JP2002146151A - パイプ成形用プロピレン系樹脂組成物およびパイプの製造方法 - Google Patents

パイプ成形用プロピレン系樹脂組成物およびパイプの製造方法

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JP2002146151A
JP2002146151A JP2000347768A JP2000347768A JP2002146151A JP 2002146151 A JP2002146151 A JP 2002146151A JP 2000347768 A JP2000347768 A JP 2000347768A JP 2000347768 A JP2000347768 A JP 2000347768A JP 2002146151 A JP2002146151 A JP 2002146151A
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pipe
propylene
ethylene
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based resin
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Application number
JP2000347768A
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English (en)
Inventor
Seiji Shiromoto
征治 城本
Haruyuki Suzuki
治之 鈴木
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出ダイ形状と押出成形品の形状との相違が
小さいパイプ成形用プロピレン系樹脂組成物、およびプ
ロピレン系樹脂組成物からなるパイプの製造方法であっ
て、押出ダイ形状と押出成形品の形状との相違が小さい
パイプの製造方法を提供すること。 【解決手段】 230℃におけるメルトフローレートが
2g/10分以下のプロピレンブロック共重合体70〜
90重量%と、エチレン系樹脂30〜10重量%とから
なり、剪断速度6.08s-1におけるダイスウェル比
(SR1 )と、剪断速度608s-1におけるダイスウェ
ル比(SR2 )との関係が下式(1)を満たすパイプ成
形用プロピレン系樹脂組成物。230℃におけるメルト
フローレートが2g/10分以下のプロピレンブロック
共重合体70〜90重量%と、エチレン系樹脂30〜1
0重量%とからなり、剪断速度6.08s-1におけるダ
イスウェル比(SR1 )と、剪断速度608s-1におけ
るダイスウェル比(SR2 )との関係が下式(1)を満
たすプロピレン系樹脂組成物を用いるパイプの製造方
法。 SR2 /SR1 ≦1.10 (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパイプ成形用プロピ
レン系樹脂組成物およびパイプの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニル樹脂は機械物性、押出成
形性に優れるため、従来から種々の断面形状を有するパ
イプに加工され、上水道用配管、下水道用配管、ガス用
配管、雨樋等の用途に用いられてきた。しかし、近年の
環境問題への関心の高まりにより敬遠されてきている。
ポリ塩化ビニル樹脂に代わる材料として、耐熱性、剛
性、耐衝撃性に優れたポリプロピレン樹脂の適用が考え
られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られたパイプ成形用のポリプロピレン樹脂は、パイプ成
形の際に、押出ダイ形状と押出成形品の形状とが大きく
異なり、目的の形状のパイプを得るのは困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、押出ダイ形状と押出
成形品の形状との相違が小さいパイプ成形用プロピレン
系樹脂組成物、およびプロピレン系樹脂組成物からなる
パイプの製造方法であって、押出ダイ形状と押出成形品
の形状との相違が小さいパイプの製造方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パイプ成
形性に優れたパイプ成形用プロピレン系樹脂組成物、お
よびパイプ成形性に優れたプロピレン系樹脂組成物から
なるパイプの製造方法の開発について鋭意研究を行って
きた。その結果、ダイスウェル比と剪断速度との関係が
特定の式を満たす特定組成のプロピレン系樹脂組成物で
あれば、剪断速度分布の広いパイプ成形に供しても、パ
イプ成形用の押出ダイの各部位におけるダイスウェル比
の相違が小さく、押出ダイ形状と押出成形品の形状との
相違が小さくなることを見出し、本発明を完成させるに
至った。即ち本発明は、230℃におけるメルトフロー
レートが2g/10分以下のプロピレンブロック共重合
体70〜90重量%と、エチレン系樹脂30〜10重量
%とからなり、剪断速度6.08s-1におけるダイスウ
