JP2002139098A - 免振対象物のロッキング防止装置 - Google Patents

免振対象物のロッキング防止装置

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JP2002139098A
JP2002139098A JP2000334747A JP2000334747A JP2002139098A JP 2002139098 A JP2002139098 A JP 2002139098A JP 2000334747 A JP2000334747 A JP 2000334747A JP 2000334747 A JP2000334747 A JP 2000334747A JP 2002139098 A JP2002139098 A JP 2002139098A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベースに設置された弾性体にて免振支持され
た免振対象物のロッキング防止装置において、ロッキン
グ防止装置の構成を簡略化し、その部品点数を減らせる
とともに、大きな設置スペースを要しない安価なロッキ
ング防止装置を提供する。 【解決手段】 前記ベース5と前記免振対象物3との間
に、ピストン47にて油圧室が上下に画成された油圧シ
リンダー43a、43b、…を少なくとも3つ以上並設
する。これら油圧シリンダー43a、43b、…は互い
にロッキング振動の揺動中心を挟んで配する。各油圧シ
リンダー43a、43b、…の上側油圧室45aは、他
のいずれか一つの油圧シリンダーの下側油圧室45bの
みに各々連通させて、全ての油圧シリンダー43a、4
3b、…を環状に連鎖させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベースに設置され
た弾性体にて免振支持された免振対象物のロッキング防
止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、地震などから建物を保護する
ために免振装置が用いられている。この免振装置は、地
盤や床などの振動が入力されるベースと、このベース上
に設置される免振対象物たる建物との間に、積層ゴムな
どの弾性体を設けて構成され、ベースに入力される振動
の周期よりも免振対象物側の固有周期を長周期化して、
ベースから免振対象物へと入力される振動を低減するも
のである。
【0003】しかし、空気ばねなど、前記弾性体によっ
ては、免振対象物のロッキング振動、すなわち鉛直面内
での回転振動が起こり易い場合がある。このため、これ
に対応すべく、本願出願人等は、ロッキング防止装置を
組み込んだ免振装置を開発し、先に出願した(特願20
00−199506)。
【0004】図5はこの先の出願に係る免振装置の一例
を示す概念図であって、図5(a)にその側面断面図
を、また図5(b)に、図5(a)中のB−B線矢視の
平面断面図を各々示す。尚、図5(b)にあっては免振
対象物の外形を想像線で示している。
【0005】該免振装置1は、横断面矩形状の免振対象
物3とそのベース5との間に、免振用の弾性体としての
空気ばね7、およびロッキング防止装置11を介在して
概略構成される。そして、このロッキング防止装置11
は、図5(b)に示すように免振対象物3の左右方向両
端部に各々1台ずつが、前後方向のロッキング振動防止
用として前記矩形断面の対向辺に沿って配され、また前
後方向両端部にも各々1台ずつが、左右方向のロッキン
グ振動防止用として残る対向辺に沿って配され、合計4
台が配置される。
【0006】図5(a)に示すように、各々のロッキン
グ防止装置11は、主にロッキング振動の揺動中心の両
側に一対の油圧シリンダー13、13aが配されて構成
される。図示例では、免振対象物3の揺動中心たる、そ
の左部と右部との中点を挟んで左右に一対の油圧シリン
ダー13a、13が配されて前記左右方向のロッキング
振動防止用の前記装置が構成され、また、もう一つの揺
動中心である、免振対象物3の前部と後部との中点を挟
んで前後に一対の油圧シリンダー13a、13が配され
て、前記前後方向のロッキング振動防止用の前記装置が
構成されている。
【0007】この油圧シリンダー13、13aは、作動
油を封入したシリンダー部15と、このシリンダー部1
5内に摺動自在に嵌合されるピストン17と、このピス
トン17に結合されてシリンダー部15から出没される
ピストンロッド17a、17bとを備えて構成され、上
