JP2002144126A - スローアウェイ式ドリルおよびスローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイ式ドリルおよびスローアウェイチップ

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JP2002144126A
JP2002144126A JP2001260243A JP2001260243A JP2002144126A JP 2002144126 A JP2002144126 A JP 2002144126A JP 2001260243 A JP2001260243 A JP 2001260243A JP 2001260243 A JP2001260243 A JP 2001260243A JP 2002144126 A JP2002144126 A JP 2002144126A
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tip
drill
cutting edge
chip
peripheral side
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Application number
JP2001260243A
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English (en)
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Masaharu Takiguchi
正治 滝口
Yasuhiko Kawade
保彦 川出
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドリル本体1の剛性を損なうことなく切屑排
出性を向上させる。 【解決手段】 軸線O回りに回転させられるドリル本体
1の先端に、その切刃10が軸線Oに対する径方向に並
んでドリル本体1の先端側に凸となる一対の山部10
B,10Bとこれらの山部10B,10Bの間に画成さ
れる谷部10Cとを備えた一対のスローアウェイチップ
7,7を、この切刃10,10を先端側に突出させてO
軸線を挟んで互いに反対側に着脱可能に取り付け、軸線
O回りの回転軌跡において、一方のスローアウェイチッ
プ7Aの外周側の山部10Bを他方のスローアウェイチ
ップ7Bの谷部10Cとオーバーラップさせるととも
に、この他方のスローアウェイチップ7Bの内周側の山
部10Bを一方のスローアウェイチップ7Aの谷部10
Cとオーバーラップさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸線回りに回転さ
れるドリル本体の先端に切刃を備えた一対のスローアウ
ェイチップ(以下、チップと称する。)が着脱可能に取
り付けられたスローアウェイ式ドリル(以下、ドリルと
称する。)、および該ドリルに着脱可能に取り付けられ
る上記チップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のドリルにおいては、軸線回りに
回転される略円柱状のドリル本体の先端部に一対の切屑
排出溝が上記軸線を挟んで互いに反対側に形成され、こ
れらの切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面の先端に
形成された一対のチップ取付座に、同形同大をなす一対
のチップがそれぞれ着脱可能に取り付けられたものが知
られている。そして、さらにかかるドリルでは、上記一
対の切屑排出溝のうち一方の切屑排出溝の先端に形成さ
れるチップ取付座をドリル本体の上記軸線に対する径方
向内周側、すなわち軸線の近傍に偏って形成して、この
チップ取付座に取り付けられるチップの切刃も内周側に
偏るように配置するとともに、他方の切屑排出溝先端の
チップ取付座は外周側に偏って形成して、そのチップの
切刃も外周側に偏って配置し、かつ軸線回りの回転軌跡
においてこれらの切刃が互いにオーバーラップするよう
にして、内周側のチップの切刃によって加工穴の内周側
を、外周側のチップによって加工穴の外周側をそれぞれ
加工するようにし、各切刃によって生成される切屑の幅
を加工穴の半径の半分程度としてその排出性の向上を図
ったものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成されたドリルでも、内径が小さくて穴深さが深
い加工穴を形成するのに用いられるもののように、上記
切刃の外径D、すなわち上記外周側のチップの切刃の外
周端が軸線回りになす円の直径に対してドリル本体先端
部の軸線方向の長さLがなす比L/Dが例えば5以上と
大きいドリルでは、特に小径深穴の上記加工穴の最深部
の加工において切屑の排出性が損なわれるおそれがあっ
た。しかるに、そのような場合には、切屑排出溝を深く
幅広に形成してその断面積を増大させることにより切屑
排出性を向上させればよいのであるが、上述のようにL
/Dが大きなドリルや小径のドリルにおいてこのように
切屑排出溝の断面積を増大させると、逆にドリル本体の
芯厚は小さくなるためドリル剛性が損なわれて激しいビ
ビリ振動を生じ、穴明け加工時に大きな騒音を発して周
囲の環境を損なったりドリル本体の折損を招いたりする
おそれがあるのは勿論、この穴明け加工時のドリル本体
の振れや、この振れによって例えば加工物への食い付き
時に切刃が所定の位置に食い付かないなどして、加工精
度を劣化させるおそれもある。
【0004】本発明は、このような背景の下になされた
もので、特にL/Dが大きく、また小径深穴を加工する
ドリルにおいてドリル本体先端部の剛性を損なうことな
く切屑排出性を向上させることが可能なドリルを提供
し、またそのようなドリルに用いて好適なチップを提供
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明のドリルは、軸
線回りに回転させられるドリル本体の先端に、一対のチ
ップがその切刃を先端側に突出させて上記軸線を挟んで
互いに反対側に着脱可能に取り付けられてなるドリルで
あって、上記一対のチップを、それぞれその切刃が上記
軸線に対する径方向に並んでドリル本体の先端側に凸と
なる一対の山部とこれらの山部の間に画成される谷部と
を備えたものとし、上記軸線回りの回転軌跡において、
一方のチップの外周側の山部を他方のチップの谷部とオ
ーバーラップさせるとともに、この他方のチップの内周
側の山部を上記一方のチップの谷部とオーバーラップさ
せたことを特徴とする。従って、このように構成された
