JP2002146610A - 接着芯地及びその製造方法 - Google Patents

接着芯地及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002146610A
JP2002146610A JP2001262347A JP2001262347A JP2002146610A JP 2002146610 A JP2002146610 A JP 2002146610A JP 2001262347 A JP2001262347 A JP 2001262347A JP 2001262347 A JP2001262347 A JP 2001262347A JP 2002146610 A JP2002146610 A JP 2002146610A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interlining
resin
adhesive resin
thermoplastic adhesive
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001262347A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Fujitsubo
憲雄 藤坪
Katsumi Inoue
勝美 井上
Toshihiro Kondo
俊弘 近藤
Fumio Ueda
文男 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiren Co Ltd
Kyokuyo Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Seiren Co Ltd
Kyokuyo Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiren Co Ltd, Kyokuyo Sangyo Co Ltd filed Critical Seiren Co Ltd
Priority to JP2001262347A priority Critical patent/JP2002146610A/ja
Publication of JP2002146610A publication Critical patent/JP2002146610A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】芯地基布あるいは表地が低目付であっても接着
樹脂の染み出しが極めて少なく、且つ接着した場合にも
表地の風合いや品位を損なうことの無い接着性に優れた
接着芯地を提供すること。 【解決手段】 芯地基布2に粒状の熱可塑性接着樹脂1
を付与した接着芯地2であって、付与された粒状の熱可
塑性接着樹脂1の個数の95%以上が芯地基布表面部に
配置され、且つ、粒径が100μm以下である熱可塑性
接着樹脂が芯地基布表面部に1平方センチメートルあた
り250個以上配置されてなり、粒径50〜100μm
の粒状の熱可塑性接着樹脂の個数が全体の50%以上を
占め、且つ粒径100〜200μmの粒状の熱可塑性接
着樹脂の個数が全体の30%以下であり、芯地基布が撥
水・撥油加工が施され、目付10〜40g/m2 であ
り、熱可塑性接着樹脂の融点が70〜120℃である接
着芯地。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣服の表地に接着
し、可縫製性及び保型性を持たせるために使用される接
着芯地及びその製造方法に関するものであり、さらに詳
しくは、接着剤の染み出しが極めて少なく、表地に接着
した場合に表地の風合いを損なうことの無い接着性に優
れた接着芯地に関する。
【0002】
【従来の技術】衣服には保型のために芯地が用いられて
いる。このように衣服に保型性を持たせる目的で使用さ
れる芯地は、一般にホットメルトと呼ばれる熱可塑性接
着樹脂(以下、「接着樹脂」又は単に「樹脂」という場
合もある)を芯地基布に対して付与したものが知られて
いる。接着樹脂の付与方法には、パウダー散布方式、パ
ウダードット方式、ペーストドット方式、ダブルドット
方式等がある。工業的に最も簡単で、しかも最も古い方
法は、パウダー状の接着樹脂を芯地基布に散布し、加熱
装置をとおして焼結、固着させるパウダー散布方式であ
る。
【0003】しかしながら、この方式では、接着樹脂を
芯地基布の上部から芯地基布の表面全体に落下させるた
め、粒径の小さな樹脂は芯地基布組織が有する開孔部や
内部に入り込み易い。そのため、表地と貼り合わせる際
に接着樹脂全体が接着に効率よく寄与することができず
十分な接着強度が得られないことや、芯地基布裏面に樹
脂が染み出す逆染み(別名「ストライクバック現象」と
も呼ばれる)が起きたり、接着布の風合いが必要以上に
硬くなるという幾つかの問題点があった。また芯地基布
に対する樹脂パウダーの散布状態が不均一であるため、
風合いや接着強度に大きなムラが生じる等の問題があっ
た。
【0004】ここで芯地基布組織の開孔部とは、芯地基
布を表面から見た糸束間の隙間を意味し、織物や編物の
みならず不織布における空隙をも含むものとする。一
方、芯地基布組織の内部とは、厚み方向から見た糸束間
の隙間を意味するものとする。そこで、パウダー状の接
着樹脂を、均一に芯地基布に配置させるのに好適な方法
として開発されたのが、パウダードット方式である。
【0005】この方式では、半球状の多数の窪みが形成
された彫刻ロールの窪みにパウダー状の樹脂を充填した
後、加熱された芯地基布にロールを押し当て、パウダー
状樹脂をドット状に転写する。引き続き加熱処理により
樹脂を焼結させ、芯地基布に固着させる。この方式にお
いては、風合いや接着強度のムラは解消されるが、その
ドット形成過程において、パウダー状の樹脂が芯地基布
組織の開孔部や内部に入り込む現象は依然として解消で
きず、表地との接着の際に逆染みが発生したり、接着布
の風合いが必要以上に硬くなるという問題があった。
【0006】図5及び図6は、パウダー散布方式を使っ
