JP2000188310A - 回路パターン検査装置 - Google Patents

回路パターン検査装置

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JP2000188310A JP10364060A JP36406098A JP2000188310A JP 2000188310 A JP2000188310 A JP 2000188310A JP 10364060 A JP10364060 A JP 10364060A JP 36406098 A JP36406098 A JP 36406098A JP 2000188310 A JP2000188310 A JP 2000188310A
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卓 大嶋
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真理 野副
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体装置の同一設計パターンの欠陥、異物、
残渣等を電子線により検査する方法において、基板から
発生する二次電子または反射電子またはその両方を高効
率に高速に検出し、所望のコントラストで半導体ウェハ
の高精度、高速な検査を行う。 【解決手段】基板表面から発生する電子を検出する検出
器を分割した検出素子で構成し、電子の軌道に対し試料
状態に応じた所望の制御を行い、得られた各素子の出力
信号の演算処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子線応用装置およ
び方法に係わり、特に大電流低加速電子を照射し高速に
画像を取得する半導体ウェハ上のパターン観察・検査に
好適な電子線応用装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハの回路パターンの微細化、
複雑化に伴い、電子線を用いた回路パターンの検査装置
が実用化されてきている。例えば特開昭59−1929
43号公報,ジャーナル オブ バキューム サイエン
ス アンド テクノロジー(J.Vac. Sci. Tech).B,V
ol.9,No.6,pp.3005−3009(1991),J. Vac. Sci. Tec
h. B, Vol.10,No.6,pp.2511−2515(1992),エスピー
アイイー(SPIE)Vol.2439、および特開平5−25
8703号公報等に記載の技術が知られている。
【0003】ウェハ径の増大と回路パターンの微細化に
対応して高スループットかつ高精度な検査を行うために
は、非常に高速に高SNな画像を取得する必要がある。
そのため、通常の走査型電子顕微鏡(SEM)の100
倍以上(10nA以上)の大電流ビームを用いて照射電
子数を確保し、高SN(信号対雑音比)を保っている。
さらに、基板から発生する二次電子、反射電子の高速か
つ高効率な検出が必須である。
【0004】また、レジスト等の絶縁膜を伴った半導体
基板が帯電の影響を受けないように2keV以下の低加
速電子線を照射している(電子、イオンビームハンドブ
ック(日刊工業新聞社)p622−P623)。大電流
でなおかつ低加速の電子線では空間電荷効果による収差
が生じ高分解能な観察が困難である。この問題を解決す
る方法として試料直前で高加速電子線を減速し、試料上
で実質的に低加速電子線として照射する手法が知られて
いる(例として特開平5−258703号、特開平6−
139985号公報がある)。
【0005】以下、従来技術の電子光学系の一例の概略
を図10により簡単に説明する。引き出し電極2の電圧
により電子銃1から出た一次電子線201はコンデンサ
レンズ3、走査偏向器5、絞り6、対物レンズ9等を通
過して収束、偏向されて試料ステージ11,12上の半
導体装置基板10に照射される。この基板10には一次
電子線減速用に高圧電源23より減速電圧(以下、リタ
ーディング電圧と称する)が印加されている。基板10
からは一次電子線201の照射により二次電子202お
よび反射電子204が発生する。二次電子202および
反射電子204はリターディング電圧により数KeVの
エネルギに加速される。
【0006】対物レンズ9の電子銃側には隣接してE×
B偏向器8が設けてある。このE×B偏向器8は一次電
子線201に対しては電界と磁界による偏向量が互いに
打ち消し合い、二次電子202および反射電子204に
対しては両者の重ね合わせで電子を偏向させる偏向器で
ある。加速された二次電子202および反射電子204
はこのE×B偏向器8により偏向され、さらに検出器1
3の前面に設けた孔の開いたキャップ電極14と検出器
13の間の吸引電圧が形成する電界に引き寄せられて検
出器13に入射する。
【0007】検出器13は半導体検出器で構成されてい
る。二次電子202は半導体検出器に入射して電子正孔
対を作り、これが電流として取り出され電気信号に変換
される。この出力信号はさらにプリアンプ21で増幅さ
れて画像信号用輝度変調入力となる。以上の電子光学系
の動作で基板上の一領域の画像を得てから画像出力信号
に一画面分の遅延をかけ、第2の領域の画像を同様にし
て取得する。二つの画像を画像比較評価回路で比較し、
回路パターンの欠陥部の検出を行う。
【0008】電子線による外観検査装置では、高速な画
像形成技術が求められるため、二次電子および/または
反射電子の検出器には、特開平5−258703号公報
に開示されている周波数応答特性のよい半導体検出器を
用いる技術が適している。半導体検出器の応答速度は検
出素子の表面層の接合容量に反比例しており、所望の応
答速度を得るための最大面積は素子特性から一意的に決
定される。
【0009】例えば100MHzの信号取り込みに追随
するためには数mm角程度以下の素子で形成されたものを
使用する。限定された面積の半導体検出素子で高効率に
二次電子を検出するために、二次電子を検出器の位置で
検出有効領域内に収まるように細く収束させる。二次電
子は試料から50eV以内のエネルギで−90度から9
0度までの拡がりをもって出射し、リターディング電界
によって加速されている。二次電子出射方向は一般にい
わゆるcos則にしたがい、試料表面の法線方向(0度
と定義する)に最も高密度に出射し、0度から外れるに
つれて低密度となる分布で出射する。
【0010】リターディング電圧で加速された二次電子
は試料出射時の角度の拡がりが低減された状態で加速さ
