JP2002144563A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2002144563A
JP2002144563A JP2000344925A JP2000344925A JP2002144563A JP 2002144563 A JP2002144563 A JP 2002144563A JP 2000344925 A JP2000344925 A JP 2000344925A JP 2000344925 A JP2000344925 A JP 2000344925A JP 2002144563 A JP2002144563 A JP 2002144563A
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waveform
meniscus
meniscus vibration
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Mitsuru Shingyouchi
充 新行内
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が複雑になり、低コスト化を図れない。 【解決手段】 インク滴を吐出させる吐出パルスP1と
インク滴を吐出させないでメニスカスを振動させるメニ
スカス振動パルスP2とを、メニスカス振動パルスP
2、吐出パルスP1の順に時系列で生成出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いる
インクジェット記録装置において使用するインクジェッ
トヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズル
が連通するインク流路(吐出室、圧力室、加圧液室、液
室等とも称される。)と、このインク流路内のインクを
加圧するエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを
備えて、エネルギー発生手段を駆動することでインク流
路内インクを加圧してノズルからインク滴を吐出させる
ものであり、記録の必要なときにのみインク滴を吐出す
るインク・オン・デマンド方式のものが主流である。
【0003】従来、インク流路内のインクを加圧するエ
ネルギーを発生するエネルギー発生手段として、圧電素
子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形さ
せてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させ
るいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公
報参照)、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内で
インクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でイ
ンク滴を吐出させるいわゆるバブル型のもの(特開昭6
1−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成
する振動板と電極とを平行に配置し(これにより形成さ
れるギャップを「平行ギャップ」と称する。)、振動板
と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形
させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴
を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公
報参照)などが知られている。
【0004】ところで、インクジェットヘッドは、ノズ
ルからインク滴を吐出するため、インク粘度が環境によ
って変化すると、安定したインク滴吐出特性(滴速度V
j、滴体積Mj、滴噴射方向の曲がり)が得られなくな
り、画像品質が劣化する。また、環境変化だけでなく、
非印字時にインク粘度が高くなると、ノズルの目詰まり
が生じて、著しく画像が劣化する。特に、画質を向上す
るために、吐出インク滴を微小化しなければならないこ
とから、ノズルの小径化が進んでおり、一層ノズルの目
詰まりが生じ易くなっている。さらに、目詰まりを起こ
さないまでも、非印字時間の長さによって、次に印字信
号が入力された際の滴吐出特性に差が生じて画質が低下
する。
【0005】そこで、例えば再公表特許WO97/32
728に記載されているように、単一周期の基準信号に
同期して、インク滴吐出が可能な振幅の第1の電気パル
スと、この第1の電気パルスの振幅より小さく、ノズル
内のインクをノズル内で流動させる第2の電圧パルスの
いずれか一方を、目詰まり防止の回復処理動作時と印刷
行程中に各圧力発生手段に印加するインクジェットプリ
ンタの駆動方法が知られている。
【0006】このインクジェットプリンタの駆動方法に
あっては、第1の電気パルスと第2の電気パルスを同じ
タイミングで選択的に各圧力発生手段に印加するため、
インクジェットヘッドのエネルギー発生手段をなす共通
電極(振動板)と個別電極のうち、共通電極に与える電
圧を切り換えるスイッチ手段と、個別電極の電圧を切り
換えるスイッチ手段とを有し、かつ個別電極には2つの
水準の電圧を切り換えて与えるようにしている。
【0007】また、従来、二種類の駆動パルスを選択的
にヘッドに与える構成としては、図24に示すように、
二種類の駆動パルス(吐出パルスとメニスカス振動パル
ス)を同じタイミングで並列的に発生させて、3端子ス
イッチ201を用いていずれかの駆動パルスをエネルギ
ー発生手段202に与える構成が採用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したインクジェッ
トヘッドの駆動方法にあっては、第1の電気パルスとこ
の第1の電気パルスより振幅の小さな第2の電気パルス
を同じタイミングで選択的に各圧力発生手段に印加する
ため、回路構成が複雑になり、コストが高くなる。ま
た、二種類の駆動パルスを同じタイミングで発生させ
て、3端子スイッチを用いていずれかの駆動パルスを選
択する場合、3端子スイッチは実質的にスイッチが2個
必要になってコストが高くなり、しかもノズル数分必要
なために多ノズル化の下ではコスト増が著しくなる。
【0009】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、単純な構成で、インク滴吐出特性の安定化を図
りつつ、インクメニスカスを振動させてノズルの目詰ま
りを防止するインクジェット記録装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るインクジェット記録装置は、インク滴
を吐出させる第1駆動波形とインク滴を吐出させずにメ
ニスカスを振動させる第2駆動波形とを、第2駆動波形
及び第1駆動波形の順に時系列で生成出力する手段を備
えたものである。
【0011】ここで、印字信号に応じて第2駆動波形及
び第1駆動波形のいずれかを選択して電極に印加する手
段を備えていることが好ましい。また、第2駆動波形を
印字信号が非印字の複数の電極に同時に印加させる手段
を備えていることが好ましい。さらに、温度又は湿度の
検出結果に基づいて第2駆動波形を選択する頻度を変更
することが好ましい。
【0012】本発明に係るインクジェット記録装置は、
インク滴を吐出させる第1駆動波形とインク滴を吐出さ
せずにメニスカスを振動させる第2駆動波形とを、第2
駆動波形及び第1駆動波形の順に少なくとも2以上の駆
動周期毎に時系列で生成出力する手段を備えたものであ
る。
【0013】ここで、第2駆動波形を印字信号が非印字
の電極のみに印加させる手段を備えていることが好まし
い。また、温度又は湿度の検出結果に基づいて第2駆動
波形を時系列に発生する頻度を変更する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェット記録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機
構部の側面説明図である。
【0015】このインクジェット記録装置は、記録装置
本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キ
ャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録
ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカート
リッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、給紙カ
セット4或いは手差しトレイ5から給送される用紙3を
取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した
後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0016】印字機構部2は、図示しない左右の側板に
横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイ
ドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で
紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ1
3にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する
インクジェットヘッドからなるヘッド14をインク滴吐
出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側に
はヘッド14に各色のインクを供給するための各インク
タンク(インクカートリッジ)15を交換可能に装着し
ている。
【0017】インクカートリッジ15は上方に大気と連
通する大気口、下方にはインクジェットヘッド14へイ
ンクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された
多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインク
ジェットヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧
に維持している。このインクカートリッジ15からイン
クをヘッド14内に供給する。
【0018】ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬
送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装
し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド1
2に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ
13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ1
7で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19と
の間にタイミングベルト20を張装し、このタイミング
ベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モ
ータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動さ
れる。
【0019】また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘ
ッド14を用いているが、各色のインク滴を吐出するノ
ズルを有する1個のヘッドでもよい。さらに、ヘッド1
4としては、後述するように、インク流路の壁面の少な
くとも一部を形成する振動板とこれに対向する電極とを
備え、静電力で振動板を変形変位させてインクを加圧す
る静電型インクジェットヘッドを用いている。
【0020】一方、給紙カセット4にセットした用紙3
をヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット
4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリク
ションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23
と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ
24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬
送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し
角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ロー
ラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転
駆動される。
【0021】そして、キャリッジ13の主走査方向の移
動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙
3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材
である印写受け部材29を設けている。この印写受け部
材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ
送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32
を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ロ
ーラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部
材35,36とを配設している。
【0022】記録時には、キャリッジ13を移動させな
がら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することに
より、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を
記録し、用紙3を所定量搬送後次の行の記録を行う。記
録終了信号または、用紙3の後端が記録領域に到達した
信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙3を
排紙する。
【0023】また、キャリッジ13の移動方向右端側の
記録領域を外れた位置には、ヘッド14の吐出不良を回
復するための回復装置37を配置している。回復装置3
7は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有
している。キャリッジ13は印字待機中にはこの回復装
置37側に移動されてキャッピング手段でヘッド14を
キャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に
保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出す
る(パージする)ことにより、全ての吐出口のインク粘
度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0024】吐出不良が発生した場合等には、キャッピ
ング手段でヘッド14の吐出口(ノズル)を密封し、チ
ューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気
泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等は
クリーニング手段により除去され吐出不良が回復され
る。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された
廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のイ
ンク吸収体に吸収保持される。
【0025】次に、このインクジェット記録装置のヘッ
ド14を構成するインクジェットヘッドについて図3乃
至図6を参照して説明する。なお、図3はインクジェッ
トヘッドの分解斜視説明図、図4は同ヘッドの振動板長
手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの振動板長手
方向に沿う要部拡大断面説明図、図6は同ヘッドの振動
板短手方向に沿う要部拡大断面図である。
【0026】インクジェットヘッド40は、単結晶シリ
コン基板、多結晶シリコン基板、SOI基板などのシリ
コン基板等を用いた第一基板である流路基板41と、こ
の流路基板41の下側に設けたシリコン基板、パイレッ
クスガラス基板、セラミックス基板等を用いた第二基板
である電極基板42と、流路基板41の上側に設けた第
三基板であるノズル板43とを備え、複数のインク滴を
吐出するノズル44、各ノズル44が連通するインク流
