JP2002143691A - 光触媒体、その製造方法およびそれを用いてなる光触媒体コーティング剤 - Google Patents

光触媒体、その製造方法およびそれを用いてなる光触媒体コーティング剤

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JP2002143691A
JP2002143691A JP2000341713A JP2000341713A JP2002143691A JP 2002143691 A JP2002143691 A JP 2002143691A JP 2000341713 A JP2000341713 A JP 2000341713A JP 2000341713 A JP2000341713 A JP 2000341713A JP 2002143691 A JP2002143691 A JP 2002143691A
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titanium oxide
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Akinori Okusako
顕仙 奥迫
Hiroyuki Ando
博幸 安東
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光線の照射によって高い活性を示す光触
媒体、その製造方法およびそれを用いてなる光触媒体コ
ーティング剤を提供する。 【解決手段】 酸化チタンの表面に塩基性金属化合物を
有し、かつアナターゼ型の結晶構造をもち、アナターゼ
結晶子径が10nm以上であることを特徴とする光触媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒体、その製造
方法およびそれを用いてなる光触媒体コーティング剤に
関するものである。詳細には、可視光線の照射によって
高い活性を示す光触媒体およびその製造方法、さらに
は、建材などに光触媒機能を付与するときに使用する光
触媒体コーティング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体に紫外線を照射すると強い還元作
用を持つ電子と強い酸化作用を持つ正孔が生成し、半導
体に接触した分子種を酸化還元作用により分解する。こ
のような作用を光触媒作用と呼び、この光触媒作用を利
用することによって、大気中の有機溶剤などを分解除去
することができる。光触媒作用を示す物質として酸化チ
タンが注目され、酸化チタンからなる光触媒体が市販さ
れている。
【0003】しかしながら、現在市販されている光触媒
体は、可視光線を照射する場合には十分な活性を示すも
のではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、可視
光線の照射によって高い活性を示す光触媒体、その製造
方法およびそれを用いてなる光触媒体コーティング剤を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、酸化チタ
ンの光触媒活性の向上について検討した結果、本発明を
完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、酸化チタンの表面に塩
基性金属化合物を有し、かつアナターゼ型の結晶構造を
もち、アナターゼ結晶子径が10nm以上であることを
特徴とする光触媒体を提供するものである。
【0007】また本発明は、チタン化合物の水溶液と塩
基を60℃以下で反応させ、得られた生成物を焼成して
酸化チタンを得、この酸化チタンを塩基性金属化合物の
溶液またはスラリーに接触させた後、加熱することを特
徴とする前記の光触媒体の製造方法を提供するものであ
る。
【0008】さらに本発明は、前記の光触媒体と溶液を
含む光触媒体コーティング剤を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光触媒体は、酸化チタンを基材とするものであ
る。基材である酸化チタンは、TiO2なる組成式で表