れているが、これを数mm以内のスポット径に絞るため、
検出器の吸引電界等のみでなく、例えば一次ビーム収束
用の対物レンズを通過させるなどして絞る技術が必要で
ある。
【0011】以上の技術によって、二次電子を高効率に
捕捉することは可能となり、二次電子の生成量の変化を
画像化することは一定のレベルで可能となった。
【0012】半導体ウェハ表面を形成している物質に
は、Si(シリコン)、W(タングステン)等の導電性
材料と、酸化膜やレジスト等の絶縁性材料とがある。物
質に電子線を照射して発生する二次電子および反射電子
は、照射される試料の元素、導電性、電位状態、形状、
照射条件にしたがった量とエネルギ、角度を持って発生
する。すなわち、二次電子、反射電子は試料基板からの
発生時に電子線の入射条件、基板表面の材質、凹凸や電
位状態を反映した初速度を持って出て来る。
【0013】検査対象は導電性物質のみの場合と、絶縁
性材料のみの場合と、両者が混在している場合とがある
ため、半導体を電子線で検査する装置には、これら3つ
の場合ともに検査可能な二次電子および/または反射電
子画像を得ることが要求される。より具体的には、電子
線による検査装置では試料の電位コントラストと形状コ
ントラストを検査対象に応じて所望のコントラストで得
ることが要求される。二次電子信号と反射電子信号を両
方検出し、両者の演算処理により欠陥を検出する技術と
しては特開昭56−126752号公報がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本回路パター
ン検査装置には以下の問題点がある。まず、上記のよう
に、二次電子、反射電子の発生量と初速エネルギ、角度
(この両者を合わせて初速度とも記述する)は電子線照
射条件と照射対象を反映したものになる。そのため、同
一の照射条件では、二次電子の発生状態が試料依存性の
みで決定する。その結果、同一条件で動作させる場合、
二次電子画像の形成に適した試料でのみ良好な検査画像
が得られ、画像形成に適さない試料では良好な検査画像
が得られないという欠点があった。
【0015】例えば、電気伝導度が類似した複数種類の
試料の形状欠陥を検査するには、試料の元素の違い、輪
郭の凹凸部の傾斜等を信号化する必要が生じる。元素の
違いは主に反射電子の発生量に反映する。二次電子は、
試料表面の傾斜部分で、発生量が傾斜角度に応じて変化
するとともに、発生量の最も高密度な方向成分(以下、
主軸とも呼ぶ)の出射方向も傾斜角度に応じて変化す
る。試料の電気伝導度と電位状態によっては二次電子の
発生量が全体に低い場合があり、その場合試料表面の凹
凸、傾斜の情報(形状コントラスト)が相対的に画像化
しにくい。形状コントラストを強調して画像化するため
には、ビーム照射条件、電位状態を適切なものにすると
ともに二次電子軌道主軸の傾きの変化を信号化する必要
がある。それに対し、上記の従来技術は二次電子または
反射電子を一素子に集めて信号化するものであり、軌道
の傾きの差の信号化は困難であった。
【0016】逆に、電位状態が異なる複数種類の試料で
は、発生する二次電子のエネルギと発生方向、および二
次電子の発散分布に差が出る。試料表面の電位状態に応
じて、cos則で予想するよりも大きな角度範囲に二次
電子が初速度を持って加速される場合がある。また、凹
凸や傾斜等の形状の差と電位状態の差が両方兼ね備えら
れた試料を検査する場合、上記の二次電子軌道の変化が
混在して現れる。
【0017】従来技術では、半導体検出器へ到達する電
子の総数(電子の捕捉数)を信号化していた。画像のS
/Nを確保するために試料から発生する二次電子の多数
を効率よく捕捉できる検出系を配置していた。その結
果、上記のような二次電子の軌道の変化に対しては、捕
捉できる電子数の差としては信号化できたものの、電子
の軌道の傾き、発散分布、エネルギの分析を行うことは
できなかった。その結果、捕捉電子数に大きな変化がな
い、あるいは電子数が総じて小さい場合には、パターン
形状や電位状態を画像化することが困難であった。
【0018】一方、従来から存在する電子線装置で二次
電子の軌道の傾きを分離して検出する技術は公知であ
り、例えば特開昭59−201356号公報が知られて
いる。しかし、上記従来技術等は分離した検出素子をビ
ーム光軸周囲に円環状に配置した構成であり、二次電子
をリターディング電界で高速に加速する本検査装置では
光軸近傍に集中した二次電子が大量に通過して検出不可
能となり、高速検査画像取得に十分な個数の電子を捕捉
することができない。
【0019】また、上記従来技術では、半導体検出器の
素子自体が高速応答の必要性から面積の小さいものに限
定されるため、二次電子、反射電子を高効率に捕捉する
こと自体も困難という問題がある。さらに、高効率に電
子を集める必要性から、電界分布および軌道の変化を伴
うリターディング電圧を大きく変化させて検査すること
は困難であり、試料状態に対し最適な照射、電位条件に
合わせて検査することができなかった。
【0020】本発明の課題は上記の問題を解決し、高い
捕集効率で高加速二次電子および反射電子を軌道の傾き
の情報を取得しながら高速に検出して、絶縁物あるいは
絶縁物と導電性物質が混在する多様な半導体装置の製造
過程における回路パターンを電子線により高速、安定か
つ明暗コントラストの大きい良質・高精度の画像として
取得しその画像を自動比較検査により欠陥を誤りなく検
出することである。さらには、上記検査結果を半導体装
置の製造条件に反映し、半導体装置の信頼性を高めると
ともに不良率を低減することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の方法および装置
は、高加速二次電子を初速度の情報を取得しながら高効
率に検出するのにきわめて好適な構成を提供する。すな
わち、回路パターンを有する基板の第1、第2の領域へ
照射させる一次電子線の発生手段と収束手段と走査偏向
手段と、上記一次電子線を加減速させると共に上記基板
から発生する二次電子および反射電子を加減速する加減
速手段と、上記二次電子および反射電子を偏向する手段
と収束させる手段と、上記電子線の光軸から外れた位置
にあって上記二次電子および反射電子またはこれらの一
方の電子を検出する検出器と、上記検出器で検出した信
号から画像を形成する手段と、上記基板上の第1、第2
の領域で得た上記画像を比較する手段を有する回路パタ
ーン検査装置において、検査モード選択手段が具備さ
れ、上記加減速手段に可変電源が接続してあり、加減速
