JP2002133989A - 筒体と軸体との一体化構造およびその一体化構造を利用した電磁継電器並びにその一体化構造を備えた構造物の製造方法 - Google Patents

筒体と軸体との一体化構造およびその一体化構造を利用した電磁継電器並びにその一体化構造を備えた構造物の製造方法

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JP2002133989A
JP2002133989A JP2000327380A JP2000327380A JP2002133989A JP 2002133989 A JP2002133989 A JP 2002133989A JP 2000327380 A JP2000327380 A JP 2000327380A JP 2000327380 A JP2000327380 A JP 2000327380A JP 2002133989 A JP2002133989 A JP 2002133989A
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Japan
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shaft
hole
peripheral surface
end surface
electromagnetic relay
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Application number
JP2000327380A
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English (en)
Inventor
Mizuhito Ida
瑞人 井田
Tomonori Nakano
知則 中野
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸体と、これを挿入した筒体とを、任意の位
置で短時間のうちに精度良く固定できる、筒体と軸体と
の一体化構造およびその一体化構造を利用した電磁継電
器並びにその一体化構造を備えた構造物の製造方法を提
供する。 【解決手段】 軸体32と、この軸体32を挿入する挿
入孔44aを有する筒体44とを備え、軸体32を挿入
孔44aに挿入する。挿入孔44aの端部に設けられる
孔周囲面44bと、この挿入孔44aに挿入された軸体
32の孔周囲面44b側に配置される端面32dとを互
いに交差させて形成し、これら交差する孔周囲面44b
の内周辺44eと軸体端面32dの外周辺32eとの交
点部分Pを溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸体を筒体の挿入
孔内に挿入した状態で両者を固定するようにした筒体と
軸体との一体化構造およびその一体化構造を利用した電
磁継電器並びにその一体化構造を備えた構造物の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の筒体と軸体との一体化構造を備
えた構造物としては、例えば電磁継電器がある。この電
磁継電器は、電磁石の作用で電気接点を閉じたり、また
開くようになっている。
【0003】図17は従来の電磁継電器1の概略構造を
示し、ソレノイドコイル2の励磁によって2点鎖線位置
にある可動鉄芯3が矢印T方向に移動すると、この移動
がシャフト4を介して可動接点5に伝達され、この可動
接点5を固定接点6に接触させるようになっている。こ
のとき、可動鉄芯3が実線で示すように固定鉄芯3aに
当接して停止した状態では、接圧ばね7の付勢力に抗し
てシャフト4が一定量αだけ可動接点5より押し出され
るようになっている。つまり、この押し出される一定量
αに相当する接圧ばね7の付勢力をもって、可動接点5
が固定接点6を押圧するようになっている。このときの
押圧力、つまり前記一定量αは継電器の特性に関係する
もので高い精度が要求され、可動鉄芯3とシャフト4と
の軸方向の相対位置を調節して固定することにより得ら
れる。
【0004】ところで、前記シャフト4は図18に示す
ように外周にねじ部4aが形成された軸体として提供さ
れ、前記可動鉄芯3は中心線上にねじ孔3aが形成され
た筒体として提供され、これらねじ部4aとねじ孔3a
とが互いに螺合された状態で、シャフト4が可動鉄芯3
に挿入される。従って、可動鉄芯3とシャフト4とを相
対回転させることにより、両者の軸方向の相対位置が調
節できるようになっている。
【0005】一方、継電器1の非作動状態、つまり可動
接点5と固定接点6とが離隔された状態では、可動鉄芯
3の先端部(図中上端部)が、これを収容する図示省略
したキャップの端面に当接するようになっている。この
ため、固定鉄芯3の先端側の孔周囲面3bの外周には、
シャフト4の先端部が前記キャップの端面に干渉するの
を避けるため、環状の壁部3cが設けられる。
【0006】従って、前述したように可動鉄芯3とシャ
フト4との軸方向の相対位置を固定する場合、前記環状
壁3c内に接着剤8を注入して、この接着剤8の硬化に
より可動鉄芯3とシャフト4とを所望の相対位置で固定
できるようになっている。また、これら可動鉄芯3とシ
ャフト4とを固定する他の方法として、図19に示すよ
うに、レーザーRを用いてねじ孔3aとねじ部4aとの
間を溶接することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、可動鉄
芯3とシャフト4との相対位置を固定するにあたって、
接着剤8を用いた場合は、この接着剤8の硬化に時間が
かかって生産性が低下される。また、接着剤8の硬化途
中で、接圧ばね7などのばね力や外力が可動鉄芯3とシ
ャフト4との間に作用した場合には、これら両者間が相
対回転して位置ずれが生じてしまう懸念がある。
【0008】一方、レーザーRを用いて溶接する場合
は、孔周囲面3bの外周に環状壁3cが設けられている
ため、このレーザーRの照射方法は必然的に上方、つま
りシャフト4の中心線と平行な方向に限定されてしま
う。従って、この場合は図19に示すように、シャフト
4の先端部が可動鉄芯3の孔周囲面3bから突出してい
る場合、および、これとは逆に図示省略したが、シャフ
ト4の先端部がねじ孔3a内に没入している場合には、
ねじ部4aやねじ孔3aのねじ山が邪魔して目的部位に
