JP2002139130A - 動力伝達系のギア機構 - Google Patents

動力伝達系のギア機構

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JP2002139130A JP2000332853A JP2000332853A JP2002139130A JP 2002139130 A JP2002139130 A JP 2002139130A JP 2000332853 A JP2000332853 A JP 2000332853A JP 2000332853 A JP2000332853 A JP 2000332853A JP 2002139130 A JP2002139130 A JP 2002139130A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂製のギアが用いられる場合であれ、その耐
久性等を容易に確保することのできる動力伝達系のギア
機構を提供する。 【解決手段】ギア機構は、クランクシャフト20に駆動
連結されたクランクギア21と、第1のバランスシャフ
ト30に相対回動を許容する減衰機構50を介して連結
された第1の被動ギア31とを備える。減衰機構50
は、第1の被動ギア31と第1のバランスシャフト30
に固定されたカウンタギア32とが相対回動したとき、
弾性力によりその相対回動を反付勢する第1のストッパ
ゴム55及び同第2のストッパゴム58と、摩擦トルク
によりその相対回動を減衰させるフリクションダンパ5
4とを備えて構成される。第2のストッパゴム58のば
ね定数及び減衰係数が第1のストッパゴム55よりも十
分に小さく設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のバラン
サ装置等動力伝達系のギア機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、上記動力伝達系には多く
のギア機構が採用されている。そして、これらギア機構
に用いられるギアは、上述した内燃機関の出力伝達系や
車両変速機の変速系等、大きな動力が伝達される系に採
用される都合上、高い耐久性、耐衝撃性、そして耐摩耗
性が要求されている。このため、通常、上記動力伝達系
のギア機構には金属製のギアが用いられることが多かっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記ギア
機構に金属製のギアを用いることとすれば、その耐久性
や耐衝撃性、耐摩耗性も確かに確保されるようになる。
【0004】ところが、このような金属ギアによるギア
機構が前記内燃機関、特に車載内燃機関の出力伝達系に
用いられる場合には、機関出力軸の回転変動や各ギア噛
合部のバックラッシュに起因する歯打ち音、あるいは噛
合するギアの各歯の歯面同士がこすれ合う噛合音等が発
生する原因ともなっている。
【0005】そこで近年は、このような歯打ち音あるい
は噛合音を低減するために、樹脂製のギアを用いたギア
機構も提案されている(例えば特開平8―174689
号公報等参照)。
【0006】ただし、上記内燃機関の出力伝達系にこの
ような樹脂ギアを用いたギア機構を採用した場合、歯打
ち音や噛合音を低減することは可能となるものの、前記
金属ギアほどの耐久性を確保することが困難となる。特
に、内燃機関のバランサ装置等のように、ギアに高負荷
のかかる動力伝達系では、こうした樹脂ギアの耐久性を
確保することが極めて困難となる。またこうした傾向
は、機関出力軸の出力が機関回転速度に応じた振動数を
もって変動し、それに伴ってバランサ装置にいわゆる共
振現象が発生するとき及び機関出力軸の捩り共振時の変
動が入力するときなどにおいては一層顕著なものとな
る。
【0007】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、たとえ樹脂製のギアが用いら
れる場合であれ、その耐久性等を容易に確保することの
できる動力伝達系のギア機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段及びその作用効果について以下に記載する。請求
項1に記載の発明は、同軸上に設けられた第1,第2回
転部材とこれらの間に介在する減衰機構を有する動力伝
達系のギア機構において、前記減衰機構は、ばね定数の
異なる複数の種類の弾性体を備え、同複数の弾性体は、
前記第1,第2の回転部材との間に直列に配列され、そ
れら第1,第2の回転部材の相対回動に応じて弾性変形
し、前記第1,第2の回転部材を前記相対回動の方向と
逆方向に反付勢することを要旨とする。
【0009】上記構成によれば、第1の回転部材及び第
2の回転部材との間で回転力が伝達される際に、第2の
回転部材が第1の回転部材に対して相対回動すると、複
数の弾性体のうちばね定数が相対的に小さいものほど大
きな変形量をもって弾性変形するようになる。そして、
相対回動量が増大すると、複数の弾性体のうちばね定数
が相対的に小さいものはやがて弾性限界に達するように
なる。このように一部の弾性体が弾性限界に達した後、
上記相対回動量が更に増大すると、その弾性限界に達し
た弾性体はもはやそれ以上弾性変形せず、最も弾性変形
した状態を保ったまま、ばね定数が相対的に大きいその
他の弾性体のみが弾性変形するようになる。従って、相
対回動量と複数の弾性体の全体としてのばね定数との関
係は、同相対回動量に応じて変化するようになり、非線
形性を有したものとなる。そして、このように非線形性
を有することにより、ギア機構の固有振動数が複数存在
するようになるため、同機構における共振現象の発生が
抑制されるようになる。その結果、ギア機構を構成する
各回転部材にかかる負荷を好適に軽減することができる
