JP2002138192A - 導電性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

導電性樹脂組成物および成形品

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JP2002138192A
JP2002138192A JP2000336660A JP2000336660A JP2002138192A JP 2002138192 A JP2002138192 A JP 2002138192A JP 2000336660 A JP2000336660 A JP 2000336660A JP 2000336660 A JP2000336660 A JP 2000336660A JP 2002138192 A JP2002138192 A JP 2002138192A
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group
fiber
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JP2000336660A
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Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Fumie Shinoda
文恵 篠田
Yoshiki Makabe
芳樹 真壁
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、高剛性、低そり、電磁波シールド
性、薄肉難燃性に優れた導電性樹脂組成物およびその成
形品の取得を課題とする。 【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)、ケイ素含有
重合体(B)、下記式(1)で表される燐酸エステル
(C)および炭素繊維を配合してなり、各成分の配合量
が(A)および(B)の合計に対して(A)99.5〜
70重量%、(B)0.5〜30重量%であり、(A)
および(B)の合計100重量部に対し、(C)1〜3
0重量部および炭素繊維5〜200重量部である導電性
樹脂組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性、高剛性、
低ソリ、電磁波シールド性、薄肉難燃性に優れた導電性
樹脂組成物およびその成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、その優れた諸
特性を生かし、射出成形材料として機械機構部品、電気
電子部品、自動車部品などの幅広い分野に利用されてい
るが、近年、電気電子部品ではノートパソコン、携帯電
話をはじめとする携帯端末機器等の筐体などの部品分野
により多く利用されている。この筐体用途では、周辺機
器の誤動作を防ぐために電磁波シールド性が要求され、
そのために筐体を導電化する検討がなされてきた。一
方、これらの筐体は取り扱い時の落下等の衝撃に対して
極めて強靭であることおよび液晶画面が外圧により破損
しないように材料自体の剛性も必要であり、電磁波シー
ルド性との両立が要求される。これら要求を満足するた
めに種々検討がなされている。例えば、樹脂製筐体を導
電化する方法として導電塗料、電磁波遮蔽メッキ、亜鉛
溶射等の表面処理による方法が従来よりなされてきた
が、成形された成形品表面に導電処理をする加工工程を
必要とし、更に導電層が剥離しやすい等の欠点を有して
いる。そこで近年樹脂組成物自体を導電化する方法とし
て熱可塑性樹脂に金属粉、カーボンブラック、金属フレ
ーク、金属コートガラスフレーク、炭素繊維、 金属繊
維、金属コート炭素繊維等の導電性充填剤を配合して成
形する方法等がある。しかしながらポリカーボネート樹
脂等に単に炭素繊維を配合しても十分な導電性は得られ
ない。そして特開2000−103954号公報などに
は、導電性を大幅に向上させるために単純な炭素繊維で
はなく、金属コート炭素繊維を用いる方法が開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記組
成物自体を導電化する方法は、表面処理による方法に比
較して、確かに成形品表面の導電膜の剥離を抑制し、電
磁波シールド性を向上しうる可能性があるが、流動性が
不足しているため薄肉化が難しいだけでなく、金属コー
ト炭素繊維は溶融混練時に炭素繊維から金属膜のはがれ
等による樹脂と繊維との接着性不良による曲げ強度およ
び衝撃強度が低下するという問題があった。
【0004】よって本発明は、上述の問題を解消し、流
動性、高剛性、低そり、電磁波シールド性、薄肉難燃性
に優れた導電性樹脂組成物およびその成形品の取得を課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は (1)ポリカーボネート樹脂(A)、ケイ素含有重合体
(B)、下記式(1)で表される燐酸エステル(C)お
よび炭素繊維を配合してなり、各成分の配合量が(A)
および(B)の合計に対して(A)99.5〜70重量
%、(B)0.5〜30重量%であり、(A)および
(B)の合計100重量部に対し、(C)1〜30重量
部および炭素繊維5〜200重量部である導電性樹脂組
成物、
【0006】
【化2】
【0007】(上記式中、R1〜R8は、同一または相異
なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。
またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なる
フェニル基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置
