JP2002150573A - サーボ制御システム及び情報再生装置 - Google Patents

サーボ制御システム及び情報再生装置

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JP2002150573A
JP2002150573A JP2000346307A JP2000346307A JP2002150573A JP 2002150573 A JP2002150573 A JP 2002150573A JP 2000346307 A JP2000346307 A JP 2000346307A JP 2000346307 A JP2000346307 A JP 2000346307A JP 2002150573 A JP2002150573 A JP 2002150573A
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tracking
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servo control
control
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JP2000346307A
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Tadashi Yamada
正 山田
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低消費電力で、サーボ制御の引き込みを早め
ることができるサーボ制御システム及びこれを用いた情
報再生装置を提供する。 【解決手段】 ブレーキタイミング生成回路94によ
り、トラッキングエラーゼロクロス信号TRZCとRF
リップルゼロクロス信号RPZCとから光ピックアップ
の移動方向を検出し、サーボ制御の引き込み時において
引き込み方向が光ピックアップの加速方向となるタイミ
ングを指定するトラックキャンセル信号trccelを
生成した。トラッキングイコライザ60は、トラックキ
ャンセル信号trccelなどにより、サーボ制御の引
き込み時において引き込み方向が光ピックアップの加速
方向となるタイミングで、サーボ制御ループを開状態と
すると共に、ブレーキパルス信号を印加し、オントラッ
ク位置への引き込み方向への制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーボ制御システ
ム及び情報再生装置に関し、特にサーボ制御の引き込み
の高速化を図るサーボ制御システム及びこれを用いた情
報再生装置に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】CD(Co
mpact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc/Digit
al Video Disc)、MOD(Magnet Optical Disc)など
の光ディスク(広義には、ディスクあるいは情報記録媒
体)の情報記録トラック(以下、単にトラックと略
す。)は、例えば内周から外周に向けて螺旋状に形成さ
れている。
【0003】このため、光ディスクを再生する光ディス
ク装置(広義には、ディスク装置あるいは情報再生装
置)は、光ディスクのトラックに光ピックアップ(広義
には、ピックアップ)を追従させるトラッキングサーボ
制御や、光ピックアップを光ディスクの半径方向に移動
制御するフィードサーボ制御(トラバース制御)を行
う。
【0004】このようなトラッキングサーボ制御やフィ
ードサーボ制御を行うサーボ制御システムでは、トラッ
ク位置と光ピックアップの光スポット位置との間の相対
的な位置のずれのうち、光ディスクの半径方向のずれ量
を、トラッキングエラー信号として検出する。
【0005】トラッキングサーボ制御では、この検出し
たトラッキングエラー信号に基づいて、トラックに追従
するように光ピックアップを微小移動させる。
【0006】一方、フィードサーボ制御では、検出した
トラッキングエラー信号の低周波数成分に基づいて、光
ピックアップを搭載するキャリッジを移動させる。
【0007】このような光ディスク装置のサーボ制御シ
ステムでは、光ディスクの所与のトラック位置に記録さ
れた情報にアクセスする光ピックアップを目的トラック
位置まで移動させるシーク制御後に、できるだけ早くサ
ーボ制御を引き込む必要がある。
【0008】図13に、このサーボ制御の引き込みの様
子を示す。
【0009】ここでは、光ディスクの内周側から、光ピ
ックアップが移動してトラッキングサーボ制御が引き込
まれる場合を示している。
【0010】トラッキングエラー信号TEは、光ピック
アップに備えられた光検出器などによって検出されたト
ラック位置と光ピックアップの光スポット位置との間の
相対的な位置のずれのうち、光ディスクの半径方向のず
れ量に相当する信号である。トラッキングエラー信号T
Eは、オントラック位置においてゼロクロスの基準レベ
ルとなる。
【0011】トラッキングサーボ制御の引き込み時に
は、光ピックアップが、光ディスクの内周側から外周方
向へ移動(外周方向移動)することにより、トラッキン
グエラー信号TEがオントラック位置OT1〜OT3でそ
れぞれゼロクロス基準レベルとなる。その後、光ディス
クとの相対速度が小さくなり、内周方向への移動(内周
方向移動)に切り換わった場合でも、トラッキングエラ
ー信号TEはオントラック位置OT4〜OT6でそれぞれ
ゼロクロス基準レベルとなる。
【0012】トラッキングサーボ制御の引き込み方向
は、それぞれ引き込むべきオントラック位置との相対位
置によって異なる。
【0013】例えば、期間t0では、オントラック位置
OT1への方向Aに対して引き込むようにトラッキング
サーボ制御が行われる。すなわち、光ピックアップの外
周方向移動に対し、引き戻す方向への制御が行われる。
【0014】これに対して、同様の制御方法によれば、
例えば期間T0では、オントラック位置OT2への方向B
に対して引き込むようにトラッキングサーボ制御が行わ
れる。すなわち、光ピックアップの外周方向移動に対
し、これを加速する方向への制御が行われる。
【0015】一方、内周方向移動に切り換わると、例え
ば期間t4では、オントラック位置OT5への方向Cに対
して引き込むようにトラッキングサーボ制御が行われ
る。すなわち、光ピックアップの内周方向移動に対し
て、引き戻す方向への制御が行われる。
【0016】これに対して、同様の制御方法によれば、
例えば期間T3では、オントラック位置OT5への方向D
に対して引き込むようにトラッキングサーボ制御が行わ
れる。すなわち、光ピックアップの内周方向移動に対し
て、これを加速する方向への制御が行われる。
【0017】したがって、このような光ピックアップの
移動を加速するような方向にトラッキングサーボ制御の
引き込みが行われる期間T0〜T4(加速期間)では、ト
ラッキングサーボ制御のループを開くことによって、加
速方向への制御を行わないようにして、オントラック位
置への引き込み制御の安定性を図ることが行われる。こ
の場合、トラッキングサーボ制御のゲインを上げること
によって、引き込みを早めることができる。
【0018】ところで、近年の集積回路技術や実装技術
の進歩によって、ディスク装置の小型軽量化が進みポー
タブル化が可能となっており、これに搭載されるサーボ
制御システムの低消費電力化が要求されている。その一
方で、サーボ制御の引き込みを早めるためにはゲインを
上げる必要があり、高性能化と低消費電力化とは相反す
るものである。
【0019】また、近年のマルチメディア化を背景とし
た情報の高密度記録化が要求されると、ディスクのトラ
ックピッチが狭くなっている。また、ディスク装置など
の普及により、偏心が大きいディスクが世の中に普及す
るに至っている。このように、トラッキング制御がます
ます厳しくなっており、その引き込み時間の遅延化が進
む傾向にある。
【0020】本発明は、以上のような技術的課題に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、低消
費電力で、サーボ制御の引き込みを早めることができる
サーボ制御システム及びこれを用いた情報再生装置を提
供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、ピックアップの制御を行うサーボ制御シス
テムであって、前記ピックアップからのトラッキングエ
ラー信号に基づいて生成したトラッキング制御信号にし
たがって、前記ピックアップがトラックに追従するよう
にトラッキング制御を行うトラッキングサーボ制御手段
と、前記ピックアップのオントラック位置への引き込み
方向が前記ピックアップの加速方向である場合に、前記
トラッキングエラー信号に基づくトラッキング制御を無
効化する手段と、所与のレベルのブレーキ信号を生成す
るブレーキ信号生成手段とを含み、前記引き込み方向が
前記ピックアップの加速方向である場合に、前記ブレー
キ信号に基づいて前記トラッキング制御が行われること
を特徴とする。
