JP2003039100A - 固液混合物の固液分離方法及び固液分離装置 - Google Patents

固液混合物の固液分離方法及び固液分離装置

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JP2003039100A
JP2003039100A JP2001233020A JP2001233020A JP2003039100A JP 2003039100 A JP2003039100 A JP 2003039100A JP 2001233020 A JP2001233020 A JP 2001233020A JP 2001233020 A JP2001233020 A JP 2001233020A JP 2003039100 A JP2003039100 A JP 2003039100A
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liquid mixture
heating
liquid
liquid separation
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▲書▼廷 ▲張▼
Shiyotei Cho
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KYODO SHOJI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝集剤も必要としないか少量の使用でよく、
しかも設備の小型化ができ、処理コストも大幅に削減す
ることができ、他に省エネルギーを図る。 【解決手段】 本固液分離方法は、固液混合物を発酵さ
せる発酵工程と、当該発酵工程より得られる固液混合物
を加熱する加熱工程と、当該加熱工程から得られる固液
混合物に固液分離処理を施す固液分離工程とを備えた。
本固液分離装置は、固液混合物を発酵させる発酵装置2
と、当該発酵装置2より得られる固液混合物を加熱する
加熱装置9と、当該加熱装置9から得られる固液混合物
に固液分離処理を施す固液分離装置4を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固液混合物、特に
嫌気性固液混合物の固液分離を行う、固液混合物の固液
分離方法及び固液分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】濃厚廃水、有機廃棄物又は有機廃棄液の
処理方法として、嫌気性微生物で嫌気発酵処理する方法
がある。この方法で得られた嫌気性固液混合物は、(1)
嫌気状態にあり、(2)分散系の特性を有している、とい
った特徴を有している。この固液混合物は、通常、凝集
剤を添加してプレス機械で搾り、絞り出された分離液を
生物で更に処理し、搾り滓である固形分を乾燥する分離
方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記固液混合物は上記
のような特徴を有しているので、当該固液混合物の処理
には多くの困難な点がある。
【0004】すなわち、嫌気状態にある固液混合物を凝
集させるには、通常カチオン系の凝集剤を用いるが、こ
れら凝集剤は高価であり固液混合物の処理コストが高く
なる。特に、一般的に、カチオン系凝集剤は、アニオン
系の凝集剤に比べて高価であり処理コストの増大が避け
られない。
【0005】特に、畜産廃水や漬け物工場からの廃水な
どを生物処理した余剰汚泥は、塩濃度が高いので、特殊
な凝集剤が必要であり、更に処理コストを増大させる傾
向にある。
【0006】分散系の特性を有する固液混合物を凝集さ
せるには、凝集剤の消費量が多くなる傾向があり、同様
に処理コスト面からは非常に不利である。
【0007】すなわち、嫌気性固液混合物の処理を行う
には、敷地面積を大きく占める大型の装置が必要であ
り、高価な凝集剤の大量に消費し、総合的に処理コスト
が高くなるといった解決すべき課題がある。
【0008】本発明は、凝集剤も必要としないか少量の
使用でよく、しかも設備の小型化ができ、処理コストも
大幅に削減することができる、固液混合物の固液分離方
法及び固液分離装置を提供することを目的とする。
【0009】本発明の他の目的は、廃蒸気の潜熱を利用
するようにしたものでは、省エネルギーで、コストが安