ようになり、それら各回転部材の耐久性を向上させるこ
とができるようになる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の動力伝達系のギア機構において、前記複数の弾性体
は、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に
隙間のない状態で配設されることを要旨とする。
【0011】上記構成によれば、第1の回転部材と第2
の回転部材との間に隙間なく配設された複数の弾性体に
よって第1の回転部材に対する第2の回転部材の位置が
固定されるようになるため、同第1の回転部材に対して
第2の回転部材を組み付ける際の作業性を向上させるこ
とができるようになる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の動力伝達系のギア機構において、前記減衰機
構は、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相
対回動するときにその相対回動を抑制する減衰力を発生
する減衰部材を更に備えてなることを要旨とする。
【0013】上記構成によれば、第1の回転部材と第2
の回転部材との間に相対回動が生じる際に、減衰部材に
減衰力が発生するため、その減衰力によってこれら第
1,第2の回転部材との間の振動が減衰されるようにな
る。その結果、ギア機構を構成する各回転部材にかかる
負荷を的確に軽減することができるとともに、それら各
回転部材の耐久性を好適に向上させることができるよう
になる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか一項に記載の動力伝達系のギア機構において、
前記ギア機構は、第1の回転軸に駆動連結された第1の
ギアと、前記第1の回転部材としての第2の回転軸に相
対回動を許容する減衰機構を介して同軸上に設けられた
前記第2の回転部材としての第2のギアとを備え、これ
ら第1のギアと第2のギアとが噛合され、これら各ギア
並びに前記減衰機構を介して前記各回転軸間で回転力が
伝達されることを要旨とする。
【0015】上記構成によれば、第1,第2の回転軸間
で伝達される回転力の変動があったとしても、第1,第
2のギアにかかる負荷を軽減して、その耐久性を向上さ
せることができるようなり、ひいてはそれらギアに樹脂
製のギアが用いられる場合であっても、その耐久性等を
確保することが容易となる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の動力伝達系のギア機構において、前記動力伝達系は、
内燃機関のバランサ装置にあって同機関のクランクシャ
フトの回転力を第1及び第2のバランスシャフトに伝達
させるものであり、前記第1の回転軸としての前記クラ
ンクシャフトに前記第1のギアとしてのクランクギアが
設けられるとともに、前記第2の回転軸としての前記第
1のバランスシャフトに前記減衰機構を介して前記第2
のギアとしての被動ギアが相対回動可能に設けられ、更
に前記クランクギアに前記被動ギアが噛合され、前記第
1のバランスシャフトには前記第2のバランスシャフト
が駆動連結されてなることを要旨とする。
【0017】また、請求項6に記載の発明は、請求項4
に記載した動力伝達系のギア機構において、前記動力伝
達系は、内燃機関のバランサ装置にあって同機関のクラ
ンクシャフトの回転力を第1及び第2のバランスシャフ
トに伝達させるものであり、前記第2の回転軸としての
前記クランクシャフトに前記減衰機構を介して前記第2
のギアとしてのクランクギアが相対回動可能に設けられ
るとともに、前記第1の回転軸としての前記第1のバラ
ンスシャフトに前記第1のギアとしての被動ギアが設け
られ、更に前記クランクギアに前記被動ギアが噛合さ
れ、前記第1のバランスシャフトには前記第2のバラン
スシャフトが駆動連結されてなることを要旨とする。
【0018】また、請求項7に記載の発明は、請求項4
に記載した動力伝達系のギア機構において、前記動力伝
達系は、内燃機関のバランサ装置にあって同機関のクラ
ンクシャフトの回転力を第1のバランスシャフトに伝達
させるとともに、同クランクシャフトの回転力を中間ギ
アを介して第2のバランスシャフトに伝達させるもので
あり、前記第1の回転軸としての前記クランクシャフト
に前記第1のギアとしてのクランクギアが設けられ、そ
のクランクギアには同じく前記第1のギアとして前記中
間ギアが噛合されるとともに、前記第2の回転軸として
の前記第1及び第2のバランスシャフトには各別の前記
減衰機構を介して前記第2のギアとしての被動ギアがそ
れぞれ相対回動可能に設けられ、更に前記クランクギア
には前記第1のバランスシャフトに設けられた前記被動
ギアが噛合されるとともに、前記中間ギアには前記第2
のバランスシャフトに設けられた前記被動ギアが噛合さ
れてなることを要旨とする。
【0019】これら各構成によれば、回転力変動が極め
て大きい内燃機関のバランサ装置にあっても、各ギアに
かかる負荷を軽減して、その耐久性を向上させることが
できるようなる。そして、このようなバランサ装置につ
いても上記樹脂製ギアを用いることを可能としてその耐
久性を確保することができるようになる。
【0020】請求項8に記載の発明は、請求項4〜7の
いずれかに記載した動力伝達系のギア機構において、前
記第1のギア及び前記第2のギアの少なくとも一方はそ
の歯が樹脂材料によって形成される樹脂製ギアであるこ
とを要旨とする。
【0021】上記構成によれば、第1のギア及び第2の
ギアの噛合部における衝撃が吸収され、ギア噛合音を低
減することができるようになる。また、この樹脂製ギア
に噛合される第1のギア及び第2のギアのうちの他方を