【0022】ここでトラッキング制御とは、例えばトラ
ッキングエラー信号がゼロになるように、トラッキング
アクチュエータを駆動してトラックに追従させる制御を
いう。
【0023】このトラッキングエラー信号は、ピックア
ップに備えられた検出器などによって検出されたトラッ
ク位置とピックアップのスポット位置との間の相対的な
位置のずれのうち、例えばディスクの半径方向のずれ量
に相当する信号である。
【0024】さらに、無効化とは、例えば制御ループを
開状態するなどサーボ制御を無効化するあらゆる手段を
含むものとする。
【0025】ここで加速方向とは、サーボ制御の引き込
み時において、光ピックアップの移動方向が引き込み方
向と同じ方向をいう。
【0026】本発明によれば、サーボ制御の引き込み時
において、引き込み方向が光ピックアップの移動方向と
同方向である加速方向のときに、サーボ制御ループを無
効化し、所与のレベルのブレーキ信号に基づいてサーボ
制御を行うようにしたので、サーボ制御の引き込み時に
おいて、ピックアップを加速するような方向にサーボ制
御の引き込みが行われる場合にも、オントラック位置へ
の引き込み方向への制御が行われて、単にサーボ制御ル
ープを開状態とする場合に比べて、サーボ制御の引き込
みを大幅に早めることが可能となる。
【0027】また、サーボ制御のゲインを上げる必要も
なく、サーボ制御の引き込みの高速化を図ることができ
るので、低消費電力化をも図ることが可能となる。
【0028】また本発明は、前記トラッキング制御信号
に基づいて生成したフィード制御信号にしたがって、フ
ィード制御を行うフィード制御手段を含み、前記引き込
み方向が前記ピックアップの加速方向である場合に、前
記トラッキング制御信号として前記ブレーキ信号が用い
られることを特徴とする。
【0029】ここで、フィード制御とは、例えばトラッ
キングエラー信号がゼロになるように、フィードモータ
を駆動してトラックに追従させる制御をいう。
【0030】本発明によれば、トラッキング制御及びフ
ィード制御からなるサーボ制御において、引き込み時に
おいて引き込み方向が、ピックアップが加速する方向の
場合、ブレーキ信号に基づいてサーボ制御を行うように
したので、フィードモータ駆動による高速な引き込みを
図ることができる。
【0031】また本発明は、前記トラッキングエラー信
号の2値化信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジと、
前記ピックアップによって検出された再生信号のリップ
ル信号との位相関係に基づいて生成されるタイミングに
基づいて、前記ピックアップのオントラック位置への引
き込み方向が前記ピックアップの加速方向であるか否か
を判別する手段を含むことを特徴とする。
【0032】ここで、トラッキングエラー信号の2値化
信号とは、例えばトラッキングエラー信号が所与の基準
レベルとの比較した際、基準レベルとのクロス点を検出
して2値化信号として表した信号である。このトラッキ
ングエラー信号の2値化信号は、ディスクのオントラッ
ク位置では基準レベルとなる。
【0033】また、再生信号のリップル信号とは、例え
ばピックアップにより再生されたRF信号を包絡線検波
した信号であり、オントラック位置で振幅が小さくな
る。この場合、さらに再生信号のリップル信号の2値化
信号を用いてもよい。
【0034】本発明によれば、両信号の位相関係から、
ディスクのオントラック位置であるか否かを判定可能な
タイミングを生成するようにしたので、ディスクの内周
方向移動と外周方向移動とで、引き込み方向が異なる場
合にも、容易にブレーキ信号を印加すべきタイミングを
特定することができるようになる。
【0035】また本発明は、前記ブレーキ信号生成手段
は、前記再生信号のリップル信号の2値化信号の立ち上
がりエッジと、前記トラッキングエラー信号の2値化信
号との位相関係に基づいて、前記ピックアップの引き込
み方向に応じた極性のブレーキ信号を生成することを特
徴とする。
【0036】ここで、再生信号のリップル信号の2値化
信号と、前記トラッキングエラー信号の2値化信号と
は、互いに90度の位相差を有しており、再生信号のリ
ップル信号がオントラック位置では論理レベル「L」に
なり、トラッキングエラー信号の2値化信号はオントラ
ック位置で論理レベルが切り換わる。
【0037】本発明によれば、引き込み方向を、再生信
号のリップル信号によるオントラック位置を示す論理レ
ベル「L」からの立ち上がりエッジで、オントラック位
置ごとに変化するトラッキングエラー信号の2値化信号
の値で判別することができるようになる。したがって、
ディスクの内周方向移動と外周方向移動とで、引き込み
方向が異なる場合にも、容易に印加すべきブレーキ信号
の極性を特定することができるようになる。
【0038】また本発明は、前記ブレーキ信号のレベル
を変化させる手段を含むことを特徴とする。
【0039】本発明によれば、例えば偏心の小さいディ
スクに対して高いレベルのブレーキ信号に基づいてサー
ボ制御を行うと、却って制御の不安定性を招く場合に、
低いレベルのブレーキ信号に基づいてサーボ制御の引き
込みの安定性を損なうことなく、高速化を図ることがで
きる。また、逆に、例えば偏心の大きなディスクに対し
て低いレベルのブレーキ信号に基づいてサーボ制御を行
うと、制御の引き込みの高速化を図ることができない場
合に、高いレベルのブレーキ信号に基づいてサーボ制御
を行わせることによって、サーボ制御の引き込みの高速
化を図るといったことが可能となる。
【0040】また本発明は、トラックが形成されるディ
スクの偏心度に対応した偏心カウント数を計数する計数
手段と、前記ピックアップのオントラック位置への引き
込み方向が前記ピックアップの加速方向である場合に前
記トラッキングエラー信号に基づくトラッキング制御を
無効化して前記ブレーキ信号に基づいてトラッキング制
御を行う第1のモードと、前記引き込み方向が前記ピッ
クアップの加速方向である場合に前記トラッキングサー
ボ制御を無効化する第2のモードとを、前記計数手段の
計数結果に応じて切り換える手段とを含むことを特徴と
する。
【0041】本発明によれば、偏心の大きいディスクに
対してはサーボ制御の引き込みが強い第1のモードで行
い、偏心の小さいディスクに対してはサーボ制御の引き
込みが弱い第2のモードで行うなど、ディスクの偏心度
に応じたサーボ制御の引き込みが可能となる。
【0042】すなわち、偏心の小さなディスクにブレー
キパルス信号を印加すると、却って制御が不安定となる
可能性があるため、あらゆる偏心の光ディスクに対応す
るためにはあらかじめ印加するブレーキパルス信号のレ
ベルを小さくせざるを得ない。この場合、偏心の大きな
ディスクについて、サーボ制御の引き込み時において
は、引き込みを早めることができない。しかしながら、
本発明によれば、第1及び第2のモードを相互に切り換
えることができるようにしたので、その偏心度に応じて
ブレーキパルス信号の印加することによって、あらゆる
偏心の光ディスクについて、サーボ制御の引き込み時間
の最適化を図ることができるようになる。
【0043】また本発明は、前記計数手段は、一定周期
内で前記トラッキングエラー信号の2値化信号のパルス
数を計数することを特徴とする。
【0044】本発明によれば、非常に簡素な構成で、デ
ィスクの偏心度に対応した偏心カウント数を計数するこ
とができるので、ディスクの偏心度の判別が簡素化され
る。
【0045】また本発明は、前記ピックアップのオント
ラック位置への引き込み方向が前記ピックアップの加速
方向である場合に前記トラッキングエラー信号に基づく
トラッキング制御を無効化して前記ブレーキ信号に基づ
いてトラッキング制御を行う第1のモードと、前記引き
込み方向が前記ピックアップの加速方向である場合に前
記トラッキング制御を無効化する第2のモードとを、速
度プロファイルによって指定される前記ピックアップの
移動速度に応じて切り換える手段を含むことを特徴とす
る。
【0046】本発明によれば、例えばシーク距離に応じ
て使い分けられる速度プロファイルによって指定される
移動速度に応じて、ブレーキパルス信号の印加をするか
否かを切り換えるようにしたので、直前のシーク制御モ
ードに応じたサーボ制御の引き込みの高速化と安定性と
の最適化を図ることができる。
【0047】また本発明は、前記ピックアップのオント
ラック位置への引き込み方向が前記ピックアップの加速
方向である場合に前記トラッキングエラー信号に基づく
トラッキング制御を無効化して前記ブレーキ信号に基づ
いてトラッキング制御を行う第1のモードと、前記引き
込み方向が前記ピックアップの加速方向である場合に前
記トラッキング制御を無効化する第2のモードとを、直
前に行われたシーク制御の種類に応じて切り換える手段
を含むことを特徴とする。
【0048】本発明によれば、直前のシーク制御モード
に応じて、ブレーキパルス信号の印加をするか否かを切
り換えるようにしたので、直前のシーク制御による速度
の違いに応じて、最適なサーボ制御の引き込みの安定性
と高速化とを実現できる。
【0049】また本発明は、前記ブレーキ信号は、前記
トラッキングエラー信号の極性反転信号であることを特
徴とする。