た場合におけるパウダー状の樹脂Cが芯地基布組織の開
孔部に入り込んだ状態を模式的に示した図であり、図5
は斜視図であり図6は断面図である。
【0007】このような、パウダー散布方式やパウダー
ドット方式等、芯地基布に接着樹脂を直接付与する方法
では、樹脂は芯地基布の表面に配置されると共に、多く
の割合で芯地基布組織の開孔部や内部にも入り込むた
め、表地との接着の際に、加熱溶融した樹脂が芯地基布
に浸透し芯地基布裏面に染み出したり、風合いが損なわ
れたりするといった欠点になるのである。この現象は、
開孔径の大きな低目付の芯地基布を用いた時、より顕著
に発生する。この問題を解決するため、接着樹脂と芯地
基布との間に浸透防止層を設けて二重構造接着芯地とす
る、いわゆるダブルドット方式が知られている。
【0008】この構造は、接着樹脂層と芯地基布との間
に設けられた浸透防止樹脂層により、接着樹脂の芯地基
布内部及び裏面への流動移行現象を防止するものであ
る。例えば、ダブルパウダードット方式、ダブルペース
トドット方式、ペーストドット+パウダー散布方式など
が考えられているが、なかでもペーストドット+パウダ
ー散布方式は、接着樹脂層と浸透防止樹脂層の積層が容
易であり、現在この方式が一般に行われている。
【0009】この方式は、まず芯地基布に、浸透防止層
を形成するペースト状の熱硬化性樹脂を、ロータリース
クリーンロールを用いたプリント機等によりドット状に
配置する。続いて、熱硬化性樹脂が粘着性を有している
間に、パウダー状の接着樹脂をその上から全体に散布す
る。それにより、ペーストドット状の熱硬化性樹脂(浸
透防止層)の上にパウダー状接着樹脂が付着されるが、
その後に浸透防止層以外の部分に散布された余分なパウ
ダー状の樹脂をエアーの吹き付けや吸引などにより取り
除く。その後に加熱装置を通過させて加熱処理すること
により、ドット状の熱硬化性樹脂(浸透防止層)を乾燥
させると共にその上部にある接着樹脂を溶融させて、芯
地基布にドット状の樹脂を固着させるものである。
【0010】この方式では、ドット状の接着樹脂の下部
にある浸透防止層の存在により、接着樹脂が芯地基布裏
面へ染み出す欠点は一応解消され、接着強度も向上す
る。しかしながら、逆染みを完全に防止するには、浸透
防止層にある程度の面積を持たせておくことが必要とな
り、風合いは硬くなる傾向にあった。また、ロータリー
スクリーンロールの作成精度や材料強度の点から、付与
できるドット数は最大で200個/cm2 程度が限界で
あり、ドット径も最小で200μm程度が限界であっ
た。
【0011】このため、低目付の極薄手表地に対して
は、接着後の表地表面に樹脂ドットによる樹脂当たりを
発生させたり、表地表面への樹脂の染み出しを発生させ
たりするという問題があり、適用が困難であった。さら
に、ペーストドット+パウダー散布方式は、樹脂の付与
工程が2工程であるのに加えて、余分なパウダー状接着
樹脂を取り除く工程が必要で、製造工程が複雑となる。
しかも、均一で安定したドット形成が難しく、ドット以
外の芯地基布部分に樹脂が残留し、縫製工場での取り扱
いの際、そのパウダー状接着樹脂が脱落して作業場を汚
したり、接着時に逆染みを発生させたりする等の問題が
あった。
【0012】低目付の極薄手表地に対する接着芯地とし
ては、上述のパウダー散布方式やパウダードット方式に
おいて、極力、粒径の小さな樹脂を使用することで、接
着後の表地表面荒れ欠点や樹脂の染み出し欠点を解消し
ている。しかしながら、これらの方式では、上述したよ
うにパウダー状接着樹脂が芯地基布組織の開孔部や内部
に入り込む現象が生じ、接着強度不足や風合い硬化とい
った問題は避けられない。このように芯地基布裏面への
樹脂の染み出しや、表地表面への樹脂の染み出し、表地
表面荒れ等の欠点を抑え、風合いを損なうことなく、且
つ十分な接着強度を有し、特に極薄手表地にも適用でき
る接着芯地を得ることは困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な従来の問題点を解決するためになされたものである。
すなわち、芯地基布あるいは表地が低目付であっても接
着樹脂の染み出しが極めて少なく、且つ接着した場合に
も表地の風合いや品位を損なうことの無い接着性に優れ
た接着芯地を提供せんとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な技術的背景をもとに鋭意研究を重ねた結果、芯地基布
の表面に粒径の小さな熱可塑性接着樹脂を多数付与する
ことにより、芯地基布裏面や表地表面への染み出しを防
ぎ、且つ十分な接着強度が得られることを見出した。ま
たその手段として、微細線状に熱可塑性接着樹脂を該基
布の表面部にのみ付与し、その後加熱することにより微
細線状の樹脂を分断して、表面張力の作用により基布表
面にのみ粒状の樹脂を形成し、固着させる方法を見出し
た。これらの知見により本発明を完成させたものであ
る。
【0015】すなわち本発明は、(1)、芯地基布に粒
状の熱可塑性接着樹脂を付与した接着芯地であって、付
与された粒状の熱可塑性接着樹脂の個数の95%以上が
芯地基布表面部に配置され、且つ、粒径が100μm以
下である熱可塑性接着樹脂が芯地基布表面部に1平方セ
ンチメートルあたり250個以上配置されてなる接着芯
地に存する。
【0016】そして、(2)、粒径50〜100μmの
粒状の熱可塑性接着樹脂の個数が全体の50%以上を占
めることを特徴とする接着芯地に存する。
【0017】そしてまた、(3)、粒径100〜200
μmの熱可塑性接着樹脂の個数が全体の30%以下であ
ることを特徴とする接着芯地に存する。
【0018】そしてまた、(4)、芯地基布が、撥水・
撥油加工が施されていることを特徴とする接着芯地に存
する。
【0019】そしてまた、(5)、芯地基布の目付が1
0〜40g/m2 であることを特徴とする接着芯地に存
する。
【0020】そしてまた、(6)、熱可塑性接着樹脂の
融点が、70〜120℃であることを特徴とする接着芯
地に存する。
【0021】そしてまた、(7)芯地基布に粒状の熱可
塑性接着樹脂を付与した接着芯地であって、付与された
