JP2002242937A - ターボチャージャ用転がり軸受の保持器とその製造方法及びターボチャージャ用回転支持装置 - Google Patents
ターボチャージャ用転がり軸受の保持器とその製造方法及びターボチャージャ用回転支持装置Info
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- F16C19/02—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
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- F16C19/16—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls
- F16C19/163—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls with angular contact
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- F16C2360/23—Gas turbine engines
- F16C2360/24—Turbochargers
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Supercharger (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 使用する潤滑油の粘度が低かったり、量が少
ない場合でも、十分な潤滑性を確保して摩耗防止を図
る。 【解決手段】 保持器14を、炭素繊維を含有したポリ
イミド樹脂により造る。完成後の保持器14よりも少し
だけ大きな保持器素子を造った後、この保持器素子を、
250℃以上でポリアミド樹脂の融点以下の温度で加熱
処理する。この加熱処理に伴って上記保持器素子が少し
だけ収縮し、完成後の保持器14の表面に、上記炭素繊
維の一部が露出する。この炭素繊維から離脱した炭素の
微粉末が、玉13の転動面に付着して、この玉13と相
手部材との接触部の潤滑を図る他、上記保持器14の表
面に潤滑油を保持し易くして、上記課題を解決する。
ない場合でも、十分な潤滑性を確保して摩耗防止を図
る。 【解決手段】 保持器14を、炭素繊維を含有したポリ
イミド樹脂により造る。完成後の保持器14よりも少し
だけ大きな保持器素子を造った後、この保持器素子を、
250℃以上でポリアミド樹脂の融点以下の温度で加熱
処理する。この加熱処理に伴って上記保持器素子が少し
だけ収縮し、完成後の保持器14の表面に、上記炭素繊
維の一部が露出する。この炭素繊維から離脱した炭素の
微粉末が、玉13の転動面に付着して、この玉13と相
手部材との接触部の潤滑を図る他、上記保持器14の表
面に潤滑油を保持し易くして、上記課題を解決する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のターボチャージャ用
転がり軸受の保持器とその製造方法及びターボチャージ
ャ用回転支持装置は、例えば自動車用エンジンの出力を
向上させる為のターボチャージャの回転支持部を構成す
る転がり軸受(主として玉軸受)の改良に関する。特に
本発明は、使用可能な潤滑油の種類を限定する事なく、
十分な耐久性並びに信頼性を得られるターボチャージャ
用回転支持装置の実現を図るものである。
転がり軸受の保持器とその製造方法及びターボチャージ
ャ用回転支持装置は、例えば自動車用エンジンの出力を
向上させる為のターボチャージャの回転支持部を構成す
る転がり軸受(主として玉軸受)の改良に関する。特に
本発明は、使用可能な潤滑油の種類を限定する事なく、
十分な耐久性並びに信頼性を得られるターボチャージャ
用回転支持装置の実現を図るものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンの出力を排気量を変えずに増大
させる為、エンジンに送り込む空気を排気のエネルギに
より圧縮するターボチャージャが、広く使用されてい
る。このターボチャージャは、排気のエネルギを、排気
通路の途中に設けたタービンにより回収し、このタービ
ンをその端部に固定した回転軸により、給気通路の途中
に設けたコンプレッサのインペラを回転させる。このイ
ンペラは、エンジンの運転に伴って数万乃至は十数万mi
n-1 (r.p.m.)の速度で回転し、上記給気通路を通じて
エンジンに送り込まれる空気を圧縮する。
させる為、エンジンに送り込む空気を排気のエネルギに
より圧縮するターボチャージャが、広く使用されてい
る。このターボチャージャは、排気のエネルギを、排気
通路の途中に設けたタービンにより回収し、このタービ
ンをその端部に固定した回転軸により、給気通路の途中
に設けたコンプレッサのインペラを回転させる。このイ
ンペラは、エンジンの運転に伴って数万乃至は十数万mi
n-1 (r.p.m.)の速度で回転し、上記給気通路を通じて
エンジンに送り込まれる空気を圧縮する。
【0003】図1〜2は、この様なターボチャージャの
1例を示している。このターボチャージャは、排気流路
1を流通する排気により、回転軸2の一端(図1の左
端)に固定したタービン3を回転させる。この回転軸2
の回転は、この回転軸2の他端(図1の右端)に固定し
たインペラ4に伝わり、このインペラ4が給気流路5内
で回転する。この結果、この給気流路5の上流端開口か
ら吸引された空気が圧縮されて、ガソリン、軽油等の燃
料と共にエンジンのシリンダ室内に送り込まれる。この