【0050】本発明によれば、付加回路を大幅に簡素化
して、上述した発明の効果を得ることができる。
【0051】また本発明に係る情報再生装置は、上記い
ずれか記載のサーボ制御システムと、前記ピックアップ
と、前記ピックアップがディスクのトラックに追従する
ように、前記ピックアップを移動させるトラッキングア
クチュエータと、前記ピックアップを搭載するキャリッ
ジをディスクの半径方向に移動させるフィードモータ
と、前記トラッキング制御手段の制御下で、前記トラッ
キングアクチュエータを駆動するトラッキングアクチュ
エータ駆動手段と、前記フィード制御手段の制御下で、
前記フィードモータを駆動するフィードモータ駆動手段
とを含むことを特徴とする。
【0052】本発明によれば、サーボ制御の引き込み方
向が、ピックアップの移動を加速する方向である場合
に、制御ループのゲインを上げなることなく、低消費電
力化を実現し、引き込みの高速化を図る情報再生装置を
提供することができる。
【0053】なお、このような情報再生装置としては、
例えば情報記録媒体としてディスクを用いるディスク装
置、光ディスク装置などの種々の装置がある。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を用いて詳細に説明する。
【0055】<第1の実施形態> 1. 光ディスク装置(情報再生装置) 図1に、第1の実施形態のサーボ制御システムが適用さ
れた光ディスク装置(広義には、ディスク装置あるいは
情報再生装置)の構成の一例を示す。
【0056】この光ディスク装置は、CDやDVDなど
の光ディスク(広義には、ディスクあるいは情報記録媒
体)10の中心部分に装着された回転軸を回転させるデ
ィスクモータ(スピンドルモータ)12を備えている。
【0057】光ディスク10から読み出される情報の記
録面の対向位置(図1で、光ディスク10の下側の位
置)には、光ピックアップ(光ヘッド、若しくは広義に
ピックアップ)14が配置される。この光ピックアップ
14は、光ディスク10の半径方向16に移動するキャ
リッジ18に搭載されている。
【0058】キャリッジ18は、図示しないフィード
(送り)機構により光ディスク10の半径方向16に移
動でき、そのフィード機構は、フィードモータ20によ
り駆動される。
【0059】光ピックアップ14は、図示しない半導体
レーザや光検出器などを備える。半導体レーザからのレ
ーザビームは、対物レンズ22を介して光ディスク10
の記録面に照射され、その反射光が、4分割又は2分割
された光検出器の受光部で受光される。
【0060】光ピックアップ14の対物レンズ22は、
その光軸方向(光ディスク10の記録面と垂直な方向
(図1で、上下方向))24に沿って移動可能に保持さ
れていると共に、光ディスク10の半径方向16に微動
可能に保持されている。そして、フォーカスアクチュエ
ータ26が、対物レンズ22を光軸方向24に移動さ
せ、トラッキングアクチュエータ28が、対物レンズ2
2を光ディスク10の半径方向16に移動させる。
【0061】光ピックアップ14の図示しない光検出器
からの検出信号は、信号生成部30に供給され、信号生
成部30は、その検出信号に基づいてRF信号、フォー
カスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEなど
の信号を生成する。
【0062】復調部32は、信号生成部30からのRF
信号を受け、このRF信号に基づいて同期クロックSY
SCLK及び同期データSYDATAを抽出して出力す
る。
【0063】フォーカスサーボ制御部(フォーカスイコ
ライザ)34は、信号生成部30からのフォーカスエラ
ー信号FEを受け、フォーカスアクチュエータ駆動部3
6を制御する。そして、このフォーカスアクチュエータ
駆動部36がフォーカスアクチュエータ26を駆動す
る。これにより、常にフォーカスが合うように対物レン
ズ22が光軸方向24に移動するようになり、レーザビ
ームの微小スポットが光ディスク10の記録層上に形成
されるようになる。
【0064】トラッキングサーボ制御部(トラッキング
イコライザ)38は、信号生成部30からのトラッキン
グエラー信号TEを受け、トラッキングアクチュエータ
駆動部40を制御する。そして、このトラッキングアク
チュエータ駆動部40がトラッキングアクチュエータ2
8を駆動する。これにより、常にトラキング状態が維持
され、対物レンズ22が光ディスク10の半径方向16
に移動するようになり、光ディスク10の記録層上のト
ラックがレーザビームで追跡されるようになる。
【0065】フィードサーボ制御部(フィードイコライ
ザ)42は、トラッキングサーボ制御部38の出力(低
周波数成分)を受け、フィードモータ駆動部44を制御
する。そして、このフィードモータ駆動部44が、フィ
ードモータ20が間欠的に回転するようにフィードモー
タ20を駆動する。
【0066】ディスクサーボ制御部(ディスクイコライ
ザ)46は、復調部32からの同期データSYDATA
を受け、ディスクモータ駆動部48を制御する。具体的
には、同期データSYDATAに含まれる基準信号の間
隔(最大反転間隔14T)を計測し、その間隔が所定値
になるようにCLV(Constant Linear Velocity)制御
を行う。そして、ディスクモータ駆動部48がディスク
モータ12を駆動する。
【0067】CPU(Central Processing Unit、広義
にはプロセッサ)インタフェース(InterFace:I/
F)を有する制御部50は、CPUとの間でデータのや
り取りを行い、復調部32、フォーカスサーボ制御部3
4、トラッキングサーボ制御部38、フィードサーボ制
御部42、ディスクサーボ制御部46などに対して種々
の制御信号を供給する。
【0068】なお、図1に示す信号生成部30、復調部
32、制御部50、フォーカスサーボ制御部34、フォ
ーカスアクチュエータ駆動部36、トラッキングサーボ
制御部38、トラッキングアクチュエータ駆動部40、
フィードサーボ制御部42、フィードモータ駆動部4
4、ディスクサーボ制御部46、ディスクモータ駆動部
48などの各ブロックの機能は、専用回路やASICな
どのハードウェアにより実現してもよいし、DSPやC
PUなどのプロセッサとソフトウェア(ファームウェ
ア)との組み合わせにより実現してもよい。
【0069】2. 第1の実施形態におけるサーボ制御
システム 上述したような構成の光ディスク装置に適用される第1
の実施形態におけるサーボ制御システムの特徴とすると
ころは、いわゆる加速期間において、サーボ制御ループ
を開状態にすると共に、サーボ制御信号としてブレーキ
パルス信号(広義には、ブレーキ信号)を用いるように
した点にある。
【0070】ここで加速期間とは、図13に示した期間
0〜T4のように、サーボ制御の引き込み時において、
光ピックアップを加速するような方向にサーボ制御の引
き込みが行われる期間をいう。
【0071】このようにすることによって、いわゆる加
速期間でオントラック位置への引き込み方向への制御が
行われる場合、加速期間にサーボ制御ループを開状態と
するだけの場合に比べて、サーボ制御の引き込みを大幅
に早めることが可能となる。
【0072】また、サーボ制御のゲインを上げる必要が
なくなり、低消費電力化をも実現でき、これまで不可能
であったサーボ制御の引き込みの高速化と低消費電力化
とを両立させることができる。
【0073】2.1 構成例 図2に、第1の実施形態におけるサーボ制御システムの
構成例を示す。
【0074】ただし、図1に示す光ディスク装置と同一
部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0075】第1の実施形態におけるサーボ制御システ
ムでは、信号生成部30によって生成されたトラッキン
グエラー信号TEがトラッキングサーボ制御部38に供
給される。トラッキングサーボ制御部38は、制御部5
0からトラックキャンセル信号trccelなども供給
される。
【0076】トラックキャンセル信号trccelは、
サーボ制御の引き込み時において、光ピックアップを加
速するような方向にサーボ制御の引き込みが行われる期
間(加速期間)にアクティブ状態となる信号である。
【0077】トラッキングサーボ制御部38は、トラッ
キングエラー信号TEあるいは内部で生成されたブレー
キパルス信号に基づいてトラッキング制御出力信号TR
Oを生成し、このトラッキング制御出力信号TROをト
ラッキングアクチュエータ駆動部40に供給する。
【0078】トラッキング制御出力信号TROは、実際
にはD/A変換された後、パルス幅変調(Pulse Width
Modulation:以下、PWMと略す。)制御信号に変換さ
れる。トラッキングアクチュエータ駆動部40は、この
PWM制御信号によりトラッキングアクチュエータ28
を駆動する。
【0079】トラッキングサーボ制御部38は、トラッ
キングイコライザ60を含む。
【0080】トラッキングイコライザ60は、ループ開
閉手段としてのスイッチSW1、SW3、SW4、比例
(P)補償器及び積分(I)補償器が直列接続されたP
I補償器62、微分(D)補償器64及びこれらの補償
