JP2002136152A - Pwm制御インバータおよびその制御方法 - Google Patents

Pwm制御インバータおよびその制御方法

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JP2002136152A
JP2002136152A JP2000317928A JP2000317928A JP2002136152A JP 2002136152 A JP2002136152 A JP 2002136152A JP 2000317928 A JP2000317928 A JP 2000317928A JP 2000317928 A JP2000317928 A JP 2000317928A JP 2002136152 A JP2002136152 A JP 2002136152A
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pwm
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JP2000317928A
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Eiji Watanabe
英司 渡辺
Sadao Ishii
佐田夫 石井
Hiroshi Kirino
博士 桐野
Takaaki Terada
隆昭 寺田
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Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング損失の低減化と、高制御性能化
との両方を実現することができるPWM制御インバータ
を提供する。 【解決手段】 PWM発生回路7は、各零電圧ベクトル
0のうち第1の零電圧ベクトルV01だけを出力する第
1のモードと、各零電圧ベクトルV0のうち第2の零電
圧ベクトルV02だけを出力する第2のモードと、第1の
零電圧ベクトルV 01と第2の零電圧ベクトルV02とを出
力時間が等しくなるように出力する第3のモードとに設
定可能となっている。PWMモード演算器8は、PWM
周期tPWM毎に、電圧指令ベクトルVrefの時間変化率が
設定値より小さい場合にはPWM発生器7を第1のモー
ドあるいは第2のモードに設定し、時間変化率が設定値
以上である場合にはPWM発生回路7を第3のモードに
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電圧を任意の
振幅および周波数の交流電圧に変換するパルス幅変調
(以降PWM)制御インバータおよびその制御方法に関
し、特に空間ベクトル方式を用いてPWM制御を行なう
PWM制御インバータおよびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来のPWM制御インバータの
構成を示すブロック図である。図6に示すように、従来
のPWM制御インバータは、直列接続された2つの自己
消弧形パワーデバイスであるIGBTにそれぞれダイオ
ードが逆並列接続されて構成されている相回路2を3つ
有しており、3つの相回路2は、直流電源1に並列に接
続されている。また、3つの相回路2における2つのI
GBT間には、3相の負荷4の各相がそれぞれ接続され
ている。電流検出器3は、負荷4の各相に流れる電流を
検出するためのものである。
【0003】PWM発生回路107には、電圧振幅成分
と位相成分を有する電圧指令ベクトルVrefが入力され
ている。PWM発生回路107は、その電圧指令ベクト
ルに基づいて従来から用いられている空間ベクトル方式
によりPWM指令を生成している。
【0004】図7は、空間ベクトル方式によるPWM指
令の作成方法を示すベクトル図である。PWM指令は、
PWM周期tPWM毎の各相回路2のIGBTをスイッチ
ングさせるためのスイッチングパターンであり、そのス
イッチングパターンを構成する各相回路毎のスイッチン
グ状態の組み合わせとしては、(0、0、0)〜(1、
1、1)の計8通りが考えられる。図7中の±U、±