金属製ギアとした場合には、その歯面の加工精度がある
程度低い場合であってもそれらギア噛合音の発生を低減
することが可能となる。このため、金属製ギアの歯面に
対するシェービング仕上げ、研磨仕上げ等の工程や、金
属製ギアで一般的なシムの選択調整によるバックラッシ
ュ量の管理を省略或いは簡略化することが可能になる。
更に、これら樹脂製ギアと金属製ギアとが互いに噛合さ
れることで、それらギア間の熱による凝着等を回避する
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるギア機構を
直列4気筒内燃機関のバランサ装置に適用した一実施の
形態について、図1〜図9を参照して説明する。
【0023】はじめに、図1及び図2を参照して、本実
施形態において適用対象となるバランサ装置の概要につ
いて説明する。尚、図1は、このバランサ装置の側面構
造を示した概略図であり、図2は、同バランサ装置の各
ギアの配置を示した概略図である。
【0024】これら各図に示すように、このバランサ装
置は、内燃機関のシリンダブロック11及びクランクケ
ース12(図1参照)に軸支された機関出力軸としての
クランクシャフト20と、このクランクシャフト20の
下方に同シャフト20と平行に設けられた第1のバラン
スシャフト30及び第2のバランスシャフト40とを有
している。
【0025】これら各バランスシャフト30,40は、
クランクケース12及びバランサ装置の下部を覆うハウ
ジング13によって軸支されている。また、各バランス
シャフト30,40には、それぞれ一対のアンバランス
ウェイト33,43が設けられている。
【0026】クランクシャフト20には、各気筒毎に一
対ずつ、8個のバランスウェイト22が設けられてい
る。そして、クランクシャフト20には、これら8個の
バランスウェイト22のうち、中ほどの1つのバランス
ウェイト22aに隣接する位置にクランクギア21が一
体回転可能に設けられている。
【0027】第1のバランスシャフト30には、クラン
クギア21に噛合されるとともに、同第1のバランスシ
ャフト30に対して相対回動可能な第1の被動ギア31
が設けられている。この第1の被動ギア31は、その直
径がクランクギア21の半径と等しく設定されている。
また、第1のバランスシャフト30には、一体回転可能
にカウンタギア32が設けられている。第1の被動ギア
31は、その相対回動を許容する減衰機構50を介して
カウンタギア32に駆動連結されている。
【0028】一方、第2のバランスシャフト40には、
図2に示すように、カウンタギア32に噛合されるとと
もに、同第2のバランスシャフト40と一体回転可能な
第2の被動ギア41が設けられている。
【0029】次に、図3及び図4を参照して、上記減衰
機構50の構成について説明する。尚、これら図3及び
図4は、第1のバランスシャフト30に設けられた減衰
機構50の断面構造を示す図であり、図3は図4の3―
3線に沿った断面構造を、図4は図3の4―4線に沿っ
た断面構造をそれぞれ示している。
【0030】図3に示すように、第1の被動ギア31
は、第1のバランスシャフト30と同軸上に同シャフト
30と相対回動可能に設けられた環状の内周部31a
と、この内周部31aの外周に一体回転可能に設けら
れ、その外周に歯31cが形成された外周部31bとを
備えて構成されている。この外周部31bの歯31c
は、クランクギア21の外周に形成された歯(図示略)
と噛合されている。
【0031】第1の被動ギア31の内周部31aは鉄等
の金属材料によって形成される一方、その外周部31b
は例えば、アラミド繊維織物によって強化されたポリア
ミノアミドまたはフェノール等の熱硬化性樹脂からなる
樹脂材料によって形成されている。第2の被動ギア41
も第1の被動ギア31と同様に、少なくともその歯が上
記樹脂材料によって形成されている。これに対して、ク
ランクギア21及びカウンタギア32はいずれも鉄等の
金属材料によって形成されている。また、これら各ギア
21,31,32,41はいずれも、図2に示すよう
に、それらの各歯がヘリカル状に形成されたヘリカルギ
アとなっている。
【0032】第1の被動ギア31の内周部31aにおい
て、カウンタギア32と対向する側面と反対側の側面に
は、第1のバランスシャフト30の軸心を中心にして同
第1のバランスシャフト30の外径よりも大きな内径を
有する凹部53が形成されている。このため、第1の被
動ギア31を第1のバランスシャフト30に係合させた
状態では、第1のバランスシャフト30の外周面と凹部
53の内周面との間には環状の空間が形成されることと
なる。そして、この環状の空間内には、環状をなす一対
のフリクションダンパ54がそれぞれ減衰部材として配
設されている。
【0033】これら各フリクションダンパ54は、上記
凹部53の内周面に当接される金属製の摺動部54a
と、例えばゴム材料等の弾性材料からなる弾性部54b
とを備えて構成されている。第1の被動ギア31は、こ
れらフリクションダンパ54の弾性部54bに発生する
弾性力により、第1のバランスシャフト30の全周にわ
たってその径方向に常時付勢されている。
【0034】従って、第1の被動ギア31がカウンタギ
ア32に対して相対回動する際、換言すれば、同第1の
被動ギア31が第1のバランスシャフト30に対して相
対回動する際には、摺動部54aと凹部53の内周面と
の間に上記付勢力の大きさに応じた摩擦力が発生し、そ
の摩擦力が上記相対回動を抑制する減衰力として作用す
るようになる。
【0035】また、クランクギア21及び第1の被動ギ
ア31はヘリカルギアとして構成されており、これらを
噛合させた場合においても、第1の被動ギア31は第1
のバランスシャフト30の軸方向において僅かに移動す
ることが可能である。このため、第1の被動ギア31が