器出力をバッファリングするバッファ66、68と、バ
ッファ66、68のバッファ出力を加算する加算器7
0、ブレーキパルス信号を生成するブレーキパルス生成
回路72、ブレーキパルス信号と加算器70の出力を加
算する加算器74を含む。
【0081】スイッチSW1は、制御部50からの第1
の切り換え信号80により、信号生成部30からのトラ
ッキングエラー信号TEを、PI補償器62及びD補償
器64に並列に供給する。サーボ制御の引き込み時にお
いて、第1の切り換え信号80により、スイッチSW1
はオン状態(閉状態)とされる。
【0082】スイッチSW3は、サーボ制御の引き込み
時において、光ピックアップを加速するような方向にサ
ーボ制御の引き込みが行われるときにオン状態となる。
このようなスイッチSW3は、制御部50から供給され
るトラックキャンセル信号trccelと、ブレーキイ
ネーブル信号brakeenとに基づいて切り換えられ
る。
【0083】PI補償器62、D補償器64の出力信号
は、それぞれバッファ66、68を介して加算器70に
より加算される。
【0084】加算器70の出力は、スイッチSW4を介
して、加算器74に入力される。
【0085】スイッチSW4は、制御部50からのトラ
ックキャンセル信号trccelにより、オン状態ある
いはオフ状態(閉状態)に制御される。スイッチSW4
がオン状態のとき、加算器70の出力は加算器74に入
力される。
【0086】加算器74の他方の入力は、スイッチSW
3を介してブレーキパルス生成回路72に接続される。
【0087】ブレーキパルス生成回路72は、所与のレ
ベルのブレーキパルス信号を生成する。ブレーキパルス
生成回路72によって生成されたブレーキパルス信号
は、スイッチSW3がオン状態のとき、加算器74に入
力される。
【0088】加算器74は、その加算結果をトラッキン
グ制御出力信号TROとして出力する。
【0089】このようにして生成されるトラッキング制
御出力信号TROは、フィードサーボ制御部42にも供
給される。
【0090】フィードサーボ制御部42は、トラッキン
グ制御出力信号TROに基づいて、フィード制御出力信
号FDOを生成し、このフィード制御出力信号FDOを
フィードモータ駆動部44に供給する。
【0091】フィード制御出力信号FDOは、実際には
D/A変換された後、PWM制御信号に変換され、フィ
ードモータ駆動部44はこのPWM制御信号によりフィ
ードモータ20を駆動する。
【0092】フィードサーボ制御部42は、フィードイ
コライザ82を含む。
【0093】フィードイコライザ82は、ループ開閉手
段としてのスイッチSW2、直列にP補償器及びD補償
器が接続されたPD補償器84と、PD補償器84の出
力をバッファリングするバッファ86を含む。
【0094】スイッチSW2は、制御部50からの第2
の切り換え信号88により、トラッキング制御出力信号
TROをPD補償器84に供給する。
【0095】PD補償器84は、例えばサーボ引き込み
時の応答性を高めるようにトラッキング制御出力信号T
ROの位相補償を行う。PD補償器84の出力は、バッ
ファ86を介して、フィード制御出力信号FDOとして
フィードモータ駆動部44に供給される。
【0096】制御部50は、上述したトラックキャンセ
ル信号trccel、第1及び第2の切り換え信号8
0、88などを生成するシーケンス制御回路90、方向
検出回路92、ブレーキタイミング生成回路94を含
む。
【0097】制御部50は、図示しないCPUからのサ
ーボ引き込み指示を受け付けると、第1及び第2の切り
換え信号80、88により、トラッキングサーボ制御部
38及びフィードサーボ制御部42においてサーボ制御
を開始させると共に、トラックキャンセル信号trcc
elによりブレーキパルス信号をサーボ制御信号として
用いるべきタイミングを指示する。
【0098】そのため、制御部50は、方向検出回路9
2と、ブレーキタイミング生成回路94とを含む。
【0099】方向検出回路92は、シーケンス制御回路
90からの指示により、信号生成部30によって生成さ
れたRF信号のリップル信号RFRPのゼロクロス点を
検出して生成したRFリップルゼロクロス信号RPZC
と、信号生成部30によって生成されたトラッキングエ
ラーのゼロクロス点を検出して生成したトラッキングエ
ラーゼロクロス信号TRZCとにより、光ピックアップ
の移動方向を検出する。ゼロクロス点は、基準電圧Vr
efとのレベル比較により検出される。
【0100】方向検出回路92はその検出結果を移動方
向指示信号movdirとしてブレーキタイミング生成
回路94に供給する。
【0101】図3(A)、(B)に、RFリップルゼロ
クロス信号RPZCと、トラッキングエラーゼロクロス
信号TRZCとの位相関係を説明するための説明図を示
す。
【0102】図3(A)は、光ディスクの記録面に照射
された光ピックアップに備えられた半導体レーザからの
光スポットとピットとの関係を模式的に示している。
【0103】光ディスクの記録面には、トラックに沿っ
て、ピットが形成されている。ここでは半径方向にA点
からB点に向け、光ピックアップが光ディスクの外周方
向に移動する様子を示している。光スポット100は、
光ピックアップの移動に伴い、順次ピットP1〜P4に照
射される。
【0104】図3(B)は、光ピックアップが図3
(A)に示すように半径方向にA点からB点に移動し
て、光スポット100がピットP1〜P4に照射されたと
きに、信号生成部30によって生成される各種信号波形
の一例を示す。
【0105】光ディスクの記録面のピット以外の部分は
ミラー面となっており、光ピックアップの半導体レーザ
からの光スポットはほぼ全反射される。したがって、R
F信号は、ピットP1〜P4の位置では振幅が大きくな
り、それ以外のミラー面の位置では振幅が小さくなる。
【0106】RFリップル信号RFRPは、RF信号を
包絡線検波することにより得られる。したがって、RF
リップル信号RFRPは、ピットP1〜P4に対応して振
幅が大きくなる。
【0107】トラッキングエラー信号TEは、光スポッ
ト100と各トラック上のピットとのずれ量に対応して
おり、ピットP1〜P4に対応してゼロレベルとなり、常
にRFリップル信号RFRPと90度の位相差を有する
関係になる。
【0108】RFリップルゼロクロス信号RPZCは、
RFリップル信号RFRPのゼロクロス点を検出して生
成された信号である。
【0109】トラッキングエラーゼロクロス信号TRZ
Cは、トラッキングエラー信号TEのゼロクロス点を検
出して生成された信号である。
【0110】したがって、トラッキングエラーゼロクロ
ス信号TRZCについても、RFリップルゼロクロス信
号RPZCと90度の位相差を有する関係になる。
【0111】RFリップルゼロクロス信号RPZCの論
理レベル「L」に対応した位置は、ピットが形成された
オントラック位置となる。したがって、方向検出回路9
2は、再生信号であるRF信号のリップル信号の2値化
信号の立ち上がりエッジと、トラッキングエラー信号の
2値化信号との位相関係に基づいて、ピックアップの引
き込むべき方向を判別する。そのため、方向検出回路9
2は、RFリップルゼロクロス信号RPZCの立ち上が
りエッジの時点で、トラッキングエラーゼロクロス信号
TRZCの論理レベルを判別することで、光ピックアッ
プの移動方向を判別することができる。
【0112】より具体的には、方向検出回路92は、R
Fリップルゼロクロス信号RPZCの立ち上がりエッジ
に同期して、トラッキングエラーゼロクロス信号TRZ
Cの値をラッチして、その出力を移動方向指示信号mo
vdirとして出力する。
【0113】一方、ブレーキタイミング生成回路94
は、図示しないCPUからのサーボ引き込み指示を受け
付けたとき、シーケンス制御回路90からのブレーキイ
ネーブル信号brakeenと、方向検出回路92から
の移動方向指示信号movdirとによりブレーキタイ
ミングを生成し、トラックキャンセル信号trccel
として出力することができるようになっている。
【0114】すなわち、RFリップルゼロクロス信号R
PZCの論理レベル「L」に対応した位置は、ピットが
形成されたオントラック位置となるため、ブレーキタイ
ミング生成回路94は、トラッキングエラーゼロクロス
信号TRZCの両エッジの時点で、引き込むべきオント
ラック位置であるか否かを判別する。
【0115】より具体的には、ブレーキタイミング生成
回路94は、トラッキングエラー信号の2値化信号の立
ち上がり及び立ち下がりエッジと、ピックアップによっ
て検出された再生信号であるRF信号のリップル信号と
の位相関係に基づいて、引き込むべき位置であるか否か
を判別する。そのため、ブレーキタイミング生成回路9
4は、トラッキングエラーゼロクロス信号TRZC(ト
ラッキングエラー信号の2値化信号)の立ち上がり及び
立ち下がりに同期して、RFリップルゼロクロス信号R
PZC(RF信号のリップル信号)の値をラッチして、
その出力をトラックキャンセル信号trccelとして
出力する。
【0116】2.2 動作タイミング例 図4に、第1の実施形態におけるサーボ制御システムを
適用した光ディスクの各種信号のタイミングの一例を模
式的に示す。