路である加圧室46、各加圧室46にインク供給路を兼
ねた流体抵抗部47を介して連通する共通液室流路48
などを形成している。
【0027】流路基板41には加圧室46及びこの加圧
室46の壁面である底部をなす第1電極を兼ねた振動板
50を形成する凹部を形成し、ノズル板43には流体抵
抗部47を形成する溝を形成し、また流路基板41と電
極基板42には共通液室流路48を形成する貫通部を形
成している。
【0028】ここで、流路基板41は、例えば単結晶シ
リコン基板を用いた場合、予め振動板厚さにボロンを注
入してエッチングストップ層となる高濃度ボロン層を形
成し、電極基板42と接合した後、加圧室46となる凹
部をKOH水溶液などのエッチング液を用いて異方性エ
ッチングすることにより、このとき高濃度ボロン層がエ
ッチングストップ層となって振動板50が高精度に形成
される。また、多結晶シリコン基板で振動板50を形成
する場合は、液室基板上に振動板となる多結晶シリコン
薄膜を形成する方法、または、予め電極基板42を犠牲
材料で平坦化し、その上に多結晶シリコン薄膜を成膜し
た後、犠牲材料を除去することで形成できる。
【0029】なお、振動板50に別途電極膜を形成して
もよいが、上述したように不純物の拡散などによって振
動板が電極を兼ねるようにしている。また、振動板50
の電極基板42側の面に絶縁膜を形成することもでき
る。この絶縁膜としてはSiO2等の酸化膜系絶縁膜、S
i34等の窒化膜系絶縁膜などを用いることができる。
絶縁膜の成膜は、振動板表面を熱酸化して酸化膜を形成
したり、成膜手法を用いたりすることができる。さら
に、この流路基板1には共通電極を設けている。この共
通電極は、Al等の金属をスパッタしてシンタリング
(熱拡散)することにより付設しており、流路基板1と
の導通を確保して、半導体基板よりなる流路基板1とオ
ーミックコンタクトを取っている。
【0030】また、電極基板42には酸化膜層42aを
形成し、この酸化膜層42aの部分に凹部54を形成し
て、この凹部54底面に振動板50に対向する第2電極
である電極15を設け、振動板50と電極55との間に
所定のギャップ56(ギャップ0.2μmとしてい
る。)を形成し、これらの振動板50と電極55とによ
ってアクチュエータ部を構成している。なお、電極55
表面にはSiO2膜などの酸化膜系絶縁膜、Si34膜な
どの窒化膜系絶縁膜からなる電極保護膜57を成膜して
いるが、電極表面55に電極保護膜57を形成しない
で、振動板50側に絶縁膜を形成することもできる。
【0031】これらの流路基板41と電極基板42との
接合は、接着剤による接合も可能であるが、より信頼性
の高い物理的な接合、例えば電極基板42がシリコンで
形成される場合、酸化膜を介した直接接合法を用いるこ
とができる。この直接接合は1000℃程度の高温化で
実施する。また、電極基板42がガラスの場合、陽極接
合を行うことができる。電極基板42をシリコンで形成
して、陽極接合を行う場合には、電極基板42と流路基
板41との間にパイレックス(登録商標)ガラスを成膜
し、この膜を介して陽極接合を行うこともできる。さら
に、流路基板41と電極基板42にシリコン基板を使用
して金等のバインダーを接合面に介在させた共晶接合で
接合することもできる。
【0032】また、電極基板42の電極55としては、
通常半導体素子の形成プロセスで一般的に用いられるA
l、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、TiN、W等の
高融点金属、または不純物により低抵抗化した多結晶シ
リコン材料などを用いることができる。電極基板42を
シリコンウエハで形成する場合には、電極基板42と電
極55との間には絶縁層(上述した酸化膜層42a)を
形成する必要がある。電極基板42にガラス等の絶縁性
材料を用いる場合には電極55との間に絶縁層を形成す
る必要はない。
【0033】また、電極基板42にシリコン基板を用い
る場合、電極55としては、不純物拡散領域を用いるこ
とができる。この場合、拡散に用いる不純物は基板シリ
コンの導電型と反対の導電型を示す不純物を用い、拡散
領域周辺にpn接合を形成し、電極55と電極基板42
とを電気的に絶縁する。
【0034】ノズル板43は多数のノズル44を二列配
置して形成したものであり、吐出面には撥水処理を施し
ている。ここでは、このノズル板43はNi電鋳工法で
製作しているが、この他、例えば樹脂と金属層の複層構
造のものなども用いることができる。このノズル板43
は流路基板41に接着剤にて接合している。
【0035】このインクジェットヘッド40ではノズル
44を二列配置し、この各ノズル44に対応して加圧室
46、振動板50、電極55なども二列配置し、各ノズ
ル列の中央部に共通液室流路48を配置して、左右の加
圧室46にインクを供給する構成を採用している。これ
により、簡単なヘッド構成で多数のノズルを有するマル
チノズルヘッドを構成することができる。
【0036】そして、インクジェットヘッド40の電極
55は外部に延設して接続部(電極パッド部)55aと
し、これにヘッド駆動回路であるドライバIC60を搭
載したFPCケーブル61を異方性導電膜などを介して
接続している。このとき、電極基板42とノズル板43
との間は図4に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用
いたギャップ封止剤62にて気密封止している。
【0037】さらに、インクジェットヘッド40全体を
フレーム部材65上に接着剤で接合している。このフレ
ーム部材65にはインクジェットヘッド40の共通液室
流路48に外部からインクを供給するためのインク供給
穴66を形成しており、またFPCケーブル61等はフ
レーム部材65に形成した穴部67に収納される。
【0038】このフレーム部材65とノズル板43との
間は図4に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用いた
ギャップ封止剤68にて封止し、撥水性を有するノズル
板43表面のインクが電極基板42やFPCケーブル6
1等に回り込むことを防止している。
【0039】そして、このヘッド14のフレーム部材6
5にはインクカートリッジ15とのジョイント部材70
が連結されて、フィルタ71を介してインクカートリッ
ジ15からインク供給穴66を通じて共通液室流路48
にインクが供給される。
【0040】このインクジェットヘッド40において
は、振動板50を共通電極とし、電極55を個別電極と
して、振動板50と電極55との間に駆動電圧を印加す
ることによって、振動板50と電極55との間に発生す
る静電力によって振動板50が電極55側に変形変位
し、この状態から振動板50と電極55間の電荷を放電
させることによって振動板50が復帰変形して、加圧室
46の内容積(体積)/圧力が変化することによって、
ノズル44からインク滴が吐出される。
【0041】すなわち、個別電極とする電極55にパル
ス電圧を印加すると、共通電極となる振動板50との間
に電位差が生じて、個別電極55と振動板50の間に静
電力が生じる。この結果、振動板50は印加した電圧の
大きさに応じて変位する。その後、印加したパルス電圧
を立ち下げることで、振動板50の変位が復元して、そ
の復元力により加圧室46内の圧力が高くなり、ノズル
44からインク滴が吐出される。この場合、振動板50
を電極55(実際には絶縁保護膜57表面)に当接する
まで変位させる方式を当接駆動方式、振動板50を電極
55に当接させない位置まで変位させる方式を非当接駆
動方式と称する。
【0042】次に、このインクジェット記録装置の制御
部の概要について図7を参照して説明する。この制御部
は、この記録装置全体の制御を司るマイクロコンピュー
タ(以下、「CPU」と称する。)80と、プログラ
ム、駆動波形の電圧値データなどの所要の固定情報を格
納したROM81と、ワーキングメモリ等として使用す
るRAM82と、ホスト側から転送される画像データを
処理したデータを格納する画像メモリ83と、パラレル
入出力(PIO)ポート84と、入力バッファ85と、
パラレル入出力(PIO)ポート86と、波形生成回路
87と、ヘッド駆動回路(ドライバIC)88及びドラ
イバ89等を備えている。
【0043】ここで、PIOポート84にはホスト側か
ら画像データなどの各種情報、図示しない操作パネルか
らの信頼性回復指示情報等の各種指示情報、用紙の始
端、終端を検知する紙有無センサからの検知信号、キャ
リッジ13のホームポジション(基準位置)を検知する
ホームポジションセンサ、環境温度を検出(検知)する
温度センサ91、環境湿度を検出(検知)する湿度セン
サ92等の各種センサからの信号等が入力され、またこ