ドリルによれば、上記一対のチップの切刃の合計4つの
山部が、軸線回りの回転軌跡において外周側に向けて各
チップごとに交互にずらされて配置され、これによって
切屑はその幅方向に4つに分断されて生成されることと
なるので、切屑排出溝の断面積を増大させなくても良好
な切屑排出性を得ることができ、ドリル本体の剛性を確
保することが可能となる。また、上記一対のチップの各
山部を、それぞれ外周側の山部ほど上記軸線方向後端側
に位置するように配設すれば、切刃が加工物に食い付く
際には、その内周側の軸線方向先端側に位置する山部か
ら加工物に食い付くこととなるので、食い付き時のドリ
ル本体先端部の振れを抑えることができ、剛性が確保さ
れることとも相俟って、より優れた加工精度を得ること
ができる。
【0006】ここで、これら一対のチップを、上記一方
のチップはその切刃がドリル本体先端の内周側に、また
上記他方のチップはその切刃がドリル本体先端の外周側
に、それぞれ偏るように取り付けた場合には、互いの切
刃の長さが同じでもその山部と谷部とを上述のようにオ
ーバーラップさせることができ、すなわち従来と同じよ
うに互いに同形同大の一対のチップを用いることが可能
となって効率的である。一方、これら一対のチップのう
ち、上記一方のチップはその切刃がドリル本体先端の上
記軸線近傍から外周に亙って延びるように、また上記他
方のチップはその切刃がドリル本体先端の外周側に偏る
ように、それぞれ取り付けた場合には、これらのチップ
は互いに異なる形状、大きさとはなるものの、両チップ
の外周端をドリル本体先端部の外周に位置させて加工穴
の内周に摺接させ、ドリル本体をその軸線に沿って真っ
直ぐ案内させることができ、従って加工穴の直進性の向
上を図って一層優れた加工精度を得ることができる。さ
らに、この場合には、上記軸線回りの回転軌跡におい
て、上記他方のチップの切刃の外周側の山部よりも外周
側で、上記一方のチップの切刃を上記他方のチップの切
刃よりも上記軸線方向先端側に位置するように配設する
ことにより、この外周側でもう1段切屑を分断して生成
することができるので、一層の切屑排出性の向上を図る
ことが可能となる。
【0007】また、本発明のチップは、このようなドリ
ルのドリル本体先端に着脱可能に取り付けられるチップ
であって、略多角形平板状のチップ本体の多角形面をす
くい面とするとともに、この多角形面の少なくとも1の
辺稜部に切刃を形成し、この切刃を、上記辺稜部が延び
る方向に並んで凸となる一対の山部と、これらの山部の
間に画成される谷部とを備えたものとしており、従って
このようなチップを一対、軸線回りの回転軌跡におい
て、一方のチップの外周側の山部を他方のチップの谷部
に、また他方のチップの内周側の山部を一方のチップの
谷部に、それぞれオーバーラップさせるようにしてドリ
ル本体先端に取り付けることにより、本発明の上記ドリ
ルを構成して上述のような作用効果を奏することが可能
となる。また、特に上記チップ本体を略平行四辺形の平
板状に形成して、その平行四辺形面を上記すくい面とす
るとともに、この平行四辺形面の少なくとも1の辺稜部
に上記切刃を形成し、この辺稜部に交差する上記平行四
辺形面の他の辺稜部が延びる方向において、該切刃の上
記一対の山部のうち一方の山部を他方の山部に対して後
退させるようにすれば、上記他の辺稜部をドリル本体の
軸線に沿って延びるように配設することにより、このチ
ップの一対の山部をドリル本体外周側の山部ほど軸線方
向後端側に位置するように配設することができる。
【0008】さらに、このようなチップにおいて、上記
チップ本体を略四角形の平板状に形成して、その四角形
面をすくい面とするとともに該四角形面の中心線につい
て上記チップ本体を回転対称に形成し、この四角形面の
相対する一対の辺稜部にそれぞれ上記切刃が形成して、
これらの切刃の少なくとも上記谷部を、この谷部に連な
る上記切刃の逃げ面を断面略凹V字形の折れ曲がり平面
状とすることにより、その谷線が直線状をなす略凹V字
形に形成することにより、1つのチップで2回の使い回
しができるようになるのは勿論、切削に関与しない上記
谷部の形成を容易とすることができる。また、このよう
なチップを取り付ける上記ドリルにあっては、そのドリ
ル本体先端に形成されて該チップが着座させられるチッ
プ取付座に、このチップの先端側に突出させられた上記
切刃と相対する切刃の上記谷部に連なる逃げ面に密着可
能な断面略凸V字形の壁面を形成することにより、上述
のようにチップ本体の断面凹V字形の逃げ面に形成され
た折れ曲がり平面がチップ取付座の断面略凸V字形の壁
面に密着することによってチップの取付剛性および取付
安定性の向上を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明のドリル
の第1の実施形態を示すものであり、図3ないし図5は
このドリルに着脱可能に取り付けられる本発明のチップ
の第1の実施形態を示すものである。まず、本実施形態
のドリルは、そのドリル本体1が軸線Oを中心とした略
多段円柱状をなし、この軸線O回りにドリル回転方向T
に回転されつつ該軸線O方向先端側(図1において左
側)に向けて送り出されることにより、加工物に穴明け
加工を施す。ここで、このドリル本体1の後端部はシャ
ンク部2とされるとともに、このシャンク部2の先端側
は一段大径とされた鍔部3とされ、さらにこの鍔部3よ
りも先端側は穴明け加工時に加工穴内に挿入される切刃
部4とされている。そして、この切刃部4の先端、すな
わちドリル本体1の先端から鍔部3にかけての外周に
は、上記軸線Oを間にして互いに反対側に、後端側に向
かうに従い上記ドリル回転方向Tの後方側にねじれる一
対の切屑排出溝5,5が形成され、これらの切屑排出溝
5,5先端のドリル回転方向Tを向く壁面に形成された
チップ取付座6,6に、それぞれ上記第1の実施形態の
チップ7,7が着脱可能に取り付けられている。
【0010】これらのチップ7,7は、本実施形態のド
リルでは互いに同形同大とされて、そのチップ本体8が
超硬合金等の硬質材料により図3および図4に示すよう
に略長方形の平板状をなしており、この長方形をなす上
面がすくい面9とされるとともに、このすくい面9がな
す長方形の4つの辺稜部のうち2つの短い辺稜部にそれ
ぞれ切刃10,10が形成されている。また、この切刃
10を介して上記すくい面9と交差するチップ本体8の
側面は逃げ面11とされ、本実施形態のチップ7はこの
逃げ面11が図5に示すようにすくい面9側から離間す
るに従い漸次後退するポジティブチップとされている。
さらに、すくい面9の切刃10側の縁部には、断面凹円
弧状をなすブレーカ溝12が形成されるとともに、この
