JP2002142671A - 食肉用油脂注入液、製造方法および用途 - Google Patents

食肉用油脂注入液、製造方法および用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 見た目脂肪分が多くなく、且つ老廃肉や、脂
肪分の少ない肉に脂肪を付与して、肉の食感を改善す
る、簡便であり、またインジェクターの針の目詰まり等
を生じない作業性のよい食肉用油脂注入液を提供するこ
とにある。 【解決手段】 融点25℃以上の油脂を平均粒径2μm
以下の固形油脂分散液として水溶液中に5〜60重量%
含有することを特徴とする食肉用油脂注入液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉全体に含有する
油脂が少なく、スジが多くて硬い低品質な加工畜類肉及
びそれを用いた畜類肉食材、及び食肉加工品の食感にお
いて改良するための食肉加工品用注入液、その製造方法
および前記の注入液を注入してなる加工食肉に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食事において食肉を味覚的により
おいしくかつ視覚的により高級に見せるため、食肉に本
来含有する油脂をさらに追加して注入したり、タンパク
質分解酵素を加えて食感を軟らかくしたりして品質を改
善することが行われている。食肉を改善する技術として
は、例えば次のものが挙げられる。 (1)特開昭47− 28170号;組織を持ったタン
パク質食品の風味及び保水性を改良する方法、(2)特
開昭52−110858号;特別注入肉のタンパク質増
強のための改良法、(3)特開昭55−048370
号;合成肉製品の製造方法、(4)特開昭55−144
869号;エマルションの注入による食肉魚肉加工法、
(5)特開昭56−102767号;蛋白質を強化した
赤身肉、(6)特開昭58− 89161号;水中油適
型乳化液を食肉に注入する方法、(7)特開昭58−1
86863号;霜降り肉の製造法、(8)特開昭60−
41467号;油脂を加熱溶解して食肉に注入する方
法。前記の前記の(1)の技術では、組織状タンパク質
によって肉に含まれる保水性は、向上するが、脂肪分が
少なくジュウシー感等が不足する問題があった。前記の
(2)、(5)の技術では、タンパク質含量の強化に
は、効果的であるが、脂肪分が少なくジュウシー感の付
与の効果はない問題があった。前記の(3)の技術で
は、予め前処理した肉自体を使用しなくてはならなく、
その赤身と脂肪乳状液との結合させて得られる製品は、
油脂を添加できるものの見た目上、自然のサシ状の油脂
とは、かけ離れたものであった。前記の(4)、
(6)、(7)および(8)の技術では、使用する油脂
の融点以上の温度で食肉に注入するため、作業工程中に
肉の温度が上昇し、食肉内の細菌数の増加や肉の変色の
問題等の問題があった。またさらに、前記の(7)の技
術では、食肉中でO/Wエマルションを破壊して、脂肪
分領域をある程度の大きさで形成するために、見た目脂
肪分の多い感じを与える等問題があった。したがって、
従来の技術では解決できていない、低温で作業性がよ
く、さらに低温での作業時にピックルインジェクターの
針の目詰まりが生じないような注入液の改善が求められ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように見た目脂
肪分が多くなく、且つ老廃肉や、脂肪分の少ない肉に脂
肪を付与して、肉の食感を改善することが望まれてい
た。本発明の第1の目的は、前記の問題点を解消し、簡
便であり、またインジェクターの針の目詰まり等を生じ
ない作業性のよい食肉用油脂注入液を提供することにあ
る。また本発明の第2の目的は、前記の問題点を解消
し、さらに食感を軟らかくし、見た目もきれいな霜降り
状とすることが可能な食肉用油脂注入液を提供すること
にある。またさらに本発明の第3の目的は、前記の食肉
用油脂注入液の製造方法を提供することにある。またさ
らに本発明の第4の目的は、前記の食肉用油脂注入液を
注入してなる加工食肉を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点に鑑み鋭意検討した結果、特定の油脂へ必要に応じ
て乳化剤等を特定の組成で配合し、固形油脂の微粒子の
分散液とすることにし、また、さらに肉組織の軟化目的
として分散液にタンパク質分解酵素を配合することによ
って前記の問題も改善する知見を得て、本発明を完成す
るに至った。
【0005】即ち、本発明は、次の〔1〕〜〔7〕であ
る。 〔1〕融点25℃以上の油脂を平均粒径2μm以下の固
形油脂分散液として液中に5.0〜60.0重量%含有