レーザーRを照射することができなくなってしまう。
【0009】このため、このレーザーRを用いた溶接で
は、前記孔周囲面3bとシャフト4の先端面4bとが同
一面として配置された場合に限られ、実際上、それら両
面3b,4bを一致させるための加工が著しく困難にな
ってしまう。
【0010】そこで、本発明は、軸体と、これを挿入し
た筒体とを、任意の位置で短時間のうちに精度良く固定
できる、筒体と軸体との一体化構造およびその一体化構
造を利用した電磁継電器並びにその一体化構造を備えた
構造物の製造方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、軸体
と、この軸体を挿入する挿入孔を有する筒体とを備え、
前記軸体を前記挿入孔に挿入した状態で軸体が前記筒体
に固定された筒体と軸体との一体化構造において、前記
挿入孔の端部に設けられる孔周囲面と、この挿入孔に挿
入された軸体の前記孔周囲面側に配置される端面とを互
いに交差させて形成し、これら交差する孔周囲面の内周
辺と軸体端面の外周辺との交点部分を溶接した溶接部が
形成されていることを特徴とする。
【0012】この場合、筒体の孔周囲面と軸体の端面と
を互いに交差させて、それぞれ交差する孔周囲面の内周
辺と軸体端面の外周辺との交点部分を溶接し溶接部を形
成することにより、筒体と軸体とを、それぞれの孔周囲
面と軸体端面との交差範囲内の任意な位置で固定できる
とともに、この固定が溶接であるため短時間のうちに精
度良く固定でき、かつ、軸体の中心線と平行な方向から
レーザーを照射した場合にも、そのレーザーが邪魔され
ることなく目的のポイントに的確に照射することができ
る。
【0013】請求項2の発明は、請求項1に記載の筒体
と軸体との一体化構造において、前記軸体端面が、この
軸体の軸方向に対して傾斜する単一の傾斜面で形成され
ていることを特徴とする。
【0014】この場合、単一の傾斜面は、軸体の端部を
単に一方向に傾斜させて加工すればよく、その加工を容
易に行うことができる。
【0015】請求項3の発明は、請求項1に記載の筒体
と軸体との一体化構造において、前記軸体端面が、この
軸体の軸方向に対してそれぞれ傾斜する複数の傾斜面で
形成されていることを特徴とする。
【0016】この場合、孔周囲面の内周辺と複数の傾斜
面で形成した軸体端面の外周辺との交点部分の数を増加
して溶接することにより、溶接ポイントを増やすことが
でき、軸体を筒体により強固に固定することができる。
【0017】請求項4の発明は、請求項1に記載の筒体
と軸体との一体化構造において、前記孔周囲面が、前記
軸体の軸方向に対して傾斜されていることを特徴とす
る。
【0018】この場合、筒体の端部を単に傾斜させて加
工することにより、孔周囲面を簡単に傾斜させることが
できるとともに、この孔周囲面の外周に環状の壁部が形
成される場合にも、鍛造によってその壁部内に傾斜する
孔周囲面を簡単に形成することができる。
【0019】請求項5の発明は、請求項1から4のいず
れかに記載の筒体と軸体との一体化構造において、前記
軸体と前記挿入孔とが互いに螺合されていることを特徴
とする。
【0020】この場合、筒体と軸体とを相対回転させる
ことにより、筒体と軸体との挿入方向の相対位置を螺合
部分によって簡単かつ正確に調整することができる。
【0021】請求項6の発明は、固定接点と、この固定
接点に接触および離隔する可動接点と、この可動接点に
連結されたシャフトと、このシャフトを挿入する挿入孔
を有して軸方向移動が許容される可動鉄芯と、前記挿入
孔に前記シャフトを挿入した状態でこの可動鉄芯を軸方
向に駆動するコイルブロックとを備え、前記可動接点が
前記固定接点に所定の接触圧で接触するように、前記可
動鉄芯と前記シャフトとの軸方向相対位置が所定の位置
で固定された電磁継電器において、前記可動鉄芯の挿入
孔端部に設けられる孔周囲面と、この挿入孔に挿入され
た前記シャフトの前記孔周囲面側に配置される端面とを
互いに交差させて形成し、これら交差する孔周囲面の内
周辺とシャフト端面の外周辺との交点部分を溶接した溶
接部が形成されていることを特徴とする。
【0022】この場合、可動鉄芯の孔周囲面とシャフト
の端面とを互いに交差させて、シャフトと可動鉄芯とを
溶接するポイントを、それぞれ交差する孔周囲面の内周
辺とシャフト端面の外周辺との交点部分としたので、シ
ャフトの中心線と平行な方向からレーザーを照射した場
合にも、そのレーザーが邪魔されることなく目的のポイ
ントに的確に照射することができる。従って、可動鉄芯
とこれの挿入孔に挿通されるシャフトとを、それぞれの
正確な軸方向相対位置をもって短時間のうちに精度良く
固定して、可動接点と固定接点とを所定の接触圧で接触
させることができる。
【0023】請求項7の発明は、請求項6に記載の電磁
継電器において、前記シャフト端面が、このシャフトの
軸方向に対して傾斜する単一の傾斜面で形成されている
ことを特徴とする。
【0024】この場合、シャフトに形成される単一の傾
斜面は、このシャフトの端部を単に一方向に傾斜させて
加工すればよく、その加工が簡単になる。
【0025】請求項8の発明は、請求項6に記載の電磁
継電器において、前記シャフト端面が、このシャフトの
軸方向に対してそれぞれ傾斜する複数の傾斜面で形成さ
れていることを特徴とする。
【0026】この場合、可動鉄芯の孔周囲面の内周辺と
複数の傾斜面で形成したシャフト端面の外周辺との交点
部分の数を増加して、溶接ポイントを増やすことができ
シャフトを可動鉄芯に強固に固定することができる。
【0027】請求項9の発明は、請求項6に記載の電磁
継電器において、前記孔周囲面が、前記シャフトの軸方
向に対して傾斜されていることを特徴とする。
【0028】この場合、可動鉄芯の端部を単に傾斜させ
て加工することにより、孔周囲面を簡単に傾斜させるこ
とができるとともに、この孔周囲面の外周に環状の壁部
が形成される場合にも、鍛造によってその壁部内に傾斜
する孔周囲面を簡単に形成することができる。
【0029】請求項10の発明は、請求項6から9のい
ずれかに記載の電磁継電器において、前記シャフトと前
記挿入孔とが互いに螺合されていることを特徴とする。
【0030】この場合、シャフトと可動鉄芯とを相対回
転させることにより、シャフトと可動鉄芯との軸方向の
相対位置を螺合部分によって簡単かつ正確に調整し、可
動接点と固定接点との接触圧を正確に設定することがで