V、±W、およびV0は、それら8通りの組み合せにお
けるそれぞれの3相負荷4の出力電圧ベクトルである。
なお、±U、±V、±Wは、それぞれπ/3ずつ位相が
異なるように設定されている。零電圧ベクトルV0には
01(0、0、0)とV02(1、1、1)の2つのベク
トルがあるが、これらのベクトルの方向は大きさが零で
あるため、図7中には図示されていない。
【0005】電圧指令ベクトルVrefが入力されると、
PWM発生回路107は、電圧指令ベクトルのVref
位相が図7のベクトル空間のどこにあるかを調べ、±
U、±V、±Wのうち、電圧指令ベクトルVrefに隣接
する2つの隣接電圧ベクトルを第1の電圧ベクトル
1、第2の電圧ベクトルV2として求める。図7におい
ては、電圧指令ベクトルVrefは、+Uと−Wの間にあ
るため、この場合には、+Uが第1の電圧ベクトルV1
となり、−Wが第2の電圧ベクトルV2となる。
【0006】ここで、電圧指令ベクトルVrefと、零電
圧ベクトルV0、第1の電圧ベクトルV1、第2の電圧ベ
クトルV2との関係は、下の式(1)のように表すこと
ができる。
【0007】 Vref=(t0×V0+t1×V1+t2×V2)/tPWM…(1) 式(1)におけるt0、t1、t2は、それぞれ零電圧ベ
クトルV0の発生時間、第1の電圧ベクトルV1の発生時
間、第2の電圧ベクトルV2の発生時間であり、以下の
式(2)に示すようにt0、t1、t2の和はPWM周期
PWMとなる。
【0008】t0+t1+t2=tPWM…(2) PWM発生回路107は、電圧指令ベクトルVrefが入
力された場合に、各出力電圧ベクトルV0、第1の電圧
ベクトルV1、第2の電圧ベクトルV2の発生時間を上述
の式(1)、(2)より求めて、PWM指令を作成して
出力する。
【0009】オンディレイ回路5は、各相回路2の2つ
のIGBTが短絡しないように、PWM発生回路107
から出力されるPWM指令中において、PWMパルスが
オンするタイミングを所定の時間遅延させている。ドラ
イブ回路6は、オンディレイ回路5から出力されたPW
M指令に従って、各相回路2の各IGBTを駆動してい
る。
【0010】ところで、上述のようなPWM制御インバ
ータには、2相変調PWM制御インバータと3相変調P
WM制御インバータとがある。2相変調PWM制御イン
バータは3相の出力電圧レベルのうち、ある1相の出力
電圧レベルをハイレベルあるいはローレベルに固定し、
残りの2相でPWM制御を行なう。これに対し、3相変
調PWM制御インバータは、3相全てでPWM制御を行
なう。
【0011】PWM制御インバータは、零電圧ベクトル
0、第1の電圧ベクトルV1、第2の電圧ベクトルV2
の発生時間を求めてPWM指令を作成するが、前述のと
おり、零電圧ベクトルV0には、第1の零電圧ベクトル
01(0、0、0)と第2の零電圧ベクトルV02(1、
1、1)との2つの出力電圧ベクトルがある。
【0012】また、零電圧ベクトルV0、第1の零電圧
ベクトルV01、第2の零電圧ベクトルV02の関係は以下
の式(3)のように表される。
【0013】 V0=k×V01+(1−k)×V02…(3) ただし、0≦k≦1 2相変調PWM制御インバータでは、3相のうち2相だ
けでPWM制御が行なわれるため、PWM周期tPWM
に出力される零電圧ベクトルは第1の零電圧ベクトルV
01か第2の零電圧ベクトルV02かのいずれかに固定され
ているのに対し、3相変調PWM制御インバータでは、
PWM周期中tPWMでも出力される零電圧ベクトルが、
第1の零電圧ベクトルV01と第2の零電圧ベクトルV02
とに適宜切り換えられている。つまり、2相変調PWM
制御コンバータでは、k=0または1としてPWM制御
が行なわれ、3相変調PWM制御コンバータでは、0<
k<1の値を設定してPWM制御が行なわれている。
【0014】ちなみに、式(3)の式(1)に代入する
と、式(4)のようになる。
【0015】 Vref={t0×[k×V01+(1−k)V02]+t1×V1+t2×V2 } /tPWM …(4) 2相変調PWM制御インバータは、PWM周期tPWM
おける自己消弧形パワーデバイスのスイッチング回数を
2相変調PWM制御インバータよりも少なくすることが