【0117】ここでは、光ピックアップがシーク制御の
終了後に、サーボ制御の引き込みを行う場合のタイミン
グの一例を示している。また、光ピックアップが、光デ
ィスクの外周方向へ移動して、相対速度が小さくなり、
やがて内周方向へ移動する場合を示す。
【0118】図示しないCPUからのサーボ制御の引き
込み指示を受け付けると、シーケンス制御回路90は、
シーク制御を行うモードであることを示すシーク信号s
eekの論理レベルを「L」にすると共に、トラッキン
グ制御オン信号tron、ブレーキイネーブル信号br
akeenを論理レベル「H」とする。
【0119】これにより、第1及び第2の切り換え信号
80、88により、スイッチSW1、スイッチSW2は
オン状態となる。
【0120】トラッキングエラー信号TEは、光ピック
アップに備えられた光検出器などによって検出されたト
ラック位置と光ピックアップの光スポット位置との間の
相対的な位置のずれのうち、光ディスクの半径方向のず
れ量に相当する信号である。トラッキングエラー信号T
Eは、オントラック位置においてゼロクロスの基準レベ
ルとなる。
【0121】サーボ制御の引き込みが行われると、光ピ
ックアップが光ディスクの内周側から外周方向へ移動
(外周方向移動)して、トラッキングエラー信号TEが
オントラック位置OT1〜OT3でそれぞれゼロクロス基
準レベルとなる。
【0122】ここで、光ディスクとの相対速度が小さく
なり、内周方向への移動(内周方向移動)に切り換わっ
た場合でも、トラッキングエラー信号TEはオントラッ
ク位置OT4〜OT5でそれぞれゼロクロス基準レベルと
なる。
【0123】これに対応して、トラッキングエラーゼロ
クロス信号TRZC、RFリップルゼロクロス信号RP
ZCが互いに90度の位相差をもって、生成される。方
向検出回路92は、このようなトラッキングエラーゼロ
クロス信号TRZC、RFリップルゼロクロス信号RP
ZCにより、図3(B)に示したように移動方向指示信
号movdirを生成する。
【0124】移動方向指示信号movdirは、ブレー
キタイミング生成回路94、トラッキングサーボ制御部
38に供給される。
【0125】ブレーキタイミング生成回路94は、シー
ケンス制御回路90からのブレーキイネーブル信号br
akeenと、方向検出回路92からの移動方向指示信
号movdirとにより、図3(B)に示したようにト
ラックキャンセル信号trccelを生成する。
【0126】ここで、ブレーキタイミング生成回路94
は、移動方向指示信号movdirによって示される光
ピックアップの移動方向に応じて、ブレーキパルス信号
をトラッキング制御出力信号として用いるか否かを切り
換えるようにすることも可能であるが、第1の実施形態
では、移動方向指示信号movdirにより示される移
動方向に関わらず、トラックキャンセル信号trcce
lを生成する。
【0127】まず、オントラック位置OT1に対する引
き込み方向1501の引き込み時は、スイッチSW1を
オン状態、スイッチSW2をオン状態、スイッチSW3
をオフ状態、スイッチSW4をオン状態として、トラッ
キングエラー信号TEがゼロになるようにトラッキング
サーボ制御及びフィード制御を行って、引き込みを行
う。すなわち、トラッキング制御出力信号TROは、ト
ラッキングエラー信号TEに基づいて生成される。
【0128】これは、オントラック位置OT2、OT3
対する引き込み方向1502、1503の引き込み時にも
同様に行われる。
【0129】一方、オントラック位置OT2に対する加
速方向1521の引き込み時には、上述したサーボ制御
では、外周方向移動が上述した加速方向1521により
加速されることになり、制御が不安定となる。そこで、
第1の実施形態のサーボ制御システムでは、トラックキ
ャンセル信号trccelによりスイッチSW4をオフ
状態とすると共に、トラックキャンセル信号trcce
lとブレーキイネーブル信号brakeenとの論理積
結果に応じてスイッチSW3をオン状態とする。
【0130】これにより、トラッキング制御出力信号T
ROは、ブレーキパルス生成回路72によって生成され
たブレーキパルス信号brakeoutが出力される。
【0131】このブレーキパルス生成回路72として
は、必要に応じて出力レベルが可変なブレーキパルス信
号を生成できることが望ましい。これにより、最適なレ
ベルのブレーキパルス信号に基づいてサーボ制御を行う
ことによって、サーボ制御の引き込みの高速化と消費電
力化とを効率的に行うことができる。
【0132】このブレーキパルス信号brakeout
に相当するトラッキング制御出力信号TROにより、ト
ラッキングアクチュエータ駆動部40を制御すると共
に、フィードサーボ制御部42により生成されたフィー
ド制御出力信号FDOに基づいて、フィードモータ駆動
部44を制御する。
【0133】これは、オントラック位置OT3に対する
加速方向1522の引き込み時も、同様に行われる。
【0134】光ピックアップが外周方向移動するうちに
相対速度が小さくなり、やがて内周方向移動に切り換わ
ると、オントラック位置OT4への引き込み方向1541
は、内周方向移動とは逆方向のためサーボ制御が安定す
る。
【0135】この場合、スイッチSW1をオン状態、ス
イッチSW2をオン状態、スイッチSW3をオフ状態、
スイッチSW4をオン状態として、トラッキングエラー
信号TEがゼロになるようにトラッキングサーボ制御及
びフィード制御を行って、引き込みを行う。
【0136】一方、オントラック位置OT5に対する加
速方向1561への引き込み時は、内周方向移動をさら
に加速する方向に制御されることになるため、トラック
キャンセル信号trccelによりスイッチSW4をオ
フ状態とすると共に、トラックキャンセル信号trcc
elとブレーキイネーブル信号brakeenとの論理
積結果に応じてスイッチSW3をオン状態とする。
【0137】これにより、トラッキング制御出力信号T
ROは、ブレーキパルス生成回路72によって生成され
たブレーキパルス信号brakeoutが出力される。
【0138】ブレーキパルス生成回路72は、外周方向
あるいは内周方向移動方向に応じて出力すべきブレーキ
パルス信号の極性を変更するため、移動方向指示信号m
ovdirによって示される光ピックアップの移動方向
に応じた極性のブレーキパルス信号brakeoutを
生成することができるようになっている。
【0139】このように第1の実施形態におけるサーボ
制御システムは、サーボ制御の引き込み方向に応じたブ
レーキパルス信号を生成し、サーボ制御ループを開状態
として、トラッキング制御出力信号TROとして出力す
るようにした。これにより、サーボ制御の引き込み時に
おいて、光ピックアップを加速するような方向にサーボ
制御の引き込みが行われる場合にも、オントラック位置
への引き込み方向への制御が行われて、単にサーボ制御
ループを開状態とする場合に比べて、サーボ制御の引き
込みを大幅に早めることが可能となる。
【0140】また、サーボ制御のゲインを上げる必要が
なくなり、低消費電力化をも実現できる。
【0141】特に偏心の大きなディスクについては、例
えばサーボ制御の引き込み時において光ピックアップを
加速する方向には制御ループを開状態とする場合に比べ
て、この場合にも積極的にブレーキパルス信号により引
き込み制御を行うので、大幅にサーボ制御の引き込み時
間を早めることができる。
【0142】図5に、その比較結果の一例を示す。
【0143】ここでは、偏心トラック数ごとに、トラッ
クキャンセル信号trccelでサーボ制御ループを開
状態とした第1の手法と、トラックキャンセル信号tr
ccelでサーボ制御ループを開状態としてさらにブレ
ーキパルス信号を印加した第2の手法とにおける引き込
み時間の測定結果を示す。
【0144】このように、偏心トラック数ごとに、ブレ
ーキパルス信号を印加する第2の手法を用いる場合、引
き込み時間を大幅に短縮することができる。
【0145】また、偏心トラック数が大きくなればなる
ほど、この傾向が顕著になってくるこを示している。
【0146】<第2の実施形態> 3. 第2の実施形態におけるサーボ制御システム サーボ制御システムは、図2に示した構成に限定される
ものではなく、種々の構成が可能である。第2の実施形
態におけるサーボ制御システムは、光ディスクの偏心度
をカウントし、そのカウント結果に基づいて、サーボ制
御ループを開状態としてブレーキパルス信号を印加して
引き込み制御を行う第1のモードと、ブレーキパルス信
号を印加しないでサーボ制御ループを開状態とする第2
のモードとを切り換えることができるようになってい
る。
【0147】すなわち、サーボ制御ループを開状態とし
てトラッキング制御出力信号TROとしてブレーキパル
ス信号に基づいてサーボ制御の引き込みを早める第1の
モード(Hard Mode:ハードモード)と、サーボ制御ル
ープを単に開状態とする第2のモード(Soft Mode:ソ
フトモード)との2つのモードを備える。
【0148】3.1 構成 図6に、第2の実施形態におけるサーボ制御システムの
構成例を示す。
【0149】ただし、図2に示す第1の実施形態におけ
るサーボ制御システムと同一部分には同一符号を付し、
