JP2002150549A - 磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法 - Google Patents
磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法Info
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Abstract
カリイオン溶出を防止して、特に高温高湿下での信頼性
を向上させる。 【解決手段】 磁気ディスク用ガラス基板を、50℃以
上100℃以下の温水に24時間以上100時間以下浸
漬することによってアルカリイオン溶出の少ない表面と
する。耐圧容器を用いて、温水温度を120℃以上18
0℃以下とすると時間を30分〜24時間に短縮でき
る。
Description
憶装置に使用される磁気ディスク用ガラス基板の製造方
法および磁気ディスクの製造方法に関するものである。
報を磁気的に記録する磁気ディスクがコンピューターの
外部記憶装置を始めとして広く用いられている。磁気デ
ィスク装置とは、回転する磁気ディスクと可動形ヘッド
を組み合わせたものである。
ら、磁気ディスク装置においては、急激な高記憶密度化
が進んでいる。磁気ディスク装置は高速回転する記憶媒
体(ディスク)上を、ヘッドを僅かに浮上させて走査さ
せることによってランダムアクセスを実現しているが、
高記憶密度と高速アクセスを両立させる為には、磁気デ
ィスク回転数を上げることと磁気ディスクとヘッドの間
隔(ヘッド浮上量)を小さくすることが求められる。
i−Pめっきを施した基板が主流であったが、高剛性で
高速回転させても変形しづらく表面の平滑性の高いガラ
ス基板が使われる様になって来た。
るガラス材料には、溶融点を下げてガラス化や成形性を
良くする為にアルカリ金属が数〜十数%添加されてい
る。ところがこれらアルカリ金属は、原子半径が小さく
てマイグレーションし易いので、徐々に表面に析出して
大気中の二酸化炭素やハロゲンと結合して炭酸塩や塩化
物として析出する。
り、磁気ディスクの直接のエラー原因となったり、磁気
ディスク装置のヘッドに移着して浮上を妨げたり腐食さ
せたりして信頼性を悪くする原因となる。特開平10−
226539号公報において、硝酸ナトリウムと硝酸カ
リウムの溶融塩に浸漬する化学強化処理の後に、温水に
2〜6時間浸漬して洗浄し、さらに100℃〜300℃
の熱濃硫酸に浸漬するアルカリイオン封止処理が提案さ
れているが、熱濃硫酸に浸漬するとガラス表面のアルカ
リイオンは確かに激減するが、ガラス骨格も破壊されて
かえってアルカリイオンが移動し易くなり、アルカリイ
オン溶出量が増大してしまうことが判った。
ー発生率が低く、信頼性の高い磁気ディスク用ガラス基
板および磁気ディスクを製造する方法を提供することを
目的とする。
ために、本発明の第1の態様は、ガラス基板からのアル
カリイオンの溶出が防止される磁気ディスク用ガラス基
板の製造方法であって、該製造方法は磁気ディスク用ガ
ラス基板を温水に浸漬処理する工程を含み、該浸漬処理
後のガラス基板は表面粗さが実質的に損なわれないこと
を特徴とする。
ディスク用ガラス基板を50℃以上100℃以下の温水
に24時間以上100時間以下浸漬することが好まし
い。あるいは、磁気ディスク用ガラス基板を耐圧容器を
用いて、120℃以上180℃以下の温水に30分〜2
4時間浸漬することが好ましい。
ク用ガラス基板は前記製造方法により製造されることを
特徴とする。
クは前記磁気ディスク用ガラス基板を具えることを特徴
とする。
ク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法について
詳細に説明する。
100℃以下の温水に、12時間以上100時間以下、
好ましくは24時間以上100時間以下、より好ましく
は24時間以上80時間以下浸漬することによって熱濃
硫酸処理無しにアルカリイオン溶出を防止することがで
きる。効果は温水の温度が高い方が又時間が長い方が有
効であるが、100時間を超えると温水であってもガラ
ス骨格の溶出が起こり表面の荒れが発生する。50℃以
下では100時間浸漬しても十分なアルカリイオン溶出
防止効果が得られない。常圧では水の沸点100℃が温
度の上限となる。
漬する温水の温度を120℃以上とすると処理時間を短