できるため、自己消弧形パワーデバイスのスイッチング
損失が低減できる反面、2相だけでPWM制御を行なう
ため、制御性能は比較的低いものとなる。それに対し、
3相変調PWM制御インバータは、スイッチング損失は
大きいなるものの、3相全てでPWM制御を行なうた
め、制御性能は比較的高いものとなる。これら2つのP
WM制御インバータは、その用途あるいは必要とされる
性能に応じて使い分けられているが、逆に言えば、従来
では、スイッチング損失の低減化と、高制御性能化との
両方を実現することができるPWM制御インバータが存
在していないということになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のPWM制御インバータでは、スイッチング損失の低
減化と、高制御性能化との両方を両立できないという問
題があった。
【0017】本発明は、スイッチング損失の低減化と、
高制御性能化との両方を実現することができるPWM制
御インバータを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ダイオードが逆並列接続された2つの自
己消弧形パワーデバイスが直列に接続された回路であ
り、直流電源にそれぞれ並列に接続され、前記各自己消
弧形パワーデバイス間が3相負荷の各相にそれぞれ接続
され、前記各自己消弧形パワーデバイスのスイッチング
パターンであるPWM指令に基づいて前記各自消弧形パ
ワーデバイスがスイッチングされることによって3相負
荷を駆動する3つの相回路と、PWM周期毎に、上位装
置から電圧指令ベクトルを入力し、前記各相回路から前
記3相負荷の各相に出力される出力電圧の組み合せを要
素とする8つの電圧ベクトルのうち、2つの零電圧ベク
トルすなわち第1の零電圧ベクトルおよび第2の零電圧
ベクトル以外の6つの電圧ベクトルの中から、前記電圧
指令ベクトルに隣接する2つの隣接電圧ベクトルを選択
し、前記電圧指令ベクトルを選択された前記各隣接電圧
ベクトルに分解した場合の前記各隣接電圧ベクトルの成
分比率を前記各隣接電圧ベクトルの出力時間の前記PW
M周期に対する比率として前記各隣接電圧ベクトルの出
力時間を決定し、前記PWM周期から前記各隣接電圧ベ
クトルの出力時間の和を減算した時間を前記2つの零電
圧ベクトルの総出力時間として決定し、前記各隣接電圧
ベクトルおよび前記各零電圧ベクトルが、所定の順番
で、決定された前記各出力時間だけ出力されるような前
記PWM指令を生成するPWM発生手段とを備えるPW
M制御インバータにおいて、前記PWM発生手段は、前
記各零電圧ベクトルのうち前記第1の零電圧ベクトルの
み出力する第1のモードと、前記各零電圧ベクトルのう
ち前記第2の零電圧ベクトルのみ出力する第2のモード
と、前記第1の零電圧ベクトルと前記第2の零電圧ベク
トルとを出力時間が等しくなるように出力する第3のモ
ードとを設定できるようにしたことを特徴とする。
【0019】本発明のPWM制御インバータでは、第1
のモード、第2のモードおよび第3のモードに切り換え
可能なPWM発生手段を備えることによって、第1のモ
ード、第2のモードが設定されたときには2相変調方式
でPWM制御を行ない、第3のモードが設定されたとき
には3相変調方式でPWM制御を行なうことができるよ
うになるため、スイッチング損失の低減化と、高制御性
能化との両方を実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態のPWM
制御インバータについて図面を参照して詳細に説明す
る。なお、全図において、同一の符号がつけられている
構成要素は、すべて同一のものを示す。
【0021】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態のPWM制御インバータについて説明する。図
1は、本実施形態のPWM制御インバータの構成を示す
ブロック図である。
【0022】図1に示すように、本実施形態のPWM制
御インバータは、およびPWM発生回路7およびPWM
モード演算器8を備えている点が、図6の従来のPWM
制御インバータと異なっている。
