JP2002139464A - 半導体装置の検査方法および検査装置 - Google Patents

半導体装置の検査方法および検査装置

Info

Publication number
JP2002139464A
JP2002139464A JP2000340386A JP2000340386A JP2002139464A JP 2002139464 A JP2002139464 A JP 2002139464A JP 2000340386 A JP2000340386 A JP 2000340386A JP 2000340386 A JP2000340386 A JP 2000340386A JP 2002139464 A JP2002139464 A JP 2002139464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
defect
energy
inspection
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000340386A
Other languages
English (en)
Inventor
Miyako Matsui
都 松井
Mari Nozoe
真理 野副
Isao Ochiai
勲 落合
Atsuko Takato
敦子 高藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2000340386A priority Critical patent/JP2002139464A/ja
Publication of JP2002139464A publication Critical patent/JP2002139464A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体製造工程中のウェハ上の欠陥を検査し、
上記欠陥部の組成情報を高速に取得し、得られた組成情
報から上記欠陥の発生プロセスや要因の特定を行い、プ
ロセスの最適化を短期間に行う。 【解決手段】半導体製造工程中のウェハに数100eV
以上10keV以下のエネルギの電子線を走査・照射
し、発生した2次電子の画像から高速に欠陥検査を行
い、検出された欠陥部を特定し、上記の箇所に2keV
以上10keV以下のエネルギの電子線を再び照射し、
発生したオージェ電子またはX線から上記欠陥部の組成
評価を同一装置内で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子線を用いた半導
体装置の検査技術に係わり、特に微細な回路パターンを
有する半導体ウェハ上の異物や欠陥を高速・高感度に検
出する検査技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造においてウェハの大口
径化と回路パターンの微細化が進められており、これに
対応して電子線を用いた高スループットかつ高精度なウ
ェハ検査技術が実用化されている。
【0003】たとえば特開平10−294345公報で
は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、通常の100
倍以上の大電流ビーム(10nA以上)によって基板か
ら発生する2次電子、反射電子の検出を行ない、高速か
つ高効率な欠陥検査を行う技術が開示されている。ま
た、特開平6−139985号公報では、表面電位差に
起因する2次電子線のコントラストを利用して欠陥検査
を行う方法が示されており、ここでは低加速電子線を照
射している。また、特開平5−258703号公報で
は、高分解能の像を得るために高加速電子線を試料直前
で減速して照射する手法が示されている。
【0004】しかし、上記の従来技術においては、いず
れも形状不良、孔パターンの開口/非開口あるいは配線
ショート等を検査する方法についての記載はあるが、欠
陥部分などにおける組成評価方法に関する記述はなされ
ていない。
【0005】他方、電子線を用いた一般的な組成評価法
として、オージェ電子分光法がある。この方法では、電
子線を照射したときに発生するオージェ電子のエネルギ
を測定して、その値から元素の分析を行うことができ
る。しかし、従来のオージェ電子分析法は、1次電子線
を偏向することによって走査できる範囲のみの評価であ
る上に計測時間がかかるので、回路パターンを持つウェ
ハ上を高速かつ高効率で評価することはできない。
【0006】他の、電子線を用いた組成評価法として、
電子線を照射したときに発生する特性X線を測定して、
そのエネルギから元素分析を行う方法がある。しかし、
従来のEDX(Energy Dispersive X-ray Spectrome
ter)では、1次電子線を偏向することによって走査で
きる範囲のみの評価である上、計測時間がかかるので、
回路パターンを持つウェハ上の欠陥を高速かつ高効率で
評価することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子線検査装置
では、回路パターンを持つウェハ上からの2次電子像か
ら形状観察を行い、異物の有無や孔パターンの開口/非
開口を検査することが可能である。しかし、異物の組成
情報を得ることができなかったため、異物発生要因を特
定することが困難であった。また、孔パターンの非開口
には、エッチング不足による残さやエッチング生成物の
堆積等いくつかの要因があるが、組成情報を得ることが
できなかったため、その要因を特定することが困難であ
った。
【0008】したがって、従来の検査方法で検出された
欠陥の要因を特定するためには、組成分析が可能な分析
装置で別途分析を行なう必要があった。このとき、大口
径ウェハ上の欠陥の位置を再確認した上で評価を行わな
くてはならないため、欠陥要因の特定に膨大な時間を費
やし、半導体装置製造の開発を遅らせる要因となってい
た。
【0009】また、組成分析が可能な一般の分析装置で
は、ウェハをチップサイズに切断してから評価する必要
があるので、製造工程の途中で抜き取ったウェハを検査
した後、それを続きの工程に戻して半導体装置を製造す
ることはできなかった。しかも、従来の組成分析可能な
分析装置ではスキャン速度が遅く、スキャン範囲も狭い
ために、ウェハのような大面積における異物等の欠陥検
査に必要とされる高速な評価をすることはできなかっ
た。また、電子線を用いてエッチング工程後の孔パター
ンの検査を行うには、入射電子線に対して180度後方
に放出される電子線の信号を検出する必要があるが、従
来のオージェ電子分光装置等の分析装置は、1次電子線
と検出器が被検査物表面に対して異なる角度に設置され
ているので、孔底からの信号の検出は困難であった。こ
のため、エッチング工程後の孔パターンの非破壊評価は
困難であった。さらに、組成評価のみでは、配線ショー
ト等の電気的な欠陥を同時に検出することはできない。
【0010】本発明の目的は、上記の課題を解決し、半
導体装置等の製造工程途中のウェハを検査する技術とし
て、高速に欠陥の組成情報を得る検査方法を提供するこ
とにある。さらに本発明の目的は、得られた組成情報か
ら異物の発生プロセスやその要因、孔底の非開口の要因
等、欠陥の発生するプロセスや要因の特定を行って、プ
ロセスの最適化を行うことに寄与する技術を提供するこ
とにある。さらに、半導体製造プロセスの管理におい
て、プロセス異常を早期に発見して対策することによっ
