JPH08232961A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JPH08232961A
JPH08232961A JP4094895A JP4094895A JPH08232961A JP H08232961 A JPH08232961 A JP H08232961A JP 4094895 A JP4094895 A JP 4094895A JP 4094895 A JP4094895 A JP 4094895A JP H08232961 A JPH08232961 A JP H08232961A
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bearing
spacer
rolling
ball
solid lubricant
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Hiroshi Tanaka
洋 田中
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】軸受に充填して焼成する必要がなく、設計,製
造が容易な保持器兼用固体潤滑部材を備え、無潤滑の厳
しい環境下において長寿命を保証できる転がり軸受を提
供する。 【構成】外輪軌道面1aと内輪軌道面2aとの間に、転
動体3と転動体3を円周方向に分配保持する保持器とを
配した転がり軸受において、保持器を構成する部材を固
体潤滑剤からなる小片のスペーサ10とし、転動体3,
3間のすき間に転動体3と接触可能に円周方向に分散配
置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転がり軸受に係り、特
に、高温環境や潤滑油グリース等の潤滑剤の使用が困難
な無潤滑環境において好適に使用できる転がり軸受に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、転がり軸受は潤滑油又はグリー
スなどの潤滑剤により潤滑されている。しかし、潤滑剤
の蒸発が避けられないような高温とか潤滑剤が粘度を失
ってしまう程の極く低温の環境、又は低速高荷重のため
油膜が形成されないような特殊な環境では、一般的な潤
滑油又はグリースなどの潤滑剤は使用することが難し
い。そこで、こうした厳しい環境下で使用する転がり軸
受に対しては、潤滑油又はグリース等の代わりに固体潤
滑剤が使用されるが、その場合には種々の工夫が必要で
ある。
【0003】従来の転がり軸受に対する固体潤滑剤の適
用例としては、例えば、転がり軸受の内輪軌道面と外輪
軌道面との間の空隙部に、適当なバインダを混合した固
体潤滑剤を充填して焼成固化した軸受(米国特許4,2
23,963号)が知られている。また、固体潤滑剤の
ブロックを保持器の形状に削り出して転動体を保持する
ようにした提案も開示されている(実開平2−8712
1号,特開平1−126426号,特開平3−2723
20号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
の、バインダを混合して焼成固化した固体潤滑剤を使用
する軸受の場合は、次のような問題点がある。 焼成温度(バインダの種類によりことなるが、例えば
フェノール樹脂であれば150℃、またポリイミドアミ
ド樹脂では300℃)の影響を受けて軸受鋼製の軸受構
成部材の寸法変化や硬度低下が生じ得る。
【0005】バインダの耐熱性に応じて軸受の使用温
度が制約されてしまう。一方、固体潤滑剤ブロックの削
り出しで転動体を保持する軸受の場合は、次のような問
題点がある。 例えば固体潤滑剤が黒鉛の場合のようにブロック形状
の制約が大きいものでは、無駄になる量が多くて高価に
なってしまう。
【0006】保持器の形状が冠型もしくはもみ抜き型
に限られてしまう。 冠型の場合、例えば固体潤滑剤が黒鉛のように、弾性
率が小さく脆性が大きい材料のものではポケット形状の
設計が困難になる。 もみ抜き型の場合、使用できる軸受の型式がアンギュ
ラ玉軸受などに制限されてしまう。
【0007】そこで本発明は、このような従来の転がり
軸受の問題点に着目してなされたものであり、軸受に充
填して焼成固化する必要がなく、潤滑材料の無駄がな
く、設計,製造が容易で、しかも使用できる軸受の型式
が制限されないセパレート型の保持器兼用潤滑部材を備
え、無潤滑の厳しい環境下において長寿命を保証できる
