
半径方向に相対移動させる機構20(図2)と、対物レ
ンズ18と露光面の距離を常時一定に保つためのサーボ
システムと、戻り光観察光学系25(図2)とによって
構成される。
【0052】次に、光ディスク原盤露光装置1を構成す
る各部について説明する。先ず、気体レーザー2につい
ては以下のとおりである。光ディスク原盤製造の用途と
してはフォトレジストが感度を持つ波長500nm未満
の記録用レーザー光を出射する、50mW以上の光源出
力が要求されるので、一般にAr、Kr、He-Cd等
の気体レーザが使用される。
【0053】記録光制御部3については以下のとおりで
ある。光源出力の不安定さを除去し、最終的な記録光強
度を制御するため、電気光学素子(EO)4を用いたサ
ーボシステムが挿入される。EO素子4は気体レーザー
2による記録光の出射直後に置かれる。EO素子4から
の出力光は、ビームスプリッター6によりフォトディテ
クター7に導かれ、変調前のDC光の一部がフォトディ
テクター7で検出される。フォトディテクター7の出力
電圧値は記録光パワー制御回路(Auto Power Controlle
r)8に供給される。記録光パワー制御回路8は、上記
電圧値を常に基準電圧Refと比較し、一致するように、
EO素子4へ印加する電圧をフィードバック制御する。
この結果、レーザー光はEO素子4によって、EOの直
後に設けられた検光子6の透過率が常に一定となるよう
に偏光方向が操作される。記録光パワー制御回路8は、
帯域を約1MHzまでとするので、記録光強度を制御す
ると同時に、帯域以下のノイズ成分を除去することもで
きる。
【0054】変調部9については以下のとおりである。
変調部9は、記録信号生成部9で生成された、上記記録
信号に応じて記録光をオン/オフしてピット等のパター
ンを形成するために、上記記録信号の電圧レベルを光強
度に変換する。気体レーザ2は直接変調ができないの
で、EOM(電気光学結晶素子)、或いはAOM(音響
光学結晶素子)を使用した変調器が必要となる。この光
ディスク原盤露光装置1の変調部9は、集光レンズ10
と拡大レンズ12により挟まれたAOM変調器11を用
いている。
【0055】変調部9に供給される記録信号について説
明する。通常、ピットの記録信号は矩形波で、ピット長
によらず、上記図23に示すように、ビームON時の電
圧Vtop(例えば1.0V)と、OFF時の電圧Vlow
(通常0V)の2値から構成されている。代表的な再生
専用光ディスクの信号は、CDで用いられているEFM
(Eight to Fourteen Mudulation)変調信号である。こ
れは、3T〜11Tの9種類の長さを持つピットのみに
より構成され、3Tピット長=0.82μmとなるよう
に、記録線速度に応じて記録信号の1Tの時間が決定さ
れる。その他、DVDに用いられるEFM+信号(3T
〜14Tの12種類の長さを持つ)や、その他2T〜8
Tの7種類の長さより構成される(1-7)信号等があ
る。
【0056】記録信号生成部30は、内部に図3に示す
凹型パルス付加装置31を備え、記録パルスの立ち上が
り及び立ち下がりの電圧Vpと、上記記録パルスの中間
の少なくとも一部の電圧Vmとの関係が、Vm<Vpであ
る記録信号を生成する。詳細については後述する。
【0057】記録信号生成分30で生成された記録信号
に応じて、変調部9で変調された記録光は、ビームスプ
リッター13で反射され、1/4波長板14により偏光
面がずらされてからエキスパンダー部15に入射する。
【0058】エキスパンダー部15は、焦点距離f3の
レンズ16と焦点距離f4のレンズ17とからなり、倍
率Me=f4/f3で記録光のビーム径を拡大するための
光学系である。倍率Meにより、対物レンズ18で集光
された後のスポット径を調整する。
【0059】対物レンズ18は、高開口数NA(=0.