粒状の熱可塑性接着樹脂の個数の95%以上が芯地基布
表面部に配置され、且つ、粒径が100μm以下である
熱可塑性接着樹脂が芯地基布表面部に1平方センチメー
トルあたり250個以上配置されてなり、粒径50〜1
00μmの粒状の熱可塑性接着樹脂の個数が全体の50
%以上を占め、且つ粒径100〜200μmの粒状の熱
可塑性接着樹脂の個数が全体の30%以下であり、芯地
基布が撥水・撥油加工が施され、目付10〜40g/m
2 であり、熱可塑性接着樹脂の融点は70〜120℃で
ある接着芯地に存する。
【0022】そしてまた、(8)、芯地基布の表面に微
細線状に熱可塑性接着樹脂を付与する工程、微細線状に
熱可塑性接着樹脂を付与した芯地基布を熱可塑性接着樹
脂が溶融するに十分な温度で加熱処理して、微細線状の
熱可塑性接着樹脂を分断して孤立した粒状の熱可塑性接
着樹脂に凝集させる工程、とよりなる接着芯地の製造方
法に存する。
【0023】そしてまた、(9)、微細線状の熱可塑性
接着樹脂が線径50μm以下であることを特徴とする接
着芯地の製造方法に存する。
【0024】また接着芯地は、本発明の目的に沿ったも
のであれば、上記1〜7の中から選ばれた2つ以上を組
み合わせた種々の構成も採用可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。本発明の接着芯地に付与されている粒状の熱
可塑性接着樹脂は、芯地基布の表面部に形成されている
ことが重要であり、また全体の個数の95%以上が芯地
基布表面部に配置されていることが必要である。芯地基
布表面部に配置されている樹脂の個数が全体の95%未
満であると、樹脂の染み出しが発生したり、風合いが硬
くなったりする恐れがある。ここで芯地基布表面部に配
置されるとは、主として、芯地基布を構成する糸束の表
面上部に付与される状態をいう。
【0026】また、粒状の熱可塑性接着樹脂は、種々の
粒径のものを含んでいるが、粒径が100μm以下のも
のについて、1平方センチメートルあたり250個以上
形成されていることが必要である。粒径が100μm以
下の樹脂の個数が250個未満であると、接着強度が十
分発揮できない恐れがある。また100μmより大きい
粒径のものが多数個形成されていると、接着強度は増大
するが風合いが硬くなり、さらに芯地基布裏面への樹脂
の染み出しや表地表面への樹脂の染み出しが起り易くな
る。
【0027】また全体として見た場合、接着強度の観点
から、粒径が50〜100μmの樹脂の個数が、全体の
50%以上を占めるように分布されていることがより好
ましい。また全体として見た場合、樹脂の染み出しや風
合い硬化の観点から、粒径が100〜200μmの樹脂
の個数は全体の30%以下であることがより好ましい。
接着強度と接着後の風合い、染み出し等のバランスを考
慮すると上記の条件を満たすことが重要である。
【0028】このように本発明の接着芯地は、付与され
ている粒状の熱可塑性接着樹脂が粒径100μm以下と
微細で、且つ1平方センチメートル当たりの個数が25
0個以上であり、且つ基布表面部に存在しているため
に、樹脂が均一に配置されているパウダードッド方式や
ダブルドット方式とは異なり、樹脂が不均一に配置され
ている状態であっても、表地と接着した時に十分な接着
強度が得られ、かつ芯地基布裏面への樹脂の染み出しや
表地表面への樹脂の染み出しといった現象が生じず、ま
た表地の風合いを損なうことがないのである。
【0029】次に、熱可塑性接着樹脂の種類としては、
ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エチ
レン酢ビ共重合体等の公知のホットメルト接着剤が使用
できるが、接着強度及び耐洗濯性、耐ドライクリーニン
グ性の面からポリアミド系の樹脂が好ましい。
【0030】また、熱可塑性接着樹脂の融点は、70〜
120℃の範囲にあるものが好ましい。融点が120℃
より高いと、接着芯地と衣服表地と張り合わせる際に温
度や圧力を上げたり、接着時間を長くしなければなら
ず、加工生産性が低下するばかりか、表地の風合いを損
なうこととなる。逆に70℃より低いと接着芯地と衣服
表地との接着は容易となり、生産性は低下しないが、縫
製工場でのアイロン掛け時や衣服となった後のアイロン
掛け時に、樹脂の染み出し等の不具合が生じる場合があ
る。なお、明確な融点を持たない樹脂については、溶融
して接着性を発揮する温度、いわゆる膠化温度が70〜
120℃の範囲にあるものを使用する。
【0031】芯地基布への熱可塑性接着樹脂の付与量は
2〜10g/m2 が好ましい。2g/m2 より少ないと
接着強度が不十分であり、10g/m2 より多いと表地
と貼り合わせた後の風合いが硬くなったり、染み出しが
発生しやすくなる等好ましくない。
【0032】ところで芯地基布の繊維素材は、ポリアミ
ド系繊維,ポリエステル系繊維,ポリオレフィン系繊
維,アクリル系繊維,ウレタン系繊維等の合成繊維、ア
セテート等の半合成繊維、ビスコースレーヨン等の再生
繊維、また、木綿,羊毛,絹,麻等の天然繊維、等を採
用でき、これらは単独で又は組み合わせてもよい。
【0033】芯地基布の目付としては特に限定するもの
ではないが、10〜40g/m2 といった低目付のもの
が好ましく、孤立した粒状の樹脂1つ1つが微細である
ことに起因する(1)芯地基布からの樹脂の染み出しを
発生させないという効果、(2)接着布の風合いを必要
以上に硬くしないという効果を最大限に発揮させること
ができる。
【0034】また、芯地基布の組織形態としては編物、
織物、不織布のいずれも使用可能であり、特に限定する
ものではないが、柔軟な風合いと接着した後の保型性能
が発揮される編物や織物を使用した場合がより効果的で
ある。より詳細な組織形態として、編組織としては、ハ
ーフ、逆ハーフ等のトリコット編、スムース、天竺等の
丸編、ヨコ糸挿入経編、タテヨコ糸挿入経編等が挙げら
れ、織組織としては、平織、綾織、朱子織、梨地織等が
挙げられ、不織布としては、バインダータイプ、サーマ
ルボンドタイプ、乾式湿式スパンボンドタイプ、湿式抄
紙タイプ、ステッチボンドタイプ等が挙げられる。
