JP2002147247A - ターボチャージャ用回転支持装置 - Google Patents

ターボチャージャ用回転支持装置

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JP2002147247A JP2000348904A JP2000348904A JP2002147247A JP 2002147247 A JP2002147247 A JP 2002147247A JP 2000348904 A JP2000348904 A JP 2000348904A JP 2000348904 A JP2000348904 A JP 2000348904A JP 2002147247 A JP2002147247 A JP 2002147247A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低振動で優れた応答特性を有するターボチャ
ージャ用回転支持装置を実現する。 【解決手段】 回転軸を支持する玉軸受25に組み込む
保持器14aを、密度が5×103kg/m3以下の金属製と
する。又、この保持器14aの軸方向に関する幅wを玉
13の外径dの1.3〜1.8倍とすると共に、同じく
径方向に関する厚さtをこの玉13の外径dの0.15
〜0.42倍とする。又、必要に応じて、上記保持器1
4aの熱伝導率を5〜220W/(m・℃)に規制する。
この結果、上記玉軸受25の回転抵抗の低減を図りつ
つ、この玉軸受25の潤滑及び冷却性能の向上を図れ、
上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のターボチャージャ用
回転支持装置は、例えば自動車用エンジンの出力を向上
させる為のターボチャージャに組み込み、タービンとイ
ンペラとを接続する回転軸をハウジングに対し、回転自
在に支持する為に利用する。特に本発明は、回転軸を支
持する玉軸受の回転抵抗の低減化を図りつつ、この玉軸
受の冷却及び潤滑性能の向上を図り、低振動で優れた応
答特性(レスポンス)を有するターボチャージャ用回転
支持装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンの出力を排気量を変えずに増大
させる為、エンジンに送り込む空気を排気のエネルギに
より圧縮するターボチャージャが、広く使用されてい
る。このターボチャージャは、排気のエネルギを、排気
通路の途中に設けたタービンにより回収し、このタービ
ンをその端部に固定した回転軸により、給気通路の途中
に設けたコンプレッサのインペラを回転させる。このイ
ンペラは、エンジンの運転に伴って数万乃至は十数万mi
n-1 (r.p.m.)の速度で回転し、上記給気通路を通じて
エンジンに送り込まれる空気を圧縮する。
【0003】図6〜7は、この様なターボチャージャの
1例を示している。このターボチャージャは、排気流路
1を流通する排気により、回転軸2の一端(図6の左
端)に固定したタービン3を回転させる。この回転軸2
の回転は、この回転軸2の他端(図6の右端)に固定し
たインペラ4に伝わり、このインペラ4が給気流路5内
で回転する。この結果、この給気流路5の上流端開口か
ら吸引された空気が圧縮されて、ガソリン、軽油等の燃
料と共にエンジンのシリンダ室内に送り込まれる。この
様なターボチャージャの回転軸2は、数万〜十数万min
-1 もの高速で回転し、しかも、エンジンの運転状況に
応じてその回転速度が頻繁に変化する。従って、上記回
転軸2は、軸受ハウジング6に対し、小さな回転抵抗で
支持する必要がある。
【0004】この為に従来から、上記軸受ハウジング6
の内側に上記回転軸2を、第一、第二の玉軸受7、8に
より、回転自在に支持している。これら第一、第二の玉
軸受7、8は、図8に示す様なアンギュラ型玉軸受であ
って、これら第一、第二の玉軸受7、8の構成は、基本
的には同じである。但し、これら両玉軸受7、8のう
ち、高温の排気が流通する排気流路1に近く、温度上昇
が著しい第一の玉軸受7の潤滑条件は、低温の空気が流
通する給気流路5に近く、温度上昇がそれ程著しくはな
い、第二の玉軸受8に比べて厳しい。
【0005】この様な第一、第二の玉軸受7、8は、内
周面に外輪軌道9を有する外輪10と、外周面に内輪軌
道11を有する内輪12と、これら外輪軌道9と内輪軌
道11との間に転動自在に設けられた複数個の玉13、
13とを備える。又、これら各玉13、13は、円環状
の保持器14に設けた複数のポケット15内に、それぞ
れ1個ずつ転動自在に保持している。又、図示の例の場
合には、上記内輪12を、片側の肩部をなくした、所謂
カウンタボアとしている。又、上記保持器14の外周面
を、上記外輪10の内周面に近接対向させる事により、
この保持器14の直径方向位置をこの外輪10により規
制する、外輪案内としている。
【0006】この様な第一、第二の玉軸受7、8のうち
の第一の玉軸受7は、上記外輪10を、前記軸受ハウジ
