JP2002058251A - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

電力変換器の制御装置

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JP2002058251A
JP2002058251A JP2000239389A JP2000239389A JP2002058251A JP 2002058251 A JP2002058251 A JP 2002058251A JP 2000239389 A JP2000239389 A JP 2000239389A JP 2000239389 A JP2000239389 A JP 2000239389A JP 2002058251 A JP2002058251 A JP 2002058251A
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voltage
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JP2000239389A
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Kiwamu Suzuki
究 鈴木
Naoya Eguchi
直也 江口
Osamu Motoyoshi
攻 元吉
Masahiko Hanazawa
昌彦 花澤
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 零電圧を含む微小電圧から高い電圧まで連続
的に制御可能な制御装置を実現する。 【解決手段】 電圧指令演算回路1と、電圧指令バイア
ス発生回路4と、バイアスB1に応じて第1の電圧指令
の振幅を決定する振幅切替回路7と、第2,第3の
電圧指令V ,V を発生する加算器21,22
と、基準搬送波Trを発生する発振器10と、互いに異
なる第1〜第4の搬送波バイアスを基準搬送波に加算し
て第1〜第4の搬送波を生成する加算器23〜26と、
電圧指令V と加算器23,24出力の搬送波とを比
較して2個のPWM信号P1,P3を生成する比較器6
1,62と、電圧指令V と加算器25,26出力の
搬送波とを比較して2個のPWM信号P2,P4を生成
する比較器63,64と、これら4個のPWM信号から
1相分の8個の半導体素子に対するPWM信号を生成す
る反転回路等を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1相当たり5以上
の奇数個の電位を出力可能な、PWM制御される電力変
換器の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来のマルチレベルインバータ
の主回路構成を示す図であり、例えば、公知文献1の
「多レベルインバータ」(平成4年電気学会全国大会シ
ンポジウムS.8−4)に記載されたものである。図1
1は、図10の回路を基本にして構成された5レベルイ
ンバータの主回路であり、その構成及び動作を以下に説
明する。
【0003】図11において、Eは直流電源(その電
圧値もEとする)、P,Nは直流入力端子、C〜C
は直流平滑コンデンサ、D〜D18はクランプダイ
オード、Q〜Q24は半導体素子としてのIGBT
(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、R,S,Tは
交流出力端子、Mは負荷としての三相交流電動機であ
る。この例では、直流入力端子P,N間に直流電源が接
続されているが、一般的には、ダイオードコンバータ等
の整流器が直流入力端子P,N間または個々のコンデン
サC〜C間に接続される。各部の電位は、直流電源
両端の+2E(端子P)及び−2E(端子N)のほ
かに、直列接続されたコンデンサC〜Cの分圧によ
る0(中性点),+E,−Eがあり、各相からはこ
れら5個の電位を出力可能である。
【0004】図12は、図11の1相分(R相)の出力
電圧レベルに対するIGBT Q〜Qのスイッチン
グ状態(オンまたはオフ)を示している。図12から明
らかなように、スイッチング素子QとQ、QとQ
、QとQ、QとQの2個ずつ4組の素子は、
それぞれオン状態とオフ状態とが排他的(一方がオン状
態ならば他方はオフ状態)な動作関係にある。これらの
関係を使って出力電圧の大きさを切替える過程を説明す
ると、出力電圧V=+2Eの状態からスイッチング
素子Qをオフすると排他的な関係にあるQがオン
し、この時点で出力電圧V=+Eとなる。同様にし