90)のレンズであり、ガラス原盤110上に塗布され
たフォトレジスト111上に、倍率Meでビーム径が拡
大された記録光を集光したスポットを照射する。
【0060】図2に示すターンテーブル19は、ガラス
原盤110を保持し回転させるためのものである。
【0061】ガラス原盤110と対物レンズ18を半径
方向に相対移動させる機構については以下のとおりであ
る。ターンテーブル19が固定で対物レンズ18を搭載
した光学定盤が移動するタイプ、また光学定盤が固定
で、ターンテーブルが移動するタイプがある。
【0062】対物レンズ18と露光面の距離を常時一定
に保つためのサーボシステム20については以下のとお
りである。通常、フォトレジスト111が感光しない波
長のレーザー光をビームスプリッタ22に向かって出射
するフォーカス用補助レーザー21を別途使用する。補
助レーザー21の光路を、光軸から適当な距離平行移動
で離軸させておくと、デフォーカスに伴って戻り光光路
が平行移動する(離軸法)。この移動をポジションセン
サーダイオード24で検出し、常にジャストフォーカス
位置が原盤レジスト111面上となるように、対物レン
ズアクチュエーターにフィードバックを行ってレンズを
上下させる。
【0063】図2に示す戻り光観察光学系25について
は以下のとおりである。光学系の調整、カッティング開
始直前のフォーカス位置調整を行う際、ガラス原盤11
0上のスポットを観察できるように、原盤からの戻り光
を、CCDカメラ28上に集光する光学系(ミラー2
6、レンズ27)を設置する。
【0064】次に、記録信号生成部30が内部に備えて
いる凹型パルス付加装置31について図3を用いて説明
する。記録信号としてEFM変調信号を用いる具体例で
ある。凹型パルス付加装置31は、入力端子INから供
給されるEFM変調信号のうち、所定の長さ、例えば5
T以上の信号を検出し、記録パルスの立ち上がり及び立
ち下がりの電圧Vpと、記録パルスの中間の電圧Vmとの
関係を、Vm<Vpとする凹型パルスを上記EFM変調信
号に付加して出力端子OUTから変調部9に出力する。
【0065】このため、凹型パルス付加装置31は、5
T以上の信号を検出する信号検出部32と、立ち上がり
エッジ抽出部33と、立ち下がりエッジ抽出部34と、
凹部信号開始信号生成部35と、凹部信号終了信号生成
部36と、上記EFM変調信号のタイミングを調整する
タイミング調整部37と、凹型パルス付加部38と、通
常信号レベル設定部39と、凹部信号レベル設定部40
と、D/A変換器41とを備えている。
【0066】次に、凹部パルス付加装置31の動作につ
いて図4のフローチャート、図5〜図8のタイミングチ
ャート、図9のピット形状と記録パルス波形例を用いて
以下に説明する。
【0067】先ず、この凹型パルス付加装置31は、ス
テップS1にて、立ち上がりエッジ抽出部33により、
図5に示すように、上記EFM変調信号のパルス波形の
立ち上がりエッジを抽出し、この立ち上がりエッジ信号
を開始点として、通常信号レベル設定部39にてD/A
変換器41へのEFM変調信号入力を「通常信号レベ
ル」にセットする。
【0068】次に、5T以上の信号検出部32により、
入力されるEFM変調信号が5T以上であるか否かを検
出する(ステップS2)。信号検出部32が5T以上の
EFM変調信号を検出すると(YES)ステップS3に
進む。
【0069】ステップS3では、先ず、凹部信号開始信
号生成部35が凹部信号開始信号を生成すると、図6に
示すように、この凹部信号開始信号を凹部の開始点とす
るように、凹部信号レベル設定部40が設定したレベル
で、凹型パルス付加部38がD/A変換器41へのEF
M変調信号入力を「凹部信号レベル」にセットする。
【0070】次に、ステップS4にて、凹部信号終了信
号生成部36が凹部信号終了信号を生成すると、図7に
示すように、この凹部信号終了信号を凹部の終了点とす
るように、通常信号レベル設定部39が設定したレベル
で、凹型パルス付加部38がD/A変換器41へのEF
M変調信号入力を「通常信号レベル」にセットする。
【0071】次に、ステップS5にて、立ち下がりエッ
ジ抽出部34が上記EFM変調信号のパルス波形の立ち
下がりエッジを抽出すると、凹型パルス付加部38は図
8に示すように、この立ち下がりエッジ信号を終了点と
して、D/A変換器41へのEFM変調信号入力を「ゼ
ロ」にセットする。
【0072】これにより、図8に示す凹字型記録パルス
のEFM変調信号が形成される。この凹字型記録パルス
のEFM変調信号に応じて変調部9は上記記録光をオン
/オフし、ガラス原盤110上のフォトレジスト111