様なターボチャージャの回転軸2は、数万〜十数万min
-1 もの高速で回転し、しかも、エンジンの運転状況に
応じてその回転速度が頻繁に変化する。従って、上記回
転軸2は、軸受ハウジング6に対し、小さな回転抵抗で
支持する必要がある。
1例を示している。このターボチャージャは、排気流路
1を流通する排気により、回転軸2の一端(図1の左
端)に固定したタービン3を回転させる。この回転軸2
の回転は、この回転軸2の他端(図1の右端)に固定し
たインペラ4に伝わり、このインペラ4が給気流路5内
で回転する。この結果、この給気流路5の上流端開口か
ら吸引された空気が圧縮されて、ガソリン、軽油等の燃
料と共にエンジンのシリンダ室内に送り込まれる。この
様なターボチャージャの回転軸2は、数万〜十数万min
-1 もの高速で回転し、しかも、エンジンの運転状況に
応じてその回転速度が頻繁に変化する。従って、上記回
転軸2は、軸受ハウジング6に対し、小さな回転抵抗で
支持する必要がある。
【0004】この為に従来から、上記軸受ハウジング6
の内側に上記回転軸2を、請求項に記載した転がり軸受
に相当する第一、第二の玉軸受7、8により、回転自在
に支持している。これら第一、第二の玉軸受7、8は、
図3に示す様なアンギュラ型玉軸受であって、これら第
一、第二の玉軸受7、8の構成は、基本的には同じであ
る。但し、これら両玉軸受7、8のうち、高温の排気が
流通する排気流路1に近く、温度上昇が著しい第一の玉
軸受7の潤滑条件は、低温の空気が流通する給気流路5
に近く、温度上昇がそれ程著しくはない、第二の玉軸受
8に比べて厳しい。
の内側に上記回転軸2を、請求項に記載した転がり軸受
に相当する第一、第二の玉軸受7、8により、回転自在
に支持している。これら第一、第二の玉軸受7、8は、
図3に示す様なアンギュラ型玉軸受であって、これら第
一、第二の玉軸受7、8の構成は、基本的には同じであ
る。但し、これら両玉軸受7、8のうち、高温の排気が
流通する排気流路1に近く、温度上昇が著しい第一の玉
軸受7の潤滑条件は、低温の空気が流通する給気流路5
に近く、温度上昇がそれ程著しくはない、第二の玉軸受
8に比べて厳しい。
【0005】この様な第一、第二の玉軸受7、8は、内
周面に外輪軌道9を有する外輪10と、外周面に内輪軌
道11を有する内輪12と、これら外輪軌道9と内輪軌
道11との間に転動自在に設けられた、それぞれが請求
項に記載した転動体である、複数個の玉13、13とを
備える。又、これら各玉13、13は、円環状の保持器
14に設けた複数のポケット15内に、それぞれ1個ず
つ転動自在に保持している。又、図示の例の場合には、
上記内輪12を、片側の肩部をなくした、所謂カウンタ
ボアとしている。又、上記保持器14の外周面を、上記
外輪10の内周面に近接対向させる事により、この保持
器14の直径方向位置をこの外輪10により規制する、
外輪案内としている。
周面に外輪軌道9を有する外輪10と、外周面に内輪軌
道11を有する内輪12と、これら外輪軌道9と内輪軌
道11との間に転動自在に設けられた、それぞれが請求
項に記載した転動体である、複数個の玉13、13とを
備える。又、これら各玉13、13は、円環状の保持器
14に設けた複数のポケット15内に、それぞれ1個ず
つ転動自在に保持している。又、図示の例の場合には、
上記内輪12を、片側の肩部をなくした、所謂カウンタ
ボアとしている。又、上記保持器14の外周面を、上記
外輪10の内周面に近接対向させる事により、この保持
器14の直径方向位置をこの外輪10により規制する、
外輪案内としている。
【0006】この様な第一、第二の玉軸受7、8のうち
の第一の玉軸受7は、上記外輪10を、前記軸受ハウジ
ング6の一端部(図1〜2の左端部)に内嵌すると共
に、上記内輪12を上記回転軸2の一端部に外嵌固定す
る事により、この回転軸2の一端部を上記軸受ハウジン
グ6に対し、回転自在に支持している。一方、上記第二
の玉軸受8は、外輪10を軸受ハウジング6の他端部
(図1〜2の右端部)に内嵌すると共に、内輪12を上
記回転軸2の他端部に外嵌固定する事により、この回転
軸2の他端部を上記軸受ハウジング6に対し、回転自在
に支持している。又、上記第一、第二の玉軸受7、8を
構成する1対の外輪10、10には、圧縮ばね16によ
り互いに離れる方向の弾力を付与している。即ち、これ
ら両外輪10、10の互いに対向する端面にそれぞれ押
圧環17、17を突き合わせ、これら両押圧環17、1
7同士の間に上記圧縮ばね16を挟持している。従っ
て、上記第一、第二の玉軸受7、8は、互いに接触角の
方向を逆にした状態{背面組み合せ(DB)型}で組み
込まれている。
の第一の玉軸受7は、上記外輪10を、前記軸受ハウジ
ング6の一端部(図1〜2の左端部)に内嵌すると共
に、上記内輪12を上記回転軸2の一端部に外嵌固定す
る事により、この回転軸2の一端部を上記軸受ハウジン
グ6に対し、回転自在に支持している。一方、上記第二
の玉軸受8は、外輪10を軸受ハウジング6の他端部
(図1〜2の右端部)に内嵌すると共に、内輪12を上
記回転軸2の他端部に外嵌固定する事により、この回転
軸2の他端部を上記軸受ハウジング6に対し、回転自在
に支持している。又、上記第一、第二の玉軸受7、8を
構成する1対の外輪10、10には、圧縮ばね16によ
り互いに離れる方向の弾力を付与している。即ち、これ
ら両外輪10、10の互いに対向する端面にそれぞれ押
圧環17、17を突き合わせ、これら両押圧環17、1
7同士の間に上記圧縮ばね16を挟持している。従っ
て、上記第一、第二の玉軸受7、8は、互いに接触角の