のPIOポート84を介してホスト側や操作パネル側に
対して所要の情報が送出される。
【0044】また、波形生成回路87は、インクジェッ
トヘッド40の振動板50と電極55との間にインク滴
を吐出させるエネルギーを発生する、つまり、振動板5
0をインク滴が吐出するだけの変位量、タイミングで電
極55側に変位させるインク滴を吐出するための第1駆
動波形(以下「吐出パルス」ともいう。)P1と、振動
板50をインク滴が吐出しないだけの変位量、タイミン
グで電極55側に変位させる第2駆動波形(以下「メニ
スカス振動波形」又は「メニスカス振動パルス」とい
う。)P2とを時系列で生成して出力する。
【0045】ヘッド駆動回路(ドライバIC)88は、
PIOポート86を介して与えられる各種データ及び信
号に基づいて、ヘッド14の各ノズル44に対応するエ
ネルギー発生手段(振動板50と電極55)に対して吐
出パルスP1及び/又はメニスカス振動パルスP2を印
加する。さらに、ドライバ89は、PIOポート86を
介して与えられる駆動データに応じて主走査モータ17
及び副走査モータ27を各々駆動制御することで、キャ
リッジ13を主走査方向に移動走査し、搬送ローラ24
を回転させて用紙3を所定量搬送させる。
【0046】次に、本発明の第1実施形態に係るこのイ
ンクジェット記録装置におけるヘッド駆動制御部につい
て図8を参照して説明する。このヘッド駆動制御部は、
前述したCPU80、ROM81、RAM82及び周辺
回路等を含む主制御部101と、波形生成回路87と、
アンプ102と、駆動回路(ドライバIC)103等と
を備えている。
【0047】主制御部101は、波形生成回路87に対
して吐出パルスP1とメニスカス振動パルスP2を生成
するためのデータを与え、ドライバIC103に対して
印字信号(シリアルデータである)SD、シフトクロッ
クCLK、ラッチ信号LATなどを与える。
【0048】波形生成回路87は、インクジェットヘッ
ド40のアクチュエータ部に対してノズル44からイン
ク滴を吐出させる吐出パルスP1と、ノズルからインク
滴を吐出させない程度に振動板50を変形させるメニス
カス振動パルスP2とを1駆動周期内で、メニスカス振
動パルスP2、吐出パルスP1の順に時系列で生成して
出力する。
【0049】この波形生成回路87にはD/A変換器を
用いて主制御部101から与えられる電圧値データをD
/A変換することによりメニスカス振動パルスP2、吐
出パルスP1を順に時系列で生成出力するようにしてい
る。主制御部101のROM81には各パルスP1、P
2を一体とするデータを格納しており、このROM81
と波形生成回路87で吐出パルスP1とメニスカス振動
パルスP2を時系列で生成して出力する手段を構成して
いる。
【0050】ドライバIC103は、印字信号に応じて
波形生成回路87から与えられるメニスカス振動パルス
P2及び吐出パルスP1を選択してヘッド14を構成す
るインクジェットヘッド40の各個別電極55に与え
る。このドライバIC103は印字信号に応じて第1駆
動波形及び第2駆動波形を選択して電極に印加する手段
(選択手段)を構成している。
【0051】すなわち、ドライバIC103は、主制御
部101からのシリアルクロックCLK及び印字信号で
あるシリアルデータSDを入力するシフトレジスタ10
5と、シフトレジスタ105のレジスト値を主制御部1
01からのラッチ信号LATでラッチするラッチ回路1
06と、ラッチ回路106の出力値をレベル変化するレ
ベル変換回路107と、このレベル変換回路107でオ
ン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ108と
からなる。アナログスイッチアレイ108は、インクジ
ェットヘッド40のm個(ノズル数をm個とする。)の
個別電極55に接続したアナログスイッチAS1〜AS
mからなる。なお、インクジェットヘッド40の共通電
極となる振動板50は接地している。
【0052】そして、このシフトレジスタ105にシフ
トクロックに応じてシリアルデータ(印字信号)SDを
取込み、ラッチ回路106でラッチ信号LATによって
シフトレジスタ回路105に取り込んだシリアルデータ
SDをラッチしてレベル変換回路107に入力する。こ
のレベル変換回路107は、データの内容に応じて各ア
クチュエータ部の個別電極55に接続しているアナログ
スイッチASn(n=1〜m)をオン/オフする。
【0053】このアナログスイッチASn(m=1〜
m)には波形生成回路87からアンプ102を介して駆
動波形Pv(吐出パルスP1及びメニスカス振動パルス
P2)を与えているので、アナログスイッチASn(m
=1〜m)がオンしたときの駆動波形Pvが選択される
個別電極55に与えられる。
【0054】次に、このように構成したインクジェット
記録装置の作用について図9以降をも参照して説明す
る。先ず、上述した構成のインクジェットヘッドにおけ
るインク滴吐出特性(インク滴吐出速度Vj及びインク
滴体積Mj)の駆動波形(駆動信号)のパルス幅PWに
対する依存性について図9を参照して説明する。
【0055】インクジェットヘッド40の電極55にパ
ルス電圧が印加されて振動板50が引き付けられる時に
は、加圧室46内には負圧が生じている。圧力は加圧室
46の固有振動数で振動するので、パルス立ち下げ時の
圧力は、パルス立ち上げ時の残留圧力振動と、復元圧力
の重ね合せになる。
【0056】したがって、静電型インクジェットヘッド
40においては、印加するパルス電圧のパルス幅によっ
てインク滴吐出特性に差が生じる。すなわち、例えば、
図9に示すように、吐出特性(吐出滴速度Vj、吐出滴
質量Mj)は、パルス幅PWによる圧力の重ね合せのタ
イミングによって変動する。
【0057】この図9に示す例の場合、パルス幅PWを
4μsecより狭く設定した場合、吐出滴速度Vj及び吐
出滴体積Mjが第1のピークになるパルス幅と次の第2
のピークになるパルス幅の間のパルス幅に設定した場合
では、インク滴が吐出されないことが分かる。
【0058】つまり、パルス電圧の印加により振動板5
0が変位し始めて、ギャップ長の1/3の位置に達する
までの時間内にパルスを立ち下げるような、短い時間の
(パルス幅の狭い)パルスや、圧力振動が相殺されるよ
うなタイミングに当たるパルス幅では、振動板50はイ
ンク滴が吐出するほどの復元力にならないため、インク
滴は吐出せずにノズル44内のメニスカスが振動するの
みとなる。
【0059】また、パルス立ち下げ時間を長くとり、振
動板50の変位の復元をゆっくり行うことでも、インク
滴を吐出させずにノズル44内のメニスカスのみを振動
させることが可能である。これらの特性を積極的に利用
することで、インクの増粘によるノズル目詰まりを予防
することができる。
【0060】そこで、ヘッド駆動制御部の主制御部10
1と波形生成回路87によって、駆動波形(駆動電圧)
Pvとして、図10(a)に示すように、パルス幅PW
1のパルスを吐出パルスP1とし、吐出パルスP1より
も狭いパルス幅PW2のメニスカス振動パルスP2をヘ
ッドの1駆動周期で、メニスカス振動パルスP2、吐出
パルスP1の順に繰り返し時系列で生成出力する。な
お、ROM81にはメニスカス振動パルスP2と吐出パ
ルスP1とのデータをパルス間隔を含めて一纏めにして
書き込んでいる。
【0061】この波形生成回路87から1駆動周期毎に
出力されるメニスカス振動パルスP2と吐出パルスP1
とはアンプ102を介してドライバIC103のアナロ
グスイッチAS1〜ASmに与えられている。
【0062】そこで、主制御部101から印字信号SD
を与えることによって、例えば同図(b)に示すよう
に、ドライバIC103のアナログスイッチASn(n
=1〜mのいずれか)がオン又はオフし、アナログスイ
ッチASnがオンしている間に入力される吐出パルスP
1又はメニスカス振動パルスP2のいずれかが選択され
て、同図(c)に示すように、スイッチASnに対応す
るインクジェットヘッド40の個別電極55nに与えら
れる。
【0063】同図(c)は1つのノズルに対応する個別
電極55に印加されるパルスを示しているものであり、
このノズルは、図示している最初の駆動周期(T1〜T
2)では印字(駆動)であるので吐出パルスP1を選択
してインク滴を吐出させ、次の駆動周期(T2〜T3)
では非印字(非駆動)であるので吐出パルスP1は選択
せず、メニスカス振動を行うためにメニスカス振動パル
スP2を選択してメニスカス振動のみ行わせ、次の駆動
周期(T3〜T4)では印字であるので吐出パルスP1
を選択してインク滴を吐出させ、更に次の駆動周期(T
4〜T5)ではアナログスイッチASnを全期間オフに