記シリンダー部15内はピストン17によって上側油圧
室15aと下側油圧室15bとに画成される。
【0008】前記シリンダー部15は、ベース5の上面
に一体に取付けられるとともに、該シリンダー部15か
ら上方に突出する前記ピストンロッド17aの先端部に
は受座19が取付けられ、この受座19は水平移動案内
手段としてのリニアーベアリングガイド21を介して免
振対象物3の下面に固定される。該リニアーベアリング
ガイド21は上下2段に直交されて、前後左右の水平移
動を自在に案内するように構成されている。
【0009】また、前記対をなす油圧シリンダー13、
13aのうち一方の油圧シリンダー13の上側油圧室1
5aと他方の油圧シリンダー13aの下側油圧室15b
とは連通管23によって連通されるとともに、前記一方
の油圧シリンダー13の下側油圧室15bと前記他方の
油圧シリンダー13aの上側油圧室15aとも連通管2
3aにて連通されている。
【0010】以上の構成により、上下並進振動および水
平振動に対しては、空気ばね7によって免振対象物3の
長周期化が図られる。また、前後方向または左右方向の
ロッキング振動、つまり免振対象物3の前後の両端部、
または左右の両端部が逆位相で上下揺動される振動が発
生した際には、前記ロッキング防止装置11の油圧シリ
ンダー13、13aの上側油圧室15aおよび下側油圧
室15b内の油圧でこれに抵抗するようになっている。
【0011】例えば、左右方向のロッキング振動が生じ
て、免振対象物3の左右が、前記左右の中点を揺動中心
として逆位相で上下揺動した場合には、ロッキング防止
装置11の左右一対の油圧シリンダー13、13aのピ
ストン17も互いに逆位相で上下に振動する。この時、
前記連通管23a、23によって連通された、一方の、
例えば左の油圧シリンダー13aの上側油圧室15a
と、他方の、例えば右の油圧シリンダー13の下側油圧
室15bとは共に加圧または減圧されるとともに、左の
油圧シリンダー13aの下側油圧室15bと右の油圧シ
リンダー13の上側油圧室15aとは共に減圧または加
圧されようになっている。このため、該ロッキング振動
時には、いずれの油圧室に封入された作動油も動けず、
かつ該作動油はその非圧縮性のため体積変化もできない
ので、対をなす油圧シリンダー13a、13のそれぞれ
のピストン17は上下に移動できない。よって、ベース
5に対して免振対象物3の上下変位を拘束してロック状
態にできて、免振対象物3のロッキング振動を抑制する
ことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
なロッキング防止装置11にて、免振対象物3の前後左
右方向のロッキング振動を安定して抑制するには、該免
振対象物3の下面3aを平面で拘束する、つまり三点以
上で拘束する必要があり、よって、少なくとも3台以上
のロッキング防止装置11が必要となる。しかしなが
ら、このロッキング防止装置11では1台当たり油圧シ
リンダーを2つ用いることから、合計6つ以上という多
くの油圧シリンダーが不可欠となるとともに、また一対
の油圧シリンダー13、13aの上側・下側油圧室を互
いにたすきがけ状に連通するために連通管の必要配管数
も多くなってしまう。このため、これら部品点数が多い
ことに伴って製作費が嵩むとともに、その設置には大き
なスペースを要してしまう。
【0013】本発明はかかる従来の課題に鑑みて成され
たもので、ベースに設置された弾性体にて免振支持され
た免振対象物のロッキング防止装置において、ロッキン
グ防止装置の構成を簡略化し、その部品点数を減らせる
とともに、大きな設置スペースを要しない安価な免振対
象物のロッキング防止装置を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1に示す発明は、ベースに設置された弾性体
にて免振支持された免振対象物のロッキング防止装置に
おいて、前記ベースと前記免振対象物との間に、ピスト
ンにて油圧室が上下に画成された油圧シリンダーを少な
くとも3つ以上並設して、これらは互いにロッキング振
動の揺動中心を挟んで配し、各油圧シリンダーの上側油
圧室は、他のいずれか一つの油圧シリンダーの下側油圧
室のみに各々連通させて、全ての油圧シリンダーを環状
に連鎖させたことを特徴とする。
【0015】上記発明によれば、少なくとも3つ以上の
油圧シリンダーが並設されているので、免振対象物の下
面を平面で拘束することができる。そして、これに加え
て、これら油圧シリンダーは、互いにロッキング振動の