縮することができる。120℃以上200℃以下で30
分以上24時間以下、好ましくは120℃以上180℃
以下で30分以上24時間以下、より好ましくは120
℃以上180℃以下で30分以上15時間以下とするこ
とができる。200℃を超えるとガラス骨格の溶出が起
こり、表面の荒れが発生する。又120〜180℃の範
囲でも24時間以上浸漬すると、やはりガラス骨格の溶
出が起こり表面が荒れてしまう。
ガラス基板上に、下地層、磁性層、保護層、潤滑剤層等
を順次積層することにより製造する。
に影響させて磁性特性を向上させることと、基板からの
有害元素(例えばアルカリ金属)の磁性層への拡散を防
ぐ目的で形成される層である。Cr、Mo、Ta、T
i、W、V、B、Al等の非磁性金属あるいはそれらを
含む非磁性合金が単層あるいは多層で用いられる。
にCoCr系、CoPr系、CoCrTa系等の2〜5
元系が単層あるいは非磁性層と組み合わせた多層で使わ
れている。この他、フェライト系や鉄系などの強磁性材
料の適用が考えられる。高記憶密度化へ対応する為に、
高保磁力であると共に、磁区を微細化する為に粒界に非
磁性組成が偏析する様な材料設計もなされている。
耗や腐蝕性ガスから磁性層を保護する層である。一般的
にスパッタ法やCVD法を用いてC膜、C−N膜等が用
いられる。その他ジルコニア膜やシリカ膜等の硬質セラ
ミック膜でも良く、成膜法も蒸着法の他に有機金属をア
ルコールで希釈塗布して焼成する所謂ゾル−ゲル法を用
いても良い。
耗から保護層と共に摩擦抵抗を軽減する層である。一般
的にはパーフルオロポリエーテルをフッ素系溶媒で希釈
して、ディッピング法やスピンコート法にて、0.1〜
0.5nm程度の膜厚に塗布される。
されるならば、上記の下地層、保護層、潤滑層の3層は
必須ではなく、また基板に磁気記録の機能があれば磁性
層も必要ないが、現状では上記4層に機能分離して所定
の性能を達成している。
が、基板がガラスである他の情報記録媒体にも本願の温
水処理は有効である。
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の範囲内において種々の変更が当業者
にとって可能であることは容易に理解されるであろう。
間浸漬して化学強化を行なったアルミノシリケート系ガ
ラス基板を、酸化セリウム及びコロイダルシリカを用い
て表面粗さRa=0.3〜0.5nmに研磨した。その
後中性洗剤とPVAスポンジを用いた擦り洗い、アルカ
リ洗浄液(花王製 KS3030 2%,45℃)への
浸漬洗浄(5分間)を行ない、18MΩ以上の超純水を
用いて十分に濯ぎ、IPA蒸気乾燥を行ない、清浄なガ
ラス基板を得た。
間浸漬する処理を行った。φ65mmの基板25枚に2
500mlの純水(25℃で18MΩ)を用いた。
水に30時間浸漬する処理を行った以外は実施例1と同
様の手順に従った。
を温度140℃の温水に2時間浸漬する処理を行った以
外は実施例1と同様の手順に従った。
を温度180℃の温水に1時間浸漬する処理を行った以
外は実施例1と同様の手順に従った。
製、洗浄を行ったが、温水処理を行わなかった。
水に120時間浸漬する処理を行った以外は実施例1と
同様の手順に従った。
水に120時間浸漬する処理を行った以外は実施例1と
同様の手順に従った。
を温度120℃の温水に30時間浸漬する処理を行った
以外は実施例1と同様の手順に従った。
を温度200℃の温水に30分浸漬する処理を行った以
外は実施例1と同様の手順に従った。
水に6時間浸漬する処理を行い、さらに150℃の熱濃
硫酸に1時間浸漬した以外は実施例1と同様の手順に従
った。
ら6の条件を表1にまとめて記す。
浄液(花王製 KS3030 2%,45℃)への浸漬
洗浄(5分間)、18MΩ以上の超純水を用いた十分な
濯ぎ、IPA蒸気乾燥を行なった後に、スパッタ法を用
いてNi−Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt
系磁性層、C保護層を順次形成し、ディップコート法を
用いてフッ素系液体潤滑剤を塗布して、磁気ディスク媒
体とした。
示す。表中、ICPとは、誘導結合プラズマ原子発光分
光分析法を意味し、AFMとは、原子間力顕微鏡法を意
味する。
浮上量を下げる必要があることから、好適な表面粗さを
規定することは困難であるが、好ましくは、Ra=0.