く、設備が小型化できる固液混合物の固液分離方法及び
固液分離装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
固液混合物の固液分離方法は、固液混合物を発酵させる
発酵工程と、当該発酵工程より得られる固液混合物を加
熱する加熱工程と、当該加熱工程から得られる固液混合
物に固液分離処理を施す固液分離工程とを備えた。
【0011】これにより、発酵工程で得られた固液混合
物を加熱することによりタンパク質変性が起き、これに
より凝集性が改善させられ、分離性が改善される。した
がって、高い凝集剤や処理時間が長くなりがちで設備の
大型化しやすい脱水機等使用しなくても良くなり、処理
コストが安価で処理が容易となる。
【0012】本発明の請求項2記載の固液混合物の固液
分離方法は、固液混合物を発酵させる発酵工程と、当該
発酵工程より得られる固液混合物に酸を添加する酸添加
工程と、当該酸添加工程から得られる固液混合物に固液
分離処理を施す固液分離工程とを備えた。
【0013】これにより、発酵工程で得られた固液混合
物に酸を添加することにより当該酸によりタンパク質変
性が起き、これにより凝集性が改善させられ、分離性が
改善される。したがって、高い凝集剤や処理時間が長く
なりがちで設備の大型化しやすい脱水機等使用しなくて
も良くなり、処理コストが安価で処理が容易となる。
【0014】本発明の請求項3記載の固液混合物の固液
分離方法は、固液混合物を発酵させる発酵工程と、当該
発酵工程より得られる固液混合物に酸を添加するととも
に加熱処理する酸添加・加熱工程と、当該酸添加・加熱
工程から得られる固液混合物に固液分離処理を施す固液
分離工程とを備えた。
【0015】これにより、発酵工程で得られた固液混合
物に酸を添加すること及び加熱することにより、酸添加
と加熱の相乗効果により、効率的にタンパク質変性が起
き、これにより凝集性が改善させられ、分離性が改善さ
れる。したがって、高い凝集剤や処理時間が長くなりが
ちで設備の大型化しやすい脱水機等使用しなくても良く
なり、処理コストが安価で処理が容易となる。
【0016】本発明の請求項4記載の固液混合物の固液
分離方法では、前記加熱工程又は酸添加・加熱工程にお
いて、固液混合物を60℃〜100℃に加熱することが
好ましい。
【0017】これは、60℃以下ではタンパク質変性の
効率が悪く、100℃以上にするためには加圧しなけれ
ばならず処理コストが高くなるからである。
【0018】本発明の請求項5記載の固液混合物の固液
分離方法は、前記酸添加工程又は酸添加・加熱工程にお
いて、固液混合物のPHが2.5〜3.5になるように調
整することが好ましい。
【0019】これは、PHが2.5以下であると、酸の使
用量が多くなりその後に中和処理が必要となり処理コス
トの増大を招くおそれがあり、3.5以上であると酸に
よるタンパク質変性を効率よく起こさせることができ難
いからである。
【0020】本発明の請求項6記載の固液混合物の固液
分離方法は、前記固液分離工程で生ずる沈殿物を乾燥す
る乾燥工程を備え、当該乾燥工程における乾燥過程で発
生した水蒸気に加熱又は加圧の少なくとも一方を施す加
熱加圧工程と、当該加熱加圧工程により得られた水蒸気
を前記加熱工程又は酸添加・加熱工程に返送し凝縮させ
て潜熱を放出させ、その潜熱を当該加熱工程又は酸添加
・加熱工程の熱源とする工程とを備えた。
【0021】これにより、加圧、加熱された水蒸気の凝
縮潜熱を熱源とできるので、省エネルギーに貢献する。
【0022】本発明の請求項7記載の固液混合物の固液
分離装置は、固液混合物を発酵させる発酵装置と、当該
発酵装置より得られる固液混合物を加熱する加熱装置
と、当該加熱装置から得られる固液混合物に固液分離処
理を施す固液分離装置とを備えた。
【0023】これにより、発酵装置で得られた固液混合
物を加熱することによりタンパク質変性が起き、これに
より凝集性が改善させられ、分離性が改善される。した
がって、高い凝集剤や処理時間が長くなりがちで設備の
大型化しやすい脱水機等使用しなくても良くなり、処理
コストが安価で処理が容易となる。
【0024】本発明の請求項8記載の固液混合物の固液
分離装置は、固液混合物を発酵させる発酵装置と、当該
発酵装置より得られる固液混合物に酸を添加する酸添加
装置と、当該酸添加装置から得られる固液混合物に固液
分離処理を施す固液分離装置とを備えた。