【0035】また、芯地基布組織の開孔度合は特に限定
するものではなく、例えば芯地基布が織物である場合、
カバーファクター(CF)で表すならば、一般的な芯地
基布の範囲であれば何ら問題ないが、芯地基布からの樹
脂の染み出しを発生させないという本発明の効果をより
顕著に発揮させるには、600〜900といった低目の
ものが好ましい。
【0036】なお、カバーファクターは以下のように算
出する。すなわち カバーファクター(CF)=M1×D11/2 +M2×D
1/2 M1:タテ糸密度(本/2.5cm) D1:タテ糸太さ(dtex) M2:ヨコ糸密度(本/2.5cm) D2:ヨコ糸太さ(dtex)
【0037】また、編物、織物で使用される糸は紡績
糸、フィラメント糸、それらからなる嵩高加工糸、及び
複合糸のいずれでも構わないが、合成繊維や半合成繊
維、再生繊維を使用する場合は、フィラメント糸を使用
することが好ましく、マルチフィラメント糸がより好ま
しく、嵩高処理されたマルチフィラメント糸がさらに好
ましい。マルチフィラメント嵩高加工糸の使用により、
熱可塑性接着樹脂が配置された場合、該樹脂と接する表
面積が多くなるため、樹脂付与量に対して効率よく接着
強度を高めることができる。
【0038】この嵩高加工糸は、仮撚加工、噴射加工、
賦型加工等により微細な捲縮が形成されたものである。
また、芯地の用途に合わせて混繊糸、カバリング糸、精
紡交撚糸等の複合糸も使用できる。編物、織物で使用さ
れる糸の繊度は特に限定するものではなく、紡績糸の場
合メートル番手で1/6〜1/100Nm、フィラメン
ト糸の場合9〜330dtex、単糸繊度は0.2〜1
0dtexであればよいが、熱可塑性接着樹脂と接する
表面積を多くして、孤立した粒状の樹脂を芯地基布表面
に多数形成させるためには、単糸繊度3dtex以下の
マルチフィラメント糸が好ましい。
【0039】また、予め芯地基布に撥水・撥油加工を施
しておくと、加熱処理時において樹脂の表面張力がより
有効に作用し、樹脂を微細な無数の孤立した粒状に形成
させることに効果的であり、さらに加熱時の樹脂の染み
込みを防ぐことにもより効果的である。撥水・撥油加工
に使用する撥水・撥油剤は特に限定されるものではな
く、一般的な繊維素材の加工に使用されるものでよく、
特に撥水・撥油性が良好なフッ素系撥水・撥油剤が好ま
しい。
【0040】また撥水加工の結果として得られた芯地基
布の撥水度としては、特に限定するものではないが、J
IS L1096ー1990 スプレー法で50〜10
0が好ましく、70〜90がより好ましい。撥水度が5
0より低いと表面張力が不十分のため、後述する芯地基
布表面に熱可塑性接着樹脂を微細線状に付与する工程、
及び加熱して樹脂の形状を線から孤立した粒状のものへ
と移行させる工程の両工程において、熱可塑性接着樹脂
が芯地基布内部に染み込んでしまい、孤立した粒状の樹
脂を形成させることができなくなる恐れがある。また、
撥水度があまりにも高いと、芯地基布の素材や組織によ
っては、ドライクリーニング等の洗濯時に、粒状の樹脂
が芯地基布から遊離する恐れがある。従って芯地基布の
撥水度は70〜90がより好ましい。
【0041】本発明の接着芯地を製造する場合、第1工
程として、芯地基布の表面に微細線状に熱可塑性接着樹
脂を付与する工程、第2工程として、微細線状に熱可塑
性接着樹脂を付与した芯地基布を加熱処理し、微細線状
の熱可塑性接着樹脂を分断して孤立した粒状に凝集させ
る工程を経るものである。まず、芯地基布の表面に微細
線状に熱可塑性接着樹脂を付与する方法としては、例え
ば、連続的に基布が移動する状態で、加熱溶融し流動性
の維持された該接着樹脂を、基布が移動する方向に対し
て垂直方向に直線状で等間隔に配列された微細孔を通じ
て、微細な線状(糸状ともいう)に押し出す。そして、
エアー等を用いて芯地基布表面に直接、クモの巣状(不
織布状のうち、特に開孔の大きなものをいう)、又は不
織布状に樹脂を連続的に形成させる方法がある。
【0042】また他の方法として、熱可塑性接着樹脂を
前もってクモの巣状、又は不織布状にシート化したもの
を、芯地基布と重ね加熱等の方法により接着させる方法
がある。前者の方法が、熱可塑性接着樹脂の付与量をよ
り少なく調整できること、及び線径を小さくできること
から、薄手の衣服用表地へ接着芯地として用いた場合
も、より満足できる風合いを得ることが可能となり、好
ましく使用される。
【0043】図1及び図2は、芯地基布の表面に微細線
状に熱可塑性接着樹脂が付与されている状態を模式的に
示した図で、図1は斜視図であり図2は断面図である。
芯地基布の表面に微細線状に形成された熱可塑性接着樹
脂を全体的に見ると、クモの巣状に形成されて見える。
このクモの巣状の代わりに不織布状とすることも当然可
能である。熱可塑性接着樹脂1は、線Aとなって開孔部
Sに充填されることなく、糸(芯地基布2)の上に乗っ
た状態である〔図1参照〕。
【0044】図2を見ると芯地基布2の表面にのみ微細
線状の熱可塑性接着樹脂が付与されているのが分かる。
上述の芯地基布に直接、熱可塑性接着樹脂を微細線状に
付与する方法において、該樹脂粘度は、温度調整により
10,000〜60,000mPa・sとすることが好
ましく、さらに好ましくは10,000〜30,000
mPa・sである。樹脂粘度が60,000mPa・s
より高いと、熱可塑性接着樹脂を押出すための微細孔が
配列された吐出ノズルに無理がかかるため熱可塑性接着
樹脂を均一に線状に付与しにくくなる。樹脂粘度が1
0,000mPa・sより低いと、熱可塑性接着樹脂が
線状とならずに大きな粒状となって芯地基布に付与され
るため好ましくない。
【0045】微細線状の熱可塑性接着樹脂の線径(最大
線径をいう)は50μm以下となることが好ましく、よ
り好ましくは30μm以下である。線径が50μmより
大きくなると、後述する加熱処理工程の際に、微細線状
の熱可塑性接着樹脂が分断されにくいため、孤立した粒
状に移行しにくくなり、粒径が100μmより大きなも
のが数多く形成されてしまう。その結果、粒径が100
μm以下の大きさの熱可塑性接着樹脂を1平方センチメ
ートルあたり250個以上形成させることが困難とな