5〜0.1nm、さらにより好ましくはRa=0.3〜
0.1nmである。
ら6の評価結果を表3に示す。
溶出量が減ったことにより、80℃80%1000時間
放置後にもエラー個数の増加は見られない。
カリ腐蝕(炭酸塩,塩化物の析出)が発生して、放置に
よってエラー数が増加した。
時間が長すぎて表面の荒れが発生してしまい、ヘッド浮
上が不安定となりエラー個数が最初から多くなってしま
った。
理時間を長くしても十分なアルカリ腐蝕防止効果が得ら
れず放置によってエラー個数が増加した。
で処理する方法としては、長時間浸漬したので、表面粗
さが増大してしまい。ヘッド浮上が不安定となり放置前
からエラー個数が多くなってしまった。
ガラス表面を荒してしまい、表面粗さが大きくなってヘ
ッド浮上が不安定となり、放置前からエラー個数が多く
なった。
粗さが大きくかつアルカリイオン溶出量の多い表面とな
ってしまい、放置前からエラー個数が多い上に放置によ
ってさらに増大してしまった。
いが、高温高湿下でアルカリイオンのマイグレーション
がより顕著であることに鑑み、高温水での処理によって
基板表面にマイグレーションしうる範囲のガラス基板中
のアルカリイオンを予め溶出させて除去することによ
り、磁気ディスクのエラー発生率を増大させるアルカリ
イオンの溶出量を低減することができると考えられる。
濃硫酸に浸漬処理することによっても、ガラス基板中の
アルカリイオンを溶出させることができるが、表面粗さ
が増大し、ガラス骨格をも破壊するため、却ってアルカ
リイオンが移動しやすくなり経時的なエラー発生率も増
大するものと考えられる。本発明の処理を用いると、濃
硫酸を用いる方法と異なり、実質的に表面粗さを損なう
こともないことがわかった。
湿下でのガラス基板のアルカリ腐蝕を防ぐことを可能と
し、信頼性の高い、磁気ディスクを提供することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 ガラス基板からのアルカリイオンの溶出
が防止される磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であ
って、該製造方法は磁気ディスク用ガラス基板を温水に
浸漬処理する工程を含み、該浸漬処理後のガラス基板は
表面粗さが実質的に損なわれないことを特徴とするガラ
ス基板の製造方法。 - 【請求項2】 前記浸漬処理は、50℃以上100℃以
下の温水に24時間以上100時間以下浸漬するもので
あることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用
ガラス基板の製造方法。 - 【請求項3】 前記浸漬処理は、耐圧容器を用いて、1
20℃以上180℃以下の温水に30分以上24時間以
下浸漬するものであることを特徴とする請求項1に記載
の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一項に記載の
製造方法により製造されることを特徴とする磁気ディス
ク用ガラス基板。 - 【請求項5】 請求項4に記載の磁気ディスク用ガラス
基板を具えることを特徴とする磁気ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001236996A JP2002150549A (ja) | 2000-09-04 | 2001-08-03 | 磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
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JP2000-267203 | 2000-09-04 | ||
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002150549A true JP2002150549A (ja) | 2002-05-24 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2001236996A Pending JP2002150549A (ja) | 2000-09-04 | 2001-08-03 | 磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2002150549A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017512173A (ja) * | 2014-02-18 | 2017-05-18 | グラス・サーフェス・テクノロジーGlass Surface Technology | ガラスフラスコの内表面を不動態化する方法及び装置、並びにこのような方法によって得られるフラスコ |
US10656168B2 (en) | 2013-12-13 | 2020-05-19 | Ventana Medical Systems, Inc. | Automated processing systems and methods of thermally processing microscope slides |
-
2001
- 2001-08-03 JP JP2001236996A patent/JP2002150549A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10656168B2 (en) | 2013-12-13 | 2020-05-19 | Ventana Medical Systems, Inc. | Automated processing systems and methods of thermally processing microscope slides |
US11567091B2 (en) | 2013-12-13 | 2023-01-31 | Ventana Medical Systems, Inc. | Automated processing systems and methods of thermally processing microscope slides |
JP2017512173A (ja) * | 2014-02-18 | 2017-05-18 | グラス・サーフェス・テクノロジーGlass Surface Technology | ガラスフラスコの内表面を不動態化する方法及び装置、並びにこのような方法によって得られるフラスコ |
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