ング6の一端部(図6〜7の左端部)に内嵌すると共
に、上記内輪12を上記回転軸2の一端部に外嵌固定す
る事により、この回転軸2の一端部を上記軸受ハウジン
グ6に対し、回転自在に支持している。一方、上記第二
の玉軸受8は、外輪10を軸受ハウジング6の他端部
(図6〜7の右端部)に内嵌すると共に、内輪12を上
記回転軸2の他端部に外嵌固定する事により、この回転
軸2の他端部を上記軸受ハウジング6に対し、回転自在
に支持している。又、上記第一、第二の玉軸受7、8を
構成する1対の外輪10、10には、圧縮ばね16によ
り互いに離れる方向の弾力を付与している。即ち、これ
ら両外輪10、10の互いに対向する端面にそれぞれ押
圧環17、17を突き合わせ、これら両押圧環17、1
7同士の間に上記圧縮ばね16を挟持している。従っ
て、上記第一、第二の玉軸受7、8は、互いに接触角の
方向を逆にした状態{背面組み合せ(DB)型}で組み
込まれている。
【0007】更に、上記軸受ハウジング6を納めたケー
シング18内に給油通路19を設け、この軸受ハウジン
グ6並びに上記第一、第二の玉軸受7、8を、冷却及び
潤滑自在としている。即ち、ターボチャージャを装着し
たエンジンの運転時に潤滑油は、上記給油通路19の上
流端に設けたフィルタ20により異物を除去されて、上
記ケーシング18の内周面と上記軸受ハウジング6の外
周面との間に設けた、円環状の隙間空間21に送り込ま
れる。尚、この隙間空間21は、上記軸受ハウジング6
とケーシング18との嵌合を隙間嵌にする事により設け
ている。そして、この隙間空間21を上記潤滑油で満た
す事により、上記軸受ハウジング6の外周面と上記ケー
シング18の内周面との間に全周に亙って油膜(オイル
フィルム)を形成し、これらケーシング18及び軸受ハ
ウジング6を冷却すると共に、上記回転軸2の回転に基
づく振動を減衰する、オイルフィルムダンパを構成して
いる。更に、上記隙間空間21に送り込まれた潤滑油の
一部は、上記外輪10に隣接する押圧環17に設けたノ
ズル孔22から、上記第一の玉軸受7を構成する内輪1
2の外周面に向け、径方向外方から斜めに噴出し、この
第一の玉軸受7を冷却及び潤滑(オイルジェット潤滑)
する。この様にして第一の玉軸受7に送り込まれた潤滑
油は、この第一の玉軸受7の他、上記第二の玉軸受8も
冷却及び潤滑してから、排油口23より排出される。
【0008】尚、図示の例の場合、軸受ハウジング6の
内周面と第一、第二の玉軸受7、8の外周面との間に
も、それぞれ隙間空間24、24が存在している。そし
て、これら各隙間空間24、24にも上記潤滑油が満た
されており、上記回転軸2の回転に基づく振動の減衰を
図っている。又、図示は省略するが、軸受ハウジングと
ケーシングとを一体に形成する場合もある。この様な場
合は、少なくとも何れかの玉軸受の外周面と軸受ハウジ
ング(ケーシング)の内周面との間に隙間空間を設け、
この隙間空間を上述の様に潤滑油で満たす事により、回
転軸の回転に基づく振動の減衰を図る。又、この隙間空
間に送り込まれた潤滑油の一部を上記玉軸受に向けて送
り込む事により、この玉軸受の冷却及び潤滑を行なう。
【0009】ところで、上述の様なターボチャージャ用
回転支持装置の運転時に前記タービン3は、最高で10
00℃近くの排気ガスに曝される。この為、前記回転軸
2を支持する第一、第二の玉軸受7、8、特にタービン
3側の第一の玉軸受7は、潤滑油による冷却が行なわれ
ていても、200℃程度の高温となる場合がある。しか
も、エンジンの急停止時には、上記回転軸2の回転中に
も拘わらず、潤滑油が上記各玉軸受7、8に送り込まれ
なくなる場合(ヒートソークバック)があり、この様な
場合に、上記第一の玉軸受7の温度が250℃近くに上
昇する可能性もある。
【0010】この様な高温環境で使用する第一、第二の
玉軸受7、8を構成する保持器14として、例えば実公
平8−9452号公報には、耐熱性の合成樹脂により造
られた保持器の発明が記載されている。この様な合成樹
脂は密度が小さい(ポリイミド樹脂の密度=1.4×1
3kg/m3程度)為、保持器を軽量にでき、この保持器及
び各玉に加わる荷重の低減化を図れる。この為、これら
保持器及び玉が破損しにくくなると共に、上記第一、第
二の玉軸受7、8の回転抵抗を低減できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、ター
ボチャージャの高効率化を図る為に、回転軸2の回転速
度が高速化する傾向にある。又、第一、第二の玉軸受
7、8の回転抵抗の低減を図り、ターボチャージャの応
答特性を向上させると共に、環境に及ぼす悪影響を少な
くすべく、上記第一、第二の玉軸受7、8に供給する潤
滑油の量を、可及的に少なくする事が行なわれている。
この為、これら第一、第二の玉軸受7、8の保持器14
として、上述の様な合成樹脂製の保持器を使用した場
合、次の様な不都合が生じる可能性がある。
【0012】即ち、この様な合成樹脂は、引張強さが4
5〜90MPa程度、弾性係数(弾性率)が2.4〜4.
