JP2002145442A - 搬送装置における薄板状搬送物の整列装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送方向に対し直交する方向に傾斜して搬送
される方形の薄板状搬送物の向きを、一定方向に向けて
確実に整列することができる搬送装置における薄板状搬
送物の整列装置を提供する。 【解決手段】 下端ガイド部材１６の所定部位に配置
される走行装置１８が、薄板状ケース２を搬送するベル
トコンベア１ｂのベルト速度に対し速度差を有している
ので、薄板状ケース２が走行装置１８のベルト２０に接
触した際に回転力が生じて薄板状ケース２の下端の一辺
が下端ガイド部材１６に押し付けられ、一定方向に向け
て確実に整列することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、搬送方向に対し直
交する方向に傾斜する搬送面に載置させて搬送する方形
の薄板状搬送物を整列させる搬送装置における薄板状搬
送物の整列装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ベルトコンベア等の搬送装置の搬
送面に載置して搬送される方形の薄板状搬送物として、
例えばＣＤやＤＶＤ等の記憶媒体を収容する方形のケー
ス面上にバーコード等が印刷されており、印刷されたバ
ーコード等を正確に検出するために方形の薄板状ケース
を一定方向に整列させる整列装置として、薄板状ケース
両端の２側面を搬送方向に沿って案内するガイドレール
が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のガイドレールは、水平に形成された搬送面、または
搬送方向に傾斜して設置される搬送面上に載置して搬送
される方形の薄板状ケースを案内するものであって、例
えば、方形の薄板状ケースを支持する搬送面が搬送方向
に対し直交する方向に傾斜して構成されている場合で
は、自重が作用する薄板状ケースの下端の一辺をガイド
レールで摺動自在に案内支持して整列搬送されている。

【０００４】しかしながら、薄板状ケース下端の一辺の
みをガイドレールで支持して整列する整列方法では、該
薄板状ケースの上端面が規制されていないため、薄板状
ケースの下端部がガイドレール上を走行中に摺動部に摩
擦の変化が生じた際に回転力が生じてその姿勢が変化す
る場合があり、これに後続して密接状態で搬送される薄
板状ケースも同様に姿勢が変化した状態で搬送される
と、この姿勢が保たれたままの状態で搬送される恐れが
あることから、薄板状ケースの上端にもガイドレールを
設けて上下両端面を案内する構成が採用されている。

【０００５】このような搬送装置の搬送面上に薄板状ケ
ースを供給する供給位置では、傾斜する搬送面の上方か
ら薄板状ケースが傾斜面に沿って滑落してベルト載置面
上に投入されることから、薄板状ケースが投入される部
位では上部ガイドレールが切り離されている。

【０００６】例えば、薄板状ケースがベルト載置面上に
連続して投入されて薄板状ケースの間隔が極めて接近し
て搬送される場合に、投入された薄板状ケースの姿勢が
変化した際に、近接して搬送される前後の薄板状ケース
が互いに接触し、その姿勢が保持されたまま搬送されて
薄板状ケースの上部が上部ガイドレールで支持される状
態になったとき、薄板状ケースの上下両端面が両ガイド
レールに挟まれてロックし、薄板状のケースの搬送が阻
害される問題を有していた。

【０００７】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、搬送方向に対し直交する方向に傾斜して
搬送される方形の薄板状搬送物の向きを、一定方向に向
けて確実に整列することができる搬送装置における薄板
状搬送物の整列装置を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の搬送装置における薄板状搬送物の整列装置
は、搬送方向に対し直交する方向に傾斜する搬送面上に
方形の薄板状搬送物を載置して搬送する搬送装置におけ
る薄板状搬送物の整列装置において、前記搬送面の下方
に、前記薄板状搬送物の下端を支持すべく下端支持部が
搬送方向に延設され、該下端支持部の所定部位に前記薄
板状搬送物の下端を支持して搬送方向に移送する走行装
置を配置し、該走行装置の搬送速度が前記搬送装置の搬
送速度に対し速度差を有するように構成されていること
を特徴としている。この特徴によれば、下端支持部の所
定部位に配置される走行装置が、薄板状搬送物を搬送す
る搬送装置の搬送速度に対し速度差を有しているので、
薄板状搬送物が走行装置に接触した際に回転力が生じ
て、その下端の一辺が下端支持部に押し付けられ、一定
方向に向けて確実に整列することができる。

