JP2002148787A - 高周波回路基板用感光性ペーストおよびそれを用いた電子回路基板およびその製造方法 - Google Patents

高周波回路基板用感光性ペーストおよびそれを用いた電子回路基板およびその製造方法

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JP2002148787A
JP2002148787A JP2001260892A JP2001260892A JP2002148787A JP 2002148787 A JP2002148787 A JP 2002148787A JP 2001260892 A JP2001260892 A JP 2001260892A JP 2001260892 A JP2001260892 A JP 2001260892A JP 2002148787 A JP2002148787 A JP 2002148787A
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resin
photosensitive
photosensitive paste
frequency circuit
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Tomoya Yamaho
智也 山舗
Yoshitake Hara
義豪 原
Toshio Yoshimura
利夫 吉村
Nobuo Matsumura
宣夫 松村
Hiroshi Oshita
浩 大下
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波回路用に用いられるセラミックス基板
は、ドリル加工やペースト印刷という方法で回路を作製
するために微細加工度が低いという問題があった。セラ
ミックス基板の加工性を上げるために感光性を付与した
ペーストを用いた場合にも得られたパターンが焼成時に
収縮するので精密なパターン制御が困難であった。 【解決手段】感光性樹脂組成物および無機粒子を含有す
ることを特徴とする高周波回路基板用感光性ペースト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波回路基板材料
として有用な感光性ペーストおよびそれを用いた電子回
路基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話をはじめとした無線通信技術が
急速に発展している。携帯電話に続く無線技術として、
2.4〜5.8GHzのマイクロ波帯を使用した Bluetooth規格
が策定され、本格的に立ち上がりつつある。さらに、高
度交通情報システム(ITS:Intelligent Transport Syst
em)では、30GHz以上のミリ波帯を利用した高周波無線
技術が応用されようとしている。このように使用周波数
帯がますます高周波帯域に移行している。
【0003】従ってこれらの送受信機に使用される高周
波回路基板の材料はGHz帯での誘電損失の小さいもの
でなければならない。誘電損失を小さくするためには誘
電正接(tanδ)が小さくなければならず、高周回路
波用基板材料としてはtanδの小さな材料が必要とな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、高周波用基板材
料としては低誘電正接、低線膨張係数などの特徴を生か
してセラミックスが用いられてきた。しかしながら、セ
ラミックス基板はドリル加工やペースト印刷といった方
法により回路を作製するため、微細加工度が低い点が課
題となっていた。
【0005】一方、特開平5−170517号公報に記
載のような感光性樹脂に無機微粒子を充填した感光性ペ
ーストが既に開発されている。しかしながら耐熱性の低
いアクリル系共重合体を感光性樹脂に用いており、フォ
トリソグラフィー工程で所望のパターンを形成した後、
焼成することでアクリル樹脂を熱分解させて無機パター
ンを得ていたが、これでは焼成時にパターンが収縮し、
精密なパターン制御が困難である欠点を有していたた
め、焼成する必要のない、高周波回路基板に持ちいるこ
とが可能な感光性ペーストが必要とされていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は感光
性樹脂組成物および無機粒子を含有することを特徴とす
る高周波回路基板用感光性ペーストである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】本発明は、パターン形成後に焼成を必要と
することなく高周波回路基板に用いることが可能で、精
密なパターン制御が可能な感光性ペーストを提供するも
のである。
【0009】本発明の感光性ペーストに用いられる感光
性樹脂は、従来から公知の技術で得られた感光性樹脂を
用いることができる。公知の感光性樹脂は活性な光線を
照射することにより不溶化または可溶化するものに大別
できる。
【0010】光不溶化型感光性樹脂組成物の例として
は、(1)1分子に不飽和基などの官能基を1つ以上有
するモノマーやオリゴマーを適当なバインダーポリマー
と混合し、光重合開始剤などを加えたもの、(2)ポリ
マーに感光性基を導入し、光重合開始剤などを加えたも
の、(3)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物な
どの感光性化合物を適当なバインダーポリマーと混合し
たもの、(4)エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤を
含むもの、などがあげられる。