してなる食肉用油脂注入液。 〔2〕固形油脂分散液中にさらに、タンパク質分解酵素
0.001〜1.0重量%および乳化剤0.1〜3.0
重量%を含有してなる食肉用油脂注入液。 〔3〕融点25℃以上の油脂が、牛脂、豚脂、馬脂、お
よび羊脂の畜類肉群より選択される1種または2種以上
である請求項1または2記載の食肉用油脂注入液。 〔4〕タンパク質分解酵素がパパイヤ由来あるいはキウ
イフルーツ由来のタンパク質分解酵素である請求項2ま
たは3記載の食肉用油脂注入液。 〔5〕前記の〔1〕〜〔4〕の食肉用油脂注入液の製造
方法であって、融点25℃以上の油脂を、前記の油脂の
融点以上の温度に加温して液状とし、必要に応じて乳化
剤を用いて、水中油滴型分散液若しくは乳化液とした
後、冷却して分散液中の粒子が、平均粒径2μm以下の
固形油脂分散液としてなるようにした食肉用油脂注入液
の製造方法。 〔6〕前記の〔1〕〜〔4〕の食肉用油脂注入液の製造
方法であって、融点25℃以上の油脂を、前記の油脂と
ドライアイスとを、さらに必要に応じて乳化剤を用い
て、固化後圧縮粉砕し、平均粒径が概ね2μm以下の固
形油脂粒子とし、これを水中に分散させて分散液とし、
フイルターを通して粒径の大きなものを除去してなる、
平均粒径2μm以下の固形油脂を含有する食肉用油脂注
入液の製造方法。 〔7〕前記の〔1〕〜〔4〕の食肉用油脂注入液を肉1
00重量部中に対して、10〜50重量部注入してなる
加工食肉。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の食肉用油脂注入液は、融
点25℃以上の油脂を平均粒径2μm以下の固形油脂分
散液として液中に5.0〜60.0重量%含有してなる
食肉用油脂注入液である。なおさらに本発明の食肉用油
脂注入液は、A;融点25℃以上の油脂5.0〜60.
0重量%、B;タンパク質分解酵素0.001〜1.0
%および、C;乳化剤0.1〜3.0重量%を主成分と
して含有してなる食肉用油脂注入液である。
【0007】本発明に用いる常温で固体状である油脂と
しては、例えば、炭素数12〜18の飽和脂肪酸のトリ
グリセリド、牛脂、豚脂、馬脂あるいは、パーム油など
のような固形状植物油脂、ナタネ油、大豆油、コーン
油、魚油等の液状油を水素添加した油脂、分別やインタ
ー反応により融点が25℃以上になった油脂を挙げるこ
とができる。
【0008】本発明に用いるタンパク質分解酵素とし
て、パパイヤおよびキウイフルーツから抽出されるタン
パク質分解酵素が挙げられる。
【0009】本発明に用いる乳化剤としては、例えば、
通常食品に使用できる精製された乳化剤が好ましく挙げ
られる。具体的には、乳化剤としては食品に使用できる
下記ものが好ましく挙げられる。 (1)グリセリン脂肪酸エステル、(2)ソルビタン脂
肪酸エステル、(3)ショ糖脂肪酸エステル、(4)プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル等の乳化剤、(5)
レシチンまた、脂肪酸塩やタンパク質、が挙げられる。
【0010】前記の(1)グリセリン脂肪酸エステルの
具体的な例としては、モノグリセリンステアレート、デ
カグリセリンジオレエート等が挙げられる。 (2)ソルビタン脂肪酸エステルの具体的な例として
は、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウ
レート等が挙げられる。 (3)ショ糖脂肪酸エステルの具体的な例としては、シ
ョ糖モノステアリン酸エステル等が挙げられる。 (4)プロピレングリコール脂肪酸エステルの具体的な
例としては、プロピレンモノスレアレート、プロピレン
モノオレート等が挙げられる。 (5)レシチンの具体的な例としては、大豆レシチン、
卵黄レシチン等が挙げられる。脂肪酸塩や乳タンパク質
の具体的な例としては、ステアリン酸ナトリウム、カゼ
インナトリウム等が挙げられる。
【0011】A成分の油脂の融点が25℃より低い場
合、インジェクション後油脂がひろがってしまい、きれ
いな霜降り状にならない。常温で固体状である油脂が
5.0重量%未満であると、分散している固形油脂の量
が少ないため、それによって得られる効果も極めて少な
く、60.0重量%より多くなると、分散液そのものの
安定性が望めない。B成分のタンパク質分解酵素の量に
ついては、使用する原料の肉質にも左右されるが0.0
01重量%未満の場合では、軟化効果が低く、1.0重
量%より多く配合すると添加効果に見合うだけの著しい
効果が期待できない等の理由から好ましくない。C成分
の乳化剤は、製造方法にもよるが0.1重量%未満の場
合は、油脂の高温での乳化分散効果が少なくなり、3.