きる。
【0031】請求項11の発明は、軸体と、この軸体を
挿入する挿入孔を有する筒体とを備え、前記軸体を前記
挿入孔に挿入した状態で前記筒体に固定する構造物の製
造方法において、前記挿入孔の端部に設けられる孔周囲
面と、この挿入孔に挿入された軸体の前記孔周囲面側に
配置される端面とを互いに交差させて形成し、そして、
距離センサを用いてこれら交差する孔周囲面の内周辺と
軸体端面の外周辺との交点部分を探索し、次いで、その
交点部分を溶接することを特徴とする。
【0032】この場合、筒体の挿入孔に軸体を挿入した
状態で、これら筒体と軸体とを固定するにあたって、筒
体の孔周囲面と軸体の端面とを互いに交差させて、それ
ぞれ交差する孔周囲面の内周辺と軸体端面の外周辺との
交点部分を溶接する。この場合、その交点部分を距離セ
ンサを用いて自動的に探索することができるので、溶接
ポイントを短時間のうちに正確に検出することができ
る。
【0033】請求項12の発明は、請求項11に記載の
構造物の製造方法において、前記距離センサは、軸体端
面のほぼ中心を通り、軸体端面の傾斜方向に沿って水平
に移動することにより、孔周囲面と同一高さとなる軸体
端面の高さを計測して交点部分を探索することを特徴と
する。
【0034】この場合、軸体端面に傾斜面が形成されて
いる場合に特に有効となり、孔周囲面と同一高さとなる
傾斜された軸体端面の高さが計測されることにより、こ
の計測点から傾斜方向に対して直角方向に配置される交
点部分は、予め決定された軸体の径や幅により容易に決
定できる。
【0035】請求項13の発明は、請求項11に記載の
構造物の製造方法において、前記距離センサは、筒体端
面で孔周囲面の傾斜方向の中心線上に付された印を識別
して孔周囲面の傾斜方向を探索し、次いで、軸体中心と
前記印を結ぶ線上に沿って、孔周囲面と軸体端面との高
さおよび水平位置を計測して交点部分を探索することを
特徴とする。
【0036】この場合、筒体の孔周囲面が傾斜されてい
る場合に特に有効となり、筒体端面に付された印を目印
として孔周囲面の傾斜方向および軸体対面との相対高さ
を計測できるため、軸体が筒体に対していずれの方向を
向いていても、正確に交点部分を探索できる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1から図7は本発明の
筒体と軸体との一体化構造を利用した電磁継電器および
その製造方法の第1実施形態を示し、図1は電磁継電器
の非作動状態での断面図、図2は電磁継電器の作動状態
での断面図、図3は電磁継電器に用いられる可動鉄芯と
シャフトとの要部を示す分解斜視図、図4はその可動鉄
芯とシャフトとの挿入状態を示す要部斜視図、図5は電
磁継電器の溶接システムの概略構成図、図6は溶接しよ
うとする可動鉄芯とシャフトとの要部を示す斜視図、図
7は距離センサによる測定位置と溶接ポイントとの関係
を示す説明図である。
【0038】本実施形態では筒体と軸体との一体化構造
を、電磁継電器10の軸体としてのシャフト32と、筒
体としての可動鉄芯44との固定部分に適用した場合を
例にとって説明する。図1は電磁継電器10の一実施形
態を示し、この電磁継電器10は、固定接点部20、可
動接点部30および駆動部40からなる。固定接点部2
0は、セラミックなどの絶縁材で容器状に形成されたハ
ウジング21と、このハウジング21の底面に固定され
る固定接点22と、前記ハウジング21の開放口を閉止
する継鉄上板23とによって構成され、このハウジング
21内に前記可動接点部30が配置される。
【0039】可動接点部30は、前記固定接点22に対
向配置される板状の可動接点31と、この可動接点31
の中央部に摺動自在に挿通されるシャフト32と、可動
接点31とシャフト32との間に配置されて、接圧ばね
33の付勢力を可動接点31に作用させる保持ブロック
34とを備える。この保持ブロック34はシャフト32
の基端部32aに固定される下板34aと、このシャフ
ト32の可動接点31より中間部寄りに固定される上板
34bとを備え、この上板34bと可動接点31との間
に前記接圧ばね33が縮設され、この接圧ばね33の付
勢力によって可動接点31は下板34a方向に押圧され
る。シャフト32はその中間部が前記継鉄上板23の中
央部を摺動自在に貫通して、先端部32bが前記駆動部
40に連結される。
【0040】この駆動部40は、可動部41と、固定鉄
芯45と、キャップ43と、コイルブロック42とから
なる。可動部41は、キャップ43の先端側内側に摺動
自在に挿嵌される可動鉄芯44と、固定鉄芯45と可動
鉄芯43との間に縮設される復帰ばね46とによって構
成される。固定鉄芯45は、キャップ43の基端側内側
に挿入され継鉄上板23に固定されている。キャップ4
3は、継鉄上板23の外面(図中左面)中央部からシャ
フト32を囲繞するように突出し、その先端部が頂板4
3aによって閉塞されている。コイルブロック42は、
前記キャップ43の外周に配置されるコイルハウジング
47と、このコイルハウジング47に巻回される銅線4
8とからなる。この銅線48は、キャップ43の頂板4
3a方向から見て時計回りに巻かれており、電流を流す
とその中心には継鉄上板23方向に向かう磁界が発生す
るようになっている。
【0041】前記シャフト32は前記固定鉄芯45を摺
動自在に貫通した後、図3に示すように、先端部32b
にねじ部32cが形成される一方、前記可動鉄芯44に
挿入孔としてのねじ孔44aが形成され、これらねじ部
32cとねじ孔44aとは図4に示すように互いに螺合
された状態で、可動鉄芯44とシャフト32とは一体と
なって移動する。また、前記可動鉄芯44は復帰ばね4
6の付勢力により、先端面がキャップ43の頂板43a
に当接している。このとき、前記可動接点31,前記接
圧ばね33,前記保持ブロック34,前記シャフト32
および前記可動鉄芯44によって可動ブロックBが構成
される。この可動ブロックBは、ハウジング21内にお
いて図示省略した係止部材を介して回転方向の動きが規
制されるようになっている。
【0042】このように構成された電磁継電器10は、
コイルブロック42に電流が流されることにより図2に
示す作動状態となる。即ち、コイルブロック42に電流
が流されると、そのときに発生する磁界の方向に沿って
可動鉄芯44が、復帰ばね46を圧縮しつつキャップ4
3内を摺動し、そして、この可動鉄芯44は固定鉄芯4