【0011】また、光可溶型感光性樹脂組成物の例とし
ては、(1)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプ
レックス、キノンジアジド類などを適当なポリマーバイ
ンダーと混合したもの、(2)キノンジアジド類を適当
なポリマーバインダーと結合させたもの、などがあげら
れる。
【0012】本発明で用いられる1分子に不飽和基など
を1つ以上官能基を有するモノマーやオリゴマーの具体
例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N
−ビニルピロリドン、アクロイルモルフォリン、メトキ
シポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、フェノキシエチル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレー
ト、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ
(メタ)アクリレートなどを例示することができ、これ
らは単独あるいは混合して使用することができる。
【0013】本発明で用いられるバインダーポリマーの
具体例としてはポリビニルアルコール、ポリ(メタ)ア
クリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリウレタン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、
ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホ
ン、ポリイミドなどを例示することができ、これらは単
独あるいは混合して使用することができる。
【0014】本発明で用いられる感光性ペーストは、光
重合開始剤を含有していてもよく、ベンゾインとそのア
ルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン
類、アントラキノン類、キサントン類、チオキサントン
類等を例示することができ、これらを単独または混合し
て使用することができる。これらの光重合開始剤は安息
香酸系、第三アミン系などの光重合促進剤を併用するこ
とができる。
【0015】本発明で用いられるポリマーに感光性基を
導入したものとしては、グリシジル基を有する(メタ)
アクリレートを含む共重合体に(メタ)アクリル酸を反
応させたもの、さらにそれに酸無水物を反応させたも
の、カルボキシル基を有するポリマーと(メタ)アクリ
レートを有するグリシジル化合物やイソシアネート化合
物を反応させたもの、無水マレイン酸を含む共重合体に
水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーあるいは
グリシジル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを
反応させたものなどがあり、これらを単独または混合し
て用いることができる。
【0016】本発明で用いられる芳香族ジアゾ化合物、
芳香族アジド化合物などの感光性化合物としては、ジア
ゾレジン、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ジ
(4’−アジドベンザル)−4−メチルヘキサノンなど
があり、これらを単独または混合して用いることができ
る。
【0017】本発明で用いられるエポキシ樹脂として
は、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物が好
ましく、そのような化合物として例えばフェノール、ク
レゾール、ハロゲン化フェノール、およびアルキル化フ
ェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応し
て得られるノボラック類とエピクロルヒドリンを反応さ
せて得られるノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアル
デヒド−フェノールあるいはクレゾール型エポキシ樹
脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビ
スフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型または脂
環式グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、ゴム変性エ
ポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、複素環式エポキ
シ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジル
イソシアヌレートなどがあり、これらを単独または混合
して用いることができる。
【0018】本発明で用いられる光カチオン重合開始剤
としてはトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアン
チモネート、ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロア
ンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオ
ロホスフェート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメ
チルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどを用