して吐出パルスP1及びメニスカス振動パルスP2のい
ずれも選択せず、非印字でもメニスカス振動を行ってい
ない。
【0064】ここで、1駆動周期内で吐出パルスP1と
メニスカス振動パルスP2の選択を行うため、主制御部
101から与える印字信号SDは、図11に示すよう
に、1駆動周期内で二回のデータDataの書き換えを行
うようにしている。したがって、この2回目のデータD
ataにより、上述したように非印字(非駆動、非吐出)
でも、メニスカス振動パルスP2を選択してメニスカス
振動を行う場合と、メニスカス振動パルスP2を選択せ
ずにメニスカス振動を行わない場合とを選択することが
できる。
【0065】なお、具体的には、インクジェットヘッド
40の構成を加圧室長約1000μm、振動板厚さ約2
μm、ノズル径約20μmとし、また、図9のパルス幅
特性を参考にして、メニスカスの振動に使うメニスカス
振動パルスP2のパルスのパルス幅PW2を2μsec、
インク滴吐出に使う吐出駆動信号Dpのパルス幅PW1
を6μsec、駆動波形Pvの電圧は両信号とも30Vに
設定した。
【0066】このようにして、メニスカス振動によるイ
ンク攪拌により、ノズル部のインク増粘を抑え、インク
滴吐出特性を安定にすることができ、これにより、印字
画像の乱れを予防して、より高品質の画像を得ることが
できる。
【0067】ここで、吐出パルスP1とメニスカス振動
パルスP2との時系列化の順序とメニスカス位置の変動
について説明する。吐出パルスP1とメニスカス振動パ
ルスP2との時系列化の順序としては、本発明のように
メニスカス振動パルスP2→吐出パルスP1の順に時系
列化する場合に対して、図12に示すように、吐出パル
スP1→メニスカス振動パルスP2の順に時系列化する
こともできる。
【0068】この図12に示すように吐出パルスP1→
メニスカス振動パルスP2の順に時系列化した場合、電
極55に印加される吐出パルスP1からメニスカス振動
パルスP2までの時間Taが長くなるのに対し、メニス
カス振動パルスP2から吐出パルスP1までの時間Tb
は短くなる。
【0069】その結果、吐出パルスP1でインク滴を吐
出させる直前の駆動周期にメニスカス振動パルスP2が
印加されてメニスカス振動が行われたノズル(非印字/
メニスカス振動あり→印字のノズル)について、吐出パ
ルスP1を印加する駆動タイミングでメニスカス位置が
変動していることがあり、吐出パルスP1でインク滴を
吐出させる直前の駆動周期でメニスカス振動パルスP2
が印加されていないノズル(非印字/メニスカス振動な
し→印字のノズル)との間で、或いは、各駆動周期間
で、メニスカス位置が異なる可能性が生じ得る。
【0070】このようなメニスカス位置の不揃いが生じ
ると、インク滴吐出特性(滴質量、滴速度)にバラツキ
を生じ、ドット径やドット位置のバラツキが生じること
になる。この場合、非印字ビット(吐出パルスP1を印
加しないノズル)については、常にメニスカス振動波形
を印加してメニスカス振動を行わせることで、各ノズル
のメニスカス位置を略同じにすることはできる。しかし
ながら、メニスカス振動を多く与えても、ノズル部のイ
ンク増粘を防止する効果は飽和するので、駆動周波数
(例えば16kHz)でメニスカス振動波形を与え続け
る必要はなく、逆に、メニスカス振動が多すぎるのは振
動板の耐久性や消費電力の面から不利になる。
【0071】そこで、本発明では、図10に示すように
メニスカス振動パルスP2→吐出パルスP1の順に時系
列化している。これにより、同図に示すように吐出パル
スP1からメニスカス振動パルスP2までの時間Taは
短くなるが、メニスカス振動パルスP2から吐出パルス
P1までの時間Tbを長くとることができる。
【0072】その結果、吐出パルスP1でインク滴を吐
出させる直前の駆動周期にメニスカス振動パルスP2が
印加されてメニスカス振動が行われたノズル(非印字/
メニスカス振動あり→印字のノズル)についても、メニ
スカス振動パルスP2によるメニスカス振動から吐出パ
ルスP1までの時間を稼ぐことができて、メニスカス位
置が安定するので、吐出パルスP1でインク滴を吐出さ
せる直前の駆動周期ではメニスカス振動パルスP2が印
加されていないノズル(非印字/メニスカス振動なし→
印字のノズル)と同様にメニスカス位置が安定してお
り、駆動タイミングにおけるメニスカス位置がノズル間
或いは駆動周期によって異なる可能性が大幅に低くな
り、インク滴吐出特性のバラツキが低減して画像品質が
向上する。
【0073】このように、インク滴を吐出させる第1駆
動波形とインク滴を吐出させないでメニスカスを振動さ
せる第2駆動波形とを、第2駆動波形及び第1駆動波形
の順に時系列で生成出力する手段を備えることにより、
そのいずれかを選択してインクジェットヘッドに与える
ようにでき、メニスカス振動によるインク攪拌によって
ノズル部のインク増粘を抑え、インク滴吐出特性を安定
化でき、印字画像の乱れを予防して、より高品質の画像
を得ることができる。また、非印字でもメニスカス振動
を行わない場合を設けることにより、必要以上に振動板
を振動させることがないので耐久性が向上し、省電力化
にもつながる。
【0074】この場合、第1駆動波形と第2駆動波形と
を時系列で生成出力することにより、各ノズル44に対
して、第1駆動波形と第2駆動波形とを選択するスイッ
チ手段(アナログスイッチ)が1個で済むので、3端子
スイッチを用いた場合よりも構成が簡単になり低コスト
が図れる。
【0075】次に、本発明の第2実施形態に係るインク
ジェット記録装置におけるヘッド駆動制御部について図
13乃至図15を参照して説明する。この実施形態にお
いては、主制御部101及び波形生成回路87は、図1
4(a)に示すように1個のメニスカス振動パルスP2
と複数(ここでは3個)の吐出パルスP1とをこの順で
時系列化した駆動波形Pvを生成出力する。また、主制
御部101は、ドライバIC110に対して印字信号
(シリアルデータである)SD、シフトクロックCL
K、ラッチ信号LAT、メニスカス振動パルスP2及び
吐出パルスP1の数を選択するためのデコード信号CS
1を与える。
【0076】ドライバIC110は主制御部101から
のシリアルの印字信号SDをシフトレジスタ105と2
つのラッチ106a、106bにより、各ノズルに対し
て2ビット情報に変換する。そして、この2ビットの情
報をデコーダ111に対する主制御部101からのデコ
ード信号CS1(2ビットなので2ライン必要)による
ロジック計算で復元して、アナログスイッチASnのオ
ン/オフ時間を設定する。
【0077】この場合、図15に示すように、1駆動周
期内に2ビット分のデータを送れば良いので、吐出パル
スの各パルス毎に印字信号SDを転送するよりも転送レ
ートが低くなり、これは、多ノズル化、高速化に有利で
ある。
【0078】ここでは、デコード信号CS1により、表
1に示すように、「駆動なし」(00)、「メニスカス
振動」(01)、「印字(小ドット)」(10)、「印
字(大ドット)」(11)の4階調に復元している。
「駆動なし」、「メニスカス振動」を印字信号として転
送しているので、メニスカス振動の回数は容易に変更で
きる。
【0079】
【表1】
【0080】したがって、このヘッド駆動制御部におい
ては、例えば、図14(a)に示すように波形生成回路
87からメニスカス振動パルスP2と3個の吐出パルス
P1が順次時系列で出力されており、このノズルは、図
示している最初の駆動周期(T1〜T2)ではメニスカ
ス振動であるので、同図(b)に示すようにメニスカス
振動パルスP2のタイミングでアナログスイッチASn
をオンにして、同図(c)に示すように、メニスカス振
動パルスP2を選択してメニスカス振動を行い、次の駆
動周期(T2〜T3)では小ドットの印字(駆動)であ
るので1個の吐出パルスP1を選択して小ドットを印字
し、次の駆動周期(T3〜T4)では非印字であるので
アナログスイッチASnを全期間オフにしてメニスカス
振動パルスP2及び吐出パルスP1のいずれも選択せ
ず、次の駆動周期(T4〜T5)では大ドットの印字
(駆動)であるので3個の吐出パルスP2を選択して大
ドットを印字する。
【0081】そして、この実施形態においても、図14
(c)に示すようにメニスカス振動パルスP2から次の
駆動周期の吐出パルスP1までの時間Tbは、図16に
示すように吐出パルスP1→メニスカス振動パルスP2
の順に時系列化した場合のメニスカス振動パルスP2か
ら次の駆動周期の吐出パルスP1までの時間Tbに比べ
ても十分に長くなるので、メニスカス位置が安定し、メ
ニスカス振動を選択すか否かに関わらず、揃ったドット
を形成でき、画像品質が向上する。
【0082】なお、この実施形態においても、駆動パル