上に中央部での幅太りが抑制された形状のピットを露光
することができる。
【0073】なお、ステップS3にて5T以上の信号検
出部32が5T以上のEFM変調信号を検出しなけれ
ば、上記ステップS3及びステップS4は省略して直接
ステップS5に進む。これにより、ステップS1にて立
ち上がりエッジ信号を開始点として通常信号レベルにセ
ットされた後、ステップS5にて立ち下がりエッジ信号
を終了点としてゼロレベルにセットされた記録パルスが
形成される。すなわち、5Tより短いEFM変調信号に
対しては凹型パルスを付加することなく、通常の記録パ
ルスを形成している。
【0074】なお、上記Vm<Vpの関係は、ピット列の
パターン露光に用いる記録光のスポット径φwが、再生
時の再生光のスポット径φrに対してφw≧0.65φ
rであるときを条件としている。以下、この条件につい
て説明する。
【0075】先ず、記録光スポット径φwと再生光スポ
ット径φrの比率をα(α=φw/φrとする)とし、
再生専用光ディスクのピットの再生信号の適正アシンメ
トリー値の範囲内における折り返しの有無との関係を、
実験によって求めた結果について述べる。記録したピッ
トの再生信号は、CDと同じEFM変調信号である。3
T長=0.26μm/トラックピッチ=0.60μmと
した。
【0076】また、再生専用光ディスクにおいてアシン
メトリー値Asの規格は通常[-15%≦As≦5%]の範
囲なので、この範囲で折り返しが生じた場合に「折り返
し有り」と判定した。オーバー側(=ピットが大きい方
向)がマイナス、アンダー側(=ピットが小さい方向)
をプラスと表記している。
【0077】再生光学系としては、第1の再生光学系〜
第3の再生光学系の3種類を用いた。
【0078】先ず、第1の再生光学系の仕様は次のとお
りである。「・λr(R)=633nm/NA(R)=
0.94→φr(R)=670nm」。これは、波長6
33nmの赤色レーザ光を開口数0.94の対物レンズ
で集光して形成した再生光スポットの径φrが670n
mであるということを示す。
【0079】次に、第2の再生光学系の仕様は次のとお
りである。「・λr(G)=532nm/NA(G)=
0.94→φr(G)=565nm」。これは、波長5
32nmの緑色レーザ光を開口数0.94の対物レンズ
で集光して形成した再生光スポットの径φrが565n
mであるということを示す。
【0080】次に、第3の再生光学系の仕様は次の通り
である。「・λr(B)=405nm/NA(B)=
0.85→φr(B)=476nm」。これは、波長4
05nmの青色レーザ光を開口数0.85の対物レンズ
で集光して形成した再生光スポットの径φrが476n
mであるということを示す。
【0081】いずれの再生光学系も、φr=λr/NAr
として計算した値を用いた。以下に説明するφwも同様
である。
【0082】記録光学系としては、第1の記録光学系と
第2の記録光学系の2種類のものを用いた。
【0083】先ず、第1の記録光学系はλw=351n
m、NAw=0.90→φw=390nmという仕様のも
のである。すなわち、波長351nmのレーザ光を開口
数0.90の対物レンズで集光して形成した記録光スポ
ットの径φwが390nmである記録光学系である。
【0084】第2の記録光学系はλw=266nm、N
Aw=0.88→φw=302nmという仕様のものであ
る。すなわち、波長2661nmのレーザ光を開口数
0.88の対物レンズで集光して形成した記録光スポッ
トの径φwが302nmである記録光学系である。
【0085】先ず、第1の記録光学系にて記録光スポッ
ト径φw=390nmで記録したピットに対して、上記
第1〜第3の再生光学系を使って再生した結果を以下に
説明する。
【0086】先ず、第1の再生光学系を用いたときの結
果を説明する。記録光スポット径φw=390nmに対
して、再生光スポット径φr(R)=670nmである
ので、α(R)=0.58のときである。この場合、折
り返しは無かった。
【0087】次に、第2の再生光学系を用いたときの結
果を説明する。記録光スポット径φw=390nmに対
して、再生光スポット径φr(G)=565nmである
ので、α(R)=0.69のときである。この場合、ア
シンメトリーAsが+側から約0%であるとき、折り返
しは発生しなかった。しかし、そこから記録光強度を上
げていくと、徐々に折り返しが発生し始める。次に、第
3の再生光学系を用いたときの結果を説明する。記録光
スポット径φw=390nmに対して、再生光スポット
径φr(G)=476nmであるので、α(B)=0.