てQをオフするとQがオンし、出力電圧はV=+
からV=0に切り替わる。
【0005】図13は、公知文献2の「A New Multilev
el PWM Method:A Theoretical Analisys」(IEEE TRANSA
CTIONS ON POWER ELECTRONICS, VOL.7, NO.3, 1992)に
記載されているマルチレベルインバータ(この場合は5
レベルインバータ)に対するPWM演算方法を示す搬送
波及び電圧指令の波形図(図13(a))と出力電圧波
形図(同(b))であり、4つの搬送波と正弦波の電圧
指令とを比較してPWM信号を生成し、このPWM信号
により半導体素子をオン、オフして出力電圧を制御して
いる。図13では、電圧指令に基づいて出力電圧を発生
するまでの過程が明らかでないため、この点を図14〜
図16を用いて説明する。
【0006】図14は、1相分(例えばR相)に対するP
WM信号の発生方法を示す制御ブロック図である。図1
4において、1は電圧指令演算回路、10は搬送波発振
器、91,92は搬送波バイアス設定回路、23〜26
は加算器、61〜64は電圧指令V と加算器23〜
26の出力信号とを比較してPWM信号P1〜P4を発
生する比較器である。図15は、PWM信号P1〜P4
を主回路のIGBT Q〜Qに分配する方法を示し
ており、901〜904は反転回路である。また、図1
6は電圧指令からR相電圧が生成されるまでの過程を示
したPWM演算方法の波形図であり、V は電圧指
令、λは変調率指令、TRI1〜TRI4は三角波で
ある搬送波(加算器23〜26の出力信号)である。
【0007】図16において、(1)電圧指令V
変調率指令λと電圧位相指令θとに基づいて図14
の電圧指令演算回路1により演算される。これらの関係
は、電圧指令を正弦波とした場合に数式(1)により表
される。 V =λ・sinθ ---------- (1)
【0008】(2)PWM演算に示した搬送波TRI1
〜TRI4は、図14の搬送波発振器10から出力され
た基準搬送波Trに搬送波バイアス設定回路91,92
から出力されたバイアスを加減算した結果である。すな
わち、搬送波TRI1〜TRI4は数式(2)〜(5)
によって表される。 TRI1=Tr+1.0 ---------- (2) TRI2=Tr−1.0 ---------- (3) TRI3=Tr+3.0 ---------- (4) TRI4=Tr−3.0 ---------- (5) ここで、搬送波発振器10から出力される基準搬送波T
rは、振幅が1.0で一定の周波数を持つ関数と考えれ
ば良い。
【0009】次に、図14の比較器61により電圧指令
と搬送波TRI1とが比較され、図15に示すご
とくIGBT Q,Qのスイッチングを行なうPW
M信号P1が演算される。 このPWM信号P1のレベル
は、V ≧TRI1の時はHighレベル、V <TR
I1の時はLowレベルとなる。他のPWM信号P2〜P
4についても同様にして図16のように生成され、IG
BT Q1〜Qは対応するPWM信号がHighレベル(Lo
wレベル)の時にオン(オフ)状態となり、一方、Q
〜Qは既に述べた関係から排他的なスイッチング状態
となる。以上の動作により決定されたスイッチング状態
の組合せから、図16(7)のようなR相電圧Vが出
力される。
【0010】図17はマルチレベルインバータの他の従
来技術を示す主回路構成図であり、例えば、公知文献3
の「Multilevel Converters - A New Breed of Power C
onverters」(IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICAT
IONS, VOL.32, NO.3, MAY/JUNE 1996)等に記載されてい
る。この方式は隣り合う単相インバータの交流出力端子
を順次直列に繋ぎ合わせることで、マルチレベルインバ
ータを構成するものである。
【0011】更に、図18は、半導体素子をIGBTと
した5レベルインバータの例であり、それぞれの交流出
力端子が直列接続されたR相インバータINV1,IN
V2の直列回路と、同じくS相インバータINV1,I
NV2の直列回路と、同じくT相インバータINV1,
INV2の直列回路との各一端を出力端中性点Oとし、
各他端の出力端子R,S,Tが負荷としての交流電動機
Mに接続されている。なお、Eは直流電源、P〜P
は正極、N〜Nは負極、C〜Cは直流平滑コ
ンデンサ、Q〜Q24はIGBTである。