8GPa程度と、金属に比べてそれぞれ小さい。言い換え
れば、弾性変形し易く、破損し易い。しかも、上述の様
な潤滑油の低減化を図る場合には、上記第一、第二の玉
軸受7、8が更に高温化する可能性があり、上記合成樹
脂が耐熱性であっても、この様な高温化に伴って、より
弾性変形及び破損し易くなる場合がある。この為、上述
の様な回転軸2の高速化によって、上記保持器14に加
わる遠心力が増大したり、急加減速時に加わる円周方向
の力(玉13、13から加わる力を含む。)が増大した
場合に、この保持器14が容易に弾性変形し、著しい場
合には破損する可能性がある。又、この様に保持器14
が弾性変形した場合、各玉13、13を保持するポケッ
ト15の内径が増大(ポケット15が拡張)し、この保
持器14が径方向並びに軸方向に変位し易くなる。この
為、上記第一、第二の玉軸受7、8から生じる振動(異
音も含む。)が増大すると共に、上記回転軸2の回転精
度が低下する可能性がある。
【0013】尚、この様な振動、延ては回転精度の低下
を防止する為に従来は、上記保持器14の径方向に関す
る厚さtを大きく(厚く)し、この保持器を弾性変形及
び破損しにくくする必要があった。具体的には、上述の
様な合成樹脂製の保持器14の場合には、上記厚さt
を、玉13、13の外径dの0.43〜0.50倍にし
ていた。ところが、この様に保持器14の径方向に関す
る厚さtが大きいと、上記第一、第二の玉軸受7、8に
向けて送り込まれる潤滑油が、冷却及び潤滑すべき部分
に行き渡りにくくなる。例えば、上記第一の玉軸受7で
あれば、内輪12の外周面に向け径方向外方から斜めに
噴出した潤滑油が、上記保持器14の側面に当たり、そ
のままこの玉軸受7外に流失してしまう場合がある。こ
の為、上記第一、第二の玉軸受7、8の潤滑性能が低下
すると共に、これら各玉軸受7、8の温度がより高温化
する可能性がある。この様な潤滑性能の低下や高温化
は、上記第一、第二の玉軸受7、8に、剥離や焼き付き
等の損傷を生じ易くすると共に、耐久性を低下させる原
因となる。尚、この様な潤滑性能の低下や高温化を防止
する為に、上記第一、第二の玉軸受7、8に供給する潤
滑油の量を多くする事も考えられるが、この様に潤滑油
の供給量を多くする事は、上述の様に各玉軸受7、8の
回転抵抗を増大させる等、好ましくない。
【0014】又、上述の様な合成樹脂製の保持器14
は、熱伝導率が0.3〜1.7W/(m・℃) 程度と金属
に比べて低く、この保持器14から熱が逃げにくい。言
い換えれば、この保持器14を効率良く冷却する事が難
しく、上記第一、第二の玉軸受7、8内に熱が溜り易
い。特に、玉13として、熱伝導率が低いセラミック製
のものを使用した場合には、これら各玉13にも熱が溜
り易くなり、上記第一、第二の玉軸受7、8の温度がよ
り上昇(高温化)する可能性がある。この様な高温化
は、上述の様に耐久性を低下させる原因となると共に、
上記保持器14を変形、破損し易くする為、好ましくな
い。尚、この様な場合も、この保持器14の冷却を確保
すべく、上記第一、第二の玉軸受7、8に供給する潤滑
油の量を多くする事が考えられるが、上述の様に好まし
くない。本発明は、この様な事情に鑑みて、回転軸を支
持する玉軸受の回転抵抗の低減化を図りつつ、この玉軸
受の冷却及び潤滑性能の向上を図り、低振動で優れた応
答特性を有するターボチャージャ用回転支持装置を提供
すべく発明したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のターボチャージ
ャ用回転支持装置は、前述した従来から知られているタ
ーボチャージャ用回転支持装置と同様に、一端部にター
ビンを、他端部にインペラを、それぞれ固定した回転軸
を、軸受ハウジングの内側に回転自在に支持する為、こ
の軸受ハウジングの内周面と上記回転軸の外周面との間
に、外輪の内周面に形成した外輪軌道と内輪の外周面に
形成した内輪軌道との間に円環状の保持器により保持さ
れた複数個の玉を転動自在に配置して成る玉軸受を設け
ている。そして、この玉軸受に向けて潤滑油を送り込む
事により、この玉軸受の冷却及び潤滑を行なう様に構成
している。
【0016】特に、本発明のターボチャージャ用回転支
持装置に於いては、上記保持器を、密度が5×103kg/
m3(5g/cm3 )以下の金属製とする。そして、より好ま
しくは、この保持器の軸方向に関する幅を玉の外径の
1.3〜1.8倍とすると共に、同じく径方向に関する
厚さをこの玉の外径の0.15〜0.42倍(更に好ま