【0023】PWM発生回路7は、PWM発生回路10
7と同様に、PWM周期tPWM毎に、上位装置から電圧
指令ベクトルVrefを入力し、各相回路2から3相負荷
4の各相に出力される出力電圧の組み合せを要素とする
8つの電圧ベクトルのうち、2つの零電圧ベクトルV0
すなわち第1の零電圧ベクトルV01および第2の零電圧
ベクトルV02以外の6つの電圧ベクトル±U、±V、±
Wの中から、電圧指令ベクトルVrefに隣接する2つの
隣接電圧ベクトルV1、V2を選択し、電圧指令ベクトル
refを選択された各隣接電圧ベクトルV1、V2に分解
した場合の各隣接電圧ベクトルV1、V2の成分比率を各
隣接電圧ベクトルV1、V2の出力時間のPWM周期t
PWMに対する比率t1/tPWM、t2/tPWMとして各隣接
電圧ベクトルV1、V2の出力時間t1、t2を決定し、P
WM周期tPWMから前記各隣接電圧ベクトルV1、V2
出力時間の和を減算した時間t0を2つの零電圧ベクト
ルV0 1、V02の総出力時間t0として決定し、各隣接電
圧ベクトルV1、V2および各零電圧ベクトルV01、V02
が、所定の順番で、決定された各出力時間t0、t1、t
2だけ出力されるようなPWM指令を生成している。
【0024】さらに、PWM発生回路7は、各零電圧ベ
クトルV0のうち第1の零電圧ベクトルV01だけを出力
する第1のモードと、各零電圧ベクトルV0のうち第2
の零電圧ベクトルV02だけを出力する第2のモードと、
第1の零電圧ベクトルV01と第2の零電圧ベクトルV02
とを出力時間が等しくなるように出力する第3のモード
とに設定可能となっている。
【0025】PWMモード演算器8は、電圧指令ベクト
ルVrefを入力し電圧指令ベクトルVrefの単位時間当た
りの変化である時間変化率を算出する。この時間変化率
は、今回の電圧指令ベクトルVrefと前回の電圧指令ベ
クトルVrefとを比較することなどによって容易に求め
ることができる。
【0026】PWMモード演算器8は、PWM周期t
PWM毎に、電圧指令ベクトルVrefの時間変化率が設定値
より小さい場合にはPWM発生器7を第1のモードある
いは第2のモードに設定し、時間変化率が設定値以上で
ある場合にはPWM発生回路7を第3のモードに設定す
る。
【0027】さらに、PWMモード演算器8の動作を詳
細に説明する。PWMモード演算器8は、電圧指令ベク
トルVrefの単位時間当たりの変化である時間変化率が
設定値より小さい場合には、第1の電圧ベクトルV1
基準とした電圧指令ベクトルVrefの位相θ(図2参
照)が、0°≦θ≦30°であるか30°<θ≦60°
であるかを判別する。そして、PWMモード演算器8
は、0°≦θ≦30°であった場合には、PWM発生回
路7に第1のモードを設定するために、k=1として、
k=1であることを示す信号をPWM発生回路7に出力
する。また、PWMモード演算器8は、30°<θ≦6
0°であった場合には、PWM発生回路7に第2のモー
ドを設定するために、k=0とし、k=0であることを
示す信号をPWM発生回路7に出力する。
【0028】また、電圧指令ベクトルVrefの単位時間
当たりの変化である時間変化率が設定値以上である場合
には、PWMモード演算器8は、PWM発生回路7に第
3のモードを設定するために、k=0.5として、k=
0.5であることを示す信号をPWM発生回路7に出力
する。
【0029】図3は、本実施形態のPWM制御インバー
タの動作をまとめた表である。図3には、本実施形態の
PWM制御インバータにおけるkの値と、そのkの値が
PWMモード演算器8によって選択される条件と、その
kの値が選択されたときにPWM発生回路7が発生する
電圧ベクトルの順序とが示されている。
【0030】図3に示すように、PWMモード演算器8
によって、電圧指令ベクトルの変化率とVrefによって
kの値が選択され、PWM発生回路7では、そのkの値
毎に予め定められている所定の電圧ベクトルの順序によ
って、1周期分のPWM指令を作成して出力する。な
お、この所定の順序は、IGBTのスイッチング回数が
最も少なくなるような順序となっている。
【0031】以上述べたように、本実施形態のPWM制
御インバータでは、第1のモード、第2のモードおよび