【0012】図19は、図18における出力端中性点O
を基準とした1相(R相)分の出力電圧に対応するスイ
ッチング状態(IGBTのオンまたはオフ状態)を、I
GBT Q〜Qを例にとって示している。図18に
示される主回路は単相インバータを基本とした構成であ
るため、QとQ、QとQ、QとQ、Q
の4組の素子がそれぞれ排他的な動作関係になる。
【0013】図20は図18の主回路におけるR相イン
バータINV1,INV2を例にとって、4個のPWM
信号P1〜P4を各IGBT Q〜Qに分配する方
法を示している。901〜906は反転回路である。先
の図14に示した制御ブロック図に従って生成したPW
M信号P1〜P4を図20のごとく分配してIGBT
〜Qをスイッチングすることで、図10,図11
の従来技術と同様に、図16のような出力電圧(R相電
圧)Vを得ることができる。
【0014】図21はマルチレベルインバータ(5レベ
ルインバータ)の更に別の従来技術を示す主回路構成図
であり、例えば、公知文献4の「スター結線方式による
高圧インバータ」(平成11年電気学会全国大会NO.79
1)等に記載されている。この方式は、先の公知文献3
の主回路において単相インバータ部分をNPC(中性点
クランプ形)インバータとした構成である。
【0015】図22は、図21の出力端中性点Oを基準
とした1相分の出力電圧に対応するスイッチング状態を
IGBT Q〜Qにつき示したものである。図21
のマルチレベルインバータはNPCインバータを基本に
した構成であり、IGBTQとQ、QとQ、Q
とQ、QとQの4組の素子が何れも互いに排他
的な動作関係になっている。このようなNPCインバー
タの動作については、例えば特開昭56−74088号
公報等に記載されている。図23は、4個のPWM信号
P1〜P4を分配する方法を示しており、これらのPW
M信号P1〜P4に基づいてIGBT Q〜Qをス
イッチングすれば、図16のような出力電圧Vを得る
ことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述した各種の従来技
術では、出力電圧の大きさをある程度制御可能である
が、零電圧を含む微小電圧の制御方法が考慮されていな
いため、特に電動機のように低周波数領域で零電圧に近
い電圧を必要とする用途では制御性能が悪化する問題が
ある。図24から明らかなように、変調率指令λを小
さくすると電圧指令V の振幅が小さくなる。この
時、電圧指令V は搬送波(三角波)のピークに近づ
くのでPWM信号のパルス幅は次第に狭くなり、出力さ
れる電圧の値も小さくなる。
【0017】微小な出力電圧を得るには、理論上はパル
ス幅をその分だけ狭くすれば良いが、実際の装置では制
御回路側の遅れ時間やIGBT等の半導体素子の特性
(ターンオンまたはターンオフ時間)から決まるパルス
幅の最小値があり、これより狭いパルスは出力すること
ができない。このため、出力電圧の最小値も制限される
ことになる。また、仮に半導体素子に狭いパルスを与え
てもオン状態(またはオフ状態)を確立できないことか
ら動作は不安定になり、必要な電圧を確保できなくな
る。
【0018】以上は電圧指令V が搬送波の上側また
は下側のピークに接近したことで発生する問題であり、
図16の(2)、図24の(2)において電圧指令V
が±4.0及び±2.0の付近に達する出力電圧領域
でも発生するが、この場合は電圧指令V のピーク付
近(電圧指令位相が90°と270°付近)の比較的狭
い領域なので影響は小さいと考えられる。これに対し
て、電圧指令V の零付近では、電圧指令V の1
周期中のほぼ全領域が搬送波のピーク付近に達するこ
と、更には、周波数が低い場合は出力電圧の1周期中で
発生するパルスの数が多くなることから、影響が大きく
なる。
【0019】そこで本発明は、零電圧を含む微小な電圧
を始めとして負荷が必要とする電圧の全領域にわたり出
力電圧を連続的に制御可能とした電力変換器の制御装置
を提供しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、搬送波と電圧指令とを比較して電力変
換器の半導体素子に対するPWM信号を生成するPWM
方式において、零電圧を含む微小な電圧を必要とする領
域で電圧指令に対する正負のバイアスを設定する。そし
て、このバイアス(電圧指令バイアス)を変調率や電圧
指令の周波数に応じて切り替えることで、零電圧を含む
微小な大きさで低い周波数領域から高い出力電圧の領域
までを連続的かつ安定に制御するようにした。
【0021】すなわち、請求項1記載の発明は、互いに