0重量%より多く配合すると乳化剤特有の風味によって
食肉の旨味を損ねる、あるいは添加量に見合うだけの著
しい効果が期待できない等の理由からも好ましくない。
【0012】本発明の食肉用の対象としては、牛肉、豚
肉、羊肉、馬肉、鹿肉等が挙げられる。
【0013】本発明の食肉用注入液の製造方法は、前記
記載の配合成分を、配合して次の2通りの方法で製造す
ることができる。第1の方法は、融点25℃以上の油脂
を、前記の油脂の融点以上の温度に加温して液状とし、
必要に応じて乳化剤を用いて、水中油滴型分散液若しく
は乳化液とした後、冷却して分散液中の粒子が、平均粒
径2μm以下の固形油脂分散液となるようにした食肉用
油脂注入液の製造方法である。冷却方法・装置は特に限
定するものでないが、3〜10℃に急冷することが好ま
しい。
【0014】第2の方法は、常温で固体状である油脂
を、前記の油脂とドライアイスとを、さらに必要に応じ
て界面活性剤を用いて、固化後圧縮粉砕し、概ね平均粒
径2μm以下の固形油脂粒子とし、これを水中に分散さ
せて分散液とし、フイルターを通して粒径の大きなもの
を除去してなる、平均粒径2μm以下の固形油脂を含有
する食肉用油脂注入液の製造方法である。
【0015】これらの油脂の分散液は、好ましくは、最
大粒径2μm以下の固形油脂分散液とすることがより好
ましい。安定性等の点から、さらに好ましくは、最大粒
径1μm以下の固形油脂分散液である。前記の乳化機と
しては、ホモゲナイザー、ホモミキサー、超音波乳化機
等が挙げられる。前記のフイルターとしては、粒子径が
2〜5μmでカットできるポリカーボネート膜等が挙げ
られる。前記の方法で処理して得られた分散液は、通常
水溶液であり、3〜10℃ぐらいの低温で保存して置く
ことが好ましい。
【0016】本発明の食肉用油脂注入液は、前記の配合
組成比率に範囲で、本発明の効果を損なわない範囲にお
いて、その他の成分を配合してもよい。他の成分として
は例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタ
ミンD、ビタミンE等のビミン類;カルシウム、カリウ
ム、マグネシウム等のミネラル類;ハーブ類、香辛料、
糖分、アミノ酸分等を添加混合することもできる。
【0017】食肉の場合は、特にグレードの低い肉を材
料とし、インジェクション等を用いて、温度3〜10℃
で、本発明の食肉用油脂注入液を直接肉へ、針から注入
することが望ましい。
【0018】本発明の固形分散液は、食肉との親和性の
高い水相が連続相となっており、また、乳化剤の作用に
より、食肉中に均一に浸透する。これにより食肉油脂は
食肉中に分散し、食肉にジュウシー感を付加する。
【0019】また、注入された油脂粒子は細かく分散れ
た霜降り状になり、視覚的にも肉の品質を改善できる。
【0020】
【発明の効果】本発明の食肉用油脂注入液によれば、融
点25℃以上の油脂を食肉の品質を低下させずに注入さ
せることが可能であり、異味を残すことなく低品質の食
肉にジュウシー感を付与することができる。これによ
り、一般に脂身が少なく、スジが多くて硬い低品質の食
肉をジュウシーでソフトな食肉加工品にすることができ
る。また、本発明の製造方法によれば、細かな油脂固形
分を水系の液に分散して食肉用油脂注入液とするもの
で、容易に肉中にインジェクションできる注入液を製造
することができる。また、前記の食肉用油脂注入液を注
入したに加工食肉は、見た目比較的均一に分散されて、
脂肪分が多くなく見え、さらに低質な肉質を軟らかくし
て高級品に見えるようにするので商品価値が大きい。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明する。次に採用した評価方法を示す。 1.乳化液、分散液の粒径の測定;PARTICLE SIZE DIST
RIBUTION ANATLYER(HORIBA製 CAPA700)で分散液の粒
子を測定した。 2.分散液の安定性試験方法;調製した分散液を50m
lをサンプルビンに取り、5℃の恒温槽で1カ月静置し
てから目視で次の評価基準で評価した。 ○:上部の油脂の浮きが認められない。 ×:上部の油脂の浮きが認められるまたは分離する。 3. インジェクション作業のし易さ ○:目詰まりせずにインジェクションできる。 ×:油脂粒子が目詰まりを起こし、連続的に作業ができ
ない。 4.食肉化工品の評価(1) 冷凍した食肉加工品は、その後解凍して、1.5cmの
厚さにスライスした後、約180℃の鉄板で焼き、官能
試験により評価した。評価基準は次のとおりである。評