第3のモードに切り換え可能なPWM発生器7を備える
ことによって、第1のモード、第2のモードが設定され
たときには2相変調方式でPWM制御を行ない、第3の
モードが設定されたときには3相変調方式でPWM制御
を行なうことができるようになるため、スイッチング損
失の低減化と、高制御性能化との両方を実現することが
できる。
【0032】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態のPWM制御インバータについて説明する。図
4は、本実施形態のPWM制御インバータの構成を示す
ブロック図である。
【0033】本実施形態のPWM制御インバータは、P
WM発生回路7およびPWMモード演算器8の代わり
に、PWM発生回路17およびPWMモード演算器18
を用いている点が、第1の実施形態のPWM制御インバ
ータと異なっている。
【0034】PWM発生回路17の動作は、PWM指令
を生成する際に現在設定されているkの値が0であるの
か、0.5であるのか、1であるのかを示す信号をPW
Mモード演算器18に出力している点だけが、PWM発
生回路7の動作と異なっている。
【0035】PWMモード演算器18は、電圧指令ベク
トルVrefの時間変化率が設定値より小さい場合には、
設定値とその設定値から時間変化率を減算した時間との
比と第1のモードあるいは第2のモードの設定時間と第
3のモードの設定時間との比が等しくなるように、第1
のモードあるいは第2のモードと、第3のモードとをP
WM発生器7に設定し、時間変化率が設定値以上である
場合にはPWM発生器7に第3のモードを設定する。
【0036】さらに、PWMモード演算器18の動作を
詳細に説明する。PWMモード演算器18は、電圧指令
ベクトルVrefの単位時間当たりの変化である時間変化
率が設定値以上である場合には、k=0.5として、第
3のモードをPWM発生回路17に設定するためにk=
0.5であることを示す信号をPWM発生回路7に出力
し、電圧指令ベクトルVrefの単位時間当たりの変化で
ある時間変化率が設定値より小さい場合には、まず、第
1電圧ベクトルV1を基準とした電圧指令ベクトルVref
の位相θ(図2参照)が、0°≦θ≦30°であるか3
0°<θ≦60°であるかを判別する点は、PWMモー
ド演算器8と同じである。
【0037】しかし、PWMモード演算器18は、電圧
指令ベクトルVrefの単位時間当たりの変化である時間
変化率が設定値より小さく、位相θが、0°≦θ≦30
°である場合には、設定値とその設定値から時間変化率
を減算した時間との比と第1のモードの設定時間と第3
のモードの設定時間との比が等しくなるように、第1の
モードと、第3のモードとをPWM発生器7に設定す
る。
【0038】例えば、電圧指令ベクトルVrefの設定値
を1としたときに時間変化率が0.1であった場合に
は、PWMモード演算器18は、零電圧ベクトルの発生
時間におけるk=1が設定されている時間とk=0.5
が設定されている時間との比は1:9となる。
【0039】また、PWMモード演算器18は、位相θ
が30°<θ≦60°である場合には、電圧指令ベクト
ルVrefの設定値とその設定値から時間変化率を減算し
た時間との比と、第2のモードの設定時間と第3のモー
ドの設定時間との比が等しくなるように、第2のモード
と第3のモードとをPWM発生回路7に設定する。
【0040】前述のように、本実施形態のPWM制御コ
ンバータでは、PWM発生回路17は、現在、PWM発
生回路17に設定されているkの値をPWMモード演算
器18に出力している。そのため、PWMモード演算器
18は、前回設定したkの値を把握して、次に設定すべ
きkの値を速やかにPWM発生回路7に設定することが
できる。そのため、第1のモードと第3のモードとはど
ちらが先に設定されてもよい。
【0041】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態のPWM制御インバータについて説明する。図
5は、本実施形態のPWM制御インバータの構成を示す
ブロック図である。
【0042】本実施形態のPWM制御インバータでは、