5に突き当たって停止する。この可動鉄芯44の移動は
シャフト32に伝達され、可動接点部30を固定接点2
2方向に押し出して、図2に示したように可動接点31
が固定接点22に接触する。このとき、可動接点31が
固定接点22に当接した状態から、シャフト32は接圧
ばね33を圧縮しつつ一定量αだけ更に突出し、この一
定量αに相当する接圧ばね33の付勢力が可動接点31
と固定接点22間に作用して、最適な接触圧が得られる
ようになっている。
【0043】従って、可動鉄芯44が固定鉄芯45に当
接した状態で前記一定量αが得られるように、前記シャ
フト32と前記可動鉄芯44との軸方向の相対位置が精
度よく調節される必要がある。つまり、本実施形態では
これらシャフト32と可動鉄芯44とは、ねじ部32c
およびねじ孔44aを介して螺合されるため、両者を相
対回転して軸方向の相対位置を精度良く設定することが
できる。
【0044】ところで、可動鉄芯44の先端部には、図
3,図4に示すように、ねじ孔44aの先端部に設けら
れる孔周囲面44bの外周部に、シャフト32の先端部
32bの突出を許容する環状壁44cが形成され、この
環状壁44cの先端面44dが前記キャップ43の頂板
43aに当接するようになっている。
【0045】ここで、シャフト32と可動鉄芯44との
軸方向相対位置を確定した後、両者を固定してその相対
位置を定着する必要があるが、本実施形態ではレーザー
によりシャフト32と可動鉄芯44との螺合部分を溶接
することにより一体化するようになっている。シャフト
32と可動鉄芯44との溶接は、図3,図4に示すよう
に、シャフト32の先端面(シャフト端面)32dに、
このシャフト32の軸方向に対して傾斜する単一の傾斜
面Q1を形成し、この傾斜面Q1によって前記孔周囲面4
4bとシャフト32の先端面32dとを互いに交差させ
る。そして、これら交差する孔周囲面44bの内周辺4
4eとシャフト端面32dの外周辺32eとの交点部分
P(溶接部 図4参照)にレーザーを照射して溶接する
ようになっている。なお、前記シャフト端面32dが単
一の傾斜面Q1であるため、前記交点部分Pは周方向に
2箇所設けられることになる。
【0046】本実施形態では、シャフト32の先端部3
2bに形成されるねじ部23cは、M2〜M4程度、ね
じ長が10mm〜30mm程度となり、かつ、前記傾斜
面Q1はその法線方向を中心線に対して30度〜60度
程度の傾斜角としてある。また、前記可動ブロックBを
組み立てる際、シャフト端面32dの傾斜方向が常に一
定方向、例えば可動接点31の中心線方向に合わせるよ
うに組み立てる。これにより、可動ブロックBはハウジ
ング21内で回転方向の動きが規制されていることによ
り、シャフト端面32dは常時一定方向に保持される。
【0047】図5は前記レーザーによる溶接システム5
0で、この溶接システム50にかけられる電磁継電器1
0は、コイルブロック42とキャップ43が除外された
状態、つまり、これらコイルブロック42、キャップ4
3の組立前段階でセットされる。溶接システム50は、
電磁継電器10の固定接点部20を固定的に支持するワ
ーク台51と、可動鉄芯44を掴持するクランプ52
と、ワーク台51の直上に位置して2軸ロボット53を
介して設置さる距離センサ54と、この距離センサ54
と交代してワーク台51の直上に設置されるレーザー照
射器55と、前記2軸ロボット53からの位置情報およ
び前記距離センサ54からの距離情報を基にレーザー照
射器55にレーザー照射位置を出力する制御装置56
と、この制御装置56の演算装置57とを備えて概略構
成される。
【0048】前記ワーク台21にセットされる電磁継電
器10は、シャフト32と可動鉄芯44とを相対回転し
て、図2に示すように、可動接点31による所定の接触
圧を得るための前記一定量αを確保しておき、この状態
で可動鉄芯44が回転しないようにクランプ52で保持
する。次に、このようにセットされた電磁継電器10の
シャフト32と可動鉄芯44との溶接箇所を探索する。
この場合、まず、図6に示すようにシャフト32の中心
Cを通り、シャフト端面32dの傾斜方向に沿った計測
ラインLを想定する。そして、2軸ロボット53を駆動
して距離センサ54をこの計測ラインLに沿って水平方
向に移動させ、これによって孔周囲面44bとシャフト
端面32dの高さとその水平位置を計測する。この計測
された高さと水平位置の情報は制御装置56に入力さ
れ、そして、その情報を演算装置57に出力して、次に
示す演算方法により溶接ポイントを求める。
【0049】この演算方法は図7の平面図(a)および
側面図(b)に示すように、まず、シャフト32の中心
Cを原点とし、シャフト端面32dの傾斜方向(計測ラ
インL方向)をx軸(右向きが正)、それに垂直な水平
方向をy軸((a)で上向きが正)、鉛直上向きをz軸
((b)で上向きが正)となる座標系を設定する。ここ
で、前記中心Cは、前記ワーク台51と前記2軸ロボッ
ト53の位置が固定であるため、これらの相対位置関係
から決定されている。
【0050】次いで、前記距離センサ54および2軸ロ
ボット53による高さおよび水平位置の計測情報より、
孔周囲面44bと同一高さとなるシャフト端面32dで
のx座標(X0)を求める。そして、シャフト32の直
径をDとして、ピタゴラスの定理を用いた式(1)、そ
して式(2)に代入してy座標(Y0)を求める。
【0051】
【数1】
【数2】 このようにして求められた2点(X0,Y0),(X
0,−Y0)、つまり、これら2点は孔周囲面44bの
内周辺44eとシャフト端面32dの外周辺32eとの
交点であり、この2点が溶接ポイントとなる。
【0052】そして、前記溶接ポイント情報を制御装置
56からレーザ照射器55に出力するとともに、2軸ロ
ボット53を駆動して距離センサ54をワーク台51上
から回避させ、この状態でレーザ照射器55からシャフ
ト32の中心線と平行な上方よりレーザを照射する。こ
のレーザは前記溶接ポイントに照射されて、シャフト3
2と可動鉄芯44とが溶接される。
【0053】以上説明したように本実施形態の電磁継電
器10は、溶接システム50ではクランプ52によりシ
ャフト32と可動鉄芯44との軸方向の相対位置を固定
した状態で、探索された溶接ポイントがレーザ照射によ
って瞬時に溶接される。この溶接ポイントは、可動鉄芯
44の孔周囲面44bとシャフト端面32dとを互いに