ブレーカ溝12よりも内側のすくい面9部分は切刃10
よりも一段高くされた平坦面13とされ、この平坦面1
3上における上記すくい面9の中央からは、当該チップ
本体8をその厚さ方向に貫通するように取付孔14が穿
設されている。
【0011】また、このチップ7においては、図4に示
すように、チップ本体8の側面のうちすくい面9がなす
長方形の長辺稜部に連なる2つの側面15,15も、該
すくい面9側から離間するに従い漸次後退する傾斜面と
されるとともに、これらの側面15,15と上記平坦面
13との交差稜線部、すなわち上記長辺稜部の中央部分
には、これら平坦面13と側面15との双方に鈍角に交
差する傾斜面状の面取り部16が形成されている。さら
に、これらの側面15,15と上記逃げ面11,11と
が交差する交差稜線部分は、上記平坦面13に対向する
方向からみて凸円弧状をなして側面15,15よりも上
記短辺稜部の延びる方向(以下、短辺稜部方向と称す
る。本実施形態においては、図3における上下方向)の
外側に僅かに突出するように形成されており、これによ
り、上記面取り部16の両側に位置することとなる切刃
10の両端部10A,10Aも、この短辺稜部方向にお
いて上記面取り部16よりも外側に突出する凸円弧状に
形成されることとなる。なお、本実施形態のチップ7に
おいてチップ本体8は、上記取付孔14の中心線Xを含
んで上記側面15,15に直交する平面Pと、この平面
に直交してやはり上記中線線Xを含む平面Qとに対し、
それぞれ対称となるように形成され、従って中心線Xに
対して180°の回転対称形とされている。
【0012】そして、上記逃げ面11は、断面凸円弧状
に形成された上記側面15,15との交差稜線部分から
それぞれ内側、すなわち上記平面Q側に向けて、一旦上
記平面P側から遠ざかるように隆起した後、平面P側に
接近するように後退して上記平面Qに達するように形成
されており、これに伴い上記切刃10は、すくい面9に
対向する方向からみて図3に示すように、上記短辺稜部
方向に並んで凸となる一対の山部10B,10Bと、こ
れらの山部10B,10Bの間に画成されて該山部10
B,10Bに対して相対的に凹となる谷部10Cとを備
えることとなる。ここで、この切刃10は、上記両端部
10A,10Aから山部10B,10Bの頂点10D,
10Dに向けて延びる部分が漸次隆起する直線状に形成
される一方、これらの頂点10D,10Dから内側の谷
部10Cに向けて後退する部分は、上記平坦面13に垂
直にすくい面9に対向する方向からみて凹円弧状をなす
ように形成されている。
【0013】なお、本実施形態では、チップ本体8が上
記平面Qに対して対称に形成されるのに伴い、上記頂点
10D,10Dの平面Pからの距離、すなわち山部10
B,10Bの高さは互いに等しくされる。また、上記す
くい面9に対向する方向からみて、平坦面13の切刃1
0側の縁部、すなわちこの平坦面13と上記ブレーカ溝
12との交差稜線は、上記平面Q上において最も切刃1
0側に突出して該切刃10に接近するとともに、この平
面Qから上記短辺稜部方向の両側に向かうに従い切刃1
0との間隔が漸次広がるように凹円弧を描きつつ延びた
後、上記頂点10D,10Dを通って平面Qに平行な平
面の位置で「く」字状に凸に折れ曲がって切刃10との
距離が最大となり、さらに切刃10の上記両端部10
A,10Aに至る直線状の部分に略平行に直線状に後退
して上記面取り部16に達するように形成されている。
【0014】このように形成された本実施形態のチップ
7は、上記チップ取付座6,6に一つずつ、そのすくい
面9をドリル回転方向T側に向けるとともに、このすく
い面9の一方の短辺稜部をドリル本体1の先端側に向け
て上記軸線Oに対する径方向に延びるようにし、この一
方の短辺稜部に形成された切刃10をドリル本体1の先
端に突出させてそれぞれ着座させられ、上記取付孔14
に挿通されたクランプネジ17をチップ取付座6の底面
にねじ込むことにより、ドリル本体1の先端に着脱可能
に取り付けられる。従って、ドリル本体1の先端に突出
させられた上記切刃10においては、その一対の山部1
0B,10Bが上記軸線Oに対する径方向に並んで先端
側に凸となるように配置される。
【0015】しかして、本実施形態のドリルでは、上記
チップ取付座6,6の一方(図1および図2において上
側のチップ取付座6)がドリル本体1の内周側、すなわ
ち軸線O側に偏って形成されるとともに、他方(図1お
よび図2において下側のチップ取付座6)はドリル本体
1先端部の外周側に偏って形成され、これに伴いチップ
7,7およびそのドリル本体1先端に突出させられた切
刃10,10もドリル本体1の内外周に偏って配置され
る。そして、これらの切刃10,10は、軸線O回りの
回転軌跡において図6に示すように、内周側に配された
一方のチップ7Aの切刃10の外周側に位置する山部1
0Bが、外周側に配された他方のチップ7Bの谷部10
Cとオーバーラップさせられるとともに、この外周側の
他方のチップ7Bの内周側に位置する山部10Bは内周
側の上記一方のチップ7Aの谷部10Cにオーバーラッ
プさせられており、この回転軌跡において両チップ7
A,7Bの谷部10C,10Cからオーバーラップした
山部10B,10Bが突出して、他の山部10B,10
Bとともに連続した4山の鋸刃状をなすようにされてい
る。より詳しくは、本実施形態では、回転軌跡が互いに
オーバーラップする山部10Bと谷部10Cとで、山部
10Bの頂点10Dが谷部10Cの谷底を通る上記平面
Q上に略位置するようにされている。
【0016】なお、本実施形態ではこれらのチップ7,
7は、上記一方のチップ7Aの上記平面Qがドリル本体
1の軸線O方向後端側に向かうに従い外周側に向かうよ
うに極僅かに傾斜させられるとともに、上記他方のチッ
プ7Bは逆にその上記平面Qが後端側に向かうに従い内
周側に向かうように極僅かに傾斜させられて配置されて
いる。従って、この外周側の他方のチップ7Bにおいて
は、その切刃10のドリル本体1内周側に位置する山部
10Bの頂点10Dが外周側の山部10Bの頂点10D
よりも極僅かに先端側に位置させられる一方、外周側に
位置する切刃10の凸円弧状をなす端部10Aが、この
他方のチップ7Bにおいて最も外周側に突出させられる
とともに、ドリル本体1先端側の切刃部4においても最
も外周側に突出させられることとなり、この端部10A
が軸線O回りになす円の直径が当該ドリルの外径Dとさ
れる。また、この端部10A側のチップ本体8の側面1
5および面取り部16は、ドリル本体1の後端側に向か
うに従い内周側に向かうように僅かに傾斜させられるこ
ととなり、該端部10Aが凸円弧状に突出していること