換されたフェニル基を表す。また、Yは直接結合、O、
S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを表し、P
hはフェニル基を表す。またnは0以上の整数である。
またk、mはそれぞれ0以上2以下の整数であり、かつ
k+mは0以上2以下の整数である。) (2)ポリカーボネート樹脂(A)がフェノール性末端
基(EP)と非フェノール性末端基(EN)の当量比(E
P)/(EN)が1/20以下のものである上記(1)記
載の導電性樹脂組成物、(3)上記(1)または(2)
のいずれか記載の導電性樹脂組成物からなる成形品、
(4)電気・電子部品の筐体(ハウジング)に用いられ
る上記(3)の成形品、(5)自動車部品でかつ、電波
ノイズ低減用部材に用いられる上記(3)記載の成形品
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリカーボネート
樹脂(A)としては、カーボネート結合を有し、芳香族
二価フェノール系化合物とホスゲン、または炭酸ジエス
テルなどとを反応させることにより得られる芳香族ホモ
またはコポリカーボネートが挙げられる。
【0009】該芳香族ホモまたはコポリカーボネート樹
脂は、メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で2
0℃で測定した対数粘度が0.2〜3.0dl/g、特
に0.3〜1.5dl/gの範囲のものが好ましく用い
られる。ここで二価フェノール系化合物としては、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使
用でき、これら単独あるいは混合物として使用すること
ができる。上記中、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンが好ましい。
【0010】なかでも本発明で添加する燐酸エステルエ
ステルとの極端なエステル交換反応による結晶性低下に
よる剛性低下を抑制するために、芳香族二価フェノール
系化合物とホスゲンを反応させることにより得られるフ
ェノール性末端基(EP)と非フェノール性末端基(E
N)の当量比(EP)/(EN)が1/20以下であるポ
リカーボネート系樹脂を用いることが好ましく、より好
ましくは1/40以下であり、さらに好ましくは1/7
0以下である。
【0011】ポリカーボネート樹脂の末端基の測定は、
例えば、ポリカーボネート樹脂を酢酸酸性メチレンクロ
ライドに溶解し、四塩化チタンを加え、生成する赤色錯
体を546nmで測光定量して行なうことができる。
【0012】かかる末端基を有するポリカーボネートは
ホスゲン法により製造することができる。
【0013】本発明で用いるケイ素含有重合体(B)と
は、ポリオルガノシロキサン単位を有する(共)重合体
またはグラフト(共)重合体であるが、なかでもポリオ
ルガノシロキサン、およびポリオルガノシロキサンと炭
化水素基の構造単位をもつ重合体とが化学結合したシリ
コーン系樹脂 が好ましく例示される。ケイ素含有重合
体の数平均分子量としては特に制限されないが、その下
限としては200、さらに1000であることが好まし
く、また上限として特に制限はなく、架橋体、すなわち
無限分子量のものも使用できる。形状としては、オイ
ル、ガム、ワニス、粉体、 ペレットなど任意のものが
使用できる。
【0014】上記ポリオルガノシロキサンとしてはポリ
ジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、
ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサ
ン、ポリメチルプロピルシロキサン、ポリメチルハイド
ロジエンシロキサン、およびこれらの共重合体などが挙
げられる。さらに分子構造の末端または側鎖が、エポキ
シ基,水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ
基、エーテル結合を有する有機基などによって置換した
変性物、また架橋体も有用である。
【0015】上記シリコーン系樹脂としてはポリオルガ
ノシロキサン(f1)5〜90重量部、さらに10〜80重
量部、更に20〜70重量部と炭化水素基の構造単位を
もつ重合体(f2)95〜10重量部、90〜20重量部、
更に90〜20重量部の範囲((f1)と(f2)との和100
重量部)の組成となっていることが好ましい。
【0016】なかでもシリコーン系樹脂としてはポリオ
ルガノシロキサンの架橋体の存在下にビニル系単量体を
重合させた構造のものが好ましく使用される。具体的に
はポリオルガノシロキサン(f1)の存在下に、ビニル系単
量体(f2)95〜10重量部、好ましくは90〜20重量
部、更に好ましくは90〜20重量部(ただし(f1)
および(f2)の合計を100重量部とする)を重合し
て得られる。
【0017】前記ポリオルガノシロキサンの架橋体を得
るためには、ラジカル開始剤によるラジカル反応による
方法、白金触媒によるビニル基とケイ素原子に直結され
た水素原子との付加反応による方法、加水分解性基を有
するケイ素化合物により縮合反応による方法などが利用
できる。
【0018】このようなシリコーン系樹脂の製造方法
は、特に制限されないが、例えば、特開平6−1164
71号公報に記載のものを用いることができる。具体的
には、三菱レイヨン“メタブレン”S2001などが市
販されている。
【0019】本発明におけるポリカーボネート樹脂
(A)とケイ素含有重合体(B)の(A)および(B)
の合計に対する混合比は、本発明の効果を鮮明に発現す
るためにポリカーボネート(A)が99.5〜70重量
%、好ましくは99〜75重量%、より好ましくは95
〜80重量%であり、ケイ素含有重合体(B)は、0.