揺動中心を挟んで配されているので、各油圧シリンダー
の上側油圧室は、該油圧シリンダーに対してロッキング
振動の揺動中心を挟む位置に配置された他のいずれか一
つの油圧シリンダーの下側油圧室のみに各々連通させ
て、全ての油圧シリンダーは環状に連鎖される。
【0016】よって、免振対象物に、任意の方向、例え
ば前後方向若しくは左右方向のロッキング振動が生じた
場合には、前記油圧シリンダーの内、いずれか二つの油
圧シリンダーはこのロッキング振動の揺動中心を挟む位
置に互いに配置されて、互いに連通された二つの油圧シ
リンダーの組のピストンは、互いに逆位相で上下振動す
る。この時、この二つの油圧シリンダーの内、一方の油
圧シリンダーの上側油圧室と、これに連通された、もう
一方の油圧シリンダーの下側油圧室とは、共に同じタイ
ミングで加圧または減圧される。このため、いずれの油
圧室に封入された作動油も動けず、かつ該作動油は非圧
縮性であるため、両ピストンの移動は阻止され、結果こ
れら二つの油圧シリンダーのピストンが逆位相で上下振
動するのを抑制する。よって、ベースに対して免振対象
物の上下変位を阻止してロック状態にできるため、免振
対象物のロッキング振動を防止できる。
【0017】以上より、少なくとも3つ以上の油圧シリ
ンダーによってあらゆる方向の鉛直面内における回転振
動を抑制可能なロッキング防止装置を構成することがで
きて、ロッキング防止装置のシリンダー本数の大幅な削
減、およびこの削減に伴って、連通路を形成する連通管
の削減もできて、結果部品点数の大幅削減が図れる。
【0018】請求項2に示す発明は、請求項1に記載の
免振対象物のロッキング防止装置において、前記免振対
象物が横断面矩形状であるとともに、該免振対象物下面
の四隅に、各々前記油圧シリンダーを配置したことを特
徴とする。
【0019】上記発明によれば、横断面矩形状の免振対
象物の下面の四隅に、各々油圧シリンダーを配置したの
で、該免振対象物のロッキング振動の揺動中心を、これ
ら4つの油圧シリンダーのいずれか二つの間に確実に入
れることができる。よって、ロッキング振動を確実に防
止できる。
【0020】請求項3に示す発明は、請求項1若しくは
2のいずれかに記載の免振対象物のロッキング防止装置
において、前記油圧シリンダーと前記ベースまたは前記
免振対象物との間に、これらの水平方向相対移動を案内
する水平移動案内手段を設けたことを特徴とする。
【0021】上記発明によれば、前記油圧シリンダーと
前記ベースまたは前記免振対象物との間に、これらの水
平方向相対移動を案内する水平移動案内手段を設けてい
るので、免振対象物の水平振動を油圧シリンダーにて阻
害することはない。したがって、前記弾性体による免振
の内、特に水平免振を有効に作用させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を添付
図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のロッキ
ング防止装置の一実施形態を示す概念図であって、図1
(a)はその側面断面図、図1(b)は、図1(a)中
のB−B線矢視の平面断面図である。尚、図1(b)に
あっては建物3の外形を想像線で示している。また、以
下で説明に引用される全図に亘って、免振用の弾性体は
図示していない。
【0023】本実施形態のロッキング防止装置41は、
免振対象物としての横断面矩形状の建物3と、そのベー
スとしての基礎5との間に介装されており、同じく介装
されて前記建物3を支持しこれを三次元免振する弾性体
(図示なし)と共同して免振装置を構成する。すなわ
ち、該弾性体によって、建物3の固有周期を長周期化す
るとともに、ロッキング防止装置41によって建物3の
ロッキング振動を防止するようになっている。
【0024】前記弾性体は建物3の重量を支持してこれ
を三次元免振可能なように適宜数が適宜間隔で、建物3
と基礎5との間に並設される。この弾性体としては、上
下、水平方向に自在に変位可能な空気ばねなどが適用さ
れ、三次元免振、すなわち上下振動および水平振動の免
振が達成される。この空気ばねは、密閉されたゴム膜内
に空気が封入されたものでありベロース型やダイアフラ
ム型などが用いられる。
【0025】前記ロッキング防止装置41は、主に、建
物3と基礎5との間に並設される4つの油圧シリンダー
43a、43b、43c、43dにて構成される。そし
て、これら油圧シリンダー43a、43b、…は、該建