81のときである。この場合、折り返しは発生した。
【0088】次に、第2の記録光学系にて記録光スポッ
ト径φw=302nmで記録したピットに対して、上記
第3の再生光学系を使って再生した結果を以下に説明す
る。
【0089】記録光スポット径φw=302nmに対し
て、再生光スポット径φr(B)=476nmであるの
で、α(B)=0.63のときである。この場合、アシ
ンメトリー適正範囲内では折り返しは無かった。ただ
し、さらに記録強強度を上げていくと、徐々に折り返し
が発生し始めた。
【0090】これらの実験結果より、α≧0.65にて
折り返し現象が発生すると見積もることができる。この
ようなことから、φw≧0.65φrであるときを条件
とした。
【0091】ここで、単にα≧0.65となるような記
録密度にてアドレスピットを形成する場合を考える。α
≧0.65となるような記録密度にてアドレスピットを
形成する場合には、上記の結果よりλw=266nm/
NAw=0.88の記録光学系を用いなくてはならな
い。
【0092】ところが、所望のグルーブ幅を、トラック
ピッチ=0.60μmに対してDuty60%、すなわち
0.36μmとすると、このα≧0.65である光学系
ではいくら記録光強度を上げてもその値まで広いグルー
ブ幅を得ることができなかった。
【0093】以上のように、記録可能光ディスクのパタ
ーンフォーマット及び記録密度によっては、再生信号に
折り返しが発生しない程度に幅が狭く、同時に適正なア
シンメトリー値を有するピットパターンと、より幅の太
いグルーブ部分を両立して形成することが、現在のマス
タリング原盤露光技術では不可能な場合がある。
【0094】そこで、本実施の形態の光ディスク原盤露
光装置1では、φw≧0.65φrであるときに、図9
に示した凹字型記録パルスを使って、中央での幅太りが
抑制されたピットを形成する。つまり、適正なアシンメ
トリー値となるように、ピットの立ち上がり/立ち下が
りにおける電圧レベルVpを決定して、ピットの中央部
付近においては折り返しが発生しない程度にビット幅太
りを抑制するように電圧レベルVm(Vm<Vp)を決定
すればよい。
【0095】次に、φw≧0.65φrであるときに、
上記凹字型記録信号を導入することによって、上記課題
が解決されることを実験によって確認した結果を以下に
説明する。
【0096】主な実験条件は、φw≧0.65φrとし
たときのものと同様である。すなわち、記録した再生専
用光ディスクのピット信号は、CDと同じEFM変調信
号である。3T長=0.26μm/トラックピッチ=
0.60μmとした。
【0097】また、再生専用光ディスクにおいてアシン
メトリー値Asの規格は通常[-15%≦As≦5%]の範
囲なので、この範囲で折り返しが生じた場合に「折り返
し有り」と判定した。オーバー側(=ピットが大きい方
向)がマイナス、アンダー側(=ピットが小さい方向)
をプラスと表記している。
【0098】凹字型記録信号を適用することによって実
用的な記録光学系(上記第1の光学系)[λw=351
/NAw=0.90]を用いた場合でも、再生光学系
(上記第3の再生光学系)[λr(B)=405nm/
NA(R)=0.85]に対して、適正アシンメトリー
値範囲内で折り返しが発生しないことを検証した。前述
のように、従来の矩形記録信号をこの光学系によって露
光すると折り返しが発生してしまっていた。
【0099】以下に実験条件をまとめる。再生光学系
は、上記第3の再生光学系と同様に、λr(B)=40
5nm/NA(R)=0.85とした。すなわち、波長
405nmの青色レーザ光を開口数0.85の対物レン
ズで集光して形成した再生光スポットを用いる。
【0100】記録光学系は、上記第1の記録光学系と同
様に、λw=351/NAw=0.90とした。すなわ
ち、波長351nmのレーザ光を開口数0.90の対物
レンズで集光して形成した記録光スポットを用いる。
【0101】記録信号フォーマットはEFM信号であ
り、密度は3T長=0.26μm/トラックピッチ=
0.60μmとした。
【0102】ガラス原盤上に塗布したフォトレジスト
は、市販のI線用レジストであり、塗布厚を40nmと
した。
