JP2002143862A - タンパク質含有廃水の処理方法 - Google Patents

タンパク質含有廃水の処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】タンパク質を多量に含む廃水、特に乳タンパク
質を多量に含む廃水からタンパク質を分離、回収して、
廃水を効率的に処理するとともに、回収したタンパク質
を飼料又は肥料として利用することができるタンパク質
含有廃水の処理方法を提供する。 【解決手段】タンパク質含有廃水にタンパク質凝固酵素
を添加してタンパク質を凝固させたのち、凝固したタン
パク質と液状物とを分離し、分離された液状物を生物処
理することを特徴とするタンパク質含有廃水の処理方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンパク質含有廃
水の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、タ
ンパク質を多量に含む廃水、特に乳タンパク質を多量に
含む廃水を、効率的に処理し、回収したタンパク質を飼
料又は肥料として利用することができるタンパク質含有
廃水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、牛乳などのタンパク質を含む廃水
は、高濃度廃水であれば、乾燥して粉末化し、飼料又は
肥料として回収するか、あるいは、直接噴霧燃焼などの
方法によって焼却処分が行われていた。乾燥、粉末化し
ても、焼却処分しても、処理のためには水分を蒸発させ
る必要があり、そのためのエネルギーコストが膨大とな
り、必ずしも有効な処理方法とはいえなかった。基本的
には、これらの廃水中に含まれるタンパク質は、回収し
て飼料、肥料として利用することが望ましく、コストを
かけずに回収することができれば、産業上極めて有効と
考えられる。一方、比較的濃度の低い状態で廃水が排出
される場合は、タンパク質を含む廃水も活性汚泥などの
生物処理によって処理されている。しかし、タンパク質
は有機物であり、この有機物の濃度を低減させるための
曝気動力など処理コストが高く、最終産物として排出さ
れる余剰汚泥の処理、処分の問題が常につきまとってい
る。また、窒素やリンなどの栄養塩類を多く含むため
に、富栄養化現象を防ぐために硝化、脱窒や凝集沈殿な
どの高度の処理を、処理コストをかけて行う必要があ
る。特開平8−57496号公報に、タンパク質を多量
に含むために嫌気性処理が困難な廃水を、短時間でかつ
容量の小さい処理槽で容易に処理することができる嫌気
性水処理装置が提案されている。この水処理装置は、酸
発酵菌を保持した酸発酵リアクタと、酸発酵リアクタで
凝固したタンパク質を分離する固液分離装置と、固液分
離装置で分離した凝固タンパク質を加水分解又は酵素に
より分解処理するタンパク質処理リアクタを備えてい
る。タンパク質は、酸発酵によりpHが低下して凝集分離
しやすくなるために、この凝集作用を利用して固液分離
し、上澄み液は嫌気処理リアクタヘ送り、固形物はタン
パク質処理リアクタにおいて、酸などの薬品や、酵素な
どによってアミノ酸にまで分解したのち、先の嫌気リア
クタに送って処理する。このようなタンパク質分離工程
を含まずに、直接嫌気処理する場合には、タンパク質の
分解速度が遅いことから反応槽容量を大きくする必要が
あるが、この処理装置によれば装置の容量を大幅に縮小
できるとされている。しかしながら、この処理装置を用
いては、飼料、肥料の有効成分を回収できないことは当
然のことであるが、折角タンパク質を凝集させて固形物
としながら、再度分解させてしまうことから、廃水中の
窒素やリンの栄養塩類は再度液側に移り、最終的には嫌
気性水処理装置の出口から排出されることとなり、富栄
養化防止の観点からも望ましい処理装置とはいえない。
一方で、タンパク質含有廃水からタンパク質を固形分と
して分離し、固形分と分離液とを別途処理する場合に
も、以下のような問題がある。すなわち、乳タンパク質
は、pHを4〜5程度以下に下げることにより、等電点凝
集によって凝集することが知られているが、pHを下げた
だけでは凝集物の固形分濃度が上がらず、含水率の高い
難脱水性の凝集物しか得ることができず、固形物の処
理、処分上問題がある上、分離後の上澄み液が多くとれ