方向を逆にした状態{背面組み合せ(DB)型}で組み
込まれている。
【0007】更に、上記軸受ハウジング6を納めたケー
シング18内に給油通路19を設け、この軸受ハウジン
グ6並びに上記第一、第二の玉軸受7、8を、冷却及び
潤滑自在としている。即ち、ターボチャージャを装着し
たエンジンの運転時に潤滑油は、上記給油通路19の上
流端に設けたフィルタ20により異物を除去されて、上
記ケーシング18の内周面と上記軸受ハウジング6の外
周面との間に設けた、円環状の隙間空間21に送り込ま
れる。尚、この隙間空間21は、上記軸受ハウジング6
とケーシング18との嵌合を隙間嵌にする事により設け
ている。そして、この隙間空間21を上記潤滑油で満た
す事により、上記軸受ハウジング6の外周面と上記ケー
シング18の内周面との間に全周に亙って油膜(オイル
フィルム)を形成し、これらケーシング18及び軸受ハ
ウジング6を冷却すると共に、上記回転軸2の回転に基
づく振動を減衰する、オイルフィルムダンパを構成して
いる。更に、上記隙間空間21に送り込まれた潤滑油の
一部は、上記外輪10に隣接する押圧環17に設けたノ
ズル孔22から、上記第一の玉軸受7を構成する内輪1
2の外周面に向け、径方向外方から斜めに噴出し、この
第一の玉軸受7を冷却及び潤滑(オイルジェット潤滑)
する。この様にして第一の玉軸受7に送り込まれた潤滑
油は、この第一の玉軸受7の他、上記第二の玉軸受8も
冷却及び潤滑してから、排油口23より排出される。
シング18内に給油通路19を設け、この軸受ハウジン
グ6並びに上記第一、第二の玉軸受7、8を、冷却及び
潤滑自在としている。即ち、ターボチャージャを装着し
たエンジンの運転時に潤滑油は、上記給油通路19の上
流端に設けたフィルタ20により異物を除去されて、上
記ケーシング18の内周面と上記軸受ハウジング6の外
周面との間に設けた、円環状の隙間空間21に送り込ま
れる。尚、この隙間空間21は、上記軸受ハウジング6
とケーシング18との嵌合を隙間嵌にする事により設け
ている。そして、この隙間空間21を上記潤滑油で満た
す事により、上記軸受ハウジング6の外周面と上記ケー
シング18の内周面との間に全周に亙って油膜(オイル
フィルム)を形成し、これらケーシング18及び軸受ハ
ウジング6を冷却すると共に、上記回転軸2の回転に基
づく振動を減衰する、オイルフィルムダンパを構成して
いる。更に、上記隙間空間21に送り込まれた潤滑油の
一部は、上記外輪10に隣接する押圧環17に設けたノ
ズル孔22から、上記第一の玉軸受7を構成する内輪1
2の外周面に向け、径方向外方から斜めに噴出し、この
第一の玉軸受7を冷却及び潤滑(オイルジェット潤滑)
する。この様にして第一の玉軸受7に送り込まれた潤滑
油は、この第一の玉軸受7の他、上記第二の玉軸受8も
冷却及び潤滑してから、排油口23より排出される。
【0008】尚、図示の例の場合、軸受ハウジング6の
内周面と第一、第二の玉軸受7、8の外周面との間に
も、それぞれ隙間空間24、24が存在している。そし
て、これら各隙間空間24、24にも上記潤滑油が満た
されており、上記回転軸2の回転に基づく振動の減衰を
図っている。又、図示は省略するが、軸受ハウジングと
ケーシングとを一体に形成する場合もある。この様な場
合は、少なくとも何れかの玉軸受の外周面と軸受ハウジ
ング(ケーシング)の内周面との間に隙間空間を設け、
この隙間空間を上述の様に潤滑油で満たす事により、回
転軸の回転に基づく振動の減衰を図る。又、この隙間空
間に送り込まれた潤滑油の一部を上記玉軸受に向けて送
り込む事により、この玉軸受の冷却及び潤滑を行なう。
内周面と第一、第二の玉軸受7、8の外周面との間に
も、それぞれ隙間空間24、24が存在している。そし
て、これら各隙間空間24、24にも上記潤滑油が満た
されており、上記回転軸2の回転に基づく振動の減衰を
図っている。又、図示は省略するが、軸受ハウジングと
ケーシングとを一体に形成する場合もある。この様な場
合は、少なくとも何れかの玉軸受の外周面と軸受ハウジ
ング(ケーシング)の内周面との間に隙間空間を設け、
この隙間空間を上述の様に潤滑油で満たす事により、回
転軸の回転に基づく振動の減衰を図る。又、この隙間空
間に送り込まれた潤滑油の一部を上記玉軸受に向けて送
り込む事により、この玉軸受の冷却及び潤滑を行なう。
【0009】ところで、上述の様なターボチャージャ用
回転支持装置の運転時に前記タービン3は、最高で10
00℃近くの排気に曝される。この為、前記回転軸2を
支持する第一、第二の玉軸受7、8、特にタービン3側
の第一の玉軸受7は、潤滑油による冷却が行なわれてい
ても、200℃程度の高温となる場合がある。しかも、
エンジンの急停止時には、上記回転軸2の回転中にも拘
わらず、潤滑油が上記各玉軸受7、8に送り込まれなく
なる場合(ヒートソークバック)があり、この様な場合
に、上記第一の玉軸受7の温度が200℃以上(250
℃近く)に上昇する可能性もある。
回転支持装置の運転時に前記タービン3は、最高で10
00℃近くの排気に曝される。この為、前記回転軸2を
支持する第一、第二の玉軸受7、8、特にタービン3側
の第一の玉軸受7は、潤滑油による冷却が行なわれてい
ても、200℃程度の高温となる場合がある。しかも、
エンジンの急停止時には、上記回転軸2の回転中にも拘
わらず、潤滑油が上記各玉軸受7、8に送り込まれなく
なる場合(ヒートソークバック)があり、この様な場合
に、上記第一の玉軸受7の温度が200℃以上(250
℃近く)に上昇する可能性もある。
【0010】この様な高温環境で使用する第一、第二の