交差させて、それぞれ交差する孔周囲面44bの内周辺
44eとシャフト端面32dの外周辺32eとの交点部
分P(溶接部)であるため、シャフト32の中心線と平
行な方向からレーザーを照射した場合にも、そのレーザ
ーがねじ部32cやねじ孔44aの山部に邪魔されるこ
となく目的のポイントPに的確に照射することができ
る。
【0054】また、レーザ照射方向がシャフト32の中
心線と平行であるため、孔周囲面44bの外周に設けた
環状壁44cが、前記レーザの照射に障害となることは
ない。従って、ねじ孔44aからシャフト32の先端部
32bが突出するのを許容するために前記環状壁44c
を設けた場合にも、シャフト32とこれを螺合する可動
鉄芯44とを、それぞれの正確な軸方向相対位置をもっ
て短時間のうちに精度良く溶接・固定することができ
る。このため、可動接点31と固定接点22とを所定の
接触圧で接触させることができるようになり、電磁継電
器10の常時安定した作動を補償することができる。
【0055】また、前記シャフト端面32dを、このシ
ャフト32の軸方向に対して傾斜する単一の傾斜面Q1
で形成したので、この傾斜面Q1はシャフト32の端部
を単に一方向に傾斜させて加工すればよく、その加工が
簡単であるため製品の生産性を高めることができる。
【0056】図8,図9は、前記シャフト32の端面3
2dの変形例をそれぞれ示し、図8はシャフト端面32
dを、このシャフト32の軸方向に対してそれぞれ傾斜
する2つの傾斜面Q2,Q3で形成したものである。この
場合、傾斜面Q2,Q3はシャフト32の中心線に対して
対称に形成して1つのV字溝V1が形成される。一方、
図9はシャフト端面32dを、このシャフト32の軸方
向に対してそれぞれ傾斜する4つの傾斜面Q4,Q5,
Q6,Q7で形成したものである。この場合、傾斜面Q
4,Q5,Q6,Q7はシャフト32の中心線に対して
それぞれ対称に形成して、2つのV字溝V2,V3が形成
されるようになっている。
【0057】このようにシャフト端面32dに形成され
る傾斜面を複数とすることにより、可動鉄芯44の孔周
囲面44bの内周辺44eとシャフト端面32dの外周
辺32eとの交点部分Pの数を増加して、溶接ポイント
を増やすことができ、固定鉄芯44とシャフト32との
固定強度を高めることができる。因に、図8の2つの傾
斜面Q2,Q3では溶接ポイント数Pが最大4箇所とな
り、図9の4つの傾斜面Q4,Q5,Q6,Q7では溶
接ポイント数Pが最大8箇所となる。
【0058】また、このようにシャフト端面32dを複
数の傾斜面で形成した場合にも、前記溶接システム50
を用いて同一方法により溶接ポイントを探索することが
でき、そして、その溶接ポイントにレーザを照射して溶
接することができる。
【0059】図10,図11は本発明の第2実施形態を
示し、前記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して
重複する説明を省略して述べる。この実施形態にあって
も前記電磁継電器10のシャフト32と可動鉄芯44と
の固定に例をとって示し、図10はシャフト32と可動
鉄芯44との螺合状態を示す要部斜視図、図11は距離
センサによる測定位置と溶接ポイントとの関係を示す説
明図である。
【0060】この実施形態ではシャフト端面32dを中
心線に対して直角に加工しておく一方、可動鉄芯44の
孔周囲面44bを、前記シャフト32の軸方向に対して
傾斜させることにより、この孔周囲面44bと前記シャ
フト端面32dとを互いに交差させるようにしたもので
ある。この場合の孔周囲面44bの傾斜角は、シャフト
32の中心線に対して30度〜60度程度に設定され
る。
【0061】従って、この実施形態にあっても前記孔周
囲面44bの内周辺44eと、シャフト端面32dの外
周辺32eとに2箇所の交点部分Pが存在し、この交点
部分Pを溶接ポイントとしてレーザを照射して溶接し、
シャフト32と可動鉄芯44とを固定することができ
る。
【0062】この実施形態における電磁継電器10にあ
っても前記図5に示す溶接システム50を用いて溶接ポ
イントを探索し、そして、この溶接ポイントをレーザ照
射により溶接することができる。ただ、この第2実施形
態では孔周囲面44bが傾斜された点が前記第1実施形
態と異なり、溶接ポイントの探索方法は以下に説明する
方法を用いることが好ましい。
【0063】即ち、この実施形態では、まず、前記可動
鉄芯44の先端面、つまり環状壁44cの先端面44d
に、孔周囲面44bの傾斜方向を示すために印となるく
ぼみ(凸部でもよい)Mを刻設しておく。なお、このく
ぼみMは先端面44dに形成される限りにおいて特に限
定されるものではないが、可動鉄芯44の中心を通って
孔周囲面44bの傾斜方向に沿った線上に設けておくこ
とが認識し易くて良く、本実施形態ではその位置にくぼ
みMを設けてある。
【0064】そして、第1実施形態と同様に溶接システ
ム50のワーク台51にセットした電磁継電器10の可
動鉄芯44をクランプ52で保持しておき、その後、本
実施形態の探索方法を履行する。まず、2軸ロボット5
3を駆動して距離センサ54を可動鉄芯44のくぼみM
を通る仮想円に沿って移動させつつ高さを計測し、その
差からくぼみMの位置を決定し、このくぼみMの位置か
ら可動鉄芯44の孔周囲面44bの傾斜方向が確認され
る。
【0065】次に、シャフト32の中心CとくぼみMを
結ぶ線上に沿って距離センサ54を移動させ、孔周囲面
44bとシャフト端面32dの高さおよび水平位置を計
測する。これによって図11に示すように孔周囲面44
bの傾斜線Sが得られる。この傾斜線Sは式(3)の一
次式で表すことができ、これに前記高さおよび水平位置
の計測情報のうち、孔周囲面44b上の計測された2点
の座標(X1,Z1)と(X2,Z2)とを代入して係数
a,bを求める。
【0066】
【数3】 そして、式(3)に既に求めたシャフト端面32dの高
さ(Z3)を代入することで、溶接ポイントのx座標
(X3)を求めることができる。
【0067】このように、x座標(X3)が求まると、
後は第1実施形態で実行される方法を用いて、前記式
(2)にそのX3を代入することによりy座標(Y3)を
求めることができる。そして、これによって決定される
図示省略した(X3,Y3)と(X3,−Y3)の2点が溶
接ポイントとなり、その2点にレーザー照射器55から
レーザが照射されることになる。