排他的にスイッチング動作する2個の半導体素子を主回
路1相につきn(nは4以上の偶数)組備え、これらn
組の半導体素子のスイッチング状態の組合せにより1相
当たり最大(n+1)個の電位を出力可能な電力変換器
の制御装置において、第1の電圧指令を発生する手段
と、第1の電圧指令に対する電圧指令バイアスを発生す
る手段と、前記電圧指令バイアスに応じて第1の電圧指
令の振幅を決定する手段と、第1の電圧指令に電圧指令
バイアスを加減算して得た量に基づいて第2の電圧指令
及び第3の電圧指令を発生する手段と、基準搬送波を発
生する手段と、前記基準搬送波に対するバイアスであっ
て互いに異なる第1〜第nの搬送波バイアスを前記基準
搬送波にそれぞれ加算して第1〜第nの搬送波を生成す
る手段と、第2の電圧指令と(n/2)個の搬送波とを
それぞれ比較して(n/2)個のPWM信号を生成する
手段と、第3の電圧指令と残りの(n/2)個の搬送波
とをそれぞれ比較して(n/2)個のPWM信号を生成
する手段と、生成された合計n個のPWM信号から1相
分の2n個の半導体素子に対するPWM信号を生成する
手段と、を備えたものである。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1記載の電
力変換器の制御装置において、前記電圧指令バイアスを
変調率に基づいて決定するものである。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項1記載の電
力変換器の制御装置において、前記電圧指令バイアスを
電圧指令の周波数に基づいて決定するものである。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項1記載の電
力変換器の制御装置において、前記電圧指令バイアスを
変調率及び電圧指令の周波数に基づいて決定するもので
ある。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項1,2,3
または4の何れか1項に記載した電力変換器の制御装置
において、前記基準搬送波の周波数を電圧指令の周波数
に基づいて決定するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。まず、図1は本発明の第1実施形態を示
す1相分の制御ブロック図であり、請求項1,2の発明
の実施形態に相当する。図1において、1は変調率指令
λ及び電圧位相指令θに基づいて電圧指令(第1の
電圧指令)を演算する電圧指令演算回路、4は変調率指
令λの大きさに応じた電圧指令バイアスB1を発生す
る電圧指令バイアス発生回路、7は電圧指令バイアスB
1の大きさに応じて第1の電圧指令Vの振幅を切り替
える振幅切替回路、10は基準搬送波Trを出力する搬
送波発振器、21,22は振幅切替回路7から出力され
る第1の電圧指令V(R相電圧であればV )に対
してバイアスB1を加算または減算する加算器、91,
92は搬送波バイアス設定回路、23〜26は搬送波発
振器10からの基準搬送波Trに搬送波バイアスを加え
るための加算器、61,62は加算器21から出力され
る第2の電圧指令V と加算器23または24の出力
信号とを比較してPWM信号P1,P3を発生する比較
器、63,64は加算器22から出力される第2の電圧
指令V と加算器25または26の出力信号とを比較
してPWM信号P2,P4を発生する比較器である。
【0027】次に、この実施形態の動作を説明する。零
電圧を含むような低い電圧指令の場合(変調率指令が小
さい場合)には、電圧指令バイアスB1を零以外のB1
=0.5のような値に設定する。この時、振幅切替回路
7では、バイアスB1に対応させて電圧指令演算回路1
の出力である第1の電圧指令の振幅を1/2倍とする。
【0028】次いで、電圧指令が大きくなった場合(変
調率指令が大きい場合)には、電圧指令バイアスB1を
B1=0とする。この時、振幅切替回路7では、バイア
スB1に対応させて第1の電圧指令の振幅を1倍(すな
わちバイアスをかけない状態)とする。ここで、第1の
電圧指令の振幅を切替えるか否かの判定は、変調率指令
の大きさを搬送波(三角波)の振幅(1.0)と比較し
て行えば良い。
【0029】以上の動作を数式によって表すと、数式
(6),(7)のようになる。 B1=0.5 (λ<1.0),または、 B1=0 (λ≧1.0) ---------- (6) V=(1/2)・sinθ (B1=0.5),または、 V=sinθ (B1=0) ---------- (7)