【0025】これにより、発酵装置で得られた固液混合
物に酸添加することにより当該酸によりタンパク質変性
が起き、これにより凝集性が改善させられ、分離性が改
善される。したがって、高い凝集剤や処理時間が長くな
りがちで設備の大型化しやすい脱水機等使用しなくても
良くなり、処理コストが安価で処理が容易となる。
【0026】本発明の請求項9記載の固液混合物の固液
分離装置は、固液混合物を発酵させる発酵装置と、当該
発酵装置より得られる固液混合物に酸を添加するととも
に加熱処理する酸添加・加熱装置と、当該酸添加・加熱
装置から得られる固液混合物に固液分離処理を施す固液
分離装置とを備えた。
【0027】これにより、発酵措置で得られた固液混合
物に酸を添加すること及び加熱することにより、酸添加
と加熱の相乗効果により、効率的にタンパク質変性が起
き、これにより凝集性が改善させられ、分離性が改善さ
れる。したがって、高い凝集剤や処理時間が長くなりが
ちで設備の大型化しやすい脱水機等使用しなくても良く
なり、処理コストが安価で処理が容易となる。
【0028】本発明の請求項10記載の固液混合物の固
液分離装置は、前記乾燥装置における乾燥過程で発生し
た水蒸気に加熱又は加圧の少なくとも一方を施す加熱加
圧装置と、当該加熱加圧装置により得られた水蒸気を前
記乾燥装置に返送し凝縮させて潜熱を放出させ、その潜
熱を当該乾燥装置の熱源とする加熱装置とを備えた。
【0029】これにより、加圧、加熱された水蒸気の凝
縮潜熱を熱源とできるので、省エネルギーに大きく貢献
する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の実施の形態に係る固液混合物の固液分離方法及び固液
分離装置について説明する。
【0031】図1に示すものは、実施の一形態の固液混
合物の固液分離装置により施される処理工程を示す処理
工程図である。
【0032】まず、原料である有機性廃棄物は原料前処
理装置1により原料前処理工程が施される。この原料前
処理工程では、例えば、異物の除去と原料の粉砕という
処理がなされ、微生物などに利用されやすい状態とな
る。原料前処理装置1により得られた前処理済み原料は
発酵装置(発酵槽)2内に導かれ、所定の発酵条件の下
で発酵が行われる。この発酵の結果、前処理済み原料
は、メタンガスなどを発生させガスは外に排出され、残
留固液分は嫌気性固液混合物として排出される。
【0033】発酵装置2により得られた嫌気性の固液混
合物は、曝気装置(曝気槽)3内に導入される。曝気装
置3内にはその下部から空気が注入され、前記固液混合
物と接触して反応が進行し、固液混合物中の臭気などが
追い出され、好気度合いが増加し、沈降性が良くなる。
この反応後の固液混合物は、加熱装置9内に導入され
る。この加熱装置9内で固液混合物が例えば60℃〜1
00℃に適宜の温度に加熱される。加熱方法は、適宜の
方法が採用できるが、後述するように乾燥装置6からの
廃蒸気の潜熱を利用したものが好ましい。加熱により固
液混合物内のタンパク質が変性させられ、凝集性などの
特性が改善させられる。
【0034】なお、上記加熱と併せて酸を添加するよう
にしてもよい。加熱と酸との相乗効果によりタンパク質
変性を促進させるためである。また、加熱は行わないで
酸のみを添加するように変形することができる。この場
合、固液混合物が保有する熱により反応が進む。温度に
よっては反応速度は遅いが時間をかければ所望の反応を
起こさせることが期待できる場合がある。
【0035】加熱後の固液混合物は、第1の沈殿装置
(濾過装置)4内に導入される。当該沈殿装置4では、
固液混合物の比重の大きい固相部分が沈殿して、沈殿装
置4の下部に溜まる。固液混合物の比重の小さい固相部
分は沈殿装置4の上部に溜まり上澄み液となる。溜まっ
た上澄み液は管路5を通して原料前処理装置1内に導入
される。このように上澄み液を返送するのは、主として
原料を薄めるためである。比較的に薄めになった液が原
料の前処理工程に使用されるので、システムに入る水が
少なくてすむ。なお、原料の粘度や濃度が希釈する必要
がない場合には上澄み液の返送は不要である。
【0036】第1の沈殿装置4の下部に溜まった主とし
て固相部分は、乾燥装置6に導入される。この乾燥装置
6では、固液混合物の固相部分に含まれる水分が蒸発さ
せられ、残りの固相部分は乾燥固形物として排出され
る。乾燥装置6から蒸発した水分(廃蒸気)は乾燥装置