【0103】そして、記録信号としては以下の2パター
ンを用意した。先ず、第1のパターンとして図10に示
す「記録信号Type-a」を用意した。このパターン
では、5Tより短い、3T、4Tに電圧レベルVpの矩
形パルスを用いた。また、5T以上の5T〜11Tには
前後2Tで電圧レベルがVpであり、中間の1T〜7T
では電圧レベルがVmである凹字型パルスを用いた。無
記録部分の電圧レベルはVlowである。
【0104】また、第2のパターンとして図11に示す
「記録信号Type-b」を用意した。このパターンで
は、7Tより短い、3T〜6Tに電圧レベルVpの矩形
パルスを用いた。また、7T以上の7T〜11Tには前
後3Tで電圧レベルがVpであり、中間の1T〜5Tで
は電圧レベルがVmである凹字型パルスを用いた。無記
録部分の電圧レベルはVlowである。
【0105】なお、記録ビームの発光強度は必ずしも記
録信号の電圧に比例するわけではない。
【0106】この実験では、図12に示すように、記録
信号電圧Vpに対応する発光強度をIp、記録信号電圧V
mに対応する発光強度をImとした時に、 (1)Ip:Im=100:90 (Vp=0.62v/
Vm=0.55v) (2)Ip:Im=100:80 (Vp=0.62v/
Vm=0.51v) の2とおりの場合を、上記「記録信号Type-a」及
び「Type-b」それぞれについて試みた。
【0107】上記4パターンの記録信号に対する、アシ
ンメトリー、ジッター、及び折り返しの有無について実
験結果を図13に示す。
【0108】記録信号パターン、及び露光強度を調整す
ることによって、アシンメトリー値Asが[-18%≦A
s≦-3%]の範囲で折り返しが見られず、ジッター値に
ついても充分良好な値を得ていることが確認された。こ
れにより、情報再生時の誤検出発生率を充分低く抑え込
むことができる。また記録信号波形を調整することによ
って、アシンメトリー値の許容範囲を、さらに広げるこ
とが可能であると思われる。
【0109】なお同時にグルーブを記録信号電圧Vtop
(=1.00v)で記録したところ(図14)、所望の
グルーブ幅=0.36μmを得ており、本発明の目的が
達成された。
【0110】したがって、本発明の実施の形態となる、
光ディスク原盤露光装置1によれば、グルーブ幅を優先
してα≧0.65の記録光学系を用いる場合でも、適正
なアシンメトリー値を持ちながら、ピットの幅太りを抑
制して、折り返し現象が発生せず、充分良好な再生信号
を提供するできるピットパターンを再生領域に露光する
ことができる。
【0111】さらに、光ディスク原盤露光装置1を用い
たパターン露光工程を備えた光ディスク原盤製造方法に
よれば、グルーブ幅を優先してα≧0.65の記録光学
系を用いる場合でも、適正なアシンメトリー値を持ちな
がら、ピットの幅太りを抑制して、折り返し現象が発生
せず、充分良好な再生信号を提供するできるピットパタ
ーンを再生領域に記録した光ディスク原盤を製造するこ
とができる。
【0112】このようにして製造された光ディスク原盤
を用いれば、適正なアシンメトリー値を持ちながらも、
ピットの幅太りが抑制され、折り返し現象の発生が抑え
られた、充分良好な再生信号の得られる光ディスクを作
製することができる。
【0113】光ディスク原盤から光ディスクを作製する
には、上記図18に示したように、光ディスク原盤(ス
タンパー)を金型としてプラスチック射出成型又はPhot
o Polymerization法(2P法)による平坦なディスクへ
の転写を行い、上記グルーブやランド等の構造を有する
光ディスク基板を作製する。
【0114】なお、再生専用の光ディスクに関しては、
基板信号面上に反射膜や保護膜を成膜する。また、記録
可能な光ディスクに関しては、このレプリカとなる光デ
ィスク基板の作製後に、基板信号面上に記録膜、反射膜
等を成膜する。
【0115】上記光ディスク原盤に基づいて作製された
光ディスクは、少なくともピット列よりなる再生専用領
域を備える光ディスクであり、上記ピット列には中央部
の幅Wcが最大幅Wmaxよりも小さいピットを有する。具
体的には、上記ピットの中央部の幅Wcは、図15に示
すように、上記最大幅Wmaxに対して、Wc≦0.9Wma