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、タンパク質
を多量に含む廃水、特に乳タンパク質を多量に含む廃水
からタンパク質を分離、回収して、廃水を効率的に処理
するとともに、回収したタンパク質を飼料又は肥料とし
て利用することができるタンパク質含有廃水の処理方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、タンパク質含有廃
水にタンパク質凝固酵素を添加してタンパク質を凝固さ
せ、凝固したタンパク質と上澄み液を分離することによ
り、凝固したタンパク質の脱水性を改善するとともに、
凝固したタンパク質を飼料又は肥料として利用すること
ができ、また、上澄み液は容易に生物処理し得ることを
見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)タンパク質含有廃水に
タンパク質凝固酵素を添加してタンパク質を凝固させた
のち、凝固したタンパク質と液状物とを分離し、分離さ
れた液状物を生物処理することを特徴とするタンパク質
含有廃水の処理方法、(2)タンパク質含有廃水が乳タ
ンパク質含有廃水であり、タンパク質凝固酵素がレンニ
ンである第1項記載のタンパク質含有廃水の処理方法、
及び、(3)タンパク質含有廃水が、タンパク質を含有
する廃水中のタンパク質を凝集し、スラリー状に分離し
て得られるタンパク質含有廃水である第1項記載のタン
パク質含有廃水の処理方法、を提供するものである。さ
らに、本発明の好ましい態様として、(4)生物処理
が、嫌気性処理と好気性処理の組み合わせである第1項
記載のタンパク質含有廃水の処理方法、を挙げることが
できる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のタンパク質含有廃水の処
理方法においては、タンパク質含有廃水にタンパク質凝
固酵素を添加してタンパク質を凝固させたのち、凝固し
たタンパク質と液状物とを分離し、分離された液状物を
生物処理する。本発明方法を適用し得るタンパク質含有
廃水に特に制限はなく、例えば、廃棄乳、廃棄液卵、廃
棄豆乳、廃棄擂り身、乳製品工場の洗浄水、水産練製品
工場の洗浄水、屠殺場の洗浄水、馬れいしょでんぷんの
デカンター排水などを挙げることができる。これらの中
で、乳タンパク質を高濃度に含有する廃棄乳の処理に、
特に好適に適用することができる。本発明方法に用いる
タンパク質凝固酵素は、対象とする廃水中に含有される
タンパク質に応じて適宜選択することができ、例えば、
乳タンパク質であるカゼインを凝固させるレンニン、血
液を凝固させるトロンビンなどを挙げることができる。
タンパク質凝固酵素の添加量は、廃水中のタンパク質の
種類や濃度、あるいは使用する酵素の種類によっても異
なるが、乳タンパク質を5,000mg/L以上、例え
ば、10,000〜50,000mg/L程度の高濃度で含
む廃水を対象として、レンニンを使用してタンパク質を
凝固させる場合で、10〜100mg/L程度の添加量と
する。酵素の添加量が10mg/L未満であると凝集効果
が弱く、タンパク質を良好に凝固させることができな
い。添加量は100mg/Lを超えても特に問題はない
が、過剰に添加しても凝集効果に大きな違いはなく、酵
素が無駄になる。タンパク質凝固酵素の凝固作用は、pH
と温度によって変化するので、タンパク質と酵素の組み
合わせにおいて、適当な条件を選択することが好まし
い。例えば、レンニンの乳タンパク質凝固作用は、pH
5.1〜5.6、温度38〜44℃で最も強くなるとされ
ている。レンニンを含む製剤は、凝乳酵素剤レンネット
として販売されている。乳タンパク質含有廃水に、凝乳
酵素剤を添加して固形物を形成させ、その中に乳タンパ
ク質と乳脂肪を取り込んで低含水率の固形物として回収
することができる。本発明方法により回収された固形物
は、有害な無機物などを含まないので、家畜の飼料や肥
料などとして有効利用することができる。また、分離さ
れた液状物には、タンパク質成分が少なく、生分解性の
大きい糖、乳酸などが残るために、生物処理により容易
に水質の良好な処理水を得ることができる。
【0006】乳タンパク質含有廃水と凝乳酵素剤の反応
は、25〜60℃で行うことが好ましく、30〜45℃
で行うことがより好ましい。乳タンパク質含有廃水と凝
乳酵素剤を、急速撹拌で数分間混合したのち、緩速撹拌