ェル比(SR1 )と、剪断速度608s-1におけるダイ
スウェル比(SR2 )との関係が下式(1)を満たすパ
イプ成形用プロピレン系樹脂組成物にかかるものであ
る。また本発明は、230℃におけるメルトフローレー
トが2g/10分以下のプロピレンブロック共重合体7
0〜90重量%と、エチレン系樹脂30〜10重量%と
からなり、剪断速度6.08s-1におけるダイスウェル
比(SR1 )と、剪断速度608s-1 におけるダイスウ
ェル比(SR2 )との関係が下式(1)を満たすプロピ
レン系樹脂組成物を用いるパイプの製造方法にかかるも
のである。 SR2 /SR1 ≦1.10 (1)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のパイプ成形用プロピレン
系樹脂組成物は、プロピレンブロック共重合体を主成分
とする、プロピレンブロック共重合体とエチレン系樹脂
とからなる樹脂組成物であって、230℃におけるメル
トフローレートが2g/10分以下のプロピレンブロッ
ク共重合体70〜90重量%、好ましくは72〜89重
量%、より好ましくは75〜88重量%と、エチレン系
樹脂30〜10重量%、好ましくは28〜11重量%、
より好ましくは25〜12重量%とからなる樹脂組成物
である。ここで、前記両成分の合計量を100重量%と
する。
【0006】前記のプロピレンブロック共重合体とは、
下記の工程で得られる共重合体を意味する。 第一工程:プロピレン単独またはプロピレンとエチレン
とを、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が
0〜2重量%である重合体成分(A成分)が全重合体量
(A成分と下記B成分との合計量)の70〜90重量%
となるまで重合させる工程。 第二工程:第一工程で生成されるA成分の存在下に、プ
ロピレンとエチレンとを、エチレンから誘導される繰り
返し単位の含有量が15〜50重量%であるプロピレン
−エチレン共重合体成分(B成分)が全重合体量(A成
分とB成分との合計量)の10〜30重量%となるまで
共重合させる工程。
【0007】プロピレンブロック共重合体中のA成分の
含有量は、好ましくは75〜89重量%、より好ましく
は80〜88重量%であり、A成分中のエチレンから誘
導される繰り返し単位の含有量は、好ましくは1重量%
以下である。また、プロピレンブロック共重合体中のB
成分の含有量は、好ましくは25〜11重量%、より好
ましくは20〜12重量%であり、B成分中のエチレン
から誘導される繰り返し単位の含有量は、好ましくは2
0〜45重量%、より好ましくは25〜40重量%であ
る。好ましいプロピレンブロック共重合体は、230℃
におけるメルトフローレート(MFR)が2g/10分
以下、好ましくは0.1〜1.8g/10分、より好ま
しくは0.3〜1.6g/10分のプロピレンブロック
共重合体である。
【0008】前記のエチレン系樹脂とは、エチレンから
誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する、熱
可塑性の、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素数3
〜18のα−オレフィンとの共重合体、またはエチレン
と少なくとも1種の他のモノマーとの共重合を意味す
る。該α−オレフィンとしてプロピレン、ブテン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1、デセン−1を例示することができる。他のモノマー
として共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)、
非共役ジエン(例えば1,4ペンタジエン)、アクリル
酸、アクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチルやア
クリル酸エチル)、メタクリル酸、メタクリル酸エステ
ル(例えばメタクリル酸メチルやメタクリル酸エチル)
および酢酸ビニルを例示することができる。
【0009】エチレン系樹脂として例えば、低密度ポリ
エチレン;超低密度ポリエチレン;中密度ポリエチレ
ン;高密度ポリエチレン;エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メ
チルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共
重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−
デセン−1共重合体などのエチレンと炭素数3〜18の
α−オレフィンとの共重合体;エチレンと共役ジエン
(例えばブタジエンやイソプレン)との共重合体;エチ
レンと非共役ジエン(例えば1,4ペンタジエン)との
共重合体;エチレンとアクリル酸、メタクリル酸または
酢酸ビニルなどとの共重合体;および、これらの樹脂
を、例えばα、β−不飽和カルボン酸やその誘導体(例
えばアクリル酸やアクリル酸メチル)、または脂環族カ