【0068】この第2実施形態にあっては、可動鉄芯4
4の孔周囲面44bを単に傾斜させて加工することによ
り、前記第1実施形態と同様に溶接ポイントを探索を容
易かつ正確に行うことができるとともに、シャフト32
の中心線と平行な方向からレーザーを照射した場合に
も、何ら邪魔されることなく目的のポイントPに的確に
照射することができる。また、孔周囲面44bの外周に
環状壁44cを設けた場合にも、シャフト32と可動鉄
芯44とを、それぞれの正確な軸方向相対位置をもって
短時間のうちに精度良く溶接・固定することができる。
更に、環状壁44cを設けた状態で孔周囲面44bを傾
斜させる場合にも、鍛造によって簡単に形成することが
できる。
【0069】ところで、前記第1実施形態および前記第
2実施形態で説明した溶接ポイントの探索方法は、いず
れも距離センサ54を用いたものであるが、これに限る
ことなくシャフト端面32dおよび孔周囲面44bを撮
像して、これを画像処理することにより溶接ポイントを
探索することができる。
【0070】図12は画像処理システム60の一例を示
し、前記第1実施形態の図5に示す溶接システム50と
同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略し
て述べる。即ち、この画像処理システム60は、2軸ロ
ボット53および距離センサ54に代えてCCDカメラ
61、光源62およびランプ63を設置し、また、CC
Dカメラ61で撮像した画像信号は画像認識装置64を
介して制御装置56に入力される。なお、この画像処理
システム60には図5に示す演算装置57は設けられな
い。
【0071】前記画像処理システム60による溶接ポイ
ントの探索は、光源62によりランプ63の光をシャフ
ト32と可動鉄芯44との溶接箇所に当てた状態で、C
CDカメラ61でその部分を撮像する。このとき、CC
Dカメラ61による撮像は、図13に示すように、環状
壁44cが邪魔にならない程度でワークに対して常に一
定方向から行い、例えば、シャフト端面32dの傾斜方
向に対して、右を上、左を下に見る方向でシャフト33
2の中心線上から手前に5度〜15度程度傾いた線上に
CCDカメラ61を配置する。
【0072】そして、画像認識装置64を通して制御装
置56に導入した画像は、輝度しきい値など用いた画像
処理により、図14に示すようにシャフト端面32dの
外周辺32eと孔周囲面44bの内周辺44eを抽出す
る。これら外周辺32eと内周辺44eは、楕円となる
一部が相手部材によりそれぞれ隠されるため、この隠れ
た部分h1,h2(図中破線で示す)が開放された状態で
認識される。このとき、外周辺32eと内周辺44eと
の画像上の交点は4箇所a,b,c,dとなるが、実際
上は図15に示すようにbとcが真の交点であり、aと
dは虚偽の交点となる。従って、真の交点であるbとc
は、CCDカメラ61の設置位置から容易に判断するこ
とができ、このbとcが溶接ポイントとして探索され
る。
【0073】従って、前記bとcの交点部分Pにレーザ
照射器55からレーザが照射されて溶接されることにな
る。この実施形態ではCCDカメラ61がワークの直上
から外れた位置に設定されるため、レーザ照射時にこの
CCDカメラ61を回避させる必要がない。
【0074】ところで、前記各実施形態ではシャフト3
2に設けたねじ部32cを可動鉄芯44のねじ孔44a
に螺合して、これらシャフト32と可動鉄芯44との相
対回転により、両者の軸方向相対位置を精度良く調整で
きる場合を示したが、これに限ることなく図16に示す
ように、螺合手段を用いることなく、シャフト32を可
動鉄芯44の挿入孔44fに軸方向の摺動を自在に挿通
させる場合にあっても本発明を適用することができる。
【0075】また、前記各実施形態では本発明の筒体と
軸体との一体化構造を、電磁継電器10のシャフト32
と可動鉄芯44との固定に用いた場合を示したが、その
一体化構造およびこの一体化構造を用いた構造物の製造
方法は、前記電磁継電器10に限ることなく、一般的な
筒体と軸体との結合構造として適用できることは勿論で
ある。
【0076】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、筒体
の孔周囲面と軸体の端面とを互いに交差させて、それぞ
れ交差する孔周囲面の内周辺と軸体端面の外周辺との交
点部分を溶接するようにしたので、筒体の孔周囲面と軸
体の端面とが交差する範囲内で、これら筒体と軸体とを
任意な位置で固定できるとともに、その固定が溶接であ
るため筒体と軸体とを短時間のうちに精度良く固定でき
る。
【0077】また、レーザ照射により溶接する場合に
も、このレーザを軸体の中心線と平行な方向から照射す
る場合にも、そのレーザーが邪魔されることなく目的の
ポイントに的確に照射することができるため、前記孔周
囲面の外周に環状壁などの障害物が設けられる構造にあ
っても、筒体とこれに挿入された軸体との溶接を確実に
行うことができる。
【0078】請求項2に記載の本発明によれば、請求項
1に記載の筒体と軸体との一体化構造において、前記軸
体端面を、この軸体の軸方向に対して傾斜する単一の傾
斜面で形成したので、軸体の端部を単に一方向に傾斜さ
せて加工すればよく、その加工が簡単になって製品の生
産性を高めることができる。
【0079】請求項3に記載の本発明によれば、請求項
1に記載の筒体と軸体との一体化構造において、前記軸
体端面が、この軸体の軸方向に対してそれぞれ傾斜する
複数の傾斜面で形成したので、孔周囲面の内周辺と複数
の傾斜面で形成した軸体端面の外周辺との交点部分の数
を増加して、溶接ポイントを増やすことができ、その
分、固定強度を高めることができる。
【0080】請求項4に記載の本発明は、請求項1に記
載の筒体と軸体との一体化構造において、前記孔周囲面
を、前記軸体の軸方向に対して傾斜させたので、この場
合にあっても軸体の端面との間で相対的に傾斜させるこ
とができ、請求項1と同様に筒体と軸体とを短時間のう
ちに精度良く固定できるとともに、レーザを軸体の中心
線と平行な方向から照射する場合にも、そのレーザーが
邪魔されることなく目的のポイントに的確に照射して溶
接することができる。
【0081】また、筒体の端部を単に傾斜させて加工す
ることにより、孔周囲面を簡単に傾斜させることができ
るとともに、この孔周囲面の外周に環状の壁部が形成さ
れる場合にも、鍛造によってその壁部内に傾斜する孔周