を数分ないし数十分行い、温度を維持したまま30分〜
数時間静置する。その後、凝固物を含む被処理水を緩速
で撹拌し、せん断力により脱水を行って凝固物から水分
を除去する。撹拌羽根の形状は、緩速撹拌でも被処理水
の全体が動くように、高さ方向に面積を有する羽根であ
ることが好ましい。撹拌には、撹拌羽根のほかに、撹拌
棒を使用することもできる。撹拌中、適当な温度を保つ
ことにより、凝固物の脱水が促進される。乳タンパク質
の凝固に際しては、凝固酵素の作用を補助するために、
カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどを添加する
ことできる。カルシウムイオン、マグネシウムイオンな
どを添加することにより、廃液の種類によらず安定した
凝固効果を得ることができる。カルシウムイオン、マグ
ネシウムイオンなどは、廃液中のカルシウムイオンやマ
グネシウムイオンの濃度が、数百ないし千mg/Lとなる
よう添加することが好ましい。また、酸を添加するか、
あるいは、酸発酵を多少起こさせることにより、pHを4
〜5に下げると、凝固作用が増幅される。本発明方法に
おいて、凝固したタンパク質と液状物の分離方法に特に
制限はなく、例えば、スクリーンなどで水を切る状態で
圧力をかけて液状物を分離することができ、遠心脱水
機、ベルトプレス脱水機、スクリュープレス脱水機、フ
ィルタープレス脱水機、真空脱水機、デカンター、多重
円盤などを用いて脱水することができる。また、ロータ
リースクリーンなどの回転式のスクリーンも、脱水効果
は多少低下するが、脱水装置として使用することができ
る。固形物の含水率は、この段階で50〜70重量%程
度まで低下する。固形物を食塩水に浸漬するか、あるい
は、固形物の表面に食塩をまぶすことにより、更に脱水
を進めることができ、含水率を40〜50重量%程度ま
で低下させることができる。回収したタンパク質を利用
する場合は、食塩を添加することにより、あるいは、6
0〜90℃で0.5〜1時間程度加温することにより、
固形状タンパク質の保存期間を長期化することができ
る。
【0007】本発明方法において、分離された液状物を
生物処理する方法に特に制限はなく、例えば、活性汚泥
法、生物膜法などの好気性処理、嫌気性消化法などの嫌
気性処理などを挙げることができる。これらの処理法
は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以
上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、
生物処理法として効果的な嫌気性処理を行ったのち、後
処理として活性汚泥処理を行うことが好ましい。本発明
方法によれば、前段のタンパク質回収工程において、窒
素及びりんの80〜90%が除去されているために、後
段の生物処理における窒素及びりんの除去も容易とな
る。生物処理としては、嫌気性処理、好気性処理、嫌気
性処理後の好気性処理などの一般的な処理方法を適用す
ることができる。分離された液状物は、固形分が除去さ
れ、糖及び有機酸が主体の廃水であるため、溶解性有機
物濃度がCODcrとして1,000〜30,000mg-O
/L程度含む高濃度廃水を、10〜20kg−CODcr/
3/dayの高負荷で処理できる上向流嫌気性汚泥床(U
ASB、Upflow anaerobic sludg
e blanket)、膨張粒状汚泥床(EGSB、E
xpanded granular sludge be
d)のような高負荷型の嫌気性処理装置で処理するのに
適しており、必要に応じて嫌気性処理の後処理として好
気性処理を行うことが好ましい。液状物のCODcr濃度
が上記範囲を超えるような場合は、他の廃水や処理水な
どで希釈することが好ましく、CODcrが10,000m
g-O/L以下になるまで希釈したような場合は、嫌気性
処理を行わず、好気性処理のみで処理することもでき
る。廃水中のタンパク質の濃度が5,000mg/L未満で
あるようなタンパク質濃度の比較的低い総合排水などの
場合は、タンパク質凝固酵素を全体に添加すると、添加
量が膨大となり経済的ではない。そのために、低濃度の
タンパク質を含有する廃水中のタンパク質を凝集し、ス
ラリー状に分離してタンパク質を5,000mg/L以
上、好ましくは10,000〜50,000mg/L程度含
む高濃度のタンパク質含有廃水として処理することが好
