JP2002144545A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2002144545A
JP2002144545A JP2000344830A JP2000344830A JP2002144545A JP 2002144545 A JP2002144545 A JP 2002144545A JP 2000344830 A JP2000344830 A JP 2000344830A JP 2000344830 A JP2000344830 A JP 2000344830A JP 2002144545 A JP2002144545 A JP 2002144545A
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drive waveform
ink jet
pulse
recording apparatus
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14411Groove in the nozzle plate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が複雑になり、低コスト化を図れない。 【解決手段】 インク滴を吐出させる吐出パルスP1と
インク滴を吐出させないでメニスカスを振動させるメニ
スカス振動パルスP2を時系列で生成出力し、温度セン
サ91の検出結果に基づいてメニスカス振動パルスP2
の選択頻度を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いる
インクジェット記録装置において使用するインクジェッ
トヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズル
が連通するインク流路(吐出室、圧力室、加圧液室、液
室等とも称される。)と、このインク流路内のインクを
加圧するエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを
備えて、エネルギー発生手段を駆動することでインク流
路内インクを加圧してノズルからインク滴を吐出させる
ものであり、記録の必要なときにのみインク滴を吐出す
るインク・オン・デマンド方式のものが主流である。
【0003】従来、インク流路内のインクを加圧するエ
ネルギーを発生するエネルギー発生手段として、圧電素
子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形さ
せてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させ
るいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公
報参照)、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内で
インクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でイ
ンク滴を吐出させるいわゆるバブル型のもの(特開昭6
1−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成
する振動板と電極とを平行に配置し(これにより形成さ
れるギャップを「平行ギャップ」と称する。)、振動板
と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形
させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴
を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公
報参照)などが知られている。
【0004】ところで、インクジェットヘッドは、ノズ
ルからインク滴を吐出するため、インク粘度が環境によ
って変化すると、安定したインク滴吐出特性(滴速度V
j、滴体積Mj、滴噴射方向の曲がり)が得られなくな
り、画像品質が劣化する。また、環境変化だけでなく、
非印字時にインク粘度が高くなると、ノズルの目詰まり
が生じて、著しく画像が劣化する。特に、画質を向上す
るために、吐出インク滴を微小化しなければならないこ
とから、ノズルの小径化が進んでおり、一層ノズルの目
詰まりが生じ易くなっている。さらに、目詰まりを起こ
さないまでも、非印字時間の長さによって、次に印字信
号が入力された際の滴吐出特性に差が生じて画質が低下
する。
【0005】そこで、例えば再公表特許WO97/32
728に記載されているように、単一周期の基準信号に
同期して、インク滴吐出が可能な振幅の第1の電気パル
スと、この第1の電気パルスの振幅より小さく、ノズル
内のインクをノズル内で流動させる第2の電圧パルスの
いずれか一方を、目詰まり防止の回復処理動作時と印刷
行程中に各圧力発生手段に印加するインクジェットプリ
ンタの駆動方法が知られている。
【0006】このインクジェットプリンタの駆動方法に
あっては、第1の電気パルスと第2の電気パルスを同じ
タイミングで選択的に各圧力発生手段に印加するため、
インクジェットヘッドのエネルギー発生手段をなす共通
電極(振動板)と個別電極のうち、共通電極に与える電
圧を切り換えるスイッチ手段と、個別電極の電圧を切り
換えるスイッチ手段とを有し、かつ個別電極には2つの
水準の電圧を切り換えて与えるようにしている。
【0007】また、従来、二種類の駆動パルスを選択的
にヘッドに与える構成としては、図25に示すように、
二種類の駆動パルス(吐出パルスとメニスカス振動パル
ス)を同じタイミングで並列的に発生させて、3端子ス
イッチ201を用いていずれかの駆動パルスをエネルギ
ー発生手段202に与える構成が採用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したインクジェッ
トヘッドの駆動方法にあっては、第1の電気パルスとこ
の第1の電気パルスより振幅の小さな第2の電気パルス
を同じタイミングで選択的に各圧力発生手段に印加する
ため、回路構成が複雑になり、コストが高くなる。ま
た、二種類の駆動パルスを同じタイミングで発生させ
て、3端子スイッチを用いていずれかの駆動パルスを選
択する場合、3端子スイッチは実質的にスイッチが2個
必要になってコストが高くなり、しかもノズル数分必要
なために多ノズル化の下ではコスト増が著しくなる。
【0009】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、単純な構成で、振動板の耐久性を確保しなが
ら、インクメニスカスを振動させてノズルの目詰まりを
防止するインクジェット記録装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るインクジェット記録装置は、インク滴
を吐出させる第1駆動波形とインク滴を吐出させずにメ
ニスカスを振動させる第2駆動波形とを時系列で生成出
力する手段と、印字信号に応じて第1駆動波形又は第2
駆動波形を選択して電極に印加させる手段と、第2駆動
波形の選択頻度を変更する手段とを備えた構成としたも
のである。
【0011】ここで、温度及び/又は湿度の検出結果に
基づいて第2駆動波形の選択頻度を変更することが好ま
しい。また、温度の検出結果に基づいて第1駆動波形を
変更する手段と、温度の検出結果に基づいて第2駆動波
形の選択頻度を変更する手段とを備えることが好まし
い。
【0012】本発明に係るインクジェット記録装置は、
インク滴を吐出させる第1駆動波形とインク滴を吐出さ
せずにメニスカスを振動させる第2駆動波形とを少なく
とも2以上の駆動周期毎に時系列化して生成出力する手
段を備えたものである。
【0013】ここで、第2駆動波形はすべてのノズルに
対応する電極に印加することができる。また、第2駆動
波形は非印字ノズルに対応する電極のみに印加すること
ができる。さらに、第1駆動波形と第2駆動波形とを時
系列化する周期数を変更させる手段を備えていることが
好ましい。
【0014】この場合、温度及び/又は湿度の検出結果
に基づいて時系列化する周期数を変更することが好まし
い。また、温度の検出結果に基づいて第1駆動波形を変
更する手段と、温度の検出結果に基づいて時系列化する
周期数を変更する手段とを備えていることが好ましい。
【0015】これらの本発明に係るインクジェット記録
装置において、第1駆動波形は複数のパルスからなり、
印字信号に応じてパルス数を選択する手段を備えている
ことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェット記録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機
構部の側面説明図である。
【0017】このインクジェット記録装置は、記録装置
本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キ
ャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録
ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカート
リッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、給紙カ
セット4或いは手差しトレイ5から給送される用紙3を
取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した
後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0018】印字機構部2は、図示しない左右の側板に
横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイ
ドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で
紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ1
3にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する
インクジェットヘッドからなるヘッド14をインク滴吐
出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側に
はヘッド14に各色のインクを供給するための各インク
タンク(インクカートリッジ)15を交換可能に装着し
ている。
【0019】インクカートリッジ15は上方に大気と連
通する大気口、下方にはインクジェットヘッド14へイ
ンクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された
多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインク
ジェットヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧
に維持している。このインクカートリッジ15からイン
クをヘッド14内に供給する。
【0020】ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬
送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装
し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド1
2に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ
13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ1
7で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19と
の間にタイミングベルト20を張装し、このタイミング
ベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モ
ータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動さ
れる。
【0021】また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘ
ッド14を用いているが、各色のインク滴を吐出するノ
ズルを有する1個のヘッドでもよい。さらに、ヘッド1
4としては、後述するように、インク流路の壁面の少な
くとも一部を形成する振動板とこれに対向する電極とを
備え、静電力で振動板を変形変位させてインクを加圧す
る静電型インクジェットヘッドを用いている。
【0022】一方、給紙カセット4にセットした用紙3
をヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット
4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリク
ションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23
と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ
24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬
送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し
角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ロー
ラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転
駆動される。
【0023】そして、キャリッジ13の主走査方向の移
動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙
3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材
である印写受け部材29を設けている。この印写受け部
材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ
送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32
を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ロ
ーラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部
材35,36とを配設している。
【0024】記録時には、キャリッジ13を移動させな
がら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することに
より、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を
記録し、用紙3を所定量搬送後次の行の記録を行う。記
録終了信号または、用紙3の後端が記録領域に到達した
信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙3を
排紙する。
【0025】また、キャリッジ13の移動方向右端側の
記録領域を外れた位置には、ヘッド14の吐出不良を回
復するための回復装置37を配置している。回復装置3
7は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有
している。キャリッジ13は印字待機中にはこの回復装
置37側に移動されてキャッピング手段でヘッド14を
キャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に
保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出す
る(パージする)ことにより、全ての吐出口のインク粘
度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0026】吐出不良が発生した場合等には、キャッピ
ング手段でヘッド14の吐出口(ノズル)を密封し、チ
ューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気
泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等は
クリーニング手段により除去され吐出不良が回復され
る。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された
廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のイ
ンク吸収体に吸収保持される。
【0027】次に、このインクジェット記録装置のヘッ
ド14を構成するインクジェットヘッドについて図3乃
至図6を参照して説明する。なお、図3はインクジェッ