【0030】図1の加算器21,22により、数式
(6)に示す電圧指令バイアスB1を数式(7)の第1
の電圧指令Vに加算すると、第2,第3の電圧指令V
,V が生成される。これらの電圧指令V
は、数式(8),(9)によって表される。 V =V+B1 ---------- (8) V =V−B1 ---------- (9)
【0031】ここで、V は正側の出力電圧を発生す
るための電圧指令であり、比較器61,62においてそ
れぞれ加算器23,24の出力信号と比較されてPWM
信号P1,P3が生成される。なお、加算器23の出力
信号は前述した数式(2)による搬送波TRI1であ
り、加算器24の出力信号は前述した数式(4)による
搬送波TRI3である。また、V は負側の出力電圧
を発生するための電圧指令であり、比較器63,64に
おいてそれぞれ加算器25,26の出力信号と比較され
てPWM信号P2,P4が生成される。なお、加算器2
5の出力信号は前述した数式(3)による搬送波TRI
2であり、加算器26の出力信号は前述した数式(5)
による搬送波TRI4である。これらのPWM信号P
1,P2,P3,P4は、例えば図15に示したような
分配方法によって主回路のIGBT Q〜Qに供給
される。
【0032】図9は、本実施形態におけるR相1相分の
PWM演算方法を示す波形図である。この例ではλ
1.0であるから、B1=0.5であり、第1の電圧指
令V は、V =(1/2)・sinθである。ま
た、数式(8)、数式(9)から、VRa =V
B1,VRb =V −B1である。図9と図24と
を比較すると、本実施形態の図9の電圧指令は図24よ
りも一層小さいにも関わらず、電圧指令V の1周期
全域にわたってPWM信号P1,P2が得られており、
振幅が零近傍であって低周波数領域であっても出力電圧
(R相電圧)Vを連続的に制御可能であることがわか
る。
【0033】次に、本発明の第2実施形態を説明する。
この実施形態は、請求項3に記載した発明の実施形態に
相当する。図2において、5はインバータの周波数指令
(電圧指令の周波数)finv に応じて電圧指令バイ
アスB1を出力する電圧指令バイアス発生回路であり、
このバイアス発生回路5以外の構成は図1と同一であ
る。上記バイアス発生回路5は周波数指令finv
大きさに従って電圧指令バイアスB1の大きさを切替え
る機能を持っている。
【0034】この動作を説明すると、周波数が低い領域
では出力電圧が小さいのでバイアスB1を零以外のB1
=0.5のように設定し、第1実施形態と同様に零電圧
を含む微小な電圧制御を可能にする。この時の振幅切替
回路7の動作は前述した通りである。次に、周波数が高
くなるとバイアスB1をB1=0とする。この時の振幅
切替回路7の動作も前述した通りである。ここで、バイ
アスB1の切替基準となる周波数fの大きさは、例え
ば運転周波数の最大値に対して1/2以下の適宜な値と
すれば良い。
【0035】以上を整理すると、電圧指令バイアスB1
の大きさは数式(10)のようになる。 B1=0.5 (finv <f),または、 B1=0 (finv ≧f) ---------- (10) 数式(10)に示すバイアスB1の値に基づいて振幅切
替回路7が電圧指令を出力した後の動作は、第1実施形
態と同様である。
【0036】次いで、本発明の第3実施形態を図3を参
照しつつ説明する。この実施形態は、請求項4に記載し
た発明の実施形態に相当する。図3において、6は電圧
指令バイアス発生回路であり、この回路6は第1実施形
態のように変調率指令の大きさによりバイアスB1を切
り替える機能と第2の実施形態のように周波数指令の大
きさによりバイアスB1を切り替える機能とを併せ持っ
ている。その動作は第1,第2実施形態から容易に理解
できるので説明を省略する。なお、電圧指令バイアス発
生回路6以外の構成は第1,第2実施形態と同一であ
る。
【0037】本発明の第4実施形態を図4を参照しつつ
説明する。この実施形態は、請求項5に記載した発明の
実施形態に相当しており、図1における搬送波発振器1
0を周波数指令finv 及び電圧位相指令θに基づ
いて基準搬送波Trを演算する搬送波発振器11に置き
換えたものである。その他の構成は図1と同様である。
【0038】一般に、出力電圧の大きさ及び周波数を可
変とするインバータでは、出力電圧が低くしかも周波数
が直流(周波数零)を含む低周波数領域から、出力電圧
が高く商用周波数を超える高周波数領域まで、インバー
タの出力電圧の大きさ及び周波数を連続的に制御しなけ
ればならない。このためには、出力周波数の低周波領域
