JP2002138102A - Tsr型天然ゴムの製造方法 - Google Patents

Tsr型天然ゴムの製造方法

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JP2002138102A
JP2002138102A JP2000336498A JP2000336498A JP2002138102A JP 2002138102 A JP2002138102 A JP 2002138102A JP 2000336498 A JP2000336498 A JP 2000336498A JP 2000336498 A JP2000336498 A JP 2000336498A JP 2002138102 A JP2002138102 A JP 2002138102A
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tsr
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Seiichiro Iwafune
盛一郎 岩船
Hirotoshi Toratani
博歳 虎谷
Ken Kishima
研 貴島
Takatsugu Hashimoto
隆次 橋本
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素練り時にNR主鎖の切断を抑えてポリマー
ゲルを相対的に少なくし、分子量を高く維持することに
より、加工後のゴム特性である耐破壊特性、耐摩耗特性
に優れるTSR型天然ゴムの製造方法を提供する。 【解決手段】 天然ゴムをプレブレーカーで練る際に老
化防止剤を添加することを特徴とするTSR型天然ゴム
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TSR型天然ゴム
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、天然ゴム(NR)は、タイ・マ
レーシア・インドネシアなどの熱帯諸国で産出されてい
る。天然ゴムは、その優れた物理的性質のため、ゴム産
業、タイヤ産業界において幅広く、かつ、大量に使用さ
れている。産出された直後の天然ゴムラテックスは、ム
ーニー粘度が60〜70と低いが、収穫後、貯蔵・輸送
される数カ月の間にムーニー粘度が90〜100近くま
で上昇してしまう(これを貯蔵硬化〔storage hardenin
g〕という)。
【0003】天然ゴムが貯蔵硬化する原因として、イソ
プレン鎖中の異種結合(アルデヒド基など)が天然ゴム
中のタンパク質、アミノ酸と反応することによって架橋
しゲル化(ゲル量の増加)が起こるとされている(文献
等でもそのメカニズムははっきりと解明されていな
い)。天然ゴムにおけるゲル化は、加工性を悪化させる
こととなる。また、一般に、天然ゴムは、物性面により
分子量が大きい方が好ましく、分子量の低下は天然ゴム
の物性に悪影響を及ぼすこととなる。この分子量やポリ
マーゲル量は、採取後の天然ゴムの製造条件、その後の
保存状態で大きく左右されるものである。
【0004】天然ゴムの製造工程は、天然ゴム各種等級
品の国際品質包装標準(通称グリーンブック)における
格付けによるリブド・スモーク・シート(RSS型)、
技術的格付けゴム(TSR型)の2つの方法が代表的で
ある。このうちTSR型では、大別してウェットプロセ
ス、ドライプロセスの2種があり、天然ゴムラテックス
採取→カップランプ作製(ラテックスのカップの中に予
めギ酸を入れておいて自然に固める様にしたもの、採取
農家などでタッピングしたもの)までが共通工程となっ
ており、このカップランプ、USS/RSS等を混合し
てウェットプロセス又はドライプロセスによりクラム化
してバケットに移動し、乾燥機で乾燥させた後、プレス
成形してブロックとし、パッキングの順で製造されてい
る。しかしながら、このTSR型天然ゴムの製造工程中
の乾燥前においても、ムーニー粘度が上昇し、貯蔵硬化
を招く原因となっている。
【0005】このTSR型天然ゴムを用いてタイヤ等の
ゴム材料を製造する場合には、通常、天然ゴム(NR)
のムーニー粘度を下げるため素練りを行っている。しか
しながら、この素練り時には、NRにおけるペプチド結
合主体のポリマーゲルの破壊、及びNR主鎖の切断が同
時に起こってしまうという課題があり、これにより製造
されるゴム材料の耐破壊特性、耐摩耗特性に悪影響を及
ぼすものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題等について、これを解消しようとするものであ
り、素練り時におけるNR主鎖の切断を抑えてポリマー
ゲルを相対的に少なくし、高分子量を維持することによ
り加工後のゴム特性である耐破壊特性、耐摩耗特性に優
れたものとなるTSR型天然ゴムの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の課題等を解決するため、鋭意検討した結果、TS
R型天然ゴムの製造工程であるプレブレーカーで練る際
に特定の成分を添加することにより、上記目的のTSR
型天然ゴムの製造方法が得られることを見い出し、本発
明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明は、
(1)〜(6)に存する。 (1) 天然ゴムをプレブレーカーで練る際に老化防止剤を
添加することを特徴とするTSR型天然ゴムの製造方
法。 (2) 前記老化防止剤が、p−フェニレンジアミン系の老
化防止剤、フェノール系の老化防止剤であることを特徴