条件に合わせて上記二次電子および反射電子の偏向手
段、収束手段を制御する調整手段があり、また、上記検
出器の検出素子が分割された複数の素子からなり、複数
の素子それぞれにアンプ回路と、各素子の出力を上記検
査モードに合わせて演算処理する演算回路とを有して各
素子の出力を演算処理して二次電子または反射電子画像
を得ることを特徴とする。なお、検出器前面には金属製
のキャップを有し、キャップに電流計を接続して二次電
子の検出素子からの逸脱の有無を測定可能な構成とし
た。
【0022】以上のような方法および装置を実施すれ
ば、試料の表面状態に応じた検査モードを選択し、電子
の照射条件、二次電子の収束・偏向条件等を適切に選ぶ
ことで、基板からの二次電子および反射電子の軌道を主
軸の試料出射角度に応じて異なる検出素子へ入射させ、
二次電子の初速度の違いを情報として取得することがで
きる。また、試料表面で発生する二次電子のエネルギに
応じて偏向量に差が出るので、これらを分割された検出
素子のそれぞれへ入射させ、エネルギ分析の機能を持た
せることができる。それぞれの検出素子の出力は、検査
モードに合わせて演算処理することで適切な画像信号と
して形成される。分割素子の出力の総和を取って画像化
すれば、通常の二次電子生成量のコントラストを持つ二
次電子画像を得ることができる。
【0023】さらに、二次電子軌道の傾き分布から得ら
れる試料表面状態のコントラスト強調画像と通常の二次
電子生成量のコントラスト画像とを加算または減算し、
両者を重ね合わせた画像を得ることも可能になった。こ
れらの結果、高い捕集効率で、高速に二次電子を検出
し、二次電子の軌道の傾きおよびエネルギの差の情報を
取得し、検査に用いることが可能となった。
【0024】さらに、複数の素子を並べることにより、
二次電子を捕捉する検出器の素子面積の和も大きくな
り、二次電子の検出漏れを低減させることができた。そ
の結果、cos則よりも大きく角度が広がって加速され
る二次電子束についても効率の高い捕捉が可能になっ
た。
【0025】以上に述べたように、本発明により、高速
・高SNで試料表面の状態を反映する所望のコントラス
トの二次電子画像信号を得て絶縁物を含む半導体基板の
鮮明で安定な画像を取得でき、高速で正確な半導体パタ
ーンの欠陥検査が可能な回路パターン検査装置と方法を
得ることができた。
【0026】
【発明の実施の形態】(実施例1)はじめに半導体装置
の検査と製造工程の関係について述べる。半導体装置の
製造プロセスは図2に示すように、多数のパターン形成
工程を繰り返している。パターン形成工程は大まかに、
成膜・感光レジスト塗布・感光・現像・エッチング・レ
ジスト除去・洗浄の各ステップにより構成されている。
この各ステップにおいて製造条件が最適化されていない
と半導体装置の回路パターンが正常に形成されない。例
えば図2の成膜工程で異常が発生するとパーテイクルが
発生し、ウェハ表面に付着し、孤立欠陥等が生じる。
【0027】また、レジスト塗布後感光時に、焦点や露
光時間等の条件が最適でないと、レジストに照射する光
の量や強さが多すぎる箇所・足りない箇所が発生し、シ
ョートや断線、パターン細りを伴う。露光時のマスク・
レチクル上に欠陥があると、同様のパターンの形状異常
が発生しやすい。
【0028】また、エッチング量が最適化されていない
場合およびエッチング途中に生成された薄膜やパーテイ
クルにより、ショートや突起、孤立欠陥を始め、開口不
良等も発生する。洗浄時には、乾燥時の水切れ条件によ
り、パターン角部その他の箇所に異常酸化を発生しやす
い。従って、ウェハ製造プロセスでは、これらの不良が
発生しないよう加工条件を最適化する必要があるととも
に、異常発生を早期に検出し、当該工程にフィードバッ
クする必要がある。そこで、本実施例では図2に示した
n番目のパターン形成工程におけるレジスト感光・現像
後に検査を適用する例について記載する。
【0029】以下、上記の不良を検出するための検査方
法および検査装置の概要について述べる。本発明の基本
概念は、回路パターンの形成された基板から発生する二
次電子および反射電子を高速に効率よく検出し、画像信
号化して高精度の回路パターン検査を実行することを目
的に、二次電子および反射電子またはその一方を複数の
素子からなる検出器に入射させ、各素子で得た電子信号
を検出器後段の演算処理回路で演算し、その結果得られ
る信号を画像化することである。
【0030】これにより、検出器で高効率に二次電子お
よび反射電子またはその一方を捕捉しながら同時に電子
軌道の傾きおよびエネルギによる到達位置の違いを情報
として取得することができる。その結果、SNを低下さ
せることなく、試料表面で発生した二次電子および反射
電子の初速度を取得し、高速に損失なく有効に表面状態
を反映したコントラストを持つ検査画像を取得すること
ができる。
【0031】図1に本発明の第1の実施例の装置構成を
示す。本検査装置は大別して電子光学系101、試料室
102、制御部103、画像処理部104より構成され
ている。
【0032】電子光学系101は電子銃1、引き出し電
極2、コンデンサレンズ3、ブランキング用偏向器4、
走査偏向器5、絞り6、シールドパイプ7、E×B偏向
器8、対物レンズ9により構成されている。E×B偏向
器8は4極の静電、磁界型偏向器の組み合わせで形成し
た。
【0033】試料室102は、X−Yステージ11、回
転ステージ12、光学式高さ測定器26、位置モニタ用
測長器27より構成されており、また2次電子検出器1
3が対物レンズ9の上方にあり、二次電子検出器13の
出力信号はプリアンプ21および増幅器35で増幅さ
れ、AD変換器22によりデジタルデータとなる。
【0034】制御部103は検査装置各部の動作命令お
よび動作条件を入出力する。予め制御部103に電子線
発生時の加速電圧・電子線偏向幅・偏向速度・試料台移
動速度・検出器の信号取り込みタイミング等々の条件が
入力されている。また、光学式高さ測定器26、位置モ
ニタ用測長器27の信号から補正信号を生成し、電子線
が常に正しい位置に照射されるよう対物レンズ電源25
や、走査信号発生器24に補正制御回路28から補正信
号を送る。
【0035】画像処理部104は画像記憶部30a、
b、演算部33、欠陥判定部34より構成されている。
取り込まれた電子線画像および光学画像は、モニタ32
に表示される。
【0036】電子銃1には拡散補給型の熱電界放出電子
源を用いた。これにより明るさ変動の少ない比較検査画
像が得られ、かつ電子線電流を大きくすることが可能な