転がり軸受を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、外輪軌道面と
内輪軌道面との間に、転動体と該転動体を円周方向に離
間する保持器とを配した転がり軸受において、前記保持
器を構成する部材が前記転動体間のすき間に位置して転
動体に接触可能に円周方向に分散配置した固体潤滑剤か
らなることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明によれば、固体潤滑剤からなり予め所定
形状に形成してある保持器構成部材を、転がり軸受の転
動体間のすき間に円周方向に分散して転動体に接触させ
るようにしたものであり、固体潤滑剤を軸受すき間全体
に充填して焼成固化する必要はない。したがって軸受が
焼成時の熱の影響を受けて寸法変化や硬度低下が生じる
ということがない。
【0010】また、必ずしもバインダを必要としないか
ら、軸受使用温度限界は固体潤滑剤自体の耐熱性または
軸受を構成する金属材料により決定される。また、保持
器構成部材は、転がり軸受の転動体間の間に分散配置で
きる程度の小片であり、大きなブロックから切り出す必
要がないので材料の無駄になる量が少ない。金型成形が
可能な固体潤滑材料を使用した場合には、材料の無駄が
殆どなく一層経済的である。
【0011】また、本発明の固体潤滑剤自体の形状は保
持器形状である必要がなく、ポケット形状の設計や適用
軸受の型式が制限されることがない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、各実施例において同一部分には同一の符号
を付して、重複する説明を省略する。図1は、この発明
に係る転がり軸受の第1の実施例で、ラジアル玉軸受の
一部を切り欠いて示す部分側面図である。外輪1,内輪
2,転動体(玉)3及び各玉3と外輪軌道面1a,内輪
軌道面2aとの間のスペースに分散して配設した固体潤
滑剤からなる保持器構成部材としての複数個のスペーサ
10を備えている。
【0013】外輪1,内輪2,玉3の材料は軸受鋼が一
般的であるが、その他ステンレス鋼又は耐熱鋼、あるい
は使用温度に応じた熱処理を施したもの、更に高温で使
用される場合にはサーメットやセラミックス材料等が使
用される。スペーサ10に使用する固体潤滑剤の材料と
しては、天然もしくは人造のグラファイトなどの黒鉛質
材料,窒化ほう素,二硫化モリブデン等の周知の固体潤
滑材料をはじめとして、その他四フッ化エチレン,ナイ
ロン,ポリイミド,ポリエチエレン等のプラスチック類
や、粉末又は固形の炭素質材料や、更には青銅多孔質
体,ホワイトメタルなどの耐熱金属材またはフェノール
樹脂,ポリイミド樹脂などの樹脂材に上記の黒鉛質材
料,窒化ほう素,二硫化モリブデン等の固体潤滑材料を
分散させた複合材料や、上記炭素質材料や固体潤滑材料
に炭素繊維等を混合して強化し、強度確保と潤滑とを兼
ねた繊維強化複合潤滑材料等を例示することができる。
【0014】この実施例の個々のスペーサ10の形状は
基本的に円板状であるが、それぞれ図2に示すように一
枚のもの(以下シングルスペーサ10Sという)と、図
3に示すように大小複数枚(図は二枚)の円板に分割さ
れ、最終的な使用形態において同心円状に重ねて一体化
するもの(以下、ダブルスペーサ10Dという)とに大
別される。
【0015】それぞれのスペーサ10のサイズは、使用
する軸受のサイズとの関係により次のように定められ
る。いま、スペーサ10のサイズの方を、 シングルスペーサ10Sの直径:ds 厚さ:ls ダブルスペーサ10Dのうち大きい方を10D1 ,小さ
い方を10D2 と表して、 10D1 の直径:
Dmax 厚さ:lDmax 10D2 の直径:dDmin 厚さ:lDmin ダブルスペーサ10D全体厚さ:lDmax+lDmin=lD とし、軸受サイズの方を、図4,図5に示すように、 内外輪間すきま最少寸法a=(外輪内径−内輪外径)×
1/2 軌道溝間対向寸法dg =(外輪溝径−内輪溝径)×1/
2 軸受溝平均径:DPCD 玉径:db 玉数:n 玉間隔:a’=(πDPCD −ndb )×1/n とすると、スペーサ10のサイズと軸受サイズとの関係
は表1のようになる。
【0016】
【表1】
【0017】これらのスペーサ10を軸受に組み付ける
手順を図6に示す。 (1)シングルスペーサ10Sの挿入。 軸受の外輪1と内輪2との間に挿入した玉3を寄せて