て、半導体装置の信頼性を高めるのに寄与する技術を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】図2に数100eV〜数
keVのエネルギを持った電子線を固体表面に照射した
ときに表面から放出される電子線のエネルギスペクトル
の一例を示す。図のスペクトルにおいてピーク71は2
次電子、ピーク64はオージェ電子、ピーク72は反射
電子による信号を示している。従来の電子線検査装置で
は、1次電子線によって発生したこれら2次電子、反射
電子、オージェ電子の全ての信号を検出していた。
【0012】2次電子の放出個数Nseは、一次電子線
の照射量N1と基板の被照射領域の2次電子放出効率σ
の積で表される。さらに、放出された電子Nseのうち
検出可能な電子のみが信号として取得できるため、Ns
eに2次電子検出効率δを乗じた数が、2次電子信号量
Sseとなる。2次電子は約50eV以下の低エネルギ
で試料表面から放出されるので、2次電子の信号強度は
試料表面の帯電状態や試料近傍の電位状態に大きな影響
を受ける。この電位差による2次電子のコントラストを
利用して、電気的回路のショートや導通不良等の電気的
な欠陥等を検査することができる。
【0013】次にオージェ電子について説明する。電子
等によって内殻電子がイオン化されてホールが生成され
ると、このホールはそのエネルギレベルよりも上のレベ
ルの電子で埋められ、同時にオージェ電子が放出され
る。したがってこのオージェ電子はエネルギレベル間の
エネルギ情報を持っているので組成分析が可能である。
【0014】オージェ電子の放出効率Iはイオン化断面
積Ciとオージェ電子放出確率Paの積に比例する。P
aは元素番号に依存し、軽元素ほど大きくなる。一方C
iは入射エネルギに依存し、入射エネルギをイオン化エ
ネルギの3〜5倍とすると、半導体装置の製造に使用さ
れる材料を構成する元素のイオンかエネルギは通常1k
eV程度であるので、入射エネルギが3〜5keVのと
き、オージェ強度は最大になる。このオージェ電子を検
出することによって、材料表面の組成を分析することが
一般的に行なわれている。
【0015】さらに、後方散乱電子(反射電子)は入射
エネルギとほぼ同じエネルギで非弾性散乱されたもので
ある。この反射電子放出効率は原子番号が大きくなるに
したがって、増加する傾向を持っている。
【0016】従来の電子線検査装置では、上記2次電
子、オージェ電子および反射電子全ての信号を検出して
いた。これら3つの成分の中で、2次電子は相対的な信
号強度が大きい。このため、従来は電位差によって生じ
るコントラストの変化に敏感であり、組成の情報を得る
ことはできなかった。
【0017】本発明では検出電子のエネルギを分別する
手段、たとえばエネルギフィルタを持った検出器を配置
して、所望のエネルギのみの電子を検出する手段を設け
た。また、本発明ではある可変のしきい値でエネルギを
フィルタリングするための電極を設け、所望のエネルギ
を含む電子線による信号と、所望のエネルギを含まない
電子線による信号を検出し、検出された信号から所望の
エネルギの信号量を演算によって算出する手段を設け
た。
【0018】さらに、フィルタリングするエネルギを変
化させてエネルギスペクトルを得るための手段を設け、
組成情報を得るための条件を検討した結果、試料からの
電子線のエネルギスペクトルは、前記図2のように低エ
ネルギ側から2次電子、試料表面材料の組成に応じたオ
ージェ電子、反射電子のピークが順に検出され、このう
ちの表面組成に対応するオージェ電子による信号のみを
上記所望のエネルギの信号量として検出できることを確
認した。この結果、本発明によれば大面積を高速で電子
線検査する装置を用い、しかも組成情報を得ることが可
能となった。検出するエネルギ範囲として、0以上20
00eVのエネルギの電子を検出する手段を設けること
により、半導体装置の回路パターンを構成するほぼすべ
ての元素の組成を評価できるようになった。
【0019】さらに、所望のエネルギ範囲の電子を検出
し、特定のオージェ電子のみを検出し、マッピングを行
う機構を付加することによって、元素マッピングを行う
ことができるようになった。すなわち、本発明の方法お
よび装置によれば、エネルギフィルタを用いず、発生し
た全ての電子を検出して信号強度を稼いでウェハ等の大
面積を高速で検査し、上記検査で欠陥や異物等が発生し
た場所と形状を特定した後、所望の狭い領域のみを上記
のエネルギフィルタを用いて組成評価することによっ
て、大面積を高速に検査し、さらに欠陥の組成情報を得
ることが可能となる。
【0020】また、大面積の電位コントラストを評価す
るときに、エネルギフィルタによって2次電子成分の一
部をフィルタリングすることによって、高精度な欠陥検
査を行った後、所望の局所領域での組成情報を得ること
が可能となる。
【0021】従来の電子線検査装置では、欠陥の種類に
よって、検査に最適な入射電子エネルギを数100eV
〜10keVの範囲で調整する必要があった。しかしな
がら、上述のようにオージェ強度は入射エネルギが3〜
5keVで最大となる。したがって、電位コントラスト
と組成評価を行なう時の入射エネルギを変えることによ
り、高感度化が実現できる。しかし、入射エネルギ等、
電子の入射条件を変化させると照射位置が変化する。本
発明ではこの問題を解決して、電位コントラスト検査画
像で特定したウェハ上の位置に電子線を照射するため、
オージェ電子検出時の一次電子の光学系の設定とウェハ
上の位置との関連を検査前に評価し、照射位置を再現す
る機構を設けた。
【0022】オージェ電子検出時の1次電子エネルギ
は、1keV〜10keVの範囲で設定できる機構を設
けた。これは、オージェ電子の放出効率を確保できると
同時に、電位コントラスト取得時の1次電子光学系の設
定からの変更を最小限にするためである。
【0023】また、1次電子の位置を固定して一定時間
信号を蓄積することでオージェ電子の信号強度を上げる
ことができるが、絶縁膜や誘電膜を含む電子回路に電子
線を照射すると、表面の帯電や電子光学系の経時変化に
よって1次電子照射位置が徐々にシフトするとするとい
う問題がある。本発明ではこの課題を解決するために、
一定時間毎に全放出電子を検出したときの電子線画像を
取得し、あらかじめ記憶してある初期の画像と比較し
て、電子線のずれを算出し、電子線のずれを補正する機
構を設けた。
【0024】次に、反射電子を用いて組成情報を得る方
法について述べる。入射エネルギが数100eV〜数k
eVのときの2次電子のエネルギは、約50eV以下で
あるのに対して、反射電子は入射エネルギに近い。した
がって50eV以下の電子エネルギのフィルタリングを
行なうことによって反射電子の情報が得られる。反射電
子の信号強度は元素番号が大きくなるにしたがって増加
するので、照射ビーム径の空間分解能で組成分布を得る
ことができる。入射電子線の強度や信号の検出効率は、
電子光学系の調整によってわずかな誤差を生じるが、検
査表面の組成が既知である領域からの信号強度と比較す
ることで、信号強度の誤差を補正することができる。ま
た、反射電子のみの信号強度のマッピングを行う機能を
付加することによって、組成情報を得ることが可能にな
る。
【0025】プローブとして電子線を用いて組成情報を
得る他の方法として、電子線を照射したときに生じる特
性X線をX線検出器で検出する方法がある。本発明で