囲面を簡単に形成することができる。
【0082】請求項5に記載の本発明は、請求項1から
4のいずれかに記載の筒体と軸体との一体化構造におい
て、前記軸体と前記挿入孔とを互いに螺合させたので、
筒体と軸体とを相対回転させることにより、筒体と軸体
との挿入方向の相対位置を螺合部分によって簡単かつ正
確に調整することができるため、筒体と軸体との固定位
置を正確に決定することができる。
【0083】請求項6に記載の本発明は、請求項1の筒
体と軸体との一体化構造を電磁継電器のシャフトと可動
鉄芯との固定に適用したもので、これら可動鉄芯とこれ
の挿入孔に挿通されるシャフトとを、それぞれの正確な
軸方向相対位置をもって短時間のうちに精度良く固定で
きるため、可動接点と固定接点とを所定の接触圧で接触
させて、電磁継電器を円滑に作動させて常時安定した性
能を得ることができる。
【0084】請求項7に記載の本発明は、請求項6に記
載の電磁継電器において、前記シャフト端面を、このシ
ャフトの軸方向に対して傾斜する単一の傾斜面で形成し
たので、この傾斜面はシャフトの端部を単に一方向に傾
斜させて加工すればよいことから、その加工が簡単にな
ってシャフトの生産性を向上することができる。
【0085】請求項8に記載の本発明は、請求項6に記
載の電磁継電器において、前記シャフト端面を、このシ
ャフトの軸方向に対してそれぞれ傾斜する複数の傾斜面
で形成したので、可動鉄芯の孔周囲面の内周辺と複数の
傾斜面で形成したシャフト端面の外周辺との交点部分の
数を増加して、溶接ポイントを増やすことができるた
め、可動鉄芯とシャフトとの固定強度を高めることがで
きる。
【0086】請求項9に記載の本発明は、請求項6に記
載の電磁継電器において、前記孔周囲面を、前記シャフ
トの軸方向に対して傾斜させたので、可動鉄芯の端部を
単に傾斜させて加工することにより、孔周囲面を簡単に
傾斜させることができるとともに、この孔周囲面の外周
に環状の壁部が形成される場合にも、鍛造によってその
壁部内に傾斜する孔周囲面を簡単に形成することがで
き、可動鉄芯の生産性を高めることができる。
【0087】請求項10に記載の本発明は、請求項6か
ら9のいずれかに記載の電磁継電器において、前記シャ
フトと前記挿入孔とを互いに螺合したので、シャフトと
可動鉄芯とを相対回転させることにより、シャフトと可
動鉄芯との軸方向の相対位置を螺合部分によって簡単か
つ正確に調整し、可動接点と固定接点との接触圧を正確
に設定することができ、電磁継電器の安定した作動が補
償される。
【0088】請求項11に記載の本発明は、軸体と、こ
の軸体を挿入する挿入孔を有する筒体とを備え、前記軸
体を前記挿入孔に挿入した状態で前記筒体に固定するよ
うになった構造物の製造方法において、前記挿入孔の端
部に設けられる孔周囲面と、この挿入孔に挿入された軸
体の前記孔周囲面側に配置される端面とを互いに交差さ
せて形成し、そして、距離センサを用いてこれら交差す
る孔周囲面の内周辺と軸体端面の外周辺との交点部分を
探索し、次いで、その交点部分を溶接したので、溶接ポ
イントを短時間のうちに正確に検出することができ、ひ
いては構造物の生産性を向上することができる。
【0089】請求項12に記載の本発明は、請求項11
に記載の構造物の製造方法において、前記距離センサ
は、軸体端面のほぼ中心を通り、軸体端面の傾斜方向に
沿って水平に移動することにより、孔周囲面と同一高さ
となる軸体端面の高さを計測して交点部分を探索するの
で、軸体端面に傾斜面が形成されている場合に特に有効
となり、孔周囲面と同一高さとなる傾斜された軸体端面
の高さが計測されることにより、この計測点から傾斜方
向に対して直角方向に配置される交点部分は、予め決定
された軸体の径や幅により容易に決定でき、溶接ポイン
トの探索を迅速かつ正確に行うことができる。
【0090】請求項13に記載の本発明は、請求項11
に記載の構造物の製造方法において、前記距離センサ
は、筒体端面で孔周囲面の傾斜方向の中心線上に付され
た印を識別して孔周囲面の傾斜方向を探索し、次いで、
軸体中心と前記印を結ぶ線上に沿って、孔周囲面と軸体
端面との高さおよび水平位置を計測して交点部分を探索
するようにしたので、筒体の孔周囲面が傾斜されている
場合に特に有効となり、筒体端面に付された印を目印と
して孔周囲面の傾斜方向および軸体対面との相対高さを
計測できるため、軸体が筒体に対していずれの方向を向
いていても、正確に交点部分を探索でき、溶接ポイント
の探索を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電磁継電器の第1実施形態を示
す非作動状態の断面図である。
【図2】本発明にかかる電磁継電器の第1実施形態を示
す作動状態の断面図である。
【図3】本発明にかかる電磁継電器の第1実施形態を示
す可動鉄芯とシャフトとの要部の分解斜視図である。
【図4】本発明にかかる電磁継電器の第1実施形態を示
す可動鉄芯とシャフトとの挿入状態の要部斜視図であ
る。
【図5】本発明にかかる電磁継電器の第1実施形態を示
す溶接システムの概略構成図である。
【図6】本発明にかかる電磁継電器の第1実施形態を示
す溶接しようとする可動鉄芯とシャフトとの要部の斜視
図である。
【図7】本発明にかかる電磁継電器の第1実施形態を示
す距離センサによる測定位置と溶接ポイントとの関係の
説明図である。
【図8】本発明にかかる電磁継電器の第1実施形態で傾
斜面を2つ設けたシャフトの変形例の端部斜視図であ
る。
【図9】本発明にかかる電磁継電器の第1実施形態で傾
斜面を4つ設けたシャフトの変形例の端部斜視図であ
る。
【図10】本発明にかかる電磁継電器の第2実施形態を
示す可動鉄芯とシャフトとの挿入状態の要部斜視図であ
る。
【図11】本発明にかかる電磁継電器の第2実施形態を
示す距離センサによる測定位置と溶接ポイントとの関係
の説明図である。
【図12】本発明にかかる電磁継電器の他の実施形態を
示す画像処理システムの概略構成図である。
【図13】本発明にかかる電磁継電器の他の実施形態を
示す画像処理システムの撮影画像である。
【図14】本発明にかかる電磁継電器の他の実施形態を
示す画像処理システムで画像処理された孔周囲面の内周
辺とシャフト端面の外周辺との抽出画である。
【図15】本発明にかかる電磁継電器の他の実施形態を
示す画像で取り込まれる孔周囲面とシャフト端面との実
施上の関係を示す斜視図である。
