JP3728956B2 - 回路パターン検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子線応用装置および方法に係わり、特に大電流低加速電子を照射し高速に画像を取得する半導体ウェハ上のパターン観察・検査に好適な電子線応用装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハの回路パターンの微細化、複雑化に伴い、電子線を用いた回路パターンの検査装置が実用化されてきている。例えば特開昭59−192943号公報,ジャーナル オブ バキューム サイエンス アンド テクノロジー(J. Vac. Sci. Tech).B,Vol.9,No.6,pp.3005−3009(1991),J. Vac. Sci. Tech. B, Vol.10,No.6,pp.2511−2515(1992),エスピーアイイー(SPIE)Vol.2439、および特開平5−258703号公報等に記載の技術が知られている。
【0003】
ウェハ径の増大と回路パターンの微細化に対応して高スループットかつ高精度な検査を行うためには、非常に高速に高SNな画像を取得する必要がある。そのため、通常の走査型電子顕微鏡(SEM)の100倍以上(10nA以上)の大電流ビームを用いて照射電子数を確保し、高SN(信号対雑音比)を保っている。さらに、基板から発生する二次電子、反射電子の高速かつ高効率な検出が必須である。
【0004】
また、レジスト等の絶縁膜を伴った半導体基板が帯電の影響を受けないように2keV以下の低加速電子線を照射している(電子、イオンビームハンドブック(日刊工業新聞社)p622−P623)。大電流でなおかつ低加速の電子線では空間電荷効果による収差が生じ高分解能な観察が困難である。この問題を解決する方法として試料直前で高加速電子線を減速し、試料上で実質的に低加速電子線として照射する手法が知られている(例として特開平5−258703号、特開平6−139985号公報がある)。
【0005】
以下、従来技術の電子光学系の一例の概略を図10により簡単に説明する。引き出し電極2の電圧により電子銃1から出た一次電子線201はコンデンサレンズ3、走査偏向器5、絞り6、対物レンズ9等を通過して収束、偏向されて試料ステージ11,12上の半導体装置基板10に照射される。この基板10には一次電子線減速用に高圧電源23より減速電圧(以下、リターディング電圧と称する)が印加されている。基板10からは一次電子線201の照射により二次電子202および反射電子204が発生する。二次電子202および反射電子204はリターディング電圧により数KeVのエネルギに加速される。
【0006】
対物レンズ9の電子銃側には隣接してE×B偏向器8が設けてある。このE×B偏向器8は一次電子線201に対しては電界と磁界による偏向量が互いに打ち消し合い、二次電子202および反射電子204に対しては両者の重ね合わせで電子を偏向させる偏向器である。加速された二次電子202および反射電子204はこのE×B偏向器8により偏向され、さらに検出器13の前面に設けた孔の開いたキャップ電極14と検出器13の間の吸引電圧が形成する電界に引き寄せられて検出器13に入射する。
【0007】
検出器13は半導体検出器で構成されている。二次電子202は半導体検出器に入射して電子正孔対を作り、これが電流として取り出され電気信号に変換される。この出力信号はさらにプリアンプ21で増幅されて画像信号用輝度変調入力となる。以上の電子光学系の動作で基板上の一領域の画像を得てから画像出力信号に一画面分の遅延をかけ、第2の領域の画像を同様にして取得する。二つの画像を画像比較評価回路で比較し、回路パターンの欠陥部の検出を行う。
【0008】
電子線による外観検査装置では、高速な画像形成技術が求められるため、二次電子および/または反射電子の検出器には、特開平5−258703号公報に開示されている周波数応答特性のよい半導体検出器を用いる技術が適している。半導体検出器の応答速度は検出素子の表面層の接合容量に反比例しており、所望の応答速度を得るための最大面積は素子特性から一意的に決定される。
【0009】
例えば100MHzの信号取り込みに追随するためには数mm角程度以下の素子で形成されたものを使用する。限定された面積の半導体検出素子で高効率に二次電子を検出するために、二次電子を検出器の位置で検出有効領域内に収まるように細く収束させる。二次電子は試料から50eV以内のエネルギで−90度から90度までの拡がりをもって出射し、リターディング電界によって加速されている。二次電子出射方向は一般にいわゆるcos則にしたがい、試料表面の法線方向(0度と定義する)に最も高密度に出射し、0度から外れるにつれて低密度となる分布で出射する。
【0010】
リターディング電圧で加速された二次電子は試料出射時の角度の拡がりが低減された状態で加速されているが、これを数mm以内のスポット径に絞るため、検出器の吸引電界等のみでなく、例えば一次ビーム収束用の対物レンズを通過させるなどして絞る技術が必要である。
【0011】