xである。また、上記ピット列よりなる再生専用領域に
照射される再生光のスポット径φは、上記ピットの中央
部の幅Wcに対して、0.6φ≧Wcである。
【0116】さらに、光ディスクは、上記再生専用領域
のピット列と、信号追記領域のグルーブとを円周内に混
在して設けるものであってもよい。このときにも、上記
ピットの幅Wpとグルーブの幅Wgとの関係がWg>Wpで
ある。また、上記ピットの中央部の幅Wcは、上記最大
幅Wmaxに対して、Wc≦0.9Wmaxである。また、上
記グルーブよりなる信号追記領域、及びピット列よりな
る再生専用領域に照射される再生光のスポット径φは、
上記ピットの中央部の幅Wcに対して、0.6φ≧Wcで
ある。
【0117】
【発明の効果】本発明の光ディスク原盤製造方法は、記
録光のスポット径φwが、再生光のスポット径φrに対
してφw≧0.65φrであるとき、記録信号のパルス
の立ち上がり及び立ち下がりの電圧Vpと、記録信号の
パルスの中間の少なくとも一部の電圧Vmとの関係を、
Vm<Vpとするので、適正なアシンメトリー値を持ちな
がら、ピットの幅太りを抑制して折り返し現象が発生せ
ず、充分良好な再生信号を提供するピットパターンの光
ディスク原盤への記録が可能となった。
【0118】また、本発明の光ディスク原盤製造方法
は、再生専用領域のピット列パターンと、信号追記領域
のグルーブとを円周内に混在して記録するとき、上記ピ
ットの幅Wpとグルーブの幅Wgとの関係がWg>Wpであ
れば、ピットの記録信号のパルスの立ち上がり及び立ち
下がりの電圧Vpと、上記パルスの中間の少なくとも一
部の電圧Vmとの関係を、Vm<Vpとすることにより、
グルーブ幅を優先してα≧0.65の記録光学系を用い
る場合においても、適正なアシンメトリー値を持ちなが
ら、ピットの幅太りを抑制して折り返し現象が発生せ
ず、充分良好な再生信号を提供するピットパターンの光
ディスク原盤への記録が可能となった。
【0119】また、本発明の光ディスク原盤は、φw≧
0.65φrであるとき、記録信号のパルスの立ち上が
り及び立ち下がりの電圧Vpと、記録信号のパルスの中
間の少なくとも一部の電圧Vmとの関係を、Vm<Vpと
するので、適正なアシンメトリー値を持ちながら、ピッ
トの幅太りを抑制して折り返し現象が発生せず、充分良
好な再生信号を得ることのできる光ディスクを作製でき
る。
【0120】また、本発明の光ディスクは、折り返し現
象の発生が抑えられた、充分良好なピット信号を再生す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態となる、光ディスク原盤露
光装置の記録光学系を示す図である。
【図2】上記光ディスク原盤露光装置の概略図である。
【図3】記録信号を生成する記録信号生成部の内部に備
えられている凹型パルス付加装置のブロック図である。
【図4】上記凹型パルス付加装置の動作を説明するため
のフローチャートである。
【図5】上記凹型パルス付加装置の動作を説明するため
のフローチャート中の、ステップS1の処理を説明する
ために用いられるタイミングチャートである。
【図6】上記凹型パルス付加装置の動作を説明するため
のフローチャート中の、ステップS3の処理を説明する
ために用いられるタイミングチャートである。
【図7】上記凹型パルス付加装置の動作を説明するため
のフローチャート中の、ステップS4の処理を説明する
ために用いられるタイミングチャートである。
【図8】上記凹型パルス付加装置の動作を説明するため
のフローチャート中の、ステップS5の処理を説明する
ために用いられるタイミングチャートである。
【図9】凹字型記録パルスと、この凹字型記録パルスに
基づいて形成されるピットの形状を示す図である。
【図10】記録信号Type-aを示す図である。
【図11】記録信号Type-bを示す図である。
【図12】記録信号電圧Vpに対応する発光強度Ipと、
記録信号電圧Vmに対応する発光強度Imを示す図であ
る。
【図13】アシンメトリー、ジッター、及び折り返しの
有無について実験結果を示す図である。
【図14】グルーブ/アドレスピット混合フォーマット
用記録信号を示す図である。
【図15】ピットの中央部の幅Wcと、最大幅Wmaxとの