とする上記(1)記載のTSR型天然ゴムの製造方法。 (3) 前記p−フェニレンジアミン系の老化防止剤がN−
(1,3−ジメチルブチル)−N′−p−フェニレンジ
アミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェ
ニレンジアミンであることを特徴とする上記(2)記載の
TSR型天然ゴムの製造方法。 (4) 前記フェノール系の老化防止剤が2,2´−メチレ
ンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)であることを特徴とする上記(2)記載のTSR型天
然ゴムの製造方法。 (5) 前記老化防止剤の添加量が乾燥重量として天然ゴム
100重量部に対し、0.2重量部〜4重量部であるこ
とを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のT
SR型天然ゴムの製造方法。 (6) 更に恒粘度剤を添加することを特徴とする上記(1)
〜(5)のいずれか1項に記載のTSR型天然ゴムの製造
方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明のTSR型天然ゴムの製造方法
は、天然ゴムをプレブレーカーで練る際に老化防止剤を
添加することを特徴とするものである。
【0009】本発明において、天然ゴムラテックス採取
→カップランプ作製→カップランプ、USS/RSS等
を混合→ウェットプロセス又はドライプロセスによりク
ラム作製→乾燥→プレス成形してブロック化→パッキン
グの順で製造されているTSR型天然ゴムの製造工程に
おいて、プレス成形する前の天然ゴムをプレブレカーで
練り、その後老化防止剤を添加するものである。乾燥工
程は、通常のTSR型天然ゴムの乾燥と同様であり、1
10℃〜140℃で30分〜4時間の熱風乾燥を行うこ
とにより行うことができる。
【0010】本発明で用いるプレブレーカーとしては、
ニ軸式スクリュー型プレブレカーが挙げられる。このプ
レブレーカーで練る際の練り温度は100〜160℃で
あり、練り時間は1〜3分程度が好ましい。
【0011】本発明で用いる老化防止剤としては、ゴム
工業で通常使用されている老化防止剤を用いることがで
き、例えば、ナフチルアミン系、p−フェニレンジアミ
ン系、ヒドロキノン誘導体、ビス,トリス,ポリフェノ
ール系、ジフェニルアミン系、キノリン系、モノフェノ
ール系、チオビスフェノール系、ヒンダード・フェノー
ル系などを挙げることができるが、これらの中で、p−
フェニレンジアミン系の老化防止剤、上記各フェノール
系の老化防止剤が本発明の好適な効果を更に発揮せしめ
る点で好ましい。なお、これらの老化防止剤は一般に素
練り時以降の際にゴム用配合剤の一部として添加される
ものであるが、本発明では、TSR型天然ゴムの製造の
際に添加する点に意義があり、本発明の効果を発揮せし
めることができる。
【0012】p−フェニレンジアミン系の老化防止剤と
しては、例えば、N,N′−ジフェニル−p−フェニレ
ンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−
フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p
−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フ
ェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′
−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−
メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′
−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレン
ジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペ
ンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジ
メチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジア
ミンなどが挙げられ、これらの中で、更なる効果及びコ
ストの点で、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−
フェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル
−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンが最も好ま
しい。また、フェノール系の老化防止剤としては、例え
ば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール、4,4´−チオビス(3−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4
−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオン酸ステアレート、テトラキス〔メチレ
ン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,5−ジ−
tert−ブチルヒドロキノンなどが挙げられ、これら
の中で、更なる効果及びコストの点で、2,2´−メチ
レンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)が最も好ましい。
【0013】これらの老化防止剤は、単独で又は2種以
上を組合わせて用いることができ、これらは乾燥重量と
して天然ゴム100重量部に対し、0.2〜4重量部の
範囲で用いられ、好ましくは、0.5〜3重量部であ
る。上記老化防止剤の添加量が0.2重量部未満では、
本発明の効果を発揮せず、4重量部超過では効果がほぼ
飽和するので経済的でない。
【0014】本発明では、上記老化防止剤と共に恒粘度
剤を添加することが好ましい。上記老化防止剤と共に恒
粘度剤を添加することにより、更に天然ゴムに優れた恒
粘度効果を付与せしめ、ゲル化抑制を更に発揮せしめる
ことができるものとなる。本発明に用いる恒粘度剤とし
ては、例えば、セミカルバジド、ジメドン(1,1−ジ
メチルシクロヘキサン−3,5−ジオン)、下記一般式
(I)で表されるヒドラジド化合物が挙げられる。 R−CONHNH2 ………(I) (ただし、式(I)中のRは、炭素数3〜30のアルキ
ル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、アリール基
を示す。) 上記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物として
は、例えば、アセトヒドラジド、ブチルヒドラジド、ラ
ウリン酸ヒドラジド、パルミチン酸ヒドラジド、ステア
リン酸ヒドラジド、シクロプロピルヒドラジド、シクロ
ヘキシルヒドラジド、シクロヘプチルヒドラジド、安息
香酸ヒドラジド、o−,m−,p−トリルヒドラジド、
p−メトキシフェニルヒドラジド、3,5−キシリルヒ
ドラジド、1−ナフチルヒドラジドからなる群から選ば
れる少なくとも1種が挙げられる。好ましい恒粘度剤と
しては、優れた分散性及び恒粘度効果の更なる向上の点
から、プロピオン酸ヒドラジドが望ましい。
【0015】また、本発明に用いることができる恒粘度
剤としては、下記一般式(II)で表される芳香族ポリカ
ルボン酸誘導体の中から選択される少なくとも1種から
なるものであってもよい。
【化1】
【0016】本発明に使用できる前記一般式(II)で表
される恒粘度剤となる芳香族ポリカルボン酸誘導体とし
ては、例えば、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸又はその無水物のいずれかの誘導体が好ましい。ま
た、前記一般式(II)で表される芳香族ポリカルボン酸
誘導体において、R1が炭素数1から22までのアルキ
ル基、XがO又は(R4O)qであることが好ましく、
特に、XはOであることが好ましい。更に、前記一般式
(II)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体として
は、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸又はそ
の無水物のいずれかの一つの誘導体であり、かつ、前記
一般式(II)式中のR1が炭素数1から22までのアル
キル基、XがO(酸素原子、以下同様)又は(R4O)
qであることが好ましく、特に、XはOであることが好
ましい。具体的には、フタル酸モノステアリル、フタル
酸モノデシル、フタル酸モノオクチルアミド、トリメリ
ット酸モノデシル、トリメリット酸モノステアリル、ピ
ロメリット酸モノステアリル、ピロメリット酸ジステア
リルなどが挙げられる。これらの中でも、ゲル量低減効
果、可塑化効果及び低コストの点でフタル酸モノアルキ
ルエステルが好ましく、更に好ましくは、フタル酸モノ
ステアリルが望ましい。
【0017】更に、本発明に用いることができる恒粘度
剤としては、芳香環に結合するカルボキシル基を少なく
とも一つ有する、芳香族多価カルボン酸と(ポリ)オキ
シアルキレン誘導体とのエステルであってもよい。この
エステルは、芳香族多価カルボン酸と(ポリ)オキシア
ルキレン誘導体とにより得られるものであり、分子中に
芳香環に結合するカルボキシル基を少なくとも一つ有す
るものであれば、特に限定されないが、好ましくは、下
記一般式(III)で表わされる化合物が望ましい。
【化2】
【0018】前記一般式(III)において、より好まし
くは、a+xが2又は3であり、R5が炭素数2〜4の
アルキレン基、R6が炭素数2〜28のアルキル基又は
アルケニル基であり、更に好ましくは、a=1、x=
1、R5がエチレン基、R6が炭素数2〜28のアルキル
基又はアルケニル基であり、特に好ましくは、bが1〜
10、a=1、x=1、R5がエチレン基、R6が炭素数
8〜18のアルキル基又はアルケニル基であることが望
ましい。
【0019】本発明に用いることができる上記エステル
は、(i)2価以上の芳香族カルボン酸またはその無水
物と、(ii)(ポリ)オキシアルキレン誘導体とを反応
させることにより得ることができる。上記(i)の2価
以上の芳香族カルボン酸としては、例えば、フタル酸、
無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの2価の芳
香族カルボン酸またはその無水物、トリメリット酸、無
水トリメリット酸などの3価の芳香族カルボン酸または
その無水物、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸など
の4価の芳香族カルボン酸またはその無水物が挙げられ
るが、コストの面から2価または3価の芳香族カルボン
酸またはその無水物が好ましく、特に、無水フタル酸で
あることが好ましい。上記(ii)の(ポリ)オキシアル
キレン誘導体としては、例えば、1以上の水酸基を持っ
