JP2002133410A - ノイズ抑制処理装置並びに記録媒体 - Google Patents
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Abstract
ノイズ抑制処理装置において、線量に拘わらずノイズを
効果的に抑制することができるようにする。 【解決手段】 それぞれが異なる周波数帯域を有する画
像を担持する帯域制限画像信号Bk を作成する帯域制限
画像信号作成部1、帯域制限画像の注目画素における画
素ベクトルを求めこの画素ベクトルを用いてノイズ特性
としてのエッジ方向を検出するように構成された指標値
取得部2、検出されたエッジ方向に沿って平滑化処理を
施すように平滑化フィルタの特性を切り替え該平滑化フ
ィルタを用いて帯域制限画像信号Bk のそれぞれについ
て平滑化処理を施すように構成されたノイズ抑制処理部
3、およびノイズ成分が抑制された帯域制限画像信号f
B k に基づいてノイズが抑制された画像を担持する処理
済画像信号Sprocを再構成する画像再構成部4を備えた
ノイズ抑制処理装置100とする。
Description
する入力画像信号に対して、放射線画像に含まれるノイ
ズ成分を抑制させるノイズ抑制処理を施すノイズ抑制処
理装置およびこのノイズ抑制処理をコンピュータに実行
させるためのプログラムを記録した記録媒体に関するも
のである。
(以下CR装置という)などを用いて取得した放射線画
像を診断に資するに際しては、得られた放射線画像に対
して周波数強調処理や階調処理など所望の画像処理を施
して診断に適する画像とした後にCRTモニタにソフト
コピーとして表示させたり、フィルムにハードコピーと
して出力することが行なわれている。
濃度が低い部分において、放射線の量子ノイズが目立っ
てしまうという問題がある。このため、放射線画像を担
持する画像信号中に含まれるノイズ成分を抑制させるノ
イズ抑制処理を施す方法が種々提案されている。
のデテール像(解像度レベル1〜M段までの帯域制限画
像信号)に多重解像度分解し、各デテール像において注
目画素近辺(N×N画素分)の領域に対する2乗和(移
動平均)を計算し、この2乗和のデテール象に亘るヒス
トグラムのピークからノイズ分散を算出し、このノイズ
分散と各画素に対応する2乗和の値とを比較し、2乗和
の値がノイズ分散より小さいときはデテール信号を小さ
くすることによりデテール像のノイズを抑制し、この
後、逆多重解像度変換を行なって画像を復元することに
より、ノイズ成分が抑制された画像を得る方法が提案さ
れている。
像度レベルの画像(最も密なデテール像)のノイズ分散
に基づいてそれよりも低解像度レベルの画像におけるノ
イズ分散を計算する手法も提案されている。
開平6-274615号に記載された方法は、ノイズは画像全体
において均一であるという考えに従い、該当解像度信号
(デテール像)のみの2乗和(移動平均)とそのヒスト
グラムから算出したノイズ分散値を用いてノイズ抑制を
行なっている。しかし実際の放射線画像は、ある画像の
中でも例えば直接X線があたっている領域はノイズが少
なく例えば被写体が写っている領域ではノイズが多くな
るというように、画像全体に亘ってノイズが均一である
ということはない。したがって、ヒストグラムから算出
した閾値を用いてノイズ抑制を行なうならば、ノイズが
少ない領域では、ノイズと一緒にエッジ情報までもが抑
制されるためエッジ劣化が生じ鮮鋭度の低下した画像と
なってしまい、ノイズが多い領域ではノイズが十分に抑
制できないという問題がある。
と、多くの横造を有しない被写体とではヒストグラムの
形状が異なるものになるから、被写体に応じてノイズと
エッジとの分離を最適に行なうことは難しい。
あり、線量に拘わらずノイズを効果的に抑制あるいは除
去するとともに、ノイズが多い画像に対してノイズ除去
処理を施した際に生じ得るエッジ劣化を少なくすること
ができるノイズ抑制処理装置および該ノイズ抑制処理を
コンピュータに実行させるためのプログラムを記録した
コンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することを目
的とするものである。
装置は、入力された放射線画像を担持する入力画像信号
に対して平滑化フィルタを用いた平滑化処理を施す平滑