スの条件は図9のパルス幅特性を参考にメニスカスの振
動に使うパルスP2のパルス幅を2μs、インク滴吐出
に使う吐出パルスP1のパルス幅を6μs、電圧は両パ
ルスとも30Vに設定した。ここでは、メニスカス振動
パルスP1は1個のパルスとしたが、パルス数はこれに
限るものではなく、また、メニスカス振動波形はパルス
幅の短いものに限るものでもない。
【0083】また、本実施形態では、吐出パルスP1を
3パルス使用して多値化駆動を行っているが、吐出パル
ス数は3パルスに限るものでなく、前記実施形態と同様
に1パルスでもよく、多値化を行う場合には4パルス以
上でも良い。また、複数の吐出パルスP1を用いる場
合、各パルスのパルス幅が同じである必要もない。さら
に、2ビット4階調を「駆動なし」、「メニスカス振
動」、「印字(小ドット)」、「印字(大ドット)」に割
り振っているが、「駆動なし」、「メニスカス振動」、
「印字(中ドット)」、「印字(大ドット)」の割り振り
でも良く、更に印字信号を3ビットにして(ただし、ラ
ッチ数が増える)、「駆動なし」、「メニスカス振
動」、「印字(小ドット)」、「印字(中ドット)」、
「印字(大ドット)」の5階調(23=8階調の一部使
用)とすることなどもできる。
【0084】次に、本発明の第3実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図17及
び図18を参照して説明する。この実施形態は、第1駆
動波形と第2駆動波形とを、少なくとも2以上の駆動周
期毎に第2駆動波形及び第1駆動波形の順に時系列化し
て生成出力する手段を備えたものである。
【0085】すなわち、この手段は、主制御部101に
おいて、第1駆動波形(吐出パルスP1)のデータだけ
を記憶したメモリ81aと、メニスカス振動波形(P
2)及び第1駆動波形(P1)をこの順で時系列化した
波形のデータを記憶したメモリ81bとを備え、波形デ
ータの読み出し先を所定の回数n毎にメモリ81b側に
切り換える切り換え手段115を備え、切換信号(1/
n)で切換えるようにしている。なお、切り換え手段1
15はROM81のアドレスを指定するシーケンスとし
て構成できる。また、所定の回数nを変更することもシ
ーケンスを変更することで容易に実現できる。その他の
構成は、前記第2実施形態と同様である。
【0086】一方、この実施形態における主制御部10
1からのデコード信号CS1は、表2に示すように、
「メニスカス振動」(00)、「印字(小ドット)」
(01)、「印字(中ドット)」(10)、「印字(大
ドット)」(11)の4階調に復元している。すなわ
ち、非印字ビット(印字信号が非印字のノズル)では、
常に、メニスカス振動波形に相当するタイミングではア
ナログスイッチASnをオン状態にする。この場合、駆
動波形の読み出し先として第1駆動波形(吐出パルスP
1)のデータだけを記憶したメモリ81aを選択した場
合には、メニスカス振動パルスP2が出力されることは
ないので、第2実施形態のように「駆動なし」を指定し
ないで「メニスカス振動選択」にしても、メニスカス振
動パルスP2が印加されることはない。
【0087】
【表2】
【0088】したがって、この実施形態において、例え
ば、メニスカス振動パルスP2を時系列化する所定の回
数(周期)nを3回に設定した場合、主制御部101及
び波形生成回路87は、図18(a)に示すように、3
駆動周期毎にメニスカス振動パルスP2及び3個の吐出
パルスP1をこの順で時系列化して生成出力し、その内
の2駆動周期は3個の吐出パルスP1のみを生成出力す
る。
【0089】この例では、最初の駆動周期(T1〜T
2)でメニスカス振動パルスP2及び3個の吐出パルス
P1をこの順で時系列化して出力し、次の2駆動周期
(T2〜T3、及びT3〜T4)では、3個の吐出パル
スP1のみを出力し、更に、次の駆動周期(T4〜T
5)では、メニスカス振動パルスP2及び3個の吐出パ
ルスP1をこの順で時系列化して出力する。すなわち、
3駆動周期に1回の割合でメニスカス振動パルスP2及
び3個の吐出パルスP1をこの順で時系列化して出力す
る。
【0090】そこで、主制御部101からのデコード信
号CS1として表2に示すようなビット情報を出力する
ことで、例えば図18の最初の駆動周期(T1〜T2)
が非印字でメニスカス振動であればメニスカス振動パル
スP2のタイミングでアナログスイッチASnをオン状
態にすることで、メニスカス振動パルスP2が選択され
て電極55nに与えられ、メニスカス振動が行われる。
次の駆動周期(T2〜T3)で小ドットの印字であれ
ば、最初の吐出パルスP1の出力タイミングでアナログ
スイッチASnをオン状態にすることで、最初の1個の
吐出パルスP1のみが選択されて電極55nに与えら
れ、メニスカス振動が行われる。
【0091】さらに、次の駆動周期(T3〜T4)で非
印字であれば、メニスカス振動パルスP2のタイミング
でアナログスイッチASnをオン状態にするが、このと
き駆動波形Pvにはメニスカス振動パルスP2が含まれ
ていないので、メニスカス振動も行われず、吐出パルス
P1の出力も行われない。さらに、次の駆動周期(T4
〜T5)で大ドットの印字であれば、3個の吐出パルス
P1の出力タイミングでアナログスイッチASnをオン
状態にすることで、3個の吐出パルスP1が選択されて
電極55nに与えられ、大ドットが印字される。
【0092】このように、メニスカス振動パルスP2の
タイミングでは常にアナログスイッチASnをオン状態
にするが、メニスカス振動波形(P2)を間引いて時系
列化しているので、メニスカス振動波形(P2)が出力
される駆動周期で非印字ノズルの電極にのみメニスカス
振動パルスP2は印加される。これにより、メニスカス
振動の頻度を、時系列化する頻度で制御することがで
き、2ビット4階調の階調性を犠牲にしなくてもメニス
カス振動の回数を適当な頻度に設定できて、振動板の耐
久性が向上し、消費電力の面でも有利である。また、メ
ニスカス振動の時系列化は印字信号とは無関係に行うの
で、吐出直前にメニスカス振動が選択されるかは制御で
きないが、選択された場合でも吐出までの時間Tbが十
分長くなるため、メニスカス位置が安定し、選択されな
い場合と同様に揃ったドットを形成することができる。
【0093】さらに、メニスカス振動波形を時系列化し
た駆動周期では、吐出駆動波形かメニスカス振動波形の
いずれか一方の電圧は必ず印加されるため、この周期で
インクを攪拌していると考えることができる(吐出ビッ
トのインクは入れ替わるので、全ビットについてインク
増粘防止作用がある。)。したがって、非印字が続くノ
ズルに対してもインク攪拌が行われ、インク増粘による
インク滴吐出特性の変動を抑えて、印字画像の乱れを防
止して、より高品質の画像を得ることができる。
【0094】なお、前記第2実施形態においても、印字
信号としてデータを転送しているので、複雑なデータ処
理をすれば吐出直前を必ず「駆動なし」にすることは可
能である。これに対し、この第3実施形態においては、
メニスカス振動波形を間引いて時系列化しているので、
各ビットの吐出直前を揃えることはできないので、特に
メニスカス振動波形と吐出駆動波形の時系列化をこの順
にすることが重要になる。
【0095】また、この実施形態では、駆動電圧発生部
にメモリとD/A変換回路を用いたので、吐出駆動波形
と、メニスカス振動波形+吐出駆動波形を予め別々に記
憶しておき、切り換えはメモリの読み出し先を切り換え
る構成にしているが、この他各ビットに対応するスイッ
チ(ドライバICのスイッチ)ではなく、全体の駆動電
圧で波形を切り換える、あるいは、直接時系列化するも
のであれば、これに限るものではない。
【0096】次に、本発明の第4実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図19及
び図20を参照して説明する。この実施形態は、メニス
カス振動波形及び吐出駆動波形の順に時系列化して生成
出力し、印字信号が非印字の複数の電極に対して同時に
メニスカス振動波形を与えるようにしたものである。
【0097】すなわち、前述した第2実施形態のヘッド
駆動制御部を用いて、主制御部101から電圧印加する
パルス数を選択するデコード信号CS2を与えるととも
に、ドライバIC110のデコーダ111に対してメニ
スカス振動を選択するメニスカス振動選択信号SCを与
えるようにしている。
【0098】すなわち、この実施形態における主制御部
101からのデコード信号CS2は、表3に示すよう
に、「メニスカス振動選択信号」(00)、「印字(小
ドット)」(01)、「印字(中ドット)」(10)、
「印字(大ドット)」(11)の4階調に復元している。