され、アナターゼ型の結晶構造をもつ。この酸化チタン
は、粒子、薄膜等いずれの形状であってもよい。
【0010】この酸化チタンは、例えば、オキシ硫酸チ
タン、硫酸チタン、オキシ塩化チタン、塩化チタンのよ
うなチタン化合物の水溶液と塩基を反応させ、得られた
生成物を焼成する方法で調製することができる。このと
きに用いる塩基としては、例えばアンモニア、アミン類
等が挙げられ、その塩基の使用量は、水溶液中のチタン
化合物を水酸化チタンに変えるのに必要な塩基の化学量
論量に対し、1.2倍以上、さらには2倍以上が好まし
く、また20倍以下、さらには10倍以下が適当であ
る。反応温度は通常60℃以下、好ましくは40℃以下
であり、また焼成温度は通常300℃以上、好ましくは
350℃以上であり、600℃以下、さらには500℃
以下が適当である。また、基材である酸化チタンは、オ
キシ硫酸チタンを塩基と反応させることなしに、空気流
通下で焼成する方法により調製することもできる。
【0011】基材である酸化チタン表面には、塩基性金
属化合物が存在させられる。塩基性金属化合物を構成す
る金属は、チタン以外のものである。この塩基性金属化
合物はブレンステッド塩基点またはルイス塩基点をもつ
ものであればよく、例えば、アルカリ、アルカリ土類、
希土類、亜鉛のような金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩
等が挙げられる。これらの塩基性金属化合物の具体例と
しては、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ランタン、
酸化セリウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸
化バリウム、水酸化ランタン、水酸化セリウム、水酸化
亜鉛、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ランタン、炭
酸セリウム、炭酸亜鉛等がある。これらの塩基性金属化
合物のうち1種が基材である酸化チタンの表面に存在し
ていてもよいし、2種以上が存在していてもよい。
【0012】この塩基性金属化合物は、基材である酸化
チタンの表面全体を被覆するように存在してもよいし、
酸化チタンの表面の一部を被覆するように存在してもよ
い。酸化チタンの表面の一部が塩基性金属化合物で被覆
されている光触媒体には、例えば、上述した塩基性金属
化合物が酸化チタンの上に点として不連続に存在するも
の、塩基性金属化合物が酸化チタンの上に線状または格
子状に連続して存在するもの等がある。塩基性金属化合
物の量は、基材である酸化チタンのチタンに対し金属元
素換算で0.05mol%以上、さらには0.1mol
%以上であることが好ましい。一方、塩基性金属化合物
の量があまり多くなると、光触媒体の活性が低下するこ
とがあるので、50mol%以下、さらには30mol
%以下、とりわけ10mol%以下が好ましい。
【0013】酸化チタンの表面に塩基性金属化合物を存
在させ、特定の結晶構造を有する本発明の光触媒体が高
い活性を示す機構については必ずしも明らかではない
が、酸化チタンの表面に存在する塩基性金属化合物がも
つ塩基点に硫化水素、イソ酪酸、酢酸のような酸性物質
が選択的に吸着し、その塩基点に吸着した酸性物質が、
可視光線の照射で酸化チタンに生成した電子と正孔によ
り、効率的に分解されることが影響しているものと考え
られる。
【0014】本発明の光触媒体は、上で述べた基材であ
る酸化チタンの表面に塩基性金属化合物が存在するもの
であって、X線回折(以下、XRDという。)によりア
ナターゼ型の結晶構造が観察されるものであり、そのX
RDスペクトルから求められるアナターゼ結晶子径が1
0nm以上である。光触媒体のアナターゼ結晶子径が1
0nm未満であると、可視光線の照射により十分な光触
媒活性を示さない。光触媒体のアナターゼ結晶子径は大
きいほど、その光触媒活性は高くなる傾向にあるので、
その結晶子径は13nm以上であることが好ましい。な
お、アナターゼ結晶子径はXRDスペクトルにおける
(101)面に相当するピーク位置とその半価幅から求
めることができる。酸化チタンのアナターゼ型結晶をX