は、電子線検査装置で発生させた特性X線を検出するた
めの手段を設け、特性X線のエネルギスペクトルと表面
の組成を得るための手段を設けた。この結果、電子線検
査装置を用いて、組成情報を得ることができるようにな
った。さらに、特定のエネルギの特性X線のみを検出
し、ある領域のマッピングを行う機構を付加することに
よって、元素マッピングを行うことができる。
【0026】この結果、回路パターンを持つウェハ上か
らの2次電子像から形状観察を行い、異物の有無や孔パ
ターンの開口/非開口等の欠陥の有無を検査し、所望の
領域の組成情報を得られるようになる。さらに、あらか
じめ作成してある組成情報と欠陥発生要因の対応を記憶
したファイルから欠陥発生要因の判定を行う手段を設け
ることにより、組成情報から欠陥の発生要因を自動に判
定することが可能となる。たとえば、異物の組成情報か
ら異物発生要因を特定したり、孔パターンの非開口要因
を特定することが可能となる。具体例として、孔パター
ンの欠陥判定を行うために、ホール周囲を構成する元素
と下地を構成する元素のマッピングを行い、取得された
画像から欠陥の種類を自動判定するための手段を設け
た。
【0027】また、本発明は非破壊での検査が可能であ
り、半導体製造工程途中で抜き取ったウェハの欠陥検査
および組成評価終了後、続きの工程にウェハを戻して半
導体を製造することができるようになる。さらに、得ら
れた組成情報から欠陥が発生するプロセス要因を早期に
特定できるようになるため、不良の原因を短期間で対策
することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1に本発明の一実
施例による半導体ウェハ検査装置の構成を示す。本実施
例の検査装置は、電子光学系2、ステージ機構系3、ウ
ェハ搬送系4、真空排気系5、光学顕微鏡6、制御系
7、操作部8より構成されている。電子光学系2は、電
子銃9、コンデンサレンズ10、対物レンズ11、検出
器12、エネルギフィルタ13、偏向器14、ウェハ高
さ検出器15より構成されている。ステージ機構系3は
XYステージ16およびウェハを保持するためのホルダ
17、上記ホルダ17およびウェハ18に負の電圧を印
加するためのリターディング電源19より構成されてい
る。XYステージ16には、レーザ測長による位置検出
器(図示略)が取りつけられている。ウェハ搬送系4は
カセット載置部20とウェハローダ21と、上記ウェハ
ローダ21とXYステージ16間でウェハ18を受け渡
しする手段(図示略)が設けられている。制御系7は、
信号検出系制御部22、ブランキング制御部23、ビー
ム偏向補正制御部24、電子光学系制御部25、ウェハ
高さセンサ検出系26、ステージ制御部27より構成さ
れている。操作部8は操作画面および操作部28、画像
処理部29、画像・検査データ保存部30より構成され
ている。また、本装置は外部サーバ31から遠隔操作を
行うこともできる。
【0029】図3に上記図1の装置を用いた検査フロー
を示す。まず操作画面28上でカセット内棚番号を指定
するなどして検査対象となるウェハを特定し(32)、
電子ビーム電流、電子ビーム照射エネルギ、走査速度、
信号検出サンプリングクロック、走査サイズ、検査領
域、被検査ウェハに関する各種情報等の内容を検査条件
として入力する(33)。ここではあらかじめデータベ
ース化された検査条件から所望の条件を用いることもで
きる。
【0030】検査を開始すると、ウェハ18を検査装置
に搬送する。ウェハ18はカセットからウェハローダ内
に搬送された後、ウェハローダは真空排気される。その
後、既に真空排気されている検査室に導入される(3
4)。
【0031】ウェハロード終了後、上記入力された検査
条件に基づき、電子光学系制御部25から各部に電子線
照射条件が設定される。そして、ウェハホルダ17上に
ビーム校正用パターンが電子光学系2の下に来るように
ステージ16が移動する(35)。その後、電子線画像
を取得し、焦点、非点および検出系の設定を調整して画
像のコントラスト等を調整する(36)。同時にウェハ
18の高さを高さ検出器15から求め、ウェハ高さ検出
系26によって高さ情報と電子ビームの合焦点条件の相
関を求める。これにより、この後の電子線画像取得時に
は毎回焦点合わせを行うことなく、ウェハ高さ検出の結
果から合焦点条件に自動調整することができる。
【0032】上記電子線照射条件および画像調整が完了
したら、ウェハ18上の2点からアライメントを行う
(37)。被検査ウェハ18を予め登録された光学顕微
鏡6下の所定の第1の座標に配置させ、被検査ウェハ1
8上に形成された回路パターンの光学顕微鏡画像を操作
画面28内のモニタに表示し、位置回転補正用に予め記
憶された同じ位置の同等回路パターンの光学顕微鏡画像
と比較することで第1の座標の位置補正値を算出する。
次に、上記第1の座標において、光学顕微鏡画像から電
子線画像に切り替える。光学顕微鏡6と電子光学系2は
所定の距離だけ離れた位置に配置されており、上記距離
は既知のパラメータとして装置内に記憶されているた
め、光学顕微鏡画像と電子線画像は任意に切り替えるこ
とができる。電子線画像についても、光学顕微鏡画像と
同様にあらかじめ位置回転補正用に回路パターンの画像
を記憶してあり、上記記憶された電子線画像と取得した
電子線画像とを比較することにより、光学顕微鏡より精
密な第1の座標の位置補正値を算出することができる。
【0033】次に、第1の座標から一定距離離れ、かつ
第1の座標と同等の回路パターンが存在する第2の座標
に移動し(38)、同様に光学顕微鏡画像を取得し、位
置回転補正用に記憶された回路パターン画像と比較し、
第2の座標から位置補正値および第1の座標に対する回
転ずれ量を算出する。さらに、第2の座標においても同
様に電子線画像に切り替え、あらかじめ記憶された回路
パターンの電子線画像と比較し、より精密な第2の座標
の位置補正値を算出する。
【0034】この算出された回転ずれ量および位置ずれ
量に基づき、制御部25および電子ビーム偏向信号補正
部24において電子ビームの走査偏向位置が回路パター
ンの座標に正確に対応するように補正される(39)。
このようにして、被検査ウェハ18のアライメントおよ
びキャリブレーションが完了したら、被検査ウェハ18
の電子線画像を取得し、明るさの調整を実施する(4
0)。検査条件ファイルに基づき、電子線画像を取得す
る際には、電子ビーム電流や電子ビーム照射エネルギ、
エネルギフィルタ13に印加する電圧や使用する検出器
12、検出系のゲインが設定されており、これらのパラ
メータを設定して電子線画像を取得する。検査装置のば
らつきあるいは被検査ウェハ18のばらつきが起因で、
電子線画像の明るさが所定の範囲の明るさ分布を示さな
い場合がある。このような場合には検出系のゲインおよ
びオフセット、取得階調等を再設定することにより適切
な明るさ分布になるように調整する。
【0035】上記明るさ調整(40)が完了したら、検
査を実行する(41)。検査領域は、検査条件ファイル
にあらかじめ指定しておく。検査時には、X−Yステー
ジ16を連続的に移動しながら電子ビームを被検査ウェ
ハ18の所定の領域に照射し、電子線画像を逐次形成し
ながら画像信号を記憶部30に記憶された信号と比較し
ながら、記憶部30に逐次画像を記憶する(43)。上
記検査においては、あらかじめ保存された検査条件ファ