た平均重合度1以上の(ポリ)オキシアルキレン基を有
する誘導体であり、好ましくは、1〜2の水酸基を持っ
た(ポリ)オキシアルキレン基を有する誘導体であり、
特に好ましくは1ヶの水酸基を持った(ポリ)オキシア
ルキレン基を有する誘導体である。(ポリ)オキシアル
キレン誘導体としては、例えば、(ポリ)オキシアルキ
レンアルキルエーテルなどのエーテル型;(ポリ)オキ
シアルキレン脂肪酸モノエステルなどのエステル型;
(ポリ)オキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルな
どのエーテルエステル型;(ポリ)オキシアルキレン脂
肪酸アミド、(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン
など含窒素型などが挙げられるが、本発明の(ポリ)オ
キシアルキレン誘導体としてはエーテル型とエステル型
が好ましく、エーテル型が特に好ましい。
【0020】エーテル型の(ポリ)オキシアルキレン誘
導体としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキ
シエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンレン
2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピ
レンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイル
エーテルなどのポリオキシアルキレン、不飽和を含むポ
リオキシアルキレン脂肪族エーテル、ポリオキシエチレ
ンベンジルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンペンジル化フェニル
エーテルなどのポリオキシエチレン芳香族エーテルなど
が挙げられるが、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル
が好ましい。更に、ポリオキシエチレンアルキルまたは
アルケニルエーテルであることが好ましく、特にポリオ
キシエチレンの平均重合度が10以下、アルキル基また
はアルケニル基の炭素数が8から18であることが好ま
しい。具体的には、以下に、ポリオキシエチレンをPO
E(n)と略し、( )内には平均重合度を示して例示
する。POE(3)オクチルエーテル、POE(4)2
−エチルヘキシルエーテル、POE(3)デシルエーテ
ル、POE(5)デシルエーテル、POE(3)ラウリ
ルエーテル、POE(8)ラウリルエーテル、POE
(1)ステアリルエーテルなどが挙げられる。
【0021】本発明に用いる上記各恒粘度剤は、そのま
ま天然ゴム中に添加することもできるが、天然ゴム中へ
の分散性を向上せしめる点等から恒粘度剤を溶媒で希釈
したものが好ましく、恒粘度剤種により好適な溶媒種が
設定されるものであり、溶媒種として、水(精製水、イ
オン交換水、純水等、以下、単に「水」という)を用い
ることができる。上記恒粘度剤種が水性の場合は、水溶
液として、また、油性の場合は、エマルジョンとして用
いることができる。本発明では、更に優れた分散性及び
恒粘度効果の更なる向上の点から、好ましくは、恒粘度
剤が、上記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物で
あり、溶媒が水である恒粘度剤溶液が望ましい。
【0022】本発明において、恒粘度剤エマルジョン
は、乳化剤と、必要に応じて親和剤とを用い、通常の方
法で得ることができる。恒粘度剤水溶液の濃度は、20
〜80重量%であること、及び、恒粘度剤エマルジョン
の濃度が、3〜50重量%であることが好ましい。上記
濃度が薄すぎると(上記濃度が20重量%又は3重量%
未満であると)、所望量の恒粘度剤を添加するのに必要
となる恒粘度剤の量が多くなりすぎ、また、濃度が濃す
ぎると(上記濃度が80重量%又は50重量%を越える
と)、液の安定性を損ない、薬品の分散性が低下するな
どの不具合を生じることがあるため、好ましくない。本
発明では、前記各種の恒粘度剤は、単独で又は2種以上
組合わせて用いることができ、その配合量は、乾燥重量
として天然ゴム100重量部に対して、0.02重量部
以上、好ましくは、0.04〜0.5重量部であること
が望ましい。これらの恒粘度剤の配合量を0.02重量
部以上とすることにより、更なる恒粘度効果を発揮する
ことができ、ゴム物性低下などの悪影響を生じることな
く、本発明の目的とする更なる効果を得るためである。
【0023】このように構成される本発明のTSR型天
然ゴムの製造方法では、天然ゴムラテックス採取→カッ
プランプ作製→カップランプ、USS/RSS等を混合
→ウェットプロセス又はドライプロセスによりクラム作
製→乾燥→プレス成形してブロック化→パッキングの順
で製造されているTSR型天然ゴムの製造工程におい
て、乾燥工程に入る前の天然ゴムをプレブレカーで練る
際に老化防止剤を添加して練ることなどにより製造する
ことができ、従来のTSR型の天然ゴムに較べ、素練り
時の相対的にNR主鎖の切断を抑えて、ポリマーゲルを
相対的に少なくし、高分子量を維持することができるの
で、加工後のゴム特性である耐破壊特性、耐摩耗特性に
優れるTSR型天然ゴムが得られることとなる。なお、
本発明では、同一ムーニー粘度でも分子量が高いポリマ
ーが得られるものとなる。更に、老化防止剤と共に、上
述の恒粘度剤を添加することにより、更に分子量が高
く、かつ、ポリマーゲル量も少なく、優れた恒粘度効果