化処理手段を具備し、放射線画像に含まれるノイズ成分
を抑制させるノイズ抑制処理装置において、放射線画像
を得た際の放射線の線量を示す情報(以下線量情報とも
いう)に基づいて、入力画像信号のノイズ特性を算出す
るノイズ特性算出手段を備え、平滑化処理手段が、この
算出されたノイズ特性に基づいて、平滑化処理を施すた
めに用いられる平滑化フィルタの特性を切り替えるもの
であることを特徴とする。
情報は、フォトタイマーからの情報など放射線画像を得
た際の放射線の線量を直接的に示すものに限らず、撮影
メニュー、患者年齢、撮影条件(撮影装置における放射
線照射条件)、規格化条件(特開平2−108175号などを
参照)、または画像の信号値(濃度値)など、放射線の
線量を間接的に示し得るもの(線量相当のもの)であっ
てもよい。
ては、入力画像信号に基づいて、それぞれが異なる周波
数帯域を有する画像を担持する複数の帯域制限画像信号
を作成する帯域制限画像信号作成手段をさらに備えたも
のとするとともに、平滑化処理手段を、複数の帯域制限
画像信号それぞれに対して平滑化フィルタを用いた平滑
化処理を施すものとすることが望ましい。
入力画像信号を多重解像度分解することにより複数の帯
域制限画像信号を作成するものとすることが望ましい。
この場合、ノイズ抑制処理が施された帯域制限画像信号
に対して逆多重解像度展開を施すことにより画像再構成
を行なうこととなる。多重解像度分解としては、例えば
ラプラシアンピラミッド分解やウェーブレット変換など
を用いるとよい。
す情報に基づいて」とは、少なくとも前記放射線の線量
を示す情報に基づいてという意味であり、この放射線の
線量を示す情報に加えて、その他の情報を用いるもので
あってもよいのはいうまでもない。その他の情報として
は、例えば注目画素近傍の局所情報(局所的に計算され
た情報)を用いることができる。すなわち、本発明のノ
イズ抑制処理装置においては、ノイズ特性算出手段を、
複数の帯域制限画像信号の少なくとも1つについての注
目画素近傍の値から局所的に計算された情報にも基づい
てノイズ特性を得るものとすることが望ましい。
ッジらしさを判定し得る情報であればよく、例えばベク
トル情報や濃度値の局所平均(移動平均値でもよい)、
あるいは局所2乗和などを用いることができる。
とも1つの帯域制限画像信号により表される帯域制限画
像の注目画素における画素ベクトルを求め、この画素ベ
クトルを前記局所的に計算された情報として用いてノイ
ズ特性としてのエッジ方向を検出するものとし、平滑化
処理手段を、この検出されたエッジ方向に沿って平滑化
処理を施すように平滑化フィルタの特性を切り替えるも
のとすることが望ましい。
像を担持する入力画像信号に対して、放射線画像に含ま
れるノイズ成分を抑制させるノイズ抑制処理をコンピュ
ータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュ
ータ読取り可能な記録媒体であって、前記プログラム
が、放射線画像を得た際の放射線の線量を示す情報に基
づいて、入力画像信号のノイズ特性を算出する手順と、
この算出されたノイズ特性に基づいて、入力画像信号に
対して平滑化処理を施すために用いられる平滑化フィル
タの特性を切り替える手順と、この切り替えられた平滑
化フィルタを用いて入力画像信号に対して平滑化処理を
施す手順をコンピュータに実行させるものであることを
特徴とする。
像を担持する入力画像信号に対して、放射線画像に含ま
れるノイズ成分を抑制させるノイズ抑制処理をコンピュ
ータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュ
ータ読取り可能な記録媒体であって、前記プログラム
が、入力画像信号に基づいて、それぞれが異なる周波数
帯域を有する画像を担持する複数の帯域制限画像信号を
作成する手順と、放射線画像を得た際の放射線の線量を
示す情報に基づいて入力画像信号のノイズ特性を算出す
る手順と、この算出されたノイズ特性に基づいて複数の
帯域制限画像信号それぞれに対して平滑化処理を施すた
めに用いられる平滑化フィルタの特性を切り替える手順
と、この切り替えられた平滑化フィルタを用いて複数の
帯域制限画像信号それぞれに対して平滑化処理を施す手
順をコンピュータに実行させるものとすることもでき