玉軸受7、8を構成する保持器14として、例えば実公
平8−9452号公報には、耐熱性の合成樹脂により造
られた保持器の発明が記載されている。この様な合成樹
脂は密度が小さい(ポリイミド樹脂の密度=1.4×1
03kg/m3程度)為、保持器を軽量にでき、この保持器及
び各玉に加わる荷重の低減化を図れる。この為、これら
保持器及び玉が破損しにくくなると共に、上記第一、第
二の玉軸受7、8の回転抵抗を低減できる。又、特開平
10−96426号公報には、繊維強化ポリアミド樹脂
により造った保持器に潤滑油を含浸させる事により、こ
の保持器を組み込んだ転がり軸受の潤滑性を向上させる
技術が記載されている。
玉軸受7、8を構成する保持器14として、例えば実公
平8−9452号公報には、耐熱性の合成樹脂により造
られた保持器の発明が記載されている。この様な合成樹
脂は密度が小さい(ポリイミド樹脂の密度=1.4×1
03kg/m3程度)為、保持器を軽量にでき、この保持器及
び各玉に加わる荷重の低減化を図れる。この為、これら
保持器及び玉が破損しにくくなると共に、上記第一、第
二の玉軸受7、8の回転抵抗を低減できる。又、特開平
10−96426号公報には、繊維強化ポリアミド樹脂
により造った保持器に潤滑油を含浸させる事により、こ
の保持器を組み込んだ転がり軸受の潤滑性を向上させる
技術が記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年に於ける燃費向上
の為のエンジンの高効率化の流れを受けて、排気温度が
益々高くなる傾向がある一方、ターボチャージャの回転
支持部分の潤滑油として使用されるエンジンオイルの粘
度が低くなる傾向がある。この様な排気の高温化、潤滑
油の粘度低下は、何れも上記回転支持部分に組み込んだ
転がり軸受の潤滑性確保の面からは厳しいものであっ
て、上述した様な各公報に記載された従来技術では十分
に対応できなくなる可能性が生じている。
の為のエンジンの高効率化の流れを受けて、排気温度が
益々高くなる傾向がある一方、ターボチャージャの回転
支持部分の潤滑油として使用されるエンジンオイルの粘
度が低くなる傾向がある。この様な排気の高温化、潤滑
油の粘度低下は、何れも上記回転支持部分に組み込んだ
転がり軸受の潤滑性確保の面からは厳しいものであっ
て、上述した様な各公報に記載された従来技術では十分
に対応できなくなる可能性が生じている。
【0012】特に、今後燃費向上を目的として、更に粘
度が低い潤滑油(エンジンオイル)が開発されて、自動
車ユーザーがこれを使用する事を考えた場合、(現在使
用されているエンジンオイルに比べて)より低い粘度の
潤滑油の使用環境下でも、十分な耐摩耗性及び潤滑性を
発揮できる技術の実現が望まれている。本発明のターボ
チャージャ用転がり軸受の保持器とその製造方法及びタ
ーボチャージャ用回転支持装置は、この様な事情に鑑み
て発明したものである。
度が低い潤滑油(エンジンオイル)が開発されて、自動
車ユーザーがこれを使用する事を考えた場合、(現在使
用されているエンジンオイルに比べて)より低い粘度の
潤滑油の使用環境下でも、十分な耐摩耗性及び潤滑性を
発揮できる技術の実現が望まれている。本発明のターボ
チャージャ用転がり軸受の保持器とその製造方法及びタ
ーボチャージャ用回転支持装置は、この様な事情に鑑み
て発明したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のターボチャージ
ャ用転がり軸受の保持器とその製造方法及びターボチャ
ージャ用回転支持装置のうち、請求項1に記載したター
ボチャージャ用転がり軸受の保持器は、ターボチャージ
ャの回転軸をハウジングの内側に回転自在に支持する為
の転がり軸受に組み込んで、この転がり軸受を構成する
複数の転動体を転動自在に保持する為、全体が円環状
で、これら各転動体を保持する為の複数のポケットを、
円周方向に亙り間欠的に設けている。そして、この様な
本発明の保持器は、補強材として炭素繊維を含有したポ
リイミド樹脂製で、250℃以上でこのポリイミド樹脂
の融点よりも低い温度で加熱処理されたものである。
ャ用転がり軸受の保持器とその製造方法及びターボチャ
ージャ用回転支持装置のうち、請求項1に記載したター
ボチャージャ用転がり軸受の保持器は、ターボチャージ
ャの回転軸をハウジングの内側に回転自在に支持する為
の転がり軸受に組み込んで、この転がり軸受を構成する
複数の転動体を転動自在に保持する為、全体が円環状
で、これら各転動体を保持する為の複数のポケットを、
円周方向に亙り間欠的に設けている。そして、この様な
本発明の保持器は、補強材として炭素繊維を含有したポ
リイミド樹脂製で、250℃以上でこのポリイミド樹脂
の融点よりも低い温度で加熱処理されたものである。
【0014】又、請求項2に記載したターボチャージャ
用転がり軸受の保持器の製造方法は、上記請求項1に記
載したターボチャージャ用転がり軸受の保持器の製造方
法である。この製造方法では、先ず、補強材として炭素
繊維を含有したポリイミド樹脂により完成後の寸法より
も大きな形状を有する保持器素子を形成する。その後、
この保持器素子を空気雰囲気中で、ターボチャージャの
最高使用温度よりも高い温度である250℃以上で、上
記ポリイミド樹脂の融点よりも低い温度に加熱する事に
より、上記保持器素子の重量を0.04〜5%減少させ
ると共に所望寸法を有する保持器とする。
用転がり軸受の保持器の製造方法は、上記請求項1に記
載したターボチャージャ用転がり軸受の保持器の製造方
法である。この製造方法では、先ず、補強材として炭素
