JP2002146381A - 軸受用潤滑油 - Google Patents

軸受用潤滑油

Info

Publication number
JP2002146381A
JP2002146381A JP2000350947A JP2000350947A JP2002146381A JP 2002146381 A JP2002146381 A JP 2002146381A JP 2000350947 A JP2000350947 A JP 2000350947A JP 2000350947 A JP2000350947 A JP 2000350947A JP 2002146381 A JP2002146381 A JP 2002146381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
mass
lubricating oil
phosphate
phenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000350947A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4447147B2 (ja
Inventor
Takahiro Kudo
孝浩 工藤
Shigeo Terada
茂穂 寺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosmo Oil Lubricants Co Ltd
Original Assignee
Cosmo Oil Lubricants Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cosmo Oil Lubricants Co Ltd filed Critical Cosmo Oil Lubricants Co Ltd
Priority to JP2000350947A priority Critical patent/JP4447147B2/ja
Publication of JP2002146381A publication Critical patent/JP2002146381A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4447147B2 publication Critical patent/JP4447147B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐酸化性・耐蒸発性・耐摩耗性に優れる軸受
用潤滑油を提供する。 【解決手段】 軸直径が0.5〜1000mmの軸受に
使用する軸受用潤滑油であって、動粘度が100℃で
1.0〜100.0mm/s、粘度指数が100以上
の合成油を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受用潤滑油に関
し、特に耐酸化性・耐蒸発性・耐摩耗性に優れる軸受用
潤滑油に関する。
【0002】
【技術背景】従来、軸直径が小さい機器の潤滑手段とし
ては、グリースが使用されるのが一般的である。しか
し、軸が高速で回転するときは、従来のグリースではト
ルクが大きくなったり、軸の振動が大きくなったり、騒
音が出たりすることがある。
【0003】そこで、軸受けの潤滑手段としてオイルを
使用することが考えられる。しかし、オイルを使用する
場合であっても、基油や添加剤の種類によっては、著し
く蒸発し易かったり、酸化され易かったりすることがあ
る。特に、軸直径が小さい精密機械類では、オイルが薄
膜状態に晒されるため熱的な負荷が大きく、また、その
性格上メンテナンスフリーで使用されることが多い。従
って、オイルへの要求性能は、長期間にわたり優れた酸
化安定性を有し、蒸発量が少なく、また材料の摩耗をで
きるだけ少なくする優れた潤滑性能となる。
【0004】
【発明の目的】本発明は、以上の諸点を考慮し、軸直径
が0.5〜1000mmの軸受に使用される潤滑油であ
って、優れた耐酸化性・耐蒸発性・耐摩耗性を有する潤
滑油を提供することを目的とする。
【0005】
【発明の概要】本発明の軸受用潤滑油は、上記目的を達
成するために、軸直径が0.5〜1000mm、好まし
くは0.5〜500mm、より好ましくは0.5〜50
mmの軸受に使用される潤滑油であって、動粘度が10
0℃で1.0〜100.0mm /s、粘度指数が10
0以上の合成油を基油とし、該基油のみで構成されてい
てもよい。また、この基油に、(A)アルキル化ジフェ
ニルアミン0.05〜2.0質量%、(B)アルキル化
フェニル−α−ナフチルアミン0.05〜2.0質量
%、のいずれか一方または双方を含んでもよく、さら
に、これに(C)フォスファイト0.1〜5.0質量
%、(D)フォスフェート類0.1〜5.0質量%、
(E)ベンゾトリアゾール及びその誘導体の少なくとも
一種0.001〜0.05質量%、(F)アルキルコハ
ク酸誘導体0.01〜0.3質量%のうちの1種類以上
を組み合わせて配合してもよい。
【0006】本発明における基油は、100℃での動粘
度が1.0〜100.0mm/s、好ましくは1.2
5〜40.0mm/s、さらに好ましくは1.5〜2
0.0mm/s、特に好ましくは1.75〜10.0
mm/sである。100℃での動粘度が1.0mm
/sより小さいと蒸発性が極端に悪くなり、100.0
mm/sより大きいと軸の起動トルクが大きくなって
電源の消費が増大する。また、粘度指数が100以上、
好ましくは110〜250、さらに好ましくは115〜
250、特に好ましくは165〜210である。この粘
度指数は、JIS K2283に規定の方法で測定した
ものであり、粘度指数が100未満であると、所期の性
能を得ることができない。
【0007】上記特性を有する合成油(基油)として
は、炭化水素系合成油;モノエステル、ジエステル、ポ
リオールエステル(トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチル
ジオールエステル、コンプレックスエステル)、ポリグ
リコールエステル、グリセリンエステル、芳香族エステ
ル等のエステル油;アルキル化ジフェニルエーテル、ア
ルキル化トリフェニルエーテル、アルキル化テトラフェ
ニルエーテル、アルキル化ポリフェニルエーテル等のエ
ーテル油;各種シリコーン油;各種フッ素油;等が挙げ
られる。これらの合成油(基油)は、単独で使用しても
よいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0008】上記の炭化水素系合成油としては、ポリ−