る。
媒体によれば、放射線画像を得た際の放射線の線量を示
す情報(線量情報)に基づいて入力画像信号のノイズ特
性を算出し、この算出されたノイズ特性に基づいて平滑
化フィルタの特性を切り替える構成としたので、線量に
拘わらずノイズが効果的に抑制・除去された画像を得る
ことができる。
制限画像信号に対して平滑化フィルタを用いた平滑化処
理を施すものとした場合には、ノイズ抑制処理が施され
た各帯域制限画像信号に基づいて1つの画像信号を再構
成すればよく、この場合にも、線量に拘わらずノイズが
効果的に抑制・除去された画像を得ることができる。
も1つについての注目画素近傍の値から局所的に計算さ
れた情報に基づいてノイズ特性を得るものとすれば、エ
ッジの程度と、線量情報とを加味したノイズ特性が得ら
れ、領域ごとのノイズ変化に対応してエッジとノイズの
分離が容易となるため、エッジ劣化が少なく、且つノイ
ズが効果的に抑制された画像が得られる。
おける画素ベクトルを求め、この画素ベクトルを局所的
に計算された情報として用いてノイズ特性としてのエッ
ジ方向を検出し、この検出されたエッジ方向に沿って平
滑化処理を施すように平滑化フィルタの特性を切り替え
る構成とすれば、ノイズが多い画像に対してノイズ抑制
を行なった際に生じ得るエッジの劣化を低減し、撮影線
量による画質のばらつきを抑制することができる。つま
り、エッジ方向に沿って平滑化処理を施すことができる
から、エッジ上にのったノイズを適正に抑制することが
でき、またエッジコントラストを低減することなくエッ
ジ上のノイズを一層効果的に抑制することができるな
ど、エッジを保存しつつノイズを効果的に抑制すること
ができる。
の程度が異なる複数のフィルタを予め用意しておき、算
出されたノイズ特性に基づいてこの複数のフィルタの中
からいずれかを選択することにより平滑化フィルタの特
性を切り替える構成とすれば、上記ノイズ抑制処理を高
速に行なうことができ、処理全体のスループットを向上
させることができる。
て各帯域制限画像信号を作成する構成とすれば、帯域制
限画像信号の作成処理や画像再構成の処理を高速に行な
うことができるから、処理全体のスループットを一層向
上させることができる。
施の形態について詳細に説明する。
施形態の構成を示す概略ブロック図である。
ように、読取装置などにおいて得られた所定の解像度を
有する放射線画像を担持する入力画像信号Sinに基づい
て、それぞれが異なる周波数帯域を有する画像を担持す
る複数の帯域制限画像信号を作成する帯域制限画像信号
作成部1と、放射線画像を得た際の放射線の線量を示す
情報に基づいて、放射線量に応じたノイズ成分を抑制さ
せる程度を示す指標値を得る指標値取得部2と、この得
られた指標値に基づいて複数の帯域制限画像信号のそれ
ぞれについてノイズ抑制処理を施すノイズ抑制処理部3
と、それぞれノイズ抑制処理が施された複数の帯域制限
画像信号に基づいてノイズが抑制された放射線画像を担
持する処理済画像信号Sprocを再構成する画像再構成部
4とを有する。
出手段として機能するように構成されている。すなわ
ち、この指標値取得部2は、帯域制限画像の注目画素に
おける画素ベクトルを求め、この画素ベクトルを用いて
ノイズ特性としてのエッジ方向を検出するように構成さ
れている。
滑化処理手段として機能するように構成されている。す
なわち、このノイズ抑制処理部3は、指標値取得部2に
おいて算出(検出)されたノイズ特性としてエッジ方向
に沿って平滑化処理を施すように平滑化フィルタの特性
を切り替え、この特性が切り替えられた平滑化フィルタ
を用いて帯域制限画像信号Bk のそれぞれについて平滑
化処理を施すように構成されている。
92号や同56-11395号などに記載のように、蓄積性蛍光体
シートを利用した放射線画像情報記録再生システムにお
いて、蓄積性蛍光体シートに記録された人体の放射線画
像をレーザビーム走査によりデジタル画像信号として読
み取ったものをノイズ抑制処理の対象としている。放射
線画像の読み取りは、蓄積性蛍光体シートに対して主走
査方向(横方向)にレーザビームを走査させながらシー
トを副走査方向(縦方向)に移動させてシートを2次元
走査することにより行なわれる。
の作用について説明する。
て、処理の概要について説明する。