しくは、0.20〜0.40倍)とする。又、必要に応
じて、上記保持器の熱伝導率を5〜220W/(m・
℃)、より好ましくは50〜220W/(m・℃)に規制
する。尚、上記密度が5×103kg/m3以下の金属として
は、例えばアルミニウム(Al)合金、マグネシウム(M
g)合金やチタニウム(Ti)合金等が使用可能である。
【0017】
【作用】上述の様に構成する本発明のターボチャージャ
用回転支持装置の場合には、回転軸を支持する玉軸受の
慣性質量の低減による応答性の向上を図りつつ、この玉
軸受の冷却及び潤滑性能の向上を図れる。この為、低振
動で優れた応答特性を有する回転支持装置を実現でき
る。即ち、上記玉軸受に組み込む保持器の密度を、5×
103kg/m3(5g/cm3 )以下としている為、この保持器
の軽量化を図り易い。この為、この保持器及び各玉に加
わる荷重の低減化を図れ、これら保持器及び各玉が破損
しにくくなると共に、上記玉軸受の回転部分の慣性質量
の低減を図れる。しかも、上記保持器を合成樹脂に比べ
て弾性係数や引張強さが大きい金属製としている為、こ
の保持器の軸方向に関する幅や径方向に関する厚さを小
さくしても、弾性変形及び破損を発生しにくくできる。
この為、この保持器の小型化を図り易く、この保持器の
小型化による冷却及び潤滑性能の向上を図れる。
【0018】尚、上記保持器を構成する金属は、引張強
さが150MPa以上、弾性係数が40GPa以上のもの
が、小型、軽量化を図りつつ、耐久性の確保と低振動化
とを図る為には、好ましい。上記引張強さが150MPa
未満の場合には、上記保持器の幅や厚さを小さくする
と、この保持器が破損し易くなって、耐久性を確保しに
くくなる。又、上記弾性係数が40GPa未満の場合に
は、上記保持器の幅や厚さを小さくすると、この保持器
が弾性変形し易くなって、上記玉軸受の振動が増大す
る。
【0019】又、上記保持器の軸方向に関する幅を玉の
外径の1.3〜1.8倍にすると共に、同じく径方向に
関する厚さをこの玉の外径の0.15〜0.42倍(更
に好ましくは、0.20〜0.40倍)にすれば、この
保持器の小型、軽量化を図れ、しかも、上記玉軸受に送
り込む潤滑油の量を少なくした場合でも、この玉軸受の
冷却及び潤滑性能を十分に確保する事ができる。尚、上
記幅が1.8倍を越えたり、厚さが0.42倍を越えた
場合には、保持器の慣性質量が増大して応答性が悪化す
るだけでなく、上記玉軸受に送り込まれる潤滑油が、上
記保持器に阻まれて、潤滑並びに冷却すべき部分に行き
渡りにくくなる。この結果、上記玉軸受が高温化し易く
なって、耐久性が低下する。これに対して、上記厚さが
0.15倍未満の場合には、上記保持器と各玉との接触
面の面圧が増大する。この為、これら保持器と各玉とが
摩耗し易くなると共に、これら各玉から保持器に加わる
荷重が不安定となって、上記玉軸受の振動が増大する。
又、上記幅が1.3倍未満の場合には、上記保持器のリ
ム部の幅が小さくなり過ぎて、この保持器の強度を確保
する事が難しくなる。
【0020】又、上記保持器の熱伝導率を5〜220W
/(m・℃)、より好ましくは50〜220W/(m・℃)
に規制すれば、合成樹脂に比べて約10倍以上の熱伝導
率を確保でき、上記玉軸受の冷却性能の向上を図れる。
即ち、上記保持器から潤滑油に熱が伝わり易くなり(上
記保持器から熱が逃げ易くなり)、上記玉軸受の温度上
昇を抑えられる。特に、熱伝導率の小さいセラミック製
の玉を使用する場合や、上記玉軸受に送り込む潤滑油の
量を低減化する場合でも、この玉軸受の冷却性能を十分
に確保できる。尚、上記熱伝導率が5W/(m・℃)未満
の場合には、上記保持器から熱が逃げにくくなって、上
記玉軸受の温度が上昇し易くなる(高温化する)。これ
に対して、上記熱伝導率が220W/(m・℃)を越えた
場合には、上記保持器と各玉との温度差が過大になり、
これら各玉の転動面と保持器のポケット面との距離が近
くなる(玉の遊び量が減少する)。この結果、上記ポケ
ット面と各玉の転動面との当り(接触面積)が大きくな
って、上記玉軸受の振動が増大する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の1
例を示している。尚、本発明の特徴は、ターボチャージ
ャ用回転支持装置に組み込む玉軸受25のうち、主にこ
の玉軸受25を構成する保持器14aの形状及び構造を
工夫する事により、この回転支持装置の低振動化と応答