PWMモード演算器8の代わりに、PWMモード演算器
28を備え、座標変換器10と、電流制御器11とを新
たに備えている点が、第1の実施形態のPWM制御イン
バータと異なっている。
【0043】PWMモード演算器28は、電圧指令ベク
トルVrefではなく、電流指令Irefを入力し、電流指令
refの時間変化率が設定値以上であるか否かでkの値
を決定する点だけが、PWMモード演算器8と異なって
いる。
【0044】座標変換器10は、電流検出器3で検出し
た負荷4の3相に流れる交流電流を直流電流値に変換す
るものであり、電流制御器11は、電流指令Irefと座
標変換器10から出力された直流電流値とが一致するよ
うに電流制御を行ない、PWM発生回路7に電圧指令ベ
クトルVrefを出力するものである。
【0045】以上述べたように、kの値の設定は、電圧
指令ベクトルVrefの時間変換率に基づいて行われても
よいし、電流指令Irefの時間変化率に基づいて行われ
てもよい。また、PWM制御インバータが速度指令に実
速度を追従させるように動作するフィードバック回路を
備え、速度制御も行なっている場合には、kの値の設定
は、速度指令の時間変化率に基づいて行われてもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明のPWM制御インバータでは、第
1のモード、第2のモードおよび第3のモードに切り換
え可能なPWM発生回路を備えることによって、第1の
モード、第2のモードが設定されたときには2相変調方
式でPWM制御を行ない、第3のモードが設定されたと
きには3相変調方式でPWM制御を行なうことができる
ようになるため、スイッチング損失の低減化と、高制御
性能化との両方を実現することができる。即ち、本発明
は、高い制御性能が要求される過渡状態では3相変調P
WM制御に、制御性能を要求されない定常状態では2相
変調PWM制御に連続的に可変するPWMインバータを
実現できる。これによりスイッチング損失の低減と高い
制御性能を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のPWM制御インバー
タの構成を示すブロック図である。
【図2】電圧指令ベクトルの位相を示す図である。
【図3】本実施形態のPWM制御インバータの動作をま
とめた表である。
【図4】本発明の第2の実施形態のPWM制御インバー
タの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施形態のPWM制御インバー
タの構成を示すブロック図である。
【図6】従来のPWM制御インバータの構成を示すブロ
ック図である。
【図7】空間ベクトル方式によるPWM指令の作成方法
を示すベクトル図である。
【符号の説明】
1 直流電源 2 相回路 3 電流検出器 4 負荷 5 オンディレイ回路 6 ドライブ回路 10 座標変換器 11 電流制御器 7、17、27、107 PWM発生回路 8、18、28 PWMモード演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桐野 博士 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内 (72)発明者 寺田 隆昭 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内 Fターム(参考) 5H007 AA03 BB06 CA01 CB05 DB02 DC02 EA02 EA06 EA09 5H576 BB02 DD02 DD04 EE11 HB01 KK08 LL22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオードが逆並列接続された2つの自
    己消弧形パワーデバイスが直列に接続された回路であ
    り、直流電源にそれぞれ並列に接続され、前記各自己消
    弧形パワーデバイス間が3相負荷の各相にそれぞれ接続
    され、前記各自己消弧形パワーデバイスのスイッチング
    パターンであるPWM指令に基づいて前記各自消弧形パ
    ワーデバイスがスイッチングされることによって3相負