えば特開平5-244508号、同6-096200号、あるいは特願平
11-363766号および特願 2000-022828号などにおいて本
願出願人が提案しているラプラシアンピラミッド分解
や、特開平6-274615号や特願平11-363766号などにおい
て本願出願人が提案しているウェーブレット変換などの
多重解像度変換の手法を用いるとよい。また、特開平10
-75364号などに示されているようにボケマスク信号を用
いて取得する方法など、公知のその他の方法を用いても
よい。以下の実施形態では、ラプラシアンピラミッドの
手法を用いるものとして説明する。
一態様であるラプラシアンピラミッド分解を用いて帯域
制限画像信号を得る(ステップS21)。そして、本発
明の評価値としての、帯域制限画像信号が担持する多重
解像度空間に分解された各帯域制限画像の各画素位置に
おけるベクトル成分を算出する(ステップS22)。な
お、ベクトル成分は、後述するDouble-Angle表現にて算
出すると、ある画素位置において、45度ごとの4方向
のベクトルを算出することになる。これら4方向ベクト
ルから、該当画素位置における情報がノイズ成分なのか
エッジ成分なのかを識別することができる。
端に大きなベクトルを持つなどの特異点(局所的なノイ
ズ)が存在すると、その画素位置での局所的なノイズを
エッジ信号と間違えるため、1次元フィルタを用いて各
ベクトル成分の近傍平均をとることとする(ステップS
23)。ベクトル平均は、エッジ信号は連続していると
いう仮定から成り立っている。本実施形態では、後述す
るように、等方性の2次元空間フィルタを用いて近傍平
均をとる。また、このベクトル平均を、対象解像度より
低解像度のベクトル成分を用いて修正する。このとき、
原画像を得た際の放射線の線量に応じてベクトル平均を
修正する(ステップ24)。
に基づいて、後述する方法にしたがって、それぞれノイ
ズ抑制度の一態様であるエッジ信頼性Cと画素エネルギ
Eを算出し(ステップ25)、このエッジ信頼性Cと画
素エネルギEを用いて、適応的フィルタリングによるノ
イズ抑制処理を施す(ステップS26)。そして最後
に、逆多重解像度変換の一態様であるラプラシアンピラ
ミッド再構成を行なってノイズが抑制された処理済画像
を得る(ステップS27)。
ングは、異方性フィルタ(方向依存フィルタ)と等方性
フィルタ(方向に依存しないフィルタ)に分けて行な
う。異方性フィルタは、例えば予め数10種類の異方性
フィルタ係数を算出しておき、ベクトル方向Dおよびノ
イズ量に応じて1種類のフィルタ係数を選択するように
する。一方、等方性フィルタは、単純な非線形変換で実
現することとする。
は、マスクの中心におけるフィルタ係数を1とし、その
他の係数を下記式(1)により算出することとする。そ
して、係数の総和が1となるように正規化する。
は、下記式(2)により算出することとする。そして、
係数の総和が1となるように正規化する。
細について説明する。
示すブロック図、図4は5段階の帯域制限画像信号作成
処理を模式的に示す図である。
ているように、フィルタリング処理手段10において
は、入力画像信号Sinに対して原画像の主副の各走査方
向に対してフィルタリング処理を施して入力画像信号S
inよりも解像度が低い画像信号L1 (以下、低解像度画
像信号という)を作成し、次にこの低解像度画像信号L
1 に対して同様のフィルタリング処理を施してこの低解
像度画像信号L1 よりもさらに解像度が低い低解像度画
像信号L2 を作成し、以降順次同様のフィルタリング処
理を繰り返して各解像度の低解像度画像信号Lk (k=
1〜n)を得る。そして、補間処理手段11において、
このフィルタリング処理の各段において得られる低解像
度画像信号Lk に対して、主副の各走査方向にそれぞれ
2倍(全体としては4倍)の画素数となるように補間処
理を施して、鮮鋭度が異なる複数のボケ画像信号Sus1
〜Susn (以下Susk (k=1〜n)で代表させる)を
得る。この後、減算器12により互いに対応する画素数
を有する低解像度画像信号L k-1 とボケ画像信号Susk
および入力画像信号Sinとボケ画像信号Sus1 との差分
を求め、これを帯域制限画像信号Bk とする。
限画像信号Bk を用いてノイズ抑制の程度を示す指標値