トヘッドの分解斜視説明図、図4は同ヘッドの振動板長
手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの振動板長手
方向に沿う要部拡大断面説明図、図6は同ヘッドの振動
板短手方向に沿う要部拡大断面図である。
【0028】インクジェットヘッド40は、単結晶シリ
コン基板、多結晶シリコン基板、SOI基板などのシリ
コン基板等を用いた第一基板である流路基板41と、こ
の流路基板41の下側に設けたシリコン基板、パイレッ
クス(登録商標)ガラス基板、セラミックス基板等を用
いた第二基板である電極基板42と、流路基板41の上
側に設けた第三基板であるノズル板43とを備え、複数
のインク滴を吐出するノズル44、各ノズル44が連通
するインク流路である加圧室46、各加圧室46にイン
ク供給路を兼ねた流体抵抗部47を介して連通する共通
液室流路48などを形成している。
【0029】流路基板41には加圧室46及びこの加圧
室46の壁面である底部をなす第1電極を兼ねた振動板
50を形成する凹部を形成し、ノズル板43には流体抵
抗部47を形成する溝を形成し、また流路基板41と電
極基板42には共通液室流路48を形成する貫通部を形
成している。
【0030】ここで、流路基板41は、例えば単結晶シ
リコン基板を用いた場合、予め振動板厚さにボロンを注
入してエッチングストップ層となる高濃度ボロン層を形
成し、電極基板42と接合した後、加圧室46となる凹
部をKOH水溶液などのエッチング液を用いて異方性エ
ッチングすることにより、このとき高濃度ボロン層がエ
ッチングストップ層となって振動板50が高精度に形成
される。また、多結晶シリコン基板で振動板50を形成
する場合は、液室基板上に振動板となる多結晶シリコン
薄膜を形成する方法、または、予め電極基板42を犠牲
材料で平坦化し、その上に多結晶シリコン薄膜を成膜し
た後、犠牲材料を除去することで形成できる。
【0031】なお、振動板50に別途電極膜を形成して
もよいが、上述したように不純物の拡散などによって振
動板が電極を兼ねるようにしている。また、振動板50
の電極基板42側の面に絶縁膜を形成することもでき
る。この絶縁膜としてはSiO2等の酸化膜系絶縁膜、S
i34等の窒化膜系絶縁膜などを用いることができる。
絶縁膜の成膜は、振動板表面を熱酸化して酸化膜を形成
したり、成膜手法を用いたりすることができる。さら
に、この流路基板1には共通電極を設けている。この共
通電極は、Al等の金属をスパッタしてシンタリング
(熱拡散)することにより付設しており、流路基板1と
の導通を確保して、半導体基板よりなる流路基板1とオ
ーミックコンタクトを取っている。
【0032】また、電極基板42には酸化膜層42aを
形成し、この酸化膜層42aの部分に凹部54を形成し
て、この凹部54底面に振動板50に対向する第2電極
である電極15を設け、振動板50と電極55との間に
所定のギャップ56(ギャップ0.2μmとしてい
る。)を形成し、これらの振動板50と電極55とによ
ってアクチュエータ部を構成している。なお、電極55
表面にはSiO2膜などの酸化膜系絶縁膜、Si34膜な
どの窒化膜系絶縁膜からなる電極保護膜57を成膜して
いるが、電極表面55に電極保護膜57を形成しない
で、振動板50側に絶縁膜を形成することもできる。
【0033】これらの流路基板41と電極基板42との
接合は、接着剤による接合も可能であるが、より信頼性
の高い物理的な接合、例えば電極基板42がシリコンで
形成される場合、酸化膜を介した直接接合法を用いるこ
とができる。この直接接合は1000℃程度の高温化で
実施する。また、電極基板42がガラスの場合、陽極接
合を行うことができる。電極基板42をシリコンで形成
して、陽極接合を行う場合には、電極基板42と流路基
板41との間にパイレックスガラスを成膜し、この膜を
介して陽極接合を行うこともできる。さらに、流路基板
41と電極基板42にシリコン基板を使用して金等のバ
インダーを接合面に介在させた共晶接合で接合すること
もできる。
【0034】また、電極基板42の電極55としては、
通常半導体素子の形成プロセスで一般的に用いられるA
l、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、TiN、W等の
高融点金属、または不純物により低抵抗化した多結晶シ
リコン材料などを用いることができる。電極基板42を
シリコンウエハで形成する場合には、電極基板42と電
極55との間には絶縁層(上述した酸化膜層42a)を
形成する必要がある。電極基板42にガラス等の絶縁性
材料を用いる場合には電極55との間に絶縁層を形成す
る必要はない。
【0035】また、電極基板42にシリコン基板を用い
る場合、電極55としては、不純物拡散領域を用いるこ
とができる。この場合、拡散に用いる不純物は基板シリ
コンの導電型と反対の導電型を示す不純物を用い、拡散
領域周辺にpn接合を形成し、電極55と電極基板42
とを電気的に絶縁する。
【0036】ノズル板43は多数のノズル44を二列配
置して形成したものであり、吐出面には撥水処理を施し
ている。ここでは、このノズル板43はNi電鋳工法で
製作しているが、この他、例えば樹脂と金属層の複層構
造のものなども用いることができる。このノズル板43
は流路基板41に接着剤にて接合している。
【0037】このインクジェットヘッド40ではノズル
44を二列配置し、この各ノズル44に対応して加圧室
46、振動板50、電極55なども二列配置し、各ノズ
ル列の中央部に共通液室流路48を配置して、左右の加
圧室46にインクを供給する構成を採用している。これ
により、簡単なヘッド構成で多数のノズルを有するマル
チノズルヘッドを構成することができる。
【0038】そして、インクジェットヘッド40の電極
55は外部に延設して接続部(電極パッド部)55aと
し、これにヘッド駆動回路であるドライバIC60を搭
載したFPCケーブル61を異方性導電膜などを介して
接続している。このとき、電極基板42とノズル板43
との間は図4に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用
いたギャップ封止剤62にて気密封止している。
【0039】さらに、インクジェットヘッド40全体を
フレーム部材65上に接着剤で接合している。このフレ
ーム部材65にはインクジェットヘッド40の共通液室
流路48に外部からインクを供給するためのインク供給
穴66を形成しており、またFPCケーブル61等はフ
レーム部材65に形成した穴部67に収納される。
【0040】このフレーム部材65とノズル板43との
間は図4に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用いた
ギャップ封止剤68にて封止し、撥水性を有するノズル
板43表面のインクが電極基板42やFPCケーブル6
1等に回り込むことを防止している。
【0041】そして、このヘッド14のフレーム部材6
5にはインクカートリッジ15とのジョイント部材70
が連結されて、フィルタ71を介してインクカートリッ
ジ15からインク供給穴66を通じて共通液室流路48
にインクが供給される。
【0042】このインクジェットヘッド40において
は、振動板50を共通電極とし、電極55を個別電極と
して、振動板50と電極55との間に駆動電圧を印加す
ることによって、振動板50と電極55との間に発生す
る静電力によって振動板50が電極55側に変形変位
し、この状態から振動板50と電極55間の電荷を放電
させることによって振動板50が復帰変形して、加圧室
46の内容積(体積)/圧力が変化することによって、
ノズル44からインク滴が吐出される。
【0043】すなわち、個別電極とする電極55にパル
ス電圧を印加すると、共通電極となる振動板50との間
に電位差が生じて、個別電極55と振動板50の間に静
電力が生じる。この結果、振動板50は印加した電圧の
大きさに応じて変位する。その後、印加したパルス電圧
を立ち下げることで、振動板50の変位が復元して、そ
の復元力により加圧室46内の圧力が高くなり、ノズル
44からインク滴が吐出される。この場合、振動板50
を電極55(実際には絶縁保護膜57表面)に当接する
まで変位させる方式を当接駆動方式、振動板50を電極
55に当接させない位置まで変位させる方式を非当接駆
動方式と称する。
【0044】次に、このインクジェット記録装置の制御
部の概要について図7を参照して説明する。この制御部
は、この記録装置全体の制御を司るマイクロコンピュー
タ(以下、「CPU」と称する。)80と、プログラ
ム、駆動波形の電圧値データなどの所要の固定情報を格