ことから、高速な検査が可能になる。電子線201は引
出電極2に電圧を印加することで電子銃1から引き出さ
れる。
【0037】電子線201の加速は電子銃1に高圧の負
の電位を印加することでなされる。これにより、電子線
201はその電位に相当するエネルギ、例えば本実施例
では12keVで試料台11方向に進み、コンデンサレ
ンズ3で収束され、さらに対物レンズ9により細く絞ら
れ、X−Yステージ11の上に搭載された被検査基板1
0(ウェハあるいはチップ等)に照射される。被検査基
板10には高圧電源23により負の電圧(リターディン
グ電圧)を印加できるようになっている。
【0038】被検査基板10とE×B偏向器8の間には
接地電極29を設け、基板10との間にリターディング
電界を形成させた。基板10に接続した高圧電源23を
調節することにより、被検査基板10への電子線照射エ
ネルギを最適な値に調節することが容易となる。本実施
例ではリターディング電圧として基板10に−11.5
kV〜−3kVの電位を印加する。さらにまた、本実施
例では接地電極と試料表面の間に中間電極を配置した。
中間電極には、印加する電圧をリターディング電位から
グランド電位まで調節できる可変電源を接続し、印加電
圧を制御できる構成とした。
【0039】画像形成にはX−Yステージ11を静止さ
せ電子線201を二次元に走査する方法と、電子線20
1は一次元のみ走査し走査方向と直交する方向にX−Y
ステージ11を連続的に移動する方法のいずれかを選択
できる。ある特定の場所のみを検査する場合にはステー
ジ11を静止させて検査し、被検査基板10の広い範囲
を検査するときはステージ11を連続移動して検査する
と効率のよい検査が行える。
【0040】被検査基板10の表面の画像を取得するた
めには、細く絞った電子線201を上記被検査基板10
に照射し、二次電子202および反射電子(図示略)を
発生させ、これらを電子線201の走査およびステージ
11の移動と同期して検出する。
【0041】本発明で述べるような自動検査では検査速
度が速いことが必須となる。したがって通常のSEMの
ようにpAオーダのビーム電流を低速で走査したり、複
数回走査は行わない。そこで、通常のSEMに比べ約1
00倍以上のたとえば100nAの大電流電子線を一回
のみの走査により画像を形成する構成とした。一枚の画
像は1024×1024画素で約10msecで取得するよ
うにした。画像信号には一画像分の遅延をかけて次の画
像の取り込みと同期させて画像比較評価を行い、回路基
板10上の欠陥探索を行った。二次電子検出器近傍には
一次ビームシールドパイプ7を配置した。シールドパイ
プのビーム通過孔は1mmφとした。
【0042】検出器は図3に示すように4つに等方的に
分割した検出素子13(a〜d)からなる。また、検出
面の前面に、検出面周囲を囲む形状の検出器キャップ1
4(a〜d)を設けている。検出器キャップ14はリン
青銅製で、やはり等方的に4分割しており、それぞれに
電流計39(a〜d)を接続した。キャップ電極14に
電子が衝突すると電流が流れ、その電流量がモニタでき
る構成である。検出器13の各素子の有効検出面積は4
mm角として構成した。キャップ14は検出器13の正面
に径7mmφの開孔を有する構成とした。
【0043】次に、二次電子の発生過程について述べ
る。一次電子線は固体に入射すると内部に進入しながら
それぞれの深さにおいて殻内電子を励起してエネルギを
失っていく。またそれとともに一次電子線が後方に散乱
された反射電子が、やはり固体内で電子を励起させなが
ら表面へ向かって進む現象が生じる。これら複数の過程
を経て、殻内電子は固体表面から表面障壁を越えて二次
電子となって0〜50eVのエネルギを持って真空中へ
出る。
【0044】一次電子線と固体表面のなす角が浅い場合
ほど、一次電子線の進入距離とその位置から固体表面ま
での距離との比が小さくなり、二次電子が表面から放出
されやすくなる。したがって二次電子の発生は一次電子
線と固体表面の角度に依存し、二次電子発生量が試料表
面の凹凸を示す情報となる。それと同時に、二次電子軌
道の傾きも試料表面の傾きに応じて変化する。文献によ
れば、二次電子発生量の角度依存性は次の数1となる
(Reimer,'Scanning Electron Microscope', P14
5)。
【0045】
【数1】 dδ/dΩ=δ(0,Z)/π・secφ・cosζ (δ;二次電子発生量、Ω;二次電子発生方向の立体
角、Z;原子番号、φ;試料表面の法線と入射ビームの
なす角、ζ;試料表面の法線に対する二次電子発生角
度) 傾き角について、図4にモデルを示しながら説明する。
表面が一次ビーム入射方向に垂直な平面であれば、二次
電子は一次ビームと正反対の方向(ここではこれを0度
と定義する)を中心としていわゆるcos則にしたがっ
た分布で−90度から90度までの範囲で出射する。試
料表面が入射ビームに対して傾いている場合には、傾い
た平面に対して垂直な方向への出射電子の密度が高くな
る(以下、二次電子または反射電子の最も高密度な出射
方向への軌道を主軸の軌道と呼ぶ)。
【0046】さらに、図5にモデルを示すように試料1
0表面に不均一な電位の分布がある場合、発生した二次
電子202は表面近傍の電位分布によって偏向される。
したがって、二次電子202の主軸軌道は表面電位の有
無により傾きが変化する。二次電子202の拡がりにつ
いても、均一な電位分布内で発生する場合と比較して、
上記理論よりも二次電子202が不規則な拡がりをもっ
て出て来る現象が生じる。
【0047】一方、反射電子は一次電子線が最表面の原
子に衝突してほとんどエネルギ損失なしに反射してくる
ものであり、試料表面の凹凸および試料を構成する元素
の平均原子番号の違いにより発生量が異なる。反射電子
はエネルギが高いため、表面近傍の電位分布による偏向
作用は受けにくい。
【0048】図1に概略を示したように、電子銃1から
出た一次電子線201を試料基板10へ照射し発生させ
た二次電子202は、基板10に印加されたリターディ
ング電圧により11.5kV〜3.5keVに加速され
る。それとともに対物レンズ9、E×B偏向器8により
収束、偏向され、検出器13へ入射する。検出器13で
得られる検出信号から検査に必要な画像情報を得る。
【0049】本装置の動作では、試料の材質、加工工程
に応じた所望のコントラストの画像を得られるように、
検査モードの選択スイッチ45を介してリターディング
電圧、中間電極電圧、コンデンサレンズ、対物レンズの