空間をつくる。次いで、シングルスペーサ10Sを横に
水平又は斜めに寝かし、軸受すきまに略平行な状態で軸
受の平面側(側面)から前記空間に挿入する〔図6
(a)〕。
【0018】挿入したシングルスペーサ10Sを約9
0度回転させて立てる。これにより、シングルスペーサ
10Sの円板の外径面が内外輪の軌道溝に嵌まり込んで
装着され、a<dS <dg の関係で抜け止めされる〔図
6(b)〕。 こうして装着したシングルスペーサ10Sの両側に玉
3を寄せて両面に接触させ、挟む〔図6(c)〕。
【0019】この〜の工程を繰り返すことで、玉一
個置き(場合により複数個置き)にシングルスペーサ1
0Sが組み付けられる。 玉数n個の軸受の場合(n−1)個のシングルスペー
サ10Sを装着し終わると、最後に残った空間は均等の
玉間隔a’になり、もはや玉寄せで拡大させることがで
きないから、シングルスペーサ10Sを軸受すきまに略
平行にして挿入することはできない。もしくは挿入でき
ても、縦に立てたとき玉と接触せずにすき間を生じてし
まうことになる。そこで、外径dDmaxが玉間隔a’より
小さい(dDmax<a’)ダブルスペーサ10Dを使用す
る。
【0020】すなわち、先ず、その大きい方の部材10
1 を、上記同様に軸受すきまに略平行にして挿入する
〔図6(d)〕。 その後、部材10D1 を90度回転して立てて内外輪
の軌道溝に嵌着する。次に、嵌着した部材10D1 と片
方の玉3との間のすきまに、ダブルスペーサ10Dの小
さい方の部材10D2 (直径dDmin,厚さlDmin)を、
縦にしたままで軸受空間(間隔a、dDmin<aである)
に挿入して、部材10D1 の平面に接着等の手段で固着
し、結合させる。このとき、ダブルスペーサ10Dの全
体の厚さlD (=lDmax+lDmin)が玉間隔a’に達し
なければ、更に新たな小さい方の部材10D2 を挿入し
て玉3との関係が適当になるように調整する〔図6
(e)〕。
【0021】以上のようにして、スペーサ10を軸受に
組み付けるのであるが、ダブルスペーサ10Dに関して
は、大きい方の部材10D1 一枚に対し、小さい方の部
材10D2 は一枚でも二枚以上でもよい。また、ダブル
スペーサ10Dは最後に一個とは限らず、二個以上を軸
受に適宜分配配置させるようにしても良い。
【0022】また、材料は、両部材10D1 ,10D2
のどちらかを固体潤滑材料のみ他方を繊維強化複合潤滑
材料としても良い。また、両部材10D1 ,10D2
結合は、接着のみに限らず、その他、ボルト,ナットに
よる機械的結合や、繊維強化複合潤滑材料からなる一方
の部材に雌ねじを切るとともに固体潤滑材料のみからな
る他方の部材に雄ねじを形成し両者を螺合するようにし
ても良い。
【0023】図7,図8に上記第1実施例の軸受におけ
るスペーサ10の変形例を示す。図7のものは、シング
ルスペーサ10Sの両平面に、玉の球面に合わせた凹状
の球面11を設けている。図8のものは、ダブルスペー
サ10Dの両部材10D 1 ,10D2 の、いずれも玉と
接触する平面に、同様の球面11を設けている。玉との
接触が平面でなされると、点接触であるから接触面圧が
高くなり、その結果、軸受回転開始時の初期磨耗が大き
くて、軸受使用中に玉とスペーサ10との間にすき間が
生じてしまうということがある。一方、玉との接触が球
面でなされると、面接触になるから接触面圧が低くなっ
て初期磨耗を小さくすることができるという利点があ
る。
【0024】図9,図10に第2の実施例を示す。この
実施例は、マキシマム形軸受(できるだけ多くの玉を入
れた、保持器のある入れ溝付き玉軸受、総玉軸受とは異
なる)に本発明を適用したものである。保持器を構成す
る部材である固体潤滑剤からなるスペーサ20の基本形
状は円板状であるが、その外周面21を軸受の玉3と同
曲率の凸球面状とした点が上記第1実施例のスペーサ1
0と異なる。スペーサ20の外径は玉3と同等もしくは
若干小さめが好ましい。
【0025】このスペーサ20を軸受に組み付ける際
は、玉3の挿入口として軸受に予め形成されている入れ
溝22を利用する。スペーサ20は立てた姿勢で入れ溝
22から軸受の外輪1と内輪2との間のすき間に玉3と
交互に挿入し、回転させることなくそのまま順次奥へ送
り込んでいく。スペーサ20の外周面21が外輪軌道面
1a及び内輪軌道面2aに嵌合して抜け止めされる。
【0026】この第2の実施例のように、マキシマム形