以上の技術によって、二次電子を高効率に捕捉することは可能となり、二次電子の生成量の変化を画像化することは一定のレベルで可能となった。
【0012】
半導体ウェハ表面を形成している物質には、Si(シリコン)、W(タングステン)等の導電性材料と、酸化膜やレジスト等の絶縁性材料とがある。物質に電子線を照射して発生する二次電子および反射電子は、照射される試料の元素、導電性、電位状態、形状、照射条件にしたがった量とエネルギ、角度を持って発生する。すなわち、二次電子、反射電子は試料基板からの発生時に電子線の入射条件、基板表面の材質、凹凸や電位状態を反映した初速度を持って出て来る。
【0013】
検査対象は導電性物質のみの場合と、絶縁性材料のみの場合と、両者が混在している場合とがあるため、半導体を電子線で検査する装置には、これら3つの場合ともに検査可能な二次電子および/または反射電子画像を得ることが要求される。より具体的には、電子線による検査装置では試料の電位コントラストと形状コントラストを検査対象に応じて所望のコントラストで得ることが要求される。二次電子信号と反射電子信号を両方検出し、両者の演算処理により欠陥を検出する技術としては特開昭56−126752号公報がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本回路パターン検査装置には以下の問題点がある。まず、上記のように、二次電子、反射電子の発生量と初速エネルギ、角度(この両者を合わせて初速度とも記述する)は電子線照射条件と照射対象を反映したものになる。そのため、同一の照射条件では、二次電子の発生状態が試料依存性のみで決定する。その結果、同一条件で動作させる場合、二次電子画像の形成に適した試料でのみ良好な検査画像が得られ、画像形成に適さない試料では良好な検査画像が得られないという欠点があった。
【0015】
例えば、電気伝導度が類似した複数種類の試料の形状欠陥を検査するには、試料の元素の違い、輪郭の凹凸部の傾斜等を信号化する必要が生じる。元素の違いは主に反射電子の発生量に反映する。二次電子は、試料表面の傾斜部分で、発生量が傾斜角度に応じて変化するとともに、発生量の最も高密度な方向成分(以下、主軸とも呼ぶ)の出射方向も傾斜角度に応じて変化する。試料の電気伝導度と電位状態によっては二次電子の発生量が全体に低い場合があり、その場合試料表面の凹凸、傾斜の情報(形状コントラスト)が相対的に画像化しにくい。形状コントラストを強調して画像化するためには、ビーム照射条件、電位状態を適切なものにするとともに二次電子軌道主軸の傾きの変化を信号化する必要がある。それに対し、上記の従来技術は二次電子または反射電子を一素子に集めて信号化するものであり、軌道の傾きの差の信号化は困難であった。
【0016】
逆に、電位状態が異なる複数種類の試料では、発生する二次電子のエネルギと発生方向、および二次電子の発散分布に差が出る。試料表面の電位状態に応じて、cos則で予想するよりも大きな角度範囲に二次電子が初速度を持って加速される場合がある。また、凹凸や傾斜等の形状の差と電位状態の差が両方兼ね備えられた試料を検査する場合、上記の二次電子軌道の変化が混在して現れる。
【0017】
従来技術では、半導体検出器へ到達する電子の総数(電子の捕捉数)を信号化していた。画像のS/Nを確保するために試料から発生する二次電子の多数を効率よく捕捉できる検出系を配置していた。その結果、上記のような二次電子の軌道の変化に対しては、捕捉できる電子数の差としては信号化できたものの、電子の軌道の傾き、発散分布、エネルギの分析を行うことはできなかった。その結果、捕捉電子数に大きな変化がない、あるいは電子数が総じて小さい場合には、パターン形状や電位状態を画像化することが困難であった。
【0018】
一方、従来から存在する電子線装置で二次電子の軌道の傾きを分離して検出する技術は公知であり、例えば特開昭59−201356号公報が知られている。しかし、上記従来技術等は分離した検出素子をビーム光軸周囲に円環状に配置した構成であり、二次電子をリターディング電界で高速に加速する本検査装置では光軸近傍に集中した二次電子が大量に通過して検出不可能となり、高速検査画像取得に十分な個数の電子を捕捉することができない。
【0019】
また、上記従来技術では、半導体検出器の素子自体が高速応答の必要性から面積の小さいものに限定されるため、二次電子、反射電子を高効率に捕捉すること自体も困難という問題がある。さらに、高効率に電子を集める必要性から、電界分布および軌道の変化を伴うリターディング電圧を大きく変化させて検査することは困難であり、試料状態に対し最適な照射、電位条件に合わせて検査することができなかった。
【0020】