α−オレフィン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィ
ンオリゴマー等が挙げられる。モノエステルとしては、
カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、アラ
キドン酸、イコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキ
サエン酸、リグノセリン酸等と、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デ
カノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノ
ール、テトラデカノール、ペンタデカノール等の1価の
アルコールとからなるモノエステルが挙げられる。ジエ
ステルとしては、マロン酸、メチルマロン酸、コハク
酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン
酸、グルタン酸、アジピン酸、ジメチルコハク酸、ピメ
リン酸、テトラメチルコハク酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ブラシル酸等と、上記の1価のアル
コールの同一種または異種との2塩基酸からなるジエス
テルが挙げられる。ポリオールエステルとしては、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトールと、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール
酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、
エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸とから
なるポリオールエステルが挙げられる。ポリグリコール
エステルとしては、ポリグリコールと、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノ
ール酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコ
サペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグ
ノセリン酸とからなるグリコールエステルが挙げられ
る。グリセリンエステルとしては、モノ脂肪酸グリセリ
ン、ジ脂肪酸グリセリン、トリ脂肪酸グリセリンが挙げ
られ、これらの脂肪酸は、カプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノ
ール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン
酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸等
が挙げられる。ポリフェニルエーテルは、アルキル基が
ないものでもよいし、直鎖または分枝鎖のアルキル基が
あるものでもよく、これらのアルキル基は、メチル、エ
チル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−
ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネ
オペンチル、t−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘ
キシル、i−ヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブ
チル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチ
ル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、n−ノ
ニル、メチルオクチル、エチルペプチル、n−デシル、
n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル等が
挙げられる。
【0009】本発明の軸受用潤滑油は、以上の合成油
(基油)からなるものであってもよいし、以上の合成油
に(A),(B)成分の少なくとも1種を配合してなる
もの、あるいは(A),(B)成分と共に(C)〜
(F)成分の少なくとも1種を配合してなるものであっ
てもよい。この(A)成分であるアルキル化ジフェニル
アミンは、下式で表される構造をもつ。
【0010】
【化1】
【0011】上式中、R1およびR2は、水素原子また
は、炭素数1〜16、より好ましくは炭素数3〜9、特
に好ましくは炭素数4または8の、直鎖または分枝鎖の
アルキル基である。アルキル基の炭素数が16を越える
と油への溶解性が低下することがあるため好ましくな
い。R1〜R2は、同一でも、異なってもよい。これら
のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチ
ル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、t−
ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、i−ヘキ
シル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチ
ル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘ
キシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオク
チル、エチルペプチル、n−デシル、n−ウンデシル、
n−ドデシル、n−テトラデシル等が挙げられる。
【0012】上記アルキル化ジフェニルアミンの好適な
具体例としては、ジフェニルアミン、ブチルジフェニル
アミン、オクチルジフェニルアミン、ジブチルジフェニ
ルアミン、オクチルブチルジフェニルアミン、ジオクチ
ルジフェニルアミン等が挙げられる。アルキル化ジフェ
ニルアミンは、1種を単独使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0013】アルキル化ジフェニルアミンの配合割合
は、0.05〜2.0質量%、好ましくは0.05〜
1.0質量%、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%
である。0.05質量%未満では十分な酸化防止能(酸
化安定性)が得られないことがあり、2.0質量%を越