る。この場合、樹脂粘度、吐出量、吐出部(ヘッド)と
芯地基布とのクリアランス、ホットエアー流量、吐出口
径、等を適宜選択して、樹脂を50μm以下の線径とな
るよう調整する。
【0046】次に、微細線状に熱可塑性接着樹脂を付与
した芯地基布を加熱処理し、微細線状の熱可塑性接着樹
脂を分断して孤立した粒状に凝集させるための処理方法
としては、微細線状に熱可塑性接着樹脂を付与した芯地
基布に対して、直接接触しないで加熱する方法(後述す
る)が採用される。このような加熱により、微細線状に
付与された熱可塑性接着樹脂は、一度溶融することによ
り表面張力が働いて、微細線状のものが分断して孤立
し、芯地基布の表面(表層)に粒となって固着される。
【0047】図3及び図4は、芯地基布の表面に孤立し
た粒状の熱可塑性接着樹脂が固着されている状態を模式
的に示した図であり、図3は斜視図であり図4は断面図
である。図1に示したような微細線状の連続した線Aの
状態から、加熱処理により、図3のように、熱可塑性接
着樹脂1は、溶融して表面張力により孤立分断されて粒
Bとなる。この場合も、図4の断面図の如く、熱可塑性
接着樹脂は開孔部Sに充填されることなく芯地基布2の
表面にのみ固着されることが分かる。
【0048】このように、衣服表地と接着させる前の段
階において、熱可塑性接着樹脂を付与した芯地基布を加
熱処理して形状を微細な線から微細な孤立状の粒に移行
させたことに大きな意味がある。微細線状の熱可塑性接
着樹脂が溶融し、表面張力により無数の微細な孤立した
粒状に凝集することから、衣服表地と接着させた時の接
着面積が小さくなるため、風合いが損なわれ難い。
【0049】低目付で芯地基布の開孔径が大きいもの、
例えば、開孔径の大きな40g/m 2 以下の低目付であ
っても、基布表面上に微細線状に連続して付与された熱
可塑性接着樹脂は芯地基布の表面にのみ載り易く、ま
た、加熱処理によって、凝集して基布の表面に微細な孤
立した粒状に固着するため、熱可塑性接着樹脂が基布の
繊維組織内部に入り込むことがほとんどない。
【0050】この加熱処理の具体的な方法としては、樹
脂が付与された芯地基布面に直接接触しないで加熱する
方法、例えば、熱風加熱処理、電熱加熱処理、赤外線加
熱処理、高周波加熱処理等が採用される。また、加熱ロ
ール等により芯地基布の樹脂が付与されていない面を加
熱する方法でも良い。
【0051】加熱条件は、使用する熱可塑性接着樹脂の
種類にもよるが、樹脂粘度が60,000mPa・s以
下とならない温度で処理することがより好ましい。粘度
が60,000mPa・s以下となるまで加熱すると、
流動性の高くなった熱可塑性接着樹脂が芯地基布に染み
込む不具合が発生する恐れがある。加熱時間についても
微細線状の熱可塑性接着樹脂が溶融して物理的に分断し
孤立して粒状に凝集するに十分な移動時間を確保するこ
とが必要である。この加熱処理は、微細線状に熱可塑性
接着樹脂を付与した後、連続して行っても良いし、一
旦、芯地基布を巻き取ってから行っても良い。
【0052】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるもの
ではない。
【0053】
【実施例】<評価法> 樹脂付与後の外観:目視 樹脂の基布表面配置率、芯地基布表面に配置されてい
る粒径100μm以下の樹脂の個数、粒径分布、平均粒
径:接着芯地を電子顕微鏡により観察し、適宜に5箇所
以上を写真撮影する。スケールゲージをもとに形成され
ている樹脂の数と粒径を写真よりそれぞれ測定した。ま
た測定した粒径およびその数から粒径分布、平均粒径及
び基布表面配置率を計算により求めた。
【0054】樹脂と芯地基布との相互固着性:目視 ○ 芯地基布を引っ張っても樹脂が剥がれない △ 芯地基布を引っ張ると樹脂が剥がれる部分がある × 芯地基布を引っ張ると樹脂が簡単に剥がれる
【0055】接着強度:被着布(表地)としてポリエ
ステル仮撚加工糸使い平織物(ジューンソワ生地、タテ
糸密度210本/2.5cm、ヨコ糸密度114本/
2.5cm、目付85g/m2 )を用いた。接着芯地を
被着布に重ね、フラットプレス機にて、温度140℃、
プレス圧力147.1kPaで10秒間処理して接着
し、その接着布の接着強度を測定した(JIS L10
86−1983、測定幅 2.5cm、引張速度 10
0mm/分)。またその後、ドライクリーニング処理
(JIS L1018−1990 E−2法)を3回行
い、さらにその接着布の接着強度を測定した。
【0056】逆染み(1):の接着強度評価の対象
物と同様に作成した接着布の接着芯地基布面同士を重ね
て、フラットプレス機にて、温度140℃、プレス圧力
147.1kPaで5秒間処理して接着強度(JIS
L1086−1983、測定幅 2.5cm、引張速度
100mm/分)を測定した。尚、接着芯地面同士の
接着強度が大きいということは、芯地裏面への接着樹脂
の染み出し現象が起っているということを示す。
【0057】逆染み(2):縫製工程における表地と
の貼り合わせ作業性 ◎ 作業性に全く支障がない ○ 作業性に支障がない × 作業性に支障がある
【0058】接着布表地表面への樹脂当たり状態〔
の接着布に対する〕:目視 ○ 樹脂が確認できない △ 樹脂が僅かに確認できる × 樹脂が確認できる
【0059】接着布の風合い(1)〔の接着布に対
する〕:カトーテック製KES測定装置FB−2によ
り、接着布20cm×20cmの剪断剛性G(CN/c
m・degree)を測定した。剪断特性Gが大きいほ
ど、接着布の風合いが硬いことを示す。なお、被着布自
体(ポリエステル仮撚加工糸使い平織物)の剪断剛性は
0.50CN/cm・degreeであった。
【0060】接着布の風合い(2)〔の接着布に対
する〕:感触 ○ 芯地接着前の表地とほとんど変わらない △ 芯地接着前の表地よりもやや硬い × 芯地接着前の表地よりもかなり硬い
【0061】
【実施例1】タテ糸、ヨコ糸ともナイロン17dtex
/5f仮撚加工糸を使用して平織組織で製織し、その
後、リラックス処理、液流染色工程を経てフッ素系撥水
剤にて撥水加工を施し、撥水度80(JIS L109