本発明の課題は上記の問題を解決し、高い捕集効率で高加速二次電子および反射電子を軌道の傾きの情報を取得しながら高速に検出して、絶縁物あるいは絶縁物と導電性物質が混在する多様な半導体装置の製造過程における回路パターンを電子線により高速、安定かつ明暗コントラストの大きい良質・高精度の画像として取得しその画像を自動比較検査により欠陥を誤りなく検出することである。さらには、上記検査結果を半導体装置の製造条件に反映し、半導体装置の信頼性を高めるとともに不良率を低減することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法および装置は、高加速二次電子を初速度の情報を取得しながら高効率に検出するのにきわめて好適な構成を提供する。すなわち、回路パターンを有する基板の第1、第2の領域へ照射させる一次電子線の発生手段と収束手段と走査偏向手段と、上記一次電子線を加減速させると共に上記基板から発生する二次電子および反射電子を加減速する加減速手段と、上記二次電子および反射電子を偏向する手段と収束させる手段と、上記電子線の光軸から外れた位置にあって上記二次電子および反射電子またはこれらの一方の電子を検出する検出器と、上記検出器で検出した信号から画像を形成する手段と、上記基板上の第1、第2の領域で得た上記画像を比較する手段を有する回路パターン検査装置において、検査モード選択手段が具備され、上記加減速手段に可変電源が接続してあり、加減速条件に合わせて上記二次電子および反射電子の偏向手段、収束手段を制御する調整手段があり、また、上記検出器の検出素子が分割された複数の素子からなり、複数の素子それぞれにアンプ回路と、各素子の出力を上記検査モードに合わせて演算処理する演算回路とを有して各素子の出力を演算処理して二次電子または反射電子画像を得ることを特徴とする。なお、検出器前面には金属製のキャップを有し、キャップに電流計を接続して二次電子の検出素子からの逸脱の有無を測定可能な構成とした。
【0022】
以上のような方法および装置を実施すれば、試料の表面状態に応じた検査モードを選択し、電子の照射条件、二次電子の収束・偏向条件等を適切に選ぶことで、基板からの二次電子および反射電子の軌道を主軸の試料出射角度に応じて異なる検出素子へ入射させ、二次電子の初速度の違いを情報として取得することができる。また、試料表面で発生する二次電子のエネルギに応じて偏向量に差が出るので、これらを分割された検出素子のそれぞれへ入射させ、エネルギ分析の機能を持たせることができる。それぞれの検出素子の出力は、検査モードに合わせて演算処理することで適切な画像信号として形成される。分割素子の出力の総和を取って画像化すれば、通常の二次電子生成量のコントラストを持つ二次電子画像を得ることができる。
【0023】
さらに、二次電子軌道の傾き分布から得られる試料表面状態のコントラスト強調画像と通常の二次電子生成量のコントラスト画像とを加算または減算し、両者を重ね合わせた画像を得ることも可能になった。これらの結果、高い捕集効率で、高速に二次電子を検出し、二次電子の軌道の傾きおよびエネルギの差の情報を取得し、検査に用いることが可能となった。
【0024】
さらに、複数の素子を並べることにより、二次電子を捕捉する検出器の素子面積の和も大きくなり、二次電子の検出漏れを低減させることができた。その結果、cos則よりも大きく角度が広がって加速される二次電子束についても効率の高い捕捉が可能になった。
【0025】
以上に述べたように、本発明により、高速・高SNで試料表面の状態を反映する所望のコントラストの二次電子画像信号を得て絶縁物を含む半導体基板の鮮明で安定な画像を取得でき、高速で正確な半導体パターンの欠陥検査が可能な回路パターン検査装置と方法を得ることができた。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
はじめに半導体装置の検査と製造工程の関係について述べる。半導体装置の製造プロセスは図2に示すように、多数のパターン形成工程を繰り返している。パターン形成工程は大まかに、成膜・感光レジスト塗布・感光・現像・エッチング・レジスト除去・洗浄の各ステップにより構成されている。この各ステップにおいて製造条件が最適化されていないと半導体装置の回路パターンが正常に形成されない。例えば図2の成膜工程で異常が発生するとパーテイクルが発生し、ウェハ表面に付着し、孤立欠陥等が生じる。
【0027】
また、レジスト塗布後感光時に、焦点や露光時間等の条件が最適でないと、レジストに照射する光の量や強さが多すぎる箇所・足りない箇所が発生し、ショートや断線、パターン細りを伴う。露光時のマスク・レチクル上に欠陥があると、同様のパターンの形状異常が発生しやすい。
【0028】
また、エッチング量が最適化されていない場合およびエッチング途中に生成された薄膜やパーテイクルにより、ショートや突起、孤立欠陥を始め、開口不良等も発生する。洗浄時には、乾燥時の水切れ条件により、パターン角部その他の箇所に異常酸化を発生しやすい。従って、ウェハ製造プロセスでは、これらの不良が発生しないよう加工条件を最適化する必要があるとともに、異常発生を早期に検出し、当該工程にフィードバックする必要がある。そこで、本実施例では図2に示したn番目のパターン形成工程におけるレジスト感光・現像後に検査を適用する例について記載する。
【0029】