適宜説明を省略する。
【0150】第2の実施形態におけるサーボ制御システ
ムが、図2に示し第1の実施形態におけるサーボ制御シ
ステムと異なる点は、サーボ制御対象の光ディスクの偏
心度に対応した偏心カウント数としてカウントする偏心
カウント回路を備え、そのカウント結果に応じて、上述
した第1のモードと第2のモードとを切り換えることが
できる点である。
【0151】そのため、第2の実施形態における制御部
200は、光ディスクの偏心度に対応した偏心カウント
数をカウントする偏心カウント回路202を備える。
【0152】図7に、偏心カウント回路202の構成の
概要の一例を示す。
【0153】偏心カウント回路202は、トラッキング
エラーゼロクロス信号TRZCと、トラッキングエラー
ゼロクロス信号TRZCより高い周波数で一定周期のカ
ウントクロック(Cnt CLK)とが入力されるTRZCカ
ウント回路208、最大値(MAX)検出回路210、
偏心カウント値レジスタ212を含む。
【0154】図8に、TRZCカウント回路208の動
作タイミングの一例を示す。
【0155】このようにTRZDCカウント回路208
は、トラッキングエラーゼロクロス信号TRZCの両エ
ッジの間のCntCLK数を計数し、カウント値として
保持する。
【0156】保持されたカウント値は、その都度MAX
検出回路210に供給される。
【0157】MAX検出回路210は、それまでのカウ
ント値の最大値を保持するようになっており、TRZC
カウント回路208によってトラッキングエラーゼロク
ロス信号TRZCの両エッジ間のCntCLK数が供給
されるたび、保持していたカウント値の最大値と比較
し、供給されたCntCLK数がカウント値の最大値よ
り大きいとき、当該カウント値を更新する。
【0158】MAX検出回路210は、保持していたカ
ウント値の最大値が更新されるたび、偏心カウント値レ
ジスタ212に供給する。偏心カウント値レジスタ21
2に保持されたカウント値は、シーケンス制御回路20
4に通知される。
【0159】第1の実施形態におけるシーケンス制御回
路90に対して、第2の実施形態におけるシーケンス制
御回路204は、このような偏心カウント回路202に
よってカウントされた偏心カウント数に基づいて第1の
モードと第2のモードとを切り換えることができる機能
が付加されている。
【0160】すなわち、シーケンス制御回路204は、
モード切り換えの閾値となる基準カウント数が図示しな
いCPUによって設定されるようになっており、この設
定された基準カウント数と、偏心カウント回路202に
よってカウントされた偏心カウント数とを比較する。そ
して、偏心カウント数が基準カウント数を超えていると
き、光ディスクの偏心度が大きいと判定し、第1のモー
ドによるサーボ制御の引き込みを行い、偏心カウント数
が基準カウント数以下のとき、光ディスクの偏心度が小
さいと判定し、第2のモードによるサーボ制御の引き込
みを行う。
【0161】そのため、シーケンス制御回路204は、
トラッキングイコライザ60に対して、切り換えたモー
ド214を通知する。トラッキングイコライザ60は、
通知されたモードが第1のモードの場合、トラックキャ
ンセル信号trccelとブレーキイネーブル信号br
akeenとの論理積結果にしたがって、スイッチSW
3を切り換える。一方、トラッキングイコライザ60
は、通知されたモードが第2のモードの場合、トラック
キャンセル信号trccelの状態に関わらず、ブレー
キイネーブル信号brakeenの論理レベルが「H」
のとき、スイッチSW3を開状態となるように制御す
る。なお、スイッチSW4は、第1のモードと第2のモ
ードとで同様に制御される。
【0162】このような構成の第2の実施形態における
サーボ制御システムは、図1に示す光ディスク装置に対
し、第1実施形態と同様に適用することができる。
【0163】3.2 動作タイミング例 図9に、第2の実施形態におけるサーボ制御システムに
おいて、第2のモードに切り換えられたときの動作タイ
ミングの一例を示す。
【0164】第1のモードでは、トラックキャンセル信
号trccelとブレーキイネーブル信号brakee
nとの論理積結果により、スイッチSW3がオン状態と
され、図4と同様のため説明を省略する。
【0165】第2のモードでは、トラックキャンセル信
号trccelの状態に関わらず、ブレーキイネーブル
信号brakeenにしたがって、スイッチSW3が制
御されるため、光ピックアップを加速するような方向に
サーボ制御の引き込みが行われる場合には、単にサーボ
制御ループを開状態として、制御が不安定になるのを回
避する。
【0166】したがって、図示しないCPUによってサ
ーボ制御の引き込み指示を受け付けると、それまで偏心
カウント回路202によってカウントされた偏心カウン
ト数により、シーケンス制御回路204が偏心が小さい
と判断して、第2のモードに切り換えるものとすると、
シーケンス制御回路204は、切り換えたモード214
をトラッキングイコライザ60に通知し、シークモード
を示すシーク信号seekの論理レベルを「L」にする
と共に、トラッキング制御オン信号tron、ブレーキ
イネーブル信号brakeenを論理レベル「H」とす
る。
【0167】これにより、第1及び第2の切り換え信号
80、88により、スイッチSW1、スイッチSW2は
オン状態となる。
【0168】ブレーキタイミング生成回路94は、シー
ケンス制御回路90からのブレーキイネーブル信号br
akeenと、方向検出回路92からの移動方向指示信
号movdirとにより、図3(B)に示したようにト
ラックキャンセル信号trccelを生成する。
【0169】まず、オントラック位置OT1に対する引
き込み方向2501の引き込み時は、スイッチSW1を
オン状態、スイッチSW2をオン状態、スイッチSW3
をオフ状態、スイッチSW4をオン状態として、トラッ
キングエラー信号TEがゼロになるようにトラッキング
サーボ制御及びフィード制御を行って、引き込みを行
う。
【0170】これは、オントラック位置OT2、OT3
対する引き込み方向2502、2503の引き込み時にも
同様に行われる。
【0171】また、オントラック位置OT2に対する加
速方向2521の引き込み時には、上述したサーボ制御
では、外周方向移動が上述した加速方向2521により
加速されることになり、制御が不安定となる。そこで、
第2の実施形態のサーボ制御システムでは、トラックキ
ャンセル信号trccelによりスイッチSW4をオフ
状態とすると共に、スイッチSW3をオフ状態のままと
する。
【0172】これにより、サーボ制御ループは開状態と
される。
【0173】これは、オントラック位置OT3に対する
加速方向2522の引き込み時も、同様に行われる。
【0174】光ピックアップが外周方向移動するうちに
相対速度が小さくなって、やがて内周方向移動に切り換
わると、オントラック位置OT4への引き込み方向25
1は、内周方向移動とは逆方向のためサーボ制御が安
定する。
【0175】この場合、スイッチSW1をオン状態、ス
イッチSW2をオン状態、スイッチSW3をオフ状態、
スイッチSW4をオン状態として、トラッキングエラー
信号TEがゼロになるようにトラッキングサーボ制御及
びフィード制御を行って、引き込みを行う。
【0176】一方、オントラック位置OT5に対する加
速方向2561への引き込み時は、内周方向移動をさら
に加速する方向に制御されることになるため、トラック
キャンセル信号trccelによりスイッチSW4をオ
フ状態とすると共に、スイッチSW3をオフ状態のまま
として、サーボ制御ループを開状態とする。
【0177】このように第2の実施形態におけるサーボ
制御システムは、光ディスクの偏心度に対応する偏心カ
ウント数を計数し、その計数結果に応じて、サーボ制御
の引き込み時において、光ピックアップを加速するよう
な方向にサーボ制御の引き込みが行われる場合には、ブ
レーキパルス信号を印加する第1のモードと、印加しな
い第2のモードとを切り換えるようにした。
【0178】これにより、第1のモードでは第1の実施
形態と同様の効果を得ることができる。また、例えば偏
心の小さな光ディスクにブレーキパルス信号を印加する
と、却って制御が不安定となる可能性があるため、あら
ゆる偏心の光ディスクに対応するためにはあらかじめ印
加するブレーキパルス信号のレベルを小さくせざるを得
ない。この場合、偏心の大きな光ディスクについて、サ
ーボ制御の引き込み時においては、引き込みを早めるこ
とができない。しかしながら、第2の実施形態では、第
1及び第2のモードを相互に切り換えることができるよ
うにしたので、その偏心度に応じてブレーキパルス信号
の印加することができ、あらゆる偏心の光ディスクにつ
いて、サーボ制御の引き込み時間の最適化を図ることが
できるようになる。
【0179】<第3の実施形態> 4. 第3の実施形態におけるサーボ制御システム 一般に、トラッキングサーボ制御の引き込みは、シーク
制御直後に行われる。このシーク制御には、シーク距離
の長いロングシークモードから、シーク距離の短いショ
ートシークモードがあって、それぞれ速度プロファイル
にしたがって光ピックアップ、キャリッジを移動させ