回転力変動等に起因して上記軸方向において振動し、第
1のバランスシャフト30との接触を繰り返すことで騒
音が発生する懸念がある。上記フリクションダンパ54
の摩擦力は、こうした第1の被動ギア31の振動を減衰
させる減衰力としても作用するようになる。
【0036】一方、カウンタギア32において第1の被
動ギア31と対向する側面には、第1のバランスシャフ
ト30の軸心を中心に同シャフト30の外周を囲む環状
の凹部51が設けられている。この凹部51の内底面5
1aには、第1の被動ギア31に向かって突出する断面
略矩形状の係止凸部52が設けられている。この係止凸
部52は第1のバランスシャフト30の軸心周りにおい
て等角度間隔を隔てて複数個(この例においては図4に
示すように4個)設けられている。更に、この凹部51
の内底面51aには上記係止凸部52を挟む位置に一対
の係止孔57が形成されている。
【0037】また、凹部51内には、それぞれ係止凸部
52及び係止孔57により係止される断面略コ字状の第
1のストッパゴム55が設けられている。この第1のス
トッパゴム55は第1のバランスシャフト30の軸心周
りにおいて等角度間隔を隔てて複数個(この例では同じ
く4個)設けられている。また、第1のストッパゴム5
5はそれぞれ、所定の弾性力(ばね定数K1)及び減衰
力(減衰係数C1)を有している。
【0038】この第1のストッパゴム55は係止凸部5
2に係合される係止凹部55aと、この係止凹部55a
の両側に位置し係止孔57に係合される一対の係止片5
5bとを有している。これら係止凸部52と係止凹部5
5a、係止片55bと係止孔57とがそれぞれ係合され
ることにより、同第1のストッパゴム55の凹部51内
での移動が規制されている。尚、第1のストッパゴム5
5は、係止凸部52により係止された状態において、同
係止凸部52の両側に位置する各部分の周方向における
長さがいずれも等しく設定されている。また、第1のス
トッパゴム55は、クランクシャフト20からバランサ
装置に入力される回転力が最も大きくなった場合であっ
ても、損傷を招く過大な変形が生じないように、そのば
ね定数が設定されている。
【0039】また、第1の被動ギア31の内周部31a
においてカウンタギア32と対向する側面には、カウン
タギア32に向かって突出する複数(この例では4個)
の凸部56が設けられている。この凸部56は、隣り合
う第1のストッパゴム55の対向する各両端部に対して
それぞれ所定角度θ1,θ2だけ離間して位置するよう
に、第1のバランスシャフト30の軸心周りにおいて等
角度(θ0)の間隔を隔てて設けられている。ここで、
上記各所定角度θ1,θ2は、第1の被動ギア31とカ
ウンタギア32とが相対回動することにより変化する
が、それらの和(θ1+θ2)は一定の値θmaxをと
る(θmax=θ1+θ2)。尚、本実施形態では、こ
の所定の回動位相範囲θmaxを「θ0/4」に設定す
るようにしている。
【0040】また、凸部56の周方向の側面と第1のス
トッパゴム55の端部との各対向面間には、各面に当接
するように複数(この例では8個)の第2のストッパゴ
ム58が第1のストッパゴム55と直列に設けられてい
る。この第2のストッパゴム58はそれぞれ、所定のば
ね定数K2及び減衰係数C2を有しており、これらばね
定数K2及び減衰係数C2はそれぞれ、上記第1のスト
ッパゴム55のばね定数K1及び減衰係数C1よりも十
分に小さい値(例えば1/100以下)に設定されてい
る。
【0041】図5及び図6は、上記各ギア21,31,
32,41、各シャフト20,30,40並びに減衰機
構50を構成するフリクションダンパ54、第1のスト
ッパゴム55、第2のストッパゴム58の関係を模式的
に示したものである。内燃機関のバランサ装置をこのよ
うな構成とすることで、同図5及び図6に示すように、
クランクシャフト20から伝達される回転力は、クラン
クギア21、第1の被動ギア31、減衰機構50のフリ
クションダンパ54、第1のストッパゴム55、第2の
ストッパゴム58、そしてカウンタギア32を介して第
1のバランスシャフト30に伝達されるとともに、同カ
ウンタギア32から第2の被動ギア41を介して第2の
バランスシャフト40にも伝達されるようになる。尚、
同図5に示す「m1」、「m2」、及び「m3」は、そ
れぞれクランクシャフト20、第1のバランスシャフト
30、及び第2のバランスシャフト40の軸心であり、
「K1」、「K2」は、それぞれ第1のストッパゴム5
5及び第2のストッパゴム58のばね定数であり、そし
て、「C1」、「C2」、及び「C3」は、それぞれ第
1のストッパゴム55、第2のストッパゴム58、及び
フリクションダンパ54の減衰係数である。
【0042】バランサ装置にクランクシャフト20から
回転力が入力され、第1の被動ギア31が第1のバラン
スシャフト30に対して相対回動すると、第1の被動ギ
ア31の凸部56よりもその回転方向側に位置する第1
のストッパゴム55及び第2のストッパゴム58が弾性
変形するようになる。ここで、第2のストッパゴム58
は、第1のストッパゴム55よりもそのばね定数が十分
に小さいため、第1の被動ギア31と第1のバランスシ
ャフト30との相対回動量が小さい段階では、第1のス
トッパゴム55よりも大きな変形量をもって弾性変形す
るようになる。そして、第1の被動ギア31と第1のバ
ランスシャフト30との上記相対回動量が増大して所定
値に達すると、第2のストッパゴム58は弾性限界に達
し、もはやそれ以上弾性変形しなくなる。その後、上記
相対回動量が更に増大すると、第2のストッパゴム58
は最も弾性変形した状態となったまま、第1のストッパ
ゴム55のみが弾性変形するようになる。このため、第
1の被動ギア31と第1のバランスシャフト30との相