6に付設された若しくは別途設置した加圧加熱装置(図
示せず)により加圧又は加熱の少なくとも一方が施さ
れ、乾燥装置6に返送される。返送された廃蒸気は凝縮
して潜熱を放出する。放出された潜熱は乾燥装置6の熱
源として使用される。
【0037】凝縮した廃蒸気(凝縮水)は、乾燥蒸発過
程で少量の有機物質が水蒸気と一緒に飛び出し、凝縮水
の中に入り込む場合がある。この場合には、好気性生物
処理装置(好気性生物処理漕)7に導かれる。好気性生
物処理装置7内には空気が注入され、微生物により凝縮
水内の有機性物質が分解される。これにより、厳しい廃
水基準を満たすことができる。なお、凝縮水は、生物処
理装置以外の処理装置を用いても良い。また、凝縮水の
成分等によっては、生物処理装置を設けないで、そのま
ま放流するなどしてもよい。
【0038】生物処理装置7により処理された凝縮水
は、第2の沈殿装置8に導かれる。この沈殿装置8の上
澄み液は放流水として放出されるか、若しくは他の用途
(例えば、原料の前処理工程で原料の希釈に使用するな
ど)に使用される。沈殿装置8の下部に沈殿した濃縮汚
泥は、曝気装置3の上流の通路に戻され、発酵装置2か
らの固液混合物と合流して曝気装置3内に導かれる。こ
のように濃縮汚泥を曝気装置3の上流に戻すのは、好気
性微生物の導入により嫌気性固液混合物の性状変化を促
進させるとともに、濃縮汚泥を処理プロセス外に一切出
さないようにするためである。この結果、濃縮汚泥は乾
燥装置6から排出される乾燥固形物としてのみ、処理プ
ロセスから排出されることになる。なお、本実施の形態
では、曝気装置3の上流に返送するようにしたが、前記
乾燥装置6の上流側、例えば、曝気装置3の下流でかつ
第1の沈殿装置4の上流側に、返送する等の変更が可能
である。
【0039】上記実施の形態は、好適な例を示すもので
あり、処理装置の構成は適宜変更することができる。例
えば、第1の沈殿装置4を省略することができる。これ
は、固液混合物の濃度が濃く、かつ、沈殿しにくい性状
を有している場合に行う。同様に生物処理装置6、第2
の沈殿装置8も省略できる。これは、乾燥工程の凝縮水
にあまり有機性物質が含まれない場合、又は、他の施設
に放流できる場合などに行う。さらに曝気装置3の省略
も可能である。これは、乾燥装置に充分な防食処置を施
してある場合、曝気しても固液混合物の沈降性をあまり
改善することができない場合などに行う。さらに、発酵
装置2から直接乾燥装置6に固液混合物を導き、乾燥を
行うようにしても良い。
【0040】また、上記実施の形態では、第2の沈殿装
置8により得られる濃縮汚泥を乾燥装置6の上流側に返
送するようにしているが、発生量が少ない等の事情があ
る場合には、返送せずに処理プロセスから排出させて、
別途処理するようにしても良い。
【0041】第1の沈殿装置から排出される固形分の一
部を曝気装置に環流させるようにしてもよい。さらに、
第2の沈殿装置から排出される濃縮汚泥の一部を好気生
物処理装置に環流させるようにしてもよい。
【0042】また上記実施の形態では、従来の方法では
嫌気性固液混合物の処理が非常に困難であるので、嫌気
性固液混合物を処理する場合について説明したが、比較
的処理しやすい好気性固液混合物を処理する場合にも使
用することができる。
【0043】上記実施の形態では、高い凝集剤や処理時
間が長くなりがちで設備の大型化しやすい脱水機等を使
用しないので、コストを安価にでき処理も容易となる。
また、乾燥工程で発生する水蒸気には難分解性の成分な
どが入り難く、難分解性の成分等は乾燥後の乾燥固形物
に残留するので、水蒸気の処理を極めて容易にできる。
【0044】曝気装置による好気発酵により混合液中の
Sなどを追い出し、後工程における腐食などの問題
を防止できる等、その後の処理が容易になるとともに、
濃縮汚泥が処理プロセスから排出されないため、汚泥処
理に特別の装置が必要でなく、コスト面等から極めて好
適である。生物処理工程による微生物による分解等によ
りその後の処理を容易にできる。
【0045】曝気によりHSなどを追い出すと同時
に、混合液が好気状態に転ずることにより、沈降性が改
善され、沈殿池での濃縮がし易くできる。また、第1の
沈殿工程により上澄みの除去されたいわゆる濃縮された
固液混合物を乾燥工程に送ることができ処理効率を高め
ることができるとともに、乾燥工程等に使用される設備