    荷を駆動する3つの相回路と、 PWM周期毎に、上位装置から電圧指令ベクトルを入力
    し、前記各相回路から前記3相負荷の各相に出力される
    出力電圧の組み合せを要素とする8つの電圧ベクトルの
    うち、2つの零電圧ベクトルすなわち第1の零電圧ベク
    トルおよび第2の零電圧ベクトル以外の6つの電圧ベク
    トルの中から、前記電圧指令ベクトルに隣接する2つの
    隣接電圧ベクトルを選択し、前記電圧指令ベクトルを選
    択された前記各隣接電圧ベクトルに分解した場合の前記
    各隣接電圧ベクトルの成分比率を前記各隣接電圧ベクト
    ルの出力時間の前記PWM周期に対する比率として前記
    各隣接電圧ベクトルの出力時間を決定し、前記PWM周
    期から前記各隣接電圧ベクトルの出力時間の和を減算し
    た時間を前記2つの零電圧ベクトルの総出力時間として
    決定し、前記各隣接電圧ベクトルおよび前記各零電圧ベ
    クトルが、所定の順番で、決定された前記各出力時間だ
    け出力されるような前記PWM指令を生成するPWM発
    生手段とを備えるPWM制御インバータにおいて、 前記PWM発生手段は、前記各零電圧ベクトルのうち前
    記第1の零電圧ベクトルのみ出力する第1のモードと、
    前記各零電圧ベクトルのうち前記第2の零電圧ベクトル
    のみ出力する第2のモードと、前記第1の零電圧ベクト
    ルと前記第2の零電圧ベクトルとを出力時間が等しくな
    るように出力する第3のモードとを設定できるようにし
    たことを特徴とするPWM制御インバータ。
  2. 【請求項2】 前記電圧指令ベクトルの時間変化率が設
    定値より小さい場合には前記PWM発生手段を前記第1
    のモードあるいは前記第2のモードに設定し、前記時間
    変化率が設定値以上である場合には前記PWM発生手段
    を前記第3のモードに設定するPWMモード演算手段を
    さらに備える請求項1記載のPWM制御インバータ。
  3. 【請求項3】 前記電圧指令ベクトルの時間変化率が設
    定値より小さい場合には、前記設定値と前記設定値から
    前記時間変化率を減算した時間との比と前記第1のモー
    ドあるいは前記第2のモードの設定時間と前記第3のモ
    ードの設定時間との比が等しくなるように、前記第1の
    モードあるいは前記第2のモードと、前記第3のモード
    とを前記PWM発生手段に設定し、前記時間変化率が設
    定値以上である場合には前記PWM発生手段に前記第3
    のモードを設定するPWMモード演算手段をさらに備え
    る請求項1記載のPWM制御インバータ。
  4. 【請求項4】 前記3相負荷の各相に流れる交流電流を
    検出する電流検出器と、 該電流検出器によって検出された交流電流を直流電流に
    変換する座標変換器と、 上位装置から入力される電流指令と前記直流電流とが一
    致するように、電流制御を行なって前記電流指令を出力
    する電流制御手段と、 前記電流指令の時間変化率が設定値より小さい場合には
    前記PWM発生手段を前記第1のモードあるいは前記第
    2のモードに設定し、前記時間変化率が設定値以上であ
    る場合には前記PWM発生手段を前記第3のモードに設
    定するPWMモード演算手段をさらに備える請求項1記
    載のPWM制御インバータ。
  5. 【請求項5】 前記3相負荷の各相に流れる交流電流を
    検出する電流検出器と、 該電流検出器によって検出された前記3相負荷の各相に
    流れる交流電流を直流電流に変換する座標変換器と、 上位装置から入力される電流指令と前記直流電流とが一
    致するように、電流制御を行なって前記電流指令ベクト
    ルを出力する電流制御手段と、 前記電流指令の時間変化率が設定値より小さい場合に
    は、前記設定値と前記設定値から前記時間変化率を減算
    した時間との比と前記第1のモードあるいは前記第2の
    モードの設定時間と前記第3のモードの設定時間との比