物3の左右方向および前後方向のロッキング振動の揺動
中心が、各々建物下面3aの左部と右部との中点、およ
び前部と後部との中点であることから、いずれか一方の
中点を、いずれかの2つの油圧シリンダーにて互いに挟
むように建物下面3aの四隅に、それぞれ一つずつ配置
される。すなわち、建物下面3aの右部の前後の隅に
は、各々右前油圧シリンダー43aおよび右後油圧シリ
ンダー43bが配され、また同下面3aの左部の前後の
隅には、各々左前油圧シリンダー43cおよび左後油圧
シリンダー43dが配されている。
【0026】図1(a)に示すように、各々の油圧シリ
ンダー43a、43b、…は、作動油を封入したシリン
ダー部45と、このシリンダー部内45に摺動自在に嵌
合されるピストン47と、このピストン47に結合され
てシリンダー部45から出没されるピストンロッド47
a、47bとを備えて構成され、上記シリンダー部内4
5はピストン47によって上方油圧室45aと下方油圧
室45bに画成される。
【0027】前記シリンダー部45は、基礎5の上面に
固定される取付座39に一体に取付けられるとともに、
該シリンダー部から上方に突出する上記ピストンロッド
47aの先端部には受座49が取付けられ、この受座4
9は水平移動案内手段としてのリニアーベアリングガイ
ド51を介して建物3の下面3aに固定される。該リニ
アーベアリングガイド51は上下2段に直交されて、前
後左右の水平移動を自在に案内するように構成されてい
る。
【0028】また、図1(a)に示すように、前記各油
圧シリンダー43a、43b、…の上側油圧室45a
は、他のいずれか一つの油圧シリンダーの下側油圧室4
5bのみに各々連通させて、全ての油圧シリンダー43
a、43b、…が環状に連鎖されている。すなわち、右
前油圧シリンダー43aの上側油圧室45aと左前油圧
シリンダー43cの下側油圧室45bとが連通管53に
て連通され、同左前油圧シリンダー43cの上側油圧室
45aと左後油圧シリンダー43dの下側油圧室45b
とが連通管53にて連通され、同左後油圧シリンダー4
3dの上側油圧室45aと右後油圧シリンダー43bの
下側油圧室45bとが連通管53にて連通され、同右後
油圧シリンダー43bの上側油圧室45aと右前油圧シ
リンダー43aの下側油圧室45bとが連通管53にて
連通されていて、かかる連通によって、全油圧シリンダ
ー43a、43b、…は建物下面3aの外周に沿って環
状に連鎖されている。
【0029】ここで、かかる構成からなる本実施形態の
ロッキング防止装置41の作用について、建物3に左右
方向のロッキング振動が生じて、つまり該建物下面3a
の左部右部が互いに逆位相で上下にシーソーの如く揺動
している場合を例に説明する。
【0030】建物3が左右方向にロッキング振動する
と、図1(a)に示すように、建物下面3aの右部に位
置する右前油圧シリンダー43aおよび右後油圧シリン
ダー43bのピストン47同士は、互いに同位相で上下
振動し、また左部に位置する左前油圧シリンダー43c
および左後油圧シリンダー43dのピストン47同士
は、互いに同位相で上下振動する。よって、前記右後油
圧シリンダー43bの上側油圧室45aと、これに連通
された右前油圧シリンダー43aの下側油圧室45bと
の両者は、互いに逆タイミングで加圧または減圧されて
いて、つまり、連通路53を介して加圧側の油圧室から
減圧側の油圧室へと作動油が、ピストン47の上下振動
と同期して移動するのみであり、ピストン47の上下振
動は一切阻止されない。また、左前油圧シリンダー43
cの上側油圧室45aと、これに連通された左後油圧シ
リンダー43dの下側油圧室45bとの両者も、互いに
逆タイミングで加圧または減圧されていて、上記と同様
にピストン47の上下振動は阻止されない。
【0031】しかしながら、右前油圧シリンダー43a
と左前油圧シリンダー43cとは、互いのピストン47
が逆位相で上下振動する。よって、右前油圧シリンダー
43aの上側油圧室45aと、これに連通された左前油
圧シリンダー43cの下側油圧室45bとは、共に同じ
タイミングで加圧または減圧される。このため、いずれ
の油圧室45a、45bに封入された作動油も動けず、
かつ該作動油は非圧縮性であるため、両ピストン47の
移動は阻止され、結果これら二つの油圧シリンダー43
a、43cのピストン47が逆位相で上下振動するのを
抑制する。また、右後油圧シリンダー43bの下側油圧
室45bと、これに連通された左後油圧シリンダー43
dの上側油圧室45aとも、共に同じタイミングで加圧