特性の向上とを図る点にある。上記ターボチャージャ用
回転支持装置の全体構成に就いては、前述の図6〜7に
示した構造を含み、従来から知られている回転支持装置
と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明
は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を
中心に説明する。
【0022】本例のターボチャージャ用回転支持装置を
構成する上記玉軸受25(図6〜7に示す、第一、第二
の玉軸受7、8に相当する)は、内周面に外輪軌道9を
有する外輪10と、外周面に内輪軌道11を有する内輪
12と、これら外輪軌道9と内輪軌道11との間に転動
自在に設けられた複数個の玉13とを備える。又、これ
ら各玉13は、もみ抜き保持器等の、円環状の保持器1
4aに設けた複数のポケット15内に、それぞれ1個ず
つ転動自在に保持している。又、図示の例の場合には、
上記内輪12を、片側の肩部をなくした、所謂カウンタ
ボアとしている。又、上記保持器14aの外周面を、上
記外輪10の内周面に近接対向させる事により、この保
持器14aの直径方向位置をこの外輪10により規制す
る、外輪案内としている。
【0023】又、本例の場合には、上記外輪10及び内
輪12を、耐熱性を有する鉄系合金により構成してい
る。この様な耐熱性を有する鉄系合金としては、0.7
〜1.5重量%のSiと、0.5〜2.0重量%のCrと、
0.5〜2.0重量%のMoとを含み、表面に浸炭窒化処
理を施したものが好ましいが、これに限定されず、高温
焼き戻しした軸受鋼やステンレス鋼、M50(AISI
規格)等の耐熱鋼を使用しても良い。又、上記各玉13
は、セラミック製としている。この様なセラミックとし
ては、窒化珪素(Si3 N4)の粉末に焼結助材を15重量
%以下含有させ、50気圧以上で加圧焼結したものが好
ましいが、800MPaを越える曲げ強度を得られるので
あれば、常圧焼結のものでも良い。又、この様な窒化珪
素以外でも、炭化珪素、ジルコニア、アルミナ、或は、
これらを複合させた複合セラミック等を使用しても良
い。又、この様なセラミックに比べて放熱性の良い(熱
伝導率が大きい)鉄系合金、例えば上述のM50等の耐
熱鋼製の玉13を使用しても良い。
【0024】更に、本例の場合は、上記保持器14a
を、密度が5×103kg/m3(5g/cm3)以下の金属製と
している。尚、この様な密度が5×103kg/m3以下の金
属としては、例えばアルミニウム(Al)合金、マグネシ
ウム(Mg)合金、チタニウム(Ti)合金等の非鉄系合金
が使用可能である。
【0025】より具体的には、上記アルミニウム合金と
しては、3.9〜5.0重量%のCuを添加したJIS2
014系合金、11.0〜13.5重量%のSiと、0.
5〜1.3重量%のCuと、0.8〜1.3重量%のMgと
を添加したJIS4032系合金、0.45〜0.9重
量%のMgと、0.2〜0.6重量%のSiとを添加したJ
IS6063系合金、2.1〜2.9重量%のMgと、
5.1〜5.6重量%のZnと、1.2〜2.0重量%の
Cuとを添加したJIS7075系合金(超々ジュラルミ
ン)等が望ましい。
【0026】又、上記マグネシウム合金としては、3.
5〜5.0重量%のAlと、0.5〜1.5重量%のSiと
を添加したAS41系合金(ASTM規格)、9.3〜
9.7重量%のAlと、0.35〜1.0重量%のZnとを
添加したAZ91系合金(ASTM規格)、7.5〜
9.2重量%のAlを添加したAZ80系合金(ASTM
規格)等が望ましい。
【0027】又、上記チタニウム合金としては、純チタ
ン(Ti)(本明細書では、純チタンもチタニウム合金に
含む。)でも良いが、5.5〜6.75重量%のAlと、
3.5〜4.5重量%のバナジウム(V)とを添加した
Ti−6Al−4V系合金が、強度的に優れている為、より
好ましい。
【0028】又、上記アルミニウム合金やマグネシウム
合金を使用する場合には、陽極酸化系の表面処理を施し
て表面硬度を向上させたり、Ag、Pb等の軟質金属皮膜
を、めっきやPVD(物理的気相蒸着法)により形成し
ても良い。又、上記チタニウム合金を使用する場合に
は、窒化処理を施して、表面硬度を向上させても良い。
又、後述する実施例で示す様なアルミニウム合金、チタ
ニウム合金やマグネシウム合金も、使用可能である。
【0029】又、本例の場合は、上記保持器14aの軸
方向に関する幅wを上記玉13の外径dの1.3〜1.