る。
【0180】したがって、フィードモータを駆動させる
ロングシークモードの後は、シーク距離が長いので、速
度プロファイルで指定される速度が速い。その場合、ブ
レーキパルス信号により、トラッキングサーボ制御の引
き込みを行う方が、引き込み速度を速めることができ
る。
【0181】一方、アクチュエータのみで行うショート
シークモードの後は、シーク距離が短いので、速度プロ
ファイルで指定される速度が遅い。その場合、ブレーキ
パルス信号を用いないで、トラッキングサーボ制御の引
き込みを行う方が、制御の安定性を保つことができる場
合がある。
【0182】そこで、第3の実施形態におけるサーボ制
御システムでは、トラッキングサーボ制御の引き込みを
行う場合、その直前のシーク制御などで用いられる速度
プロファイルによって指定される目標速度に応じて、第
1及び第2のモードを切り換えることができるようにな
っている。
【0183】4.1 構成 図10に、第3の実施形態におけるサーボ制御システム
の構成例を示す。
【0184】ただし、図6に示す第2の実施形態におけ
るサーボ制御システムと同一部分には同一符号を付し、
適宜説明を省略する。
【0185】第3の実施形態におけるサーボ制御システ
ムが、図6に示し第2の実施形態におけるサーボ制御シ
ステムと異なる点は、光ディスクの偏心度を判定しない
代わりに、シーク距離が互いに異なるシークモードに応
じた速度プロファイルにしたがってシーク制御を行い、
サーボ制御を引き込むときに直前のシーク制御に用いら
れた速度プロファイルの種類に応じて上述した第1のモ
ードと第2のモードとを切り換えることができる点であ
る。
【0186】そのため、第3の実施形態における制御部
200は、第2の実施形態にいおける制御部200に対
して、シークすべき光ディスクの残りトラック数をカウ
ントするトラックカウント回路310、移動速度検出回
路312、目標速度生成回路314、速度誤差生成回路
318をさらに含む。
【0187】すなわち、制御部300は、シーク制御の
際に、目的とするトラック位置までのトラック数に応じ
て光ピックアップの移動目標速度を設定し、実際の光ピ
ックアップの速度差に対応した速度誤差信号に基づいて
フィードモータを制御する。
【0188】これにより、移動すべきトラック数に応じ
た最適な速度で光ピックアップが移動でき、しかも追従
するトラック位置に正確に到達することが可能となり、
光ピックアップの移動制御の高速安定化を図る。
【0189】目標速度生成回路314は、トラックカウ
ント回路310によってカウントされたトラック数か
ら、シーク制御の残りシークトラック数に応じた移動目
標速度を生成する。この目標速度生成回路314は、シ
ーク距離に応じて、ロングシークモード、ショートシー
クモードに対応した複数の速度プロファイルを有してお
り、各シークモードにおける速度プロファイルにおい
て、トラックカウント回路310によってカウントされ
たトラック数に対応付けられている移動目標速度を出力
するようになっている。
【0190】図11に、目標速度生成回路314が有す
る速度プロファイルの一例を模式的に示す。
【0191】速度プロファイルは、トラックカウント回
路310によってカウントされたトラック数から求めら
れる、シークすべき残りシークトラック数Nそれぞれに
ついて、図11に示すように目標速度Vと対応付けられ
ている。
【0192】すなわち、目標速度生成回路314は、残
りシークトラック数nが入力されると、これに対応する
目標速度vを速度誤差生成回路318に供給する。
【0193】移動速度検出回路312は、光ピックアッ
プの実際の移動速度を検出する。そのため、移動速度検
出回路312は、RFリップルゼロクロス信号RPZC
と、一定周期で周波数の高いカウントクロック(Cnt
CLK)とを用いて、移動速度を検出する。ここで、移
動速度検出回路312は、トラッキングエラーゼロクロ
ス信号TRZCとCntCLKに基づいて移動速度を検
出するようにしても良い。
【0194】図12に、移動速度検出回路312の移動
速検出の原理を説明するための説明図を示す。
【0195】すなわち、トラッキングエラーゼロクロス
信号TRZCのエッジを基準に、一定周期の高周波数の
CntCLKでCntCLK数をカウントすることによ
って、ゼロクロス信号TRZCの間隔を、カウント数に
対応付ける。
【0196】光ピックアップの移動速度は、光ピックア
ップに備えられる半導体レーザからの微小スポットが反
射して検出器での受光間隔に関連付けられる。すなわ
ち、光ディスクの記録層上のトラックを横切って、隣接
するトラック数を横切るまでの時間がわかれば、光ピッ
クアップの実際の移動速度を検出することができる。
【0197】速度誤差生成回路318は、このように移
動速度検出回路312によって検出された光ピックアッ
プの実際の移動速度と、上述したように速度プロファイ
ルにしたがって目標速度生成回路314によって生成さ
れた移動目標速度との差分に対応した速度誤差信号32
0を生成する。
【0198】シーク制御時には、トラッキングイコライ
ザ330のスイッチSW1は、c側に切り換えられ、速
度誤差信号320に基づいて、目標速度生成回路134
によって生成された移動目標速度と、移動速度検出回路
314によって検出された光ピックアップの実際の移動
速度が同等になるように、トラッキングアクチュエータ
駆動部40とフィードモータ駆動部44とが制御され
る。
【0199】このような構成の第3の実施形態における
サーボ制御システムは、図1に示す光ディスク装置に対
し、第2実施形態と同様に適用することができる。
【0200】制御部300のシーケンス制御回路340
は、目標速度生成回路314で参照される速度プロファ
イルによって指定される移動速度に応じて、サーボ制御
ループを開状態としてブレーキパルス信号を印加して引
き込み制御を行う第1のモードと、ブレーキパルス信号
を印加しないでサーボ制御ループを開状態とする第2の
モードとを切り換える。
【0201】そのため、シーケンス制御回路340は、
トラッキングイコライザ60に対して、切り換えたモー
ド214を通知する。トラッキングイコライザ340
は、通知されたモードが第1のモードの場合、トラック
キャンセル信号trccelとブレーキイネーブル信号
brakeenとの論理積結果にしたがって、スイッチ
SW3を切り換える。一方、トラッキングイコライザ3
40は、通知されたモードが第2のモードの場合、トラ
ックキャンセル信号trccelの状態に関わらず、ブ
レーキイネーブル信号brakeenの論理レベルが
「H」のとき、スイッチSW3を開状態となるように制
御する。
【0202】シーケンス制御回路340は、その他方向
検出回路92、ブレーキタイミング生成回路94の制御
については、第2の実施形態と同様なので説明を省略す
る。
【0203】このように第3の実施形態では、シーク距
離に応じて使い分けられる速度プロファイルによって指
定される移動速度に応じて、ブレーキパルス信号の印加
をするか否かを切り換えるようにしたので、直前のシー
ク制御モードに応じたトラッキングサーボ制御の引き込
みの高速化と安定性との最適化を図ることができる。
【0204】また第3の実施形態におけるサーボ制御シ
ステムにおいて、トラッキングサーボ制御の引き込みを
行う場合、その直前のシークモードの種類に応じて、キ
ックパルス信号のレベルを変更するようにして、引き込
み時間の高速化とサーボ制御の安定性と図るようにして
も良い。
【0205】また、シークモードに限らず、直前で用い
られた速度プロファイルの種類に応じて、第1あるいは
第3の実施形態においてキックパルス信号のレベルを可
変にし、あるいは第2あるいは第3の実施形態において
第1及び第2のモードを切り換えるようにしても良い。
【0206】本発明は第1及び第2の実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能で
ある。
【0207】さらに、第1乃至3の実施形態では、ブレ
ーキパルス信号をブレーキパルス生成回路により生成し
たパルス状の信号として説明したが、これに限定される
ものではない。ブレーキパルス信号は、トラッキングエ
ラー信号TEの逆極性であれば良く、例えばトラッキン
グエラー信号TEの反転信号にすることによって回路規
模の縮小化を図ることが可能となる。
【0208】さらに、例えば、第1乃至3の実施形態の
サーボ制御システムは光ディスク装置に適用されること
が特に望ましいが、それ以外の電子機器に適用すること
も可能である。
【0209】また、サーボ制御システムの構成も、第1
乃至3の実施形態で説明した構成が特に望ましいが、こ
れに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のサーボ制御システムが適用さ
れた光ディスク装置の構成の一例を示すブロック図であ
る。
【図2】第1の実施形態におけるサーボ制御システムの
構成例を示すブロック図である。
【図3】図3(A)、(B)は、RFリップルゼロクロ
ス信号RPZCと、トラッキングエラーゼロクロス信号
TRZCとの位相関係を説明するための説明図を示す説
明図である。