5〜30重量%、好ましくは1〜25重量%、より好ま
しくは5〜20重量%である。
【0020】上記組成範囲を逸脱した場合、特に流動
性、剛性、電磁波シールド性が低下するので好ましくな
い。
【0021】本発明に用いる炭素繊維は、PAN系また
はピッチ系の炭素繊維であり、例えば長繊維タイプや短
繊維タイプのチョプドストランド、ミルドファイバーな
どから選択して用いることができるが、成形時などの繊
維折損を抑えるため高強度・高伸度タイプのものを用い
ることが望ましい。強度が低いものは脆く、コンパウン
ド、成形時の繊維折損で繊維長が極めて短くなってしま
い、結果として補強効果、電磁波シールド性、また難燃
化処方を施した場合、液滴の落下(ドリップ)により難
燃化効果などの特性を得にくくなる。
【0022】特にこれらの特性を得ることのできるPA
N系炭素繊維がより望ましい。
【0023】本発明に使用する炭素繊維は樹脂との接着
性を向上するために表面処理を行ってもよく、その場
合、通常使用されるエポキシ系、ポリアミド系、ポリエ
ステル系等のサイジング剤を用いることもできる。
【0024】本発明における導電性樹脂組成物中の炭素
繊維長分布は、繊維長0.15〜5mmの範囲に制御さ
れているのものが好ましく、かかる繊維長を有する炭素
繊維が添加した炭素繊維全量に対して60重量%以上存
在することが好ましく、より好ましくは0.15〜3m
m、さらに好ましくは0.15〜2mmの範囲に繊維長
が制御されていることであり、かかる繊維長を有する炭
素繊維の含有量としては70重量%以上であることが好
ましく、80重量%以上であることがより好ましい。上
記の特定の範囲に繊維長分布が制御されることにより、
流動性、剛性、成形品の電磁波シールド性が優れるから
である。
【0025】組成物中の炭素繊維の繊維長分布の測定方
法は、例えば、組成物約5gをるつぼ中で550℃×7
時間処理し灰化した後、残存した充填剤のうちから10
0mgを採取し、100ccの石鹸水中に分散させる。
ついで、分散液をスポイトを用いて1〜2滴スライドガ
ラス上に置き、顕微鏡下に観察して、写真撮影する。写
真に撮影された充填剤の繊維長を測定する。測定は50
0本行い、繊維長分布を求める。炭素繊維の繊維長を求
める際には灰化条件を誤ると繊維そのものが酸化、燃焼
してしまう場合があるので注意が必要であり、窒素雰囲
気下で灰化することが望ましい。用いる熱可塑性樹脂が
可溶の場合には、可溶な溶媒を用いて組成物を溶かし繊
維を取り出して繊維長を測定することもできる。
【0026】本発明において上記炭素繊維の添加量は導
電性樹脂組成物の流動性、剛性、低そり性のバランスの
点から、ポリカーボネート(A)およびケイ素含有重合
体(B)の合計100重量部に対して5〜200重量
部、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは1
5〜70重量部である。
【0027】また、導電性樹脂組成物の特性を損なわな
い範囲で機械強度その他の特性を付与するために必要に
応じて炭素繊維以外の充填剤を使用することが可能であ
り、繊維状、板状、粉末状、粒状など非繊維状の充填剤
を使用することができる。具体的には例えば、ガラス繊
維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維など
の金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石
膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア
繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭
化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィス
カー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウ
ムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウ
ィスカー状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリ
カ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、
ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、
ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カ
ルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状
の充填剤が挙げられる。
【0028】また、上記の充填剤は2種以上を併用して
使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の
充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シ
ラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤な
ど)、その他の表面処理剤で処理して用いることもでき
る。
【0029】上記の充填剤を添加する場合の添加量はポ
リカーボネート樹脂(A)およびケイ素含有重合体
(B)の合計100重量部に対し、通常、0.5〜30
0重量部であり、好ましくは10〜250重量部、より
好ましくは20〜150重量部である。
【0030】本発明に使用される燐酸エステル(C)と
は、一般的に下記式(1)で表される芳香族ホスフェー
トを指す。
【0031】
【化3】
【0032】(ただし上記式R1〜R8は、同一または相