繊維を含有したポリイミド樹脂により完成後の寸法より
も大きな形状を有する保持器素子を形成する。その後、
この保持器素子を空気雰囲気中で、ターボチャージャの
最高使用温度よりも高い温度である250℃以上で、上
記ポリイミド樹脂の融点よりも低い温度に加熱する事に
より、上記保持器素子の重量を0.04〜5%減少させ
ると共に所望寸法を有する保持器とする。
【0015】尚、上記空気雰囲気中での加熱温度として
好ましくは、300℃以上で上記融点以下、より好まし
くは310〜350℃とする。又、好ましくは、加熱に
伴う重量減少分を、0.4〜5.0%とし、より好まし
くは、1.6〜4.5%とする。この場合に於いて、上
記重量及び寸法減少分と加熱時間とは、図4〜5に示す
様に比例するので、この加熱時間を変える事により、こ
の重量及び寸法減少分の調節を行なう。尚、上記図4
は、330℃でポリイミド樹脂製の保持器を加熱した場
合に於ける、加熱時間と重量減少分(=熱処理前重量−
熱処理後重量)との関係を、図5は、同じ条件での加熱
時間と寸法減少分(=熱処理前寸法−熱処理後寸法)と
の関係を、それぞれ示している。
好ましくは、300℃以上で上記融点以下、より好まし
くは310〜350℃とする。又、好ましくは、加熱に
伴う重量減少分を、0.4〜5.0%とし、より好まし
くは、1.6〜4.5%とする。この場合に於いて、上
記重量及び寸法減少分と加熱時間とは、図4〜5に示す
様に比例するので、この加熱時間を変える事により、こ
の重量及び寸法減少分の調節を行なう。尚、上記図4
は、330℃でポリイミド樹脂製の保持器を加熱した場
合に於ける、加熱時間と重量減少分(=熱処理前重量−
熱処理後重量)との関係を、図5は、同じ条件での加熱
時間と寸法減少分(=熱処理前寸法−熱処理後寸法)と
の関係を、それぞれ示している。
【0016】更に、請求項3に記載したターボチャージ
ャ用回転支持装置は、前述した従来から知られているタ
ーボチャージャ用回転支持装置と同様に、一端部にター
ビンを、他端部にインペラを、それぞれ固定した回転軸
を、軸受ハウジングの内側に回転自在に支持する為、こ
の軸受ハウジングの内周面と上記回転軸の外周面との間
に、外輪の内周面に形成した外輪軌道と内輪の外周面に
形成した内輪軌道との間に円環状の保持器により保持さ
れた複数個の転動体を転動自在に配置して成る転がり軸
受を設けている。特に、本発明のターボチャージャ用回
転支持装置に於いては、上記保持器を請求項1に記載し
た保持器としている。
ャ用回転支持装置は、前述した従来から知られているタ
ーボチャージャ用回転支持装置と同様に、一端部にター
ビンを、他端部にインペラを、それぞれ固定した回転軸
を、軸受ハウジングの内側に回転自在に支持する為、こ
の軸受ハウジングの内周面と上記回転軸の外周面との間
に、外輪の内周面に形成した外輪軌道と内輪の外周面に
形成した内輪軌道との間に円環状の保持器により保持さ
れた複数個の転動体を転動自在に配置して成る転がり軸
受を設けている。特に、本発明のターボチャージャ用回
転支持装置に於いては、上記保持器を請求項1に記載し
た保持器としている。
【0017】尚、上記保持器に転動自在に保持して上記
転がり軸受を構成する転動体(玉)の性状に就いては特
に限定しないが、優れた耐熱性を有し、表面が硬い転動
体を使用する事が好ましい。例えば、使用温度が高くて
も硬度低下が少ない、M50等の耐熱鋼製の転動体が、
好ましく使用できる。又、このM50やその他の合金鋼
製の転動体の表面に硬質皮膜処理を施したり、或はこの
転動体に窒化処理を施して、表面硬度をHv800以上
としたもの等は、好ましく使用できる。更には、窒化珪
素( Si3N4 )等のセラミック製の転動体も、優れた耐
熱性と高い表面硬度とを有する事から、好ましく使用で
きる。
転がり軸受を構成する転動体(玉)の性状に就いては特
に限定しないが、優れた耐熱性を有し、表面が硬い転動
体を使用する事が好ましい。例えば、使用温度が高くて
も硬度低下が少ない、M50等の耐熱鋼製の転動体が、
好ましく使用できる。又、このM50やその他の合金鋼
製の転動体の表面に硬質皮膜処理を施したり、或はこの
転動体に窒化処理を施して、表面硬度をHv800以上
としたもの等は、好ましく使用できる。更には、窒化珪
素( Si3N4 )等のセラミック製の転動体も、優れた耐
熱性と高い表面硬度とを有する事から、好ましく使用で
きる。
【0018】
【作用】補強材として炭素繊維を含有したポリイミド樹
脂により完成後の寸法よりも大きな形状に造られた保持
器素子を加熱して重量を減少させる事により造られた保
持器の表面には、上記炭素繊維の一部が露出する。ター
ボチャージャの運転時には、この炭素繊維から離脱した
炭素の微粉末が転動体の転動面に付着して、この転動体
と相手部材との接触部を潤滑する。又、上記炭素繊維の
一部が上記保持器の表面に露出する事により、この保持
器の表面性状が粗くなって、この保持器の表面に潤滑油
が付着し易くなる。この結果、粘度の低い潤滑油を使用
した場合でも、十分な潤滑性を確保できる。
脂により完成後の寸法よりも大きな形状に造られた保持
器素子を加熱して重量を減少させる事により造られた保
持器の表面には、上記炭素繊維の一部が露出する。ター
ボチャージャの運転時には、この炭素繊維から離脱した
炭素の微粉末が転動体の転動面に付着して、この転動体
と相手部材との接触部を潤滑する。又、上記炭素繊維の
一部が上記保持器の表面に露出する事により、この保持
器の表面性状が粗くなって、この保持器の表面に潤滑油
が付着し易くなる。この結果、粘度の低い潤滑油を使用