ましい。低濃度のタンパク質を凝集する方法に特に制限
はなく、例えば、pH4〜6の酸性で等電点凝集などによ
ってタンパク質をゲル状の状態とし、固液分離すること
ができる。また、ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンドな
どの無機凝集剤、高分子凝集剤などを添加してタンパク
質を凝集し、固液分離することもできる。本発明方法の
実施の態様に特に制限はなく、例えば、廃棄乳などの高
濃度廃水で取り扱う量が少ない場合には、回分式反応装
置を用いて一つの反応器内でタンパク質凝固反応を行わ
せることができるが、半回分式又は連続式によって処理
することもできる。本発明のタンパク質含有廃水の処理
方法によれば、分離した固形物を高度に濃縮、減容し
て、飼料、肥料などとして有効に利用することができ
る。また、固液分離された液状物へのタンパク質の残留
量が少ないので、液状物の処理が容易であり、良好な水
質の処理水を得ることができる。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、下記の方法により水質の測定を行った。 (1)CODcr JIS K 0102 20.二クロム酸カリウムによる
酸素消費量にしたがって測定する。また、溶解性のCO
D(Sol−CODcr)は、0.45μmのメンブレンフィ
ルターでろ過したろ液について分析を行った値である。 (2)BOD5 JIS K 0102 21.生物化学的酸素消費量にし
たがって5日間測定する。 (3)懸濁物質 JIS K 0102 14.1 懸濁物質にしたがって測
定する。 (4)全りん JIS K 0102 46.3.1 ペルオキソ二硫酸カリ
ウム分解法にしたがって測定する。 (5)全窒素 JIS K 0102 45.1 総和法にしたがって測定
する。 (6)タンパク質含有量 Folin−Ciocalteuのフェノール試薬によ
り測定する。 実施例1 CODcr182,000mg-O/L、タンパク質含有量3
5,000mg/Lの廃棄乳4.0Lを、約1時間乳酸発酵
させてpHを4.5に低下させたのち、40℃に加温し、
タンパク質凝固酵素剤[レンネット]100mgを添加し
た。温度を35〜40℃に保ちつつ、1分間急速に撹拌
したのち、さらに撹拌速度1rpmで緩やかに5分間撹拌
した。次に、撹拌機を停止し、40℃で1時間静置し
た。さらに、撹拌機を再度稼動させ、緩速撹拌を30分
間間欠的に継続した。撹拌を止めて、凝固したタンパク
質を60メッシュのスクリーンを用いて水を切る状態で
圧力をかけて脱水し、固形物を分離した。この時点で固
形物の重量は685gで、含水率は約55重量%であっ
た。さらに、この固形物を3重量%の濃度、温度70℃
の食塩水に30分間浸漬した後、脱水したところ、重量
は600g、含水率は48.5重量%まで低下した。以
上の過程で、分離液として分離されたものを集めて上澄
み液とした。上澄み液の液量は3.4Lであり、CODc
rは59,000mg-O/Lであり、タンパク質含有量は
6,280mg/Lであった。上澄み液を水道水で5倍に
希釈して、CODcr11,800mg-O/L、Sol−CO
Dcr11,000mg-O/Lの希釈原水を調製した。この
希釈原水のBOD5は8,500mg-O/Lであり、懸濁
物質は37mg/Lであり、全りんは18.3mg/Lであ
り、全窒素は65mg/Lであった。内部にpH電極を取り
付けた容量500mLの三角フラスコからなる酸生成槽、
内径50mm、高さ500mmの硬質塩化ビニル樹脂製カラ
ムからなるUASBリアクタ、容量2Lの曝気槽及び容
量500mLの沈澱槽を直列に接続し、30℃の恒温室内
に設置して、希釈原水の嫌気処理と活性汚泥処理を行っ
た。活性汚泥処理の沈殿槽から曝気槽への汚泥の返送量
は、500mL/hとした。種グラニュールとして、ビー
ル工場UASBの実装置から採取した汚泥と曝気槽汚泥
を使用した。酸生成槽には、pH6.5になるように25
重量%水酸化ナトリウム水溶液を注入した。UASBリ
アクタでの上昇流速が0.3m/hとなるよう、酸生成
槽から600mL/hでUASBリアクタへ送り、UAS
Bの処理水は500mL/hの流量で酸生成槽に返送し
た。希釈原水の通水量は、試験開始から5日間は500
mL/day、それ以降は1,000mL/dayとした。試験開
始から15日後、水の入れ替わりが終わって定常状態に