関係を示す図である。
【図16】光ディスクの全体、グルーブ及びピットを示
す図である。
【図17】光ディスクの方法の前半を説明するための図
である。
【図18】光ディスクの方法の後半を説明するための図
である。
【図19】グルーブ/アドレスピット混合フォーマット
を示す図である。
【図20】アシンメトリー値の算出を説明するための図
である。
【図21】再生信号の折り返し現象を示す図である。
【図22】折り返しによる誤検出を説明するための図で
ある。
【図23】従来のピット記録信号を示す図である。
【図24】従来のグルーブ/アドレスピット混合フォー
マット用記録信号を示す図である。
【図25】ピット中央部付近における干渉低下の様子を
示す図である。
【符合の説明】
1 光ディスク原盤露光装置、2 気体レーザ、3 記
録光制御部、9 変調部、30 記録信号生成部、31
凹型パルス付加装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 563 G11B 7/24 563D (72)発明者 小林 昭栄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 桂本 伸治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 植村 嘉門 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JB09 JB46 WA21 WB14 WC09 WC10 5D090 AA01 BB01 CC01 CC14 DD03 EE02 KK03 KK04 5D121 AA02 BB26 BB38

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクのマスタリング原盤上に、再
    生専用領域のピット列パターンを記録するための露光工
    程を有する光ディスク原盤製造方法において、 上記露光工程でパターン露光に用いる記録光のスポット
    径φwが、製造された光ディスク原盤に基づいて作製さ
    れた光ディスク再生時の再生光のスポット径φrに対し
    てφw≧0.65φrであるとき、 上記記録光を変調するための記録信号のパルスの立ち上
    がり及び立ち下がりの電圧Vpと、上記記録信号のパル
    スの中間の少なくとも一部の電圧Vmとの関係を、Vm<
    Vpとすることを特徴とする光ディスク原盤製造方法。
  2. 【請求項2】 上記記録信号により変調された光の発光
    強度がピット中央部で凹字型となるように、上記記録信
    号のパルス形状をVm<Vpの関係を満たして変形するこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ディスク原盤製造方
    法。
  3. 【請求項3】 中央部の幅Wcが最大幅Wmaxよりも小さ
    いピットパターンを露光することを特徴とする請求項1
    記載の光ディスク原盤製造方法。
  4. 【請求項4】 無記録部分の電圧をVlowとしたとき、
    Vlow≦Vm<Vpとすることを特徴とする請求項1記載
    の光ディスク原盤製造方法。
  5. 【請求項5】 光ディスクのマスタリング原盤上に、再
    生専用領域のピット列パターンと、信号追記領域のグル
    ーブとを円周内に混在して記録するための露光工程を有
    する光ディスク原盤製造方法において、 上記ピットの幅Wpとグルーブの幅Wgとの関係がWg>
    Wpであるとき、 上記記録光を変調するための記録信号のパルスの立ち上
    がり及び立ち下がりの電圧Vpと、上記パルスの中間の
    少なくとも一部の電圧Vmとの関係を、Vm<Vpとする
    ことを特徴とする光ディスク原盤製造方法。
  6. 【請求項6】 上記記録信号により変調された光の発光
    強度がピット中央部で凹字型となるように、上記記録信
    号のパルス形状をVm<Vpの関係を満たして変形するこ
    とを特徴とする請求項5記載の光ディスク原盤製造方
    法。
  7. 【請求項7】 中央部の幅Wcが最大幅Wmaxよりも小さ