いることがあり、これらを単独または混合して用いるこ
とができる。
【0019】本発明で用いられるキノンジアジド類とし
ては1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸
類、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸類
などがある。これらと混合されるポリマーバインダーと
してはノボラック型のフェノール樹脂やポリベンゾオキ
サゾール樹脂などがあげられる。
【0020】焼成工程を経ずに充分な耐熱性を有する回
路基板材料を提供するためには、感光性樹脂組成物が充
分な耐熱性を有すことが好ましい。そのため上記感光性
樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。
【0021】熱硬化性樹脂の好ましい具体例としては、
エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウ
レタン樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート
樹脂、液晶ポリマーなどが挙げられるが、より好ましく
はエポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリイミ
ド樹脂、シアネート樹脂から選ばれる少なくとも1種類
を含有するものである。
【0022】また、感光性樹脂自身が熱硬化性であるこ
とも好ましい形態の一つである。その例としてはエポキ
シアクリレート樹脂(エポキシ樹脂に(メタ)アクリル
酸を付加させたもの、さらにそれに酸無水物を反応させ
たもの)、感光性ポリイミド樹脂(ポリイミド前駆体に
(メタ)アクリレート基をエステル結合、イオン結合な
どを介して導入したもの)などがあげられる。
【0023】エポキシアクリレート樹脂はエポキシ樹脂
のエポキシ基にエステル化触媒の存在下で約60〜14
0℃程度の温度範囲でアクリル酸またはメタクリル酸を
反応させてエステル化することにより製造することがで
きる。
【0024】感光性ポリイミド樹脂はテトラカルボン酸
無水物と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を
反応させた後に脱水縮合剤の存在下でジアミン化合物と
反応させる、あるいはポリイミド前駆体(ポリアミド
酸)とアミノ基を有する(メタ)アクリレート化合物を
混合することによって製造することができる。
【0025】本発明において使用される無機粒子として
は特に限定されず、セラミックスなどの無機粒子を用い
ることができる。セラミックス粉末としてはセラミック
ス粉末単独、ガラス−セラミックス複合系、結晶化ガラ
スなどがあげられる。
【0026】セラミックス粉末単独で用いる場合の例と
しては、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO
2)、マグネシア(MgO)、ベリリア(BeO)、ム
ライト(3Al2O3・2SiO2)、コーディライト
(5SiO2・2Al2O3・2MgO)、スピネル
(MgO・Al2O3)、フォルステライト(2MgO
・SiO2)、アノーサイト(CaO・Al2O3・2
SiO2)、セルジアン(BaO・Al2O3・2Si
O2)、シリカ(SiO2)、クエノエンスタタイト
(MgO・SiO2)、窒化アルミニウム(AlN)な
どの粉末があげられる。これらのセラミックス粉末の純
度は90重量%以上であることが好ましい。
【0027】窒化アルミニウム粉末を単独で用いる場合
には、窒化アルミニウム(AlN)に公知の添加剤であ
るカルシウム系化合物(例えばCaC2、CaVO3、
CaCN2、CaF2、CaO)やイットリウム系化合
物(例えばY2O3)を0.5〜20重量%加えた粉末
を用いることができる。また、Y、希土類元素、アルカ
リ土類元素や炭素などの添加物を金属元素換算で0.0
1〜15重量%加えた混合粉末、MgC2、ZrC、V
C、NbCなどの炭化物を1〜5重量%添加した粉末、
BeOなどの酸化物を添加した混合粉末なども使用でき
る。より好ましい添加量は、Y2O3およびBeOの場
合、1〜10重量%、酸化カルシウムの場合、1〜5重
量%、炭素の場合は1重量%以下である。これらの添加
物は単独あるいは二種類以上混合して使用することがで
きる。
【0028】ガラス−セラミックス複合系の例として
は、例えばSiO2、Al2O3、CaO、B2O3、
および必要に応じてMgOおよびTiO2などを含むガ
ラス組成粉末と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、
ベリリア、ムライト、コーディライト、スピネル、フォ
ルステライト、アノーサイト、セルジアン、シリカおよ
び窒化アルミの群から選ばれる少なくとも一種の無機粉
末との原料混合物があげられる。
【0029】ガラス−セラミックス複合系の具体例とし
ては、SiO2−B2O3系ガラス、PbO−SiO2
−Al2O3−B2O3系ガラス、CaO−SiO2−
Al2O3−B2O3系ガラス、などにAl2O3、石
英(SiO2)、ZrO2、コーディライトなどのセラ
ミックス成分を加えたものがあげられる。
【0030】結晶化ガラスの具体例としては、MgO−
Al2O3−SiO2系やLi2O−Al2O3−Si
O2系の結晶化ガラスなどが用いられる。結晶化ガラス
は例えばMgO−Al2O3−SiO2にB2O3と核
形成物質を加えて900〜1000℃に焼成し、コーデ
ィライト結晶を析出させ高強度化を図ったものやLi2
O−Al2O3−SiO2と核形成物質を加え、スポジ
ュメンを析出させ、同じく高強度化を図ったものも使用
