JP2002134882A - 薄膜回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
いられる薄膜回路基板において、十分な厚みをもってパ
ターニングされた絶縁膜を安定して形成できるようにす
る。 【解決手段】 洗浄された基体1上に、導体膜3を所定
のパターンをもって形成した後、導体膜3を覆うよう
に、基体1上に絶縁膜4を形成する工程と、絶縁膜4を
パターニングする工程とを実施した後、さらに、第2の
絶縁膜5を形成する工程と、この絶縁膜5をパターニン
グする工程とを実施する、というように、絶縁膜を形成
する工程と絶縁膜をパターニングする工程とを必要回数
繰り返す。
Description
が形成され、この導体膜を覆うように基体上に絶縁膜が
形成された構造を有する、薄膜回路基板の製造方法に関
するもので、特に、ミリ波またはマイクロ波領域で適用
されるモジュールを構成する薄膜回路基板の製造方法に
関するものである。
イクロ波領域で用いられる高周波モジュールに対して、
小型であり、低価格であり、かつ高性能であることが求
められている。
ュールは、基体と、基体上に形成される導体膜と、導体
膜を覆うように基体上に形成される絶縁膜とを備える構
造を有する薄膜回路基板を構成している。また、上述し
た導体膜を下層導体膜とし、絶縁膜上に、上層導体膜が
形成される場合には、絶縁膜は、層間絶縁膜として機能
する。
ールにおいて、伝送損失が小さくかつ効率の良い伝送線
路を備えることが要望されており、そのため、伝送線路
を与える導体膜には、電気抵抗が小さい導電材料が用い
られている。
間絶縁膜に対しては、比誘電率が低く、かつ誘電正接が
小さい誘電体材料からなることが要求されており、その
ため、低誘電率かつ低誘電正接であるポリイミド、エポ
キシ系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、アクリル樹
脂、環状オレフィン系樹脂のような有機樹脂が層間絶縁
膜の材料として用いられている。
た層間絶縁膜の厚みが薄いと、下層導体膜と上層導体膜
との間に意図しない電磁結合が生じ、目的とする特性が
得られないことがある。そのため、層間絶縁膜の厚みを
厚くすることが望まれるが、このような絶縁膜を厚くし
たとき、特に、20μm以上に厚くしたとき、以下のよ
うな問題に遭遇する。
非感光性有機膜からなる場合とがある。
パターニングされた絶縁膜を得るため、(1)ワニス状
の感光性有機膜の形成、(2)プリベーク、(3)露
光、(4)現像、(5)キュアの各工程が実施される。
光吸収の度合いが大きくなり、(3)の露光工程におい
て、光が感光性有機膜の底部にまで到達しない。そのた
め、(4)の現像工程において、ポジ型感光性有機膜の
場合には、現像残りが生じ、ネガ型感光性有機膜の場合
には、この有機膜の剥離が生じやすい。
合、パターニングされた絶縁膜を形成するため、(1)
ワニス状の非感光性有機膜の形成、(2)プリベーク、
(3)キュア、(4)エッチングレジストの形成、
(5)エッチング、(6)エッチングレジストの剥離の
各工程が実施される。
と、当該非感光性有機膜自身に大きな応力が発生し、
(3)のキュア工程の後に、非感光性有機膜にクラック
が生じたり、この有機膜が剥がれたりすることがある。
なる絶縁膜が厚くされても、上述のような問題を生じに
くくすることができる、薄膜回路基板の製造方法を提供
しようとすることである。
はマイクロ波モジュールとして用いられる薄膜回路基板
の製造方法に向けられる。
れる導体膜と、導体膜を覆うように基体上に形成される
絶縁膜とを備えている。
厚さが0.05mm〜2mmであり、抗折強度が500
kgf/cm2 〜4000kgf/cm2 である。
ら構成するのは、基体の材料の比誘電率を大きくして、
薄膜回路基板の小型化を図るためである。また、基体の
厚さを0.05mm以上とするのは、基体の機械的強度
を所定以上に保つためである。他方、基体の厚みが厚く