6−1990 スプレー法)、タテ糸密度127本/
2.5cm、ヨコ糸密度73本/2.5cm、目付18
g/m2 、巾98cmの芯地基布を得た。該芯地基布に
対して押出しスクリュー式ホットメルトアプリケーター
〔(株)笠松加工研究所製〕を用いて200℃に加熱溶
融した熱可塑性接着樹脂CM841Xペレット〔東レ
(株)製、ポリアミド樹脂、融点115℃〕を、カーテ
ンスプレー装置〔(株)サンツール製、シム径0.3m
m×0.3mm、ピッチ間隔0.5mm〕により、以下
の付与条件にて樹脂を微細線状として全体にクモの巣状
で付与した。電子顕微鏡で確認したところ、最大線径は
35μmであった。
【0062】(付与条件)ヘッド温度:200℃ エアー流量:0.2m3 /分 塗工スピード:30m/分 クリアランス:50mm 付与量:5g/m2 付与後、ピンテンター(熱風加熱処理)にて130℃×
60秒熱風処理し、熱可塑性接着樹脂を溶融させて本発
明の接着芯地を得た。電子顕微鏡で確認したところ、形
成された粒状の樹脂のうち97%が基布表面部に配置さ
れており、そのうち粒径が100μm以下のものは27
0個/cm2であった。また粒径が50μm以下のもの
が全体で6%、50〜100μmのものが65%、10
0〜200μmのものが28%を占めており、粒径が2
00〜300μmのものは1%未満であった。
【0063】
【実施例2】付与条件のエアー流量を0.3m3 /分、
シム径を0.2mm×0.2mmとし熱可塑性接着樹脂
を不織布状に付与したこと以外は実施例1同様に処理を
行い、本発明の接着芯地を得た。電子顕微鏡で確認した
ところ最大線径は25μmであった。形成された粒状の
樹脂のうち97%が基布表面部に配置されており、その
うち粒径が100μm以下のものは300個/cm2
あった。また粒径が50μm以下のものが全体で9%、
50〜100μmのものが70%、100〜200μm
のものが20%を占めており、粒径が200〜300μ
mのものは1%未満であった。
【0064】
【実施例3】タテ糸、ヨコ糸ともポリエステル22dt
ex/24f仮撚加工糸を使用して平織組織で製織し、
その後、リラックス処理、液流染色工程を経てフッ素系
撥水剤にて撥水加工を施し、撥水度80(JIS L1
096−1990 スプレー法)、タテ糸密度104本
/2.5cm、ヨコ糸密度62本/2.5cm、目付2
1g/m2 、巾98cmの芯地基布を得た。該芯地基布
に対して、押出しスクリュー式ホットメルトアプリケー
ター〔(株)笠松加工研究所製〕を用いて210℃に加
熱溶融した熱可塑性接着樹脂PES−085ペレット
〔東亜合成(株)製、ポリエステル樹脂、融点100
℃〕を、カーテンスプレー装置〔(株)サンツール製、
シム径0.2mm×0.2mm、ピッチ間隔0.5m
m〕により、以下の付与条件にて樹脂を微細線状として
全体に不織布状で付与した。電子顕微鏡で確認したとこ
ろ、最大線径は25μmであった。
【0065】 付与後、ピンテンター(熱風加熱処理)にて130℃×
60秒熱風処理し、熱可塑性接着樹脂を溶融させて本発
明の接着芯地を得た。電子顕微鏡で確認したところ、形
成された粒状の樹脂のうち97%が基布表面部に配置さ
れており、そのうち粒径が100μm以下のものは30
0個/cm2視認できた。また粒径が50μm以下のも
のが全体で9%、50〜100μmのものが70%、1
00〜200μmのものが20%を占めており、粒径が
200〜300μmのものは1%未満であった。
【0066】
【比較例1】パウダードット方式 予め240℃の加熱ロールにて加熱した実施例1の芯地
基布に対して、熱可塑性接着樹脂842P48粉末〔東
レ(株)製、ポリアミド樹脂、融点115℃、平均粒径
145μm〕を、半球状の窪みを有する彫刻ロールにて
140個/cm 2 の密度にてドット状に付与した。続い
て赤外線ヒーターゾーンにて160℃で加熱し、熱可塑
性接着樹脂を固着して接着芯地を得た。電子顕微鏡で確
認したところ、平均径(ドット径)180μmのドット
が形成されており、そのうちの70%が基布表面部に配
置されていた。
【0067】
【比較例2】ダブルドット方式(ペーストドット+パウ
ダー散布方式) 実施例1と同様の芯地基布に、アクリル酸エステル系エ
マルジョン樹脂をペースト化したものを、ロータリース
クリーンプリント機にて140個/cm2 の密度にてド
ット状に付与し、浸透防止樹脂層を形成した。続いて、
この浸透防止樹脂層が粘着性を有する状態で、熱可塑性
接着樹脂842P48粉末〔東レ(株)製、ポリアミド
樹脂、融点115℃、平均粒径145μm〕を35g/
2 で散布し、0.5mmのスリットを有する30cm
幅のスリットノズルにより0.9Nm3 /分の風量で、
粉末散布面の裏側からエアーブローを行い、浸透防止樹
脂層に付着されない余分な粉末を除去した。次に、16
0℃の電熱式温風ドライヤーにて加熱し、接着芯地を得
た。電子顕微鏡で確認したところ、浸透防止樹脂による
平均径(ドット径)250μmのドットが形成されてお
り、そのうちの95%に、熱可塑性接着樹脂が積層され
ていた。また、形成されたのドットのうち80%が基布
表面部に配置されていた。
【0068】
【比較例3】付与後、加熱処理を行わなかったこと以外
は、実施例1と同様に芯地基布に対して熱可塑性接着樹
脂を付与し、接着芯地を得た。電子顕微鏡で確認したと
ころ、熱可塑性接着樹脂は微細線状のままであった。
【0069】
【比較例4】パウダー散布方式 実施例1と同様の芯地基布に対して、熱可塑性接着樹脂
842P80粉末〔東レ(株)製、ポリアミド樹脂、融
点115℃、平均粒径45μm〕を散布方式により8g
/m2 で付与した。次に130℃の電熱式温風ドライヤ
ーにて加熱し、熱可塑性接着樹脂を固着して接着芯地を
得た。電子顕微鏡で確認したところ、付与された樹脂の
うち50%が基布表面部に配置されており、かつ粒径1
00μm以下の樹脂は基布表面部に160個/cm2
認された。また粒径が50μm以下のものが全体で60
%、50〜100μmのものが40%を占めていた。以