させる。
【0031】上記において使用する無機粒子の形状は球
状、楕円状、扁平状、ロッド状または繊維状であっても
よいが、なかでも球状であるものを用いると、樹脂溶液
に分散させた時の粘度上昇が少なく、流動性に優れてお
り、また、高アスペクト比で高精細のビアホールの形成
が可能であるので、球形率80個数%以上の無機粒子を
用いることが好ましい。なお、球形率の測定は以下の通
りに行えばよい。まず、測定対象である粉末を光学顕微
鏡で300倍の倍率にて撮影して計数する。そして、球
形のもの(短径/長径≧0.8)である個数の比率を算
出した値を球形率とする。但し、前記撮影像では、立体
的に球形であることを判別することは困難であることが
多いので、平面画像である前記撮影像で円形のもの(短
径/長径≧0.8)である個数の比率を算出した値であ
る円形率を球形率としてもよい。また、無機粒子は、体
積充填率が大きいものが好ましく、空隙を有しない均一
な成分で充填されていることが好ましい。均一な成分で
充填されている無機粒子とは、粒子内に空隙や中空部分
を持たず、粒子内部が同じ割合で均一に無機成分で満た
されている偏りのない粒子のことである。微小球体内に
空隙や中空部分を持つと、溶媒及び水がトラッピングし
空隙の崩壊が起こりやすく、空隙内のトラッピングした
水は誘電率が80〜90と非常に高く、誘電特性も低下
する。
【0032】無機粒子の平均粒子径は形成パターンの微
細化の程度などに応じて1nm以上1000nm未満、
好ましくは5nm以上500nm未満、更に好ましくは
10nm以上100nm未満の範囲から選択される。微
細なパターンを形成するためには1〜100nmの無機
粒子を含んでいることが好ましいが、これに1μm以上
の無機粒子を共存させることも可能である。誘電正接の
低減効果が表れるのは、無機粒子の平均粒子径が100
nm未満であり、好ましくは1nm以上100nm未満
の無機粒子の範囲から選択される。
【0033】無機粒子の添加量としては、感光性ペース
トの固形分中の30wt%以上80wt%未満、より好
ましくは40wt%以上70wt%未満である。無機粒
子の添加量が30wt%未満では線膨張係数などに対す
る無機粒子を添加した効果が小さく、80wt%以上で
は樹脂中に分散させることが困難であり、また表面粗さ
が増大し、パターン加工性も低下する。感光性ペースト
の固形分とは、感光性ペーストから溶剤などの揮発成分
を除去した量であり、ペーストに含まれる溶媒の沸点程
度の温度で1時間加熱した残分として測定される。ま
た、無機粒子の含有率は、加熱残分をさらに800℃〜
1000℃程度で加熱し有機成分を完全に分解揮発させ
た残分として測定される。
【0034】本発明の感光性ペーストは慣用の方法、例
えば感光性樹脂組成物、無機粒子、溶媒を混合すること
によって調整できる。溶媒としては感光性樹脂組成物を
溶解するものを適宜選択すれば良いが、例えばメチルセ
ルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルエチルケトン、ジ
オキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタ
ノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γ−
ブチロラクトン、トルエン、クロロベンゼン、ベンジル
アルコール、イソホロンなどやこれらのうちの1種以上
を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0035】さらに必要に応じて、安定化剤、増感剤、
増感助剤、光重合促進剤、光架橋剤、熱重合禁止剤、可
塑剤、酸化防止剤、分散剤、沈殿防止剤などを添加し、
ボールミル、アトライター、ロールミル、ニーダー、サ
ンドミルなどの手法で混合し、ペーストを作成する。
【0036】上記によって得られた本発明の感光性ペー
ストは塗布、乾燥し、紫外線で露光される。乾燥後の好
ましいペーストの厚みは10〜200μmであり、これ
より厚いと紫外線が充分透過せず、光硬化の効果が薄れ
る。また、10μm以下だと機械強度が十分に確保でき
ない。
【0037】露光の後、感光層を現像することにより高
解像度のパターンを形成できる。現像には感光性ペース
トの種類に応じて適当な現像液が使用でき、水、アルカ
リ現像液、有機溶媒、またはこれらの混合物などを挙げ
ることができる。現像方法も特に制限されず、例えばパ
ドル法、ディップ法、スプレー法などが採用できる。
【0038】得られたパターンの耐熱性を向上させるた
め、適当な条件で加熱処理をしても良い。加熱は感光性
樹脂組成物の重量減少率が50%以下の条件で行うこと
がパターン形状を保つ上で好ましい。さらには重量減少
率が30%以下の条件で行うことがより好ましい。
【0039】上記のようにして得られた基板に回路を形
成する方法としては、回路となる金属層を基板に付着さ
せる無電解メッキ、または無電解メッキと電解メッキの
組み合わせを挙げることができる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以
下の作業は特に断らない限り全て紫外線遮断の黄色灯室
において行った。
【0041】合成例1 500ml反応容器にフェノールノボラック型エポキシ
樹脂(油化シェル社製、商品名エピコート152、エポ
キシ当量175)175g、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート40gを加え110℃に昇温
した。これにアクリル酸54g、ヒドロキノンモノメチ
ルエーテル0.1g、塩化ベンジルトリエチルアンモニ