えても効果が飽和し、経済的に不利になる。
【0014】(B)成分のアルキル化フェニル−α−ナ
フチルアミンは、下式で表される構造をもつ。
【0015】
【化2】
【0016】上式中、R3は、炭素数1〜16、より好
ましくは炭素数4〜8の、直鎖または分枝鎖のアルキル
基である。R3としては、メチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチ
ル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、t−
ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、i−ヘキ
シル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチ
ル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、i−オクチ
ル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘ
プチル、n−ノニル、i−ノニル、1−メチルオクチ
ル、エチルヘプチル、n−デシル、1−メチルノニル、
n−ウンデシル、1,1−ジメチルノニル、n−ドデシ
ル、n−テトラデシル等が挙げられる。上記アルキル化
フェニル−α−ナフチルアミンの具体例としては、n−
ペンチル化フェニル−α−ナフチルアミン、2−メチル
ブチル化フェニル−α−ナフチルアミン、2−エチルヘ
キシル化フェニル−α−ナフチルアミン、n−オクチル
化フェニル−α−ナフチルアミン、n−ノニル化フェニ
ル−α−ナフチルアミン、1−メチルオクチル化フェニ
ル−α−ナフチルアミン、n−ウンデシル化フェニル−
α−ナフチルアミン、n−ドデシル化フェニル−α−ナ
フチルアミンが挙げられる。アルキル化フェニル−α−
ナフチルアミンは、1種を単独使用してもよいし、2種
以上を併用しても良い。
【0017】アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン
の配合割合は、0.05〜2.0質量%、好ましくは
0.1〜1.0質量%、さらに好ましくは0.1〜0.
5質量%である。0.05質量%未満では十分な酸化防
止能(酸化安定性)が得られないことがあり、2.0質
量%を越えても効果が飽和し、経済的に不利になる。
【0018】(C)成分のフォスファイトは、下式で表
される構造をもつ。
【0019】
【化3】
【0020】上式中、R5、R6は、炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数2〜6の、直鎖または分枝鎖のア
ルキル基である。R5、R6としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオ
ペンチル、t−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキ
シル、i−ヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチ
ル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチ
ル、i−オクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシ
ル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、i−ノニル、1
−メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、1−
メチルノニル、n−ウンデシル、1,1−ジメチルノニ
ル、n−ドデシル、i−ドデシル、n−トリデシル、i
−トリデシル、n−テトラデシル、i−テトラデシル、
n−ペンタデシル、i−ペンタデシル、n−ヘキサデシ
ル、i−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、i−ヘプタ
デシル、n−オクタデシル、i−オクタデシル、n−ノ
ナデシル、i−ノナデシル等が挙げられる。これらのフ
ォスファイトは、1種を単独使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0021】上記フォスファイトの具体例としては、ト
リス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネ
ート)フォスファイト、トリフェニルフォスファイト、
トリオクタデシルフォスファイト、トリステアリルフォ
スファイト、トリイソオクチルフォスファイト、トリス
(ノニルフェニル)フォスファイト、トリクレジルフォ
スファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト等の
亜リン酸トリアルキルエステル類、亜リン酸ジアルキル
エステル類、亜リン酸モノアルキルエステル類等が挙げ
られる。
【0022】フォスファイトの配合割合は、0.1〜
5.0質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%、特に
好ましくは0.1〜1.0質量%、さらに好ましくは
0.1〜0.5質量%である。0.1質量%未満では十
分な酸化防止能(酸化安定性)が得られないことがあ
り、5.0質量%を越えても効果が飽和し、経済的に不
利になる。
【0023】(D)成分のフォスフェート類としては、
下式[4]で表される構造のものである。
【0024】
【化4】
【0025】式中、R7〜R9は、水素または、炭素数
1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリー
ル基またはアリールアルキル基を示し、同一でも、異な
ってもよい。好ましくは、炭素数3〜18のアルキル基
である。炭素数が20を越えると、油への溶解性が低下
することがある。
【0026】上記フォスフェートの具体例には、トリア
リールホスフェート、トリアルキルホスフェート等があ
り、例えばベンジルジフェニルホスフェート、アリルジ
フェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート、エチルジフェニルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェ
ート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフ
ェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフ
ェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロ
ピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェ
ニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフ
ェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフ
ェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェ
ニルホスフェートおよびトリブチルフェニルホスフェー
ト等の化合物を挙げることができる。
【0027】また、フォスフェートは、下式[5]で表
される構造のアシッドフォスフェートでもよい。
【0028】
【化5】
【0029】式中、R10は炭素数8以上の炭化水素基
を表し、aは1または2である。R10の例として、炭
素数8〜20の直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の
脂肪族炭化水素基、すなわちアルキル基およびアルケニ
ル基、炭素数8〜26の芳香族炭化水素基、シクロアル
キル基が挙げられる。炭素数が8未満では耐摩耗性が充
分でなく、26を越えると基油に溶解し難くなる。炭素
数は、好ましくは8〜20、より好ましくは炭素数8〜
18である。
【0030】アシッドフォスフェートの具体例は、2−
エチルヘキシルアシッドホスフェート、i−デシルアシ
ッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ト
リデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホ
スフェート、i−ステアリルアシッドホスフェート、オ
レイルアシッドホスフェート、ジ(2−エチルヘキシ
ル)ホスフェート等である。
【0031】さらにまた、上記のアシッドフォスフェー
トを含有させる場合には、これと中和して塩をつくるア
ルキルアミンを含有していてもよく、このアミンとし
て、下式[6]で表される構造のアルキルアミンが挙げ
られる。
【0032】
【化6】
【0033】式中、R11、R12およびR13は一価
の炭化水素基または水素原子であり、そのうち少なくと
も1個は炭化水素基である。
【0034】上記アルキルアミンの具体例は、ジブチル
アミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、ラウリル
アミン、ジラウリルアミン、オレイルアミン、ココナッ
ツアミン、牛脂アミン等である。
【0035】なお、以上のような(D)成分としてのフ
ォスフェート類は、1種を単独使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。また、(D)成分のフォスフェ
ート類の配合割合は、0.1〜5質量%、好ましくは
0.3〜3質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量
%、特に好ましくは0.7〜1.5質量%である。0.
1質量%未満であると十分な極圧性能(耐摩耗性能)を
得ることができず、5質量%を越えると効果が飽和し、
経済的に不利になる。
【0036】(E)成分のベンゾトリアゾール及びその
誘導体は、下式[7]で表される構造をもつベンゾトリ
アゾールと、それに水溶性アミン、脂肪酸エステル等を
反応して得られる誘導体である。これらのベンゾトリア
ゾールとその誘導体は、1種を単独使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。
【0037】
【化7】
【0038】(E)成分のベンゾトリアゾール及びその
誘導体の配合割合は、0.001〜0.05質量%、好
ましくは0.003〜0.02質量%である。0.1質
量%未満であると十分な金属腐食防止性を得られないこ
とがあり、0.05質量%を越えると効果が飽和し、経
済的に不利になる。
【0039】(F)成分のアルキルコハク酸誘導体とし
ては、アルキルコハク酸アミド、アルキルコハク酸エス
テル等が挙げられ、アルキルコハク酸の誘導体の好適な
ものは、下式[8]で表される構造をもつものである。
【0040】
【化8】
【0041】上記2つの式中、R14、R16およびR
17は炭素数6〜18のアルキル基またはアルケニル基
であり、R15は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル
基を示す。R15は、好ましくは炭素数10〜14のア
ルケニル基であり、特に好ましくはドデセニルまたはド
デカジエニルである。R16及びR17は、好ましくは
炭素数8〜16のアルキル基又はアルケニル基である。
R14、R16およびR17の例として、ヘキシル、オ
クチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テト
ラデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ヘキセニル、
オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデ
セニル、テトラデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセ
ニル、ヘキセジエニル、オクタジエニル、ノナジエニ
ル、デカジエニル、ウンデカジエニル、ドデカジエニ
ル、テトラデカジエニル、ヘプタデカジエニル、オクタ
デカジエニル等が挙げられる。R15の例として、n−
プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t
−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチ
ル、t−ペンチル、2−メチルブチル等が挙げられる。
【0042】これらのアルキルコハク酸誘導体は、1種
を単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい
が、好ましくは2種以上の併用であり、特に好ましくは
アルケニルコハク酸の部分エステルとアルキルコハク酸
アミドの併用である。
【0043】(F)成分のアルキルコハク酸誘導体の配
合割合は、0.01〜0.3質量%、好ましくは0.0
3〜0.1質量%、特に好ましくは0.03〜0.07
質量%である。0.01質量%未満であると十分な金属
腐食防止性が得られないことがあり、0.3質量%を越