とも相俟って、切刃10,10によって形成された加工
穴の内周との間に逃げが確保される。
【0017】一方、内周側の一方のチップ7Aにおいて
は、その切刃10のドリル本体1外周側に位置する山部
10Bの頂点10Dが、内周側の山部10Bの頂点10
Dよりも極僅かに先端側に位置させられるとともに、上
記他方のチップ7Bの内周側の山部10Bの頂点10D
よりも僅かに先端側に位置させられ、従って両チップ7
A,7Bの切刃10,10中で最も先端側に位置させら
れており、さらにこの一方のチップ7Aのドリル本体1
内周側に位置する切刃10の端部10Aは、軸線Oを越
えて僅かにオーバーセンターとなるように配置されてい
る。さらに、内外周のチップ7A,7Bの切刃10,1
0の残りの端部10A,10Aは、いずれも回転軌跡に
おいて互いに反対のチップ7B,7Aの切刃10,10
よりも軸線O方向後方側に位置させられている。
【0018】従って、このようなチップ7および該チッ
プ7を取り付けた上記ドリルによれば、上述のように軸
線O回りの回転軌跡において、内周側の一方のチップ7
Aの切刃10の外周側の山部10Bが外周側の他方のチ
ップ7Bの切刃10の谷部10Cとオーバーラップさせ
られるとともに、外周側の他方のチップ7Bの切刃10
の内周側の山部10Bは内周側の一方のチップ7Aの切
刃10の谷部10Cとオーバーラップさせられて、これ
らの切刃10,10の山部10B…の回転軌跡が軸線O
に対する径方向に連続した4山の鋸刃状をなしており、
これらのチップ7A,7Bの切刃10,10が、それぞ
れその一対の山部10B,10Bによって加工穴の穴底
を内周側と外周側とで2条ずつ交互に切削しながら穴加
工が行われることとなるので、この際に生成される切屑
は、その幅方向つまり上記軸線Oに対する半径方向にお
いて4条に分断されることとなる。すなわち、図6に示
すように回転軌跡において、上記加工穴の穴底は、軸線
Oから上記一方のチップ7Aの切刃10の内周側の山部
10Bと他方のチップ7Bの切刃10の内周側の山部1
0Bとの交点R1までの領域S1がこの一方のチップ7A
の内周側の山部10Bによって切削され、以下、外周側
に向けて順に両チップ7A,7Bの切刃10,10同士
の上記交点R1から交点R2まで、交点R2から交点R3
で、および交点R3から他方のチップ7Bの外周端10
Aまでの各領域S2,S3およびS4が両チップ7A,7
Bの切刃10,10の内外周側の山部10B,10Bに
よって切削され、これにより内径Dの加工穴が形成され
るのである。
【0019】このため、上記構成のドリルにおいては、
切屑排出溝5の溝幅を広げたり溝深さを深くしたりして
その断面積を必要以上に増大させたりせずとも、切屑を
確実に切刃部4の後端側に送り出して排出させることが
でき、従って該切刃部4に高い剛性を確保することが可
能となるので、たとえ当該ドリルが上記切刃10の外径
Dの小さい小径のドリルであったり、この外径Dに対す
る切刃部4の軸線O方向の長さLの比L/Dが5以上と
なるような深穴加工用のドリルであったりしても、穴明
け加工時にビビリ振動を生じて加工精度を損なったり大
きな騒音を発したり、あるいは加工物への食い付き時な
どに切刃部4が振れることによって加工精度が損なわれ
たりするような事態を防止することができる。しかも、
各チップ7A,7Bごとに生成される2条の切屑は、そ
の切刃10の谷部10Cにオーバーラップする反対側の
チップ7B,7Aの山部10Bの幅の分だけ離れて生成
されることになるので、これらの切屑がそれぞれの切屑
排出溝5,5内で絡まって詰まりを生じたりするのも防
ぐことができ、一層確実な切屑の排出を促すことが可能
となる。
【0020】また、本実施形態のドリルでは、一対のチ
ップ7,7がドリル本体1の切刃部4先端に軸線Oを挟
んで互いに反対側に取り付けられており、上述のように
このうち一方のチップ7Aはその切刃10がドリル本体
1の内周側に偏るように取り付けられ、また他方のチッ
プ7Bは逆にその切刃10が外周側に偏るように取り付
けられている。そして、このようにチップ7A,7Bが
内外周に偏って取り付けられてその切刃10,10がオ
ーバーラップさせられることにより、個々のチップ7
A,7Bの切刃10は当該ドリルの外径Dの1/2に満
たない同じ長さのものであっても、この外径Dの穴を加
工物に形成することができ、すなわち従来のドリルと同
じように同形同大の一対のチップ7,7を用いて穴明け
加工を行うことが可能となるので、用意するチップ7は
1種類でよく、複数種のチップを準備するのに比べて効
率的かつ経済的である。
【0021】一方、本実施形態のチップ7は、略長方形
平板状のチップ本体8のすくい面9の短辺稜部に上記切
刃10が形成され、この切刃10が上記短辺稜部方向に
並んで凸となる一対の山部10B,10Bとその間に画
成される谷部10Cとを備えたものであって、このよう
なチップ7を一対、上述のようにドリル本体1先端の内
周側と外周側とに、互いの一の山部10Bを谷部10C
にオーバーラップするように偏らせて取り付けることに
より、上記第1の実施形態のドリルを構成することがで
き、該ドリルによる上述した効果を得ることができる。
しかも、本実施形態のチップ7は、そのチップ本体8が
取付孔14の中心線Xを含んで互いに直交する平面P,
Qに対して対称に形成されるとともに、一対の短辺稜部
のそれぞれに切刃10が形成されているので、一方の短
辺稜部の切刃10が摩耗したりした場合には、チップ本
体8を中心線X回りに180°回転させてチップ取付座
6に取り付け直すことにより1つのチップ7で2回の切
刃の使い回しができて一層経済的である。
【0022】しかも、このようなチップ7,7を取り付
けた上記構成のドリルにおいては、軸線Oから外周側の
他方のチップ7の端部10Aまでの切削領域S1〜S4
切削するのが、図6に示すようにそれぞれ先端側に頂点
10Dが凸となるように突き出した切刃10の山部10
Bであり、これによって生成される切屑もその断面がV
字状とされるので、その生成方向に沿って緩やかにカー
ルされただけでも該生成方向に分断され易くなり、切屑
がその幅方向に細かく分断されて生成されることとも相
俟って、一層良好な切屑の排出を促すことが可能とな
る。さらに、本実施形態のチップ7では、この切刃10
に連なるすくい面9上には、断面凹円弧状をなすブレー
カ溝12が形成されているので、該切刃10の山部10
Bによって上述のように断面V字状に形成された切屑
を、このブレーカ溝12の底面に押し付けて効果的にカ
ールさせることができ、より確実な切屑排出性の向上を
図ることが可能となる。
【0023】次に、図7ないし図12は、本発明の第2
の実施形態のドリル、および該ドリルに取り付けられる