【図16】本発明にかかる電磁継電器の他の実施形態を
示す可動鉄芯とシャフトとの挿入状態の斜視図である。
【図17】従来の電磁継電器の概略構成図である。
【図18】従来の電磁継電器の可動鉄芯とシャフトとの
固定状態を示す要部断面図である。
【図19】従来の電磁継電器の可動鉄芯とシャフトとの
レーザ照射による溶接を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10 電磁継電器 22 固定接点 31 可動接点 32 シャフト(軸体) 32c ねじ部 32d シャフト端面 32e 外周辺 42 コイルブロック 44 可動鉄芯(筒体) 44a ねじ孔(挿入孔) 44b 孔周囲面 44e 内周辺 44f 挿入孔 50 溶接システム 54 距離センサ P 交点部分(溶接部)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体と、この軸体を挿入する挿入孔を有
    する筒体とを備え、前記軸体を前記挿入孔に挿入した状
    態で軸体が前記筒体に固定された筒体と軸体との一体化
    構造において、 前記挿入孔の端部に設けられる孔周囲面と、この挿入孔
    に挿入された軸体の前記孔周囲面側に配置される端面と
    を互いに交差させて形成し、これら交差する孔周囲面の
    内周辺と軸体端面の外周辺との交点部分を溶接した溶接
    部が形成されていることを特徴とする筒体と軸体との一
    体化構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の筒体と軸体との一体化
    構造において、前記軸体端面が、この軸体の軸方向に対
    して傾斜する単一の傾斜面で形成されていることを特徴
    とする筒体と軸体との一体化構造。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の筒体と軸体との一体化
    構造において、前記軸体端面が、この軸体の軸方向に対
    してそれぞれ傾斜する複数の傾斜面で形成されているこ
    とを特徴とする筒体と軸体との一体化構造。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の筒体と軸体との一体化
    構造において、前記孔周囲面が、前記軸体の軸方向に対
    して傾斜されていることを特徴とする筒体と軸体との一
    体化構造。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の筒体
    と軸体との一体化構造において、前記軸体と前記挿入孔
    とが互いに螺合されていることを特徴とする筒体と軸体
    との一体化構造。
  6. 【請求項6】 固定接点と、この固定接点に接触および
    離隔する可動接点と、この可動接点に連結されたシャフ
    トと、このシャフトを挿入する挿入孔を有して軸方向移
    動が許容される可動鉄芯と、前記挿入孔に前記シャフト
    を挿入した状態でこの可動鉄芯を軸方向に駆動するコイ
    ルブロックとを備え、前記可動接点が前記固定接点に所
    定の接触圧で接触するように、前記可動鉄芯と前記シャ
    フトとの軸方向相対位置が所定の位置で固定された電磁
    継電器において、 前記可動鉄芯の挿入孔端部に設けられる孔周囲面と、こ
    の挿入孔に挿入された前記シャフトの前記孔周囲面側に
    配置される端面とを互いに交差させて形成し、これら交
    差する孔周囲面の内周辺とシャフト端面の外周辺との交
    点部分を溶接した溶接部分が形成されていることを特徴
    とする電磁継電器。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電磁継電器において、
    前記シャフト端面が、このシャフトの軸方向に対して傾
    斜する単一の傾斜面で形成されていることを特徴とする
    電磁継電器。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の電磁継電器において、
    前記シャフト端面が、このシャフトの軸方向に対してそ
    れぞれ傾斜する複数の傾斜面で形成されていることを特
    徴とする電磁継電器。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の電磁継電器において、
    前記孔周囲面が、前記シャフトの軸方向に対して傾斜さ
    れていることを特徴とする電磁継電器。
  10. 【請求項10】 請求項6から9のいずれかに記載の電
    磁継電器において、前記シャフトと前記挿入孔とが互い
    に螺合されていることを特徴とする電磁継電器。
  11. 【請求項11】 軸体と、この軸体を挿入する挿入孔を
    有する筒体とを備え、前記軸体を前記挿入孔に挿入した
    状態で前記筒体に固定する構造物の製造方法において、 前記挿入孔の端部に設けられる孔周囲面と、この挿入孔
    に挿入された軸体の前記孔周囲面側に配置される端面と
    を互いに交差させて形成し、そして、距離センサを用い
    てこれら交差する孔周囲面の内周辺と軸体端面の外周辺
    との交点部分を探索し、次いで、その交点部分を溶接す
    ることを特徴とする構造物の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の構造物の製造方法
    において、前記距離センサは、軸体端面のほぼ中心を通
    り、軸体端面の傾斜方向に沿って水平に移動することに
    より、孔周囲面と同一高さとなる軸体端面の高さを計測
    して交点部分を探索することを特徴とする構造物の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の構造物の製造方法
    において、前記距離センサは、筒体端面で孔周囲面の傾
    斜方向の中心線上に付された印を識別して孔周囲面の傾
    斜方向を探索し、次いで、軸体中心と前記印を結ぶ線上
    に沿って、孔周囲面と軸体端面との高さおよび水平位置
    を計測して交点部分を探索することを特徴とする構造物
    の製造方法。
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