ルボン酸やその誘導体(例えば無水マレイン酸)で変性
(例えばグラフト変性)した樹脂を挙げることができ
る。
【0010】好ましいエチレン系樹脂として、以下
(1)〜(3)の樹脂およびそれらの混合物を例示する
ことができる。 (1)エチレンとα−オレフィンとをメタロセン触媒の
存在下に重合させて得られるエチレン−α−オレフィン
共重合体(E1) (2)超低密度ポリエチレン(E2) (3)前記(1)のエチレン−α−オレフィン共重合体
(E1)と、超低密度ポリエチレン(E2)、低密度ポ
リエチレン(E3)および前記(1)以外のエチレン−
α−オレフィン共重合体(E4)からなる群から選ばれ
る少なくとも1種のエチレン系樹脂とからなる樹脂混合
【0011】前記のエチレン−α−オレフィン共重合体
(E1)とは、密度が0.890〜0.930g/cm
3 である、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィン
との共重合体を意味する。該密度の好ましい上限値は
0.929g/cm3 、より好ましい上限値は0.92
8g/cm3 である。該α−オレフィンとして、例え
ば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1、デセ
ン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセ
ン−1、オクタデセン−1等が挙げられる。エチレン−
α−オレフィン共重合体(E1)の190℃におけるメ
ルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.05〜
50g/10分、より好ましくは0.1〜40g/10
分、さらにより好ましくは1〜30g/10分である。
【0012】エチレン−α−オレフィン共重合体(E
1)の好ましい製造方法として、エチレンとα−オレフ
ィンとを、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する
基を有する遷移金属化合物からなる重合用触媒(メタロ
セン触媒)の存在下に気相重合法で重合させてなる製造
方法を例示することができる(例えば特開平3−234
717号公報参照)
【0013】超低密度ポリエチレン(E2)とは、密度
が0.880g/cm3 〜0.910g/cm3 未満で
ある、エチレンと炭素数が3〜18のα−オレフィンと
の共重合体を意味する。該密度は、好ましくは0.88
2〜0.909g/cm3 、より好ましくは0.885
〜0.908g/cm3 である。該α−オレフィンとし
て、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(E1)の
場合と同じα−オレフィンを例示することができる。超
低密度ポリエチレン(E2)の190℃におけるMFR
は、好ましくは0.05〜50g/10分、より好まし
くは0.1〜40g/10分、さらに好ましくは1〜3
0g/10分である。
【0014】低密度ポリエチレン(E3)とは、密度が
0.915〜0.930g/cm3であるポリエチレン
を意味する。該密度は、好ましくは0.916〜0.9
29g/cm3 、より好ましくは0.918〜0.92
8g/cm3 である。低密度ポリエチレン(E3)は、
エチレンを高圧ラジカル重合法で重合させることによっ
て製造することができる。低密度ポリエチレン(E3)
の190℃におけるMFRは、好ましくは0.05〜5
0g/10分、より好ましくは0.1〜40g/10
分、さらに好ましくは1〜30g/10分である。
【0015】エチレン−α−オレフィン共重合体(E
4)とは、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(E
1)以外の、密度が0.910〜0.930g/cm3
のエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重
合体を意味する。該密度は、好ましくは0.912〜
0.929g/cm3 、より好ましくは0.915〜
0.928g/cm3 である。該α−オレフィンとし
て、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(E1)の
場合と同じα−オレフィンを例示することができる。エ
チレン−α−オレフィン共重合体(E4)の190℃に
おけるMFRは、好ましくは0.05〜50g/10
分、より好ましくは0.1〜40g/10分、さらに好
ましくは1〜30g/10分である。エチレン−α−オ
レフィン共重合体(E4)の製造方法は特に限定されな
いが、エチレン−α−オレフィン共重合体(E1)の製
造方法であるエチレンとα−オレフィンとをメタロセン
触媒の存在下に重合させてなる製造方法を除く。該製造
方法として、エチレンとα−オレフィンとを従来型固体
触媒(マルチサイト触媒)の存在下に重合させてなる製
造方法を例示することができる(例えば特開平7−31
6220号公報参照)。
【0016】式(1)の左辺(SR2 /SR1)の値
は、好ましくは1.09以下、より好ましくは1.08