異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表
す。またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異
なるフェニル基あるいはハロゲンを含有しない有機残基
で置換されたフェニル基を表す。また、Yは直接結合、
O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを表
し、Phはフェニル基を表す。またnは0以上の整数で
ある。またk、mはそれぞれ0以上2以下の整数であ
り、かつk+mは0以上2以下の整数である。) まず前記式(1)で表される燐酸エステルの構造につい
て説明する。前記式(1)の式中nは0以上の整数であ
る。またk、mは、それぞれ0以上2以下の整数であ
り、かつk+mは、0以上2以下の整数であるが、好ま
しくはk、mはそれぞれ0以上1以下の整数、特に好ま
しくはk、mはそれぞれ1である。
【0033】また前記式(1)の式中、R1〜R8は同一
または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基を
表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、n−イソプロピル、ネオペンチル、tert−
ペンチル基、2ーイソプロピル、ネオペンチル、ter
t−ペンチル基、3−イソプロピル、ネオペンチル、t
ert−ペンチル基、ネオイソプロピル、ネオペンチ
ル、tert−ペンチル基などが挙げられるが、水素、
メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好まし
い。
【0034】またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一ま
たは相異なるフェニル基あるいはハロゲンを含有しない
有機残基で置換されたフェニル基を表す。具体例として
は、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、
メシチル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基
などが挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル
基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル
基、トリル基、キシリル基が好ましい。
【0035】またYは直接結合、O、S、SO2、C
(CH32、CH2、CHPhを表し、Phはフェニル
基を表す。
【0036】このような燐酸エステルとしては、大八化
学社製“PX−200”、“PX−201”、“CR−
733S”、“CR−741”、“CR747”、”T
CP”、”TXP”、”CDP”、“TPP”を使用す
ることができる。
【0037】本発明においては2種以上の芳香族ホスフ
ェートの混合物であってもよい。
【0038】上記燐酸エステル(C)の使用量はポリカ
ーボネート樹脂(A)およびケイ素含有重合体(B)の
合計100重量部に対して1〜30重量部であることが
必要であり、好ましくは2〜25重量部、さらに好まし
くは3〜20重量部である。
【0039】燐酸エステルの添加量が本発明の範囲より
多すぎる場合、機械物性の低下およびガス発生による噛
み込み不良あるいはガス焼け等が発生しやすくなる傾向
にあり、少なすぎる場合、添加による難燃性付与効果が
小さい。
【0040】さらに、本発明の導電性樹脂組成物には、
酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノ
ール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置
換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、
サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンな
ど)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑
剤、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料(たと
えば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色
剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、その
エステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコー
ル、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、
導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、結晶核
剤、可塑剤、難燃剤としては燐酸エステルが好ましく用
いられるが他の難燃剤(例えばブロム化ポリスチレン、
臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネー
ト、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸
またはその塩など)、難燃助剤、摺動性改良剤(グラフ
ァイト、フッ素樹脂)、帯電防止剤、などの通常の添加
剤を添加して、所定の特性をさらに付与することができ
る。
【0041】また、更なる特性改良の必要性に応じて無
水マレイン酸などによる酸変性オレフィン系重合体、エ
チレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共
重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニ
ル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/
プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなど
のオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエ
ラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等
のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合
物を添加して所定の特性をさらに付与することができ
る。
【0042】本発明の導電性樹脂組成物はさらに燃焼時
の液滴の落下(ドリップ)抑制剤としてフェノール系樹
脂、フッ素系樹脂を用いてさらに難燃性を付与すること
ができる。特にフッ素系樹脂がその効果を好ましく発揮
する。そのようなフッ素系樹脂としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、(テ
トラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共
重合体、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアル
キルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチ
レン/エチレン)共重合体、(ヘキサフルオロプロピレ
ン/プロピレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライ
ド、(ビニリデンフルオライド/エチレン)共重合体な
どが挙げられるが、中でもポリテトラフルオロエチレ
ン、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル
ビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフル
オロエチレン/エチレン)共重合体、ポリビニリデンフ
ルオライドが好ましく、特にポリテトラフルオロエチレ
ン、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体が
好ましい。
【0043】本発明の導電性樹脂組成物は通常公知の方
法で製造されるが、この溶融混練において、好ましい方
法として炭素繊維の繊維長分布を実現するためには、た
とえば2軸押出機で溶融混練する場合に樹脂原料フィー
ダーからポリカーボネート樹脂と熱可塑性ポリエスエル
およびケイ素含有重合体とを供給し、炭素繊維をはじめ
とする無機充填材を押出機の先端部分のサイドフィーダ
ーから供給して無機充填材の受けるせん断履歴を制御す
るサイドフィーダー法、ハンドリング性、分散性を向上
させるためにマスターペレット法、予備混練法などが挙
げられる。
【0044】例えば、通常の一括元込め法(炭素繊維を
はじめとする無機充填材等を樹脂フィーダーより投入す
る)場合、剪断力がかかりすぎるために繊維長が短くな
りすぎ剛性が低下する可能性がある。また、ポリカーボ
ネートをはじめとする樹脂成分をサイドフィーダーより
添加した場合には混練不足による分散不良が起こり、衝
撃強度に影響を及ぼす可能性がある。
【0045】本発明の導電性樹脂組成物は通常公知の方
法で製造されるが、この溶融混練において、好ましい炭
素繊維の繊維長分布を実現するためには、たとえば2軸
押出機で溶融混練する場合に樹脂原料フィーダーからポ
リカーボネート樹脂とケイ素含有重合体とを供給し、炭
素繊維をはじめとする無機充填材を押出機の先端部分の
サイドフィーダーから供給して無機充填材の受けるせん
断履歴を制御する方法などが挙げられる。
【0046】また、燐酸エステル(C)を添加する場合
には、例えば、ポリカーボネート樹脂(A)およびケイ
素含有重合体(B)成分中、炭素繊維、およびその他必
要に応じて用いられるリン酸エステルなどのその他の添
加剤および充填材を予備混合して、またはせずに押出機
などに供給して十分溶融混練することにより調製され
る。また、炭素繊維の配合は、いわゆるマスターチップ
法によりマスターチップを予め作製して製造することが
好ましい。なお、炭素繊維マスターチップ法において、
成形品中の炭素繊維長を本発明で好ましい範囲に制御す
る場合、予め本発明の繊維長分布範囲の中でも長めの繊
維長分布範囲としておき、必要に応じて用いられる燐酸
エステル(C)などのその他の添加剤および充填材をさ
らに混練あるいはドライブレンドして成形品とした場合
に本発明の繊維長分布を実現できるような繊維長をコン
トロールする必要がある。さらに、燐酸エステル(C)
を配合する場合には、これらもマスターチップ法により
マスターチップを予め作製して配合に供することが好ま
しい。これらマスターチップ法を採用することはハンド
リング性や生産性の面から好ましい。かかる方法の具体
例を下記に例示する。
【0047】ポリカーボネート樹脂(A)の一部もしく
は全部、または、最終的に含有せしめる(A)およびケ
イ素含有重合体(B)のうちの一部とを一旦溶融混練し
て実際に導電性樹脂組成物に配合されるべきリン酸エス
テル添加量よりも濃度の高い樹脂組成物(D)を製造
し、残りのポリカーボネート樹脂(A)もしくはケイ素
含有重合体(B)成分中にリン酸エステル濃度の高い樹
脂組成物(D)、炭素繊維およびその他の任意に用いる
ことができる添加剤および充填材を溶融混練することに
より調製される。