    が等しくなるように、前記第1のモードあるいは前記第
    2のモードと、前記第3のモードとを前記PWM発生手
    段に設定し、前記時間変化率が設定値以上である場合に
    は前記PWM発生手段に前記第3のモードを設定するP
    WMモード演算手段とをさらに備える請求項1記載のP
    WM制御インバータ。
  6. 【請求項6】 上位装置から入力される速度指令に前記
    3相負荷の実速度を追従させるように速度制御を行なう
    フィードバック回路と、 前記速度指令の時間変化率が設定値より小さい場合には
    前記PWM発生手段を前記第1のモードあるいは前記第
    2のモードに設定し、前記時間変化率が設定値以上であ
    る場合には前記PWM発生手段を前記第3のモードに設
    定するPWMモード演算手段をさらに備える請求項1記
    載のPWM制御インバータ。
  7. 【請求項7】 上位装置から入力される速度指令に前記
    3相負荷の実速度を追従させるように速度制御を行なう
    フィードバック回路と、 前記速度指令の時間変化率が設定値より小さい場合に
    は、前記設定値と前記設定値から前記時間変化率を減算
    した時間との比と前記第1のモードあるいは前記第2の
    モードの設定時間と前記第3のモードの設定時間との比
    が等しくなるように、前記第1のモードあるいは前記第
    2のモードと、前記第3のモードとを前記PWM発生手
    段に設定し、前記時間変化率が設定値以上である場合に
    は前記PWM発生手段に前記第3のモードを設定するP
    WMモード演算手段とをさらに備える請求項1記載のP
    WM制御インバータ。
  8. 【請求項8】 ダイオードが逆並列接続された2つの自
    己消弧形パワーデバイスが直列に接続された回路であ
    り、直流電源にそれぞれ並列に接続され、前記各自己消
    弧形パワーデバイス間が3相負荷の各相にそれぞれ接続
    され、前記各自己消弧形パワーデバイスのスイッチング
    パターンであるPWM指令に基づいて前記各自消弧形パ
    ワーデバイスがスイッチングされることによって3相負
    荷を駆動する3つの相回路と、 PWM周期毎に上位装置から電圧指令ベクトルを入力
    し、前記各相回路から前記負荷の各相に出力される出力
    電圧の組み合せを要素とする8つの電圧ベクトルのう
    ち、大きさが零である2つの零電圧ベクトルすなわち第
    1の零電圧ベクトルおよび第2の零電圧ベクトル以外の
    6つの電圧ベクトルのうち、前記電圧指令ベクトルを隣
    接する2つの隣接電圧ベクトルに分解した場合の前記各
    隣接電圧ベクトルの成分比率を前記各隣接電圧ベクトル
    の出力時間の前記PWM周期に対する比率として前記各
    出力時間を決定し、前記PWM周期から前記各隣接電圧
    ベクトルの出力時間の和を減算した時間を前記2つの零
    電圧ベクトルの総出力時間として決定し、前記2つの零
    電圧ベクトルのうち前記第1の零電圧ベクトルのみ出力
    する第1のモードと、前記2つの零電圧ベクトルのうち
    前記第2の零電圧ベクトルのみ出力する第2のモード
    と、前記第1の零電圧ベクトルと前記第2の零電圧ベク
    トルとを出力時間が等しくなるように出力する第3のモ
    ードとに設定可能であり、各モードのうち設定されたモ
    ードに従って、前記各隣接電圧ベクトルおよび前記各零
    電圧ベクトルが所定の順番で、決定された前記各出力時
    間だけ出力されるような前記PWM指令を生成するPW
    M発生手段とを備えるPWM制御インバータの制御方法
    であって、 電圧指令ベクトルの時間変化率が設定値より小さい場合
    には、前記PWM発生手段を前記第1のモードあるいは
    前記第2のモードに切り換え、前記時間変化率が設定値
    以上である場合には、前記PWM発生手段を前記第3の
    モードに設定するPWM制御インバータの制御方法。
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