8倍{w=(1.3〜1.8)d}とすると共に、同じ
く径方向に関する厚さtをこの玉13の外径dの0.1
5〜0.42倍{t=(0.15〜0.42d}、更に
好ましくは、0.20〜0.40倍としている。又、前
述の様に各玉13を熱伝導率の低いセラミック製にする
場合や、上記玉軸受25に送り込む潤滑油の量を低減化
する場合等には、上記保持器14aの熱伝導率を5〜2
20W/(m・℃)、より好ましくは50〜220W/(m
・℃)に規制する。
【0030】上述の様に構成する玉軸受25を組み込ん
だ、本発明のターボチャージャ用回転支持装置の場合に
は、回転軸2を支持する第一、第二の玉軸受7、8、即
ち、上記玉軸受25の慣性質量の低減による応答性の向
上を図りつつ、この玉軸受25の冷却及び潤滑性能の向
上を図れる。この為、低振動で優れた応答特性を有する
回転支持装置を実現できる。即ち、上記玉軸受25に組
み込む保持器14aの密度を、5×103kg/m3(5g/cm
3 )以下としている為、この保持器14aの軽量化を図
り易い。この為、上記玉軸受25の回転部分の慣性質量
を低減してターボチャージャの応答性の向上を図れる。
同時に、上記保持器14a及び各玉13に加わる荷重の
低減化を図れ、これら保持器14a及び各玉13が破損
しにくくできる。しかも、上記保持器14aを合成樹脂
に比べて弾性係数や引張強さが大きい金属製としている
為、この保持器14aの軸方向に関する幅wや径方向に
関する厚さtを小さくしても、弾性変形及び破損しにく
くできる。この為、この保持器14aの小型化を図り易
く、この保持器14aの小型化による冷却及び潤滑性能
の向上を図れる。
【0031】尚、上記保持器14aを構成する金属は、
引張強さが150MPa以上、弾性係数が40GPa以上の
ものが、小型、軽量化を図りつつ、耐久性の確保と低振
動化とを図る為には、好ましい。上記引張強さが150
MPa未満の場合には、上記保持器14aの幅wや厚tさ
を小さくすると、この保持器14aが破損し易くなっ
て、耐久性を確保しにくくなる。これに対して、上記弾
性係数が40GPa未満の場合には、上記保持器14aの
幅wや厚さtを小さくすると、この保持器14aが弾性
変形し易くなって、上記玉軸受25の振動が増大する。
【0032】又、上記保持器14aの軸方向に関する幅
wを玉13の外径dの1.3〜1.8倍とすると共に、
同じく径方向に関する厚さtをこの玉13の外径dの
0.15〜0.42倍(更に好ましくは、0.20〜
0.40倍)としている為、この保持器14aの耐久性
を確保しつつ、小型、軽量化を図れ、しかも、上記玉軸
受25に送り込む潤滑油の量を少なくした場合でも、こ
の玉軸受25の冷却及び潤滑性能を確保する事ができ
る。尚、上記幅wが1.8倍を越えたり、厚さtが0.
42倍を越えた場合には、上記玉軸受25に送り込まれ
る潤滑油が、上記保持器14aに阻まれて、潤滑並びに
冷却すべき部分に行き渡りにくくなる。この結果、上記
玉軸受25の温度が上昇し易くなって、耐久性が低下す
る。これに対して、上記厚さtが0.15倍未満の場合
には、上記保持器14aと各玉13との接触面の面圧が
増大する。この為、これら保持器14aと各玉13とが
摩耗し易くなると共に、これら各玉13から保持器14
aに加わる荷重が不安定となって、上記玉軸受25の振
動が増大する。又、上記幅wが1.3倍未満の場合に
は、上記保持器14aのリム部の幅が狭くなり過ぎて、
この保持器14aの耐久性を確保する事が難しくなる。
【0033】又、上記保持器14aの熱伝導率を5〜2
20W/(m・℃)、より好ましくは50〜220W/(m
・℃)に規制している為、合成樹脂に比べて約10倍以
上の熱伝導率を確保でき、上記玉軸受25の冷却性能の
向上を図れる。即ち、上記保持器14aから潤滑油に熱
が伝わり易くなり(上記保持器14aから熱が逃げ易く
なり)、上記玉軸受25の温度上昇を抑えられる。特
に、熱伝導率の小さいセラミック製の玉13を使用する
場合や、上記玉軸受25に送り込む潤滑油の量を低減化
する場合でも、この玉軸受25の冷却性能を十分に確保
できる。尚、上記熱伝導率が5W/(m・℃)未満の場合
には、上記保持器14aから熱が逃げにくくなって、上
記玉軸受25の温度が上昇し易くなる(高温化する)。
これに対して、上記熱伝導率が220W/(m・℃)を越
えた場合には、上記保持器14aと各玉13との温度差
が過大となり、熱膨張量の差に基づいて、これら各玉1
3の転動面と保持器14aのポケット15面との距離が
近くなり過ぎる(玉13の遊び量が減少し過ぎる)。こ
の結果、上記ポケット15面と各玉13の転動面との当
り(接触面積)が大きくなって、上記玉軸受25の振動
が増大する。
【0034】
【実施例】次に、本発明の効果を確認する為に、本発明
者が行なった実験に就いて説明する。この実験は、下記
の表1、2にそれぞれ示す構成の保持器を、前述の図6
〜7に示したターボチャージャ用回転支持装置に組み込
み、この回転支持装置の運転時の特性(応答特性や振動
等)を測定する事により行なった。尚、下記の表1、2
で本発明品とは、本発明に属する保持器であり、同じく
比較品とは、本発明からは外れる保持器である。
【0035】
【表1】
【0036】尚、上記表1で、アルミニウム(Al)合金
及びマグネシウム(Mg)合金製の保持器には、陽極酸化
系の表面処理を施している。又、合成樹脂製の保持器
(比較品3〜4)の弾性係数は、曲げ弾性係数で表して
いる(括弧書き)。
【0037】
【表2】
【0038】尚、上記表2で、アルミニウム(Al)合金
及びマグネシウム(Mg)合金製の保持器は、陽極酸化系
の表面処理を施している。又、チタニウム(Ti)合金製
の保持器は、窒化処理を施している。又、合成樹脂製の
保持器(比較品1)の弾性係数は、曲げ弾性係数で表し
ている(括弧書き)。
【0039】又、上記ターボチャージャ用回転支持装置
を構成する第一、第二の玉軸受7、8は、前述した図1
に示す構成の玉軸受25を使用した。このうち、外輪1
0及び内輪12は、0.7〜1.5重量%のSiと、0.