の小型化を図ることができる。
【0046】上澄み液により前処理工程における固液混
合物の希釈が行われ、発酵工程等における処理効率を高
めることができる。
【0047】加圧、加熱された水蒸気の凝縮潜熱を熱源
とできるので、省エネルギーに貢献できる。
【0048】次に、図2に、本発明の他の実施の形態の
固液混合物の固液分離装置により施される処理工程を示
す処理工程図を示す。
【0049】原料である有機性廃棄物は原料前処理装置
11により原料前処理工程が施される。原料前処理装置
11により得られた前処理済み原料は発酵装置(発酵
槽)12内に導かれ、所定の発酵条件の下で発酵が行わ
れる。この発酵の結果、前処理済み原料は、メタンガス
などを発生させガスは外に排出され、残留固液分は嫌気
性固液混合物として排出される。
【0050】図2に示すように、発酵装置12により得
られた嫌気性の固液混合物は、曝気装置(曝気槽)13
内に導入される。曝気装置13内にはその下部から空気
が注入され、前記固液混合物と接触して反応が進行す
る。この反応後の固液混合物は、加熱装置19内に導入
される。この加熱装置19内で固液混合物が例えば60
℃〜100℃の適宜の温度に加熱される。加熱後の固液
混合物は、沈殿装置(濾過装置)14内に導入される。
当該沈殿装置14では、固液混合物の比重の大きい固相
部分が沈殿して、沈殿装置14の下部に溜まる。固液混
合物の比重の小さい固相部分は沈殿装置4の上部に溜ま
り上澄み液となる。溜まった上澄み液は管路15を通し
て原料前処理装置11の下流側であって発酵装置12の
上流側に導入される。
【0051】沈殿装置14の下部に溜まった主として固
相部分は、乾燥装置16に導入される。この乾燥装置1
6では、固液混合物の固相部分に含まれる水分が蒸発さ
せられ、残りの固相部分は乾燥固形物として排出され
る。乾燥装置16から蒸発した水分(廃蒸気)は乾燥装
置16に付設された若しくは別途設置した加圧加熱装置
(図示せず)により加圧又は加熱の少なくとも一方が施
され、凝縮液として排出される。
【0052】次に、図3に、本発明の他の実施の形態の
固液混合物の固液分離装置により施される処理工程を示
す処理工程図を示す。
【0053】図3に示すものでは、原料である有機性廃
棄物は、図2と同様に、原料前処理装置11から発酵装
置12に導かれる。発酵装置12から得られた嫌気性の
固液混合物は、加熱装置19内に導入される。この加熱
装置19内で固液混合物が例えば60℃〜100℃の適
宜の温度に加熱される。加熱後の固液混合物は、沈殿装
置(濾過装置)14内に導入される。溜まった上澄み液
は管路15を通して原料前処理装置11の下流側であっ
て発酵装置12の上流側に導入され、下部に溜まった主
として固相部分は、乾燥装置16に導入される。固液混
合物の固相部分は乾燥固形物として排出され、水分(廃
蒸気)は凝縮液として排出される。
【0054】
【実験例】以下、本発明の固液混合物の固液分離方法の
効果を、実験例により更に説明する。 (実験例1)固形分4.05%の畜産糞尿のメタン発酵
スラリー5リットルを95〜100℃で5分間加熱した
後に、濾紙で濾過し、濾過時間、濾過ケーキの含水率を
測定した。その結果を表1に示す。比較のために、同一
のスラリーに凝集剤を添加して濾過した実験結果(比較
例1)も併せて示す。
【0055】表1に示されるように、実験例1は比較例
1の場合に比べてケーキの含水率はほぼ等しく、濾過時
間が若干長いが、実用上の問題はないということが分か
る。実験例1の加熱によるコストを、凝集剤のコストと
比較すると、凝集剤の場合の55%であり、実験例1の
方が低コストであるといえる。
【0056】(実験例2)固形分3.05%の漬け物工
場からの排水を生物処理した廃水汚泥3リットルに酸を
添加してPH3.5に調整し70〜75℃で5分間加熱
した後に、濾紙で濾過し、濾過時間、濾過ケーキの含水
率を測定した。その結果を表2に示す。比較のために、
同一の排水汚泥に凝集剤を添加して濾過した実験結果
(比較例2)も併せて示す。
【0057】表2に示されるように、実験例2、比較例
2とも、濾過時間及びケーキの含水率ともの同水準であ
った。実験例2の場合における加熱及び薬剤コストは、
凝集剤のコストに比べて62%であり、本実験例2の方
が低コストであるといえる。
【0058】(実験例3)固形分4.15%の生活廃水
を生物処理するシステムの砂沈降池と余剰汚泥嫌気減容