【図4】第1の実施形態におけるサーボ制御システムを
適用した光ディスクの各種信号のタイミングの一例を模
式的に示すタイミング図である。
【図5】第1の実施形態におけるサーボ制御システムを
適用した光ディスク装置において、偏心トラック数ごと
に測定した引き込み時間の測定結果を示す説明図であ
る。
【図6】第2の実施形態におけるサーボ制御システムの
構成例を示すブロック図である。
【図7】偏心カウント回路の構成の概要の一例を示す構
成図である。
【図8】TRZCカウント回路の動作タイミングの一例
を示すタイミング図である。
【図9】第2の実施形態におけるサーボ制御システムに
おいて、第2のモードに切り換えられたときの動作タイ
ミングの一例を示すタイミング図である。
【図10】第3の実施形態におけるサーボ制御システム
の構成例を示すブロック図である。
【図11】目標速度生成回路が有する速度プロファイル
の一例を模式的に示す説明図である。
【図12】移動速度検出回路の移動速検出の原理を説明
するための説明図である。
【図13】サーボ制御の引き込みの様子を説明するため
の説明図である。
【符号の説明】
10 光ディスク 12 ディスクモータ 14 光ピックアップ 18 キャリッジ20 フィードモータ 22 対物レンズ26 フォーカスアクチュエータ 28 トラッキングアクチュエータ 30 信号生成部 32 復調部 34 フォーカスサーボ制御部 36 フォーカスアクチュエータ駆動部 38 トラッキングサーボ制御部 40 トラッキングアクチュエータ駆動部 42 フィードサーボ制御部 44 フィードモータ駆動部 46 ディスクサーボ制御部 48 ディスクモータ駆動部 50、200、300 制御部 60、330 トラッキングイコライザ 62 PI補償器 64 D補償器66、86 バッファ 70、74 加算器 72 ブレーキパルス生成回路 82 フィードイコライザ 84 PD補償器 90、204、340 シーケンス制御回路 92 方向検出回路 94 ブレーキタイミング生成回路 100 光スポット 202 偏心カウント回路 208 TRZCカウント回路 210 MAX検出回路 212 偏心カウント値レジスタ 310 トラックカウント回路 312 移動速度検出回路 314 目標速度生成回路 318 速度誤差検出回路 brakeen ブレーキイネーブル信号 brakeout ブレーキパルス信号 FDO フィード制御出力信号 FE フォーカスエラー信号 movdir 移動方向指示信号 RFRP RFリップル信号 RPZC RFリップルゼロクロス信号 seek シーク信号 SYDATA 同期データ SYSCLK 同期クロック TE トラッキングエラー信号 trccel トラックキャンセル信号 TRO トラッキング制御出力信号 tron トラッキング制御オン信号 TRZC トラッキングエラーゼロクロス信号

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピックアップの制御を行うサーボ制御シ
    ステムであって、 前記ピックアップからのトラッキングエラー信号に基づ
    いて生成したトラッキング制御信号にしたがって、前記
    ピックアップがトラックに追従するようにトラッキング
    制御を行うトラッキングサーボ制御手段と、 前記ピックアップのオントラック位置への引き込み方向
    が前記ピックアップの加速方向である場合に、前記トラ
    ッキングエラー信号に基づくトラッキング制御を無効化
    する手段と、 所与のレベルのブレーキ信号を生成するブレーキ信号生
    成手段と、 を含み、 前記引き込み方向が前記ピックアップの加速方向である
    場合に、前記ブレーキ信号に基づいて前記トラッキング
    制御が行われることを特徴とするサーボ制御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記トラッキング制御信号に基づいて生成したフィード
    制御信号にしたがって、フィード制御を行うフィード制
    御手段を含み、 前記引き込み方向が前記ピックアップの加速方向である
    場合に、前記トラッキング制御信号として前記ブレーキ
    信号が用いられることを特徴とするサーボ制御システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかにおいて、 前記トラッキングエラー信号の2値化信号の立ち上がり
    及び立ち下がりエッジと、前記ピックアップによって検
    出された再生信号のリップル信号との位相関係に基づい
    て生成されるタイミングに基づいて、前記ピックアップ
    のオントラック位置への引き込み方向が前記ピックアッ
    プの加速方向であるか否かを判別する手段を含むことを
    特徴とするサーボ制御システム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 前記ブレーキ信号生成手段は、前記再生信号のリップル
    信号の2値化信号の立ち上がりエッジと、前記トラッキ
    ングエラー信号の2値化信号との位相関係に基づいて、
    前記ピックアップの引き込み方向に応じた極性のブレー
    キ信号を生成することを特徴とするサーボ制御システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、 前記ブレーキ信号のレベルを変化させる手段を含むこと
    を特徴とするサーボ制御システム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかにおいて、 トラックが形成されるディスクの偏心度に対応した偏心
    カウント数を計数する計数手段と、 前記ピックアップのオントラック位置への引き込み方向
    が前記ピックアップの加速方向である場合に前記トラッ
    キングエラー信号に基づくトラッキング制御を無効化し
    て前記ブレーキ信号に基づいてトラッキング制御を行う
    第1のモードと、前記引き込み方向が前記ピックアップ
    の加速方向である場合に前記トラッキングサーボ制御を
    無効化する第2のモードとを、前記計数手段の計数結果
    に応じて切り換える手段と、 を含むことを特徴とするサーボ制御システム。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記計数手段は、一定周期内で前記トラッキングエラー
    信号の2値化信号のパルス数を計数することを特徴とす
    るサーボ制御システム。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至5のいずれかにおいて、 前記ピックアップのオントラック位置への引き込み方向
    が前記ピックアップの加速方向である場合に前記トラッ
    キングエラー信号に基づくトラッキング制御を無効化し
    て前記ブレーキ信号に基づいてトラッキング制御を行う
    第1のモードと、前記引き込み方向が前記ピックアップ
    の加速方向である場合に前記トラッキング制御を無効化
    する第2のモードとを、速度プロファイルによって指定
    される前記ピックアップの移動速度に応じて切り換える
    手段を含むことを特徴とするサーボ制御システム。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至5のいずれかにおいて、 前記ピックアップのオントラック位置への引き込み方向
    が前記ピックアップの加速方向である場合に前記トラッ
    キングエラー信号に基づくトラッキング制御を無効化し
    て前記ブレーキ信号に基づいてトラッキング制御を行う
    第1のモードと、前記引き込み方向が前記ピックアップ
    の加速方向である場合に前記トラッキング制御を無効化
    する第2のモードとを、直前に行われたシーク制御の種
    類に応じて切り換える手段を含むことを特徴とするサー
    ボ制御システム。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかにおいて、 前記ブレーキ信号は、前記トラッキングエラー信号の極
    性反転信号であることを特徴とするサーボ制御システ
    ム。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか記載のサ
    ーボ制御システムと、 前記ピックアップと、 前記ピックアップがディスクのトラックに追従するよう
    に、前記ピックアップを移動させるトラッキングアクチ
    ュエータと、 前記ピックアップを搭載するキャリッジをディスクの半
    径方向に移動させるフィードモータと、 前記トラッキング制御手段の制御下で、前記トラッキン
    グアクチュエータを駆動するトラッキングアクチュエー
    タ駆動手段と、 前記フィード制御手段の制御下で、前記フィードモータ
    を駆動するフィードモータ駆動手段と、 を含むことを特徴とする情報再生装置。
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