納したROM81と、ワーキングメモリ等として使用す
るRAM82と、ホスト側から転送される画像データを
処理したデータを格納する画像メモリ83と、パラレル
入出力(PIO)ポート84と、入力バッファ85と、
パラレル入出力(PIO)ポート86と、波形生成回路
87と、ヘッド駆動回路(ドライバIC)88及びドラ
イバ89等を備えている。
【0045】ここで、PIOポート84にはホスト側か
ら画像データなどの各種情報、図示しない操作パネルか
らの信頼性回復指示情報等の各種指示情報、用紙の始
端、終端を検知する紙有無センサからの検知信号、キャ
リッジ13のホームポジション(基準位置)を検知する
ホームポジションセンサ、環境温度を検出(検知)する
温度センサ91、環境湿度を検出(検知)する湿度セン
サ92等の各種センサからの信号等が入力され、またこ
のPIOポート84を介してホスト側や操作パネル側に
対して所要の情報が送出される。
【0046】また、波形生成回路87は、インクジェッ
トヘッド40の振動板50と電極55との間にインク滴
を吐出させるエネルギーを発生する、つまり、振動板5
0をインク滴が吐出するだけの変位量、タイミングで電
極55側に変位させるインク滴を吐出するための第1駆
動波形(以下「吐出パルス」ともいう。)P1と、振動
板50をインク滴が吐出しないだけの変位量、タイミン
グで電極55側に変位させる第2駆動波形(以下「メニ
スカス振動波形」又は「メニスカス振動パルス」とい
う。)P2とを時系列で生成して出力する。
【0047】ヘッド駆動回路(ドライバIC)88は、
PIOポート86を介して与えられる各種データ及び信
号に基づいて、ヘッド14の各ノズル44に対応するエ
ネルギー発生手段(振動板50と電極55)に対して吐
出パルスP1及び/又はメニスカス振動パルスP2を印
加する。さらに、ドライバ89は、PIOポート86を
介して与えられる駆動データに応じて主走査モータ17
及び副走査モータ27を各々駆動制御することで、キャ
リッジ13を主走査方向に移動走査し、搬送ローラ24
を回転させて用紙3を所定量搬送させる。
【0048】次に、本発明の第1実施形態に係るこのイ
ンクジェット記録装置におけるヘッド駆動制御部につい
て図8を参照して説明する。このヘッド駆動制御部は、
前述したCPU80、ROM81、RAM82及び周辺
回路等を含む主制御部101と、波形生成回路87と、
アンプ102と、駆動回路(ドライバIC)103等と
を備えている。
【0049】主制御部101は、波形生成回路87に対
して吐出パルスP1とメニスカス振動パルスP2を生成
するためのデータを与え、ドライバIC103に対して
印字信号(シリアルデータである)SD、シフトクロッ
クCLK、ラッチ信号LATなどを与える。
【0050】波形生成回路87は、インクジェットヘッ
ド40のアクチュエータ部に対してノズル44からイン
ク滴を吐出させる吐出パルスP1と、ノズルからインク
滴を吐出させない程度に振動板50を変形させるメニス
カス振動パルスP2とを1駆動周期内で時系列で生成し
て出力する。
【0051】この波形生成回路87にはD/A変換器を
用いて主制御部101から与えられる電圧値データをD
/A変換することにより吐出パルスP1及びメニスカス
振動パルスP2を時系列で生成出力するようにしてい
る。主制御部101のROM81には各パルスP1、P
2を一体とするデータを格納しており、このROM81
と波形生成回路87で吐出パルスP1とメニスカス振動
パルスP2を時系列で生成して出力する手段を構成して
いる。
【0052】ドライバIC103は、印字信号に応じて
波形生成回路87から与えられる吐出パルスP1及びメ
ニスカス振動パルスP2を選択してヘッド14を構成す
るインクジェットヘッド40の各個別電極55に与え
る。すなわち、ドライバIC103は印字信号に応じて
第1駆動波形及び第2駆動波形を選択して電極に印加す
る手段(選択手段)を構成している。
【0053】すなわち、ドライバIC103は、主制御
部101からのシリアルクロックCLK及び印字信号で
あるシリアルデータSDを入力するシフトレジスタ10
5と、シフトレジスタ105のレジスト値を主制御部1
01からのラッチ信号LATでラッチするラッチ回路1
06と、ラッチ回路106の出力値をレベル変化するレ
ベル変換回路107と、このレベル変換回路107でオ
ン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ108と
からなる。アナログスイッチアレイ108は、インクジ
ェットヘッド40のm個(ノズル数をm個とする。)の
個別電極55に接続したアナログスイッチAS1〜AS
mからなる。なお、インクジェットヘッド40の共通電
極となる振動板50は接地している。
【0054】そして、このシフトレジスタ105にシフ
トクロックに応じてシリアルデータ(印字信号)SDを
取込み、ラッチ回路106でラッチ信号LATによって
シフトレジスタ回路105に取り込んだシリアルデータ
SDをラッチしてレベル変換回路107に入力する。こ
のレベル変換回路107は、データの内容に応じて各ア
クチュエータ部の個別電極55に接続しているアナログ
スイッチASn(m=1〜m)をオン/オフする。
【0055】このアナログスイッチASn(m=1〜
m)には波形生成回路87からアンプ102を介して駆
動波形Pv(吐出パルスP1及びメニスカス振動パルス
P2)を与えているので、アナログスイッチASn(m
=1〜m)がオンしたときの駆動波形Pvが選択される
個別電極55に与えられる。
【0056】次に、このように構成したインクジェット
記録装置の作用について図9以降をも参照して説明す
る。先ず、上述した構成のインクジェットヘッドにおけ
るインク滴吐出特性(インク滴吐出速度Vj及びインク
滴体積Mj)の駆動波形(駆動信号)のパルス幅PWに
対する依存性について図9を参照して説明する。
【0057】インクジェットヘッド40の電極55にパ
ルス電圧が印加されて振動板50が引き付けられる時に
は、加圧室46内には負圧が生じている。圧力は加圧室
46の固有振動数で振動するので、パルス立ち下げ時の
圧力は、パルス立ち上げ時の残留圧力振動と、復元圧力
の重ね合せになる。
【0058】したがって、静電型インクジェットヘッド
40においては、印加するパルス電圧のパルス幅によっ
てインク滴吐出特性に差が生じる。すなわち、例えば、
図9に示すように、吐出特性(吐出滴速度Vj、吐出滴
質量Mj)は、パルス幅PWによる圧力の重ね合せのタ
イミングによって変動する。
【0059】この図9に示す例の場合、パルス幅PWを
4μsecより狭く設定した場合、吐出滴速度Vj及び吐
出滴体積Mjが第1のピークになるパルス幅と次の第2
のピークになるパルス幅の間のパルス幅に設定した場合
では、インク滴が吐出されないことが分かる。
【0060】つまり、パルス電圧の印加により振動板5
0が変位し始めて、ギャップ長の1/3の位置に達する
までの時間内にパルスを立ち下げるような、短い時間の
(パルス幅の狭い)パルスや、圧力振動が相殺されるよ
うなタイミングに当たるパルス幅では、振動板50はイ
ンク滴が吐出するほどの復元力にならないため、インク
滴は吐出せずにノズル44内のメニスカスが振動するの
みとなる。
【0061】また、パルス立ち下げ時間を長くとり、振
動板50の変位の復元をゆっくり行うことでも、インク
滴を吐出させずにノズル44内のメニスカスのみを振動
させることが可能である。これらの特性を積極的に利用
することで、インクの増粘によるノズル目詰まりを予防
することができる。
【0062】そこで、ヘッド駆動制御部の主制御部10
1と波形生成回路87によって、駆動波形(駆動電圧)
Pvとして、図10(a)に示すように、パルス幅PW
1のパルスを吐出パルスP1とし、吐出パルスP1より
も狭いパルス幅PW2の二個のパルスからなるメニスカ
ス振動パルスP2をヘッドの1駆動周期で繰り返し時系
列で生成出力する。なお、ROM81には吐出パルスP
1とメニスカス振動パルスP2とのデータをパルス間隔
を含めて一纏めにして書き込んでいる。
【0063】この波形生成回路87から1駆動周期毎に
出力される吐出パルスP1と2個のパルスからなるメニ
スカス振動パルスP2はアンプ102を介してドライバ
IC103のアナログスイッチAS1〜ASmに与えら
れている。
【0064】そこで、主制御部101から印字信号SD
を与えることによって、例えば同図(b)に示すよう
に、ドライバIC103のアナログスイッチASn(n
=1〜mのいずれか)がオン又はオフし、アナログスイ
ッチASnがオンしている間に入力される吐出パルスP
