JP2002146097A - カーボンブラック及びそのゴム組成物 - Google Patents

カーボンブラック及びそのゴム組成物

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真一 牧野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配合ゴムの耐摩耗性、発熱性及び湿潤路面で
の制動性をバランスよく改良するカーボンブラック、及
び該カーボンブラックを配合したタイヤトレッドとして
好適なゴム組成物を提供する。 【解決手段】 窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜160
m2/g、DBP吸収量が125cm3/100g以上であって、水
分吸着量 (Wm)が下記 (1)式の関係を満たすカーボンブ
ラック。Wm ≦0.0357×B−1.357… (1)。
但し、Wm はグリセリン50%水溶液の温度20℃かつ
相対湿度80%雰囲気中で3日間放置した後におけるカ
ーボンブラックの水分吸着量(重量%)、Bはブラック
ネス(%)である。及び、ジエン系ゴム成分100重量
部に対して、このカーボンブラックを20〜200重量
部、無機補強材を5〜180重量部、シランカップリン
グ剤を無機補強剤に対し0.1〜20重量部、の割合で
配合してなるゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムに配合して耐
摩耗性、発熱性及び湿潤路面での制動性をバランスよく
改良するカーボンブラック、及び該カーボンブラックを
配合したタイヤトレッドなどとして好適なゴム組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム補強用のカーボンブラックには、具
備特性に応じた多様の品種があり、これらの品種特性が
ゴムに配合した組成物の諸性能を決定付けるための主要
な因子となる。このため、通常ゴムへの配合に当たって
は、部材用途に適合する品種特性のカーボンブラックを
選定使用する手段が慣用されている。
【0003】例えば、タイヤトレッド部のような高度の
耐摩耗性が要求されるゴム部材には従来から、SAF
(N110)、ISAF(N220)などの粒子径が小
さく、比表面積が大きい、高ストラクチャーのハード系
カーボンブラックが使用されている。しかしながら、こ
れらのカーボンブラックを配合したゴム組成物は高度の
補強性、耐摩耗性が付与される反面、発熱特性が増大
し、反発弾性が低下する欠点がある。
【0004】また、近年、省資源、省エネルギーの社会
的要求に対応するため低燃費タイヤの開発要請が強く、
低燃費タイヤとして好適な低発熱性で高反発弾性のゴム
組成物の開発が盛んに行われている。一般に、ゴム組成
物に低発熱性および高反発弾性のゴム特性を付与するた
めには、ゴム成分に配合するカーボンブラック特性とし
て粒子径が大きく、比表面積の小さいカーボンブラック
が有効である。
【0005】したがって、低燃費タイヤトレッド用とし
て好適な、高度の耐摩耗性を備えるとともに、発熱特性
が低く、反発弾性の高いゴム組成物を得ることは、要求
されるカーボンブラック特性が逆方向となり、背反関係
にあるため、カーボンブラックの基本特性を単純に組み
合わせるのみでは達成困難である。
【0006】そこで、従来からゴム補強用のカーボンブ
ラックの基本特性として重視されてきた粒子径、比表面
積、ストラクチャーなどの特性要素に加えて、カーボン
ブラックのコロイダル特性をよりミクロに評価し、特定
の選択的特性を備えるカーボンブラックをゴム成分に配
合することにより補強性、耐摩耗性、発熱特性、反発弾
性などのゴム特性を改善する技術が数多く開発、提案さ
れている(例えば、特開平3−50249 号公報、同3−12
1165号公報、同4−209640号公報など) 。