なるほど、素子間の結合が大きくなることを考慮して、
ミリ波またはマイクロ波領域で許される最大厚みは2m
mである。また、基体の抗折強度が500kgf/cm
2 〜4000kgf/cm2 としたのは、この発明に係
る製造方法を実施するにあたり、基体が割れない範囲を
限定したものである。
i、Ti、Cr、Ni−Cr、Nb、およびVから選ば
れた少なくとも1種を含む。
ベンゾシクロブテン系樹脂、アクリル系樹脂、および環
状オレフィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含む
有機樹脂からなり、その厚みが20μm以上であり、1
つのパターンの面積が5cm 2 以下であり、応力が15
MPa〜60MPaである。
上としたのは、絶縁膜によって導体膜間のアイソレーシ
ョンを行なう場合、ミリ波またはマイクロ波領域におい
てアイソレーションが可能となる最小膜厚が20μmで
あるからである。また、1つのパターンの面積が5cm
2 以下としたのは、絶縁膜による薄膜回路基板の小型化
の利点が奏される最大面積が5cm2 であるからであ
る。また、絶縁膜の応力を15MPa〜60MPaとし
たのは、上述のような有機樹脂からなる膜の一般的な応
力がこの範囲内にあるからである。
造するにあたって、この発明によれば、基体を洗浄する
工程と、基体上に、導体膜を所定のパターンをもって形
成する工程と、導体膜を覆うように、基体上に絶縁膜を
形成する工程と、絶縁膜をパターニングする工程とが実
施され、前述した技術的課題を解決するため、絶縁膜を
形成する工程と絶縁膜をパターニングする工程とが複数
回繰り返されることを特徴としている。
しくは、絶縁膜を形成する工程は、ワニス状の感光性有
機膜を基体上に形成する工程を備え、パターニングする
工程は、感光性有機膜をフォトリソグラフィによって露
光・現像する工程と、感光性有機膜をキュアする工程と
を備える。
ましくは、絶縁膜を形成する工程は、ワニス状の非感光
性有機膜を基体上に形成する工程を備え、パターニング
する工程は、非感光性有機膜をキュアする工程と、非感
光性有機膜上にエッチングレジストを形成する工程と、
ドライエッチングによって非感光性有機膜をエッチング
する工程と、エッチングレジストを除去する工程とを備
える。
を、より具体的な実施例に基づいて説明する。実施例に
おいては、導体膜の材料としてCuを用い、絶縁膜にお
いてポリイミドを用いているが、これらの材料に限定さ
れるものではない。
縁膜の形成のために感光性ポリイミドが用いられる。
用意される。基体1は、たとえばアルミナのような誘電
体セラミックから構成される。基体1の厚さは、0.0
5mm〜2mmであり、同じく抗折強度は500kgf
/cm2 〜4000kgf/cm2 である。
たり、たとえば、プラズマアッシングや、アセトン、イ
ソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等の有
機溶剤による表面洗浄が適用される。
に、リフトオフ用レジストパターン2が形成される。こ
のリフトオフ用レジストパターン2の形成にあたって
は、たとえばクロロベンゼン法が適用される。
上に、厚膜用ポジ型レジスト(たとえば、クラリアント
社製「AZP4620」)を、1500rpm×30秒
のスピン塗布にて6μmの膜厚をもって形成し、90℃
のクリーンオーブンにて30分間プリベークする。次
に、約40℃に保ったクロロベンゼン中に、基体1を1
0分間浸し、レジスト表面に対現像液難溶化層を形成し
た後、90℃のホットプレート上に90秒間放置して、
余分なクロロベンゼンを蒸発させる。次に、密着露光機
によって、h線を用いた露光を行ない、アルカリ現像液
(たとえば、クラリアント社製「AZ400K」)中に
基体1を2分間浸漬する。このような工程を経てリフト
オフ用レジストパターン2を形成した基体1を、純水に
よって5分間以上洗浄し、次いで、スピン乾燥機によっ