以下である。左辺の値が大きすぎると、ダイスウェル比
の剪断速度依存性が大きくなり、パイプ成形機の押出ダ
イ形状と押出成形品であるパイプの形状との差が大きく
なり、パイプ成形性が悪化する。ダイスウェル比の測定
方法については、後で説明する。
【0017】本発明で使用されるプロピレンブロック共
重合体またはエチレン系樹脂は、本発明のパイプ成形用
プロピレン系樹脂組成物の剛性、透明性を改良したり、
該樹脂組成物から成形品を得る際の成形サイクルを短縮
したりする効果の観点から、結晶造核剤と組み合わせて
用いてもよい。結晶造核剤の使用量は、該樹脂組成物1
00重量部に対して、一般に0.01〜0.5重量部で
あり、0.5重量部を超えると前記効果は飽和し、余分
なコストがかかる場合がある。
【0018】結晶造核剤として、ソルビトール系造核
剤、有機リン酸塩系造核剤、カルボン酸の金属塩造核
剤、ポリマー造核剤、無機化合物が挙げられる。具体例
としては、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトー
ル、1,3,2,4−ジ−(p−メチルベンジリデン)
ソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,
4−p−メチルベンジリデンソルビトール、ナトリウム
−ビス−(4―t―ブチルフェニル)フォスフェート、
カリウム−ビス−(4―t―ブチルフェニル)フォスフ
ェート、ナトリウム−2,2'−エチリデン−ビス
(4,6−ジ―t―ブチルフェニル)フォスフェート、
ナトリウム−2,2'−メチレン−ビス(4,6−ジ―
t―ブチルフェニル)フォスフェート、p−t−ブチル
安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸アルミニウム、安
息香酸ナトリウム、ポリビニルシクロアルカン、タル
ク、マイカ、炭酸カルシウム等を例示することができる
が、これらに限定されるわけではない。また、これら結
晶造核剤の二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】また、本発明で使用されるプロピレンブロ
ック共重合体またはエチレン系樹脂は、本発明の目的を
損なわない範囲で適宜、タルク、炭酸カルシウム、マイ
カ等の無機充填剤;中和剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐
候剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッ
キング剤、防曇剤、気泡防止剤、分散剤、難燃剤、抗菌
剤、蛍光増白剤、架橋剤、架橋助剤等の添加剤;染料、
顔料等の着色剤で例示される他の成分と組み合わせて用
いてもよい。
【0020】本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定
されない。該製造方法として、各成分を公知の混練機で
溶融混練して樹脂組成物を製造する方法を例示すること
ができる。混練機として、例えば単軸混練押出機、多軸
混練押出機、バンバリーミキサー等が挙げられる。溶融
混練条件は、混練時の剪断、加熱温度、剪断による発熱
などによって溶融樹脂の劣化が起こらない限り、特に制
限されない。溶融樹脂の劣化を防止する観点から、加熱
温度を適正に設定したり、酸化防止剤や熱安定剤を添加
したりすることは、効果的である。
【0021】本発明のパイプ成形用プロピレン系樹脂組
成物を公知のパイプ成形機にて成形することにより、パ
イプ成形品を製造することができる。例えば、本発明の
樹脂組成物はスウェル比の剪断速度依存性が小さいた
め、成形速度の変化によるパイプ厚さの変化も小さいた
め、成形速度変更時の成形条件の変更幅も小さくて済
み、また、高速成形にも適している。
【0022】また、本発明の樹脂組成物を用いて断面が
丸型以外のパイプや雨樋を成形した場合、ダイスウェル
比の剪断速度依存性が小さいため、押出ダイ形状と押出
成形品であるパイプの形状との差が小さく、押出ダイは
その形状を目的とする製品形状と大きく変えなくてもよ
い。また、このため、サイジングダイの操作が容易に行
える。
【0023】さらに、本発明の樹脂組成物を用いて、2
層以上の層から構成される多層パイプを製造することも
できる。例えば、本発明の樹脂組成物を用いた2層以上
からなるパイプの表面層に、透明性の良好な樹脂を用い
ることにより、光沢の良好なパイプを製造することがで
きる。また、表面層に顔料、マイカなどの光沢剤を含有
した樹脂を用いて表面を加飾したパイプを得ることが出
来る。また、表面層にエラストマーやゴムを用いること
により、剛性を維持して耐衝撃性の改良ができる。ま
た、パイプに金属製品をインサートすることにより、強
度を改良したパイプを製造することができる。
【0024】本発明のパイプ成形用プロピレン系樹脂組
成物から得られるパイプは、上水道用配管、下水道用配
管、ガス用配管、雨樋等の用途に広範囲に使用できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではな
い。実施例および比較例で用いた評価方法は以下のとお
りである。
【0026】1.メルトフローレート(MFR) プロピレンブロック共重合体およびプロピレン系樹脂組
成物は、JIS K7210の条件14(Condition Nu
mber 14)の方法に従って230℃で測定した。エチレ
ン系樹脂はJIS K6760に従い190℃で測定し
た。
【0027】2.密度 JIS K6760に従って測定した。
【0028】 3.ダイスウェル比(SR1 およびSR2 ) 直径1mm、長さ40mmのキャピラリーを有する東洋
精機株式会社製のCAPIROGRAPH−1Bなる商
品名のキャピラリー粘度計を用いて、JISK7199
に従い、230℃で測定した。
【0029】 4.アイゾット衝撃値(単位:kJ/m2 ) JIS K7110に従って、温度0℃の恒温槽中に2
4時間以上静置された試験片について測定した。
【0030】5.曲げ弾性率(単位:MPa) JIS K7106に従って測定した。
【0031】実施例および比較例で用いた重合体は以下
のとおりである。 1.プロピレンブロック共重合体 プロピレンブロック共重合体(a):住友化学工業(株)
製の商品名がノーブレンなる共重合体である。該共重合
体は前記で説明したA成分とB成分とからなり、A成分
中のエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量は0
重量%(即ちプロピレンの単独重合)、B成分中のエチ
レンから誘導される繰り返し単位の含有量は38重量
%、該共重合体中のB成分の割合は15.5重量%、M
FRは1.3g/10分であった。
【0032】プロピレンブロック共重合体(b):住友
化学工業(株)製の商品名がノーブレンAH561なる共
重合体である。該共重合体は前記で説明したA成分とB
成分とからなり、A成分中のエチレンから誘導される繰
り返し単位の含有量は0重量%(即ちプロピレンの単独
重合)、B成分中のエチレンから誘導される繰り返し単
位の含有量は38重量%、該共重合体中のB成分の割合
は17.0重量%、MFRは3.0g/10分であっ
た。
【0033】2.エチレン系樹脂 エチレン系樹脂(a):住友化学工業(株)製の商品名
がスミカセンE FV401なるエチレン−ヘキセン−
1共重合体である。この樹脂はメタロセン触媒で製造さ
れたものであって、密度は0.902g/cm3 、MF
Rは4.0g/10分であった。
【0034】エチレン系樹脂(b):住友化学工業
(株)製の商品名がエクセレンVL VL400なるエ
チレン−ブテン−1共重合体(超低密度ポリエチレン)
であって、密度は0.900g/cm3 、MFRは5.
0g/10分であった。
【0035】エチレン系樹脂(c):住友化学工業
(株)製の商品名がスミカセン L405なる高圧法低
密度ポリエチレンであって、密度は0.923g/cm
3 、MFRは3.7g/10分であった。
【0036】3.他の重合体
【0037】プロピレン単独重合体(a):住友化学工
業(株)製の商品名がノーブレン YE101なる重合体
であって、MFRは1.0g/10分であった。
【0038】[実施例1]プロピレンブロック共重合体
(a)80重量部と、エチレン系樹脂(a)20重量部
とをスクリュ径が65mmである単軸押出機を用い、温
度250℃、スクリュ回転数100rpmにて溶融混練
し(表1参照。配合割合は重量部)、プロピレン系樹脂
組成物を得た。得られたプロピレン系樹脂組成物はMF
R=1.4g/10分、SR1 =1.58、SR2
1.54、SR2 /SR1 =0.97、アイゾット衝撃
値=49kJ/m2 、曲げ弾性率=820MPaであっ
た。(表3参照)。該プロピレン系樹脂組成物を、パイ
プ成形機へ供給しパイプ成形することによりパイプが得
られる。該プロピレン系樹脂組成物はダイスウェル比の
剪断速度依存性が小さいため、成形条件変更時のパイプ
サイズ、形状の変化が小さく、また、押出ダイ形状と押
出成形品であるパイプの形状との相違が小さく形状の補
整が小さいためパイプ成形性に優れ、軽量で、剛性、耐
衝撃性に優れるパイプが得られるであろう。
【0039】[実施例2]プロピレンブロック共重合体
(a)と、エチレン系樹脂(b)と、エチレン系樹脂
(c)とを、表1に示す配合割合で実施例1と同様の方
法で溶融混練し、プロピレン系樹脂組成物を得た。実施
例1と同様の方法で測定して得られた該樹脂組成物の物
性を表3に示した。該組成物を実施例1と同様にパイプ
成形することにより、パイプが得られる。該プロピレン
系樹脂組成物はダイスウェル比の剪断速度依存性が小さ
いため、成形条件変更時のパイプサイズ、形状の変化が
小さく、また、押出ダイ形状と押出成形品であるパイプ
の形状との相違が小さく形状の補整が小さいためパイプ
成形性に優れ、軽量で、剛性、耐衝撃性に優れるパイプ
が得られるであろう。
【0040】[比較例1]プロピレンブロック共重合体
(a)のみ(表2参照。配合割合は重量部)を実施例1
と同様の方法で溶融混練して、プロピレン系樹脂組成物
を得た。該プロピレン系樹脂組成物を実施例1と同様に