を有するTSR型の天然ゴムを得ることができることと
なる。なお、本発明の上記工程で得られた天然ゴムに
は、必要に応じて、充填剤、補強剤、軟化剤、加硫剤、
加硫促進剤、加硫促進助剤等の任意成分を含有させるこ
とができる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により、本発明を
更に具体的かつ詳細に説明するが、本発明は下記実施例
に限定されるものではない。
【0025】〔実施例1〜2及び比較例1〜2〕天然ゴ
ムは、USSをクレーパーロールにてクラム化したもの
及びカップランプを洗浄しクラム化したものを4:6で
ブレンドし、ドライヤー120℃×2時間乾燥させたも
のを用いた。この天然ゴムにプレブレーカーで練る際に
下記表1に示す老化防止剤や恒粘度剤を添加して120
℃で2分間練った。
【0026】得られた各天然ゴムについて、下記評価法
により原料ゴム及び素練り後のポリマーゲル量、分子量
を測定した。素練り条件は、バンバリーミキサーで練り
時間90秒、落下温度120℃により行った。また、こ
れらの素練り後の各天然ゴムに対して、下記表1の欄外
に示す配合内容(各NRの素練り品と共通の添加剤の配
合内容)でゴム組成物を調製し、下記評価方法により破
壊強力(kg/mm2)を評価した。これらの結果を下
記表1に示す。
【0027】(ポリマーゲル量の評価法)ゴム0.2g
をトルエンに一晩膨潤させ、遠心分離機で25000r
pmで2.5時間処理し、沈降したゲルを70℃×24
時間乾燥して秤量し、ポリマーゲルとしてオリジナル全
体重量で割た値(%)で評価した。
【0028】(分子量の評価法)ゲル浸透クロマトグラ
フィー法により分子量を測定し、測定装置には、東ソー
社製のゲルバーミエイションクロマトグラフ(Gel Perm
eation Chromatograph)HCL−8020、カラムには
東ソー社製のGMHXL、校正には東ソー社製の標準ポ
リスチレン、溶媒にはTHF1級、溶液には0.01g
サンプル/30ccTHFをそれぞれ用いた。
【0029】(破壊強力の評価法)JIS K 625
1−1993(25℃)に準拠し、試験片JIS 3号
を使用して、引張強さを破壊強力として評価した。
【0030】
【表1】
【0031】上記表1の結果から明らかなように、本発
明範囲となる実施例1〜2は、本発明の範囲外となる比
較例1〜2に較べて、ポリマーゲル量を相対的に少なく
することができると共に、分子量を高く維持することが
でき、加工後のゴム特性である破壊強力に優れることが
判明した。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、素練り時にNR主鎖の
切断を抑えてポリマーゲルを相対的に少なくし、分子量
を高く維持することができるので、加工後のゴム特性で
ある耐破壊特性、耐摩耗特性に優れるTSR型天然ゴム
の製造方法が提供される。更に、恒粘度剤を添加するこ
とにより、更に分子量が高く、かつ、ポリマーゲル量も
少なく、優れた恒粘度効果を有するTSR型天然ゴムが
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 隆次 東京都小平市小川西町4−7−13−502 Fターム(参考) 4F070 AA05 AC37 AC43 AC46 AE03 AE30 BA02 FA03 FB06 FC09 4J002 AC011 EH148 EJ027 EJ037 EJ047 EN076 EV037

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴムをプレブレーカーで練る際に老
    化防止剤を添加することを特徴とするTSR型天然ゴム
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記老化防止剤が、p−フェニレンジア
    ミン系の老化防止剤、フェノール系の老化防止剤である
    ことを特徴とする請求項1記載のTSR型天然ゴムの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記p−フェニレンジアミン系の老化防
    止剤がN−(1,3−ジメチルブチル)−N′−p−フ
    ェニレンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル
    −p−フェニレンジアミンであることを特徴とする請求
    項2記載のTSR型天然ゴムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記フェノール系の老化防止剤が2,2
    ´−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチ
    ルフェノール)であることを特徴とする請求項2記載の
    TSR型天然ゴムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記老化防止剤の添加量が乾燥重量とし
    て天然ゴム100重量部に対し、0.2重量部〜4重量
    部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のTSR型天然ゴムの製造方法。
  6. 【請求項6】 更に恒粘度剤を添加することを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載のTSR型天然ゴ
    ムの製造方法。
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