上、実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例4の諸特
性の評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】本発明の接着芯地によれば、孤立した粒
状の熱可塑性接着樹脂が形成され、しかもそれが芯地基
布の表面に固着されているため、衣服表地と接着させた
時の接着面積が小さくなり、芯地基布本来の風合いが損
なわれ難い。また、芯地基布裏面や表地表面への樹脂の
染み出しも起こらない。これらの利点は、開孔径の大き
な低目付の芯地基布を対象とする場合に、極めて有効と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、芯地基布の表面に微細線状に熱可塑性
接着樹脂が付与されている状態を模式的に示した斜視図
である。
【図2】図2は、芯地基布の表面に微細線状に熱可塑性
接着樹脂が付与されている状態を模式的に示した断面図
である。
【図3】図3は、芯地基布の表面に孤立した粒状の熱可
塑性接着樹脂が固着されている状態を模式的に示した斜
視図である。
【図4】図4は、芯地基布の表面に孤立した粒状の熱可
塑性接着樹脂が固着されている状態を模式的に示した断
面図である。
【図5】図5は、パウダー散布方式を使った場合におい
て芯地基布の開孔部にパウダー状の樹脂Cが入り込んだ
状態を模式的に示した斜視図である。
【図6】図6は、パウダー散布方式を使った場合におい
て芯地基布の開孔部にパウダー状の樹脂Cが入り込んだ
状態を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】 1…熱可塑性接着樹脂 2…芯地基布 A…線 B…粒 C…パウダー状の樹脂 S…開孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 勝美 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内 (72)発明者 近藤 俊弘 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内 (72)発明者 上田 文男 福井県福井市大手2丁目7番15号 旭陽産 業株式会社内 Fターム(参考) 3B035 AA25 AB17 AC13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯地基布に粒状の熱可塑性接着樹脂を付
    与した接着芯地であって、付与された粒状の熱可塑性接
    着樹脂の個数の95%以上が芯地基布表面部に配置さ
    れ、且つ、粒径が100μm以下である熱可塑性接着樹
    脂が芯地基布表面部に1平方センチメートルあたり25
    0個以上配置されてなることを特徴とする接着芯地。
  2. 【請求項2】 粒径50〜100μmの粒状の熱可塑性
    接着樹脂の個数が全体の50%以上を占めることを特徴
    とする請求項1記載の接着芯地。
  3. 【請求項3】 粒径100〜200μmの粒状の熱可塑
    性接着樹脂の個数が全体の30%以下であることを特徴
    とする請求項2記載の接着芯地。
  4. 【請求項4】 芯地基布が、撥水・撥油加工が施されて
    いることを特徴とする請求項1記載の接着芯地。
  5. 【請求項5】 芯地基布の目付が10〜40g/m2
    あることを特徴とする請求項4記載の接着芯地。
  6. 【請求項6】 熱可塑性接着樹脂の融点が、70〜12
    0℃であることを特徴とする請求項1に記載の接着芯
    地。
  7. 【請求項7】 芯地基布に粒状の熱可塑性接着樹脂を付
    与した接着芯地であって、付与された粒状の熱可塑性接
    着樹脂の個数の95%以上が芯地基布表面部に配置さ
    れ、且つ、粒径が100μm以下である熱可塑性接着樹
    脂が芯地基布表面部に1平方センチメートルあたり25
    0個以上配置されてなり、粒径50〜100μmの粒状
    の熱可塑性接着樹脂の個数が全体の50%以上を占め、
    且つ粒径100〜200μmの粒状の熱可塑性接着樹脂
    の個数が全体の30%以下であり、芯地基布が撥水・撥
    油加工が施され、目付10〜40g/m2 であり、熱可
    塑性接着樹脂の融点が70〜120℃であることを特徴
    とする接着芯地。
  8. 【請求項8】 芯地基布の表面に微細線状に熱可塑性接
    着樹脂を付与する工程、微細線状に熱可塑性接着樹脂を
    付与した芯地基布を熱可塑性接着樹脂が溶融するに十分
    な温度で加熱処理して、微細線状の熱可塑性接着樹脂を
    分断して孤立した粒状の熱可塑性接着樹脂に凝集させる
    工程、とよりなることを特徴とする接着芯地の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 微細線状の熱可塑性接着樹脂が線径50
    μm以下であることを特徴とする請求項8記載の接着芯
    地の製造方法。
JP2001262347A 2000-08-31 2001-08-30 接着芯地及びその製造方法 Pending JP2002146610A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001262347A JP2002146610A (ja) 2000-08-31 2001-08-30 接着芯地及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000263339 2000-08-31
JP2000-263339 2000-08-31
JP2001262347A JP2002146610A (ja) 2000-08-31 2001-08-30 接着芯地及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002146610A true JP2002146610A (ja) 2002-05-22

Family