評価して得られた結果を表3に示した。実施例1と同様
にパイプ成形することによりパイプが得られるであろう
が、該プロピレン系樹脂組成物はダイスウェル比の剪断
速度依存性が大きいため、成形条件変更時のパイプサイ
ズ、形状の変化が大きく、また、押出成形品であるパイ
プの形状は押出ダイ形状との差が大きくサイジングが難
しいであろう。
【0041】[比較例2]プロピレンブロック共重合体
(b)と、エチレン系樹脂(c)とを、表2に示す配合
割合で実施例1と同様の方法で溶融混練して、プロピレ
ン系樹脂組成物を得た。該プロピレン系樹脂組成物を実
施例1と同様に評価して得られた結果を、表3に示し
た。実施例1と同様にパイプ成形することによりパイプ
成形品が得られるであろうが、該プロピレン系樹脂組成
物はダイスウェル比の剪断速度依存性が大きいため成形
条件変更時のパイプサイズ、形状の変化が大きく、ま
た、押出成形品であるパイプの形状は押出ダイ形状との
差が大きくサイジングが難しいであろう。
【0042】[比較例3]プロピレン単独重合体(a)
と、エチレン系樹脂(b)と、エチレン系樹脂(c)と
を、表2に示す配合割合で実施例1と同様に溶融混練
し、プロピレン系樹脂組成物を得た。該プロピレン系樹
脂組成物について、実施例1と同様に評価して得られた
結果を、表3に示した。実施例1と同様にパイプ成形す
ることによりパイプ成形品が得られるであろうが、該プ
ロピレン系樹脂組成物はダイスウェル比の剪断速度依存
性が大きいため、成形条件変更時のパイプサイズ、形状
の変化が大きく、また、押出成形品であるパイプの形状
は押出ダイ形状との差が大きくサイジングが難しいであ
ろう。
【0043】[比較例4および5]プロピレンブロック
共重合体(a)と、エチレン系樹脂(b)および(c)
とを、表2に示す配合割合で、実施例1と同様に溶融混
練し、プロピレン系樹脂組成物を得た。該プロピレン系
樹脂組成物について、実施例1と同様に評価して得られ
た結果を、表3に示した。得られたそれぞれのプロピレ
ン系樹脂組成物を用いて実施例1と同様にパイプ成形す
ることによりパイプ成形品が得られるであろうが、該プ
ロピレン系樹脂組成物はダイスウェル比の剪断速度依存
性が大きいため、成形条件変更時のパイプサイズ、形状
の変化が大きく、また、押出成形品であるパイプの形状
は押出ダイ形状との差が大きくサイジングが難しいであ
ろう。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
押出ダイ形状と押出成形品の形状との相違が小さく異型
押出成形性に優れ、軽量で、耐衝撃性、剛性、リサイク
ル性に優れたパイプ成形用プロピレン系樹脂組成物、お
よびプロピレン系樹脂組成物からなるパイプの製造方法
であって、押出ダイ形状と押出成形品の形状との相違が
小さいパイプの製造方法が提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 23:00 B29L 23:00 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20X AA75 AA80 AA88 AH03 AH19 BC05 4F207 AA04 AA11F AB16 AG09 AR17 KA01 KA17 KA20 KF01 KK04 4J002 BB032 BB052 BB062 BB072 BB082 BB092 BB152 BB212 BP021 FD010 FD200 GF00 GL00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】230℃におけるメルトフローレートが2
    g/10分以下のプロピレンブロック共重合体70〜9
    0重量%と、エチレン系樹脂30〜10重量%とからな
    り、剪断速度6.08s-1におけるダイスウェル比(S
    1 )と、剪断速度608s -1におけるダイスウェル比
    (SR2 )との関係が下式(1)を満たすパイプ成形用
    プロピレン系樹脂組成物。 SR2 /SR1 ≦1.10 (1)
  2. 【請求項2】パイプが、丸型以外の断面形状を有するパ
    イプである請求項1記載のパイプ成形用プロピレン系樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】230℃におけるメルトフローレートが2
    g/10分以下のプロピレンブロック共重合体70〜9
    0重量%と、エチレン系樹脂30〜10重量%とからな
    り、剪断速度6.08s-1におけるダイスウェル比(S
    1 )と、剪断速度608s -1におけるダイスウェル比
    (SR2 )との関係が下式(1)を満たすプロピレン系
    樹脂組成物を用いるパイプの製造方法。 SR2 /SR1 ≦1.10 (1)
  4. 【請求項4】パイプが、丸型以外の断面形状を有するパ
    イプである請求項3記載のパイプの製造方法。
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