イル(図示せず)により検出器12の検査条件が設定さ
れている。検出器12の前方に配置されているエネルギ
フィルタ13に電圧を印加することもできる。欠陥と判
定された箇所は、上記欠陥箇所の座標、信号値および欠
陥サイズ等が自動的に記録され、操作画面28内のウェ
ハマップ上の相当する箇所に「欠陥有り」のマークが表
示される。上記検査条件ファイルで指定された領域の検
査を終了したら、欠陥箇所を再度画像取得することがで
きる(42)。
【0036】検査終了後、欠陥箇所の組成評価を行う。
まず、オージェ電子を検出して組成評価を行う方法につ
いて説明する。組成評価位置は操作画面28内のウェハ
マップおよび欠陥箇所の電子線画像から所望の位置を指
定する(44)。次に組成評価条件として、電子線電
流、電子ビーム照射エネルギ等の入力を行う(45)。
評価方法としては、たとえば電子ビームを走査させずに
一点を評価する一点照射法と電子線を走査させてある領
域内の元素マッピングを得る方法などを選択することが
できる。
【0037】電子照射エネルギは、電子源9から出射さ
れた電子エネルギとリターディング電源19によってウ
ェハ18にかけられた電圧によって決定する。たとえ
ば、電子源からの出射エネルギが10keVの場合、リ
ターディング電源19によってウェハ18に0から−
9.7kVの電圧をかけることによって、電子照射エネ
ルギは10keVから300eVまでの範囲で設定でき
る。上記ウェハ18から放出された全電子によって欠陥
検出をする場合には、電子照射エネルギは、300eV
から10keVまで設定でき、回路パターンや材料によ
って最適な条件設定が可能である。また、オージェ電子
を検出して組成評価を行うときには、同様に、電子源9
から出射された電子エネルギと、リターディング電源1
9によってウェハ18にかけられた電圧によって、入射
電子のエネルギを2keVから10keVに設定する。
欠陥検査のときの照射エネルギが3keVから10ke
Vの場合には、欠陥検査と同一照射エネルギを用いて組
成評価を行うが、300eVから2keV以下で欠陥検
査を行った場合には、照射エネルギを2keVから10
keV以下に設定する。
【0038】欠陥検査時と組成評価時とで照射エネルギ
あるいは電子線の電流値が異なる場合には、再度照射電
子線のビーム校正を行う(47)。まず、校正用パター
ン位置にウェハ18を移動し(46)、校正用パターン
の電子線画像を取得する。その画像から、電子光学系2
の焦点および非点、画像のコントラスト等を調整する
(47)。
【0039】ビーム校正が終了したら、欠陥検査で取得
した電子線画像と組成評価で用いる電子線照射条件での
電子線画像のアライメントを行う(48)。まず組成評
価用照射エネルギの電子線画像について、あらかじめ記
憶された位置回転補正用回路パターンの電子線画像と取
得した電子線画像とを比較することにより、第1の座標
の位置補正値を算出する。次に、第1の座標から一定距
離離れ第1の座標と同等の回路パターンが存在する第2
の座標に移動し(49)、光学顕微鏡画像を取得し、位
置回転補正用に記憶された回路パターン画像と比較し、
第2の座標から位置補正値および第1の座標に対する回
転ずれ量を算出する。さらに、第2の座標において電子
線画像に切り替え、あらかじめ記憶された回路パターン
の電子線画像と比較し、より精密な第2の座標の位置補
正値を算出する。上記算出された回転ずれ量および位置
ずれ量に基づき、この後制御部25および電子ビーム偏
向信号補正部24において電子ビームの走査偏向位置は
回路パターンの座標に対応するように補正される(5
0)。
【0040】このようにして、被検査ウェハ18のアラ
イメントが完了したら、組成評価条件入力時に指定した
欠陥箇所、あるいは所望の箇所が電子光学系2の下に来
るようにウェハ18を移動して検査位置を設定し、組成
評価を開始する(51)。
【0041】まず、一点照射によって組成評価を行う方
法について説明する。組成評価条件としてエネルギ分解
能とエネルギ走査範囲、エネルギ走査回数等の条件を指
定する。これらの値は、照射エネルギに応じてあらかじ
め設定してあるファイル群から検索することができる。
指定されたエネルギ分解能とエネルギ走査範囲に応じ
て、検出器制御部22でエネルギフィルタ13および検
出器12に印加する電圧を設定する。
【0042】図4にエネルギフィルタ13内の電極の電
圧設定方法の一例を示す。エネルギフィルタ13として
は、静電半球型等の所望のエネルギのみの電子を検出す
る方法あるいはある可変のしきい値でエネルギをフィル
タリングする方法を用いることができる。例として、所
望のエネルギよりも高いしきい値でフィルタリングし、
検出された信号から所望のエネルギの信号量76を演算
によって算出する方法について示す。ウェハ18にかけ
る電圧を−Vwとすると、フィルタ電極73にかける電
圧を−Vw−Vh1に設定したとき、所望のエネルギを
含む信号74を検出することができる。さらにフィルタ
電極73にかける電圧を−Vw−Vh2に設定したと
き、所望のエネルギよりも高いエネルギの信号75を検
出することができる。信号74と信号75の差から、所
望の信号76を得ることができる。エネルギを走査する
ときは、フィルタ電極73にかける電圧を走査して信号
を取得し、電極電圧を走査したときのスペクトルを取得
する。取得したスペクトルを微分演算することによっ
て、エネルギスペクトルを得ることができる。同様に、
所望のエネルギよりも低いしきい値でフィルタリング
し、検出された信号から所望のエネルギの信号量76も
演算によって算出できる。
【0043】評価領域が帯電しやすい材料であり、エネ
ルギスキャン回数が2回以上の場合には、検査ウェハ1
8の帯電状態やステージの振動等によって、信号測定中
に電子線照射位置がずれることが問題となる。評価領域
が帯電しやすい材料であり、測定時間が一定時間以上の
ときは、たとえば以下の方法でずれを補正する。すなわ
ち組成評価を開始したら、組成評価箇所を含むある領域
の電子線画像をエネルギフィルタ13を使用しないで取
得・記憶する(52)。その後、エネルギフィルタ13
を使用して、エネルギスキャンを行う(53)。測定さ
れたエネルギスペクトルは操作画面28に逐次表示され
る(54)。一定時間エネルギスキャンを繰り返して信
号を積算して検出した後、エネルギフィルタ13を使用
しないで、組成評価開始時に取得した領域の電子線画像
を再び取得し(55)、記憶された電子線画像と比較
し、ビームのずれを算出する。その後、制御部25およ
び電子ビーム偏向信号補正部24において電子ビームの
走査偏向位置を補正する(56)。十分なエネルギスペ
クトルが得られるまで、エネルギ走査53から1次ビー
ム補正56までの工程をn回繰り返し、信号を積算して
測定を行う。電子線照射位置のずれが評価領域に対して
大きい場合は、あらかじめエネルギスキャンを行ったと
きのビームのずれ量を算出して、エネルギスキャンと同
時にビーム照射条件を補正しながら測定を行うこともで
きる。
【0044】図5に測定されたエネルギスペクトルの一
例を示す。特定のエネルギに評価領域の表面の組成に対
応したオージェ電子のピーク64がいくつか観察され
た。各元素のオージェ電子のエネルギは記憶部30にあ
らかじめ記憶されており、検出されたそれぞれのピーク
エネルギに対応する元素を画面28上に表示することが
できる。また、ピークの信号強度から検出された元素の