または減圧されていて、上記と同様に、両ピストン47
の移動は阻止され、結果これら二つの油圧シリンダー4
3b、43dのピストン47が逆位相で上下振動するの
を抑制する。したがって、基礎5に対して建物3の上下
変位を阻止してロック状態にできて、建物3の左右方向
のロッキング振動を防止することができる。尚、前後方
向のロッキング振動に対する作用は、その対称性から、
ロッキング振動防止に寄与する二つのペアの油圧室が前
述した左右方向の場合と異なるだけなので、その説明は
省略する。
【0032】また、建物3に上下並進振動および水平振
動が生じた際には、基本的に前記弾性体によって建物3
の長周期化が図られるが、この時、前記ロッキング防止
装置41は、この免振動作を阻害しないようになってい
る。つまり、水平振動の免振時には、建物3と油圧シリ
ンダー43a、43b、…との間は水平方向に相対変位
するが、その際には、前記上下2段のリニアベアリング
ガイド51によって、油圧シリンダー43a、43b、
…と建物3との間の水平方向相対移動が許容される。よ
って、建物3の水平振動を抑制するような抵抗は生じな
い。
【0033】また、上下並進振動の免振時には、該ロッ
キング防止装置41の全油圧シリンダー43a、43
b、…のピストン47は、互いに同位相で上下に振動す
る。この時、各油圧シリンダーの上側油圧室45aは、
他のいずれか一つの油圧シリンダーの下側油圧室45b
のみに連通されているので、全油圧シリンダー43a、
43b、…の作動油は、連通管53を介して前記上側油
圧室45aと下側油圧室45bとの間を、ピストン47
の上下振動と同期して移動するのみである。したがっ
て、ピストン47の上下振動は阻害されず、よって建物
3の上下並進振動に対して前記油圧シリンダー43a、
43b、…は抵抗にならない。
【0034】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形
が可能である。尚、以下に示す変形例の基本構成は前述
した実施形態と同じであるため、同一構成部分には同一
符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0035】===変形例1=== 前記実施形態にあっては、図1(b)に示すように、建
物3の四隅に配された油圧シリンダーを、該建物下面3
aの外周に沿って順次上側油圧室45aと下側油圧室4
5bとを連通し、全油圧シリンダー43a、43b、…
を環状に連鎖させた。しかしながら、以下に示す二つの
連通パターンでも、各油圧シリンダーの上側油圧室45
aを、他のいずれか一つの油圧シリンダーの下側油圧室
45bのみに連通させつつ、全油圧シリンダー43a、
43b、…を環状に連鎖させることができて、前述と同
様にロッキング振動防止作用を得ることができる。
【0036】すなわち、図2(a)および図2(b)に
示すように、右後油圧シリンダー43bの上側油圧室4
5aと左前油圧シリンダー43cの下側油圧室45bと
を連通管53にて連通し、同左前油圧シリンダー43c
の上側油圧室45aと右前油圧シリンダー43aの下側
油圧室45bとを連通管53にて連通し、同右前油圧シ
リンダー43aの上側油圧室45aと左後油圧シリンダ
ー43dの下側油圧室45bとを連通管53にて連通
し、同左後油圧シリンダー43dの上側油圧室45aと
右後油圧シリンダー43bの下側油圧室45bとを連通
管53にて連通して、全油圧シリンダー43a、43
b、…を環状に連鎖させてもよい。
【0037】この場合、建物3に左右方向のロッキング
振動が発生しても、右後油圧シリンダー43bの上側油
圧室45aと、これに連通された、左前油圧シリンダー
43cの下側油圧室45bとの両者が、共に同じタイミ
ングで加圧または減圧されていて、両ピストン47の移
動は阻止される。また、左前油圧シリンダー43cの上
側油圧室45aと、これに連通された、右前油圧シリン
ダー43aの下側油圧室45aの両者も、共に同じタイ
ミングで加圧または減圧されていて、両ピストン47の
移動は阻止される。更には、右前油圧シリンダー43a
の上側油圧室45aと、これに連通された、左後油圧シ
リンダー43dの下側油圧室45bとの両者が、共に同
じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピストン
47の移動は阻止される。また、左後油圧シリンダー4
3dの上側油圧室45aと、これに連通された、右後油
圧シリンダー43bの下側油圧室45bとの両者が、共