(ノイズ抑制度)を求め、求めた指標値にしたがってノ
イズ抑制処理を施す過程について説明する。
ブロック図である。図示するように、指標値取得部2
は、各帯域制限画像信号Bk により表される各帯域制限
画像の各画素における画素ベクトル(本発明の評価値の
一態様)を得る画素ベクトル取得手段22と、画素ベク
トルの長さおよび/または方向に基づいて、エッジ信頼
性、画素エネルギ、およびベクトル方向(それぞれ本発
明の指標値の一態様)の少なくとも1つを、帯域制限画
像信号Bk により表される帯域制限画像の各画素ごとに
得る指標値算出手段24とを各帯域制限画像信号Bk ご
とに有している。
4から出力された指標値に基づいて帯域制限画像信号B
k に含まれるノイズ成分を抑制する処理を施す抑制処理
手段32を各帯域制限画像信号Bk ごとに有している。
は線方向に平滑化し、孤立ノイズは2次元的に平滑化す
る」という手法を用いるものである。この処理の最大の
特徴は、線信号の平滑化による滑らかなエッジ(線)の
描出であり、そのために必要な情報をベクトル形式もし
くはテンソル形式のみで表現している点である。本実施
形態では、処理に用いる情報として、テンソル形式のも
のではなく、Double‐Angle表現(以下D−A表現とい
う)という概念のベクトル形式のものを用いる。
るための手法であり、アルゴリズムとしてのメリット
は、このD−A表現された情報の近傍平均をとるだけで
線信号の信頼性(線らしさの指標)が算出できる点であ
る。この点について、図6を参照して簡単に説明する。
クトルを算出し、通常のベクトル表現(ここではFull-A
ngle表現;以下F−A表現という)すると同図(B)の
ようになり、中心の低濃度部領域を境にベクトルの向き
が正対する。一方、D−A表現では算出したベクトル角
度を2倍するため同図(C)のようになる。
信頼性Cを算出すると、(B),(C)の右側の大矢印
のようになり、(C)に対し(B)の信頼性はかなり小
さくなる。特に図示していないが、ノイズ(近傍べクト
ルが様々な方向を向く)も信頼性が小さくなることは容
易に想像でき、F−A表現ではノイズと線情報の分離は
より困難となる。
7に示すように、線方向に対するベクトルを定義するこ
ととなる。q0〜q3は、注目画素における各方向成分
の大きさを表している。ある画素において、直交する2
方向成分の大きさが等しい場合(交点に相当する)、D
−A表現では出力が弱くなり、2つの直交する成分の大
きさが異なれば、大きい成分を持つ方向が主方向とな
る。
0〜q3を算出すれば、ベクトルをD−A表現すること
ができる。
出方法について具体的に説明する。
プラシアンピラミッド分解されたラプラシアン信号であ
り、図8に示す4種類の2次元空間フィルタとのコンボ
リューションにより4成分を算出する。フィルタ係数の
例として5×5のq0フィルタのフィル夕係数を表4−
1に示す。ラプラシアン信号とフィルタ係数はどちらも
0を中心とした正負の値をとるので、方向成分としては
これらのコンボリューション積の絶対値を用いる。
フィルタなので、ラプラシアン信号のように2次微分さ
れた信号に対して施す場合、2次微分信号値が大きくて
もその傾きが小さい場所ではフィルタ出力が大きくなら
ない。この様子を図9で説明する。
ルタ出力値(1次微分後の絶対値)との関係を示す図で
ある。図示するように、ラプラシアン信号のA点はエッ
ジ端の一部を表し、ラプラシアン信号は最大値となる
が、A点での信号の傾きが0のため、1次微分フィルタ
による出力値も0になる。
では、信号に傾きがあるためA点での1次微分フィルタ
出力値より大きくなる。この傾向は、マスクサイズが大
きいほど顕著となる。また、マスクサイズが大きくなる
と、微小エッジの追従性が悪くなり、微小エッジがボケ
ることも明らかである。
に生成されたノイズがない画像信号であれば、小マスク
サイズが適切である。しかし、実際の自然画像では、程
度の差はあるものの画像全体にノイズが加わっているた
め、小マスクサイズでの1次微分は、ノイズの影響を強
く受ける。
3の平均値)を用いた適応的フィルタを施す際、画質に
悪影響を与える要因の1つとなる。
ば、ノイズの量に応じてマスクサイズを変更する、ある
いはマスクサイズ変更と同等となるフィルタ係数を設定
することで、最適化できる可能性がある。本実施形態の