そして、このデコード信号CS2とは別に、非吐出ビッ
ト(ビット1=0、ビット2=0)のときには、メニス
カス振動選択信号SCを基にしてアナログスイッチAS
nのオン/オフを決定するようにしている。つまり、こ
の実施形態は、各ノズルに対して、メニスカス振動パル
スP2を印字信号SDにより直接オン/オフするのでは
なく、メニスカス振動選択信号SCを介して間接的に選
択する点に特徴がある。
【0099】
【表3】
【0100】したがって、例えば図20(a)に示すよ
うに、波形生成回路87からはメニスカス振動パルスP
2と3個の吐出パルスP1とをこの順で時系列化した駆
動波形Pvが出力されており、最初の駆動周期(T1〜
T2)では非印字でメニスカス振動であるので、同図
(b)に示すようにメニスカス振動選択信号SCをオン
状態にする(同図(c)の印字信号SDはオフ状態:0
0)ことで、同図(d)に示すようにアナログスイッチ
ASnがオン状態になり、同図(e)に示すようにメニ
スカス振動パルスP2が選択されて電極55nに与えら
れ、メニスカス振動が行われる。
【0101】次の駆動周期(T2〜T3)では小ドット
の印字であるので、同図(c)に示すように印字信号S
Dを最初の吐出パルスP1の出力タイミングでオン状態
にしてアナログスイッチASnをオン状態にすること
で、同図(e)に示すように最初の1個の吐出パルスP
1のみが選択されて電極55nに与えられ、小ドットが
印字される。
【0102】更に、次の駆動周期(T3〜T4)で非印
字でメニスカス振動なしであるので、同図(b)に示す
ようにこのときにはメニスカス振動選択信号SCはオフ
状態のままであり、同図(e)に示すようにメニスカス
振動パルスP2は電極55nに印加されず、メニスカス
振動が行われないし、また吐出パルスP1の出力も行わ
れない。次の駆動周期(T4〜T5)で大ドットの印字
であれば、印字信号SDを3個の吐出パルスP1の出力
タイミングでオン状態にしてアナログスイッチASnを
オン状態にすることで、3個の吐出パルスP1が選択さ
れて電極55nに与えられ、大ドットが印字される。
【0103】このように、メニスカス振動の選択を印字
信号とは別のメニスカス振動選択信号で行うことによ
り、2ビット4階調の階調性を犠牲にしなくてもメニス
カス振動の回数を適当な頻度に設定でき、振動板の耐久
性が向上し、消費電力の面で有利である。
【0104】この場合、メニスカス振動の選択は、メニ
スカス振動選択信号で行うために非印字のビットの全て
にメニスカス振動波形が印加されることになり、吐出直
前をビット毎に制御することはできないが、メニスカス
振動が選択された場合でも吐出までの時間Tbが十分に
長くなるので、メニスカス位置が安定し、選択されない
場合と同様に揃ったドットを形成でき、画像品質が向上
する。なお、第3実施形態と同様に、各ビット吐出直前
を揃えることができないので、特にメニスカス振動パル
スP2及び吐出パルスP1の順で時系列化することが重
要になる。
【0105】さらに、メニスカス振動波形を時系列化し
た駆動周期では、駆動波形かメニスカス振動波形のいず
れか一方の電圧は必ず印加されるため、この周期でイン
クを攪拌していると考えてよい(吐出ビットのインクは
入れ替わるので、全ビットについてインク増粘防止作用
がある。)。これにより、非印字が続くノズルに対して
もインク攪拌が行われ、インク増粘によるインク滴吐出
特性の変動を抑えて、印字画像の乱れを予防して、より
高品質の画像を得ることができる。なお、多値化駆動の
場合、各駆動パルスで吐出したインク滴が紙面上に到達
する前にマージすることが好ましいことは前述したとお
りである。
【0106】次に、本発明の第5実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図21を
参照して説明する。この実施形態は、前述した第4実施
形態のヘッド駆動制御部におけるメニスカス振動選択信
号SCの発生頻度(メニスカス振動の選択頻度)を外部
環境に応じて変更するようしたものである。
【0107】すなわち、外部環境(温度、湿度)に対す
るメニスカス振動の選択頻度をテーブル化した選択頻度
テーブル121を備え、温度センサ91の検知出力と湿
度センサ92の検知出力に基づいて選択頻度テーブル1
21から検出された外部環境に応じたメニスカス振動の
選択頻度データを読み出し、メニスカス振動選択信号作
成部122によって選択頻度データに応じてメニスカス
振動選択信号SCを作成する。
【0108】つまり、インクジェットヘッドにおけるノ
ズル部のインク増粘は外部環境(温度や湿度)によって
大きく異なる。例えば、メニスカス振動パルスによるイ
ンク攪拌を行わない場合、パージした後に吐出不安定が
発生するまで時間は、外部環境が温度20℃−湿度50
%の場合に比べて、 温度30℃−湿度20%では、半
分程度の短い時間になる。これは、外部が乾燥し易い環
境で、ノズル部のインク増粘が速いからである。
【0109】一方、メニスカス振動を多く与え過ぎて
も、ノズル部のインク増粘を防止する効果は変わらな
い。特に、外部が乾燥し難い環境では、インク攪拌回数
は少なくとも差し障りはない。
【0110】そこで、この実施形態では、環境(温度及
び/又は湿度)によってメニスカス振動させる頻度(回
数)を変更するようにしている。具体的には、上述した
ように、非印字状態(非印字ノズル)の個別電極55に
メニスカス振動パルスP2を印加するためのメニスカス
振動選択信号SCをオンにする頻度を変更する。
【0111】これにより、ノズル部のインク増粘速度に
合わせて、メニスカス振動の回数を適切に選択すること
ができ、インク攪拌による増粘防止によってインク滴吐
出特性の変動を抑えることができて高品質の画像を得ら
れるとともに、振動板の振動回数を少なくできるので、
振動板の耐久性確保、省電力駆動をすることが可能とな
る。
【0112】次に、本発明の第6実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図22を
参照して説明する。この実施形態は、前述した第2実施
形態のヘッド駆動制御部における印字信号SDの「駆動
なし」と「メニスカス振動波形」の選択頻度を外部環境
に応じて変更するようしたものである。
【0113】すなわち、外部環境(温度、湿度)に対す
るメニスカス振動の選択頻度をテーブル化した選択頻度
テーブル123を備え、温度センサ91の検知出力と湿
度センサ92の検知出力に基づいて選択頻度テーブル1
23から検出された外部環境に応じたメニスカス振動の
選択頻度データを読み出し、印字信号作成部124によ
って画像(文字を含む)データから印字信号SDを作成
するときに選択頻度データに応じて「駆動なし」と「メ
ニスカス振動波形」の選択頻度を変更する。ここで、選
択頻度テーブル123としては「メニスカス振動波形」
の選択確率を外部環境により変化させ、その確率でラン
ダムに選択する選択頻度データを出力するようにしてい
る。
【0114】これにより、ノズル部のインク増粘速度に
合わせて、メニスカス振動の回数を適切に選択すること
ができ、インク攪拌による増粘防止によってインク滴吐
出特性の変動を抑えることができて高品質の画像を得ら
れるとともに、振動板の振動回数を少なくできるので、
振動板の耐久性確保、省電力駆動をすることが可能とな
る。
【0115】次に、本発明の第7実施形態に係るインク
ジェット記録装置のヘッド駆動制御部について図23を
参照して説明する。この実施形態は、前述した第3実施
形態のヘッド駆動制御部における切り換え手段115の
切換信号(Sn)によるスイッチ切り換え頻度(メニス
カス振動選択頻度)を外部環境に応じて変更するようし
たものである。
【0116】すなわち、外部環境(温度、湿度)に対す
るメニスカス振動の選択頻度をテーブル化した選択頻度
テーブル125を備え、温度センサ91の検知出力と湿
度センサ92の検知出力に基づいて選択頻度テーブル1
25から検出された外部環境に応じたメニスカス振動の
選択頻度データを読み出し、メモリ切換信号作成部12
6によって切り換え手段115を切り換える切り換え信
号(Sn)の波形の読み出し先を変えるまでの回数nを
選択頻度データに応じて変更する。
【0117】これにより、ノズル部のインク増粘速度に
合わせて、メニスカス振動の回数を適切に選択すること
ができ、インク攪拌による増粘防止によってインク滴吐
出特性の変動を抑えることができて高品質の画像を得ら
れるとともに、振動板の振動回数を少なくできるので、
振動板の耐久性確保、省電力駆動をすることが可能とな
る。
【0118】なお、上記各実施形態においては、静電型
インクジェットヘッドの振動板と電極の平面形状を矩形