【0007】一方、自動車の安全走行性の面から、低燃
費性能に加えて、湿潤路面における制動性能が重視さ
れ、低燃費タイヤトレッド用として好適な、高耐摩耗
性、低発熱性、高反発弾性などのゴム特性に加えて、湿
潤路面における制動性(ウエットスキッド性)に優れた
ゴム組成物に対する要求が強い。
【0008】一般にシリカをカーボンブラックと併用し
てゴム成分に配合することにより、制動性を改善できる
ことは知られており、例えば、特開平8−225684
号公報には特定のゴム成分100重量部に対して、シリ
カが25〜90重量部、カーボンブラックが5〜90重
量部、配合されたゴム組成物が、特開平9−17638
4号公報にはゴム成分100重量部に対して、シリカと
カーボンブラックとを合わせて40〜100重量部を含
み、シリカとカーボンブラックの総量に対するシリカの
割合が20〜80重量%で、かつシランカップリング剤
をシリカ量の5〜20重量%含んでいるゴム組成物より
なり、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が5
0〜150m2/g、DBP吸油量が100〜200cc/100
g でありDBPとN2 SAが、DBP>−N2 SA+2
30の関係を満たす、空気入りタイヤが開示されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリカ
はシリカ−シリカ間の相互作用が強く、ゴムポリマー中
で凝集し易いためゴム成分に均質に分散させることが難
しく、耐摩耗性などのゴム特性を低下させる問題があ
る。
【0010】そこで、特開平10−25428号公報に
はカーボンブラックの製造工程において、カーボンブラ
ック反応炉内で、珪酸金属塩とカーボンブラックとを接
触させて表面処理されたカーボンブラックをゴム成分に
配合してなるゴム組成物が提案されており、これはカー
ボンブラック表面にシラノール基を導入して表面処理す
ることによりこれらの問題点の解消を図るものである。
【0011】また、本出願人は窒素吸着比表面積(N2SA)
が70〜160m2/g、24M4DBP吸油量が50〜12
0ml/100g の範囲にあり、酸化処理によりヒドロキシル
基が200μeq/g以上、カルボキシル基が200μeq/g
以上、キノン基が100μeq/g以下の表面官能基を有す
るカーボンブラック5〜45重量部、250〜450℃
の温度で加熱処理したシリカ5〜45重量部、及びシラ
ンカップリング剤をシリカの2〜12重量%、の割合で
配合してなるゴム組成物(特開平10−338771号公報)を
開発した。
【0012】本発明は、これらとは別異の観点から表面
相互作用の間接的要因と考えられる一定条件下におけ
る、カーボンブラックの水分吸着性能に着目して研究を
進めた結果、開発に至ったもので、その目的はゴムに配
合して耐摩耗性、発熱性及び湿潤路面での制動性をバラ
ンスよく改良することのできるカーボンブラック、及び
該カーボンブラックを配合したタイヤトレッドなどとし
て好適なゴム組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N
2SA)が50〜160m2/g、DBP吸収量が125cm3/10
0g以上であって、水分吸着量 (Wm)が下記 (1)式の関係
を満たすことを構成上の特徴とする。 Wm ≦0.0357×B−1.357…(1) 但し、Wm はグリセリン50%水溶液の温度20℃かつ
相対湿度80%雰囲気中で3日間放置した後におけるカ
ーボンブラックの水分吸着量(重量%)、Bはブラック
ネス(%)である。
【0014】また、本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴ
ム成分100重量部に対して、上記のカーボンブラック
を20〜200重量部、無機補強材を5〜180重量
部、及びシランカップリング剤を無機補強材に対し0.