【０００９】本発明の搬送装置における薄板状搬送物の
整列装置は、前記搬送装置の搬送面がベルトの載置面で
あって、該ベルトの載置面上に、搬送方向を所定間隔で
仕切る仕切り部が搬送方向と直交するように突設されて
いることが好ましい。このようにすれば、ベルトの載置
面上に投入された薄板状搬送物が、仕切り部によって１
枚ずつ分離されるので、薄板状搬送物同士が互いに接触
せずに個別に搬送されるため姿勢を修正する際に阻害さ
れることがない。また、搬送過程で走行装置によって整
列された薄板状搬送物は、その角部を挟む２辺が下端支
持部と仕切り部によって規制された状態で搬送されるの
で、搬送途中での姿勢が安定する。

【００１０】本発明の搬送装置における薄板状搬送物の
整列装置は、前記下端支持部が、断面略Ｌ字状に形成さ
れた２方向の支持面によって前記薄板状搬送物の下方背
面ないし下端面が案内支持されるようになっていること
が好ましい。このようにすれば、ベルトの下端部から下
方に突出した薄板状搬送物下端の一辺が支持された状態
で搬送されると共に、傾斜した薄板状搬送物の下端側背
面が案内支持される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図１の（ａ）、（ｂ）は本発明の一実
施形態としての薄板状搬送物の整列装置を設けたベルト
コンベアの概念図であって、（ａ）はベルトコンベアの
平面概念図、（ｂ）は薄板状搬送物の整列装置を設けた
箇所を示すベルトコンベアの部分拡大平面図、図２は図
１のＡ−Ａ断面図であり、図３は図１のＢ−Ｂ断面図で
ある。

【００１２】先ず、図１の（ａ）、（ｂ）には、本発明
の一実施形態としての薄板状搬送物の整列装置を設けた
ベルトコンベア１が示されており、このベルトコンベア
１は、搬送方向下流側に互いに並設配置される２本のベ
ルトコンベア１ａ、１ｂから構成されており、一方のベ
ルトコンベア１ａの上流側には薄板状搬送物２を供給す
る供給装置３が配置されている。

【００１３】更に詳しくは、供給装置３は、図２に示さ
れるように薄板状搬送物として、例えば各種ＣＤやＤＶ
Ｄ等の記憶媒体が個別に収容され、これらの種類を識別
するために表面にバーコード等を印刷した多数の方形の
薄板状ケース２を互いに起立し密接状態で斜めに間欠搬
送する間欠搬送装置５ａと、この間欠搬送装置５ａの先
端の下方に斜めに配設され間欠搬送装置５ａの先端から
１枚ずつ分離された薄板状ケース２を下方に搬送する搬
送装置５ｂとから構成されている。

【００１４】さらに搬送装置５ｂの下方には、この搬送
装置５ｂから１枚ずつ分離搬送される薄板状ケース２を
受け入れて搬送すべく搬送装置５ｂの搬送方向と直交す
るようベルトコンベア１ａが配置されている。

【００１５】このベルトコンベア１ａは、その搬送面が
ベルト４の載置面であって、搬送されるベルト４を支持
するベルト支持板１２が、搬送方向に対し直交する方向
に傾斜し、搬送装置５ｂの傾斜角度と略同一傾斜角度に
構成されている。

【００１６】このようにベルトコンベア１ａは、傾斜す
るベルト支持板１２上に支持されて走行するベルト４の
上面を載置面とし、この載置面上に搬送装置５ｂから１
枚ずつ受け入れた方形の薄板状ケース２を載置して搬送
するよう構成されている。

【００１７】このベルトコンベア１ａの下流側には、別
のベルトコンベア１ｂの一部が並設されており、このベ
ルトコンベア１ｂは上流側に配設された供給側のベルト
コンベア１ａに対し対称角度で傾斜した搬送面を有して
いる。

【００１８】すなわち、これら２本のベルトコンベア１
ａ、１ｂは、互いに傾斜した搬送面としてのベルト４の
載置面（図２参照）が向き合うように略Ｖ字形に並設さ
れている。

【００１９】そして、図１の（ａ）に示されるように、
一方のベルトコンベア１ａの載置面上に供給されて傾斜
状態で下流側に搬送された薄板状ケース２は、並設され
る他方側の逆傾斜のベルト支持板を有するベルトコンベ
ア１ｂベルト４の載置面上に図示しない反転装置を介し
て反転され、今度は反転された薄板状搬送物２は背面を
表にしてベルトコンベア１ｂ上を搬送されることにな
る。