以下、上記の不良を検出するための検査方法および検査装置の概要について述べる。本発明の基本概念は、回路パターンの形成された基板から発生する二次電子および反射電子を高速に効率よく検出し、画像信号化して高精度の回路パターン検査を実行することを目的に、二次電子および反射電子またはその一方を複数の素子からなる検出器に入射させ、各素子で得た電子信号を検出器後段の演算処理回路で演算し、その結果得られる信号を画像化することである。
【0030】
これにより、検出器で高効率に二次電子および反射電子またはその一方を捕捉しながら同時に電子軌道の傾きおよびエネルギによる到達位置の違いを情報として取得することができる。その結果、SNを低下させることなく、試料表面で発生した二次電子および反射電子の初速度を取得し、高速に損失なく有効に表面状態を反映したコントラストを持つ検査画像を取得することができる。
【0031】
図1に本発明の第1の実施例の装置構成を示す。本検査装置は大別して電子光学系101、試料室102、制御部103、画像処理部104より構成されている。
【0032】
電子光学系101は電子銃1、引き出し電極2、コンデンサレンズ3、ブランキング用偏向器4、走査偏向器5、絞り6、シールドパイプ7、E×B偏向器8、対物レンズ9により構成されている。E×B偏向器8は4極の静電、磁界型偏向器の組み合わせで形成した。
【0033】
試料室102は、X−Yステージ11、回転ステージ12、光学式高さ測定器26、位置モニタ用測長器27より構成されており、また2次電子検出器13が対物レンズ9の上方にあり、二次電子検出器13の出力信号はプリアンプ21および増幅器35で増幅され、AD変換器22によりデジタルデータとなる。
【0034】
制御部103は検査装置各部の動作命令および動作条件を入出力する。予め制御部103に電子線発生時の加速電圧・電子線偏向幅・偏向速度・試料台移動速度・検出器の信号取り込みタイミング等々の条件が入力されている。また、光学式高さ測定器26、位置モニタ用測長器27の信号から補正信号を生成し、電子線が常に正しい位置に照射されるよう対物レンズ電源25や、走査信号発生器24に補正制御回路28から補正信号を送る。
【0035】
画像処理部104は画像記憶部30a、b、演算部33、欠陥判定部34より構成されている。取り込まれた電子線画像および光学画像は、モニタ32に表示される。
【0036】
電子銃1には拡散補給型の熱電界放出電子源を用いた。これにより明るさ変動の少ない比較検査画像が得られ、かつ電子線電流を大きくすることが可能なことから、高速な検査が可能になる。電子線201は引出電極2に電圧を印加することで電子銃1から引き出される。
【0037】
電子線201の加速は電子銃1に高圧の負の電位を印加することでなされる。これにより、電子線201はその電位に相当するエネルギ、例えば本実施例では12keVで試料台11方向に進み、コンデンサレンズ3で収束され、さらに対物レンズ9により細く絞られ、X−Yステージ11の上に搭載された被検査基板10(ウェハあるいはチップ等)に照射される。被検査基板10には高圧電源23により負の電圧(リターディング電圧)を印加できるようになっている。
【0038】
被検査基板10とE×B偏向器8の間には接地電極29を設け、基板10との間にリターディング電界を形成させた。基板10に接続した高圧電源23を調節することにより、被検査基板10への電子線照射エネルギを最適な値に調節することが容易となる。本実施例ではリターディング電圧として基板10に−11.5kV〜−3kVの電位を印加する。さらにまた、本実施例では接地電極と試料表面の間に中間電極を配置した。中間電極には、印加する電圧をリターディング電位からグランド電位まで調節できる可変電源を接続し、印加電圧を制御できる構成とした。
【0039】
画像形成にはX−Yステージ11を静止させ電子線201を二次元に走査する方法と、電子線201は一次元のみ走査し走査方向と直交する方向にX−Yステージ11を連続的に移動する方法のいずれかを選択できる。ある特定の場所のみを検査する場合にはステージ11を静止させて検査し、被検査基板10の広い範囲を検査するときはステージ11を連続移動して検査すると効率のよい検査が行える。
【0040】
被検査基板10の表面の画像を取得するためには、細く絞った電子線201を上記被検査基板10に照射し、二次電子202および反射電子(図示略)を発生させ、これらを電子線201の走査およびステージ11の移動と同期して検出する。
【0041】
本発明で述べるような自動検査では検査速度が速いことが必須となる。したがって通常のSEMのようにpAオーダのビーム電流を低速で走査したり、複数回走査は行わない。そこで、通常のSEMに比べ約100倍以上のたとえば100nAの大電流電子線を一回のみの走査により画像を形成する構成とした。一枚の画像は1024×1024画素で約10msecで取得するようにした。画像信号には一画像分の遅延をかけて次の画像の取り込みと同期させて画像比較評価を行い、回路基板10上の欠陥探索を行った。二次電子検出器近傍には一次ビームシールドパイプ7を配置した。シールドパイプのビーム通過孔は1mmφとした。
【0042】