1又はメニスカス振動パルスP2のいずれかが選択され
て、同図(c)に示すように、スイッチASnに対応す
るインクジェットヘッド40の個別電極55nに与えら
れる。
【0065】同図(c)は1つのノズルに対応する個別
電極55に印加されるパルスを示しているものであり、
このノズルは、図示している最初の駆動周期(T1〜T
2)では印字(駆動)であるので吐出パルスP1を選択
してインク滴を吐出させ、次の駆動周期(T2〜T3)
では非印字(非駆動)であるので吐出パルスP1は選択
せず、メニスカス振動を行うためにメニスカス振動パル
スP2を選択してメニスカス振動のみ行わせ、次の駆動
周期(T3〜T4)では印字であるので吐出パルスP1
を選択してインク滴を吐出させ、更に次の駆動周期(T
4〜T5)ではアナログスイッチASnを全期間オフに
して吐出パルスP1及びメニスカス振動パルスP2のい
ずれも選択せず、非印字でもメニスカス振動を行ってい
ない。
【0066】ここで、1駆動周期内で吐出パルスP1と
メニスカス振動パルスP2の選択を行うため、主制御部
101から与える印字信号SDは、図11に示すよう
に、1駆動周期内で二回のデータDataの書き換えを行
うようにしている。したがって、この2回目のデータD
ataにより、上述したように非印字(非駆動、非吐出)
でも、メニスカス振動パルスP2を選択してメニスカス
振動を行う場合と、メニスカス振動パルスP2を選択せ
ずにメニスカス振動を行わない場合とを選択することが
できる。
【0067】なお、具体的には、インクジェットヘッド
40の構成を加圧室長約1000μm、振動板厚さ約2
μm、ノズル径約20μmとし、また、図9のパルス幅
特性を参考にして、メニスカスの振動に使うメニスカス
振動パルスP2の各パルスのパルス幅PW2を2μse
c、インク滴吐出に使う吐出駆動信号Dpのパルス幅P
W1を6μsec、駆動波形Pvの電圧は両信号とも30
Vに設定した。
【0068】そして、このインクジェット記録装置にお
いては、前述したように温度センサ91及び湿度センサ
92を備えて、これらの検出結果に基づいてメニスカス
振動パルスP2を選択する頻度を変更するようにしてい
る。
【0069】すなわち、図12に示すように、主制御部
101は、温度センサ91からの検知信号を取り込んで
環境温度を検出し、湿度センサ92からの検知信号を取
り込んで環境湿度を検出する。
【0070】そして、これらの検出した環境温度、環境
湿度に基づき、例えば温度が30℃以上か否かを判別
し、温度が30℃以上であれば、湿度が20%以下か否
かを判別して、湿度20%以下であれば、すなわち、温
度30℃以上で且つ湿度20%以下のときには、1駆動
周期毎に非印字ノズル(当該駆動周期でインク滴を吐出
させないノズル)についてメニスカス振動パルスP2を
選択するためのデータDataを与える。これにより、1
駆動周期毎にメニスカス振動パルスP2が印加されてメ
ニスカス振動が行われる。
【0071】これに対して、温度が30℃以上である
が、湿度が20%を越えているときには、2駆動周期毎
に非印字ノズルについてメニスカス振動パルスP2を選
択するためのデータDataを与えてメニスカス振動パル
スP2を印加させる。また、温度が30℃未満であれ
ば、3駆動周期毎に非印字ノズルについてメニスカス振
動パルスP2を選択するためのデータDataを与えてメ
ニスカス振動パルスP2を印加させる。
【0072】つまり、インクジェットヘッドにおけるノ
ズル部のインク増粘は外部環境(温度や湿度)によって
大きく異なる。例えば、メニスカス振動パルスによるイ
ンク攪拌を行わない場合、パージした後に吐出不安定が
発生するまで時間は、外部環境が温度20℃−湿度50
%の場合に比べて、 温度30℃−湿度20%では、半
分程度の短い時間になる。これは、外部が乾燥し易い環
境で、ノズル部のインク増粘が速いからである。
【0073】一方、メニスカス振動を多く与え過ぎて
も、ノズル部のインク増粘を防止する効果は変わらな
い。特に、外部が乾燥し難い環境では、インク攪拌回数
は少なくとも差し障りはない。
【0074】そこで、本発明では、環境(温度及び/又
は湿度)によってメニスカス振動させる回数を変更する
ようにしている。具体的には、上述したように、非印字
状態(非印字ノズル)の個別電極55にメニスカス振動
パルスP2を印加する(選択する)頻度を変更する。
【0075】これにより、ノズル部のインク増粘速度に
合わせて、メニスカス振動の回数を適切に選択すること
ができ、インク攪拌による増粘防止によってインク滴吐
出特性の変動を抑えることができて高品質の画像を得ら
れるとともに、振動板の振動回数を少なくできるので、
振動板の耐久性確保、省電力駆動をすることが可能とな
る。
【0076】なお、メニスカス振動波形は、上述したよ
うに第1駆動波形(吐出パルス)と同じ電圧値のパルス
波形に限るものではなく、電圧の波高値を吐出パルスよ
りも小さくしたパルス、パルスの立ち下がりを緩やかに
したパルス、図9にあるようなパルス特性のピークとピ
ークの間にあるインクを吐出しないパルス幅のパルス等
を利用することができる。また、電圧が低ければ、正弦
波など、パルス状でなくても良い。
【0077】このように、インク滴を吐出させる第1駆
動波形とインク滴を吐出させないでメニスカスを振動さ
せる第2駆動波形とを時系列で生成出力する手段を備え
ることにより、そのいずれかを選択してインクジェット
ヘッドに与えるようにでき、ノズルのインクメニスカス
を振動させて目詰まりを防止することができる。この場
合、第1駆動波形と第2駆動波形とを時系列で生成出力
することにより、各ノズル44に対して、第1駆動波形
と第2駆動波形とを選択するスイッチ手段(アナログス
イッチ)が1個で済むので、3端子スイッチを用いた場
合よりも構成が簡単になり低コストが図れる。
【0078】次に、本発明の第2実施形態に係るインク
ジェット記録装置におけるヘッド駆動制御部について図
13乃至図15を参照して説明する。この実施形態で
は、主制御部101及び波形生成回路87から生成出力
する駆動波形は、図14(a)に示すように2駆動周期
毎に吐出パルスP1とメニスカス振動パルスP2とを時
系列化している。したがって、メニスカス振動パルスP
2は駆動周期の2倍の周期で生成出力される。
【0079】一方、ドライバIC110にはラッチ回路
106とレベル変換回路107との間に割り込み回路1
12を設けている。この割り込み回路112は、ラッチ
回路106の出力と論理和をとるOR回路112aなど
で構成し、この割り込み回路112を介して主制御部1
01から制御信号CS1を与えることによりラッチ回路
107の出力に関係なく、アナログスイッチASnをオ
ン状態にできるようにしている。
【0080】そこで、主制御部101は、1駆動周期の
うちのメニスカス振動パルスP2が出力されるタイミン
グTmの間、制御信号CS1をオン状態にすることで、
すべてのノズルに対応するアナログスイッチAS1〜A
Smを常にオン状態にする。したがって、1駆動周期の
うちのタイミングTmで、当該駆動周期が吐出/非吐出
(印字/非印字)であるかに係わらず、すべての個別電
極55に対してメニスカス振動パルスP2が出力され、
メニスカス振動が行われる。この場合の主制御部101
からの印字信号SDのデータ転送は、図15に示すよう
に1駆動周期で1回行うことになる。
【0081】例えば図14(b)に示すように、駆動周
期に応じて印字/非印字と変化する電極55Aのアナロ
グスイッチASAは、印字の駆動周期(T1〜T2、T
4〜T5)では吐出パルスP1のタイミング及びメニス
カス振動パルスP2のタイミングのいずれでもオン状態
であり、非印字の駆動周期(T2〜T3、T3〜T4)
でもメニスカス振動パルスP2のタイミングTmではオ
ン状態である。
【0082】したがって、同図(c)に示すように、同
電極55Aには、印字の駆動周期で且つ駆動波形Pvに
メニスカス振動パルスP2が時系列化されている駆動周
期(T1〜T2)では吐出パルスP1及びメニスカス振
動パルスP2が印加され、非印字の駆動周期で且つ駆動
波形Pvにメニスカス振動パルスP2が時系列化されて
いない駆動周期(T2〜T3)ではメニスカス振動パル
スP2も印加されず、非印字の駆動周期で且つ駆動波形
Pvにメニスカス振動パルスP2が時系列化されている
駆動周期(T3〜T4)ではメニスカス振動パルスP2
のみが印加され、印字の駆動周期で且つ駆動波形Pvに
メニスカス振動パルスP2が時系列化されていない駆動
周期(T4〜T5)では吐出パルスP1のみが印加され
る。
【0083】また、同図(d)に示すように、非印字の
