JP2002147138A - 防火ブラインドおよびそれを使用した防火区画システム - Google Patents
防火ブラインドおよびそれを使用した防火区画システムInfo
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Abstract
防火シャッターに代わって十分に延焼防止機能が発揮で
きる防火設備、およびそれを使用した防火区画を提供す
る。 【解決手段】 複数の耐火性遮蔽板を開閉可能に設けて
防火ブラインド10を構成する。かかる防火ブラインド
10を、エスカレータ11を設けた竪穴区画20とその
周囲とを火災時の延焼防止の目的で区画する防火区画シ
ステムの一部に、防火シャッターの代わりとして使用す
る。
Description
に使用する防火機能を有する防火ブラインド、およびそ
れを使用した防火区画システムに関する。
災時の延焼を防止するために、建物内の所定面積の空間
ごとに、耐火間仕切壁などで区画する防火区画を設ける
ことが義務づけられている。
万が一にも火災が発生した場合でも、火災を防火区画の
一部に閉じ込めるなどして局部的なものに抑えることが
できる。火災を局部的なものに抑えることにより、建物
全体への延焼を防止したり、あるいは消火し易くした
り、あるいは火災発生部から避難路を隔離するなどして
居住者を安全に避難させることができる。
ターが設けられる場合がある。建築基準法では、かかる
開口部に設ける耐火設備としては、耐火60分の耐火性
能、あるいは耐火20分の耐火性能を有することが求め
られている。
用いられる場合としては、例えば、上下階を連絡するエ
スカレータの側面部位に使用される場合が挙げられる。
かかるエスカレータの設置箇所は、上下階を竪方向に吹
き抜け状に形成した空間で、竪穴区画とも呼ばれるが、
火災時に吹き抜け火焔が発生した場合でも、上階に延焼
などが起きないように、かかる竪穴区画とその周囲とは
防火区画で区画されている。
ャッターで区画した様子を示した。図6に示すように、
エスカレータ1の上方部分には、火災時の煙の拡散など
を防止するための防火下り壁2が設けられ、これに隣接
した天井3の内側にはシャッターボックス4が設けられ
ている。シャッターボックス4のモータにより昇降可能
に構成された防火シャッター5が垂下されて設置されて
いる。
き上げられており、例えば、デパートなどのように上階
の売り場がエスカレータ1の利用客から見渡せるように
視界が確保できるように配慮されている。一方、火災発
生時には、防火シャッター5が降ろされ下階から竪穴区
画6を上昇してきた火焔などによる上階への延焼を防止
できるように構成されている。
は、火災時に万が一にも防火シャッター5に不具合が発
生して、防火機能を十分に発揮できない場合でも大丈夫
なように、近年はガラススクリーン7が設けられてい
る。
ターは延焼防止の重要な役目を担っているが、過去に
は、防火シャッターが火災時に降下不具合を起こしたた
め、十分な延焼防止効果が発揮されず、延焼拡大に繋が
り多数の人命が失われた例も報告されている。そこで降
下不具合が発生しない構成の防火設備が求められる。
ない防火戸を使用した例も多数見受けられる。しかし、
従来の防火戸は、規定の耐火性能を持たせるため、分厚
い鋼板で形成されており、防火戸を使用した構成では、
防火シャッターの巻上げ時に見られるような十分な視界
確保は期待できない。
た空間的開放感を与えるような雰囲気作りが重要視され
る空間構成では、重厚で、且つ視界確保が十分に行えな
い防火戸の使用は難しい場合も考えられる。そこで、図
6に示すように、防火シャッターの背後に隣接して天井
側から床までガラススクリーンを設けておき、視界の確
保を行うとともに、万が一にも防火シャッターの下降不
具合が発生しても、ある程度の延焼防止ができるような
対策が採られている。
クリーンを設けて二重に延焼防止を行うことは悪くはな
いが、設備効率という観点からは、二重の安全策を設け
ずに下降不具合を回避できる防火設備の開発が求められ