励磁条件、E×B偏向器の偏向電磁界等々を変化させ
る。これらの条件の変化により、一次電子のエネルギや
スポット径、二次電子の主軸軌道の傾き、エネルギ、収
束条件等々が変化する。すなわち、リターディング電圧
の変化により一次ビームの照射エネルギ、スポット径、
二次電子のエネルギが変わる。さらに、中間電極の電圧
によって、図5に示すような試料表面近傍の電位の変化
勾配が制御されるので、二次電子の主軸の傾き、拡がり
方が変化する。
【0050】対物レンズは基本的に一次電子ビームを所
望のスポット径に収束させる励磁条件で動作させる。検
査速度向上のため、低分解能でも検査可能な試料材質、
検査工程であればスポット径を大きくして検査を行う場
合もある。その許容範囲内で二次電子の収束・発散を所
望の条件で行うように制御を行う。さらに、コンデンサ
レンズを連動して変化させ、一次ビームのスポット径を
一定に保ったまま二次電子のスポット径を所望の径に変
化させる調節もできる構成にしてある。
【0051】E×B偏向器は、一次ビームに収差の影響
を与えない範囲で二次電子主軸を所望の傾きに偏向させ
るように調節する。本実施例では二次電子を約8度程度
偏向させた。このとき、一次電子ビームに偏向作用を及
ぼさないように、電界と磁界の偏向作用が一次電子ビー
ムに対してはほぼ相殺するように調節しながら制御する
ことは言うまでもない。
【0052】分割された半導体検出素子13に二次電子
202が入射し、表面層で一定のエネルギを消失した
後、電子正孔対を生成し、電流となって電気信号へ変換
される。Si半導体では1つの電子正孔対を作るのに約
3.5eVのエネルギを要する。表面層でのエネルギ損
失を考慮すると9keVに加速されて入射した二次電子
203は約1000倍に増幅されて出力信号となる。こ
の電流信号はプリアンプ21でさらに増幅されて画像輝
度信号として取り込まれる。
【0053】検出器13の応答速度は素子面積に反比例
しており、本実施例における4mm角の素子は8ns程度
の応答性であるので、一画素10ns程度の高速画像取
得に対応できる。なお、本検出素子は応答速度を一定に
揃えるため同質、同面積の素子で構成してある。
【0054】半導体検出器13で得られる電流信号に対
して高速応答を実現し、かつノイズの混入を防ぐため、
できる限り検出素子13の近傍でプリアンプ回路21へ
入力させ、低ノイズ状態で増幅された電圧信号に変換す
る必要がある。そのため、プリアンプ回路21を検出素
子13の背面から望ましくは20mm以内、本実施例では
約15mm程度の配線で接続し、ノイズの発生を最小限に
低減させた。こうして取り出した信号に対し、さらに分
割素子ごとに後段に接続した増幅器35でゲイン調整を
行う。素子間の応答性のばらつきがあっても、この調整
により補正することができる。増幅器35の後段にはA
D変換器22さらに演算回路36を接続してあり、検出
器13の4素子の検出信号をディジタル信号に変換して
加算、減算、除算、乗算、および係数テーブルの所望の
組み合わせで演算処理する。
【0055】図6に信号の演算経過の一例を示す。たと
えば図3における検出素子a〜dの信号を(a+b)−
(c+d)のように演算処理する。この処理により、一
次電子ビームの光軸に対する二次電子の主軸の傾きと拡
がりおよびエネルギ差を信号化することができる。その
結果、試料表面の傾き、および表面近傍の電界の乱れを
信号化し、画像化することが可能になった。この信号は
また、面積が4mm角程度の1個の検出素子で得られる二
次電子信号を単に画像化する場合に比べて4倍の検出面
積であるので二次電子の損失が少なく、その結果、応答
速度を落とすことなくSNの劣化を起こさずに二次電子
の軌道の偏りを画像化できるという効果があった。
【0056】また、4素子の出力の和(a+b+c+
d)を求めれば、通常の検査装置における検査画像と同
等の画像が得られる。さらに、(a+b+c+d)と
(a+b)−(c+d)の信号の加重平均をとれば、異
なるコントラストの画像を一度に重ね合わせて得ること
ができる。その結果、通常の検査装置で得られる電位コ
ントラストのみでなく、より高感度な電位コントラスト
や試料表面形状のコントラストを併せ込んで比較検査画
像を取得することができ、従来の検査装置より高感度、
高機能な検査を行えるようになった。
【0057】また、試料10で発生した反射電子(図示
せず)についても、上記と同様な制御を行い、同じ検出
系で検出して画像化することができた。これにより、基
板10表面の組成情報と凹凸情報、あるいはこれらの重
ね合わせられた画像を取得することができた。E×B偏
向器8の偏向量を調節して、反射電子と二次電子を同時
に別の検出素子に入射させ、反射電子像と二次電子像を
一度に得ることもできる。
【0058】この動作で検出信号を取り出す際に、例え
ばE×B偏向器8による偏向が適切でないと二次電子信
号が検出器13を構成する4素子からバランスよく得ら
れなくなる。この問題を防止するために、4つの検出素
子の出力信号のばらつきを調節し、平均的な二次電子軌
道が4素子に均一に分配されるようにE×B偏向器8の
偏向電磁界を制御する。さらに、検出器13周囲に設け
たキャップ電極14に流れる電流量をモニタし、二次電
子が検出器13から逸脱しないようにE×B偏向器8の
制御を行っている。
【0059】以上の動作により、試料の材質、加工工程
に合わせて所望のコントラストの画像を得ることができ
る。この所望のコントラストを得るために必要な各種調
整値は、あらかじめ装置利用者がサンプルによって高精
度に調整して決定し、制御回路103に記憶させてもよ
いし、推奨される数値を別途に探索しておいて制御回路
103に記憶させてもよい。
【0060】以上のような構成にすれば、従来の単一検
出素子で二次電子202を検出していた構成に比べ、二
次電子202の軌道の違いを所望のコントラストで画像
化することができる上に、損失の低減された検出が可能
になった。その結果、検出器の応答速度を落とすことな
く高SNな信号が得られ、高速に高精度な検査が実現し
た。さらに、本構成であれば、リターディング電圧を大
きく変化させても、検出素子の全体の面積が大きいので
二次電子のスポット径の変化に影響されずに損失なく二
次電子を捕捉することができる。
【0061】また、二次電子のみの収束状態を変えるよ
うにレンズ系の連動制御を行い、リターディング電圧が
変化しても二次電子を効率よく捕捉できるようになっ
た。その結果、従来に比べ、さらに多様な検査条件で高
精度に画像の比較検査を行うことが可能になった。試料