1〜20重量部、の割合で配合してなることを構成上の
特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のカーボンブラックにおい
て、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜160m2/g、DB
P吸収量が125cm3/100g以上の特性範囲は、配合ゴム
に高耐摩耗性と低発熱特性とを付与するための前提的特
性要件である。すなわち、窒素吸着比表面積(N2SA)が5
0m2/g未満、DBP吸収量が125cm3/100g未満では耐
摩耗性が低位となり、窒素吸着比表面積(N2SA)が160
m2/gを超えると発熱特性を低く抑えることができないた
めである。
【0016】なお、これらのカーボンブラック特性は下
記の方法によって測定される。 窒素吸着比表面積(N2SA);ASTM D4820−9
3に準拠して測定。 DBP吸収量ASTM D2414−93に準拠して
測定。
【0017】この前提的特性要件に加えて、本発明のカ
ーボンブラックは、その水分吸着量(Wm)が、Wm ≦
0.0357×B−1.357…(1) の関係を充足する
ことが必要である。カーボンブラックの水分吸着量 (W
m)はカーボンブラックの表面状態を示すパラメータとな
るものであり、カーボンブラック粒子表面に吸着されて
いる官能基の種類や量あるいはカーボンブラック粒子表
面の微細な凹凸や孔などによって影響を受け、また表面
積が大きくなるほど水分吸着量も多くなる。なお水分吸
着量 (Wm)は、JIS K6221−82「ゴム用カー
ボンブラックの試験方法」6・2・1項A法に従って乾
燥し、精秤採取したカーボンブラック試料10g を、グ
リセリン50%水溶液の温度20℃かつ相対湿度80%
の雰囲気中で3日間放置した後に測定した吸湿量であ
る。
【0018】カーボンブラックのブラックネス(B)
は、カーボンブラックの黒さを表す指標として古くから
用いられており、カーボンブラックの粒子径、比表面
積、凝集体の大きさなどに影響される。したがって、ブ
ラックネス(B)はカーボンブラックの粒子性状をはじ
めとする多くのコロイダル特性を含む総合的な特性要素
ということができ、下記の方法により測定される。
【0019】ブラックネス(B)の測定法;粒度149
μm 以下の乾燥カーボンブラック試料0.500g を採
取し、ガラス板上でアマニ油を滴下しながら充分に練り
合わせたのち、フーバーマラーに移し、フーバーマラー
上で15ポンドの荷重で25回転の練りを5回繰り返し
行ってペーストを調製する。このペーストの少量をガラ
ス板上に載せ、ドクターブレードを用いて薄膜を形成さ
せる。予め基準試料IRB#2について同様に形成した
薄膜上にデンシクロン反射計(Sargent Welch Scientif
ic社製)のヘッドを置いて50%に設定し、ヘッドを少
なくとも3ヶ所移動させたときのメーター値が49.5
〜50.5%になることを確認する。次いで、カーボン
ブラック試料の薄膜上にヘッドを置いて5ヶ所の値を読
み取り、その平均値をTとして、下記式によりブラック
ネス(B)の値を算出する。 B(%)=(50/T)×100
【0020】本発明のカーボンブラックは、このように
して測定される水分吸着量 (Wm)とブラックネス(B)
とが (1)式の関係を満たすことが必須の要件であり、水
分吸着量 (Wm)が、0.0357×B−1.357の式
から算出される値を超えると、配合ゴムの耐摩耗性及び
発熱性の改良効果が小さくなるばかりでなく、湿潤路面
での制動性の向上が望めなくなる。一方、この算出値よ
り水分吸着量 (Wm)が小さい場合には、ゴム成分にシリ
カと併用して配合した際に耐摩耗性及び発熱性の劣化が
抑制され、また湿潤路面における制動性の向上に有効機
能する。
【0021】このように、本発明のカーボンブラック
は、粒子表面の水分を吸着する活性点が、カーボンブラ
ック表面の物理化学的性状を総合的に示すパラメータと
してのブラックネス(B)との関係において、相対的に
低いことに特徴付けられ、これらの特性が総合的に機能
して、配合ゴム、特にシリカとともにゴム成分に配合し
た際に耐摩耗性、発熱性、湿潤路面での制動性をバラン
スよく改良するのに優れた機能を発揮することが可能と
なる。
【0022】本発明のゴム組成物は、上記の特性を備え