濃度を算出することもできる。
【0045】次に、所望の領域で元素マッピングを行う
方法について説明する。マッピング条件として、検出元
素、あるいは、検出する電子のエネルギ、エネルギ分解
能ΔE、マッピング領域、電子線走査速度、測定時間等
を指定する(57)。これらの値は、照射エネルギに応
じてあらかじめ設定してあるファイル郡から検索するこ
とができる。たとえば、エネルギ分解能ΔEは10eV
程度に設定されている。マッピング領域は、電子線画像
取得可能範囲内で、任意に指定することができる。測定
時間は測定中に変更することができる。検出する電子の
エネルギやエネルギ分解能ΔEは、上記の一点照射評価
から得られたエネルギスペクトルから、操作画面28上
で指定することもできる。マッピング条件で指定した元
素によって検出エネルギを決定することもできる。
【0046】設定した検出エネルギとエネルギ分解能Δ
Eに応じて、検出系制御部22でエネルギフィルタ12
および検出器13の電圧を設定・固定して、特定のエネ
ルギを持った電子線のみから画像を取得する(58)。
電子線の走査回数を増加し、信号を積算して検出するこ
とによって、信号強度や検出感度を向上することができ
る。マッピング領域が帯電しやすい材料の場合や一定時
間以上画像を取得する場合は、上記一点照射による評価
と同様に、検査ウェハ18の帯電状態やステージの振動
等によって、電子線照射位置が信号測定中にずれること
が問題となる。この電子線照射位置のずれを補正するに
は、上記一点評価の場合と同様に、一定時間毎にエネル
ギフィルタ13を使用しないで放出された全電子による
画像を取得し(60)、あらかじめ記憶された電子線画
像と比較し、電子光学系の設定を補正することによって
(61)電子線のドリフトをなくしてマッピングを取得
することが可能である。また、電子線走査速度やブラン
キング時間を調整することによって、帯電等によるビー
ム照射位置のずれによる影響を少なくして、画像を取得
することもできる。
【0047】組成情報を取得後、あらかじめ作成してあ
る組成情報と欠陥発生要因の対応を記憶したファイルか
ら欠陥発生要因の判定を行う手段を設けることにより、
組成情報から欠陥の発生要因を自動に判定することがで
きる。一例として、孔パターンの欠陥の種類を自動判定
する方法を示す。
【0048】図6に本発明を用いた孔パターン検査を半
導体製造工程検査に適用する際の検査工程の一例を示
す。まず、コンタクトホールのフォト工程後の検査によ
り、マスク起因の不良を検出することができる。さら
に、コンタクトホールの検査はドライエッチングによっ
てコンタクトホールを形成し、レジストを除去した後に
適用する。コンタクトホールを形成する工程として、2
種類以上のドライエッチング工程がある場合は、最終の
ドライエッチング工程終了後に検査を行う。洗浄後に検
査を行う場合は、電子線照射によってコンタクトホール
に炭素(C)等のコンタミネーションを形成して不良を
発生させるので、検査後に再度洗浄を行う。
【0049】図7にレジストアッシング後にコンタクト
ホール検査を行ったときの欠陥の自動判定フローを示
す。まず、マッピング条件として膜を構成する元素、た
とえばSiO2の場合、酸素(O)またはシリコン(S
i)、ホールの下地材料、たとえばシリコン基板の場合
はシリコン(Si)を入力する。さらに、異物として想
定されうる元素、たとえば炭素(C)や窒素(N)等を
入力する。このとき、膜材料と下地材料を入力すると、
あらかじめ作成したファイル群からマッピングする元素
を自動決定することもできる。たとえば膜材料がシリコ
ン酸化膜(SiO2)、下地がシリコン(Si)の場
合、シリコン(Si)、酸素(O)および炭素(C)で
マッピングを取得する。
【0050】上記の方法でこれらの元素についてのマッ
ピングを取得後、以下の方法で欠陥判定を行う。図8
に、コンタクトホールを形成したパターンの欠陥の電位
コントラスト像(a)とシリコン、酸素および炭素の各
マッピング像(b)、(c)、(d)を模式的に示し、
Si基板が表面に出ている正常部65とSiO2がコン
タクトホールの底に残っている欠陥66とC等の異物が
コンタクトホール底にある欠陥67の判定方法の一例に
ついて説明する。
【0051】同図(a)の電位コントラスト像から、欠
陥部66と欠陥部67が何らかの欠陥であることがわか
る。同図(b)のSiのマッピング像を取得すると、欠
陥66の信号強度は正常部65の信号強度より小さくな
っていることがわかった。また、欠陥67では、Siの
強度は最も小さくなっていることがわかった。これよ
り、欠陥66および欠陥67はエッチ残りあるいはホー
ル内に異物があることが判定される。同図(c)の酸素
のマッピング像では、正常部65と欠陥部67での信号
強度が小さく、欠陥66での信号強度が大きいことがわ
かる。これより、欠陥66はエッチ残りであると判定さ
れる。さらに、同図(d)の炭素のマッピング像では、
欠陥67のみの信号が大きいことがわかる。これより、
欠陥67はホール内に炭素の異物があると判定できる。
【0052】さらに、コンタクトホールをチタン(T
i)等でサリサイド化している場合、チタン(Ti)と
シリコン(Si)の元素マッピングから、サリサイド化
の不良も判定することが可能である。このように、本発
明によればコンタクトホールの欠陥の要因を自動判定す
ることが可能となり、ドライエッチングプロセスへのフ
ィードバックを早期に行うことが可能となった。
【0053】以上のように、本発明によれば、異物等の
欠陥の組成情報を得ることができるようになり、異物発
生のプロセスやその要因を特定することが迅速かつ容易
にできるようになった。また、ウェハ回路表面の組成マ
ッピングから得られた微小部の表面組成から、欠陥の原
因を同定できるようになり、半導体製造プロセスへのフ
ィードバックを早期に行うことが可能となった。
【0054】(実施例2)第2の実施例は、上記第1の
実施例で欠陥検査後、所望の箇所の組成評価を電子線照
射時に放出される反射電子を検出して行う方法の一例で
ある。この方法では、あらかじめ全放出電子による欠陥
検査を行わなくでも、反射電子による検査のみで欠陥検
査を行うことが可能である。
【0055】反射電子は2次電子と比較して高いエネル
ギを保ったまま放出され、その放出率は図9に示すよう
に原子番号依存性を持っている。検出された反射電子の
画像において、正常部と欠陥部の信号強度から、正常部
の組成Z1と欠陥部の組成Z2およびその空間分布を知
ることができる。反射電子のエネルギは表面の帯電電圧
より十分大きいので、反射電子から得られた電子線画像
のコントラストは、表面の帯電状態による影響は小さ
い。反射電子を用いて組成評価する方法を、図1を用い
て説明する。
【0056】上記の欠陥検出の電子照射エネルギは、3
00eVから10keVまで設定できるが、反射電子検
出時には回路パターンや材料によって、最適な条件を3
00eVから10keVまでの範囲で再度設定可能であ
る。欠陥検査と反射電子による評価とで照射エネルギあ
るいは電子線の電流値が異なる場合には、照射ビーム校
正を再度行い、さらに欠陥検査で得られた電子線画像と
反射電子による電子線画像のアライメントを実施例1と
同様に行う。
【0057】被検査ウェハ18のアライメントが完了し
たら画像取得条件を入力する。画像取得領域として欠陥
検査で検出された欠陥部、あるいは電子線画像取得可能