基板10の一点から発生した二次電子は高効率に捕捉さ
れるので検出信号のコントラストが最大で約10倍にな
り、容易に回路パターンの欠陥を見いだせる良質の画像
を高精度に得られるようになった。すなわち、絶縁物を
含む被検査基板10を検査する場合においてもパターン
のコントラストが高速に鮮明かつ安定に得られ、誤検出
の少ない比較検査ができる検査装置が得られた。
【0062】(実施例2)次に、第2の実施例として、
図7に示すように電子ビーム光軸近傍に金属製の反射板
15を配置し、分割型の半導体検出器13を反射板15
に対向する向きに設置した構成を実施した。その他の構
成は第1の実施例と同一であるので説明を省略する。反
射板15には同図(b)に示すように、角度の変化を付
け、反射板15に衝突した電子の位置に応じて発生する
二次電子の方向が大きく分離されるような形状にした。
検出素子13は分離された軌道をそれぞれの素子で検出
すればよく、第1の実施例で直接取得していた場合に比
べて素子間の隙間における二次電子の損失が低減され
た。その結果、良質な検査画像を取得することができ
た。
【0063】(実施例3)次に第3の実施例として、図
8に示すように対物レンズ9を検出器13の上方に設置
し、その他の構成を第1の実施例と同様に構成した回路
パターン検査装置について述べる。その他の構成は第1
の実施例と同一であるので説明を省略する。第1の二次
電子202は基板10と接地電極29との間でリターデ
ィング電界により急激に3.5kV〜11.5kVに加
速されるので角度分布が法線方向近傍に集中しており、
検出面での拡がりは数mm径程度と小さく、ほとんど全て
の二次電子を捕捉でき、検出効率はほとんど劣化しな
い。本実施例によれば、第1実施例と比べて同等程度の
検出効率で二次電子202が検出できた。本実施例によ
れば、対物レンズ9の焦点距離が第1の実施例に比べて
長く、一次ビーム偏向幅を大きくとることができ、二次
電子が収束されないので扱いやすい等の効果がある。
【0064】(実施例4)半導体検出器13の分割素子
の形状を、図9に示すような中央部13eと周辺部13
(a〜d)の分離形状としてもよい。これであれば、中
央部のみの信号を取ることでエネルギ分析の機能を高め
ることも可能になる。二次電子の主軸の到達位置をモニ
タしてエネルギフィルタとして用いれば、外観の欠陥検
査のみでなく、試料基板の電位状態を逆算し、定量評価
をすることもできる。その結果、試料の電位状態を定量
評価する測定機能を持たせることが可能になる。このと
き、異なる形状の検出素子の応答速度を一定に揃えるた
め、検出素子の面積を一定にする等の設計、および調整
が必要である。
【0065】以上、本発明の実施例について説明をした
が、要は基板10上で発生した二次電子202または反
射電子204もしくはその双方がビーム光軸外に設けた
分割された検出素子を持つ検出器13に導かれる構成の
回路パターン検査装置または方法であって、検出信号を
所望の演算処理にかけることで所望のコントラストの画
像を比較検査できる検査装置および方法であればよい。
個々の検出素子は高速応答を可能にするのに十分な小面
積であり、しかも全体では検出素子の個数分の大面積で
の捕捉ができ、高速に高SNな検査が可能である構成で
あればよい。しかも検出素子の各出力信号に対し所望の
演算処理を行い、低ノイズで高コントラストな良質の画
像信号となるものであればよい。
【0066】そのために精度よく二次電子を所望の角度
に偏向させるため、E×B偏向器による偏向角度を制御
する手段を有していれば本発明はさらに高精度に目的を
達成できる。また、二次電子の検出面でのスポット径を
一次ビームのスポット径を許容範囲内に保ったまま制御
する構成であればよい。演算処理の内容も、上記実施例
では加減算のみを用いたが、もちろん除乗算を使用して
もよい。(a+b)/(c+d)または(a+b)/
(a+b+c+d)の演算処理であれば、電子銃起因の
ノイズ成分が相殺される効果も期待できる。傾きの方向
によらず、信号量の時間変化が高精度に抽出できるとい
う効果もある。(a+b)/(c+d)+(c+d)/
(a+b)を行えば、さらに強調された画像信号を得る
ことが可能である。要は、所望のコントラストの信号が
得られるような演算処理ができる処理系であればよい。
【0067】検出素子の分割も、上記実施例に限るもの
ではもちろんない。全体を円形状に構成したが、多角形
で構成してももちろんよい。例えば正方形の内部を正方
形で4分割した場合、検出領域と一次電子線の光軸の隙
間に二次電子が逸脱する余地を低減させることができ、
有効である。もちろん、分割個数も4に限ることはな
く、2でもよいし、8でもその他でもよい。
【0068】各部品の材質も、上記実施例に記載したも
のに限るものではない。また上記実施例における数値も
ほんの一例であり、これに限定するものではない。
【0069】
【発明の効果】本発明により、小面積の検出領域を持つ
検出素子の複数配列による高効率・高SNで高速応答か
つ所望の強調処理を施した二次電子または反射電子検出
が可能となり、半導体装置の製造過程にあるウェハ上の
半導体装置の同一設計パターンの欠陥、異物、残渣等を
電子線により検査する方法において、レジストパターン
や酸化膜等の非導電性の表面を持った半導体ウェハの高
精度な検査が可能となった。
【0070】これにより、製造過程で発生した従来装置
で検出できない欠陥を発見可能にし、半導体プロセスに
フィードバックすることにより半導体装置の不良率を低
減し、信頼性を向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の装置構成を示す縦断面図。
【図2】半導体装置の製造プロセスを示すフロー図。
【図3】本発明の実施例1の電子線検出器部分の構成を
示す斜視図および断面図。
【図4】電子線に対する照射面の傾きと二次電子線の軌
道の関係を示す説明図。
【図5】電子線に対する照射面の電位分布と二次電子線
の軌道の関係を示す説明図。
【図6】本発明の実施例における分割された検出器出力
の演算例を示す信号波形図。
【図7】本発明の実施例2の装置の部分構成を示す縦断
面図。
【図8】本発明の実施例3の装置の部分構成を示す縦断
面図。
【図9】本発明の実施例4の電子線検出器部分の斜視
図。
【図10】従来例の電子線応用装置の縦断面図。
【符号の説明】
1…電子銃、2…引き出し電極、3…コンデンサレン
ズ、4…ブランキング用偏向器、5…走査偏向器、6…
絞り、7…シールドパイプ、8…E×B偏向器、9…対