対回動に対する各ストッパゴム55,58の全体の弾性
特性が非線形な傾向を示すようになる。すなわち、図7
に示されるように、第1のストッパゴム55のばね定数
を「K1」、第2のストッパゴム58のばね定数を「K
2」とした場合、各ストッパゴム55,58全体の合成
ばね定数Kは、上記相対回動量が小さい段階では「K1
・K2/(K1+K2)」となる一方、相対回動量が増
大して第2のストッパゴム58が弾性限界に達した後は
第1のストッパゴム55のばね定数である「K1(>K
1・K2/(K1+K2))」と略等しくなる。
【0043】そして、このような非線形性を有すること
により、バランサ装置により構成される振動系の固有振
動数が複数の振動数に分散されて複数存在するようにな
る。その結果、バランサ装置を構成する各ギア21,3
1,32,41にかかる負荷が好適に低減されるように
なる。
【0044】また、バランサ装置では、クランクシャフ
ト20の回転位相と各バランスシャフト30,40の回
転位相とが所定の関係を有するようにして、これら各バ
ランスシャフト30,40の組み付けを行う必要があ
る。このため、各バランスシャフト30,40の組み付
け時においては、クランクシャフト20の回転方向にお
ける位置が決定されれば、各バランスシャフト30,4
0の回転方向における位置も一義的に決定されることと
なる。
【0045】そして、このように各バランスシャフト3
0,40の位置が決定された状態で第1の被動ギア31
をクランクギア21に噛合させると、同ギア31の回転
方向における位置も決定されるようになる。従って、そ
の後に、カウンタギア32を第1のバランスシャフト3
0に組み付ける際には、カウンタギア32を第2のバラ
ンスシャフト40に固定された第2の被動ギア41の歯
に噛合させつつ、同カウンタギア32を第1のバランス
シャフト30の回転方向における所定の位置で固定する
必要がある。このため、例えば第2のストッパゴム58
を省略した構成など、凸部56の周方向の両端面と第1
のストッパゴム55の端面との対向面間に隙間がある場
合には、凸部56をこれと隣り合う第1のストッパゴム
55の一方に当接させつつその位置決めをするという作
業が必要となる。
【0046】この点、本実施の形態にあっては、各スト
ッパゴム55,58をカウンタギア32の凹部51内に
装着した状態において、隣り合う各第2のストッパゴム
58の対向面の幅が第1の被動ギア31の凸部56の周
方向の幅と略同寸に設けられている。このため、第1の
被動ギア31の凸部56を第2のストッパゴム58の対
向面間に挿入すれば、第1のストッパゴム55及び第2
のストッパゴム58の弾性力によって自ずとカウンタギ
ア32の第1のバランスシャフト30及び第1の被動ギ
ア31に対する回転方向の取付け位置が決定されるよう
になる。この結果、カウンタギア32を第1のバランス
シャフト30及び第1の被動ギア31に組み付ける際の
位置決めにかかる作業工数を低減でき、ひいては生産性
の向上を図ることができるようになる。
【0047】また、第1の被動ギア31と第1のバラン
スシャフト30との間に相対回動が生じる際に、フリク
ションダンパ54に減衰力が発生するため、その減衰力
によってこれら第1の被動ギア31と第1のバランスシ
ャフト30との間の振動が減衰されるようになる。その
結果、バランサ装置を構成する各ギア21,31,3
2,41にかかる負荷を的確に軽減することができると
ともに、それら各ギア21,31,32,41の耐久性
を好適に向上させることができるようになる。
【0048】次に、本実施の形態にかかるギア機構の振
動抑制作用について図8及び図9を参照して更に詳細に
説明する。図8は、内燃機関の回転速度に対する第1の
被動ギア31の角速度変動の変化についての実験結果を
示したグラフである(縦軸に示す角速度変動は対数表示
してある)。
【0049】尚、同図8において実線は、上記所定の回
動位相範囲θmaxを「θ0/4」に設定した本実施形
態についての特性を示し、一点鎖線は、上記回動位相範
囲θmaxを「θ0/8」に設定した第1の比較例につ
いての特性を示している。また、同図において二点鎖線
は、上記回動位相範囲θmaxを「0°」に設定した場
合、即ち、第2のストッパゴム58を設けずに、無負荷
状態において凸部56の周方向の両側面と、これら両側
面と隣り合う第1のストッパゴム55の対向する両端部
とをそれぞれ当接させるように構成した第2の比較例に
ついての特性を示している。
【0050】同図8に示すように、第2の比較例におい
ては、内燃機関の回転速度が1000〜2000rpm
の間にあるときに、角速度変動が急激に増大することが
わかる。これはクランクシャフト20から各バランスシ
ャフト30,40に伝達される回転力によってバランサ
装置に共振現象(二次共振)が発生しているためであ
る。
【0051】これに対して、第1の比較例においては、
内燃機関の回転速度が1000〜2000rpmの間に
あるときに角速度変動が僅かに増大する領域が存在する
ものの、その増大量自体は上記第2の比較例と比較して
大きく減少していることがわかる。
【0052】これは、上記回動位相範囲θmaxを「0
°」より大きく設定することにより、バランサ装置によ
り構成される振動系の固有振動数が低下するとともに、
第2のストッパゴム58の存在により同固有振動数が複
数に分散されるため、内燃機関の常用回転速度域(>1
000rpm)における共振現象の発生が抑制されるこ
とに起因している。
【0053】更に本実施形態においては、上記回動位相
範囲θmaxを「θ0/4」としているため、こうした
振動抑制効果が一層顕著に現れるようになる。即ち、内
燃機関の回転速度が1000〜2000rpmの間にあ
るときの角速度変動の増大は見られず、上記共振現象は