検出器は図3に示すように4つに等方的に分割した検出素子13(a〜d)からなる。また、検出面の前面に、検出面周囲を囲む形状の検出器キャップ14(a〜d)を設けている。検出器キャップ14はリン青銅製で、やはり等方的に4分割しており、それぞれに電流計39(a〜d)を接続した。キャップ電極14に電子が衝突すると電流が流れ、その電流量がモニタできる構成である。検出器13の各素子の有効検出面積は4mm角として構成した。キャップ14は検出器13の正面に径7mmφの開孔を有する構成とした。
【0043】
次に、二次電子の発生過程について述べる。一次電子線は固体に入射すると内部に進入しながらそれぞれの深さにおいて殻内電子を励起してエネルギを失っていく。またそれとともに一次電子線が後方に散乱された反射電子が、やはり固体内で電子を励起させながら表面へ向かって進む現象が生じる。これら複数の過程を経て、殻内電子は固体表面から表面障壁を越えて二次電子となって0〜50eVのエネルギを持って真空中へ出る。
【0044】
一次電子線と固体表面のなす角が浅い場合ほど、一次電子線の進入距離とその位置から固体表面までの距離との比が小さくなり、二次電子が表面から放出されやすくなる。したがって二次電子の発生は一次電子線と固体表面の角度に依存し、二次電子発生量が試料表面の凹凸を示す情報となる。それと同時に、二次電子軌道の傾きも試料表面の傾きに応じて変化する。文献によれば、二次電子発生量の角度依存性は次の数1となる(Reimer,'Scanning Electron Microscope', P145)。
【0045】
【数1】
dδ/dΩ=δ(0,Z)/π・secφ・cosζ
(δ;二次電子発生量、Ω;二次電子発生方向の立体角、Z;原子番号、φ;試料表面の法線と入射ビームのなす角、ζ;試料表面の法線に対する二次電子発生角度)
傾き角について、図4にモデルを示しながら説明する。表面が一次ビーム入射方向に垂直な平面であれば、二次電子は一次ビームと正反対の方向(ここではこれを0度と定義する)を中心としていわゆるcos則にしたがった分布で−90度から90度までの範囲で出射する。試料表面が入射ビームに対して傾いている場合には、傾いた平面に対して垂直な方向への出射電子の密度が高くなる(以下、二次電子または反射電子の最も高密度な出射方向への軌道を主軸の軌道と呼ぶ)。
【0046】
さらに、図5にモデルを示すように試料10表面に不均一な電位の分布がある場合、発生した二次電子202は表面近傍の電位分布によって偏向される。したがって、二次電子202の主軸軌道は表面電位の有無により傾きが変化する。二次電子202の拡がりについても、均一な電位分布内で発生する場合と比較して、上記理論よりも二次電子202が不規則な拡がりをもって出て来る現象が生じる。
【0047】
一方、反射電子は一次電子線が最表面の原子に衝突してほとんどエネルギ損失なしに反射してくるものであり、試料表面の凹凸および試料を構成する元素の平均原子番号の違いにより発生量が異なる。反射電子はエネルギが高いため、表面近傍の電位分布による偏向作用は受けにくい。
【0048】
図1に概略を示したように、電子銃1から出た一次電子線201を試料基板10へ照射し発生させた二次電子202は、基板10に印加されたリターディング電圧により11.5kV〜3.5keVに加速される。それとともに対物レンズ9、E×B偏向器8により収束、偏向され、検出器13へ入射する。検出器13で得られる検出信号から検査に必要な画像情報を得る。
【0049】
本装置の動作では、試料の材質、加工工程に応じた所望のコントラストの画像を得られるように、検査モードの選択スイッチ45を介してリターディング電圧、中間電極電圧、コンデンサレンズ、対物レンズの励磁条件、E×B偏向器の偏向電磁界等々を変化させる。これらの条件の変化により、一次電子のエネルギやスポット径、二次電子の主軸軌道の傾き、エネルギ、収束条件等々が変化する。すなわち、リターディング電圧の変化により一次ビームの照射エネルギ、スポット径、二次電子のエネルギが変わる。さらに、中間電極の電圧によって、図5に示すような試料表面近傍の電位の変化勾配が制御されるので、二次電子の主軸の傾き、拡がり方が変化する。
【0050】
対物レンズは基本的に一次電子ビームを所望のスポット径に収束させる励磁条件で動作させる。検査速度向上のため、低分解能でも検査可能な試料材質、検査工程であればスポット径を大きくして検査を行う場合もある。その許容範囲内で二次電子の収束・発散を所望の条件で行うように制御を行う。さらに、コンデンサレンズを連動して変化させ、一次ビームのスポット径を一定に保ったまま二次電子のスポット径を所望の径に変化させる調節もできる構成にしてある。
【0051】
E×B偏向器は、一次ビームに収差の影響を与えない範囲で二次電子主軸を所望の傾きに偏向させるように調節する。本実施例では二次電子を約8度程度偏向させた。このとき、一次電子ビームに偏向作用を及ぼさないように、電界と磁界の偏向作用が一次電子ビームに対してはほぼ相殺するように調節しながら制御することは言うまでもない。
【0052】