ウム0.3gの混合液を約1時間かけて滴下した。滴下
後110℃で約10時間加熱した後60℃に冷却し、無
水テトラヒドロフタル酸116g、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート170gの混合物を添
加した。添加後、約2時間かけて110℃に昇温し、1
10℃で約10時間加熱を続け、アクリルエポキシ樹脂
溶液1−Aを得た。この溶液に2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタ
ノン−1を10g、ペンタエリスリトールヘキサアクリ
レートを5gを加えて、樹脂1−Bとした。
【0042】合成例2 1000mlの4つ口フラスコに2−プロパノールを2
00g仕込み、これをオイルバス中で80℃に保ち窒素
シール、攪拌を行いながらメタクリル酸メチル60gと
スチレン80g、メタクリル酸60gにN.N−アゾビ
スイソブチロニトリル2gを混合してこれを滴下ロート
で30分かけて滴下した。そして、4時間反応を続けた
後、ハイドロキノンモノメチルエーテルを2g添加して
から常温に戻し重合を完了し、この様にして得られたも
のを樹脂2−Aとした。つぎにこの樹脂2−Aを75℃
に保ちながらメタクリル酸グリシジル80gとトリエチ
ルベンジルアンモニウムクロライド6gを添加し3時間
反応させた。この様にして得られたものを樹脂2−Bと
した。ここでメタクリル酸グリシジルの反応率は、反応
前後のポリマ酸価の変化から求めたところ70%であっ
た。したがって付加量は0.73モル当量であった。プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12
5gに樹脂2−Bを60g、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートを30g、2−ベンジル−2−ジメチ
ルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノ
ン−1を12g溶解させ樹脂2−Cとした。
【0043】プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート160gに樹脂2−Bを60gと、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレートを30g、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタノン−1を1.2g溶解させ部分アルキ
ルエーテル化ヘキサメチロールメラミンを30g溶解さ
せたものを樹脂2−Dとした。
【0044】合成例3 1000mlの4つ口フラスコにビス[4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル]スルホン82.2g、ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン2.
49gをN−メチル−2−ピロリドン324gに20℃
で溶解させた。その後、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物31.6g、無水ピロ
メリト酸21.4gを加え、55℃で4時間反応させ
た。その後20℃に冷却し、N−フェニルグリシン6.
93g、ミヒラーズケトン0.14g、メタクリル酸ジ
エチルアミノエチル74.0g、N−メチル−2−ピロ
リドン83.1gを加えて、感光性ポリイミド前駆体組
成物3−Aを得た。
【0045】実施例1〜7、9〜10 合成例1〜3で得られた樹脂1−B、2−C、2−Dお
よび3−Aと球形率80個数%以上の球状である無機粒
子を表1の組成でそれぞれ配合し、3本ロールミルで混
練して無機粒子含有感光性ペーストを得た。
【0046】これら実施例1〜7、9〜10で示したペ
ーストをガラス基板上に塗布、80℃で30分間熱風オ
ーブンにて乾燥し、50μm厚の塗膜を作製した。テス
トパターンのフォトマスクを介して超高圧水銀灯により
露光を行った。露光はi線エネルギーの積算照度計にて
測定した。露光後、炭酸ナトリウム0.4%水溶液(実
施例6はN−メチルピロリドン、キシレン、水を70重
量部、30重量部、10重量部の混合液)により未露光
部が溶解する時間プラス10秒間の現像を行い、感度と
解像度を測定した。
【0047】露光現像した試料とは別にシリコンウェハ
ーにペーストを塗布し、80℃で30分熱風オーブンに
より乾燥させ、その後220℃で1時間硬化を行い、物
性評価を行った。表面の粗度をサーフコム1500A
(東京精密(株)製)にて測定し、また線膨張係数を熱
機械分析(TMA)、誘電率、誘電正接(tanδ)を
LCRメーターにて測定した。
【0048】いずれの実施例でも平滑で均一な膜と高い
パターン加工性が得られ、またその線膨張係数は比較例
と比べて非常に低く、シリコンウェハーの線膨張係数
3.4×10-6/Kに近い値であり、また高周波用回路
基板に用いるに好ましい低い誘電率を有し、誘電正接も
比較例と比べて低い値をとり、高周波回路用の半導体実
装基板として非常に好適な特性であった。
【0049】
【表1】
【0050】比較例1 合成例1で得られた樹脂1−Bをシリコンウェハに塗布
し、80℃で30分熱風オーブンにより乾燥させ、その
後220℃で1時間硬化を行った。得られた膜は線膨張
係数が20×10-6/Kと大きかった。また、誘電正接
は1MHzのとき、0.013であった。
【0051】比較例2 アルミナセラミックス基板のパンチプレスによる穴あけ
を試みたが、直径200μmより小さな径の穴あけは困
難であった。