ている。
保の点で防火戸に比べて勝っているが、空間をガラス面
で画分するため、区画された空間同士の空気の流通は遮
断される。そのため、暖房、冷房などの空気調整におい
ては、その部分で空気の流れの遮断に基づく空調不良が
発生し易いという問題がある。
湿度と室内温度とのバランスがとれない場合もあり、ガ
ラススクリーンの透明なガラス面に結露が発生するなど
曇りが見られ、デパートなど快適な売り場空間を演出で
きない場合も発生する。
に、モータ巻上げなどにより天井側に昇降可能に構成す
るため、シャッターボックスを設けているが、その分、
防火シャッターのシャッータ面をフロア側に入り込んだ
状態で設けなければならなかった。そのため、エスカレ
ータの上階部分における乗降口の様子を示す図6からも
分かるように、シャッター面5aがエスカレータ側面1
aからかなり離れた位置に垂下されて、シャッター面5
aとエスカレータ側面1aとの間はデッドスペース8と
なっていた。
たりの売りげ向上を目指すことが求められるため、かか
る無駄なデッドスペースが発生しない技術が求められ
る。
え、火災時には防火シャッターに代わって十分に延焼防
止機能が発揮できる防火設備、およびそれを使用した防
火区画を提供することにある。
は、複数の耐火性遮蔽板が開閉可能に設けられ、防火区
画の開口部に設置されることを特徴とする。前記複数の
耐火性遮蔽板が閉じ状態では、隣接する前記耐火性遮蔽
板が互いに係合状態で連接されていることを特徴とす
る。前記耐火性遮蔽板は長手方向に沿った端部がクラン
ク形状に形成され、隣接する双方の前記耐火性遮蔽板の
クランク形状部分同士が互いに噛み合わされて係合され
ることを特徴とする。
かの構成の防火ブラインドを防火区画の開口部に使用し
たことを特徴とする。あるいは、上記いずれかの構成の
防火ブラインドを、防火区画における防火シャッターの
適用箇所に、前記防火シャッターの代わりに使用したこ
とを特徴とする。前記防火区画の防火シャッターの適用
箇所とは、エスカレータなどの竪穴区画を囲む周囲箇所
であることを特徴とする。あるいは、前記防火ブライン
ドは、エスカレータ上方の防火下り壁に沿って、前記エ
スカレータ近傍側方に下された状態で設けられているこ
とを特徴とする。
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の防火ブラ
インドを竪穴区画の一部に使用した構成を示す一部断面
説明図である。図2は、本発明の防火ブラインドを構成
する複数の耐火性遮蔽板を開け状態にした様子を示す部
分斜視図である。図3(A)は、複数の耐火性遮蔽板を
閉じ状態にした場合の様子を一部断面で示した部分拡大
図であり、(B)は(A)に示す複数の耐火性遮蔽板の
開閉時の回転状況を示す説明図である。
ンド10は、エスカレータ11を有する竪穴区画20を
囲う防火区画の一部として使用されている。エスカレー
タ11の上方には、火災時の煙の拡散を防止する防火下
り壁12が設けられている。防火下り壁12に接して天
井13が設けられている。
向けて下方に防火ブラインド10が鉛直に設置されてい
る。防火ブラインド10の枠部材10aの上端部(図示
せず)が天井13側に固定され、下端部(図示せず)が
床14に固定されている。枠部材10aの内側に、図2
に部分的に示すように、複数の耐火性遮蔽板15が互い
に並行に上下方向に並べて設けられている。
成されている。耐火性遮蔽板15の長さは、例えば、従
来構成の防火シャッターの巾に合わせた長さ程度に設定
すればよい。かかる長さに設定することにより、従来の
防火区画で使用していた防火シャッターの代わりに、本
発明の防火ブラインドを使用することができる。また、
従来の防火戸の代わりに防火ブラインドを使用する場合
には、かかる防火戸の巾に合わせて耐火性遮蔽板15の
長さを設定しておけばよい。
15の長さはかかる長さに限定する必要はなく、必要に
応じて適宜長さ、適宜巾に設定すればよいことは勿論で
ある。
うに、その断面はクランク状に形成されている。すなわ