槽の混合汚泥3リットルを80〜85℃で5分間加熱し
た後に、濾紙で濾過し、濾過時間と濾過ケーキの含水率
を測定した。その結果を表3に示す。比較のため凝集剤
を添加して濾過した実験結果(比較例3)も併せて記載
した。
【0059】表3に示されるように、実験例3、比較例
3とも濾過時間、ケーキの含水率とも同水準であった。
実験例3の加熱コストは、凝集剤のコストに比べて62
%であり、本実験例3の方が低コストであるといえる。
【0060】(実験例4)図1のフロー工程図と同じ
で、下記の操作条件で実験を行った。農畜糞尿及び豆腐
工場の大豆殻を原料に用いてメタン発酵を行ったスラリ
ーを用いて実験した。スラリーはpH7.3、SS4.06%、電
気伝導度22900μs、真っ黒、繊維が多いものであった。
【0061】生物性好気処理槽は、前段が流動層で後段
は通常の曝気槽で構成され、その前段と後段がそれぞれ
トータル容積の2/3と1/3を占めている。流動層には直径
が約3-5mmのポリウレタンフォームの発泡体を担体に用
いられている。
【0062】実験における滞留時間は、曝気槽3に8時
間、第1の沈殿槽4に4時間、生物好気処理槽7に12時
間、第2の沈殿槽8に2.0時間とした。
【0063】比較のために、無機系のポリ塩化アルミニ
ウムとカチオン高分子凝集剤のポリアクリルアミドを用
いて嫌気性固液混合物の固形分(滓)を凝集させ、脱水
機(プレス装置)を用いて、凝集した固形分を絞って固
形分を乾燥させ、絞られた濾過水廃水を処理する比較実
験(比較例4)をを行った。
【0064】 表4 本発明 比較例4 凝集剤使用量(kg/T混合液) 0 0.9 廃水処理時間 4 48 排水CODCr 40 300 色度 8 150
【0065】このように、本発明の固液混合物の固液分
離方法によれば、高い処理能力でしかも低コストで実現
することが実証された。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固液混合
物の固液分離方法及び固液分離装置によれば、以下のよ
うな効果を奏する。
【0067】(1)発酵工程で得られた固液混合物を加
熱することによりタンパク質変性を起こさせ、凝集性を
改善し、分離性を改善することができる。この結果、高
い凝集剤や処理時間が長くなりがちで設備の大型化しや
すい脱水機等使用しなくても良くなり、処理コストを安
価とし処理を容易とすることができる。
【0068】(2)発酵工程で得られた固液混合物に酸
添加することにより当該酸によりタンパク質変性を起さ
せ、これにより凝集性を改善し、分離性を改善すること
ができる。この結果、高い凝集剤や処理時間が長くなり
がちで設備の大型化しやすい脱水機等使用しなくても良
くなり、処理コストを安価とし処理を容易にすることが
できる。
【0069】(3)発酵工程で得られた固液混合物に酸
添加すること及び加熱することにより、酸添加と加熱の
相乗効果により、効率的にタンパク質変性を起こさせ凝
集性を改善し、分離性を改善することができる。この結
果、高い凝集剤や処理時間が長くなりがちで設備の大型
化しやすい脱水機等使用しなくても良くなり、処理コス
トを安価にし処理を容易にすることができる。
【0070】(4)固液混合物を60℃〜100℃に加
熱することが好ましいが、この範囲では、タンパク質変
性の効率を高く維持でき、また加圧が不要であり処理コ
ストの増大を抑制できる。
【0071】(5)固液混合物のPHが3.0〜3.5に
調整することが好ましいが、この範囲であれば、タンパ
ク質変性の効率を高く維持でき、また中和が不要であり
処理コストの増大を抑制できる。
【0072】(6)加圧、加熱された水蒸気の凝縮潜熱
を熱源とすれば、省エネルギーに貢献することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る、固液混合物の固
液分離方法を示す工程図である。
【図2】本発明の実施の他の形態に係る、固液混合物の
固液分離方法を示す工程図である。
【図3】本発明の実施の更に他の形態に係る、固液混合