【００２０】この状態で搬送された各種搬送物が、搬送
過程で図示しない検出装置により種類別に識別される
と、所定の排出口から種類別に排出されるようになって
いる。

【００２１】ここで、前述したベルトコンベア１ｂに、
この搬送方向に対し直交する方向に傾斜した状態で使用
されるベルトにつき詳述する。

【００２２】すなわち、図３に示すように、このベルト
４は、ベルト４載置面の背面に、略中央部位に断面台形
状の突出部６が延長方向全長に亘って直線状に形成され
ている。

【００２３】更に、ベルト４の載置面上には、仕切り部
９が所定間隔毎に全長に亘って搬送方向に対し直交する
よう突設されており、搬送装置５ｂから１枚すつ供給さ
れた薄板状ケース２を係止しつつ搬送している。

【００２４】次に、本実施形態に係るベルトを傾斜状態
で支持して搬送するベルトコンベアのベルト支持構造に
つき説明する。

【００２５】すなわち、図３に示されるように、所定間
隔で立設配置されたスタンド１３の頂部には、ベルト４
を支持する板状のベルト支持板１２が搬送方向に延設さ
れ、搬送方向に対し直交して傾斜状態で支持されてお
り、その中央には所定間隔離間したベルト規制手段とな
る案内溝１２ａが搬送方向に形成されている。

【００２６】さらに、ベルト支持板１２の傾斜した下端
縁には断面Ｌ字形に形成された下端支持部としての下端
ガイド部材１６が長手方向に沿って取付けられており、
ベルト４の載置面の下端縁から下方に延出した状態で搬
送される薄板状搬送物２の下端部を案内支持するように
なっている。

【００２７】このベルト支持板１２の背面側には、リタ
ン側ベルト４を案内支持するガイドローラ１５がベルト
支持板１２と平行に所定間隔で配設され、このガイドロ
ーラ１５は、長手方向中央にベルト４背面の突出部６を
案内する環状溝１５ａが形成され、スタンド１３頂部に
支持されるベルト支持板１２の反対側面に取付けられた
ブラケット１１に回転自在に軸支されている。

【００２８】薄板状搬送物２の下端部を案内支持するベ
ルトコンベア１ｂの下端ガイド部材１６には、例えば搬
送装置５ｂの延長線上に対応する部位、またはベルトコ
ンベア１ｂ下流側の所定部位に所定長さの走行装置１８
がベルトコンベア１ｂのベルト４と並行に配設されてい
る。

【００２９】この走行装置１８は、図示しない駆動モー
タにより駆動される駆動ローラ２２ａ及び従動ローラ２
２ｂと、これら駆動ローラ２２ａ及び従動ローラ２２ｂ
に掛け渡された細幅のベルト２０とから成り、このベル
ト２０は、下端ガイド部材１６に形成された所定幅にの
矩形貫通穴から上面が若干突出している。

【００３０】このように、ベルト４の載置面上に所定間
隔毎に全長に亘って搬送方向に対し直交するよう突設し
た仕切り部９と、下端ガイド部材１６の所定範囲にベル
トコンベア１ｂのベルト４の搬送方向と同方向に移送す
る走行装置１８とにより整列装置が構成される。

【００３１】そして、この走行装置１８は、このベルト
２０の走行速度をベルトコンベア１ｂの搬送速度に対し
高速、または低速となる速度差を有するよう制御されて
いる。

【００３２】次に、上述した整列装置の作用につき説明
する。

【００３３】すなわち、図２に示す供給装置３から１枚
ずつ分離された方形の薄板状ケース２がベルトコンベア
１ｂの傾斜したベルト４の載置面上に供給されると、下
端面が下端ガイド部材１６に支持されて搬送方向に移送
される。

【００３４】ところが、方形の薄板状ケース２が、供給
装置３の搬送装置５ｂからベルトコンベア１ｂの傾斜し
たベルト４の載置面上に滑落する際に、図１（ｂ）に示
すように摺動面上の摩擦力の差違等により方形の薄板状
ケース２の姿勢が変化することがある。

【００３５】そこで、薄板状ケース２が搬送装置５ｂか
ら下端ガイド部材１６上に滑落した際に、この薄板状ケ
ース２の下端が速度差を有する走行装置１８のベルト２
０に接触することにより、搬送方向に対し何れかの方向
に回転が起生されてその下端に位置する一辺が下端ガイ
ド部材１６に案内支持され、同時にその角部を挟んで搬
送方向後方の一辺が仕切り部９に係止され、薄板状ケー
ス２は、角部を挟む２辺が下端ガイド部材１６と仕切り
部９とによって規制された状態で搬送される。