した場合でも、十分な潤滑性を確保できる。
【0019】尚、請求項2に記載した保持器の製造方法
で、加熱処理に伴う重量減少分を0.04%以上とした
理由は、加熱処理後の保持器の表面に上記炭素繊維を、
確実に露出させる為である。この炭素繊維の露出量は、
上記加熱処理に基づく重量減少分が多い程多くなる為、
この重量減少分を、好ましくは0.4%以上、より好ま
しくは1.6重量%以上とする。但し、重量減少に伴っ
て保持器の靱性が低下する為、この重量減少を過大にす
る事はできない。上記加熱処理に伴う重量減少分が5.
0%を越えると、上記保持器の靱性が極端に低下する
為、この重量減少分の最大値を5.0%とする。更に好
ましくは、余裕を持たせて、重量減少分の最大値を4.
5%に抑える。
で、加熱処理に伴う重量減少分を0.04%以上とした
理由は、加熱処理後の保持器の表面に上記炭素繊維を、
確実に露出させる為である。この炭素繊維の露出量は、
上記加熱処理に基づく重量減少分が多い程多くなる為、
この重量減少分を、好ましくは0.4%以上、より好ま
しくは1.6重量%以上とする。但し、重量減少に伴っ
て保持器の靱性が低下する為、この重量減少を過大にす
る事はできない。上記加熱処理に伴う重量減少分が5.
0%を越えると、上記保持器の靱性が極端に低下する
為、この重量減少分の最大値を5.0%とする。更に好
ましくは、余裕を持たせて、重量減少分の最大値を4.
5%に抑える。
【0020】
【実施例】本発明の効果を確認する為に行なった実験に
就いて説明する。実験は、前述の図3に示した様な構造
を有する玉軸受を使用して行なった。内輪12の内径は
7mm、幅は5.5mm、外輪10の外径は17mm、幅は5
mmとした。又、これら内輪12及び外輪10は、耐熱鋼
製とし、表面を浸炭窒化処理により硬化させた。更に、
玉13、13は、窒化珪素を加圧焼結して成るセラミッ
クボールとした。更に、保持器14は、下記の構造を有
する熱可塑性ポリイミド樹脂(三井化学工業株式会社製
の、商品名「オーラム」、融点:約380℃)を使用し
た。又、この熱可塑性ポリイミド樹脂中に、炭素繊維を
30重量%混入した。尚、この炭素繊維の含有量は、例
えば10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%の
範囲で、設計的配慮により決定する。含有量が過少の場
合には十分な潤滑性を得にくくなり、反対に過剰の場合
には保持器の強度確保が難しくなる。
就いて説明する。実験は、前述の図3に示した様な構造
を有する玉軸受を使用して行なった。内輪12の内径は
7mm、幅は5.5mm、外輪10の外径は17mm、幅は5
mmとした。又、これら内輪12及び外輪10は、耐熱鋼
製とし、表面を浸炭窒化処理により硬化させた。更に、
玉13、13は、窒化珪素を加圧焼結して成るセラミッ
クボールとした。更に、保持器14は、下記の構造を有
する熱可塑性ポリイミド樹脂(三井化学工業株式会社製
の、商品名「オーラム」、融点:約380℃)を使用し
た。又、この熱可塑性ポリイミド樹脂中に、炭素繊維を
30重量%混入した。尚、この炭素繊維の含有量は、例
えば10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%の
範囲で、設計的配慮により決定する。含有量が過少の場
合には十分な潤滑性を得にくくなり、反対に過剰の場合
には保持器の強度確保が難しくなる。
【化1】
【0021】この様な材料を射出成形、更に一部に加熱
処理を施す事により、図3に示す様なもみ抜き型の保持
器14を得た。即ち、この加熱処理を施していない(加
熱時間=0)試料と、330℃で2時間加熱処理した試
料と、330℃で24時間加熱処理した試料と、330
℃で105時間加熱処理した試料と、330℃で300
時間加熱処理した試料との、全部で5種類の試料を造っ
た。これら5種類の試料のうち、加熱処理していない試
料の表面は、図6(A)に示す様に比較的凹凸が小さい
のに対して、加熱処理を施した試料に就いては、同図
(B)の様に比較的大きな凹凸が存在した。尚、図6
は、縦方向(面方向)の倍率を2000倍、横方向(厚
さ方向)の倍率を50倍としている。又、上記加熱処理
後の計量並びに計測によって、加熱時間と重量並びに寸
法の減少分とは、前述の図4〜5に示す様に比例する事
が確認できた。
処理を施す事により、図3に示す様なもみ抜き型の保持
器14を得た。即ち、この加熱処理を施していない(加
熱時間=0)試料と、330℃で2時間加熱処理した試
料と、330℃で24時間加熱処理した試料と、330
℃で105時間加熱処理した試料と、330℃で300
時間加熱処理した試料との、全部で5種類の試料を造っ
た。これら5種類の試料のうち、加熱処理していない試
料の表面は、図6(A)に示す様に比較的凹凸が小さい
のに対して、加熱処理を施した試料に就いては、同図
(B)の様に比較的大きな凹凸が存在した。尚、図6
は、縦方向(面方向)の倍率を2000倍、横方向(厚
さ方向)の倍率を50倍としている。又、上記加熱処理
後の計量並びに計測によって、加熱時間と重量並びに寸
法の減少分とは、前述の図4〜5に示す様に比例する事
が確認できた。
【0022】これら5種類の試料を、前述の図1〜2に
示す様なターボチャージャ用回転支持装置と同様の構造
を有する試験装置に組み付け、下記の条件で耐久試験を
行なった。 タービン3を駆動する高温ガスの温度 : 300〜5
00℃(昇降の繰り返し) 回転軸2の回転速度 : 16万〜20万min-1 (昇降
の繰り返し) 保持器14を組み付けた第一の玉軸受7の温度 : 2