価は、10名(19才〜40才男7名、女3名)のパネ
ルにより、比較基準品;前記と同様にして焼いた未処理
品(オーストラリア産牛モモ肉)に比べて、食感の軟ら
かさ感およびジューシー感について評価した。 2点:比較品に比べて格段に良くなった。 1点:良くなった。 0点:変わらない。 −1点:比較品より悪くなった。 5.食肉加工品の評価(2)(視覚的評価) ○:きれいな霜降りが見られる。 △:霜降りが見られるが、自然な外観ではない。 ×:霜降りが見られない。
【0022】比較例1 1.<水中油滴型分散液の調製> 水34.7重量部にグリセリン脂肪酸エステル(理研ビ
タミン(株)商品名エマルジーMS)0.5重量部、お
よびカゼインナトリウム(中央商工(株)商品名インス
タンラックS)1.5重量部を溶解させた後、約60℃
まで加温し、次いで、かき混ぜながら、同温度の牛脂
(融点約42℃の精製品)64.3重量部を徐々に加え
て20分間の粗乳化を行って水中油滴型乳化液を調製し
た。その後、約5℃/10分間の冷却速度で5℃まで冷
却し、その後5℃で1時間保持して、水中油滴型分散液
を調製した。その結果、調製後の乳化液の平均粒径は1
0.5μmであった。 2.<キウイフルーツ抽出物の調製> 市販のキウイフルーツ(国産のHayward種)を用
い、その果肉を約1cm角に切断後、同重量の蒸留水を
加えて、日本精機社製ホモジナイザーで10000rp
mで15分間粉砕した。粉砕した液状物を遠心分離器を
用いて、5000rpmで10分間分離し、上澄み液を
キウイフルーツ抽出のタンパク質分解酵素液として5℃
に冷却し保存して置いて用いた。 3.<注入液の調製> 前記の水中油滴型乳化液96重量部(液温5℃)に前記
のキウイフルーツ抽出液(液温5℃)を4重量部を加え
た。 4.<注入処理> オーストラリア産牛モモ肉(脂肪分含量約3重量%)に
公知のピックルインジェクター(フォマコ社製)を用い
て、前記の実施例1で調製した注入液を肉100重量部
に対して11重量部を3〜10℃で注入し、食肉加工品
を得た。その後−40℃の冷凍庫に1週間放置して凍結
した。 5.<加工食肉の評価> 前記の加工肉を1.5cmの厚さに切断し、4〜5℃の
冷蔵庫で1日放置して解凍した後、前記の方法により調
理して評価した。なお、比較は未処理の肉を用いて行っ
た。結果を表1に示す。
【0023】比較例2:比較例1と同様にして、表1に
示した組成で油脂分散液を調製した。この分散液の評
価、およびそれを用いて比較例1と同様に肉中に注入
し、加工食肉の評価を表1に示す。
【0024】実施例1 水58.0重量部にグリセリン脂肪酸エステル(理研ビ
タミン(株)商品名エマルジーMS)0.5重量部、お
よびカゼインナトリウム(中央商工(株)商品名インス
タンラックS)1.5重量部を溶解させた後、約60℃
まで加温し、次いで、かき混ぜながら、同温度の牛脂
(融点約42℃の精製品)45.0重量部を徐々に加え
て20分間の粗乳化後、三和機械(株)製圧力式ホモゲ
ナイザーを用いて150kg/cmで均質化し、その
後、約5℃/10分間の冷却速度で5℃まで冷却し、水
中油滴型分散液を調製した。調製後の分散液の平均粒径
は2μmであり、この分散液の評価、およびそれを用い
て比較例1と同様に肉中に注入し、加工食肉の評価を表
1に示す。
【0025】実施例2:実施例1の使用した乳化剤のみ
をレシチン(日清製油(株)商品名ニッシンレシチンD
X)に変更し、実施例1と同様に油脂分散液を調製し
た。この分散液の評価、およびそれを用いて比較例1と
同様に肉中に注入し、加工食肉の評価を表1に示す。
【0026】実施例3:実施例1の使用した乳化剤をシ
ョ糖エステル(三菱化学フーズ(株)商品名リョートーシ
ュガーエステル)に変更し、また乳化機として特殊機化
工業(株)製(TKAUTO.HOMO MIXER)を用いて10000
rpmで均質化した以外は、実施例1と同様にして油脂
分散液を調製した。この分散液の評価、およびそれを用
いて比較例1と同様に肉中に注入し、加工食肉の評価を
表1に示す。
【0027】実施例4:ドライアイス10mmのスライ
ス板3枚にサンドイッチして牛脂、タンパク質分解酵素
及び乳化剤を挟み込み、プレスして固体を粉砕した。こ
れを冷却しながらジェットミル(セイシン企業 STJ-47
5S)でさらに粉砕し、その後粉砕物を10℃の水中へ投
入後、超音波乳化機(BURANSON社製SONIF
IER250、目盛6)を用いて粗油脂分散液を調製し
た。この分散液を平均細孔粒子径2μmのポリカーボネ
ート膜(ニュクリーポアメンブレン、ニュクリポアー社