線回折にかけたとき、その(101)面に相当するピー
クは、概ね回折角2θ=25°付近に現れる。
【0015】本発明の光触媒体は、紫外可視拡散反射ス
ペクトルを測定して、波長220nm〜800nmの吸
光度の積分値をAとし、波長400nm〜800nmの
吸光度の積分値をBとしたとき、式(I) X=B/A (I) により算出される指数Xが0.2以上、さらには0.2
5以上であることが好ましい。尚、吸光度の積分値は、
縦軸を吸光度、横軸を波長とした紫外可視拡散反射スペ
クトルにおいて、指定された波長の範囲内で横軸と拡散
反射スペクトルとで囲まれた領域の面積を示す。
【0016】また、本発明の光触媒は、BET比表面積
をC(m2/g)とし、CO2吸着量をD(μmol/
g)としたとき、式(II) Y=D/C (II) により算出される指数Yが0.8以上であることが好ま
しい。このCO2吸着量は、通常、光触媒体表面の塩基
点の数に比例し、CO2吸着量が大きい光触媒体は塩基
点を多くもつことになる。指数Yが大きいほど、光触媒
体の単位面積あたりの塩基点数が多いこと、すなわち塩
基点密度が高いことを意味する。CO2吸着量は、例え
ば、光触媒体を真空脱気した後、二酸化炭素(CO2
存在雰囲気中に保持して光触媒体にCO2を吸着させた
後、ヘリウム気流のようなCO2が存在しない気流中で
加熱昇温して、吸着したCO2を脱離させ、その脱離し
たCO2量を測定する方法(CO2吸着昇温脱離法)によ
り求めることができる。
【0017】酸化チタンの表面に塩基性金属化合物を有
し、かつ特定の結晶子径をもつ本発明の光触媒体は、例
えば、上述した基材である酸化チタンを塩基性金属化合
物の溶液またはスラリーに接触させた後、加熱する方法
(含浸法)で製造することができる。含浸に用いる化合
物には、アルカリ、アルカリ土類、希土類、亜鉛等の酸
化物、水酸化物および炭酸塩の他、加熱することによっ
て塩基性金属酸化物になる化合物、例えば、アンモニウ
ム塩、硫酸塩、塩化物、有機酸塩、アルコキシド等であ
ってもよい。このときの加熱は、通常、200℃以上、
さらには250℃以上で行われることが好ましく、また
600℃以下、さらには500℃以下で行われることが
適当である。酸化チタンの表面に塩基性金属化合物を存
在させるには、酸素分圧を調整した密閉容器内に、基材
である酸化チタンと、塩基性金属化合物またはそれにな
りうる金属とを入れ、この化合物または金属を融解、蒸
発させて、その蒸気を酸化チタンの表面に凝着させ、金
属酸化物膜とする方法(蒸着法)等、含浸法以外の方法
を適用することもできる。
【0018】また例えば、含浸法、蒸発法等により酸化
チタンの表面に塩基性金属酸化物を生成させ、得られた
塩基性金属酸化物被覆酸化チタンに水蒸気処理を施すこ
とによって、表面に塩基性金属化合物の存在する酸化チ
タンとすることもできる。さらには、含浸法、蒸発法等
により酸化チタンの上に塩基性金属酸化物を生成させ、
得られた塩基性金属酸化物被覆酸化チタンを炭酸ガス雰
囲気中に保持することによって、表面に塩基性金属炭酸
塩の存在する酸化チタンとすることもできる。
【0019】得られる光触媒体は、通常、粒子状である
が、必要に応じて、高分子樹脂、結合剤、成形助剤、帯
電防止剤、吸着剤等が添加され、成形されてペレット、
繊維またはシートとすることもできる。
【0020】この光触媒体の使用例としては、可視光線
を透過するガラス容器内に光触媒体と被処理物とを入
れ、光源を用いて光触媒体に波長430nm以上である
可視光線を照射する方法等が挙げられる。照射時間は、
光源の光線強度および被処理物の種類や濃度に応じて適
宜選択すればよい。用いる光源は、波長が430nm以
上である可視光線を照射できるものであれば制限される
ものではなく、例えば、太陽光線、蛍光灯、ハロゲンラ
ンプ、ブラックライト、キセノンランプ、水銀灯または
ナトリウムランプ等が適用できる。
【0021】本発明の光触媒体コーティング剤は、前述
した特定の光触媒体と溶媒とを含む。
【0022】光触媒体コーティング剤は、建築材料、自
動車材料等に光触媒体を塗布することを容易にし、かつ
これらの材料に高い光触媒活性を付与することを可能と