本発明の第2の実施形態のチップ21を示すものであ
り、図1ないし図6に示した第1の実施形態のドリルお
よびチップ7と共通する部分には、これと同一の符号を
配して説明を省略する。すなわち、上記第1の実施形態
のチップ7ではそのチップ本体8が略長方形平板状とさ
れていたのに対し、本実施形態のチップ21は、そのチ
ップ本体22が、上記チップ本体8をその長辺稜部に沿
って上記平面Qの両側で互いに反対方向にずらして歪ま
せたような略平行四辺形の平板状に形成されていて、こ
れによりこのチップ21のすくい面9とされる上面の一
対の短辺稜部は、それぞれその一端部(図9において
は、短辺稜部の中心線Xを中心とした時計回り方向側の
端部)において長辺稜部と鋭角に交差するとともに、こ
れとは反対の他端部(図9においては、短辺稜部の中心
線Xを中心とした反時計回り方向側の端部)においては
長辺稜部と鈍角に交差し、この一端部から他端部に向か
う短辺稜部方向に向けて、上記上面の長辺稜部が延びる
方向(以下、長辺稜部方向と称する。本実施形態では、
図9における左右方向)に後退するように形成されてい
る。
【0024】そして、本実施形態でも、これらの短辺稜
部にそれぞれ一対の山部10B,10Bとその間に谷部
10Cとを備えた切刃10,10が形成されており、従
ってこれらの山部10B,10Bも、短辺稜部の上記一
端側の山部10Bに対して上記他端側の山部10Bが上
記長辺稜部方向に後退して形成されることとなる。すな
わち、より具体的に本実施形態では、上記一端側の山部
10Bの頂点10Dに対して他端側の山部10Bの頂点
10Dが後退して配置され、また谷部10Cが上記長辺
稜部方向に最も後退する谷底の位置も、第1の実施形態
のチップ7では平面Q上であるのに対し、本実施形態で
は上記他端側に僅かにずらされることとなる。ただし、
第1の実施形態と同様に、両山部10B,10Bの頂点
10D,10D間において谷部10Cはすくい面9に対
向する方向からみて凹円弧状とされるとともに、頂点1
0D,10Dの外側は直線状とされ、また上記取付孔1
4も断面円形のままとされており、当該チップ本体22
は、この取付孔14の中心線Xに対して180°の回転
対称形に形成されている。
【0025】しかして、本実施形態のドリルにおいて
も、同形同大の一対のこのようなチップ21,21が、
やはりドリル本体1の切刃部4先端に軸線Oを挟んで互
いに反対側にその1の切刃10を先端側に突出させて取
り付けられ、このうち一方のチップ21Aはその切刃1
0をドリル本体1の内周側に偏らせて配置されるととも
に、他方のチップ21Bはその切刃10を外周側に偏ら
せて配置され、しかも軸線O回りの回転軌跡において、
上記一方のチップ21Aの切刃10の外周側の山部10
Bが他方のチップ21Bの切刃10の谷部10Cと、ま
たこの他方のチップ21Bの切刃10の内周側の山部1
0Bが上記一方のチップ21Aの切刃10の谷部10C
と、それぞれオーバーラップさせられている。
【0026】そして、さらにこれらのチップ21,21
は、その上記長辺稜部を軸線Oに平行な方向に略沿わせ
るようにして配置され、かつドリル本体1先端に突出す
る上記切刃10が形成される短辺稜部が、その上記一端
部を内周側とするとともに他端部を外周側としており、
従って、チップ21のチップ本体22が略平行四辺形平
板状に形成されてその短辺稜部が一端側から他端側に向
けて長辺稜部方向に後退させられていることにより、上
記一対のチップ21A,21Bの各山部10B…は、そ
れぞれ外周側の山部10Bほど軸線O方向後端側に位置
するように配設されることとなる。ただし、本実施形態
においてもこれらのチップ21A,21Bは厳密には、
上記一方のチップ21Aの上記平面Qがドリル本体1の
軸線O方向後端側に向かうに従い外周側に向かうように
極僅かに傾斜させられるとともに、上記他方のチップ2
1Bは逆にその上記平面Qが後端側に向かうに従い内周
側に向かうように極僅かに傾斜させられて配置されてい
る。
【0027】従って、このように構成された第2の実施
形態のドリルによれば、第1の実施形態と同様に、図1
2に示すように切屑がその幅方向に4条に分割されて生
成されるので、切屑排出溝5の断面積を大きくしたりす
ることなく良好な切屑排出性を得ることができ、このた
めドリル本体1の剛性を損なうことがなく、ビビリ振動
による騒音や振れを抑えて高い精度の穴明け加工を行う
ことが可能となる。そして、さらに本実施形態では、そ
のチップ21のチップ本体22が略平行四辺形平板状に
形成されていて、その短辺稜部に形成された山部10
B,10Bの一方に対して他方がこの短辺稜部に交差す
る長辺稜部方向に後退するようにされており、このよう
なチップ21が、この長辺稜部をドリル本体1の軸線O
方向に沿わせて取り付けられることにより、上述のよう
に両チップ21A,21Bの各一対の山部10B,10
Bは、ドリル本体1の外周側の山部10Bほど軸線O方
向後端側に位置するように配設されるので、かかるドリ
ルによって穴明け加工を行う際には、逆に軸線O方向先
端側に位置する各チップ21A,21Bのそれぞれ内周
側の山部10Bがまず最初に加工物に食い付いて、これ
から外周側に向けて徐々に切刃10が加工物に切り込ま
れて行くこととなる。
【0028】このため、本実施形態のチップ21および
該チップ21を取り付けた本実施形態のドリルによれ
ば、当該ドリルが加工物に食い付く際にドリル本体1先
端部に振れが生じたりするのも抑えることができ、上述
のようにドリル本体1自体の剛性が確保されて振れが抑
えられることとも相俟って、一層高精度の穴明け加工を
図ることが可能となる。また、このように切刃10がそ
の内周側の山部10Bから徐々に加工物に切り込まれる
ことにより、本実施形態によれば、切刃がその全長に亙
って1度に加工物に食い付くような場合に比べ、該切刃
10やチップ本体22に衝撃的な負荷が作用するのを避
けることができ、このような衝撃的負荷によってチップ
21に欠け等が生じたりするのを防ぐことも可能とな
る。
【0029】さらに、図13は、本発明の第3の実施形
態を示すものであり、図1ないし図12に示した第1、
第2の実施形態と共通する部分には、やはり同一の符号
を配して説明を省略する。この第3の実施形態において
は、ドリル本体1の先端に取り付けられる一対のチップ
31,32が、第1、第2の実施形態のチップ7,7や
チップ21,21のように同形同大のものではなく、一
方のチップ31の切刃10が他方のチップ32の切刃1
0よりも長くされて、互いに異なる形状、大きさものも
のとされており、このうちドリル本体1の外周側に切刃