00〜250℃(給油量の調整によりこの温度範囲内に
維持) 給油量 : 0.3〜0.5L/min 圧縮ばね16によるアキシアル予圧荷重 : 19.6
N(2kgf ) ラジアル荷重 : 上記回転軸2のアンバランスによる
ものとして、各種方向に付与、但し、各条件毎に10分
間ずつ安定 試験継続時間 : 12時間
示す様なターボチャージャ用回転支持装置と同様の構造
を有する試験装置に組み付け、下記の条件で耐久試験を
行なった。 タービン3を駆動する高温ガスの温度 : 300〜5
00℃(昇降の繰り返し) 回転軸2の回転速度 : 16万〜20万min-1 (昇降
の繰り返し) 保持器14を組み付けた第一の玉軸受7の温度 : 2
00〜250℃(給油量の調整によりこの温度範囲内に
維持) 給油量 : 0.3〜0.5L/min 圧縮ばね16によるアキシアル予圧荷重 : 19.6
N(2kgf ) ラジアル荷重 : 上記回転軸2のアンバランスによる
ものとして、各種方向に付与、但し、各条件毎に10分
間ずつ安定 試験継続時間 : 12時間
【0023】この様な条件で行なった実験の結果を図7
に示す。この図7の縦軸は、上記耐久試験後に於ける、
上記各試料(保持器14)のポケット15の内面の摩耗
量を、横軸は、上記加熱処理時間を、それぞれ表してい
る。この様な図7から明らかな通り、上記加熱処理を少
し(2時間)でも行ない、少し(0.04%)でも重量
を減少させれば、加熱処理を施さない場合に比べて上記
ポケット15の内面の摩耗量を著しく減少させる事がで
きる。又、上記加熱処理時間を24時間程度に伸ばし、
重量の減少分を0.4%程度にすれば、上記耐久試験後
に於ける摩耗量を10μm程度と、十分に小さくでき
る。更に、上記加熱処理時間を105時間以上に伸ば
し、重量の減少分を1.6%以上にすれば、上記耐久試
験後にも上記ポケット15の内面が殆ど摩耗しない。
に示す。この図7の縦軸は、上記耐久試験後に於ける、
上記各試料(保持器14)のポケット15の内面の摩耗
量を、横軸は、上記加熱処理時間を、それぞれ表してい
る。この様な図7から明らかな通り、上記加熱処理を少
し(2時間)でも行ない、少し(0.04%)でも重量
を減少させれば、加熱処理を施さない場合に比べて上記
ポケット15の内面の摩耗量を著しく減少させる事がで
きる。又、上記加熱処理時間を24時間程度に伸ばし、
重量の減少分を0.4%程度にすれば、上記耐久試験後
に於ける摩耗量を10μm程度と、十分に小さくでき
る。更に、上記加熱処理時間を105時間以上に伸ば
し、重量の減少分を1.6%以上にすれば、上記耐久試
験後にも上記ポケット15の内面が殆ど摩耗しない。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成し作用
する為、回転軸を支持する玉軸受の回転抵抗の低減を図
りつつ、この玉軸受の潤滑性能の向上を図れる。特に、
この玉軸受に供給する潤滑油の粘度を低くしたり量を少
なくしても、この玉軸受の構成部材の摩耗を防止でき
る。この為、低振動で優れた応答特性並びに信頼性を有
するターボチャージャ用回転支持装置を実現できる。
する為、回転軸を支持する玉軸受の回転抵抗の低減を図
りつつ、この玉軸受の潤滑性能の向上を図れる。特に、
この玉軸受に供給する潤滑油の粘度を低くしたり量を少
なくしても、この玉軸受の構成部材の摩耗を防止でき
る。この為、低振動で優れた応答特性並びに信頼性を有
するターボチャージャ用回転支持装置を実現できる。
【図1】ターボチャージャの全体構成を示す断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】玉軸受のみを取り出して示す断面図。
【図4】保持器素子に対する加熱処理時間と重量減少分
との関係を示す線図。
との関係を示す線図。
【図5】保持器素子に対する加熱処理時間と寸法減少分
との関係を示す線図。
との関係を示す線図。
【図6】熱処理の前後に於ける保持器の表面粗さの違い
を説明する為の粗さ線図。
を説明する為の粗さ線図。
【図7】耐久試験の結果を示す線図及び耐久試験後の表
面形状を示す粗さ線図。
面形状を示す粗さ線図。
1 排気流路 2 回転軸 3 タービン 4 インペラ 5 給気流路 6 軸受ハウジング 7 第一の玉軸受 8 第二の玉軸受 9 外輪軌道 10 外輪 11 内輪軌道 12 内輪 13 玉 14 保持器 15 ポケット 16 圧縮ばね 17 押圧環 18 ケーシング 19 給油通路 20 フィルタ 21 隙間空間 22 ノズル孔 23 排油口 24 隙間空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:04 B29L 31:04 Fターム(参考) 3G005 FA30 FA31 GB51 GD14 GD18 JA12 JA17 JA40 KA01 3J101 AA03 AA32 AA42 AA54 AA62 BA50 CA13 DA20 EA34 FA31 FA32 GA21 4F203 AA40 AB11 AB18 AB25 AH14 AR06 AR15 DA14 DB01 DC01
Claims (3)
- 【請求項1】 ターボチャージャの回転軸をハウジング
の内側に回転自在に支持する為の転がり軸受に組み込ん
で、この転がり軸受を構成する複数の転動体を転動自在
に保持する為、全体が円環状でこれら各転動体を保持す
る為の複数のポケットを円周方向に亙り間欠的に設けた
保持器であって、補強材として炭素繊維を含有したポリ
イミド樹脂製で、250℃以上でこのポリイミド樹脂の