物レンズ、10…被検査基板、11…X−Yステージ、
12…回転ステージ、13(a〜e)…二次電子検出
器、14(a〜d)…キャップ電極、21…プリアン
プ、22…AD変換器、23…高圧電源、24…走査信
号発生器、25…対物レンズ電源、26…光学式試料高
さ測定器、27…位置モニタ用測長器、28…補正制御
回路、29…接地電極、30(a,b)…画像記憶部、
31…遅延回路、32…モニタ、33…演算部、34…
欠陥判定部、35(a〜d)…増幅器、36…検出信号
演算処理回路、37…コンデンサレンズ電源、38…E
×B偏向器電源、39(a〜d)…キャップ電極電流
計、40…中間電極電源、41…中間電極、42…検出
器電源、43…キャップ電極電源、45…検査モード選
択スイッチ、101…電子光学系、102…試料室、1
03…制御部、104…画像処理系、201…一次電子
線、202…二次電子、204…反射電子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 品田 博之 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 大嶋 卓 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 野副 真理 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 遠山 博 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 岩淵 裕子 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 飯塚 正美 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内 Fターム(参考) 4M106 AA01 BA02 CA39 DB05 DB11 DE01 DE04

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回路パターンを有する基板の第1、第2の
    領域へ照射させる一次電子線の発生手段と収束手段、お
    よび走査偏向手段と、上記一次電子線を加減速させると
    共に上記基板から発生する二次電子および反射電子を加
    減速する加減速手段と、上記二次電子および反射電子を
    偏向する手段、収束させる手段と、上記一次電子線の光
    軸から外れた位置に配置されて上記二次電子および反射
    電子またはこれらの内の一方を検出する検出器と、上記
    検出器で検出した信号から画像を形成する手段と、上記
    基板上の第1、第2の領域で得た上記画像を比較する手
    段を有する回路パターン検査装置において、検査モード
    の選択手段が具備され、上記加減速手段に可変電源が接
    続してあり、加減速条件に合わせて上記二次電子および
    反射電子の偏向手段、収束手段を制御する調整手段があ
    り、また、上記検出器の検出素子は分割された複数の素
    子からなり、複数の素子それぞれにアンプ回路を有し、
    各素子の出力を上記検査モードに合わせて演算処理する
    演算回路とを有して各素子の出力を演算処理して二次電
    子または反射電子画像を得ることを特徴とした回路パタ
    ーン検査装置。
  2. 【請求項2】上記検出器が半導体検出器であることを特
    徴とする請求項1記載の回路パターン検査装置。
  3. 【請求項3】上記半導体検出器の複数の素子は互いに隣
    り合う素子と1mm以内の距離で隣接していることを特徴
    とする請求項2記載の回路パターン検査装置。
  4. 【請求項4】上記半導体検出器と上記アンプ回路がおよ
    そ20mm以内の配線で接続されていることを特徴とする
    請求項1から3のいずれか記載の回路パターン検査装
    置。
  5. 【請求項5】上記半導体検出器はPIN型であることを
    特徴とする請求項2から4のいずれか記載の回路パター
    ン検査装置。
  6. 【請求項6】上記半導体検出器はショットキ型であるこ
    とを特徴とする請求項2から4のいずれか記載の回路パ
    ターン検査装置。
  7. 【請求項7】上記半導体検出器はアバランシェ型である
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか記載の回路
    パターン検査装置。
  8. 【請求項8】上記一次電子ビーム収束手段と二次電子収
    束手段の全てまたは一部分が同一の収束手段であること
    を特徴とする請求項1から7のいずれか記載の回路パタ
    ーン検査装置。
  9. 【請求項9】上記検出器の周囲に上記検出器とほぼ同軸
    となるように構成し上記検出器前面に開孔を有したキャ
    ップを設け、上記検出器と異なる電位を与えて上記二次
    電子または反射電子を検出器へ捕捉する収束電界を形
    成、制御することを特徴とする請求項1から8のいずれ
    か記載の回路パターン検査装置。
  10. 【請求項10】上記検出器の周囲に上記検出器とほぼ同
    軸となるように構成し上記検出器前面に開孔を有したキ
    ャップを設け、上記キャップに電流測定手段を接続して
    いることを特徴とする請求項1から8のいずれか記載の
    回路パターン検査装置。
  11. 【請求項11】上記キャップが複数に分割されており、
    それぞれの部分に電流測定手段を設けていることを特徴
    とする請求項10記載の回路パターン検査装置。
  12. 【請求項12】上記二次電子および反射電子を偏向する
    偏向器が4極の電磁偏向器で形成されていることを特徴
    とする請求項1から11のいずれか記載の回路パターン
    検査装置。
  13. 【請求項13】上記二次電子および反射電子の偏向量お
    よび収束条件と上記検出器による二次電子または反射電
    子の検出量、および/または上記検出器キャップの電流
    量をモニタし、自動調節して二次電子または反射電子の
    軌道を所望の位置に偏向させる調整制御手段を持つこと
    を特徴とする請求項1から12のいずれか記載の回路パ
    ターン検査装置。
  14. 【請求項14】上記加減速手段が、調節可能な中間加減
    速手段を持つ加減速手段系で形成されていることを特徴
    とする請求項1から13のいずれか記載の回路パターン