【0048】あるいは、ポリカーボネート樹脂(A)の
一部もしくは全部、または、最終的に含有せしめる
(A)および(B)のうちの一部を一旦溶融混練して実
際に導電性樹脂組成物に配合されるべき炭素繊維の添加
量よりも高い炭素繊維高濃度品(E)を製造し、リン酸
エステルおよびその他の任意に用いることができる添加
剤および充填材を溶融混練することにより調製される。
【0049】あるいは、ポリカーボネート樹脂(A)の
一部もしくは全部、または、最終的に含有せしめる
(A)の一部とケイ素含有重合体(B)、炭素繊維およ
びその他の任意に用いることができる添加剤を一旦溶融
混練して、実際に配合されるべき炭素繊維の添加量より
も高い炭素繊維高濃度品(E)を製造し、燐酸エステル
(C)、残りのポリカーボネート樹脂(A)もしくは、
ケイ素含有重合体(B)成分中および実際に配合される
べき炭素繊維の添加量よりも高い炭素繊維高濃度品
(E)の段階で添加した任意に用いることができる添加
剤以外の添加剤および充填材を溶融混練することにより
調製される。
【0050】あるいは、ポリカーボネート樹脂(A)の
一部もしくは全部、または、最終的に含有せしめる
(A)の一部と燐酸エステルおよびその他の任意に用い
ることができる添加剤を一旦溶融混練して、実際に導電
性樹脂組成物に配合されるべきリン酸エステル添加量よ
りも濃度の高い樹脂組成物(D)を製造し、炭素繊維、
残りのポリカーボネート樹脂(A)もしくは、ケイ素含
有重合体(B)成分中およびリン酸エステル添加量より
も濃度の高い樹脂組成物(D)の段階で添加した任意に
用いることができる添加剤以外の添加剤および充填材を
溶融混練することにより調製される。
【0051】上記のように実際に導電性樹脂組成物に配
合されるべき炭素繊維添加量よりも濃度の高い炭素繊維
高濃度品(E)を製造する段階で、その他の任意に用い
ることができる添加剤を配合する場合、これらの任意に
用いることができる添加剤はあらかじめポリカーボネー
ト樹脂、熱可塑性ポリエステルあるいはケイ素含有重合
体と混合しておくことが好ましい。また、実際に導電性
樹脂組成物に配合されるべきリン酸エステル(C)の所
定量よりも濃度の高い樹脂組成物(D)を製造する段階
で、その他の任意に用いることができる添加剤を配合す
る場合、これらの任意に用いることができる添加剤はあ
らかじめリン酸エステルと混合しておくことが好まし
い。
【0052】特に任意に用いることができる添加剤の中
でも、炭素繊維高濃度品(E)およびリン酸エステル高
濃度品(D)としては、(1)ポリカーボネート樹脂
(A)のみからなる高濃度品、(2)ポリカーボネート
樹脂(A)およびケイ素含有重合体(B)からなる高濃
度品のいずれも、本効果を発現する。
【0053】このような炭素繊維高濃度品(E)あるい
はリン酸エステル高濃度品(D)のポリカーボネート樹
脂(A)およびケイ素含有重合体(B)の配合量は、炭
素繊維高濃度品あるいはリン酸エステル高濃度品の製造
時の製造性の面、分散性の面、および最終的に得られる
樹脂組成物の難燃性、機械物性、成形性、耐熱性の面か
ら、ポリカーボネート樹脂(A)およびケイ素含有重合
体(B)100重量部に対して、0.5〜250重量部
が好ましく、さらに好ましくは1〜220重量部、より
好ましくは2〜200重量部である。
【0054】導電性樹脂組成物を製造するに際し、例え
ば“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出
機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機など
を用いて、好ましくはサイドフィーダー付の2軸押出機
で200〜330℃で溶融混練して組成物とすることが
できる。
【0055】かくして得られる導電性樹脂組成物は、流
動性、剛性、低ソリ性、電磁波シールド性、薄肉難燃性
に優れた組成物であるが、特に薄肉難燃性においては、
多くの場合、1mm厚でもUL−94規格V−0を達成
することが可能である。
【0056】また、成形品を成形するにあたっての成形
方法は通常の成形方法(射出成形、押出成形、ブロー成
形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)に
より、三次元成形品、シート、フィルム、容器パイプな
どのあらゆる形状の成形物品とすることができる。なか
でも射出成形品用途に特に好適であり、各種機械機構部
品、電気電子部品または自動車部品に好適である。特に
その優れた流動性、電磁波シールド性を生かし、電気・
電子部品用の筐体および自動車の電波ノイズ低減用部材
に特に有効である。
【0057】かくして得られる成形品は、各種ギヤー、
各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソ
ケット、用紙用分離爪、抵抗器、リレーケース、スイッ
チ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光
ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、
プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフ
ォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベー
ス、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディ
スプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、H
DD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアン
テナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・
電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアー
ドライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、
オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパク
トディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部
品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセ
ッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、
オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、フ
ァクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オ
イルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、
モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表さ
れる機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計など
に代表される光学機器、精密機械関連部品、オルタネー
ターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギ
ュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベー
ス、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気
系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノー
ケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン
冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャ
ブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサ
ー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、ク
ランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメー
ター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモ
スタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、
ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォータ
ーポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモータ
ー関係部品、デュストリビュター、スタータースィッ
チ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤー
ハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネ
ルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ
用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ス
テップモーターローター、ランプソケット、ランプリフ
レクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレ
ノイドボビン、エンジンオイルフィルター、パワーシー
トギアハウジング、イグニッションコイル用部品、点火
装置ケース、インストロメントパネルのノイズ低減部品
などの自動車・車両関連部品、その他、パチンコ台用I
Cカバー等各種用途に有用である。特に携帯電話用ハウ
ジング等の筐体およびパソコンハウジング等、ICカバ
ー用筐体等の各種機器の筐体(ハウジング)および自動
車エンジンルーム内および車内用のノイズ低減カバーお
よび部品に極めて有用である。
【0058】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0059】参考例1 以下に示す樹脂を使用した。 ポリカーボネート樹脂 PC1:ゼネラルエレクトリック社製”レキサン”14
1(フェノール性末端基(EP)と非フェノール性末端
基(EN)の当量比(EP)/(EN)は、四塩化チタン
錯体測光定量の結果1/100) PC2:ビスフェノールAとジフェニルカーボネートと
の溶融重合により合成したもの(メチレンクロライド中
1.0g/dlの濃度で20℃で測定した対数粘度が
0.45dl/g、(EP)/(EN)=1/3) ケイ素含有重合体 MB-1:”メタブレン”S2001(三菱レイヨン)。 ポリテトラフルオロエチレンとアクリル酸の複合ゴム MB-2:”メタブレン”A3000(三菱レイヨン)。
【0060】参考例2 以下に示す燐酸エステルを使用した。 RE:”PX−200”(大八化学社製) 参考例4 以下に示す赤燐を使用した。 RP:ヒシガード”TP−A10”(日本化学工業) 参考例5 以下に示す炭素繊維を使用した。 CF1:東レ社製短繊維CF(TW−14) 各評価については、次に述べる方法にしたがって測定し
た。