5〜2.0重量%のCrと、0.5〜2.0重量%のMoと
を含む鉄系合金で、表面に浸炭窒化処理を施したものを
使用した。又、各玉13は、窒化珪素(Si3 N4)の粉末
に焼結助材を15重量%以下含有させ、50気圧以上で
加圧焼結したセラミック製のものを使用した。そして、
上記ターボチャージャ用回転支持装置を以下の条件で運
転し、この回転支持装置の応答特性、振動、そして、第
一、第二の玉軸7、8の外輪15、15の温度(表2の
保持器の場合のみ)を測定した。 定常回転速度 : 15万min-1 潤滑油の流量 : 300cm3/min (表1の保持器の場
合)、600cm3/min (表2の保持器の場合) 回転支持装置の雰囲気温度 : 100℃ 第一、第二の玉軸受7、8の軸方向予圧 : 30N
【0040】尚、上記回転支持装置の運転は、エンジン
の排出ガスとほぼ同様の温度に加熱した圧縮空気を、排
気給路1に送り込む事により行なった。又、上記回転速
度は、インペラ4に対向する位置に設けた回転速度検出
センサ26により検出した。又、上記回転支持装置の振
動は、この回転支持装置に取り付けた振動計(図示省
略)により測定した。又、上記第一、第二の玉軸受7、
8の外輪10、10の温度は、これら各外輪10、10
の外周面に設けた温度センサ(熱電対)27、27によ
り検出した。又、上記表1の保持器の場合には、供給す
る潤滑油の流量を、従来の流量に比べて小さくした(3
00cm3/min )。
【0041】先ず、上記表1に示す構成の保持器を使用
した実験の結果を、図2〜3に示す。このうちの図2
は、各保持器と応答特性との関係を示している。尚、こ
の応答特性とは、回転速度0から15万min-1 (定常回
転速度)となるまで要した時間(到達時間)であり、比
較品3(合成樹脂製の保持器)の要した時間を1とし、
この時間との比で表している。この図2から明らかな様
に、本発明品1〜7は何れも、従来の保持器(比較品
3)に比べて、同等かそれよりも短い時間で定常回転速
度に到達できる。又、密度の大きい比較品5は、定常回
転速度に到達する時間が比較品3に比べて、1.4倍程
度要する。
【0042】又、上記図3は、保持器の厚さと振動値と
の関係を示している。尚、この保持器の厚さは、玉の外
径d(図1参照)に対する比で表している。又、上記振
動値は、運転開始から30分後の回転支持装置の振動の
大きさであり、比較品3(合成樹脂製の保持器)の振動
値を1とし、この振動値との比で表している。この図3
から明らかな様に、本発明品1〜7は何れも、従来の保
持器(比較品3)に比べて、振動の大きさを70〜80
%に抑える事ができる。尚、比較品1の振動値が大きい
のは、保持器の厚さが小さく、各玉からこの保持器に加
わる荷重が不安定になり易い為である。又、比較品2〜
3の振動値が大きいのは、保持器の厚さが大きく、潤滑
性能が低下し易くなる為である。又、比較品4の振動値
が大きいのは、保持器の弾性係数が小さく、弾性変形量
が大きくなり易い為である。
【0043】次に、上記表2に示す構成の保持器を使用
した実験の結果を、図4〜5に示す。このうちの図4
は、保持器の密度と応答特性との関係を示している。
尚、この応答特性とは、前述の図2と同様に、回転速度
0から15万min-1 (定常回転速度)となるまで要した
時間(到達時間)であり、比較品1(合成樹脂製の保持
器)の要した時間を1とし、この時間との比で表してい
る。この図4から明らかな様に、本発明品1〜8は何れ
も、従来の保持器(比較品1)と同等の時間で、定常回
転速度に到達できる。又、密度の大きい比較品3〜4
は、定常回転速度に到達する時間が比較品1に比べて、
1.4〜1.5倍程度要する。
【0044】又、上記図5は、保持器の熱伝導率と振動
増加率及び外輪温度との関係を示している。尚、このう
ちの振動増加率とは、運転開始直後の振動値と運転開始
から30時間後の振動値との比であり、比較品1(合成
樹脂製の保持器)の振動増加率を1とし、この増加率と
の比で表している。又、上記外輪温度とは、運転開始か
ら50時間後の第一、第二の玉軸7、8の外輪10、1
0(図6〜7参照)の温度の平均であり、比較品1(合
成樹脂製の保持器)の外輪温度を1とし、この温度との
比で表している。この図5から明らかな様に、本発明品
1〜8は何れも、従来の保持器(比較品1)に比べて、