分割された半導体検出素子13に二次電子202が入射し、表面層で一定のエネルギを消失した後、電子正孔対を生成し、電流となって電気信号へ変換される。Si半導体では1つの電子正孔対を作るのに約3.5eVのエネルギを要する。表面層でのエネルギ損失を考慮すると9keVに加速されて入射した二次電子203は約1000倍に増幅されて出力信号となる。この電流信号はプリアンプ21でさらに増幅されて画像輝度信号として取り込まれる。
【0053】
検出器13の応答速度は素子面積に反比例しており、本実施例における4mm角の素子は8ns程度の応答性であるので、一画素10ns程度の高速画像取得に対応できる。なお、本検出素子は応答速度を一定に揃えるため同質、同面積の素子で構成してある。
【0054】
半導体検出器13で得られる電流信号に対して高速応答を実現し、かつノイズの混入を防ぐため、できる限り検出素子13の近傍でプリアンプ回路21へ入力させ、低ノイズ状態で増幅された電圧信号に変換する必要がある。そのため、プリアンプ回路21を検出素子13の背面から望ましくは20mm以内、本実施例では約15mm程度の配線で接続し、ノイズの発生を最小限に低減させた。こうして取り出した信号に対し、さらに分割素子ごとに後段に接続した増幅器35でゲイン調整を行う。素子間の応答性のばらつきがあっても、この調整により補正することができる。増幅器35の後段にはAD変換器22さらに演算回路36を接続してあり、検出器13の4素子の検出信号をディジタル信号に変換して加算、減算、除算、乗算、および係数テーブルの所望の組み合わせで演算処理する。
【0055】
図6に信号の演算経過の一例を示す。たとえば図3における検出素子a〜dの信号を(a+b)−(c+d)のように演算処理する。この処理により、一次電子ビームの光軸に対する二次電子の主軸の傾きと拡がりおよびエネルギ差を信号化することができる。その結果、試料表面の傾き、および表面近傍の電界の乱れを信号化し、画像化することが可能になった。この信号はまた、面積が4mm角程度の1個の検出素子で得られる二次電子信号を単に画像化する場合に比べて4倍の検出面積であるので二次電子の損失が少なく、その結果、応答速度を落とすことなくSNの劣化を起こさずに二次電子の軌道の偏りを画像化できるという効果があった。
【0056】
また、4素子の出力の和(a+b+c+d)を求めれば、通常の検査装置における検査画像と同等の画像が得られる。さらに、(a+b+c+d)と(a+b)−(c+d)の信号の加重平均をとれば、異なるコントラストの画像を一度に重ね合わせて得ることができる。その結果、通常の検査装置で得られる電位コントラストのみでなく、より高感度な電位コントラストや試料表面形状のコントラストを併せ込んで比較検査画像を取得することができ、従来の検査装置より高感度、高機能な検査を行えるようになった。
【0057】
また、試料10で発生した反射電子(図示せず)についても、上記と同様な制御を行い、同じ検出系で検出して画像化することができた。これにより、基板10表面の組成情報と凹凸情報、あるいはこれらの重ね合わせられた画像を取得することができた。E×B偏向器8の偏向量を調節して、反射電子と二次電子を同時に別の検出素子に入射させ、反射電子像と二次電子像を一度に得ることもできる。
【0058】
この動作で検出信号を取り出す際に、例えばE×B偏向器8による偏向が適切でないと二次電子信号が検出器13を構成する4素子からバランスよく得られなくなる。この問題を防止するために、4つの検出素子の出力信号のばらつきを調節し、平均的な二次電子軌道が4素子に均一に分配されるようにE×B偏向器8の偏向電磁界を制御する。さらに、検出器13周囲に設けたキャップ電極14に流れる電流量をモニタし、二次電子が検出器13から逸脱しないようにE×B偏向器8の制御を行っている。
【0059】
以上の動作により、試料の材質、加工工程に合わせて所望のコントラストの画像を得ることができる。この所望のコントラストを得るために必要な各種調整値は、あらかじめ装置利用者がサンプルによって高精度に調整して決定し、制御回路103に記憶させてもよいし、推奨される数値を別途に探索しておいて制御回路103に記憶させてもよい。
【0060】
以上のような構成にすれば、従来の単一検出素子で二次電子202を検出していた構成に比べ、二次電子202の軌道の違いを所望のコントラストで画像化することができる上に、損失の低減された検出が可能になった。その結果、検出器の応答速度を落とすことなく高SNな信号が得られ、高速に高精度な検査が実現した。さらに、本構成であれば、リターディング電圧を大きく変化させても、検出素子の全体の面積が大きいので二次電子のスポット径の変化に影響されずに損失なく二次電子を捕捉することができる。
【0061】
また、二次電子のみの収束状態を変えるようにレンズ系の連動制御を行い、リターディング電圧が変化しても二次電子を効率よく捕捉できるようになった。その結果、従来に比べ、さらに多様な検査条件で高精度に画像の比較検査を行うことが可能になった。試料基板10の一点から発生した二次電子は高効率に捕捉されるので検出信号のコントラストが最大で約10倍になり、容易に回路パターンの欠陥を見いだせる良質の画像を高精度に得られるようになった。すなわち、絶縁物を含む被検査基板10を検査する場合においてもパターンのコントラストが高速に鮮明かつ安定に得られ、誤検出の少ない比較検査ができる検査装置が得られた。