範囲内で所望の箇所に設定することができる。検出電子
のフィルタリングエネルギのしきい値に対応して、エネ
ルギフィルタ13の電圧を固定して画像を取得する。フ
ィルタリングのしきい値は、電子線照射エネルギ毎に自
動選択することも可能である。また、エネルギフィルタ
13を用いて反射電子とオージェ電子の電子軌道を分離
し、それぞれに設置された二つの検出器で両者を同時に
分離検出することもできる。
【0058】検出された反射電子による信号は、電子線
走査をn回したときの信号を積算することができる。こ
のとき、電子線走査速度やブランキング時間を調整する
ことによって帯電材料を含むウェハ回路上でも、帯電に
よるビーム照射位置のずれの影響を少なくして画像を取
得することができる。また、一定時間毎に放出された全
電子の画像を取得し、電子線のドリフトの補正を行うこ
ともできる。
【0059】反射電子による画像を取得した後、信号強
度から元素の同定を行う。特定の信号強度が得られた画
素を表示することによって、元素マッピングを行うこと
ができる。あらかじめデータファイルとして記憶させて
ある電子線照射条件毎の電子線画像コントラストと元素
との関係から、組成の分布を表示することもできる。あ
らかじめ検査ウェハデータとして記憶させていた組成情
報と得られた画像の信号強度を比較することによって、
全体の信号強度を補正することもできる。また、エネル
ギフィルタ13を使用しないで2次電子を含めた全電子
線画像を取得し、それとの比較によって全電子画像から
得られた帯電の情報と反射電子のみから得られた組成情
報とを比較することができる。
【0060】(実施例3)第3の実施例は、上記第2の
実施例で欠陥検査後、所望の箇所の組成評価を電子線照
射時に放出される特性X線を検出して行う方法の一例で
ある。図10に特性X線による組成評価用の電子線検査
装置の一実施例を示す。電子線を照射したときに放出さ
れる特性X線を検出することによって、所望の微小検査
領域の組成を評価することができる。
【0061】図1に示した高さセンサ15は、入射電子
線の光軸に対して回転した図10では図示されない位置
に設置してあり、X線検出器68と干渉することはな
い。X線検出器68としては、エネルギ分散型を用い
た。ウェハ18表面からの特性X線は、検出器68のX
線ウィンドウ(図示せず)を透過して、SiあるいはG
e結晶(図示せず)に入射する。SiあるいはGeから
発生した信号はプリアンプ69によって増幅され、X線
信号変換部70でエネルギスペクトルに変換され、画面
28上に表示される。
【0062】欠陥検査の電子照射エネルギは、300e
Vから10keVまで設定できるが、特性X線検出時に
は、最適な条件を1keVから10keVまでの範囲で
再度設定可能である。欠陥検査と特性X線による評価と
電子線照射エネルギ、あるいは電子線の電流値が異なる
場合には、実施例1と同様に、ビーム校正を再度行い、
欠陥検査で取得した電子線画像と組成評価照射条件での
電子線画像のアライメントを行う。実施例1と同様に、
一点照射による組成評価、および、電子線を走査して組
成マッピングを行うことができる。帯電による電子線の
ドリフトを補正するには、実施例1および実施例2と同
様に行う。
【0063】組成評価を開始して、検出されたX線のエ
ネルギスペクトルが得られると、特性X線によるピーク
が画面28に表示される。原子番号に対応する特性X線
エネルギは、あらかじめデータファイルとして記憶され
ており、検出されたそれぞれのピークエネルギに対応す
る元素を同定し、画面上に表示することができる。電子
線を走査させてX線のエネルギスペクトルを得た後、検
出されたそれぞれの元素のマッピングを表示することが
できる。
【0064】
【発明の効果】従来、主として2次電子の信号強度から
回路パターンを持つ半導体ウェハの形状観察および帯電
の相違を観察することによって、異物の有無や孔パター
ンの非開口等の欠陥を検査していたが、同じ装置を使っ
て欠陥の組成情報を得ることまではできなかった。本発
明によれば、ウェハの欠陥を高速に検査した後、微小な
欠陥の組成評価を即座に簡便に行うことが可能となる。
さらに、欠陥検査結果の画像から大口径ウェハ上での同
種の欠陥を分類した結果と併せることによって、一つの
欠陥の組成評価を行うだけで、同種の欠陥の分布を得る
ことが可能となった。
【0065】この結果、本発明によれば欠陥の発生要因
を短期間で究明でき、半導体製造プロセスの開発期間を
大幅に短縮することが可能となった。さらに、不良発生
時に欠陥の発生要因を早期に解析することによって、歩
留まりを向上することが可能となった。また、本発明の
方法は非破壊で大面積ウェハ上の組成評価が可能となる
ため、製造工程途中で抜き取ったウェハの検査終了後、
続きの工程にウェハを戻して半導体を製造することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の半導体検査装置の概略縦断
面図。
【図2】固体表面から放出される電子線のエネルギスペ
クトル図。
【図3】本発明の一実施例の検査方法を示す工程フロー
図。
【図4】エネルギフィルタの電圧設定と検出される電子
のエネルギ分布の関係を示す説明図。
【図5】測定された電子のエネルギスペクトル図。
【図6】本発明をコンタクトホール検査に実施した一例
を示す工程フロー図。
【図7】コンタクトホールに検出された欠陥の自動判定
のためのフロー図。
【図8】コンタクトホールの電位コントラスト像と元素
マッピングの一例を示す図。
【図9】反射電子の放出率の原子番号依存性を示す図。
【図10】本発明の一実施例のX線による組成評価用の
半導体検査装置の構成図。
【符号の説明】
2…電子光学系、3…ステージ、4…ウェハ搬送系、5
…真空排気系、6…光学顕微鏡、7…制御系、8…操作
部、9…電子銃、10…コンデンサレンズ、11…対物
レンズ、12…検出器、13…エネルギフィルタ、14
…偏向器、15…高さセンサ、16…XYステージ、1
7…ウェハホルダ、18…ウェハ、19…リターディン
グ電源、20…ウェハカセット、21…ウェハローダ、
22…信号検出系制御部、24…ブランキング制御部、
24…ビーム偏向補正部、25…電子光学系制御部、2
6…高さ検出系、27…ステージ制御部、28…操作画
面、29…画像処理部、30…データ保持部、31…外
部サーバ、65…正常部、66…欠陥部、67…欠陥
部、68…X線検出器、69…アンプ、70…X線信号
変換器、73…フィルタ電極、74…所望のエネルギを
含む信号、75…所望のエネルギを含まない信号、76
…所望のエネルギの信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/66 H01L 21/66 J N (72)発明者 落合 勲 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 高藤 敦子 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2F067 AA54 AA62 BB01 BB04 CC17 HH06 JJ05 KK02 KK04 KK05 KK08 LL16 PP12 QQ02 RR35 UU32 UU33 2G001 AA03 AA09 BA05 BA07 BA09 BA15 CA03 FA06 GA01 GA06 GA09 HA01 HA07 HA13 JA02 JA11 JA13 KA01 KA03 LA11 MA05 NA03 NA07 PA11 4M106 AA01 BA02 CA16 CA39 CA41 CA70 CB21 DB04 DB05 DB12 DB18 DB30 DH01 DH24 DH25 DH33 DJ04 DJ07 DJ20 DJ21 DJ23