発生していないことがわかる。従って、バランサ装置の
共振現象を抑える上では、上記回動位相範囲θmaxを
「θ0/8以上」に設定するのが望ましく、「θ0/4
以上」にするのが最も好ましい。
【0054】図9は、上記フリクションダンパ54の摩
擦力による振動抑制効果を確認するために行った実験結
果を示すものであって、図8と同様、内燃機関の回転速
度に対する第1の被動ギア31の角速度変動の変化を示
すグラフである(縦軸に示す角速度変動は対数表示して
ある)。
【0055】尚、同図9において実線は、本実施形態、
すなわちフリクションダンパ54として、雰囲気温度
「80℃」中で「0.3Nm以上」の摩擦トルクを得ら
れることが予め確認されたものを用いた場合の特性を示
している。また、一点鎖線は、同じくフリクションダン
パ54として、雰囲気温度「80℃」中で「0.3Nm
未満」のトルクしか得られないことが予め確認されたも
のを用いた場合の比較例についての特性を示している。
尚、上記雰囲気温度は、バランサ装置の通常の使用状況
に合わせて「80℃」に設定されている。
【0056】同図9に示すように、上記比較例において
は、内燃機関の回転速度が1000rpm近傍にあると
きに角速度変動の急峻なピークが存在するようになる。
即ち、仮に上記回動位相範囲θmaxが「0°」より大
きく設定されていても、その回動位相範囲θmaxにお
いてフリクションダンパ54の摩擦トルクにより適切な
大きさの減衰力が付与されなければ、上記共振現象の抑
制効果が減少することがわかる。
【0057】以上の実験結果から明らかなように、雰囲
気温度を「80℃」とした状況下でフリクションダンパ
54において「0.3Nm以上」の摩擦トルクを発生さ
せることで、上記共振現象の発生を確実に抑えることが
できるようになる。
【0058】以上詳述したように、この実施の形態にか
かるギア機構によれば、以下に示すような優れた効果が
得られるようになる。 (1)バランサ装置の減衰機構50において、ばね定数
及び減衰係数のそれぞれ異なる第1のストッパゴム55
と第2のストッパゴム58とを備える構成とした。この
ため、バランサ装置における共振現象の発生を抑制して
同装置を構成する各ギア21,31,32,41にかか
る負荷を好適に軽減することができるようになり、それ
ら各ギア21,31,32,41、特に樹脂製ギアであ
る第1の被動ギア31及び第2の被動ギア41において
もその耐久性を十分に向上させることができるようにな
る。
【0059】(2)第1の被動ギア31の凸部56とカ
ウンタギア32の係止凸部52との間において各ストッ
パゴム55,58を隙間なく配設するようにしたため、
これら各ストッパゴム55,58によってカウンタギア
32を第1のバランスシャフト30及び第1の被動ギア
31に対して組み付ける際の位置が固定されるようにな
り、その位置決め作業の工数を低減でき、ひいては生産
性の向上を図ることができるようになる。
【0060】(3)フリクションダンパ54の摩擦トル
クによる減衰力が付与されることで各ギア21,31,
32,41にかかる負荷を更に軽減することができるよ
うになるとともに、それら各ギア21,31,32,4
1の耐久性を好適に向上させることができるようにもな
る。
【0061】(4)回動位相範囲θmaxを「θ0/
4」に設定するとともに、フリクションダンパ54の摩
擦トルクを減衰力として雰囲気温度「80℃」中で
「0.3Nm以上」の摩擦トルクを発生させることで、
共振現象の発生を確実に抑えることができるようにな
る。このため、クランクギア21と第1の被動ギア31
との間、及びカウンタギア32と第2の被動ギア41と
の間の各ギア間のギア歯打ち音の発生を回避することが
できるようになる。
【0062】(5)回転力変動が極めて大きい内燃機関
のバランサ装置にあっても、各ギア21,31,32,
41にかかる負荷を軽減して、その耐久性を向上させる
ことができるようなる。
【0063】(6)第1の被動ギア31及び第2の被動
ギア41の各ギア歯を樹脂により形成したため、クラン
クギア21及び第1の被動ギア31とカウンタギア32
及び第2の被動ギア41との各噛合部における衝撃が吸
収され、これによってギア歯打ち音を低減することがで
きるようになる。また、金属製のクランクギア21及び
カウンタギア32の各歯面の加工精度がある程度低くて
も上記歯打ち音の発生を低減することが可能となる。こ
のため、クランクギア21及びカウンタギア32の各歯
面に対するシェービング仕上げ、研磨仕上げ等の工程
や、金属製ギアで一般的なシムの選択調整によるバック
ラッシュ量の管理を省略或いは簡略化することが可能に
なる。更に、金属製のクランクギア21と樹脂製の第1
の被動ギア31とを、そして金属製のカウンタギア32
と樹脂製の第2の被動ギア41とをそれぞれ互いに噛合
させることで、それら各ギア21,31,32,41間
の熱による凝着等を回避することができる。
【0064】尚、上記実施の形態は、例えば、以下のよ
うにその構成を適宜変更することもできる。 ・上記実施の形態では、アンバランスウェイト33,4
3を各バランスシャフト30,40に2個設けるように
したが、このアンバランスウェイト33,43を設ける
位置やその個数は上記の例に限らず、任意に変更するこ
とができる。
【0065】・フリクションダンパ54の配設態様は上
記実施の形態において示す態様に限定されず、第1のバ
ランスシャフト30と第1の被動ギア31とが相対回動
する際に適切な大きさの摩擦トルクを発生させることが
できるものであれば、適宜変更することができる。
【0066】・また、上記実施の形態におけるフリクシ
ョンダンパ54は、摺動部54aと弾性部54bとを備
える構成のものの他、例えば金属製のウェーブワッシ
ャ、皿ばね、或いはウェーブスプリング等により構成さ