では搬送波の周波数を一定として周波数指令(電圧指令
の周波数)のみを変化させる非同期式PWMとし、高周
波領域では周波数指令と搬送波周波数との比率を数式
(11)のように一定とする同期式PWMが採用され
る。 f=NN・finv -------- (11) なお、数式(11)における各値は次のとおりである。 f:搬送波周波数 finv :周波数指令 NN:周波数指令と搬送波周波数との比率(変調比)
【0039】このため、第4実施形態では、周波数指令
inv を予め設定した切替周波数fasytosyと比較
し、数式(12)に従って搬送波周波数fを決定する
ようにした。数式(12)において、fcasy は定数で
ある。なお、切替周波数fasy tosyは搬送波周波数f
の10分の1程度に設定すれば良い。 f=fcasy (finv <fasytosy),または、 f=NN・finv (finv ≧fasytosy)-------- (12) このようにして決定された周波数fを持つ基準搬送波
Trに基づいて、以後は先の各実施形態と同様に搬送波
TRI1〜TRI4が生成される。
【0040】図5〜図8は、本発明の第5〜第8実施形
態に相当する。これらの実施形態はそれぞれ請求項1〜
5の発明の実施形態でもある。つまり、前述の第1〜第
4実施形態は本発明を5レベルインバータに適用した場
合のものであるが、第5〜第8実施形態は本発明を7レ
ベル、9レベル等の奇数レベルのマルチレベルインバー
タに拡張したものであって、例えば9レベルインバータ
に適用した例である。この場合、1相当たりの半導体素
子数は16(請求項1におけるn=8)となり、例えば
図5に示す8個のPWM信号P1〜P8とそれらの反転
信号とによって16個の半導体素子がオン、オフされ
る。図5〜図8において、93,94は搬送波バイアス
設定回路、27,29〜32は加算器、65〜68は比
較器を示す。その他の構成要素は図1〜図4と同一符号
を付してある。これらの第5〜第8実施形態の動作は第
1〜第4実施形態から容易に類推可能であるため、その
説明は省略する。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、マル
チレベルインバータのPWM演算方法において、零電圧
を含む微小な電圧を出力できるように電圧指令に対する
バイアスを変調率指令や周波数指令に応じて切り替える
ようにしたため、負荷が必要とする電圧の全領域で出力
電圧を連続的に制御することができる。また、本発明は
特定の主回路構成だけでなく様々な構成のマルチレベル
インバータに共通して適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す制御ブロック図で
ある。
【図2】本発明の第2実施形態を示す制御ブロック図で
ある。
【図3】本発明の第3実施形態を示す制御ブロック図で
ある。
【図4】本発明の第4実施形態を示す制御ブロック図で
ある。
【図5】本発明の第5実施形態を示す制御ブロック図で
ある。
【図6】本発明の第6実施形態を示す制御ブロック図で
ある。
【図7】本発明の第7実施形態を示す制御ブロック図で
ある。
【図8】本発明の第8実施形態を示す制御ブロック図で
ある。
【図9】本発明の第1〜第3実施形態によるPWM演算
方法を示す波形図である。
【図10】公知文献1におけるマルチレベルインバータ
の主回路構成図である。
【図11】公知文献1に基づく5レベルインバータの主
回路構成図である。
【図12】公知文献1に基づく5レベルインバータの1
相分のスイッチング状態と出力電圧の対応関係を示す図
である。
【図13】公知文献2における5マルチレベルインバー
タのPWM演算方法を示す波形図と出力電圧波形図であ
る。
【図14】従来技術の制御ブロック図である。
【図15】図11の主回路に対するPWM信号の分配方
法を示す図である。
【図16】従来技術におけるPWM演算方法を示す波形
図である。
【図17】公知文献3におけるマルチレベルインバータ
の主回路構成図である。
【図18】公知文献3に基づく5レベルインバータの主
回路構成図である。
【図19】図18の1相分のスイッチング状態と出力電
圧の対応関係を示す図である。
【図20】図18の主回路に対するPWM信号の分配方
法を示す図である。
【図21】公知文献4におけるマルチレベルインバータ
の主回路構成図である。
【図22】図21の1相分のスイッチング状態と出力電
圧の対応関係を示す図である。
【図23】図21の主回路に対するPWM信号の分配方
法を示す図である。