軸受に本発明を適用した場合、入れ溝22を利用してス
ペーサ20を極めて容易に軸受内に装着することが可能
になり、特に好適である。なお、スペーサ20は図示し
たシングルスペーサタイプに限らず、大小の径のものを
重ねあわせて一体にしたダブルスペーサタイプであって
も良い。
【0027】図11ないし図15に第3の実施例を示
す。この実施例は、第2実施例と同じくマキシマム形軸
受に適用したものである。この場合は、本来のマキシマ
ム形軸受の構成部品である保持器を改良し、固体潤滑剤
(例えば黒鉛質材料)を保持器を構成する一部材として
組み込んだものである。すなわち、図11に示すよう
に、本来の保持器部品であって長方形の金属板31の上
下にカシメ用の爪32,32が突設されている保持器支
柱33の中央部に多角形又は円形の(図では長方形の)
任意の大きさの孔34を設けて、この孔34に、同形の
断面を有する固体潤滑剤(例えば黒鉛質材料)ブロック
35を、軸受の軸と垂直な方向から挿入して固定してあ
る。
【0028】固体潤滑剤ブロック35を組み込んだ保持
器支柱33を、図13,図14に示すように、玉3を保
持する波形保持器本体36の連結個所37に爪32を差
し込んで装着し、その後各爪32をカシメて波形保持器
本体36を一体に結合させる。このように、保持器本体
36に固体潤滑剤ブロック35を組み込んで構成されて
いるスペーサ30は、軸受の外輪1と内輪2との間のす
き間に組み込まれ、保持された玉3に固体潤滑剤ブロッ
ク35の端面が接触して円滑な潤滑が行われる。
【0029】〔比較運転試験〕続いて、上記第1実施例
のタイプのスペーサ10(すなわち、本発明の固体潤滑
剤からなる保持器構成部材)をそれぞれ組み込んだ転が
り軸受と、従来の保持器を組み込んだ無潤滑の転がり軸
受(比較例)との比較運転試験を実施した。この実施例
では、シングルスペーサ10S及びダブルスペーサ10
Dの大径の部材10D1 の材料として黒鉛質材料「東洋
炭素株式会社製品、IG−11」を使用した。一方、ダ
ブルスペーサ10Dの小径の部材10D2 の材料には、
カーボンとグラファイトの混合物からなる炭素質黒鉛材
料「東洋炭素株式会社製品、TUG−105」を使用し
た。
【0030】(1)試験No.1 転がり軸受の型式 :6206 外輪,内輪,玉の材質:軸受鋼(SUJ2) 比較例軸受の保持器 :プレス保持器 実施例軸受の保持器 :強度確保と潤滑を兼ねた複合材
料からなるシングルスペーサ10Sを12個と、同材料
からなるダブルスペーサ10Dを3個使用。
【0031】 試験装置 :図16に示す試験装置50 回転軸51に支持軸受52を介して試験軸受53を取付
け、梃子機構54を介してラジアル荷重Frを負荷しつ
つ運転し、振動検出部55で振動レベルを検知して寿命
を判定した。56は温度測定の熱電対である。 (2)試験No.2 転がり軸受の型式 :7204 外輪,内輪,玉の材質:ステンレス鋼(SUS440
C) 比較例軸受の保持器 :プレス保持器 実施例軸受の保持器 :強度確保と潤滑を兼ねた複合材
料からなるシングルスペーサ10Sを12個と、同材料
からなるダブルスペーサ10Dを2個使用。
【0032】 試験装置 :図17に示す試験装置60 支持軸受61,61で支持された回転軸62に試験軸受
63を取付けて電気路64により加熱し、アキシアル荷
重負荷系65を介してアキシアル荷重Faを負荷しつつ
運転し、振動検出部66で振動レベルを検知して寿命を
判定した。67は温度測定の熱電対、68はトルク検出
器,69はモータである。
【0033】(3)試験No.3 転がり軸受の型式 :6206 外輪,内輪,玉の材質:ステンレス鋼(SUS440
C)。なお、高速度鋼(AISI規格M50)でも良
い。 比較例軸受の保持器 :プレス保持器 実施例軸受の保持器 :試験No.1と同じ。
【0034】 試験装置 :図18に示す試験装置70 支持軸受71で支持された回転軸72に試験軸受73を
取付けて恒温槽74内で加熱し、ラジアル荷重負荷系7
5を介してラジアル荷重Frを負荷しつつ運転し、振動
検出部76で振動レベルを検知して寿命を判定した。試
験結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】この結果から、本発明の転がり軸受は、従
来例のものに比べて遙に長寿命であることが明らかであ
る。なお、上記第2実施例のタイプのスペーサ20、第
3実施例の波形保持器(保持器本体36に、黒鉛質材料