【0062】
(実施例2)
次に、第2の実施例として、図7に示すように電子ビーム光軸近傍に金属製の反射板15を配置し、分割型の半導体検出器13を反射板15に対向する向きに設置した構成を実施した。その他の構成は第1の実施例と同一であるので説明を省略する。反射板15には同図(b)に示すように、角度の変化を付け、反射板15に衝突した電子の位置に応じて発生する二次電子の方向が大きく分離されるような形状にした。検出素子13は分離された軌道をそれぞれの素子で検出すればよく、第1の実施例で直接取得していた場合に比べて素子間の隙間における二次電子の損失が低減された。その結果、良質な検査画像を取得することができた。
【0063】
(実施例3)
次に第3の実施例として、図8に示すように対物レンズ9を検出器13の上方に設置し、その他の構成を第1の実施例と同様に構成した回路パターン検査装置について述べる。その他の構成は第1の実施例と同一であるので説明を省略する。第1の二次電子202は基板10と接地電極29との間でリターディング電界により急激に3.5kV〜11.5kVに加速されるので角度分布が法線方向近傍に集中しており、検出面での拡がりは数mm径程度と小さく、ほとんど全ての二次電子を捕捉でき、検出効率はほとんど劣化しない。本実施例によれば、第1実施例と比べて同等程度の検出効率で二次電子202が検出できた。本実施例によれば、対物レンズ9の焦点距離が第1の実施例に比べて長く、一次ビーム偏向幅を大きくとることができ、二次電子が収束されないので扱いやすい等の効果がある。
【0064】
(実施例4)
半導体検出器13の分割素子の形状を、図9に示すような中央部13eと周辺部13(a〜d)の分離形状としてもよい。これであれば、中央部のみの信号を取ることでエネルギ分析の機能を高めることも可能になる。二次電子の主軸の到達位置をモニタしてエネルギフィルタとして用いれば、外観の欠陥検査のみでなく、試料基板の電位状態を逆算し、定量評価をすることもできる。その結果、試料の電位状態を定量評価する測定機能を持たせることが可能になる。このとき、異なる形状の検出素子の応答速度を一定に揃えるため、検出素子の面積を一定にする等の設計、および調整が必要である。
【0065】
以上、本発明の実施例について説明をしたが、要は基板10上で発生した二次電子202または反射電子204もしくはその双方がビーム光軸外に設けた分割された検出素子を持つ検出器13に導かれる構成の回路パターン検査装置または方法であって、検出信号を所望の演算処理にかけることで所望のコントラストの画像を比較検査できる検査装置および方法であればよい。個々の検出素子は高速応答を可能にするのに十分な小面積であり、しかも全体では検出素子の個数分の大面積での捕捉ができ、高速に高SNな検査が可能である構成であればよい。しかも検出素子の各出力信号に対し所望の演算処理を行い、低ノイズで高コントラストな良質の画像信号となるものであればよい。
【0066】
そのために精度よく二次電子を所望の角度に偏向させるため、E×B偏向器による偏向角度を制御する手段を有していれば本発明はさらに高精度に目的を達成できる。また、二次電子の検出面でのスポット径を一次ビームのスポット径を許容範囲内に保ったまま制御する構成であればよい。演算処理の内容も、上記実施例では加減算のみを用いたが、もちろん除乗算を使用してもよい。(a+b)/(c+d)または(a+b)/(a+b+c+d)の演算処理であれば、電子銃起因のノイズ成分が相殺される効果も期待できる。傾きの方向によらず、信号量の時間変化が高精度に抽出できるという効果もある。(a+b)/(c+d)+(c+d)/(a+b)を行えば、さらに強調された画像信号を得ることが可能である。要は、所望のコントラストの信号が得られるような演算処理ができる処理系であればよい。
【0067】
検出素子の分割も、上記実施例に限るものではもちろんない。全体を円形状に構成したが、多角形で構成してももちろんよい。例えば正方形の内部を正方形で4分割した場合、検出領域と一次電子線の光軸の隙間に二次電子が逸脱する余地を低減させることができ、有効である。もちろん、分割個数も4に限ることはなく、2でもよいし、8でもその他でもよい。
【0068】
各部品の材質も、上記実施例に記載したものに限るものではない。また上記実施例における数値もほんの一例であり、これに限定するものではない。
【0069】
【発明の効果】
本発明により、小面積の検出領域を持つ検出素子の複数配列による高効率・高SNで高速応答かつ所望の強調処理を施した二次電子または反射電子検出が可能となり、半導体装置の製造過程にあるウェハ上の半導体装置の同一設計パターンの欠陥、異物、残渣等を電子線により検査する方法において、レジストパターンや酸化膜等の非導電性の表面を持った半導体ウェハの高精度な検査が可能となった。
【0070】