する。このコーティング剤を塗布した建築材料および自
動車材料は、大気中のNOxを分解したり、悪臭物質
(例えば、硫化水素、イソ酪酸)を分解したり、水中の
有機溶剤、農薬、界面活性剤を分解したり、または細菌
(例えば、放射菌)、藻類、黴類等の増殖を抑制するこ
とに適用できる。光触媒体コーティング剤の調製に用い
る溶媒としては、酸化チタンの表面に存在する塩基性金
属化合物を溶解せず、かつ塗布後に蒸発して光触媒体に
残存しないものが好ましく、例えば、水、塩酸、アルコ
ール類、ケトン類等が挙げられる。この光触媒体コーテ
ィング剤は、例えば、上で示した光触媒体を水、アルコ
ール類、ケトン類のような溶媒に分散させてスラリー化
する方法、または光触媒体を希塩酸で解膠させる方法等
によって製造することができる。光触媒体コーティング
剤は、必要に応じて分散剤を添加し調製してもよい。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、光触媒体の物性測定は以下の方法で行った。
【0024】(1)アナターゼ結晶子径:光触媒体を乳
鉢にて粉砕した後、XRD装置(商品名“RAD−II
A”、理学電機製)でXRDスペクトルを測定し、(1
01)面のピークの半価幅β(ラジアン)と(101)
面のピーク位置2θ(ラジアン)を求め、下式により結
晶子径L(nm)を算出した。 L=K・λ/(β・cosθ) 〔式中、KはScherrer定数0.94、λ(nm)は測定
X線波長(CuKα線:0.15406nm)を表
す。〕
【0025】(2)指数X:紫外可視分光光度計(商品
名“UV−2500PC”、島津製作所製)を用い、硫
酸バリウムを標準白板として紫外可視拡散反射スペクト
ルを測定し、このスペクトルから波長220〜800n
mの吸光度の積分値Aと400〜800nmの吸光度の
積分値Bを求めた。これらの値をもとに、前記式(I)
から指数Xを算出した。
【0026】(3)指数Y:窒素吸着法によりBET比
表面積を測定する。昇温脱離装置(大倉理研製)を用
い、光触媒体を真空脱気した後、100℃、13300
Paの条件下で二酸化炭素(CO2)を30分間吸着さ
せた後、100℃で30分間CO2を排気する。その
後、20ml/minのヘリウム気流中、10℃/mi
nで100℃から800℃まで昇温して、昇温のとき脱
離してくる物質の内、質量mと電荷eの比m/eが44
である成分を四重極型質量分析計で測定し、このときの
測定値をCO2吸着量とする。上で得られたBET比表
面積をC(m2/g)とし、CO2吸着量をD(μmol
/g)として、前記式(II)から指数Yを算出した。
【0027】実施例1 〔酸化チタンの調製〕オキシ硫酸チタン(添川理化学
製)1515gを水6064gに溶解させた。このオキ
シ硫酸チタン水溶液を、氷冷下、67rpmで攪拌しな
がら、そこに25%アンモニア水(試薬1級、和光純薬
工業製)1694gを18ml/minで添加して加水
分解させ、スラリーを得た。このとき使用したアンモニ
ア水の量は、オキシ硫酸チタンを水酸化チタンに変える
ために必要な量の2倍であった。上で得られたスラリー
を濾過し、得られた固形物を温水で洗浄し、乾燥して粉
末を得た。この粉末を390℃の空気中で1時間焼成し
た後、室温まで冷却して、含水率15重量%の粒子状ア
ナターゼ型酸化チタンを得た。
【0028】〔塩基性金属化合物の被覆〕硝酸亜鉛6水
和物(Zn(NO32・6H2O、和光純薬工業製)
0.3gを100gの水に溶解させた。この水溶液の中
に上で得られた粒子状アナターゼ型酸化チタン3.2g
を添加し、常温常圧下で20分間攪拌した。この混合物
をさらに攪拌しながら減圧し、55℃で水分を蒸発させ
て乾燥した後、300℃の空気中で1時間加熱して、光
触媒体を得た。この光触媒体は、酸化チタンの上に、該
酸化チタン中のチタン量を基準に亜鉛換算で3mol%
の酸化亜鉛を有するものであった。この光触媒体のXR
Dスペクトルを図1に、このXRDスペクトルのうち
(101)面のピーク位置近傍の拡大図を図2に、ピー
ク位置、半価幅およびアナターゼ結晶子径を表1に示
し、紫外可視拡散反射スペクトルを図3に、指数Xを表