て乾燥させる。
真空蒸着装置に投入し、まず、基体1との密着層を形成
するように、Tiを100nmの厚みで成膜し、次い
で、Cuを5μmの厚みで成膜し、基体1上に導体膜3
を所定のパターンをもって形成する。なお、導体膜3
は、基体2上だけでなく、リフトオフ用レジストパター
ン2上にも形成される。
を、たとえばアセトンに浸漬し、さらに超音波を印加す
ることによって、余分なリフトオフ用レジストパターン
2およびその上の導体膜3を除去(リフトオフ)する。
に、3−アミノプロピルシラン等の密着性向上剤を塗布
した後、ワニス状のネガ型感光性ポリイミド(たとえ
ば、東レ社製「フォトニースUR−3180E」)を、
2150rpmで30秒間スピン塗布し、次いで、ホッ
トプレートを用いて、60℃で6分間、80℃で6分間
および100℃で6分間のプリベークを行なうことによ
って、導体膜3を覆うように、基体1上に感光性ポリイ
ミド膜4を形成する。
cm2 のh線を感光性ポリイミド膜4に照射した後、ポ
リイミド専用現像液(たとえば、東レ社製「DV−60
5」)に基体1を7.5分間浸漬することによって、図
1(6)に示すように、感光性ポリイミド膜4の未露光
部を除去し、それによって、たとえば4cm2 のパター
ン面積を有する感光性ポリイミド膜4を得る。
光性ポリイミド膜4を、酸素濃度100ppm以下の窒
素雰囲気中において、400℃で1時間キュアすること
によって、ポリイミドを熱重合させる。この段階で得ら
れた感光性ポリイミド膜4は、その厚みがたとえば15
μmである。
程と実質的に同じ工程を実施し、図1(7)に示すよう
に、第2の感光性ポリイミド膜5を形成し、次いで、図
1(8)に示すように、第2の感光性ポリイミド膜5を
パターニングする。
の形成およびパターニングの各工程を必要回数繰り返
し、それによって、合計膜厚がたとえば30μm以上の
感光性ポリイミド膜を得る。
縁膜の形成のために非感光性ポリイミドが用いられる。
を用意し、これを洗浄する工程、同(2)に示すよう
に、基体11上にリフトオフ用レジストパターン12を
形成する工程、同(3)に示すように、基体11上に導
体膜13を形成する工程、および、同(4)に示すよう
に、余分なリフトオフ用レジストパターン12およびそ
の上の導体膜13をリフトオフする工程が、前述した実
施例1の場合と同様の方法に基づいて実施される。
上に、3−アミノプロピルシラン等の密着性向上剤を塗
布した後、ワニス状の非感光性ポリイミド(日立化成社
製「OPI−N3205」)を1000rpmで30秒
間スピン塗布した後、酸素濃度100ppm以下の窒素
雰囲気中において、100℃で30分間、200℃で3
0分間および350℃で60分間のキュアを行ない熱重
合させることによって、非感光性ポリイミド膜14を形
成する。
ポリイミド膜14上に、エッチングレジスト15を形成
する。
(たとえば、クラリアント社製「APZ4620」)
を、1500rpmで30秒間のスピン塗布によって6
μmの膜厚をもって成膜し、90℃のクリーンオーブン
にて30秒間プリベークする。次いで、密着露光機を用
いて、h線による露光を行ない、アルカリ現像液(たと
えば、クラリアント社製「AZ400K」)中に基体1
1を2分間浸漬する。そして、このような工程を経てパ
ターニングされたエッチングレジスト15を、純水にて
5分間以上洗浄し、スピン乾燥機にて乾燥させる。
ポリイミド膜14のエッチングを行なう。たとえば、反
応性イオンエッチング(RIE)装置を用いて、O2 ガ
ス流量140sccm、CF4 ガス流量60sccm、
圧力0.4Torr、およびRFパワー300Wの条件
にて15分間のエッチング処理16を行なう。この結
果、たとえばパターン面積が4cm2 となるようにパタ
ーニングされた非感光性ポリイミド膜14が基体11上
に与えられる。
グレジスト15をアセトンにて剥離する。このようにし
て、たとえば膜厚が12μmのパターニングされた非感