    いピットパターンを露光することを特徴とする請求項5
    載の光ディスク原盤製造方法。
  8. 【請求項8】 無記録部分の電圧をVlowとしたとき、
    Vlow≦Vm<Vpとすることを特徴とする請求項5記載
    の光ディスク原盤製造方法。
  9. 【請求項9】 上記露光工程でのパターン露光に用いる
    記録光のスポット径φwが、製造された光ディスク原盤
    に基づいて作製された光ディスク再生時の再生光のスポ
    ット径φrに対してφw≧0.65φrであることを特
    徴とする請求項5記載の光ディスク原盤製造方法。
  10. 【請求項10】 少なくともピット列による再生専用領
    域が設けられた光ディスクを作製するために用いられる
    光ディスク原盤において、 ピット列のパターン露光に用いる記録光のスポット径φ
    wが、製造された光ディスク原盤に基づいて作製された
    光ディスク再生時の再生光のスポット径φrに対してφ
    w≧0.65φrであるとき、 上記記録光を変調するための記録信号のパルスの立ち上
    がり及び立ち下がりの電圧Vpと、上記パルスの中間の
    少なくとも一部の電圧Vmとの関係を、Vm<Vpとして
    露光する工程を有した製造方法により製造されたことを
    特徴とする光ディスク原盤。
  11. 【請求項11】 上記再生専用領域のピット列と、信号
    追記領域のグルーブとを円周内に混在していることを特
    徴とした請求項10記載の光ディスク原盤。
  12. 【請求項12】 上記ピットの幅Wpとグルーブの幅Wg
    との関係がWg>Wpであることを特徴とする請求項11
    記載の光ディスク原盤。
  13. 【請求項13】 少なくともピット列よりなる再生専用
    領域を備える光ディスクにおいて、 上記ピット列には中央部の幅Wcが最大幅Wmaxよりも小
    さいピットを有することを特徴とする光ディスク。
  14. 【請求項14】 上記ピットの中央部の幅Wcは、上記
    最大幅Wmaxに対して、Wc≦0.9Wmaxであることを
    特徴とする請求項13記載の光ディスク。
  15. 【請求項15】 上記ピット列よりなる再生専用領域に
    照射される再生光のスポット径φは、上記ピットの中央
    部の幅Wcに対して、0.6φ≧Wcであることを特徴と
    する請求項13記載の光ディスク。
  16. 【請求項16】 上記再生専用領域のピット列と、信号
    追記領域のグルーブとを円周内に混在して設けることを
    特徴とする請求項13記載の光ディスク。
  17. 【請求項17】 上記ピットの幅Wpとグルーブの幅Wg
    との関係がWg>Wpであることを特徴とする請求項16
    記載の光ディスク。
  18. 【請求項18】 上記ピットの中央部の幅Wcは、上記
    最大幅Wmaxに対して、Wc≦0.9Wmaxであることを
    特徴とする請求項17記載の光ディスク。
  19. 【請求項19】 上記グルーブよりなる信号追記領域、
    及びピット列よりなる再生専用領域に照射される再生光
    のスポット径φは、上記ピットの中央部の幅Wcに対し
    て、0.6φ≧Wcであることを特徴とする請求項17
    記載の光ディスク。
  20. 【請求項20】 光ディスクのマスタリング原盤上に、
    再生専用領域のピット列パターンを記録するための光デ
    ィスク原盤露光装置において、 上記ピット列のパターン露光に用いる記録光のスポット
    径φwが、再生時の再生光のスポット径φrに対してφ
    w≧0.65φrであるとき、記録パルスの立ち上がり
    及び立ち下がりの電圧Vpと、上記パルスの中間の少な
    くとも一部の電圧Vmとの関係が、Vm<Vpとされた記
    録信号を用いて上記記録光を変調する変調手段を備える
    ことを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
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