れるものであってもよい。
【0067】・上記実施の形態では、クランクギア2
1、カウンタギア32、及び第1及び第2の被動ギア3
1,41をいずれもヘリカルギアとしたがこれらを平歯
車として構成するようにしてもよい。
【0068】・上記実施の形態では、第1の被動ギア3
1及び第2の被動ギア41を樹脂製ギアとし、クランク
ギア21及びカウンタギア32を金属製ギアとする構成
としたが、例えば、クランクギア21とカウンタギア3
2とを樹脂製ギアとしてもよいし、クランクギア21と
第2の被動ギア41とを樹脂製ギアとしてもよい。また
一方で、全てのギアを金属製ギアとしてもよい。
【0069】・上記実施の形態では、弾性部材として第
2のストッパゴム58を凸部56の両側に設ける構成と
したが、例えば、図10に減衰機構の断面構造を示すよ
うに、凸部56の両側に配設されていた第2のストッパ
ゴム58の一方を省略し、同凸部56における周方向の
一方の側面をこれと隣り合う第1のストッパゴム55の
端面に当接させるようにしてもよい。
【0070】・上記実施の形態では、ばね定数と減衰係
数とがともに異なる2種類の弾性体、すなわち、第1の
ストッパゴム55及び第2のストッパゴム58を用いる
構成としたが、この弾性体の種類は任意であり、3種類
以上の弾性体を用いる構成としてもよい。
【0071】・上記実施の形態では、弾性体の1つとし
てゴム材料からなる第2のストッパゴム58を用いる構
成としたが、この弾性体の材質はゴム材料には限定され
ず、例えばばね材を用いる構成としてもよい。
【0072】・上記実施の形態では、図5に示すよう
に、ギア機構として、クランクシャフト20の回転力が
クランクギア21から第1の被動ギア31に伝達され、
更に同第1の被動ギア31から減衰機構50を介してカ
ウンタギア32に伝達されるとともに、同ギア32から
各バランスシャフト30,40に伝達されるバランサ装
置の例を示したが、本発明のギア機構は、以下に記載す
るような構成のバランサ装置にも適用することもでき
る。
【0073】即ち、図11に模式的に示すように、クラ
ンクギア21をクランクシャフト20に対して相対回動
可能に設けるとともに、同クランクシャフト20にプレ
ート25を一体回転可能に設ける。そして、クランクギ
ア21を減衰機構50を介して上記プレート25に駆動
連結させる。また、第1のバランスシャフト30には、
第1の被動ギア31及びカウンタギア32を一体回転可
能に設け、同第1の被動ギア31をクランクギア21に
噛合させる。
【0074】こうした構成によれば、クランクシャフト
20の回転力が、プレート25、減衰機構50、クラン
クギア21、第1の被動ギア31を順に介して第1のバ
ランスシャフト30に伝達されるとともに、カウンタギ
ア32及び第2の被動ギア41を介して第2のバランス
シャフト40にも伝達される。
【0075】また、クランクシャフト20の回転力をク
ランクギア21から各バランスシャフト30,40に対
して各別の伝達経路を介して伝達させることもできる。
即ち、図11に模式的に示すように、第1の被動ギア3
1を第1のバランスシャフト30に相対回動可能に設け
るとともに、同第1のバランスシャフト30にプレート
36を一体回転可能に設ける。そして、第1の被動ギア
31を減衰機構50を介して上記プレート36に駆動連
結させる。また、第2の被動ギア41を第2のバランス
シャフト40に相対回動可能に設けるとともに、同第2
のバランスシャフト40にプレート44を一体回転可能
に設ける。そして、第2の被動ギア41を別の減衰機構
50を介して上記プレート44に駆動連結させる。更
に、第1のバランスシャフト30とは別の回転軸37に
設けられたカウンタギア32をクランクギア21及び第
2の被動ギア41の双方に噛合させる。
【0076】こうした構成によれば、クランクシャフト
20の回転力がクランクギア21から第1の被動ギア3
1、第1のバランスシャフト30に設けられた減衰機構
50、及びプレート36を介して同シャフト30に伝達
されるとともに、クランクギア21からカウンタギア3
2、第2の被動ギア41、第2のバランスシャフト40
に設けられた減衰機構50、及びプレート44を介して
同シャフト40にも伝達される。
【0077】これら各図に示すように、ギア機構の構成
を変更するようにしても、上記実施の形態に準じた作用
効果を奏することはできる。・上記実施の形態では、ギ
ア機構を直列4気筒内燃機関のバランサ装置に適用した
例を示したが、本発明のギア機構は、気筒の配列及び気
筒数に関係なく、任意の配列及び気筒数の内燃機関のバ
ランサ装置に適用することができる。
【0078】・上記実施の形態では、ギア機構を内燃機
関のバランサ装置に適用するようにしたが、バランサ装
置に限らず、内燃機関のその他の動力伝達系に適用する
ようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるギア機構を内燃機関のバランサ
装置に適用した一実施の形態についてその概略構成を示
す側面図。
【図2】同実施の形態のギア機構におけるギアの噛合関
係を示す斜視図。
【図3】同実施の形態のギア機構の減衰機構の構造を示
す断面図。
【図4】図3の4―4線に沿った断面図。
【図5】同実施の形態のギア機構の各ギアの噛合状態を
模式的に示した模式図。
【図6】同実施の形態のギア機構をモデル化したモデル
図。
【図7】相対回動量に対する各ストッパゴムの合成弾性
力を示すグラフ。
【図8】内燃機関の回転速度に対するバランスシャフト
の角速度変動特性を示すグラフ。
【図9】内燃機関の回転速度に対するバランスシャフト
の角速度変動特性を示すグラフ。
【図10】他の例のギア機構の減衰機構の構造を示す断
面図。
【図11】他のギア機構の構成例を示す模式図。