に同じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピス
トン47の移動は阻止される。すなわち、この連通パタ
ーンにあっては、左右方向のロッキング振動に対して
は、事実上同じタイミングで加圧または減圧される各油
圧室を4本の連通管にて連通しているため、前記実施形
態の2倍の抑止効果がある。尚、前後方向のロッキング
振動の抑止効果は、前記実施形態と同じである。
【0038】また、別の連通パターンを図3(a)およ
び図3(b)に示すが、右前油圧シリンダー43aの上
側油圧室45aと左後油圧シリンダー43dの下側油圧
室45bとを連通管53にて連通し、同左後油圧シリン
ダー43dの上側油圧室45aと左前油圧シリンダー4
3cの下側油圧室45bとを連通管53にて連通し、同
左前油圧シリンダー43cの上側油圧室45aと右後油
圧シリンダー43bの下側油圧室45bとを連通管53
にて連通し、同右後油圧シリンダー43bの上側油圧室
45aと右前油圧シリンダー43aの下側油圧室45b
とを連通管53にて連通して、全油圧シリンダー43
a、43b、…を環状に連鎖させてもよい。
【0039】この場合、建物3に前後方向のロッキング
振動が発生しても、右後油圧シリンダー43bの上側油
圧室45aと、これに連通された、右前油圧シリンダー
43aの上側油圧室45aとの両者が、共に同じタイミ
ングで加圧または減圧されるので、両ピストン47の移
動は阻止される。また、右前油圧シリンダー43aの上
側油圧室45aと、これに連通された、左後油圧シリン
ダー43dの下側油圧室45bの両者も、共に同じタイ
ミングで加圧または減圧されるので、両ピストン47の
移動は阻止される。更には、左後油圧シリンダー43d
の上側油圧室45aと、これに連通された、左前油圧シ
リンダー43cの下側油圧室45bとの両者が、共に同
じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピストン
47の移動は阻止される。また、左前油圧シリンダー4
3cの上側油圧室45aと、これに連通された、右後油
圧シリンダー43bの下側油圧室45bとの両者が、共
に同じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピス
トン47の移動は阻止される。すなわち、この連通パタ
ーンにあっては、前後方向のロッキング振動に対して
は、事実上同じタイミングで加圧または減圧される各油
圧室を4本の連通管にて連通しているため、前記実施形
態の2倍の抑止効果がある。尚、左右方向のロッキング
振動の抑止効果は前記実施形態と同じである。
【0040】===変形例2=== 前記実施形態および前記変形例1のロッキング防止装置
は、横断面矩形状の建物のロッキング振動を安定して抑
制できるように、該建物下面の四隅に各々油圧シリンダ
ーを設けて4点で建物下面を拘束するようにしたが、本
変形例2は、図4に示すように、横断面三角形状の建物
4の下面4aの各角に油圧シリンダー43a、43b、
43cを各々一つずつ配置して、該下面4aを3点で拘
束するようにしている。
【0041】図4(b)に示すように、横断面三角形状
の建物下面4aの一辺を底辺とする頂角部に、および二
つの底角部に油圧シリンダーが各々配置されている。そ
して、図4(a)および図4(b)に示すように、頂角
部に位置する頂角部油圧シリンダー43bの上側油圧室
45aと、右の底角部に位置する右底角部油圧シリンダ
ー43aの下側油圧室45bとは連通管53にて連通さ
れ、同右底角部油圧シリンダー43aの上側油圧室45
aと、左の底角部に位置する左底角部油圧シリンダー4
3cの下側油圧室45bとは連通管53にて連通され、
同左底角部油圧シリンダー43cの上側油圧室45a
と、前記頂角部油圧シリンダー43bの下側油圧室45
bとは連通管53にて連通されることで、全油圧シリン
ダー43a、43b、43cは環状に連鎖されている。
【0042】この場合、建物下面4aに、その底辺と頂
角とが互いに逆位相で上下揺動するロッキング振動が発
生しても、頂角部油圧シリンダー43bの上側油圧室4
5aと、これに連通された、右底角部油圧シリンダー4
3aの下側油圧室45bとの両者は、共に同じタイミン
グで加圧または減圧されるので、両ピストン47の移動
は阻止される。また、頂角部油圧シリンダー43bの下
側油圧室45bと、これに連通された、左底角部油圧シ
リンダー43cの上側油圧室45aの両者も、共に同じ