ままの電極55BのアナログスイッチASBは、いずれ
の駆動周期(T1〜T5)でもメニスカス振動パルスP
2のタイミングTmではオン状態であるので、同図
(e)に示すように、電極55Bには駆動波形Pvにメ
ニスカス振動パルスP2が時系列化されている駆動周期
(T1〜T2、T3〜T4)でのみメニスカス振動パル
スP2が印加される。
【0084】なお、ここでは、駆動波形の条件は、図9
のパルス幅特性を参考にメニスカスの振動に使うメニス
カス振動パルスP2のパルス幅を2μs、インク滴吐出
に使う吐出パルスP1のパルス幅を6μs、電圧は両パ
ルスとも30Vに設定した。パルス幅2μsのパルスで
は、インク滴は吐出せず、メニスカスを振動させること
ができる。また、メニスカス振動パルスP2は2個のパ
ルスを並べたが、パルス数はこれに限ったものではな
い。
【0085】このように、インク滴を吐出させる第1駆
動波形とインク滴を吐出させずにメニスカスを振動させ
る第2駆動波形とを所定の周期毎(少なくとも2駆動周
期毎)に時系列化して生成出力し、第2駆動波形は印字
信号にかかわらずすべてのノズルに対応する電極に印加
することで、印字信号によってメニスカス振動波形を選
択制御しなくても、メニスカス振動を適当な回数に設定
することができ、必要以上に振動板を振動させることが
ないので耐久性が向上し、また省電力化にもつながる。
さらに、上述したようにデータ転送レートを第1実施形
態よりも低くすることができるため、多ノズル化、高速
化に有利であり、同じ条件であれば低コスト化につなが
る。
【0086】そして、メニスカス振動の効果により、非
印字が続くノズルに対してもインク攪拌が行われ、イン
ク増粘によるインク滴吐出特性の変動を抑えて、印字画
像の乱れを予防して、より高品質の画像を得ることがで
きる。
【0087】次に、本発明の第3実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図16及
び図17を参照して説明する。この実施形態において
も、主制御部101及び波形生成回路87から生成出力
する駆動波形は、図17(a)に示すように2駆動周期
毎に吐出パルスP1とメニスカス振動パルスP2とを時
系列化している。したがって、メニスカス振動パルスP
2は駆動周期の2倍の周期で生成出力される。
【0088】そして、ドライバIC113にラッチ回路
106の出力を主制御部101からの制御信号CS2に
応じて反転する反転回路114を設け、この反転回路1
14の出力をレベル変換回路107に入力している。し
たがって、主制御部101から印字信号SDをシフトレ
ジスタ105に与えてラッチ回路106でラッチした
後、所定のタイミングで、制御信号CS2によって反転
回路114の出力を反転させることにより、吐出(印
字)ノズルに対応するアナログスイッチASnをオフ状
態にし、非吐出(非印字)ノズルに対応するアナログス
イッチASをオン状態にして、非吐出ノズルの電極55
に対してのみメニスカス振動パルスP2を印加してメニ
スカス振動を与えることができる。
【0089】例えば図17(b)に示すように、駆動周
期に応じて印字/非印字と変化する電極55Aのアナロ
グスイッチASAは、印字の駆動周期(T1〜T2、T
4〜T5)では吐出パルスP1のタイミングで、非印字
の駆動周期(T2〜T3、T3〜T4)ではメニスカス
振動パルスP2のタイミングTmでオン状態となる。
【0090】したがって、同図(c)に示すように、同
電極55Aには、印字の駆動周期(T1〜T2、T4〜
T5)では吐出パルスP1が印加され、非印字の駆動周
期で且つ駆動波形Pvにメニスカス振動パルスP2が時
系列化されている駆動周期(T3〜T4)ではメニスカ
ス振動パルスP2が印加され、メニスカス振動パルスP
2が時系列化されていない駆動周期(T2〜T3)では
メニスカス振動パルスP2が印加されることはない。
【0091】このように、インク滴を吐出させる第1駆
動波形とインク滴を吐出させずにメニスカスを振動させ
る第2駆動波形とを所定の周期毎に時系列化して生成出
力し、第2駆動波形は非吐出ノズルに対応する電極に印
加することで、印字信号によってメニスカス振動波形を
選択制御しなくても、メニスカス振動を適当な回数に設
定することができ、必要以上に振動板を振動させること
がないので耐久性が向上し、また省電力化にもつなが
る。
【0092】また、上述したようにデータ転送レートを
第1実施形態よりも低くすることができるため、多ノズ
ル化、高速化に有利であり、同じ条件であれば低コスト
化につながる。さらに、メニスカス振動波形を時系列化
した駆動タイミングでは、駆動波形かメニスカス振動波
形のいずれか一方は必ず選択されるため、この駆動周期
でインクを攪拌していると考えることができる(吐出ビ
ットのインクは入れ替わるので、全ビットについてイン
ク増粘防止作用がある。)。
【0093】そして、メニスカス振動の効果により、非
印字が続くノズルに対してもインク攪拌が行われ、イン
ク増粘によるインク滴吐出特性の変動を抑えて、印字画
像の乱れを予防して、より高品質の画像を得ることがで
きる。
【0094】次に、本発明の第4実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図18を
参照して説明する。この実施形態では、第1駆動波形
(吐出パルスP1)のデータだけを記憶したメモリ81
aと、第1駆動波形(P1)とメニスカス振動波形(P
2)を時系列化した波形のデータを記憶したメモリ81
bとを備え、波形データの読み出し先を所定の回数n毎
に一度メモリ81b側に切り換える切り換え手段115
を備えている。なお、切り換え手段115はROM81
のアドレスを指定するシーケンスとして構成できる。ま
た、所定の回数nを変更することもシーケンスを変更す
ることで容易に実現できる。
【0095】したがって、第1駆動波形(P1)とメニ
スカス振動波形(P2)を時系列化する周期(1/n)
を可変することができる。このように、メニスカス振動
波形を時系列化する所定の周期を可変にすることで、ヘ
ッドで使用するインク種(黒、C,M、Y)毎に異なる
インク攪拌周期(メニスカス振動波形を時系列化する周
期)を選択できるようになる。また、ヘッドのバラツキ
によって必要なインク攪拌周期が異なる場合にも対応で
きる。
【0096】これにより、振動板の振動回数を必要最低
限に抑えることができ、耐久性が向上すると共に、省電
力化の効果もある。また、メニスカス振動によるインク
攪拌で、インク増粘によるインク滴吐出特性の変動を抑
えることができ、高品質の画像を得ることができる。
【0097】次に、本発明の第5実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図19を
参照して説明する。この実施形態は、上記第4実施形態
における波形データの読み出し先をメモリ81b側に切
り換える所定の回数(所定の周期)nを温度センサ91
及び湿度センサ92の検知結果に基づいて変更するよう
にしたものである。
【0098】すなわち、同図に示すように、主制御部1
01は、温度センサ91からの検知信号を取り込んで環
境温度を検出し、湿度センサ92からの検知信号を取り
込んで環境湿度を検出する。
【0099】そして、これらの検出した環境温度、環境
湿度に基づき、例えば温度が20℃以上か否かを判別
し、温度が20℃以上であれば、湿度が50%以下か否
かを判別して、湿度50%以下であれば、すなわち、温
度20℃以上で且つ湿度50%以下のときには、所定の
回数n=2に設定して、2駆動周期毎に吐出パルスP1
とメニスカス振動パルスP2とを時系列化して生成出力
させる。
【0100】これに対して、温度が20℃以上である
が、湿度が50%を越えているときには、所定の回数n
=4に設定して、4駆動周期毎に吐出パルスP1とメニ
スカス振動パルスP2とを時系列化して生成出力させ、
温度が20℃未満のときには、所定の回数n=6に設定
して、6駆動周期毎に吐出パルスP1とメニスカス振動
パルスP2とを時系列化して生成出力させる。
【0101】前述したようにノズル部のインク増粘速度
は、外部環境によって大きく異なり、メニスカス振動を
多く与え過ぎても、ノズル部のインク増粘を防止する効
果は変わらない。そこで、温度センサ、湿度センサの出
力によってノズル部のインク増粘速度を予測し、インク
攪拌周期(メニスカス振動波形を時系列化する周期)を
変更している。
【0102】このように、外部環境によってインク攪拌
周期を選択することで適切なインク攪拌を実行すること
がきる。これにより、外部環境が変化しても、インク滴
吐出特性の変動を抑え、高品質の画像が得られると共