【0052】比較例3 平均粒径0.8μmのアルミナセラミック粉末60gと
合成例1で得られた樹脂1−A40gを配合し、3本ロ
ールミルで混練して感光性のない無機粒子含有ペースト
を得た。これをシリコンウェハに塗布し、80℃で30
分熱風オーブンにより乾燥させ、その後220℃で1時
間熱処理を行った。得られた膜のパンチプレスによる穴
あけを試みたが、直径200μmより小さな径の穴あけ
は困難であった。
【0053】実施例8、11〜12 平均粒径100nm以上のシリカ粉末と合成例1で得ら
れた樹脂1−Bを表1の組成でそれぞれ配合し、3本ロ
ールミルで混練して無機粒子感光ペーストを得た。
【0054】平滑で均一な膜と高いパターン加工性が得
られ、線膨張係数も低い値が得られた。しかし、誘電正
接に関しては、100nm未満の粒子を配合した時と比
べて高い値を示した。
【0055】実施例13 平均粒径40nm、ナノスケールの多孔性を持つシリカ
粉末49gと合成例1で得られた樹脂1−B51gを配
合し、3本ロールミルで混練して無機粒子感光ペースト
を得た。ガラス基板上に塗布、80℃で30分熱風オー
ブンにより乾燥させ、その後220℃で1時間硬化を行
った。平滑で均一な膜が得られ、線膨張係数も6ppm
と低い値が得られた。
【0056】実施例14〜16 球形率が80個数%未満である平均粒径40nmのシリ
カ粉末と合成例1で得られた樹脂1−Bを表2の組成で
それぞれ配合し、3本ロールミルで混練して無機粒子感
光ペーストを得た。ガラス基板上に塗布、80℃で30
分熱風オーブンにより乾燥させ、その後220℃で1時
間硬化を行った。球形率が80数個%以上のものと比べ
てパターン加工性が低下した。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明は上述のような構成を有すること
により、高周波回路基板用として好適な無機粒子含有感
光性ペーストおよび無機粒子を高含有率で含む樹脂製の
高周波回路基板を得ることが出来、得られた高周波回路
基板はセラミック基板に比較して高い加工性を有し、ま
た一般の樹脂基板に比較して低い線膨張率、高い耐熱性
を有しており、高周波回路基板として非常に好適であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 宣夫 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 大下 浩 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA10 AA13 AB17 AB20 AC01 AD01 BA03 BA06 BC13 BC42 CB29 CB30 CC08 CC17 CC20 FA29 2H096 AA26 AA27 AA30 BA02 BA03 BA05 EA02 HA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光性樹脂組成物および無機粒子を含有す
    ることを特徴とする高周波回路基板用感光性ペースト。
  2. 【請求項2】感光性樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の高周波回路基板用感
    光性ペースト。
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、フェノール
    樹脂、尿素樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれる少なくと
    も1種類を含有することを特徴とする請求項1記載の高
    周波回路基板用感光性ペースト。
  4. 【請求項4】無機粒子が均一な成分で充填されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の高周波回路基板用感光性
    ペースト。
  5. 【請求項5】無機粒子の平均粒子径が1〜1000nm
    であるものを含有することを特徴とする請求項1記載の
    高周波回路基板用感光性ペースト。
  6. 【請求項6】無機粒子の平均粒子径が1〜100nmで
    あるものを含有することを特徴とする請求項1記載の高
    周波回路基板用感光性ペースト。
  7. 【請求項7】無機粒子の形状が、球形率80個数%以上
    の球状であることを特徴とする請求項1記載の高周波基
    板用感光性ペースト。
  8. 【請求項8】無機粒子の含有率が、樹脂固形分に対して
    30wt%以上80wt%未満であることを特徴とする
    請求項1記載の高周波回路用感光性ペースト。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか記載の感光性ペー
    ストを用いた電子回路基板。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれか記載の感光性ペ
    ーストを基材に塗布し、露光し、現像して所定のパター
    ンを形成し、感光性樹脂組成物の重量減少率が50%以
    下の条件で加熱処理し、金属配線層を形成することを特
    徴とする電子回路基板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014219636A (ja) * 2013-05-10 2014-11-20 パナソニック株式会社 紫外線硬化性シート材料、紫外線硬化性ドライフィルム、紫外線硬化性ビルドアップ用絶縁材料

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