融点よりも低い温度で加熱処理されたターボチャージャ
用転がり軸受の保持器。 - 【請求項2】 請求項1に記載したターボチャージャ用
転がり軸受の保持器の製造方法であって、補強材として
炭素繊維を含有したポリイミド樹脂により完成後の寸法
よりも大きな形状を有する保持器素子を形成した後、こ
の保持器素子を空気雰囲気中で、250℃以上で上記ポ
リイミド樹脂の融点よりも低い温度に加熱する事によ
り、上記保持器素子の重量を0.04〜5%減少させる
と共に所望寸法を有する保持器とするターボチャージャ
用転がり軸受の保持器の製造方法。 - 【請求項3】 一端部にタービンを、他端部にインペラ
を、それぞれ固定した回転軸を、軸受ハウジングの内側
に回転自在に支持する為、この軸受ハウジングの内周面
と上記回転軸の外周面との間に、外輪の内周面に形成し
た外輪軌道と内輪の外周面に形成した内輪軌道との間に
円環状の保持器により保持された複数個の転動体を転動
自在に配置して成る転がり軸受を設けたターボチャージ
ャ用回転支持装置に於いて、上記保持器を請求項1に記
載した保持器とした事を特徴とするターボチャージャ用
回転支持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001040030A JP2002242937A (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | ターボチャージャ用転がり軸受の保持器とその製造方法及びターボチャージャ用回転支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001040030A JP2002242937A (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | ターボチャージャ用転がり軸受の保持器とその製造方法及びターボチャージャ用回転支持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002242937A true JP2002242937A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18902712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001040030A Pending JP2002242937A (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | ターボチャージャ用転がり軸受の保持器とその製造方法及びターボチャージャ用回転支持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002242937A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20090129716A1 (en) * | 2006-06-30 | 2009-05-21 | Ntn Corporation | Heat-Resistant, Oil Resistant Rolling Bearing and Rolling Bearing for Use in a Compressor of a Refrigerating Machine |
US9695708B2 (en) | 2015-04-12 | 2017-07-04 | Honeywell International Inc. | Turbocharger spring assembly |
US9963998B2 (en) | 2013-06-18 | 2018-05-08 | Honeywell International Inc. | Assembly with bearings and spacer |
US9976476B2 (en) | 2015-04-12 | 2018-05-22 | Honeywell International Inc. | Turbocharger bearing assembly |
US10208623B2 (en) | 2015-04-12 | 2019-02-19 | Garrett Transportation I Inc. | Turbocharger bearing assembly |
US20190178292A1 (en) * | 2016-07-15 | 2019-06-13 | Ihi Corporation | Seal structure and turbocharger |
US10753367B2 (en) | 2015-12-01 | 2020-08-25 | Ihi Corporation | Mounting structure and turbocharger |
-
2001
- 2001-02-16 JP JP2001040030A patent/JP2002242937A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20090129716A1 (en) * | 2006-06-30 | 2009-05-21 | Ntn Corporation | Heat-Resistant, Oil Resistant Rolling Bearing and Rolling Bearing for Use in a Compressor of a Refrigerating Machine |
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