製)に20kg/cm2で通過させた。この分散液の評
価を、およびそれを用いて比較例1と同様に肉中に注入
し、加工食肉の評価を表1に示す。
【0028】実施例5:市販のパパイン[和光純薬工業
(株)製]0.01重量部を実施例2の水中油滴型乳化液
100重量部に加えて注入液とした。この注入液を対肉
10重量%の割合で実施例1と同じオーストラリア産牛
モモ肉に注入し、実施例1と同様にして加熱、評価3を
行った。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】注;なお表に用いた略号はつぎのとおりで
ある。 <油脂> 牛脂;日本油脂(株)社製精製牛脂(融点約42℃の精
製品) サラダ油;日清製油(株)社製精製サラダ脂(融点約−
7℃の精製品) <乳化剤> モノグリ;グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン
(株)商品名エマルジーMS)、カセ゛イン Na;カゼインナトリウム(中央商工(株)商品名
インスタンラックS) レシチン;(日清製油(株)商品名ニッシンレシチンD
X)、ショ 糖脂肪酸エステル;ショ糖エステル(三菱化学フーズ(株)
商品名リョートーシュガーエステル)、 PGエステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル(理研
ビタミン(株)社製、商品名リケマールPS−10
0)、 ポリグリ;ポリグリセリン(坂本薬品工業(株)社製、
商品名SYグリスターML750)、 <酵素>;前記のキウイフルーツよりの抽出液。
【0031】以上の結果から、本発明の実施例1〜5
は、比較例に比べて食感に優れ視覚的にも高品質な食肉
を製造できることがわかる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4B026 DC02 DC06 DG11 DG12 DG13 DK01 DK02 DK03 DK04 DK05 DL09 DP01 DP10 DX04 4B042 AC05 AC09 AD39 AE03 AG02 AG03 AG04 AG05 AH01 AK06 AK11 AP13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点25℃以上の油脂を平均粒径2μm以
    下の固形油脂分散液として水溶液中に5〜60重量%含
    有することを特徴とする食肉用油脂注入液。
  2. 【請求項2】固形油脂分散液中にさらに、タンパク質分
    解酵素0.001〜1.0重量%および乳化剤0.1〜
    5.0重量%を含有する請求項1記載の食肉用油脂注入
    液。
  3. 【請求項3】融点25℃以上の油脂が、炭素数12〜1
    8の飽和脂肪酸のトリグリセリド、牛脂、豚脂、馬脂、
    および羊脂の畜類脂肪群より選択される1種または2種
    以上である請求項1または2記載の食肉用油脂注入液。
  4. 【請求項4】タンパク質分解酵素がパパイヤ由来あるい
    はキウイフルーツ由来のタンパク質分解酵素である請求
    項2または3記載の食肉用油脂注入液。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載の食肉用油脂注入液の製
    造方法であって、融点25℃以上の油脂を、前記の油脂
    の融点以上の温度に加温させて液状とし、必要に応じて
    乳化剤を用いて、水中油滴型分散液若しくは乳化液とし
    た後、3〜10℃にまで冷却して分散液中の粒子が、平
    均粒径2μm以下の固形油脂分散液としてなるようにし
    た食肉用油脂注入液の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜4記載の食肉用油脂注入液の製
    造方法であって、融点25℃以上の油脂を、前記の油脂
    とドライアイスとを、さらに必要に応じて乳化剤を用い
    て、固化後圧縮粉砕し、平均粒径が概ね2μm以下の固
    形油脂粒子とし、これを水中に分散させて分散液とし、
    フイルターを通して粒径の大きなものを除去してなる、
    平均粒径2μm以下の固形油脂を含有する食肉用油脂注
    入液の製造方法。
  7. 【請求項7】前記の請求項1〜4の食肉用油脂注入液を
    肉100重量部中に対して、10〜50重量部注入して
    なる加工食肉。
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