た本発明のカーボンブラックを、ジエン系ゴム成分10
0重量部に対して、20〜200重量部、無機補強材を
5〜180重量部、及びシランカップリング剤を無機補
強材に対し0.1〜20重量部、の割合で配合してなる
ことを構成上の特徴とする。
【0023】ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、イソプ
レンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体ゴムなどのジエン系ゴムが
用いられる。これらのゴム成分100重量部に対して、
カーボンブラックを20〜200重量部の割合で配合す
る。カーボンブラックの配合量が20重量部未満では充
分な補強効果が得られず、耐摩耗性が低下する。しか
し、200重量部を越えるとゴム成分への配合混練時に
粘度が上昇して均一なゴム組成物を調製することが難し
く、また発熱性が増大することになる。
【0024】本発明のゴム組成物には、カーボンブラッ
クとともに無機補強材が、ゴム成分100重量部に対し
て5〜180重量部の割合で配合される。カーボンブラ
ックと併用する無機補強材には、例えば、乾式法シリ
カ、湿式法シリカ(含水ケイ酸、沈降シリカ)、水酸化
アルミニウム、炭酸カルシウム、クレー、水酸化マグネ
シウム、タルク、マイカなどが、1種類もしくは2種類
以上を組み合わせて用いることができるが、好ましくは
湿式法シリカが使用される。無機補強材、例えばシリカ
の配合量が5重量部未満では、湿潤路面における制動性
の改良ができず、一方180重量部を越えるとゴム成分
中への分散が極端に悪くなり、更に耐摩耗性や発熱性が
悪化するためである。
【0025】更に、無機補強材のゴム中への分散性およ
びゴムへの補強性を向上させるために、シランカップリ
ング剤をシリカなどの無機補強材に対し、0.1〜20
重量部の割合で配合する。シランカップリング剤の配合
割合が0.1重量部を下回るとカップリング効果が小さ
く、また20重量部を越える配合割合ではゴム中への分
散性およびゴムへの補強性の効果が頭打ちとなりコスト
高となるためである。なお、シランカップリング剤に
は、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テ
トラスルフィド、メルカプトシラン化合物、ビニルシラ
ン化合物などが用いられる。
【0026】本発明のゴム組成物は、上記のカーボンブ
ラック、無機補強材、及びシランカップリング剤に、常
用される加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、加硫助剤、
軟化剤、可塑剤などの必要成分とともにゴム成分中に混
練することによりゴム組成物が得られる。
【0027】なお、本発明のカーボンブラックは、炉頭
部に接線方向の空気供給口と炉軸方向に装着された燃焼
バーナおよび原料油噴射ノズルを有する燃焼室と、該燃
焼室と同軸的に連設された狭径反応室、引き続く反応停
止用の冷却水噴霧ノズルを備えた広径反応室とから構成
した構造のオイルファーネス炉を用い、燃焼条件、原料
油の供給量、炉内滞留時間、反応停止用冷却水中にA重
油を混合して噴霧するなどの各発生条件を制御すること
によって製造される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0029】実施例1〜3、比較例1〜5 (1)カーボンブラックの製造 炉頭部に接線方向空気供給口を備えたウインドボックス
と下流側出口が緩やかに収斂する燃焼室(内径400mm 、
長さ500mm )を設け、該燃焼室と同軸的に連結する狭径
反応室(内径180mm 、長さ500mm )及びこれに引き続き
反応停止用の冷却水噴霧ノズルを備えた広径反応室(内
径300mm )とから構成されたオイルファーネス炉を用
い、発生条件を変えてカーボンブラックを製造した。な
お、比較例4、5を除いては、反応停止用冷却水中にA
重油を所定量添加した。得られたカーボンブラックの特
性を、製造条件と対比して表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】(2)ゴム組成物の作製 表1のカーボンブラックを、表2に示す配合割合でゴム
成分に配合し、配合物を160℃の温度で加硫して、ゴ
ム組成物を作製した。
【0032】