光性ポリイミド膜14を得ることができる。
に、前述した図2(5)〜(8)に示した工程と実質的
に同様の工程が繰り返される。すなわち、図2(9)に
示すように、第2の非感光性ポリイミド膜17が形成さ
れ、図2(10)に示すように、第2のエッチングレジ
スト18が形成され、このエッチングレジスト18がパ
ターニングされ、次いで、図2(11)に示すように、
再びエッチング処理16が実施され、それによって、図
2(12)に示すように、パターニングされた第2の非
感光性ポリイミド膜17が前述の第1の非感光性ポリイ
ミド膜14上に形成される。
膜の形成およびパターニングの各工程を必要回数繰り返
し、それによって、合計膜厚がたとえば24μm以上の
非感光性ポリイミド膜を得る。
的膜厚の薄い絶縁膜をパターニングしながら積み重ねる
ことによって、たとえば膜厚20μm以上といった比較
的厚い絶縁膜を得るようにしているので、現像残り、ク
ラックまたは剥がれを生じさせることなく、比較的膜厚
の大きい絶縁膜を薄膜回路基板において形成することが
可能となる。
ュールとして用いられる薄膜回路基板において、上層導
電膜と下層導電膜との間に形成される層間絶縁膜の厚み
を十分に厚くすることができ、これら上層および下層の
導体膜間に生じ得る電磁結合を防止でき、ミリ波または
マイクロ波モジュールにおいて目標とする特性をより容
易に達成することができる。
造方法に含まれる代表的な工程を順次図解的に示す断面
図である。
製造方法に含まれる代表的な工程を順次図解的に示す断
面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 基体と、前記基体上に形成される導体膜
と、前記導体膜を覆うように前記基体上に形成される絶
縁膜とを備え、 前記基体は、誘電体セラミックからなり、その厚さが
0.05mm〜2mmであり、抗折強度が500kgf
/cm2 〜4000kgf/cm2 であり、 前記導体膜は、Cu、Au、Ag、Al、Ni、Ti、
Cr、Ni−Cr、Nb、およびVから選ばれた少なく
とも1種を含み、 前記絶縁膜は、ポリイミド、エポキシ系樹脂、ベンゾシ
クロブテン系樹脂、アクリル系樹脂、および環状オレフ
ィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含む有機樹脂
からなり、その厚さが20μm以上であり、1つのパタ
ーンの面積が5cm2 以下であり、応力が15MPa〜
60MPaであり、 ミリ波またはマイクロ波モジュールとして用いられる薄
膜回路基板の製造方法であって、 前記基体を洗浄する工程と、 前記基体上に、前記導体膜を所定のパターンをもって形
成する工程と、 前記導体膜を覆うように、前記基体上に前記絶縁膜を形
成する工程と、 前記絶縁膜をパターニングする工程とを備え、 前記絶縁膜を形成する工程と前記絶縁膜をパターニング
する工程とを複数回繰り返すことを特徴とする、薄膜回
路基板の製造方法。 - 【請求項2】 前記絶縁膜は感光性有機膜からなり、前
記絶縁膜を形成する工程は、ワニス状の感光性有機膜を
前記基体上に形成する工程を備え、前記パターニングす
る工程は、前記感光性有機膜をフォトリソグラフィによ
って露光・現像する工程と、前記感光性有機膜をキュア
する工程とを備える、請求項1に記載の薄膜回路基板の
製造方法。 - 【請求項3】 前記絶縁膜は非感光性有機膜からなり、
前記絶縁膜を形成する工程は、ワニス状の非感光性有機
膜を前記基体上に形成する工程を備え、前記パターニン
グする工程は、前記非感光性有機膜をキュアする工程
と、前記非感光性有機膜上にエッチングレジストを形成
する工程と、ドライエッチングによって前記非感光性有
機膜をエッチングする工程と、前記エッチングレジスト
を除去する工程とを備える、請求項1に記載の薄膜回路
基板の製造方法。
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