に、振動板の振動回数を少なくできるので、振動板の耐
久性を確保し、省電力駆動することが可能となる。
【0103】次に、本発明の第6実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図20乃
至図22を参照して説明する。この実施形態において
は、主制御部101及び波形生成回路87から生成出力
する駆動波形は、図21(a)に示すように2駆動周期
毎に複数(ここでは3個としている。)の吐出パルスP
1とメニスカス振動パルスP2とを時系列化して形成し
ている。
【0104】そして、まず、印字信号SDに応じてドラ
イバIC116により吐出パルスP1のパルス数を選択
することで階調を表現している。すなわち、図20に示
すように、シリアルの印字信号SDをシフトレジスタ1
05と2つのラッチ106a、106bにより、各ノズ
ルに対して2ビット情報に変換している。この2ビット
をデコーダ117に対する制御信号CS3(2ビットな
ので2ライン必要)によるロジック計算で復元して、ア
ナログスイッチASnのオン/オフ時間を設定する。
【0105】この場合、図22に示すように、1駆動周
期内に2ビット分のデータを送れば良いので、吐出パル
スの各パルス毎に印字信号SDを転送するよりも転送レ
ートが低くなり、これは、多ノズル化、高速化に有利で
ある。ただし、「メニスカス振動」と全く駆動しない場
合「0」を区別するために、「メニスカス振動」を多値
化階調の一段階として扱わなければならず、一階調を犠
牲にする必要がある。例えば、2ビット4階調「0」
「小」「中」「大」→「0」「メニスカス振動」「小」
「大」の3階調になる。
【0106】そこで、ここでは、図21に示すように、
印字信号SDが非吐出の場合、メニスカス振動パルスP
2が印加されるに相当するタイミングTmにおいて、個
別電極55のアナログスイッチASnを常にオン状態に
している。つまり、22=4段階の階調を(メニスカス
振動、小、中、大ドット)としている。
【0107】逆に、メニスカス振動の過剰に対しては、
メニスカス振動波形(パルス)を所定の周期で時系列化
(間引いて時系列化)することで解決している。この例
では、メニスカス振動周期が駆動周期の2倍となってい
る。
【0108】これにより、階調を犠牲にせずに、適当な
周期でインク攪拌を行うことができるようになる。した
がって、振動板の振動回数を必要最低限に抑えることが
でき、耐久性が向上すると共に、省電力化の効果もあ
る。また、メニスカス振動によるインク攪拌で、インク
増粘によるインク滴吐出特性の変動を抑えることがで
き、高品質の画像を得ることができた。なお、多値化駆
動の場合、吐出パルスの各パルスで吐出されたインク滴
が紙面上に到達する前にマージすることが好ましい。
【0109】次に、本発明の第7実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図23を
参照して説明する。この実施形態では、2種類の吐出パ
ルスP1a、P1bのデータを記憶したメモリ81a
1、81a2と、2種類の吐出パルスP1a、P1bと
メニスカス振動パルスP2とを時系列化したデータを記
憶したメモリ82a1、82a2とを有している。な
お、種々の駆動波形を記憶する必要から、メニスカス振
動波形は別に記憶しておき、つなぎ合わせる回路構成
(或いはシーケンス)にすることもできる。
【0110】ここで、2種類の吐出パルスP1a、P1
bは外部環境(温度や湿度)の変化によるインク全体
(ノズル部だけではない)の粘度変化に対応する駆動波
形である。たとえば、吐出パルスP1bは吐出パルスP
1aよりも波高値の高いパルス信号としている。
【0111】そして、メモリ81a1、82a1とメモ
リ81a2、82a2とを切り換えるための切り換え手
段118を有し、この切り換え手段118を切り換え信
号MSで切り換えることによって、いずれかの吐出パル
スP1a又はP1bを選択できるようにしている。ま
た、前記第5実施形態と同様に、メニスカス振動パルス
P2を所定の周期n回毎に時系列化するための切り換え
手段115を備えている。これらの切り換え手段11
5,118はいずれもメモリの読み出しアドレスを変更
するシーケンスで構成することができる。
【0112】そして、図24に示すように、主制御部1
01は温度センサ91及び湿度センサ92の各検知結果
を読み込み、温度が20℃以下か否かを判別して、温度
が20℃以下であれば吐出パルスP1aを選択するため
に読み出しメモリをメモリ81a1、82a1に切り換
え、温度が20℃を越えていれば吐出パルスP1bを選
択するために読み出しメモリをメモリ81a2、82a
2に切り換える。
【0113】その後、前記第5実施形態と同様にして温
度及び湿度に基づいてメニスカス振動パルスP2を時系
列化して生成する所定の周期の回数nを設定する。
【0114】このように、温度及び湿度の検出結果によ
ってノズル部のインク増粘速度を予測し、インク攪拌頻
度(第5実施形態ではメニスカス振動波形を時系列化す
る周期)を変更し、更に温度の検出結果に応じて第1駆
動波形自体を変更する(温度補償手段を有する)ように
している。この場合、1つの温度センサ91は第1駆動
波形を変更するための温度検出手段とメニスカス振動波
形を時系列化する周期を変更するための温度検出手段と
を兼ねている。なお、第1実施形態と温度センサ91に
よる検出温度に基づく第1駆動波形の変更とを組み合わ
せることもできる。
【0115】これにより、温度変化によるインク滴吐出
特性の変動を抑えると共に、ノズル部のインク増粘に対
して外部環境に適した周期でインク攪拌を実行でき、イ
ンク滴吐出特性が安定して、高品質の画像が得られると
共に、振動板の振動回数を少なくできるので、振動板の
耐久性を確保し、省電力駆動することが可能となる。
【0116】なお、上記各実施形態においては、静電型
インクジェットヘッドの振動板と電極の平面形状を矩形
とした例で説明したが、平面形状を台形、三角形とする
こともできる。また、上記各実施形態ではインクジェッ
トヘッドは振動板と液室とを振動板/液室基板として同
一部材から形成しているが、振動板と液室形成部材とを
別部材で形成して接合することもできる。
【0117】また、本発明で駆動制御するインクジェッ
トヘッドのノズル、加圧室、流体抵抗部、共通流路液室
の形状、配置、形成方法は適切に変更することができ
る。例えば、上記実施形態においては、ノズルは振動板
の変位方向にインク滴が吐出するように形成したサイド
シュータ方式のインクジェットヘッドであるが、ノズル
を振動板の変位方向と交差する方向にインク滴が吐出す
るように形成したエッジシュータ方式のインクジェット
ヘッドでもよい。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェット記録装置によれば、インク滴を吐出させる第
1駆動波形とインク滴を吐出させずにメニスカスを振動
させる第2駆動波形とを時系列で生成出力し、印字信号
に応じて第1駆動波形又は第2駆動波形を選択して電極
に印加させ、この第2駆動波形の選択頻度を変更する手
段を備えたので、簡単な構成で、振動板の耐久性を確保
しつつ、メニスカスを振動させてノズル部の目詰まりを
防止でき、高品質記録を行うことができる。
【0119】ここで、温度及び/又は湿度の検出結果に
基づいて第2駆動波形の選択頻度を変更することによ
り、外部環境に応じて粘度が変化するインクの増粘に対
して、適当な回数だけメニスカス振動を行うことがで
き、振動板の耐久性を確保することができる。
【0120】また、温度の検出結果に基づいて第1駆動
波形を変更する手段と、温度の検出結果に基づいて第2
駆動波形の選択頻度を変更する手段とを備えることによ
り、駆動波形の温度補償とメニスカス振動波形の周期の
温度に基づく選択を行うことができて、環境に適したイ
ンクの攪拌が行えると共に、安定した吐出が実現でき、
より高品質の画像を得ることができる。
【0121】本発明に係るインクジェット記録装置によ
れば、インク滴を吐出させる第1駆動波形とインク滴を
吐出させずにメニスカスを振動させる第2駆動波形とを
少なくとも2以上の駆動周期毎に時系列化して生成出力
する手段を備えたので、簡単な構成で、振動板の耐久性
を確保しつつ、メニスカスを振動させてノズル部の目詰
まりを防止でき、高品質記録を行うことができ、しかも
第2駆動波形の選択制御を行うことなくメニスカス振動
回数を適当な回数に設定でき、一層構成が簡単になる。
【0122】ここで、第2駆動波形はすべてのノズルに
対応する電極に印加することで、簡単な構成でメニスカ