タイミングで加圧または減圧されるので、両ピストン4
7の移動は阻止される。以上から、前記ロッキング振動
は防止される。
【0043】尚、以上説明してきた前記実施形態および
前記変形例では、水平移動案内手段としてリニアーベア
リングガイドを用い、これを油圧シリンダーと基礎との
間に配置したが、これに限ることなく油圧シリンダーと
建物との間に配置することもできる。勿論、水平移動案
内手段としては水平方向の移動抵抗を少なくできる装置
であれば、リニアーベアリングガイドに限らない。
【0044】また、前記実施形態および前記変形例と
も、建物の隅に油圧シリンダーを配置したが、これら配
置は、二つの油圧シリンダーが、ロッキング振動の揺動
中心を挟む位置に配置されていればよく、これに限るも
のではない。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に示す発明
によれば、最低3つの油圧シリンダーによって、ロッキ
ング防止装置を構成することができて、ロッキング防止
装置のシリンダー本数の大幅な削減、およびこの削減に
伴って、連通路を画成する連通管の削減もできて、結果
部品点数の大幅削減が図れる。したがって、安価に製作
できるとともに、設置に大きなスペースを要せず配置の
自由度が増す。
【0046】請求項2に示す発明によれば、ロッキング
振動を確実に防止できる。
【0047】請求項3に示す発明によれば、前記弾性体
の水平免振を有効に作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロッキング防止装置の一実施形態を示
す概念図であって、図1(a)はその側面断面図、図1
(b)は、図1(a)中のB−B線矢視の平面断面図で
ある。
【図2】本発明のロッキング防止装置の変形例1を示す
概念図であって、図2(a)はその側面断面図、図2
(b)は、図2(a)中のB−B線矢視の平面断面図で
ある。
【図3】本発明のロッキング防止装置の変形例1のバリ
エーションを示す概念図であって、図3(a)はその側
面断面図、図3(b)は、図3(a)中のB−B線矢視
の平面断面図である。
【図4】本発明のロッキング防止装置の変形例2を示す
概念図であって、図4(a)はその側面断面図、図4
(b)は、図4(a)中のB−B線矢視の平面断面図で
ある。
【図5】本願出願人の先の出願に係る免振装置を示す概
念図であって、図5(a)はその側面断面図、図5
(b)は、図5(a)中のB−B線矢視の平面断面図で
ある。
【符号の説明】
3 免振対象物、建物 5 ベース、基礎 43a、43b、43c、43d 油圧シリンダー 45 シリンダー部 45a 上側油圧室 45b 下側油圧室 53 連通管
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/02 F16F 15/02 L

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースに設置された弾性体にて免振支持
    された免振対象物のロッキング防止装置において、 前記ベースと前記免振対象物との間に、ピストンにて油
    圧室が上下に画成された油圧シリンダーを少なくとも3
    つ以上並設して、これらは互いにロッキング振動の揺動
    中心を挟んで配し、 各油圧シリンダーの上側油圧室は、他のいずれか一つの
    油圧シリンダーの下側油圧室のみに各々連通させて、全
    ての油圧シリンダーを環状に連鎖させたことを特徴とす
    る免振対象物のロッキング防止装置。
  2. 【請求項2】 前記免振対象物が横断面矩形状であると
    ともに、該免振対象物下面の四隅に、各々前記油圧シリ
    ンダーを配置したことを特徴とする請求項1に記載の免
    振対象物のロッキング防止装置。
  3. 【請求項3】 前記油圧シリンダーと前記ベースまたは
    前記免振対象物との間に、これらの水平方向相対移動を
    案内する水平移動案内手段を設けたことを特徴とする請
    求項1若しくは2のいずれかに記載の免振対象物のロッ
    キング防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5337320B1 (ja) * 2013-04-30 2013-11-06 株式会社免制震ディバイス 振動抑制装置

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