【表2】 注) *1 日本シリカ工業(株)製 Nipsil AQ *2 デグサ社製 Si-69 *3 シリカに対する重量部
【0033】(3)ゴム特性試験 作製した各ゴム組成物について、下記の方法により損失
係数(tanδ) 、およびランボーン摩耗量を測定し、得ら
れた結果を表3に示した。
【0034】損失係数(tanδ) :ヴィスコ・エラステ
ィック・スペクトロメータ〔(株)岩本製作所製〕を用
いて、下記の条件で測定した。なお、0℃の tanδは大
きいほど湿潤路面における制動性に優れ、60℃の tan
δは小さいほど発熱性が低いことを示している。 試験片;厚さ2mm、長さ35mm、幅5mm 周波数;50Hz 動的歪率;1.2% 測定温度;0℃、及び、60℃
【0035】摩耗量:ランボーン摩耗試験機(機械式
スリップ機構)を用いて、下記の条件で測定した。な
お、摩耗量が少ないほど耐摩耗性に優れていることを示
している。 試験片;厚さ5mm、外径48mm エメリーホイール;GCタイプ、粒度 #80、硬度H 添加カーボランダム粉;粒度 #80、添加量 9g/min. エメリーホイール面と試験片の相対スリップ率;60% 試験片回転数;480rpm 試験荷重;3kg
【0036】
【表3】
【0037】表1〜3の結果から、本発明の特性要件の
全てを充足したカーボンブラックを配合した実施例1〜
3のゴム組成物は、いずれか1つの特性要件が外れたカ
ーボンブラックを配合したを比較例1〜5のゴム組成物
に比べて、相対的に、0℃のtanδが高位にある反面、
60℃の tanδが低位にあり、また、ランボーン摩耗量
も相対的に少なく、耐摩耗性と発熱性、及び湿潤路面に
おける制動性とがバランスよく改良されていることが認
められる。また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積
(N2SA)及びDBP吸収量がほぼ同じで、水分吸着量 (W
m)が本発明で定義した関係式値、Wm ≦0.0357×
B−1.357の関係を満たす実施例2、3と、関係式
を満たさない比較例4、5をそれぞれ比較すると、実施
例2、3のゴム組成物は比較例4、5のゴム組成物に比
べて、明らかに0℃の tanδが大きく、60℃の tanδ
が小さく、更に、ランボーン摩耗量も少ないことが判明
する。
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、窒素吸
着比表面積(N2SA)およびDBP吸収量とともに水分吸着
量 (Wm)をブラックネス(B)との関係において特定し
たカーボンブラックを、シリカなどの無機補強材及びシ
ランカップリング剤を併用してジエン系ゴム成分に配合
することにより、耐摩耗性、発熱性、及び湿潤路面にお
ける制動性をバランスよく改良することができる。した
がって、安全性に優れた省燃費タイヤトレッド用などと
して好適なゴム組成物を提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 BB181 DA036 DJ017 EX018 EX088 FD016 FD017 GN01 4J037 AA02 BB05 BB15 BB18 BB36 BB37 DD07 DD17 FF01 FF02 FF05 FF13 FF18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜160
    m2/g、DBP吸収量が125cm3/100g以上であって、水
    分吸着量 (Wm)が下記 (1)式の関係を満たすことを特徴
    とするカーボンブラック。 Wm ≦0.0357×B−1.357…(1) 但し、Wm はグリセリン50%水溶液の温度20℃かつ
    相対湿度80%雰囲気中で3日間放置した後におけるカ
    ーボンブラックの水分吸着量(重量%)、Bはブラック
    ネス(%)である。
  2. 【請求項2】 ジエン系ゴム成分100重量部に対し
    て、請求項1記載のカーボンブラックを20〜200重
    量部、無機補強材を5〜180重量部、及びシランカッ
    プリング剤を無機補強材に対し0.1〜20重量部、の
    割合で配合してなることを特徴とするゴム組成物。
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