【００３６】このように本発明の整列装置によれば、ベ
ルトコンベア１ｂのベルト４の載置面上に供給された方
形の薄板状ケース２が、走行装置１８のベルト２０に支
持された際にベルトコンベア１ｂのベルト４との速度差
によって回転力が起生されるため、下端の一辺が下端ガ
イド部材１６の支持面上に押し付けられ、一定方向に向
けて確実に整列することができる。

【００３７】また、ベルトコンベア１ａ及び１ｂのベル
ト４の載置面上には、搬送方向を所定間隔で仕切る仕切
り部９が所定間隔毎に搬送方向と直交するように突設さ
れているので、供給装置３からベルトコンベア１ａのベ
ルトの載置面上に供給された薄板状ケース２が、仕切り
部９によって１枚ずつ分離されるので、薄板状ケース２
同士が互いに接触せずに個別に搬送されるため、姿勢の
修正を確実に行うことができる。

【００３８】また、ベルトコンベア１ｂ上に供給された
薄板状搬送物は、その角部を挟む２辺が、仕切り部９と
速度差を有する走行装置１８との協働作用によって姿勢
が規制された状態で搬送されるので、搬送途中での姿勢
が安定する。

【００３９】さらに、薄板状ケース２の下方背面ないし
下端面が、断面略Ｌ字状に形成された下端ガイド部材１
６の２方向の支持面によって案内支持されるようになっ
ているので、傾斜した状態の薄板状ケース２を安定状態
で整列させて搬送することができる。

【００４０】以上、本発明の実施例を図面により説明し
てきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更
や追加があっても本発明に含まれる。

【００４１】

【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。

【００４２】（ａ）請求項１に記載の発明によれば、下
端支持部の所定部位に配置される走行装置が、薄板状搬
送物を搬送する搬送装置の搬送速度に対し速度差を有し
ているので、薄板状搬送物が走行装置に接触した際に回
転力が生じてその下端の一辺が下端支持部に押し付けら
れ、一定方向に向けて確実に整列することができる。

【００４３】（ｂ）請求項２に記載の発明によれば、ベ
ルトの載置面上に投入された薄板状搬送物が、仕切り部
によって１枚ずつ分離されるので、薄板状搬送物同士が
互いに接触せずに個別に搬送されるため姿勢を修正する
際に阻害されることがない。また、搬送過程で走行装置
によって整列された薄板状搬送物は、その角部を挟む２
辺が下端支持部と仕切り部によって規制された状態で搬
送されるので、搬送途中での姿勢が安定する。

【００４４】（ｃ）請求項３に記載の発明によれば、ベ
ルトの下端部から下方に突出した薄板状搬送物の下端の
一辺が支持された状態で搬送されると共に、傾斜した薄
板状搬送物の下端側背面が案内支持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態としての薄板状搬送物の整
列装置を設けたベルトコンベアの概念図であって、
（ａ）はベルトコンベアの平面概念図、（ｂ）は薄板状
搬送物の整列装置を設けた箇所を示すベルトコンベアの
部分拡大平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ断面図である。

【符号の説明】

１、１ａ、１ｂ ベルトコンベア（搬送装置） ２ 薄板状ケース（薄板状搬送
物） ３ 供給装置 ４ ベルト ５ａ 間欠搬送装置 ５ｂ 搬送装置 ６ 突出部 ９ 仕切り部 １１ ブラケット １２ ベルト支持板 １２ａ 案内溝 １３ スタンド １５ ガイドローラ １５ａ 環状溝 １６ 下端ガイド部材（下端支持
部） １８ 走行装置 ２０ ベルト ２２ａ 駆動ローラ ２２ｂ 従動ローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送方向に対し直交する方向に傾斜する
   搬送面上に方形の薄板状搬送物を載置して搬送する搬送
   装置における薄板状搬送物の整列装置において、 前記搬送面の下方に、前記薄板状搬送物の下端を支持す
   べく下端支持部が搬送方向に延設され、該下端支持部の
   所定部位に前記薄板状搬送物の下端を支持して搬送方向
   に移送する走行装置を配置し、該走行装置の搬送速度が
   前記搬送装置の搬送速度に対し速度差を有するように構
   成されていることを特徴とする薄板状搬送物の整列装
   置。
2. 【請求項２】 前記搬送装置の搬送面がベルトの載置面
   であって、該ベルトの載置面上に、搬送方向を所定間隔
   で仕切る仕切り部が搬送方向と直交するように突設され
   ている請求項１に記載の薄板状搬送物の整列装置。
3. 【請求項３】 前記下端支持部は、断面略Ｌ字状に形成
   された２方向の支持面によって前記薄板状搬送物の下方
   背面ないし下端面が案内支持されるようになっている請
   求項１に記載の薄板状搬送物の整列装置。