とした例で説明したが、平面形状を台形、三角形とする
こともできる。また、上記各実施形態ではインクジェッ
トヘッドは振動板と液室とを振動板/液室基板として同
一部材から形成しているが、振動板と液室形成部材とを
別部材で形成して接合することもできる。
【0119】また、本発明で駆動制御するインクジェッ
トヘッドのノズル、加圧室、流体抵抗部、共通流路液室
の形状、配置、形成方法は適切に変更することができ
る。例えば、上記実施形態においては、ノズルは振動板
の変位方向にインク滴が吐出するように形成したサイド
シュータ方式のインクジェットヘッドであるが、ノズル
を振動板の変位方向と交差する方向にインク滴が吐出す
るように形成したエッジシュータ方式のインクジェット
ヘッドでもよい。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェット記録装置によれば、本発明に係るインクジェ
ット記録装置は、インク滴を吐出させる第1駆動波形と
インク滴を吐出させずにメニスカスを振動させる第2駆
動波形とを、第2駆動波形及び第1駆動波形の順に時系
列で生成出力する手段を備えたので、簡単な構成でノズ
ルの目詰まりを防止できるとともに、メニスカス位置の
安定化を図れて高品質画像を記録することができる。
【0121】ここで、印字信号に応じて第2駆動波形及
び第1駆動波形のいずれかを選択して電極に印加する手
段を備えることで、非印字ノズルのメニスカスを振動さ
せてインク増粘によるインク滴吐出特性の変動を抑える
ことができ、高品質画像を得られる。
【0122】また、第2駆動波形を印字信号が非印字の
複数の電極に同時に印加させる手段を備えることで、印
字信号のビット数を増やすことなく階調性を維持するこ
とができ、また、振動板の振動回数を抑えて耐久性を向
上することも容易になる。
【0123】さらに、温度又は湿度の検出結果に基づい
て第2駆動波形を選択する頻度を変更することにより、
環境に適した頻度でメニスカス振動を行わせることがで
き、インクの増粘によるインク滴吐出特性の変動を抑え
高品質の画像を得ると共に、振動板の耐久性を確保する
ことができる。
【0124】本発明に係るインクジェット記録装置によ
れば、インク滴を吐出させる第1駆動波形とインク滴を
吐出させずにメニスカスを振動させる第2駆動波形と
を、第2駆動波形及び第1駆動波形の順に少なくとも2
以上の駆動周期毎に時系列で生成出力する手段を備えた
ので、簡単な構成で、ノズルの目詰まりを防止できると
ともに、メニスカス位置の安定化を図れて高品質画像を
記録することができ、更に、第2駆動波形が間引いて時
系列化されることでメニスカス振動の頻度が少なくな
り、振動板の耐久性を確保することができる。
【0125】ここで、第2駆動波形は印字信号が非印字
の電極のみに印加するようにすることで、第2駆動波形
の生成出力のタイミングでは常に第2駆動波形が印加さ
れる状態にすることができ、メニスカス振動の選択のた
めの特別の信号を用いることなく、印字信号のビット数
を増やさないでメニスカス振動を行うことができて、コ
ストを上げずに階調性を維持することが容易になる。ま
た、温度又は湿度の検出結果に基づいて第2駆動波形を
時系列に発生する頻度を変更することで、環境に適した
頻度でメニスカス振動を行わせることができ、インクの
増粘によるインク滴吐出特性の変動を抑え高品質の画像
を得ると共に、振動板の耐久性を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部
の概略斜視説明図
【図2】同機構部の側面説明図
【図3】同記録装置のヘッドの分解斜視説明図
【図4】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図5】同ヘッドの振動板長手方向の拡大断面説明図
【図6】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明
【図7】同記録装置の制御部の一例を示すブロック図
【図8】本発明の第1実施形態に係るヘッド駆動制御部
を示すブロック図
【図9】同ヘッドの駆動波形のパルス幅と吐出滴速度及
び吐出滴体積の関係を説明する説明図
【図10】同ヘッド駆動制御部の作用説明に供する説明
【図11】同ヘッド駆動制御部のデータ転送の説明に供
する説明図
【図12】同ヘッド駆動制御部と対比する比較例のヘッ
ド駆動制御部の説明に供する説明図
【図13】本発明の第2実施形態に係るヘッド駆動制御
部を示すブロック図
【図14】同ヘッド駆動制御部の作用説明に供する説明
【図15】同ヘッド駆動制御部のデータ転送の説明に供
する説明図
【図16】同ヘッド駆動制御部のデータ転送の説明に供
する説明図
【図17】本発明の第3実施形態に係るヘッド駆動制御
部を示すブロック図
【図18】同ヘッド駆動制御部の作用説明に供する説明
【図19】本発明の第4実施形態に係るヘッド駆動制御
部を示すブロック図
【図20】同ヘッド駆動制御部の作用説明に供する説明
【図21】本発明の第5実施形態に係るヘッド駆動制御
部の要部を示すブロック図
【図22】本発明の第6実施形態に係るヘッド駆動制御
部の要部を示すブロック図
【図23】本発明の第7実施形態に係るヘッド駆動制御
部の要部を示すブロック図
【図24】従来のインクジェット記録装置のヘッド駆動
部の説明に供する説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…ヘッド、24…搬送ローラ、
33…排紙ローラ、40…インクジェットヘッド、41
…流路基板、42…電極基板、43…ノズル板、44…
ノズル、46…加圧室、47…流体抵抗部、48…共通
流路液室、50…振動板、55…電極、56…ギャッ
プ、87…波形生成回路、91…温度センサ、92…湿
度センサ、101…主制御部、103、110…ドライ
バIC。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通するインク流路と、このインク流路の一部の壁
    面を形成する振動板と、この振動板に対向する電極とを
    有するインクジェットヘッドを搭載したインクジェット
    記録装置において、インク滴を吐出させる第1駆動波形
    とインク滴を吐出させずにメニスカスを振動させる第2
    駆動波形とを、第2駆動波形及び第1駆動波形の順に時
    系列で生成出力する手段を備えたことを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、印字信号に応じて前記第2駆動波形及び第
    1駆動波形のいずれかを選択して前記電極に印加する手
    段を備えていることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記第2駆動波形を印字信号が非印字の複
    数の前記電極に同時に印加させる手段を備えたことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、温度又は湿度の検出結果
    に基づいて第2駆動波形を選択する頻度を変更すること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通するインク流路と、このインク流路の一部の壁
    面を形成する振動板と、この振動板に対向する電極とを
    有するインクジェットヘッドを搭載したインクジェット
    記録装置において、インク滴を吐出させる第1駆動波形
    とインク滴を吐出させずにメニスカスを振動させる第2
    駆動波形とを、第2駆動波形及び第1駆動波形の順に少
    なくとも2以上の駆動周期毎に時系列で生成出力する手
    段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェット記録装
    置において、前記第2駆動波形は印字信号が非印字の前
    記電極のみに印加させる手段を備えていることを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、温度又は湿度の検出結果
    に基づいて第2駆動波形を時系列に発生する頻度を変更
    することを特徴とするインクジェット記録装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009196250A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Konica Minolta Ij Technologies Inc インクジェット記録装置

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