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回路パターンが形成された半導体装置基板
    表面の第1、第2の領域に電子線を照射・走査する工程
    と、電子線によって上記基板から2次的に発生する電子
    線の信号を検出する工程と、検出された信号を画像化し
    て表示する工程と、上記基板上の第1、第2の領域で得
    た上記画像を比較して欠陥を検出する工程を含む検査方
    法であって、上記2次的に発生した電子線のうち、特定
    のエネルギを持つ電子線を選択的に検出する工程を有
    し、欠陥部の組成情報を得て欠陥の判定をすることを特
    徴とする半導体装置の検査方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の検査方法において、基板上
    の第1、第2の領域で得た画像を比較して検出された欠
    陥部を含み、上記第1、第2の領域よりも十分小さい第
    3の領域に一次電子線を照射し、2次的に発生した電子
    線のエネルギ分布を取得することを特徴とする半導体装
    置の検査方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の検査方法において、上記第
    3の領域からの電子線のエネルギ分布を取得する際に、
    一定時間ごとに第3の領域を含む第4の領域に電子線を
    照射・走査し、2次的に発生した電子線の画像から上記
    第3の領域を判定し、1次電子線の照射位置のずれを補
    償することを特徴とする半導体装置の検査方法。
  4. 【請求項4】微細パターンが形成された被検査基板表面
    の任意の領域に電子線を照射・走査する手段と、電子線
    によって上記基板から2次的に発生する電子線の信号を
    検出する手段と、検出された信号を画像化して表示する
    手段と、上記基板上の第1および第2の領域で得た上記
    画像を比較して欠陥を検出する手段を含む検査装置であ
    って、上記2次的に発生した電子線のうち、特定のエネ
    ルギを持つ電子線を選択的に検出する手段を有し、上記
    欠陥部の組成情報を得て欠陥の原因または種別を判定す
    ることを特徴とする基板表面の検査装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の検査装置において、上記2
    次的に発生した電子線のエネルギ分布取得可能範囲が2
    000eVであることを特徴とする基板表面の検査装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし3のいずれか記載の検査方
    法において、上記2次的に発生した電子線のうち、所望
    のエネルギを持つ電子を選択的に検出し、上記検出され
    た信号を画像化して表示し、欠陥判定することを特徴と
    する半導体装置の検査方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし3のいずれか記載の検査方
    法において、上記2次的に発生した電子線を所望のしき
    い値で分別するエネルギ分析手段によって、後方散乱電
    子を検出し、上記後方散乱電子に基づく画像を比較し、
    欠陥を検出することを特徴とする半導体装置の検査方
    法。
  8. 【請求項8】回路パターンが形成された半導体装置基板
    表面の第1、第2の領域に電子線を照射・走査する工程
    と、電子線によって上記基板から2次的に発生する信号
    を検出する工程と、検出された信号を画像化して表示す
    る工程と、上記基板上の第1、第2の領域で得た上記画
    像を比較して欠陥を検出する工程を含む検査方法であっ
    て、上記2次的に発生した信号として特性X線を検出す
    る工程と、上記特性X線から上記欠陥部の組成情報を得
    る工程と、上記組成情報から欠陥判定をする工程を含む
    ことを特徴とする半導体装置の検査方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の検査方法において、基板上
    の第1、第2の領域で得た画像を比較して検出された欠
    陥を含み、上記第1、第2の領域よりも十分小さい第3
    の領域に1次電子線を照射し、2次的に発生した特性X
    線のエネルギ分布を取得することを特徴とする半導体装
    置の検査方法。
  10. 【請求項10】請求項8記載の検査方法において、1次
    電子線を照射・走査し、2次的に発生した上記特性X線
    のうち、所望のエネルギを持つX線を検出し、上記検出
    された信号を画像化して表示することを特徴とする半導
    体装置の検査方法。
  11. 【請求項11】請求項1ないし3および請求項6ないし
    10のいずれか記載の検査方法において、組成評価時の
    1次電子線の照射エネルギが1keV〜10keVの範
    囲であることを特徴とする検査方法。
  12. 【請求項12】請求項1ないし3および請求項6ないし
    10のいずれか記載の検査方法において、基板上の第
    1、第2の領域で得た画像を比較して検出された欠陥を
    含み、第1、第2の領域よりも十分小さい第3の領域に
    照射する1次電子線のエネルギを、第1、第2の領域を
    照射した1次電子エネルギと異なる所望の値に設定し、
    上記第3の領域に1次電子線を照射することを特徴とす
    る半導体装置の検査方法。
  13. 【請求項13】請求項1ないし3および請求項6ないし
    10のいずれか記載の検査方法において、上記2次的に
    発生した電子線のうち、所望のエネルギを含むしきい値
    で取得した電子線信号強度と、上記所望のエネルギを含
    まないしきい値で取得した電子線信号強度から、演算に
    よって所望のエネルギ幅の電子線信号強度を取得するこ
    とを特徴とした半導体装置の検査方法。
JP2000340386A 2000-11-02 2000-11-02 半導体装置の検査方法および検査装置 Pending JP2002139464A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340386A JP2002139464A (ja) 2000-11-02 2000-11-02 半導体装置の検査方法および検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340386A JP2002139464A (ja) 2000-11-02 2000-11-02 半導体装置の検査方法および検査装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002139464A true JP2002139464A (ja) 2002-05-17