ID=26598950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001262347A Pending JP2002146610A (ja) 2000-08-31 2001-08-30 接着芯地及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002146610A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015214764A (ja) * 2014-05-08 2015-12-03 日東紡績株式会社 接着芯地
KR101782629B1 (ko) 2016-08-02 2017-09-27 강현수 의류부자재 및 그의 부착방법
WO2020110294A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 株式会社ユタックス 肌着およびその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6321981A (ja) * 1986-07-11 1988-01-29 日東紡績株式会社 接着芯地およびその製造方法
JPH0214004A (ja) * 1988-06-29 1990-01-18 Kanai Hiroyuki 撥水性接着芯地の製造方法
JPH02167383A (ja) * 1988-12-21 1990-06-27 Tokyo Ink Kk 接着芯地用ポリアミド粉末接着剤
JPH093781A (ja) * 1995-06-20 1997-01-07 Japan Vilene Co Ltd 接着布
JPH1180687A (ja) * 1997-09-05 1999-03-26 Japan Vilene Co Ltd 接着芯地

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6321981A (ja) * 1986-07-11 1988-01-29 日東紡績株式会社 接着芯地およびその製造方法
JPH0214004A (ja) * 1988-06-29 1990-01-18 Kanai Hiroyuki 撥水性接着芯地の製造方法
JPH02167383A (ja) * 1988-12-21 1990-06-27 Tokyo Ink Kk 接着芯地用ポリアミド粉末接着剤
JPH093781A (ja) * 1995-06-20 1997-01-07 Japan Vilene Co Ltd 接着布
JPH1180687A (ja) * 1997-09-05 1999-03-26 Japan Vilene Co Ltd 接着芯地

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015214764A (ja) * 2014-05-08 2015-12-03 日東紡績株式会社 接着芯地
KR101782629B1 (ko) 2016-08-02 2017-09-27 강현수 의류부자재 및 그의 부착방법
WO2020110294A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 株式会社ユタックス 肌着およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2636060B2 (ja) 融着性芯布
RU2383669C2 (ru) Способ изготовления особо мягкого и трехмерного нетканого материала и нетканый материал, изготовленный этим способом
JP6994581B2 (ja) 人工芝
US8500942B2 (en) Fusible textile fabric
JP2007084627A (ja) 目止めテープおよびこれを用いた繊維製品
JP6844708B2 (ja) 接着芯地及び積層複合材料
US8354144B2 (en) Thermofusible textile fabric
JP6785754B2 (ja) ビニル床材用の支持体材料
CZ285916B6 (cs) Teplem lepivý podklad obsahující rouno z vláken propletených s tvarovanými útkovými nitěmi, a zařízení pro jeho výrobu
EP2501544B1 (en) Elastic fabric with adhesive
JP4728827B2 (ja) 織物接着芯地及びその製造方法
JP5517085B2 (ja) 接着芯地
JP5540731B2 (ja) 人工皮革およびその製造方法
JP2002146610A (ja) 接着芯地及びその製造方法
JP2002105826A (ja) 開孔不織布及びその製造方法
JP2017222074A (ja) 複合基布及びその製造方法
JP4042909B2 (ja) 内装材
JP5894729B2 (ja) ニット生地用接着芯地の製造方法
JP2001279510A (ja) 接着芯地
WO2002017739A1 (fr) Tissu adhesif absorbant et son procede de fabrication
JP3708233B2 (ja) 接着芯地
JP2925582B2 (ja) 均一性に優れた接着芯地及びその製造方法
JP3545857B2 (ja) 断熱性複合体及びこの製造方法
JP2004308037A (ja) 接着布及びその製造方法
JP3278288B2 (ja) 絡合不織布およびこれを用いた芯地

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100709

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20110428

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110829