のブロック35を挿入し固定した保持器支柱33をカシ
メて固定したもの)を適用したマキシマム形軸受でも同
様な効果が認められた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
転がり軸受の保持器を構成する部材に固体潤滑剤を用い
て転動体と接触可能に分散配置したため、その固体潤滑
剤が転動体を介して外輪及び内輪の各軌道面にも乗り移
って円滑な潤滑作用を果たし、その結果、無潤滑下でも
軸受に充填して焼成固化する必要がなく、潤滑材料の無
駄がなく、設計,製造が容易で、しかも使用できる軸受
の型式が制限されないセパレート型の保持器兼用潤滑部
材を備え、無潤滑の厳しい環境下において長寿命を保証
できる転がり軸受が得られるという効果を奏する。
【0038】また、本発明の実施例1の発明によれば、
少なくとも最後に装填するスペーサを分割型にして別々
に装填した後に一体化させるものとしたため、本発明の
効果に加えて、特に入れ溝等の挿入手段を有しない一般
的な転がり軸受にも容易に適用できるという効果が得ら
れる。また、本発明の実施例2の発明によれば、転がり
軸受の玉の入れ溝を利用して転がり軸受の保持器を構成
するスペーサを容易に装填することができるから、上記
本発明の効果に加えて、特にマキシマム型転がり軸受に
好適に適用できるという効果が得られる。
【0039】また、本発明の実施例3の発明によれば、
波形保持器で分配保持した転動体に接触するように保持
器支柱を利用して固体潤滑部材を取り付けるものである
から、従来のように保持器全体を固体潤滑材料から削り
出して形成するという面倒がなく且つ材料が無駄なく使
用でき、しかも同様の潤滑性能が確保できて実用上の効
果が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の一部を切り欠いて示す
部分図で、(a)は側面図、(b)はそのB−B線断面
図である。
【図2】(a)は図1の構成部材の側面図、(b)は正
面図である。
【図3】(a)は図1の構成部材の側面図、(b)は正
面図である。
【図4】図1の寸法関係を説明する図である。
【図5】図1の寸法関係を説明する図である。
【図6】図1に示したものの組立手順の説明図である。
【図7】(a)は図2に示したものの変形例の側面図、
(b)は正面図である。
【図8】(a)は図3に示したものの変形例の側面図、
(b)は正面図である。
【図9】本発明の第2の実施例の一部を切り欠いて示す
部分図である。
【図10】図9のX-X 線断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例で、(a)は構成部材
の正面図、(b)は側面図である。
【図12】図11の部材に固体潤滑剤を組み込んだもの
で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図13】本発明の第3の実施例の保持器の部分図であ
る。
【図14】図13のXIV-XIV 線断面図である。
【図15】図14のXV-XV 線断面図である。
【図16】(a)は転がり軸受試験装置の正面図、
(b)はそのB−B線断面図である。
【図17】転がり軸受試験装置の正面図である。
【図18】転がり軸受試験装置の正面図である。
【符号の説明】
1 外輪 1a 外輪軌道面 2 内輪 2a 内輪軌道面 3 転動体 10 保持器を構成する部材(スペーサ)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪軌道面と内輪軌道面との間に、転動
    体と該転動体を円周方向に離間する保持器とを配した転
    がり軸受において、前記保持器を構成する部材が前記転
    動体間のすき間に位置して転動体に接触可能に円周方向
    に分配配置した固体潤滑剤からなることを特徴とする転
    がり軸受。
JP4094895A 1995-02-28 1995-02-28 転がり軸受 Pending JPH08232961A (ja)

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JP4094895A JPH08232961A (ja) 1995-02-28 1995-02-28 転がり軸受

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