Family

ID=18815313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000340386A Pending JP2002139464A (ja) 2000-11-02 2000-11-02 半導体装置の検査方法および検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002139464A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004212067A (ja) * 2002-12-26 2004-07-29 Olympus Corp 欠陥検査装置及び欠陥検査方法
JP2007149571A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Hitachi High-Technologies Corp 試料測定方法、及び荷電粒子線装置
KR100905822B1 (ko) * 2007-01-02 2009-07-02 주식회사 하이닉스반도체 반도체 소자의 모니터링 방법
JP2012098113A (ja) * 2010-11-01 2012-05-24 Renesas Electronics Corp 半導体装置の製造方法
WO2015163266A1 (ja) * 2014-04-21 2015-10-29 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子顕微鏡、及びその制御方法
WO2016084157A1 (ja) * 2014-11-26 2016-06-02 株式会社日立製作所 走査電子顕微鏡およびその電子軌道調整方法
WO2016152582A1 (ja) * 2015-03-20 2016-09-29 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子線式パターン検査装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004212067A (ja) * 2002-12-26 2004-07-29 Olympus Corp 欠陥検査装置及び欠陥検査方法
JP2007149571A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Hitachi High-Technologies Corp 試料測定方法、及び荷電粒子線装置
KR100905822B1 (ko) * 2007-01-02 2009-07-02 주식회사 하이닉스반도체 반도체 소자의 모니터링 방법
JP2012098113A (ja) * 2010-11-01 2012-05-24 Renesas Electronics Corp 半導体装置の製造方法
WO2015163266A1 (ja) * 2014-04-21 2015-10-29 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子顕微鏡、及びその制御方法
JP2015207458A (ja) * 2014-04-21 2015-11-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子顕微鏡、及びその制御方法
US10014160B2 (en) 2014-04-21 2018-07-03 Hitachi High-Technologies Corporation Scanning electron microscope and method for controlling same
WO2016084157A1 (ja) * 2014-11-26 2016-06-02 株式会社日立製作所 走査電子顕微鏡およびその電子軌道調整方法
JPWO2016084157A1 (ja) * 2014-11-26 2017-07-13 株式会社日立製作所 走査電子顕微鏡およびその電子軌道調整方法
WO2016152582A1 (ja) * 2015-03-20 2016-09-29 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子線式パターン検査装置
JPWO2016152582A1 (ja) * 2015-03-20 2017-05-25 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子線式パターン検査装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7019294B2 (en) Inspection method and apparatus using charged particle beam
JP5164317B2 (ja) 電子線による検査・計測方法および検査・計測装置
US6700122B2 (en) Wafer inspection system and wafer inspection process using charged particle beam
US7521679B2 (en) Inspection method and inspection system using charged particle beam
US7271385B2 (en) Inspection method and inspection apparatus using electron beam
JP4685599B2 (ja) 回路パターンの検査装置
US20030057971A1 (en) Inspection method using a charged particle beam and inspection device based thereon
JPH11108864A (ja) パターン欠陥検査方法および検査装置
JPH09320505A (ja) 電子線式検査方法及びその装置並びに半導体の製造方法及びその製造ライン
JP3906866B2 (ja) 荷電粒子ビーム検査装置
US6996492B1 (en) Spectrum simulation for semiconductor feature inspection
JP2000161948A (ja) 回路パターン検査装置、および回路パターン検査方法
JP4041630B2 (ja) 回路パターンの検査装置および検査方法
JP2002139464A (ja) 半導体装置の検査方法および検査装置
TWI736915B (zh) 判定半導體結構的檢測系統和檢測方法
JP2005181347A (ja) 回路パターンの検査装置、検査システム、および検査方法
JP4095510B2 (ja) 表面電位測定方法及び試料観察方法
JP2005183881A (ja) 荷電粒子ビームを用いた半導体ウェハ試料の検査方法および装置
JP4320308B2 (ja) 欠陥検査方法
JP3765988B2 (ja) 電子線式外観検査装置
JP2000188310A (ja) 回路パターン検査装置
JP2007281500A (ja) 回路パターンの検査装置、検査システム、および検査方法
JP4229783B2 (ja) 半導体ウェハ試料の検査方法および装置
JP2000164661A (ja) 回路パターンの検査装置
JPH0843331A (ja) X線分析方法および装置