10が偏るように取り付けられる他方のチップ32は、
第1、第2の実施形態の他方のチップ10B,21Bと
同様にその切刃10が軸線Oから僅かに外周側に離間し
た位置からドリル本体1先端の外周に至るように配設さ
れている一方、第1、第2の実施形態の一方のチップ7
A,21Aは切刃10が内周側に偏るように取り付けら
れていたのに対し、本実施形態の一方のチップ31の切
刃10は、その内周側の端部10Aがドリル本体1先端
の上記軸線O近傍に位置してオーバーセンターとされて
はいるものの、外周側の端部10Aは軸線O回りの回転
軌跡において上記他方のチップ32の切刃10の外周側
の端部10Aと一致するようにされており、すなわち該
切刃が軸線O近傍から該ドリル本体1先端の外周にまで
亙って延びるように配設されている。
【0030】ここで、この第3の実施形態におけるチッ
プ31,32は、第2の実施形態のチップ21と同様に
そのチップ本体33,34が略平行四辺形の平板状に形
成されたものであって、このうち他方のチップ32は、
そのチップ本体34がさらに第2の実施形態のチップ2
1のチップ本体22と同じに、平面P,Qに対称に形成
された略長方形平板状の第1の実施形態のチップ7のチ
ップ本体8をその長辺稜部方向に歪ませたような形状と
されている。一方、これに対して上記一方のチップ31
は、そのチップ本体33がなす平行四辺形平板のうち、
長辺稜部の長さは等しくされていて、切刃10が形成さ
れる短辺稜部の長さだけが上記他方のチップ32のチッ
プ本体34よりも長くされており、しかも、この短辺稜
部も、上記長辺稜部方向に後退した他端部10A側の山
部10Bの頂点10Dから該端部10Aまでの部分が、
上記他方のチップ32の短辺稜部よりも長くされている
だけである。ただし、この一方のチップ31も、そのチ
ップ本体33の一対の短辺稜部に切刃10,10が形成
されていて、中心線Xに対して回転対称に形成されてい
る。
【0031】従って、このように構成されたチップ3
1,32が上述のように取り付けられた第3の実施形態
のドリルによれば、第1の実施形態と同様に切屑が4つ
に分断されて良好な切屑排出性が得られるのは勿論、第
2の実施形態と同様に切刃10が内周側の山部10Bか
ら加工物に食い付くので食い付き時の振れを抑えること
ができ、さらには、上記一方のチップ31の切刃10が
ドリル本体1先端の軸線O近傍から外周に亙って延びて
いるため、その外周側の端部10Aを上述のように他方
のチップ32の切刃10の外周側の端部10Aと回転軌
跡において一致させることにより、これらの端部10
A,10Aを切刃10,10によって形成された加工穴
の内周に摺接させて、ドリル本体1先端の切刃部4を軸
線Oに沿って真っ直ぐに案内させることができる。すな
わち、本実施形態においては、ドリル本体1の切刃部4
の先端外周部が、これらチップ31,32の切刃10,
10の両外周端部10A,10Aの加工穴への摺接によ
り、軸線Oに対する直径方向両側から常に支持された状
態で該加工穴内へ挿入されることとなるので、上述のよ
うに切刃10,10の食い付き時はもとより、これら切
刃10,10が加工穴内に没入した後の穴明け加工中に
おいてもドリル本体1に振れが生じたりすることがな
く、これによって加工穴の直進性の向上を図って一層優
れた加工精度を得ることが可能となる。
【0032】さらにまた、図14は本発明の第4の実施
形態を示すものであり、上記第1〜第3の実施形態と共
通する部分には、やはり同一の符号を配してある。しか
るに、この第4の実施形態においては、上記第3の実施
形態と同様に、ドリル本体1先端に取り付けられる一対
のチップ41,42のうち、一方のチップ41の切刃4
0が、軸線O近傍からドリル本体1先端の外周に亙って
延びるようにされて、外周側に偏って配設された他方の
チップ42の切刃10よりも長くされるとともに、略平
行四辺形平板状をなすこの一方のチップ41のチップ本
体43の長辺稜部も、他方のチップ42のチップ本体4
4の長辺稜部より極僅かに長くされている。そして、本
実施形態では、このようなチップ41,42が図14に
示すようにその外周側に位置する長辺稜部の後端を軸線
O方向に一致させて取り付けられることにより、これら
の長辺稜部の先端、すなわち両チップ41,42のドリ
ル本体1先端に突出する切刃10,10の外周側の端部
10A,10Aの位置は、一方のチップ41の端部10
Aが他方のチップ42よりも僅かに先端側に突出させら
れ、これにより、軸線O回りの回転軌跡において、上記
他方のチップ42の切刃10の外周側に位置する山部1
0Bよりも外周側で、一方のチップ41の切刃10が他
方のチップ42の切刃10よりも軸線O方向先端側に位
置するように配設されている。
【0033】ここで、これらのチップ41,42におい
ては、上記一方のチップ41の切刃10において外周側
の山部10Bの頂点10Dから外周端部10Aに向けて
直線状に延びる部分が、軸線O回りの回転軌跡において
外周側に向けて、他方のチップ42の切刃10の谷部1
0Cから外周側の山部10Bに至る部分に一旦交差し
て、この他方のチップ42の外周側の山部10Bが先端
側に突出した後、一方のチップ41の上記外周端部10
Aが他方のチップ42よりも僅かに先端側に突出させら
れているのに伴って、他方のチップ42の外周側の山部
10Bの頂点10Dから外周端部10Aに至る直線状部
分に再び交差して、この他方のチップ42の外周側の山
部10Bよりも外周側で軸線O方向先端側に位置させら
れている。なお、両チップ41,42の切刃の外周端部
10A,10A同士の軸線O回りの半径は互いに等しく
されている。
【0034】従って、このように構成された第4の実施
形態のドリルでは、図14に示すように両チップ41,
42の切刃10,10の回転軌跡がさらに外周側におい
て交点R4で交差することにより、内径Dの加工穴がそ
の半径方向に領域S5までの5つの領域に分割されるこ
ととなり、すなわち切屑もその幅方向に5つに分断され
て生成されることとなるので、第1〜第3の実施形態に
比べて一層良好な切屑排出性を得ることができる。しか
も、ドリルによる穴明け加工では、切刃10,10の外
周側において軸線Oからの距離が大きくなるために切屑
生成量が多く、従ってより円滑な切屑処理が求められる
のに対し、本実施形態ではこの切刃10,10がその外
周側において交点R4で交差して領域S5が画成されてお
り、一層効果的な切屑処理性の向上を図ることができ
る。
【0035】なお、本実施形態では上述のようにチップ
41,42の長辺稜部の長さを変えて一方のチップ41
の切刃10を外周側で他方のチップ42よりも先端側に
位置させているが、例えば一方のチップ41を他方のチ