えると効果が飽和し、経済的に不利になる。
【0044】本発明の軸受用潤滑油は、上記各成分を基
油である合成油に配合したものであって、配合する場合
の基油および各成分の混合方法や添加方法は、特に制限
するものではなく、種々の方法により行うことができ、
混合順序および添加順序も種々の方法により行うことが
できる。例えば、基油に各成分を順次添加してもよい
し、予め各成分を混合しておいて合成油に添加してもよ
い。さらに、上記(A)〜(F)成分を合わせて添加す
ることにより、本発明の軸受用潤滑油は、耐蒸発性を向
上させることができる。
【0045】
【実施例】実施例および比較例では、基油と(A)〜
(F)成分を配合して、軸受用潤滑油を調製し、それぞ
れの耐酸化性・耐蒸発性・耐摩耗性を評価した。各実施
例、各比較例で用いた基油、各成分は次の通りである。
【0046】(基油) 高度精製されたパラフィン系鉱油で、減圧蒸留留出油
をフルフラールで溶剤抽出し、メチルエチルケトンで脱
ロウ後、さらに水素化精製した鉱油 合成油で、オレイン酸イソブチル 合成油で、パルミチン酸オクチル 上記〜はすべて、動粘度が100℃で1.5〜4.
0mm/sの範囲内のものである。
【0047】(A成分)アルキル化ジフェニルアミン;
化1において、R1、R2が、水素原子、−C
−C17の直鎖または分枝鎖のいずれかの組み合わ
せの混合物 (B成分)アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン;
化2において、R3が−C17の直鎖または分枝鎖
のアルキル化フェニル−α−ナフチルアミン (C成分)フォスファイト;化3において、R5、R6
が、−Cの直鎖または分枝鎖のフォスファイト (D成分)フォスフェート;化4において、R7,R
8,R9が同一のアルキル基で、炭素数7のトリクレジ
ルフォスフェート (E成分)ベンゾトリアゾール及びその誘導体;化7で
示されるベンゾトリアゾール (F成分)アルキルコハク酸誘導体;化8の上式におい
て、R14が炭素数12のアルキル基、R15が炭素数
5のアルキル基のアルキルコハク酸誘導体
【0048】(評価方法) 酸化安定性の評価方法<スラッジ試験法>;潤滑油の
酸化防止性能を評価する方法の一つで、JISK254
0に制定されている酸化安定度試験に準拠した試験によ
る。 試験条件:温度;170℃ 時間;12hr 蒸発性の評価方法<Noack法>;潤滑油の蒸発性
を評価する方法の一つで、JPI−5S−41−93に
制定されている蒸発性試験による。 潤滑性の評価方法<シェル四球試験法>;潤滑油の潤
滑性を評価する方法の一つで、ASTMD2783に準
拠して行い、潤滑性を摩耗径で評価した。 金属への腐食安定性の評価方法;潤滑油の潤滑性を評
価する方法の一つで、JISK2513に準拠して行
い、金属への腐食安定性を銅板の変色の程度で評価し
た。変色の程度は1aから4cの12段階で評価し、1
aが変色の程度が最も少なく(腐食安定性が最も良
好)、4cが変色の程度が最も多い(腐食安定性が最も
悪い)結果を示す。 防錆性の評価方法;潤滑油の防錆性を評価する方法の
一つで、JISK2510に制定している方法で行い、
防錆性を錆の程度で評価した。錆の程度は、「錆なし」
と「錆あり」で評価し、「錆あり」の場合は、軽微、中
度、高度の3段階で評価することとした。
【0049】実施例1〜6 基油、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分及びF
成分を表1上段に掲げる割合(質量%)で配合し、軸受
用潤滑油を調製した。これら潤滑油の各種性能を評価
し、その結果を表1下段に示す。
【0050】比較例1〜2 基油、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分及びF
成分を表2上段に掲げる割合(質量%)で配合し、軸受
用潤滑油を調製した。これら潤滑油の各種性能を評価
し、その結果を表2下段に示す。
【0051】
【表1の1】
【0052】
【表1の2】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明の軸受用潤滑油は、耐酸化性・耐
蒸発性・耐摩耗性に優れ、軸直径が0.5〜1000m
mと細い軸から太い軸までの広範囲の軸直径の軸受に好
適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 137/02 C10M 137/02 137/04 137/04 // C10N 20:02 C10N 20:02 30:00 30:00 Z 30:06 30:06 30:10 30:10 40:02 40:02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸直径が0.5〜1000mmの軸受に
    使用する軸受用潤滑油であって、動粘度が100℃で
    1.0〜100.0mm/s、粘度指数が100以上
    の合成油を含有することを特徴とする軸受用潤滑油。
  2. 【請求項2】 (A)アルキル化ジフェニルアミン0.
    05〜2.0質量%、(B)アルキル化フェニル−α−
    ナフチルアミン0.05〜2.0質量%、のうちの少な
    くとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の
    軸受用潤滑油。
  3. 【請求項3】 (C)フォスファイト0.1〜5.0質
    量%を含有することを特徴とする請求項2記載の軸受用
    潤滑油。
  4. 【請求項4】 (D)フォスフェート類0.1〜5.0
    質量%を含有することを特徴とする請求項2または3記
    載の軸受用潤滑油。
  5. 【請求項5】 (E)ベンゾトリアゾール及びその誘導
    体の少なくとも一種を0.001〜0.05質量%含有
    することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の
    軸受用潤滑油。
  6. 【請求項6】 (F)アルキルコハク酸誘導体0.01
    〜0.3質量%を含有することを特徴とする請求項2〜
    5のいずれかに記載の軸受用潤滑油。
JP2000350947A 2000-11-17 2000-11-17 軸受用潤滑油 Expired - Lifetime JP4447147B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000350947A JP4447147B2 (ja) 2000-11-17 2000-11-17 軸受用潤滑油