ち、耐火性遮蔽板15の上下の対向する長手方向の端面
部15a、15bは、その対角位置で対称に突部16
a、16bが設けられ、耐火性遮蔽板15の長手方向に
対する短断面が略クランク状に屈曲された形状に形成さ
れてクランク形状部分が設けられている。
は、図3(A)に示すように、中央に回転中心17が設
けられ、枠部材10aの左右部にその回転中心17が回
転可能に取り付けられている。耐火性遮蔽板15は、そ
の回転中心17の回りに、図3(B)に示すように回転
させることができる。耐火性遮蔽板15の回転は、例え
ば、モータ回転で自動的に迅速に行えるように構成して
おけばよい。
は、複数の耐火性遮蔽板15をワイヤー(図示せず)で
連結しておき、このワイヤーをモータで巻上げたり、あ
るいは巻き戻したりして複数の耐火性遮蔽板15の開閉
を行うようにすればよい。しかし、回転機構はかかるモ
ータ回転機構以外の構成でも構わなく、例えば、手動で
回転させるものであっても構わない。
15を回転矢印方向に同期させて回転させることによ
り、板面が横方向に位置するようにすれば、防火ブライ
ンド10の耐火性遮蔽板15の間を通して、視界が確保
される。併せて、空気流通も確保される。
は逆方向に耐火性遮蔽板15を回転させると、上下に隣
接する耐火性遮蔽板15のそれぞれの長手方向の端面部
15a、15bに設けた突部16a、16b同士が互い
に係合して、図3(A)に示すように閉じ状態にされ
る。このように、突部16a、16bが噛み合った状態
に係合して閉じ状態に構成されるため、防火ブラインド
10を介して隔てられた一方の空間から、他方の空間に
炎や高温空気、煙が流れ込むことはなく、延焼を効果的
に防止することができる。
0a、耐火性遮蔽部材15は、スチール、ステンレスな
どの耐火性能を有する材質で形成すればよい。例えば、
現行の耐火規格に適合するように、耐火20分の耐火性
能、あるいは耐火60分の耐火性能を有するように材質
選定を行えばよい。また、図4に示すように、スチール
あるいはステンレスなどで形成した遮蔽板18の表面
に、耐火塗装などの耐火被覆18aを形成することによ
り、耐火性遮蔽板15を形成しても構わない。
て膨張する熱感応型発泡材を使用しても構わない。火災
時の高温で、発泡することにより、隣接する耐火性遮蔽
板15間の隙間を効果的に塞ぐことができる。熱感応型
発泡材としては、ケイ酸ソーダ系、カーボングラファイ
ト系などの従来より使用されているものを使用すればよ
い。
a、16bの上端面側部分のみに熱感応型発泡材19を
設けるようにしてもよい。このように構成しておけば、
火災発生時に、隣接する耐火性遮蔽板15を閉じ状態に
したときのクランク形状部分同士間の隙間を、所定の高
温になった時点で、発泡膨張してより効果的に塞ぐこと
ができる。
板15を閉じ状態にしたときに発生するおそれのある隙
間部に、開閉時に支障を来さないように設けておき、火
災時に感熱発泡して隙間を塞ぐようにしておけばよい。
竪穴区画20の一部に、防火ブラインド10を使用した
防火区画システムについて説明したが、これ以外の防火
区画で使用することができるのは勿論である。例えば、
異種用途区画、裸火区画、水平区画などに使用しても構
わない。防火戸を設置したいが、平常時に開放感や見通
しを確保したい場所に有効に使用することができる。
が、火災時における降下不具合を懸念する場合にも、本
発明の防火ブラインド10は、防火シャッターに代えて
使用することができる。
に前記説明の防火ブラインド10を使用した場合を示
す。避難階段30は、防火区画壁31により室内32と
区画されている。防火区画壁31には、避難階段30側
と室内32との出入りができるように防火戸33、およ
び防火ブラインド10が設けられている。防火戸33に
は耐火ガラス34が使用され、階段室35側の採光が十
分に確保されるように構成されている。
どの歩行困難者が、火災時の避難階段の利用に際して、
急いで避難する避難者の流れに巻き込まれて転倒したり
などしないように、待避所36が設けられている。待避