ップ42に対して単に軸線O方向先端側にずらして取り
付けるようにしてもよい。また、この第4の実施形態を
初め、上記第1〜第3の実施形態でも、チップ7,2
1,31,32,41,42は、そのチップ本体8,2
2,33,34,43,44が略長方形平板状または略
平行四辺形平板状とされて、そのすくい面9とされる長
方形面または平行四辺形面の一対の短辺稜部のみに切刃
10が形成されていたが、これらを正方形平板状や菱形
平板状として、そのすくい面とされる正方形面や菱形面
にすべての辺稜部に切刃を形成するようにしてもよい。
【0036】さらに、図15ないし図17は、本発明の
第5の実施形態のチップ51を示すものであり、第1〜
第4の実施形態のチップ7,21,31,32,41,
42と共通する部分には、やはり同一の符号を配して説
明を省略する。すなわち、本実施形態のチップ51で
は、第1の実施形態のチップ7と同様にそのチップ本体
52が中心線Xについて180°の回転対称とされた略
長方形の平板状に形成されていて、その長方形をなして
すくい面9とされる上面の相対する一対の短い辺稜部に
それぞれ切刃10,10が形成されている。そして、こ
の第5の実施形態のチップでは、この切刃10の上記逃
げ面11のうち谷部10Cに連なる部分が、この谷部1
0Cの谷底すなわち上記平面Q側に向かうに従いこの平
面Qに対して互いに等しい交差角で接近する一対の平面
11A,11Aによって構成されて、中心線Xに直交す
る断面において凹V字形に形成されており、これにより
切刃10の谷部10Cも、すくい面9に対向する方向か
ら見てその谷線が上記平面Q上において該平面Qに対称
に鈍角に交差する一対の直線状をなす凹V字形に形成さ
れている。
【0037】一方、このようなチップ51が取り付けら
れる本発明の第5の実施形態のドリルにおいては、図示
は略するがそのドリル本体1の上記チップ取付座6に、
当該チップ51を取り付けた状態で該チップ51の先端
側に突出させられる切刃10と相対する切刃10に連な
る逃げ面11が当接可能な壁面が形成されており、この
壁面のうち、上記切刃10の谷部10Cに連なる逃げ面
11が当接する部分は、この谷部10Cを構成する上記
一対の平面11A,11Aに密着可能な断面略凸V字形
に形成される。ただし、この凸V字の頂点部分は、平面
11A,11Aが交差する上記谷底部分との干渉を避け
るため、平坦に切り欠かれるなどして逃がされるのが望
ましい。また、切刃10の山部10Bの頂点10D周辺
や端部10Aに連なる逃げ面11部分に当接する部分の
上記壁面にも、適宜逃げが形成されるのが望ましい。
【0038】従って、上述のように構成された第5の実
施形態のドリルおよびチップ51においては、第1〜第
4の実施形態と同様に切屑を効率的に分断して優れた切
屑排出性を得ることができるのは勿論、チップ本体52
がその逃げ面11に形成された凹V字形をなす上記一対
の平面11A,11Aをチップ取付座6の略凸V字形を
なす上記壁面に密着させてドリル本体1に取り付けられ
るため、例えば切刃10の谷部10Cが凹円弧等の凹曲
線とされて該谷部10Cに連なる逃げ面11部分も凹曲
面とされる第1〜第4の実施形態に比べ、逃げ面11を
チップ取付座6の壁面に確実かつ強固に密着・当接させ
ることができてチップ51の取付剛性や取付安定性が高
く、これにより穴明け加工時にチップ51にがたつきが
生じたりするのを防いで一層の加工精度の向上を図るこ
とができる。また、このような高い取付剛性や取付安定
性を奏しつつも、特に上記第5の実施形態のチップ51
においては、中心線Xに対して回転対称とされたチップ
本体52の一対の切刃10,10の谷部10Cが、該谷
部10Cに連なる逃げ面11部分が一対の平面11A,
11Aによって形成されることにより、ともに凹V字形
とされるので、当該チップ51の製造が容易となり、製
造コストの低減を図ることができる。これは、チップ取
付座6の上記壁面が断面略凸V字形となるドリル本体1
についても同様である。
【0039】なお、この第5の実施形態のチップ51で
は、そのチップ本体52を第1の実施形態と同様に略長
方形の平板状に形成しているが、これを第2の実施形態
のチップ21のように略平行四辺形の平板状に形成した
り、あるいは第3、第4の実施形態のチップ31,3
2,41,42のようにドリル本体1の一方のチップ取
付座6に取り付けられるチップと他方のチップ取付座6
に取り付けられるチップとで、その切刃10を互いに異
なる長さとしたりするようにしてもよい。また、上記谷
部10Cについては厳密に凹V字形とされていなくても
よく、例えば上記逃げ面11のこの谷部10Cの谷底に
連なる部分において、上記一対の平面11A,11Aに
さらに交差し、かつ上記平面Qにも例えば直交したりす
る平面部分を形成して、谷部10Cを台形状に形成した
り、あるいはこの谷底部分のみを円弧等の凹曲線状とし
たりしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のチップお
よびこれを取り付けた本発明のドリルによれば、切屑を
少なくとも4条に分断して生成することにより、切屑排
出溝の断面積を大きくしたりせずとも、良好な切屑排出
性を確保することができる。このため、たとえ小径のド
リルであったり、あるいはL/Dの大きなドリルであっ
たりしても、ドリル本体の剛性を確保してビビリ振動の
発生を抑制し、穴明け加工時の騒音や切刃の食い付き時
の振れを抑え、高い加工精度を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスローアウェイ式ドリルの第1の実
施形態を示す側面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の正面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態のスローアウェイチ
ップ7を示す平面図である。
【図4】 図3におけるYY断面図である。
【図5】 図3におけるZZ断面図である。
【図6】 図1に示す実施形態のスローアウェイチップ
7A,7Bの軸線O回りの回転軌跡を示す図である。
【図7】 本発明のスローアウェイ式ドリルの第2の実
施形態を示す側面図である。
【図8】 図7に示す実施形態の正面図である。
【図9】 本発明の第2の実施形態のスローアウェイチ
ップ21を示す平面図である。
【図10】 図9におけるYY断面図である。
【図11】 図9におけるZZ断面図である。
【図12】 図7に示す実施形態のスローアウェイチッ
プ21A,21Bの軸線O回りの回転軌跡を示す図であ
る。
【図13】 本発明の第3の実施形態のスローアウェイ