2に示す。また、この光触媒体の指数Yを表3に示す。
【0029】〔光触媒体の活性評価〕直径8cm、高さ
10cm、容量約0.5リットルの密閉式ガラス製容器
内に、直径5cmのガラス製シャーレを設置し、そのシ
ャーレ上に、上で得られた光触媒体0.3gを置いた。
容器内を酸素20容量%と窒素80容量%とからなる混
合ガスで満たし、酢酸を4.46μmol封入し、容器
の外から可視光線を照射した。可視光線の照射には、5
00Wキセノンランプ(商品名“ランプUXL−500
SX”、ウシオ電機製)を取り付けた光源装置(商品名
“オプティカルモジュレックスSX−UI500X
Q”、ウシオ電機製)に、波長約430nm以下の紫外
線をカットするフィルター(商品名“Y−45”、旭テ
クノガラス製)と波長約830nm以上の赤外線をカッ
トするフィルター(商品名“スーパーコールドフィルタ
ー”、ウシオ電機製)とを装着したものを光源として用
いた。可視光線の照射により酢酸が分解すると、二酸化
炭素が発生するので、二酸化炭素の濃度を光音響マルチ
ガスモニタ(型番“1312型”、INNOVA製)で
経時的に測定し、濃度変化より算出した二酸化炭素の生
成速度により、光触媒体の酢酸に対する光分解作用を評
価した。この例における二酸化炭素の生成速度は光触媒
体1gあたり5.97μmol/hであった。
【0030】実施例2 〔塩基性金属化合物の被覆〕硝酸セリウム6水和物(C
e(NO33・6H2O、和光純薬工業製)0.42g
を100gの水に溶解させた。この水溶液100gに、
実施例1と同じ方法で調製した粒子状アナターゼ型酸化
チタン3.0gを添加し、常温常圧下で20分間攪拌し
て混合した。この混合物をさらに攪拌しながら減圧し、
55℃で水分を蒸発させて乾燥した後、300℃の空気
中で1時間加熱して、光触媒体を得た。この光触媒体
は、酸化チタンの上に、該酸化チタン中のチタン量を基
準にセリウム換算で3mol%の酸化セリウムを有する
ものであった。この光触媒体のXRDスペクトルを図4
に、このXRDスペクトルのうち(101)面のピーク
位置近傍の拡大図を図5に、ピーク位置、半価幅および
アナターゼ結晶子径を表1に示し、紫外可視拡散反射ス
ペクトルを図6に、指数Xを表2に示す。また、この光
触媒体の指数Yを表3に示す。
【0031】〔光触媒体の活性評価〕上で得られた光触
媒体について、実施例1と同一条件で活性評価を行っ
た。この例における二酸化炭素の生成速度は光触媒体1
gあたり2.63μmol/hであった。
【0032】比較例1 市販の酸化チタン(商品名“ST−01”、石原産業
製)に、実施例1の〔塩基性金属化合物の被覆〕と同様
の操作を施して、光触媒体を製造した。この光触媒体
は、酸化チタンの上に、該酸化チタン中のチタン量を基
準に亜鉛換算で3mol%の酸化セリウムを有するもの
であった。この光触媒体のXRDスペクトルを図7に、
このXRDスペクトルのうち(101)面のピーク位置
近傍の拡大図を図8に、ピーク位置、半価幅およびアナ
ターゼ結晶子径を表1に示し、紫外可視拡散反射スペク
トルを図9に、指数Xを表2に示す。また、この光触媒
体の指数Yを表3に示す。
【0033】上で得られた光触媒体について、実施例1
と同一条件で活性評価を行った。この例における二酸化
炭素の生成速度は触媒1gあたり1.57μmol/h
であった。
【0034】比較例2 市販の酸化チタン(商品名“ST−01”、石原産業
製)に、実施例2の〔塩基性金属化合物の被覆〕と同様
の操作を施して、光触媒体を製造した。この光触媒体
は、酸化チタンの上に、該酸化チタン中のチタン量を基
準にセリウム換算で3mol%の酸化セリウムを有する
ものであった。この光触媒体のXRDスペクトルを図1
0に、このXRDスペクトルのうち(101)面のピー
ク位置近傍の拡大図を図11に、ピーク位置、半価幅お
よびアナターゼ結晶子径を表1に示し、紫外可視拡散反
射スペクトルを図12に、指数Xを表2に示す。また、
この光触媒体の指数Yを表3に示す。
【0035】上で得られた光触媒体について、実施例1
と同一条件で活性評価を行った。この例における二酸化
炭素の生成速度は触媒1gあたり0.68μmol/h
であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明の光触媒体は、高い光触媒作用を
示し、酢酸、イソ酪酸のようなカルボン酸、硫化水素等
の酸性物質を効率よく分解する。本発明の光触媒体コー
ティング剤は、建築材料、自動車材料等に光触媒体を塗
布することを容易にし、これらの材料に高い光触媒作用
を付与することを可能とする。また、本発明の光触媒体
の製造方法によれば、前記の光触媒体を容易に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた光触媒体のXRDスペク
トル。
【図2】 実施例1で得られた光触媒体の(101)面
のピーク位置近傍のXRDスペクトル拡大図。
【図3】 実施例1で得られた光触媒体の紫外可視拡散
反射スペクトル。
【図4】 実施例2で得られた光触媒体のXRDスペク
トル
【図5】 実施例2で得られた光触媒体の(101)面
のピーク位置近傍のXRDスペクトル拡大図。
【図6】 実施例2で得られた光触媒体の紫外可視拡散
反射スペクトル。
【図7】 比較例1で得られた光触媒体のXRDスペク
トル
【図8】 比較例1で得られた光触媒体の(101)面
のピーク位置近傍のXRDスペクトル拡大図。
【図9】 比較例1で得られた光触媒体の紫外可視拡散
反射スペクトル。
【図10】 比較例2で得られた光触媒体のXRDスペ
クトル
【図11】 比較例2で得られた光触媒体の(101)
面のピーク位置近傍のXRDスペクトル拡大図。
【図12】 比較例2で得られた光触媒体の紫外可視拡
散反射スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA02 AA08 AA09 AA12 BA04A BA04B BA48A BB12B BC35B BC43B CD10 DA05 EA08 EB18X EB18Y EC22X EC22Y EC25 FA03 FB15 FB23 4J038 AA011 HA096 HA156 HA211 JA17 JA32 LA02 LA06 MA07 MA08 MA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンの表面に塩基性金属化合物を
    有し、かつアナターゼ型の結晶構造をもち、アナターゼ
    結晶子径が10nm以上であることを特徴とする光触媒
    体。
  2. 【請求項2】 塩基性金属化合物が金属酸化物、金属水
    酸化物および金属炭酸塩から選ばれる請求項1記載の光
    触媒体。
  3. 【請求項3】 塩基性金属化合物の量が酸化チタン中の
    チタン量を基準に金属元素換算で0.05mol%以上
    である請求項1または2に記載の光触媒体。
  4. 【請求項4】 紫外可視拡散反射スペクトルを測定し
    て、波長220nm〜800nmの吸光度の積分値をA
    とし、波長400nm〜800nmの吸光度の積分値を
    Bとしたとき、式(I) X=B/A (I) により算出される指数Xが0.2以上である請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の光触媒体。
  5. 【請求項5】 BET比表面積をC(m2/g)とし、C
    2吸着量をD(μmol/g)としたとき、式(II) Y=D/C (II) により算出される指数Yが0.8以上である請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の光触媒体。
  6. 【請求項6】 チタン化合物の水溶液と塩基を60℃以
    下で反応させ、得られた生成物を焼成して酸化チタンを
    得、この酸化チタンを塩基性金属化合物の溶液またはス
    ラリーに接触させた後、加熱することを特徴とする請求
    項1記載の光触媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光
    触媒体と溶媒を含む光触媒体コーティング剤。
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