物の固液分離方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1,11 原料前処理装置 2,12 発酵装置 3,13 曝気装置 4 第1の沈殿装置 6,16 乾燥装置 7 好気性生物処理装置 8 第2の沈殿装置 9,19 加熱装置 14 沈殿装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D059 AA01 AA07 BA02 BA03 BA12 BA27 BA31 BD00 BE13 BE31 BE49 BE53 BF02 BF12 BK11 BK17 CA04 CA21 DA31 DB08 EB05 EB06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固液混合物を発酵させる発酵工程と、当
    該発酵工程より得られる固液混合物を加熱する加熱工程
    と、当該加熱工程から得られる固液混合物に固液分離処
    理を施す固液分離工程とを備えたことを特徴とする固液
    混合物の固液分離方法。
  2. 【請求項2】 固液混合物を発酵させる発酵工程と、当
    該発酵工程より得られる固液混合物に酸を添加する酸添
    加工程と、当該酸添加工程から得られる固液混合物に固
    液分離処理を施す固液分離工程とを備えたことを特徴と
    する固液混合物の固液分離方法。
  3. 【請求項3】 固液混合物を発酵させる発酵工程と、当
    該発酵工程より得られる固液混合物に酸を添加するとと
    もに加熱処理する酸添加・加熱工程と、当該酸添加・加
    熱工程から得られる固液混合物に固液分離処理を施す固
    液分離工程とを備えたことを特徴とする固液混合物の固
    液分離方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱工程又は酸添加・加熱工程にお
    いて、固液混合物を60℃〜100℃に加熱することを
    特徴とする請求項1又は3に記載の固液混合物の固液分
    離方法。
  5. 【請求項5】 前記酸添加工程又は酸添加・加熱工程に
    おいて、固液混合物のPHが2.5〜3.5になるように
    調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の固液
    混合物の固液分離方法。
  6. 【請求項6】 前記固液分離工程で生ずる沈殿物を乾燥
    する乾燥工程を備え、当該乾燥工程における乾燥過程で
    発生した水蒸気に加熱又は加圧の少なくとも一方を施す
    加熱加圧工程と、当該加熱加圧工程により得られた水蒸
    気を前記加熱工程又は酸添加・加熱工程に返送し凝縮さ
    せて潜熱を放出させ、その潜熱を当該加熱工程又は酸添
    加・加熱工程の熱源とする工程とを備えたことを特徴と
    する請求項1,3,4のいずれかに記載の固液混合物の
    固液分離方法。
  7. 【請求項7】 固液混合物を発酵させる発酵装置と、当
    該発酵装置より得られる固液混合物を加熱する加熱装置
    と、当該加熱装置から得られる固液混合物に固液分離処
    理を施す固液分離装置とを備えたことを特徴とする固液
    混合物の固液分離装置。
  8. 【請求項8】 固液混合物を発酵させる発酵装置と、当
    該発酵装置より得られる固液混合物に酸を添加する酸添
    加装置と、当該酸添加装置から得られる固液混合物に固
    液分離処理を施す固液分離装置とを備えたことを特徴と
    する固液混合物の固液分離装置。
  9. 【請求項9】 固液混合物を発酵させる発酵装置と、当
    該発酵装置より得られる固液混合物に酸を添加するとと
    もに加熱処理する酸添加・加熱装置と、当該酸添加・加
    熱装置から得られる固液混合物に固液分離処理を施す固
    液分離装置とを備えたことを特徴とする固液混合物の固
    液分離装置。
  10. 【請求項10】 前記固液分離工程で生ずる沈殿物を乾
    燥する乾燥装置を備え、当該乾燥装置における乾燥過程
    で発生した水蒸気に加熱又は加圧の少なくとも一方を施
    す加熱加圧装置と、当該加熱加圧装置により得られた水
    蒸気を前記加熱装置又は酸添加・加熱装置に返送し凝縮
    させて潜熱を放出させ、その潜熱を当該加熱工程又は酸
    添加・加熱装置の熱源とする装置とを備えたことを特徴
    とする請求項7又は9に記載の固液混合物の固液分離装
    置。
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