式ドリルのスローアウェイチップ31,32の軸線O回
りの回転軌跡を示す図である。
【図14】 本発明の第4の実施形態のスローアウェイ
式ドリルのスローアウェイチップ41,42の軸線O回
りの回転軌跡を示す図である。
【図15】 本発明の第5の実施形態のスローアウェイ
チップ51を示す平面図である。
【図16】 図15におけるYY断面図である。
【図17】 図15におけるZZ断面図である。
【符号の説明】
1 ドリル本体 4 切刃部 7(7A,7B),21(21A,21B),31,3
2,41,42,51スローアウェイチップ 8,22,33,34,43,44,52 チップ本体 9 すくい面 10 切刃 10A 切刃10の端部 10B 山部 10C 谷部 10D 山部10Bの頂点 O ドリル本体1の中心軸線 T ドリル本体1の回転方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C037 BB17 3C046 CC00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転させられるドリル本体の
    先端に、一対のスローアウェイチップがその切刃を先端
    側に突出させて上記軸線を挟んで互いに反対側に着脱可
    能に取り付けられてなるスローアウェイ式ドリルであっ
    て、上記一対のスローアウェイチップは、それぞれその
    上記切刃が上記軸線に対する径方向に並んで上記ドリル
    本体の先端側に凸となる一対の山部とこれらの山部の間
    に画成される谷部とを備え、上記軸線回りの回転軌跡に
    おいて、一方のスローアウェイチップの外周側の山部が
    他方のスローアウェイチップの谷部とオーバーラップさ
    せられるとともに、この他方のスローアウェイチップの
    内周側の山部が上記一方のスローアウェイチップの谷部
    とオーバーラップさせられていることを特徴とするスロ
    ーアウェイ式ドリル。
  2. 【請求項2】 上記一対のスローアウェイチップの各山
    部は、それぞれ外周側の山部ほど上記軸線方向後端側に
    位置するように配設されていることを特徴とする請求項
    1に記載のスローアウェイ式ドリル。
  3. 【請求項3】 上記一対のスローアウェイチップは互い
    に同形同大に形成されていて、このうち上記一方のスロ
    ーアウェイチップはその上記切刃が上記ドリル本体先端
    の内周側に、また上記他方のスローアウェイチップはそ
    の上記切刃が上記ドリル本体先端の外周側に、それぞれ
    偏るように取り付けられていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のスローアウェイ式ドリル。
  4. 【請求項4】 上記一対のスローアウェイチップのう
    ち、上記一方のスローアウェイチップはその上記切刃が
    上記ドリル本体先端の上記軸線近傍から外周に亙って延
    びるように、また上記他方のスローアウェイチップはそ
    の上記切刃が上記ドリル本体先端の外周側に偏るよう
    に、それぞれ取り付けられていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のスローアウェイ式ドリル。
  5. 【請求項5】 上記軸線回りの回転軌跡において、上記
    他方のスローアウェイチップの切刃の外周側の山部より
    も外周側では、上記一方のスローアウェイチップの切刃
    が上記他方のスローアウェイチップの切刃よりも上記軸
    線方向先端側に位置するように配設されていることを特
    徴とする請求項4に記載のスローアウェイ式ドリル。
  6. 【請求項6】 上記スローアウェイチップは、そのチッ
    プ本体が略四角形の平板状に形成されていて、その四角
    形面がすくい面とされるとともに該四角形面の中心線に
    ついて上記チップ本体が回転対称に形成され、この四角
    形面の相対する一対の辺稜部にそれぞれ上記切刃が形成
    されており、これらの切刃の少なくとも上記谷部が、こ
    の谷部に連なる上記切刃の逃げ面が断面略凹V字形の折
    れ曲がり平面状とされることにより、その谷線が直線状
    をなす略凹V字形に形成されている一方、上記ドリル本
    体先端に形成されて該スローアウェイチップが着座させ
    られるチップ取付座には、先端側に突出させられた切刃
    と相対する切刃の上記谷部に連なる逃げ面に密着可能な
    断面略凸V字形の壁面が形成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のスローア
    ウェイ式ドリル。
  7. 【請求項7】 スローアウェイ式ドリルのドリル本体先
    端に着脱可能に取り付けられるスローアウェイチップで
    あって、略多角形平板状のチップ本体の多角形面がすく
    い面とされるとともに、この多角形面の少なくとも1の
    辺稜部に切刃が形成されており、この切刃は、上記辺稜
    部が延びる方向に並んで凸となる一対の山部と、これら
    の山部の間に画成される谷部とを備えていることを特徴
    とするスローアウェイチップ。
  8. 【請求項8】 上記チップ本体は略平行四辺形の平板状
    に形成されていて、その平行四辺形面が上記すくい面と
    されるとともに、この平行四辺形面の少なくとも1の辺
    稜部に上記切刃が形成されており、この辺稜部に交差す
    る上記平行四辺形面の他の辺稜部が延びる方向におい
    て、該切刃の上記一対の山部のうち一方の山部が他方の
    山部に対して後退させられていることを特徴とする請求
    項7に記載のスローアウェイチップ。
  9. 【請求項9】 上記チップ本体は略四角形の平板状に形
    成されていて、その四角形面がすくい面とされるととも
    に該四角形面の中心線について上記チップ本体が回転対
    称に形成され、この四角形面の相対する一対の辺稜部に
    それぞれ上記切刃が形成されており、これらの切刃の少
    なくとも上記谷部が、この谷部に連なる上記切刃の逃げ
    面が断面略凹V字形の折れ曲がり平面状とされることに
    より、その谷線が直線状をなす略凹V字形に形成されて
    いることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の
    スローアウェイチップ。
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