ス振動を行うことができ、データの転送速度を遅くする
ことができて低コスト化を図れ、更に第1駆動波形を複
数のパルスから構成して選択するパルス数で多値化する
場合にも、メニスカス振動を階調の1段階としなくて良
いので階調性を維持できる。
【0123】また、第2駆動波形は非印字ノズルに対応
する電極のみに印加することで、非印字ビットにおいて
「パルスなし」と「メニスカス振動」を選択しなくても
第2駆動波形が印加され続けることはなく、振動板の振
動回数を抑えて、耐久性が向上し、更に「パルスなし」
と「メニスカス振動パルス」を区別する必要がないの
で、多値化する場合に、メニスカス振動を階調の1段階
としなくて良くなり、階調性を維持できる。
【0124】さらに、第1駆動波形と第2駆動波形とを
時系列化する周期数を変更させる手段を備えていること
で、より適切な振動板の振動回数を設定することができ
て、振動回数を最低限に抑えることが可能になる。この
場合、温度及び/又は湿度の検出結果に基づいて時系列
化する周期数を変更することで、環境変化に応じてメニ
スカス振動回数を適切に設定することができる。
【0125】また、温度の検出結果に基づいて第1駆動
波形を変更する手段と、温度の検出結果に基づいて時系
列化する周期数を変更する手段とを備えることにより、
駆動波形の温度補償とメニスカス振動波形の周期の温度
に基づく選択を行うことができて、環境に適したインク
の攪拌が行えると共に、安定した吐出が実現でき、より
高品質の画像を得ることができる。
【0126】これらの本発明に係るインクジェット記録
装置において、第1駆動波形は複数のパルスからなり、
印字信号に応じてパルス数を選択する手段を備えている
ことにより、印字信号のビット情報は多値化の階調とし
て用いることができ、階調を犠牲にすることなく、イン
クの増粘によるインク滴吐出特性の変動を抑え、印字画
像の乱れを予防し、より高品質の画像を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部
の概略斜視説明図
【図2】同機構部の側面説明図
【図3】同記録装置のヘッドの分解斜視説明図
【図4】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図5】同ヘッドの振動板長手方向の拡大断面説明図
【図6】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明
【図7】同記録装置の制御部の一例を示すブロック図
【図8】本発明の第1実施形態に係るヘッド駆動制御部
を示すブロック図
【図9】同ヘッドの駆動波形のパルス幅と吐出滴速度及
び吐出滴体積の関係を説明する説明図
【図10】同ヘッド駆動制御部の作用説明に供する説明
【図11】同ヘッド駆動制御部の作用説明のうちのデー
タ転送の説明に供する説明図
【図12】同実施形態の主制御部の行う処理の一例を説
明するフロー図
【図13】本発明の第2実施形態に係るヘッド駆動制御
部を示すブロック図
【図14】同ヘッド駆動制御部の作用説明に供する説明
【図15】同ヘッド駆動制御部の作用説明のうちのデー
タ転送の説明に供する説明図
【図16】本発明の第3実施形態に係るヘッド駆動制御
部を示すブロック図
【図17】同ヘッド駆動制御部の作用説明に供する説明
【図18】本発明の第4実施形態に係るヘッド駆動制御
部の説明に供するブロック図
【図19】同実施形態の主制御部の行う処理の一例を説
明するフロー図
【図20】本発明の第5実施形態に係るヘッド駆動制御
部を示すブロック図
【図21】同ヘッド駆動制御部の作用説明に供する説明
【図22】同ヘッド駆動制御部の作用説明のうちのデー
タ転送の説明に供する説明図
【図23】本発明の第6実施形態に係るヘッド駆動制御
部の説明に供するブロック図
【図24】同実施形態の主制御部の行う処理の一例を説
明するフロー図
【図25】従来のインクジェット記録装置のヘッド駆動
部の説明に供する説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…ヘッド、24…搬送ローラ、
33…排紙ローラ、40…インクジェットヘッド、41
…流路基板、42…電極基板、43…ノズル板、44…
ノズル、46…加圧室、47…流体抵抗部、48…共通
流路液室、50…振動板、55…電極、56…ギャッ
プ、87…波形生成回路、91…温度センサ、92…湿
度センサ、101…主制御部、103、110、113
…ドライバIC。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通するインク流路と、このインク流路の一部の壁
    面を形成する振動板と、この振動板に対向する電極とを
    有するインクジェットヘッドを搭載したインクジェット
    記録装置において、インク滴を吐出させる第1駆動波形
    とインク滴を吐出させずにメニスカスを振動させる第2
    駆動波形とを時系列で生成出力する手段と、印字信号に
    応じて前記第1駆動波形又は第2駆動波形を選択して前
    記電極に印加させる手段と、前記第2駆動波形の選択頻
    度を変更する手段とを備えたことを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、温度及び/又は湿度の検出結果に基づいて
    前記第2駆動波形の選択頻度を変更することを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、温度の検出結果に基づいて前記第1駆動波
    形を変更する手段と、前記温度の検出結果に基づいて前
    記第2駆動波形の選択頻度を変更する手段とを備えたこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通するインク流路と、このインク流路の一部の壁
    面を形成する振動板と、この振動板に対向する電極とを
    有するインクジェットヘッドを搭載したインクジェット
    記録装置において、インク滴を吐出させる第1駆動波形
    とインク滴を吐出させずにメニスカスを振動させる第2
    駆動波形とを少なくとも2以上の駆動周期毎に時系列化
    して生成出力する手段を備えていることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のインクジェット記録装
    置において、前記第2駆動波形はすべてのノズルに対応
    する電極に印加することを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のインクジェット記録装
    置において、前記第2駆動波形は非印字ノズルに対応す
    る電極のみに印加することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、前記第1駆動波形と第2
    駆動波形とを時系列化する周期数を変更する手段を備え
    ていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のインクジェット記録装
    置において、温度及び/又は湿度の検出結果に基づいて
    前記時系列化する周期数を変更することを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のインクジェット記録装
    置において、温度の検出結果に基づいて第1駆動波形を
    変更する手段と、温度の検出結果に基づいて前記時系列
    化する周期数を変更する手段とを備えていることを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録装置において、前記第1駆動波形は複
    数のパルスからなり、印字信号に応じてパルス数を選択
    する手段を備えていることを特徴とするインクジェット
    記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007326237A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Fuji Xerox Co Ltd 圧電ヘッドの検査装置及び液滴噴射装置
JP2013056453A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Ricoh Co Ltd 液体吐出ヘッドの駆動方法、及び、その液体吐出ヘッドを有する画像形成装置

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