振動増加率を80〜95%に、外輪温度を60〜80%
に、それぞれ抑える事ができる。尚、比較品2の振動増
加率が大きいのは、保持器の熱伝導率が大きく、この保
持器と各玉との温度差が過大となって、これら各玉の遊
び量が減少する為である。
【0045】下記の表3に、上記図4〜5の結果をまと
めて示す。
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成し作用
する為、回転軸を支持する玉軸受の回転抵抗の低減を図
りつつ、この玉軸受の冷却及び潤滑性能の向上を図れ
る。特に、この玉軸受に供給する潤滑油の量を少なくし
ても、この玉軸受の温度上昇や振動の増大を防止でき
る。この為、低振動で優れた応答特性を有するターボチ
ャージャ用回転支持装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、玉軸受の部
分断面図。
【図2】本発明の効果を確認する為に行なった実験の結
果を示すグラフ。
【図3】保持器の厚さと振動値との関係を示すグラフ。
【図4】保持器の密度と応答特性との関係を示すグラ
フ。
【図5】保持器の熱伝導率と振動増加率及び外輪温度と
の関係を示すグラフ。
【図6】ターボチャージャの全体構成を示す断面図。
【図7】図6のA部拡大図。
【図8】従来のターボチャージャ用回転支持装置に組み
込んでいた玉軸受の断面図。
【符号の説明】
1 排気流路 2 回転軸 3 タービン 4 インペラ 5 給気流路 6 軸受ハウジング 7 第一の玉軸受 8 第二の玉軸受 9 外輪軌道 10 外輪 11 内輪軌道 12 内輪 13 玉 14、14a 保持器 15 ポケット 16 圧縮ばね 17 押圧環 18 ケーシング 19 給油通路 20 フィルタ 21 隙間空間 22 ノズル孔 23 排油口 24 隙間空間 25 玉軸受 26 回転速度検出センサ 27 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 33/44 F16C 33/44 Fターム(参考) 3G005 EA16 FA05 FA11 FA12 FA13 FA27 FA31 FA41 GB55 GD08 JA17 JA40 KA01 KA02 KA03 3H022 AA01 BA06 CA12 CA18 CA41 CA53 DA02 DA11 3J101 AA02 BA10 BA34 BA44 BA50 BA70 EA01 EA02 EA06 EA14 EA41 EA42 EA44 FA01 FA32 FA51 FA53 FA60 GA26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部にタービンを、他端部にインペラ
    を、それぞれ固定した回転軸を、軸受ハウジングの内側
    に回転自在に支持する為、この軸受ハウジングの内周面
    と上記回転軸の外周面との間に、外輪の内周面に形成し
    た外輪軌道と内輪の外周面に形成した内輪軌道との間に
    円環状の保持器により保持された複数個の玉を転動自在
    に配置して成る玉軸受を設け、この玉軸受に向けて潤滑
    油を送り込む事により、この玉軸受の冷却及び潤滑を行
    なう様に構成したターボチャージャ用回転支持装置に於
    いて、上記保持器を、密度が5×103kg/m3以下の金属
    製とした事を特徴とするターボチャージャ用回転支持装
    置。
  2. 【請求項2】 保持器の軸方向に関する幅を玉の外径の
    1.3〜1.8倍とすると共に、同じく径方向に関する
    厚さをこの玉の外径の0.15〜0.42倍とした、請
    求項1に記載したターボチャージャ用回転支持装置。
  3. 【請求項3】 保持器の熱伝導率を5〜220W/(m・
    ℃) とした、請求項1〜2の何れかに記載したターボチ
    ャージャ用回転支持装置。
  4. 【請求項4】 各玉を耐熱鋼製とした、請求項1〜3の
    何れかに記載したターボチャージャ用回転支持装置。
  5. 【請求項5】 各玉をセラミック製とした、請求項1〜
    3の何れかに記載したターボチャージャ用回転支持装
    置。
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