    検査装置。
  15. 【請求項15】上記回路パターン検査装置において、上
    記二次電子および反射電子の軌道を発生エネルギに応じ
    て制限するエネルギフィルタ手段を有することを特徴と
    する請求項1から14のいずれか記載の回路パターン検
    査装置。
  16. 【請求項16】上記加減速手段と、上記中間加減速手段
    と、上記収束手段と、上記二次電子および反射電子の偏
    向、収束、エネルギフィルタ手段との全てまたは一部を
    連動して制御する制御手段を有することを特徴とする請
    求項1から15のいずれか記載の回路パターン検査装
    置。
  17. 【請求項17】上記検出器と上記一次電子ビーム光軸の
    間に金属片を有し、上記検出器が、上記試料からの二次
    電子を上記金属板へ衝突させて新たに発生する二次電子
    を検出する検出器であることを特徴とする請求項1から
    16のいずれか記載の回路パターン検査装置。
  18. 【請求項18】上記検出器およびアンプ回路からなる検
    出系が複数個設置してあることを特徴とする請求項1か
    ら17のいずれか記載の回路パターン検査装置。
  19. 【請求項19】回路パターンを有する基板の第1、第2
    の領域へ照射させる一次電子線の発生手段と収束手段、
    および走査偏向手段と、上記一次電子線を加減速させる
    と共に上記基板から発生する二次電子および反射電子を
    加減速する加減速手段と、上記二次電子および反射電子
    を偏向する手段と、上記一次電子線の光軸から外れた位
    置に配置されて上記二次電子および反射電子またはこれ
    らの内の一方を検出する検出器と、上記検出器で検出し
    た信号から画像を形成する手段と、上記基板上の第1、
    第2の領域で得た上記画像を比較する手段を有する回路
    パターン検査装置において、上記検出器の検出素子は分
    割された複数の素子からなり、複数の素子それぞれにア
    ンプ回路を有し、演算回路により上記各素子の出力を演
    算処理して二次電子または反射電子画像を得ることを特
    徴とした回路パターン検査装置。
  20. 【請求項20】試料へ一次電子線を走査偏向、収束させ
    ながら照射する手段と、上記一次電子線を加減速させる
    と共に上記試料から発生する二次電子および反射電子を
    加減速する加減速手段と、上記二次電子および反射電子
    を偏向する手段、収束させる手段と、上記一次電子線の
    光軸から外れた位置にあって二次電子および反射電子ま
    たはこれらの内の一方を検出する検出器と、上記検出器
    で検出した信号から画像を形成する手段とを有する電子
    線応用装置において、上記検出器が半導体検出器であ
    り、上記加減速手段に可変電源が接続してあり、加減速
    条件に合わせて上記二次電子および反射電子の偏向手
    段、収束手段を制御する調整手段があり、上記検出器の
    検出素子が分割された複数の素子からなり、複数の素子
    それぞれにアンプ回路と各素子の出力を演算処理する演
    算回路を有し、各素子の出力を演算処理して二次電子ま
    たは反射電子画像を得ることを特徴とした電子線応用装
    置。
  21. 【請求項21】回路パターンを有する基板上の第1、第
    2の領域へ照射させる一次電子線の発生工程と収束工程
    と走査偏向工程と、上記一次電子線を加減速させると共
    に被照射体から発生する二次電子および反射電子を加減
    速する加減速工程と、上記基板から発生する二次電子お
    よび反射電子を上記一次電子線の光軸から離れる方向へ
    偏向する工程と収束させる工程と、上記二次電子および
    反射電子またはこれらの内の一方を検出する検出工程
    と、上記検出器で検出した信号から画像を形成する工程
    と、上記基板上の第1、第2の領域から得た上記画像を
    比較する工程とを有する回路パターン検査方法におい
    て、検査モード選択工程があり、上記加減速工程が可変
    電源で加減速度が調節できる工程であり、加減速条件に
    合わせて上記二次電子および反射電子の偏向工程、収束
    工程を制御する調整工程があり、上記検出工程が複数の
    分割された素子で電子を検出する工程であって、複数の
    素子それぞれに接続して動作するアンプ工程と複数の検
    出素子の出力を上記検査モードに合わせて演算処理する
    工程とを有し、演算結果を画像化し比較することを特徴
    とした回路パターン検査方法。
  22. 【請求項22】上記二次電子および反射電子の偏向、収
    束工程と、上記二次電子または反射電子検出工程および
    /または上記検出器の周りに設けた電流測定手段による
    電流測定工程とをモニタするモニタ工程を有し、自動調
    節して二次電子または反射電子を所望の位置へ偏向させ
    る調整制御工程を有することを特徴とする請求項21記
    載の回路パターン検査方法。
  23. 【請求項23】上記加減速工程と、上記収束工程と、上
    記二次電子および反射電子の偏向、収束工程との全てま
    たは一部を連動して制御する制御工程を有することを特
    徴とする請求項21または22記載の回路パターン検査
    方法。
  24. 【請求項24】一次電子線の照射、走査偏向、収束工程
    と、上記一次電子線を加減速させると共に被照射体から
    発生する二次電子および反射電子を加減速する加減速工
    程と、上記二次電子および反射電子を偏向、収束させる
    工程と、被照射体から発生する二次電子および反射電子
    またはこれらの内の一方を検出する検出工程と、上記検
    出器で検出したアナログ信号から画像を形成する工程と
    を有する電子線応用方法において、上記加減速工程が電
    圧可変で加減速度が可変な工程であり、加減速条件に合
    わせて上記二次電子、反射電子の偏向、収束工程を制御
    する調整工程があり、上記検出工程が複数の分割素子に
    よる検出工程であり、各検出工程後に信号を増幅するア
    ンプ工程と各検出結果を演算処理する演算工程とを有し
    て演算結果を画像として形成することを特徴とした電子
    線応用方法。
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