これにより、製造過程で発生した従来装置で検出できない欠陥を発見可能にし、半導体プロセスにフィードバックすることにより半導体装置の不良率を低減し、信頼性を向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の装置構成を示す縦断面図。
【図2】半導体装置の製造プロセスを示すフロー図。
【図3】本発明の実施例1の電子線検出器部分の構成を示す斜視図および断面図。
【図4】電子線に対する照射面の傾きと二次電子線の軌道の関係を示す説明図。
【図5】電子線に対する照射面の電位分布と二次電子線の軌道の関係を示す説明図。
【図6】本発明の実施例における分割された検出器出力の演算例を示す信号波形図。
【図7】本発明の実施例2の装置の部分構成を示す縦断面図。
【図8】本発明の実施例3の装置の部分構成を示す縦断面図。
【図9】本発明の実施例4の電子線検出器部分の斜視図。
【図10】従来例の電子線応用装置の縦断面図。
【符号の説明】
1…電子銃、2…引き出し電極、3…コンデンサレンズ、4…ブランキング用偏向器、5…走査偏向器、6…絞り、7…シールドパイプ、8…E×B偏向器、9…対物レンズ、10…被検査基板、11…X−Yステージ、12…回転ステージ、13(a〜e)…二次電子検出器、14(a〜d)…キャップ電極、21…プリアンプ、22…AD変換器、23…高圧電源、24…走査信号発生器、25…対物レンズ電源、26…光学式試料高さ測定器、27…位置モニタ用測長器、28…補正制御回路、29…接地電極、30(a,b)…画像記憶部、31…遅延回路、32…モニタ、33…演算部、34…欠陥判定部、35(a〜d)…増幅器、36…検出信号演算処理回路、37…コンデンサレンズ電源、38…E×B偏向器電源、39(a〜d)…キャップ電極電流計、40…中間電極電源、41…中間電極、42…検出器電源、43…キャップ電極電源、45…検査モード選択スイッチ、101…電子光学系、102…試料室、103…制御部、104…画像処理系、201…一次電子線、202…二次電子、204…反射電子。
Claims (6)
- 回路パターンを有する基板の第1、及び第2領域へ照射させる一次電子線の発生手段と、前記一次電子線を収束させる手段と、
前記一次電子線を走査偏向させる走査偏向手段と、
前記一次電子線を加減速させると共に前記基板から発生する二次電子および反射電子を加減速する加減速手段と、
前記二次電子および反射電子を偏向する手段、収束する手段と、
前記一次電子線の光軸から外れた位置に配置され、前記二次電子および反射電子、またはいずれか一方を検出する検出器と、
前記検出器で検出した信号から画像を形成する手段と、
前記基板上の第1、第2の領域で得た前記画像を比較する手段と、検査モードを選択する選択手段とを有し、
さらに、前記加減速手段には可変電源が接続されており、加減速条件に合わせて前記二次電子および反射電子の偏向手段、収束手段を制御する調整手段を含み、また、前記検出器の検出素子はそれぞれにアンプ回路を有する分割された複数の素子からなり、且つ、前記各素子の出力を前記検査モードに合わせて演算処理をする演算回路とを有することを特徴とした回路パターン検査装置。 - 請求項1記載の回路パターン検査装置において、
前記検出器は半導体検出器であることを特徴とする回路パターン検査装置。 - 請求項1記載の回路パターン検査装置において、
前記検出器の周囲に前記検出器とほぼ同軸となるように前記検出器前面に開孔を有したキャップを設け、上記検出器前面と異なる電位を与えて上記二次電子または反射電子を検出器へ捕捉する収束電界を形成、制御することを特徴とする回路パターン検査装置。 - 請求項3記載の回路パターン検査装置において、上記キャップは複数に分割されており、それぞれの部分に電流測定手段を有することを特徴とする回路パターン検査装置。
- 請求項1記載の回路パターンにおいて、
前記検出器と前記一次電子線光軸との間に金属片を有し、
前記検出器が、前記試料からの二次電子を前記金属片へ衝突させて新たに発生する二次電子を検出する検出器であることを特徴とする回路パターン検査装置。 - 一次電子線を照射する工程と、
前記一次電子線を走査偏向する工程と、
前記一次電子線を収束させる工程と、
前記一次電子線を加減速させ、被照射体から発生する二次電子および反射電子を加減速させる加減速工程と、
前記二次電子および反射電子を偏向、収束させる工程と、
被照射体から発生する二次電子および反射電子またはいずれか一方を検出する検出工程と、検出器で検出したアナログ信号から画像を形成する工程とを有する電子線応用方法において、前記加減速工程は電圧可変で加減速度が可変な工程であり、
加減速条件に合わせて前記二次電子および反射電子を偏向、収束させる工程を制御する調整工程を有し、
さらに、前記検出工程は複数の分割素子による検出工程であり、各検出工程後に信号を増幅させる工程と、各検出結果を演算処理する演算工程とを有して演算結果を画像として形成することを特徴とした電子線応用方法。
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