【図12】他のギア機構の構成例を示す模式図。
【符号の説明】
11…シリンダブロック、12…クランクケース、13
…ハウジング、20…クランクシャフト、21…クラン
クギア、22…バランスウェイト、25…プレート、3
0…第1のバランスシャフト、31…第1の被動ギア、
31c…歯、32…カウンタギア、33…アンバランス
ウェイト、36…プレート、40…第2のバランスシャ
フト、41…第2の被動ギア、44…プレート、50…
減衰機構、54…フリクションダンパ、55…第1のス
トッパゴム、57…係止孔、58…第2のストッパゴ
ム。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸上に設けられた第1,第2回転部材と
    これらの間に介在する減衰機構を有する動力伝達系のギ
    ア機構において、 前記減衰機構は、ばね定数の異なる複数の種類の弾性体
    を備え、同複数の弾性体は、前記第1,第2の回転部材
    との間に直列に配列され、それら第1,第2の回転部材
    の相対回動に応じて弾性変形し、前記第1,第2の回転
    部材を前記相対回動の方向と逆方向に反付勢することを
    特徴とする動力伝達系のギア機構。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の動力伝達系のギア機構に
    おいて、 前記複数の弾性体は、前記第1の回転部材と前記第2の
    回転部材との間に隙間のない状態で配設されることを特
    徴とする動力伝達系のギア機構。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の動力伝達系のギ
    ア機構において、 前記減衰機構は、前記第1の回転部材と前記第2の回転
    部材とが相対回動するときにその相対回動を抑制する減
    衰力を発生する減衰部材を更に備えてなることを特徴と
    する動力伝達系のギア機構。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載した動力伝
    達系のギア機構において、 前記ギア機構は、第1の回転軸に駆動連結された第1の
    ギアと、前記第1の回転部材としての第2の回転軸に相
    対回動を許容する減衰機構を介して同軸上に設けられた
    前記第2の回転部材としての第2のギアとを備え、これ
    ら第1のギアと第2のギアとが噛合され、これら各ギア
    並びに前記減衰機構を介して前記各回転軸間で回転力が
    伝達されることを特徴とする動力伝達系のギア機構。
  5. 【請求項5】請求項4に記載した動力伝達系のギア機構
    において、 前記動力伝達系は、内燃機関のバランサ装置にあって同
    機関のクランクシャフトの回転力を第1及び第2のバラ
    ンスシャフトに伝達させるものであり、前記第1の回転
    軸としての前記クランクシャフトに前記第1のギアとし
    てのクランクギアが設けられるとともに、前記第2の回
    転軸としての前記第1のバランスシャフトに前記減衰機
    構を介して前記第2のギアとしての被動ギアが相対回動
    可能に設けられ、更に前記クランクギアに前記被動ギア
    が噛合され、前記第1のバランスシャフトには前記第2
    のバランスシャフトが駆動連結されてなることを特徴と
    する動力伝達系のギア機構。
  6. 【請求項6】請求項4に記載した動力伝達系のギア機構
    において、 前記動力伝達系は、内燃機関のバランサ装置にあって同
    機関のクランクシャフトの回転力を第1及び第2のバラ
    ンスシャフトに伝達させるものであり、前記第2の回転
    軸としての前記クランクシャフトに前記減衰機構を介し
    て前記第2のギアとしてのクランクギアが相対回動可能
    に設けられるとともに、前記第1の回転軸としての前記
    第1のバランスシャフトに前記第1のギアとしての被動
    ギアが設けられ、更に前記クランクギアに前記被動ギア
    が噛合され、前記第1のバランスシャフトには前記第2
    のバランスシャフトが駆動連結されてなることを特徴と
    する動力伝達系のギア機構。
  7. 【請求項7】請求項4に記載した動力伝達系のギア機構
    において、 前記動力伝達系は、内燃機関のバランサ装置にあって同
    機関のクランクシャフトの回転力を第1のバランスシャ
    フトに伝達させるとともに、同クランクシャフトの回転
    力を中間ギアを介して第2のバランスシャフトに伝達さ
    せるものであり、前記第1の回転軸としての前記クラン
    クシャフトに前記第1のギアとしてのクランクギアが設
    けられ、そのクランクギアには同じく前記第1のギアと
    して前記中間ギアが噛合されるとともに、前記第2の回
    転軸としての前記第1及び第2のバランスシャフトには
    各別の前記減衰機構を介して前記第2のギアとしての被
    動ギアがそれぞれ相対回動可能に設けられ、更に前記ク
    ランクギアには前記第1のバランスシャフトに設けられ
    た前記被動ギアが噛合されるとともに、前記中間ギアに
    は前記第2のバランスシャフトに設けられた前記被動ギ
    アが噛合されてなることを特徴とする動力伝達系のギア
    機構。
  8. 【請求項8】請求項4〜7のいずれか一項に記載の動力
    伝達系のギア機構において、 前記第1のギア及び前記第2のギアの少なくとも一方は
    その歯が樹脂材料によって形成される樹脂製ギアである
    ことを特徴とする動力伝達系のギア機構。
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