【図24】従来技術におけるPWM演算方法を示す波形
図である。
【符号の説明】
1 電圧指令演算回路 4,5,6 電圧指令バイアス発生回路 7 振幅切替回路 10,11 搬送波発振器 21〜32 加算器 61〜68 比較器 91〜94 搬送波バイアス設定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元吉 攻 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 花澤 昌彦 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5H007 BB06 CA01 CB05 CC04 CC06 CC14 DA06 DB01 EA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに排他的にスイッチング動作する2
    個の半導体素子を主回路1相につきn(nは4以上の偶
    数)組備え、これらn組の半導体素子のスイッチング状
    態の組合せにより1相当たり最大(n+1)個の電位を
    出力可能な電力変換器の制御装置において、 第1の電圧指令を発生する手段と、 第1の電圧指令に対する電圧指令バイアスを発生する手
    段と、 前記電圧指令バイアスに応じて第1の電圧指令の振幅を
    決定する手段と、 第1の電圧指令に電圧指令バイアスを加減算して得た量
    に基づいて第2の電圧指令及び第3の電圧指令を発生す
    る手段と、 基準搬送波を発生する手段と、 前記基準搬送波に対するバイアスであって互いに異なる
    第1〜第nの搬送波バイアスを前記基準搬送波にそれぞ
    れ加算して第1〜第nの搬送波を生成する手段と、 第2の電圧指令と(n/2)個の搬送波とをそれぞれ比
    較して(n/2)個のPWM信号を生成する手段と、 第3の電圧指令と残りの(n/2)個の搬送波とをそれ
    ぞれ比較して(n/2)個のPWM信号を生成する手段
    と、 生成された合計n個のPWM信号から1相分の2n個の
    半導体素子に対するPWM信号を生成する手段と、 を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電力変換器の制御装置に
    おいて、 前記電圧指令バイアスを変調率に基づいて決定すること
    を特徴とする電力変換器の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電力変換器の制御装置に
    おいて、 前記電圧指令バイアスを電圧指令の周波数に基づいて決
    定することを特徴とする電力変換器の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電力変換器の制御装置に
    おいて、 前記電圧指令バイアスを変調率及び電圧指令の周波数に
    基づいて決定することを特徴とする電力変換器の制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4の何れか1項
    に記載した電力変換器の制御装置において、 前記基準搬送波の周波数を電圧指令の周波数に基づいて
    決定することを特徴とする電力変換器の制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012196013A (ja) * 2011-03-15 2012-10-11 Meidensha Corp マルチレベル電力変換器
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JP2015503902A (ja) * 2012-01-11 2015-02-02 ボンバルディール・トランスポーテイション・ゲゼルシヤフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング カスケード式マルチレベル変換器の切換シーケンスの生成
JP2015126546A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 川崎重工業株式会社 電力変換装置の制御方法及び電力変換装置
CN108282102A (zh) * 2017-01-06 2018-07-13 南京航空航天大学 一种适用于混合级联h桥多电平逆变器的三倍频载波移相调制方法

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