所36を構成する防火区画壁31部分には、耐火ガラス
37が設けられて、室内側の状況確認が、あるいは室内
側に進入した救助隊が待避所に待避者がいるか居ないか
確認できるようになっている。
避難階段区画システムでは、平常時に、防火ブラインド
10の耐火性遮蔽板15を開状態にしておけば、室内3
2と避難階段30の階段室35側とは空気流通が可能と
なり、階段室35側の換気が確保される。従来構成で
は、室内32側と階段室35側とは、防火戸33を介し
て繋がっているだけのため、防火戸33を開状態にする
以外には、室内32との通気性確保を行うことができ
ず、階段室35側に外部との換気用の換気扇などを設け
ていた。
ブラインド10を使用することにより、防火戸33を閉
じ状態にしておいても十分に室内32と階段室35側と
の通気性が確保でき、階段室35用の換気扇を設けるこ
となく、階段室35側の換気を行うことができる。
により、防火区画に設けた防火戸を閉じた状態でも、採
光および通気性を確保することができる。
遮蔽板を回転させて開閉を行うため、従来構成の防火シ
ャッターとは異なり、火災時の降下不具合の心配がな
い。また、防火シャッターを使用する場合とは異なり、
天井側などに防火シャッターを巻き上げるシャッターボ
ックスの設置スペースを必要とせず、防火シャッターを
使用した場合とは異なり、デッドスペースの発生を防止
することができる。その分、スペースの有効活用が図れ
る。
を採用しない防火ブラインドを使用しているため、火災
時における降下不具合に纏わる懸念がなく、さらに平常
時には、採光、視界、通気性の確保が行える。
区画の一部に使用した構成を示す一部断面説明図であ
る。
態にした様子を示す部分斜視図である。
場合の様子を一部断面で示した部分拡大図であり、
(B)は(A)に示す複数の耐火性遮蔽板の開閉時の回
転状況を示す説明図である。
した構成を示す斜視図である。
構成の防火区画システムの様子を示す一部断面説明図で
ある。
Claims (7)
- 【請求項1】 複数の耐火性遮蔽板が開閉可能に設けら
れ、防火区画の開口部に設置されることを特徴とする防
火ブラインド。 - 【請求項2】 請求項1記載の防火ブラインドにおい
て、 前記複数の耐火性遮蔽板が閉じ状態では、隣接する前記
耐火性遮蔽板が互いに係合状態で連接されていることを
特徴とする防火ブラインド。 - 【請求項3】 請求項2記載の防火ブラインドにおい
て、 前記耐火性遮蔽板は長手方向に沿った端部がクランク形
状に形成され、隣接する双方の前記耐火性遮蔽板のクラ
ンク形状部分同士が互いに噛み合わされて係合されるこ
とを特徴とする防火ブラインド。 - 【請求項4】 防火区画の開口部に、請求項1ないし3
のいずれか1項に記載の防火ブラインドを使用したこと
を特徴とする防火区画システム。 - 【請求項5】 防火区画における防火シャッターの適用
箇所に、前記防火シャッターの代わりに、請求項1ない
し3のいずれか1項に記載の防火ブラインドが使用され
ていることを特徴とする防火区画システム。 - 【請求項6】 請求項5記載の防火区画システムにおい
て、 前記防火区画の防火シャッターの適用箇所とは、エスカ
レータなどの竪穴区画を囲む周囲箇所であることを特徴
とする防火区画システム。 - 【請求項7】 請求項6記載の防火区画システムにおい
て、 前記防火ブラインドは、エスカレータ上方の防火下り壁
に沿って、前記エスカレータ近傍側方に下された状態で
設けられていることを特徴とする防火区画システム。
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JP2000343169A JP4566387B2 (ja) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | 防火ブラインドおよびそれを使用した防火区画システム |
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