【0061】(1)流動性 JSW150EII−P(日本製鋼所製)成形機を用い
て、射出速度99%の条件で8点ピンゲート、187m
m(幅)×154mm(長)×10mm(高)×1mm
(厚)の箱状成形品を成形し、最低充填圧力(MPa)を測
定した。
【0062】(2)曲げ弾性率 東芝IS55EPN射出成形機を用いてASTM D7
90に従い、3.2mm厚の曲げ弾性率を測定した。
【0063】(3)そり性 JSW150EII−P(日本製鋼所製)成形機を用い
て、射出速度99%の条件で8点ピンゲート、187m
m(幅)×154mm(長)×10mm(高)×1mm
(厚)の箱状成形品を最低充填圧力(MPa)+0.5MPaで
成形し、ふた状に定盤の上に置き、一点の角を押さえ、
その他の角のうち、最も浮き上がった寸法を測定した。
【0064】(4)電磁波シールド性 JSW150EII−P(日本製鋼所製)成形機を用い
て、150×150×1mmtの角板を射出成形し、得
られた成形品を用いてアドバンテスト法に基づいて電界
波についてシールド性の測定をおこなった。具体的には
(株)アドバンテスト製シールド材評価器TR1730
1Aとスペクトルアナライザを用い、プローブアンテナ
を用いることにより、この平板に電磁波を透過させた際
の減衰率を、10〜1000MHzの周波数帯域で測定
し、測定チャートより周波数1GHzでの電界シールド
性を読みとった。
【0065】(5)難燃性 東芝IS55EPN射出成形機を用いて12.7mm
(幅)×127(長)×1mm(厚)の試験片を成形
し、UL−94規格に従い、燃焼試験を行った。評価
は、○:難燃性がV−0、×:難燃性がV−2、HBと
した。
【0066】実施例1〜3、比較例1〜6 TEX−30型2軸押出機(日本製鋼所製)を用いてポ
リカーボネート樹脂、ケイ素含有重合体、リン酸エステ
ルおよび赤燐を表1に示した割合で、ドライブレンド
し、樹脂フィーダーより供給し、表1の炭素繊維(6m
m長)を重量式サイドフィーダーを用いて添加し、樹脂
温度280℃の温度で溶融混練し、ペレットとした。次
いでこのペレットを各評価ごとの成形機を用いて樹脂温
度280℃、金型温度80℃の温度条件で各評価項目ご
との方法で試験片を成形した。
【0067】表1からも明らかなように本発明の組成物
は比較例に比べ、優れた流動性および剛性を有し、かつ
得られた成形品は、低そり性で高い電磁波シールド性を
有し、かつ薄肉難燃であることから、剛性とシールド性
が必要とされるハウジング用途や内装部品のノイズによ
る誤動作あるいは雑音等の防止が必要な自動車部品等の
成形品を取得する場合に非常に優れていることがわか
る。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明の導電性樹脂組成物は、優れた流
動性、高剛性、得られた成形品においては低そり性、電
磁波シールド性、薄肉難燃性に優れていることから、こ
れらの特性が要求される特に電機・電子関連機器、電波
ノイズ低減に用いられる自動車用途に好適な材料であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 69/00 (C08L 69/00 83:04) 83:04) Fターム(参考) 4F071 AA50 AA67 AA68 AB03 AC15 AD01 AE07 AE15 AH12 BA01 BB03 BB05 BB06 BC01 BC04 BC05 BC07 4J002 CG011 CP032 CQ013 DA017 EW046 FA047 FD117 FD133 FD136

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート樹脂(A)、ケイ素含有
    重合体(B)、下記式(1)で表される燐酸エステル
    (C)および炭素繊維を配合してなり、各成分の配合量
    が(A)および(B)の合計に対して(A)99.5〜
    70重量%、(B)0.5〜30重量%であり、(A)
    および(B)の合計100重量部に対し、(C)1〜3
    0重量部および炭素繊維5〜200重量部である導電性
    樹脂組成物。 【化1】 (上記式中、R1〜R8は、同一または相異なる水素原子
    または炭素数1〜5のアルキル基を表す。またAr1
    Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なるフェニル基
    あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換されたフ
    ェニル基を表す。また、Yは直接結合、O、S、S
    2、C(CH32、CH2、CHPhを表し、Phはフ
    ェニル基を表す。またnは0以上の整数である。また
    k、mはそれぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+
    mは0以上2以下の整数である。)
  2. 【請求項2】ポリカーボネート樹脂(A)がフェノール
    性末端基(EP)と非フェノール性末端基(EN)の当量
    比(EP)/(EN)が1/20以下のものである請求項
    1記載の導電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2のいずれか記載の導電性
    樹脂組成物からなる成形品。
  4. 【請求項4】電気・電子部品の筐体(ハウジング)に用
    いられる請求項3記載のの成形品。
  5. 【請求項5】自動車部品でかつ、電波ノイズ低減用部材
    に用いられる請求項3記載の成形品。
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