達したと判断し、UASB処理水と好気処理水の水質分
析を行った。UASB処理水のCODcrは1,200mg-
O/L、Sol−CODcrは450mg-O/L、BOD5は
290mg-O/L、懸濁物質は350mg/L、全りんは
28.5mg/L、全窒素は83mg/Lであった。好気処
理水のCODcrは135mg-O/L、Sol−CODcrは5
2mg-O/L、BOD5は15mg-O/L、懸濁物質は1
8mg/L、全りんは9.3mg/L、全窒素は12.3mg/
Lであった。 比較例1 実施例1と同じ廃棄乳4Lを約1時間乳酸発酵させてpH
を4.5に低下させ、等電点凝集させたのち、さらにポ
リ塩化アルミニウム5,000mg/Lを添加して凝集さ
せ、実施例1と同様にして、凝固したタンパク質を60
メッシュのスクリーンを用いて水を切る状態で圧力をか
けて脱水し、固形物を分離した。固形物の量は1,86
0gであり、含水率は83.0重量%であった。上澄み
液の液量は2.1Lであり、CODcrは62,000mg-
O/Lであり、タンパク質含有量は8,120mg/Lで
あった。実施例1及び比較例1のタンパク質の凝固分離
の結果を第1表に、実施例1の上澄み液の生物処理の結
果を第2表に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】試験に用いた廃棄乳のCODcrは182,
000mg-O/Lであり、通常の等電点凝集によって
も、本発明方法によっても、いずれも凝固物が得られる
が、第1表に見られるように、凝固物の凝縮度合い、す
なわち固形物の含水率と、上澄み液として分離可能な液
量に大きな違いがある。比較例1では、上澄み液として
回収可能であった液量が2.1Lに過ぎず、固形物とし
ては1,860gと多量の固形物となり、回収した固形
物は含水率の高いゲル状のものであった。これに対し
て、実施例1では上澄み液が3.4Lと多く、固形物は
逆に600gと極めて濃縮された状態で回収することが
でき、十分に減容化された。回収した固形物の含水率は
48.5重量%と極めて低くまで脱水されていた。上澄
み液のCODcr濃度は両者でそれほど大きな差異はな
く、いずれも60,000mg-O/L程度であった。実施
例1で得られた上澄み液を5倍に希釈した希釈原水をU
ASB処理すると、第2表に見られるように、12kgC
ODcr/m3/dayの高負荷での処理にもかかわらず、C
ODcr除去率約90%、BOD5除去率約96%に達し
た。また、好気性処理を行うことにより、BOD5が1
5mg-O/L、懸濁物質18mg/Lの良好な水質の処理
水を得ることができた。また、タンパク質を凝固処理に
よって除去しているために、好気処理水の全りん濃度、
全窒素濃度がともに低くなっている。全窒素濃度が比較
的低いことから、沈殿槽での脱窒素に起因する汚泥浮上
も認められず、良好な処理が可能であった。
【0012】
【発明の効果】本発明のタンパク質含有廃水の処理方法
によれば、タンパク質を多量に含む廃水、特に乳タンパ
ク質を多量に含む廃水を効率的に処理し、タンパク質を
含水率の低い固形物として分離して飼料、肥料などとし
ての利用を可能とするとともに、上澄み液として分離さ
れる水分はタンパク質が除去されているために、生物処
理によってCODcr、全りん、全窒素などの濃度の低い
良好な水質の処理水を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンパク質含有廃水にタンパク質凝固酵素
    を添加してタンパク質を凝固させたのち、凝固したタン
    パク質と液状物とを分離し、分離された液状物を生物処
    理することを特徴とするタンパク質含有廃水の処理方
    法。
  2. 【請求項2】タンパク質含有廃水が乳タンパク質含有廃
    水であり、タンパク質凝固酵素がレンニンである請求項
    1記載のタンパク質含有廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】タンパク質含有廃水が、タンパク質を含有
    する廃水中のタンパク質を凝集し、スラリー状に分離し
    て得られるタンパク質含有廃水である請求項1記載のタ
    ンパク質含有廃水の処理方法。
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