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000350947A JP4447147B2 (ja) 2000-11-17 2000-11-17 軸受用潤滑油

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002146381A true JP2002146381A (ja) 2002-05-22
JP4447147B2 JP4447147B2 (ja) 2010-04-07

Family

ID=18824089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000350947A Expired - Lifetime JP4447147B2 (ja) 2000-11-17 2000-11-17 軸受用潤滑油

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4447147B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003106601A1 (ja) * 2002-06-12 2003-12-24 新日本石油株式会社 潤滑油組成物
WO2004058928A1 (ja) * 2002-12-24 2004-07-15 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 潤滑油基油及び潤滑油組成物
JP2012233024A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Minebea Co Ltd 耐熱音響寿命に優れた軸受用グリース組成物
WO2014010682A1 (ja) * 2012-07-11 2014-01-16 出光興産株式会社 潤滑油組成物
JP2021020993A (ja) * 2019-07-25 2021-02-18 Eneos株式会社 潤滑油組成物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003106601A1 (ja) * 2002-06-12 2003-12-24 新日本石油株式会社 潤滑油組成物
WO2004058928A1 (ja) * 2002-12-24 2004-07-15 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 潤滑油基油及び潤滑油組成物
US7534749B2 (en) 2002-12-24 2009-05-19 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Lube base oil and lubricating oil composition
JP2012233024A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Minebea Co Ltd 耐熱音響寿命に優れた軸受用グリース組成物
WO2014010682A1 (ja) * 2012-07-11 2014-01-16 出光興産株式会社 潤滑油組成物
JPWO2014010682A1 (ja) * 2012-07-11 2016-06-23 出光興産株式会社 潤滑油組成物
JP2021020993A (ja) * 2019-07-25 2021-02-18 Eneos株式会社 潤滑油組成物
JP7465638B2 (ja) 2019-07-25 2024-04-11 Eneos株式会社 潤滑油組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4447147B2 (ja) 2010-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5334425B2 (ja) 軸受油組成物
JP3729274B2 (ja) トリグリセリドおよび油溶性銅からなる生分解性潤滑剤組成物
JP5647389B2 (ja) 自動車用変速機油組成物
CN102292424B (zh) 阻燃性液压油组合物
US5990055A (en) Biodegradable lubricant composition from triglycerides and oil soluble antimony
JP5184068B2 (ja) 難燃性油圧作動油組成物
CN106318568A (zh) 高润滑轧制油组合物及其用途
JP2014025081A (ja) 自動車用変速機油組成物
WO2020132068A1 (en) Low viscosity heat transfer fluids with increasing flash point and thermal conductivity
JP6951272B2 (ja) 潤滑油用添加剤組成物及び潤滑油組成物
US20180044606A1 (en) Biodegradable lubricating oil composition
JPH0153919B2 (ja)
US20230265353A1 (en) Lubricating oil composition
JPH0359956B2 (ja)
JP4447147B2 (ja) 軸受用潤滑油
JP2000256688A (ja) 金属加工油組成物
JP2008088244A (ja) 潤滑油組成物
JP3352123B2 (ja) 潤滑油組成物
JP4376701B2 (ja) 導電性潤滑油組成物
JP5283427B2 (ja) グリース組成物
JP2002180078A (ja) 焼結金属軸受用潤滑油
US3296138A (en) Extreme pressure lubricant additives
JPH1143685A (ja) 冷間圧延油組成物
JP5356886B2 (ja) 圧延油
JP2005029647A (ja) 耐摩耗性軸受油組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060727

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070810

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090914

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100120

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4447147

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140129

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term