ように放射線画像を処理対象画像として取り扱う場合、
S値(読取感度)やL値(ラチチュード)からX線量と
ノイズ量を推定し、最適なフィルタ係数を計算すること
ができる。なお、S値やL値に関しては、例えば特開平
2−108175号などを参照するとよい。
トル成分(q0〜q3)を、各成分ごとに近傍平均す
る。近傍平均には、図10に示すような等方性の2次元
空間フィルタを用いる。
変えると、当然ベクトル成分の平滑化レベルが変わる。
この平滑化レベルは、エッジ信頼性や信号の画素エネル
ギに反映され、最終画像に与える影響は比較的大きい。
マスクサイズを大きくすると、ノイズと比較的大きなエ
ッジ信号は精度良く分離可能となるが、小さなエッジ信
号がノイズと見なされる虞れがある。したがって、例え
ば小児胸部などのように細かな情報がない画像では、大
きなマスクサイズでの平滑化が有効である。一方、足画
像などの骨画像では、骨梁のような細かな信号が縦横無
尽に存在しているため、平滑化レベルを強くすると細か
な信号がエッジと認識できないため、小さなマスクサイ
ズを用いることとする。
出願人が特願2000-022828号 において提案したように、
対象画像の解像度よりも低解像度画像のベクトル成分を
用いて修正する。ここで、本願発明者らの調査によれ
ば、ベクトル平均時にたった今対象としている帯域制限
画像信号(注目帯域制限画像)から算出されたベクトル
のほかに、別の(より低解像度の)帯域制限画像信号か
ら算出されたベクトルを利用する際、以下のようなこと
が分かった。
された画像)は、S/Nが良いため、たった今注目して
いる帯域制限画像信号だけのベクトル平均を用いた方
が、細かな信号に対するベクトルの追従性が向上し、エ
ッジ劣化を防止できる。 2)ノイズが多い画像は、S/Nが悪いため、注目して
いる帯域制限画像信号より算出したベクトル(S/Nが
悪い)と低周波帯域情報から算出したベクトル(S/N
が向上している)の平均をとることにより、ノイズに埋
もれていない比較的大きな信号に対する追従性が増し、
大きなノイズ除去効果が得られる。つまり、画像中に含
まれるノイズ量に応じてノイズ抑制の程度をコントロー
ルすることが、画像品質を向上させる上で重要であると
いうことである。
るに際して必要となるノイズ量を推測する方法について
説明する。
は主に透過放射線量の減少によりもたらされるため、透
過放射線量が分かれば、おおよそのノイズ量を推測でき
る。
方法は、注目帯域制限信号でのベクトル平均をA、低周
波帯域制限信号のベクトル平均をBとすると、ベクトル
平均Cは、次式(3)により計算できる。
線量に依存した関数を表し、隣り合う解像度レベルの帯
域制限画像信号間のベクトル平均の加算比率に相当す
る。
部位や撮影メニュー、2)規格化条件(EDR条件)とし
てのS値やL値、3)画像の信号値(濃度値)、4)患者年
齢あるいは撮影条件など、X線量を示し得る各種情報を
用いることができる。
は、例えば低線量用メニューあるいは小児メニューを用
意し、そのメニューに応じて、注目する帯城制限画像信
号のベクトルと、より低周波の帯域制限画像信号のベク
トルとの加算比率を変えることで対応できる。S値やL
値を用いる場合には、S値が小さいほど(高X線量)f
(x)が大きくなるような関数、例えば次式(4)で示
すような関数を用いるとよい。勿論これ以外の関数を用
いることもできる。
光体シート面上でのX線量と画像濃度とに相関があり、
画像信号値は相対的にはX線量を表すから、加算比率の
関数として、例えば次式(5)で示すような関数を用い
るとよい。
したが、例えば、0.5≦f(x)≦1.0の範囲とし
てもよい。
ル平均を算出するときに、画素位置の画像信号値を参照
し、上記式(5)でX線量を推測し、予め定義された関
数により求められる加算比率でベクトル平均を算出する
ことになる。
を用いて、主ベクトルと副ベクトルのそれぞれ方向と長
さを算出する。図7に示すように、各ベクトル成分がD
−A表現となるように算出されているため、主ベクトル
長V1は、式(6)で算出でき、主ベクトルの単位ベク
トル成分(ex1,ey1)は、それぞれ式(7)のよ
うに算出できる。
単位ベクトル成分(ex2,ey2)は、D−A表現で
は、主ベクトルと逆方向となるため、式(8)のように
なる。
成分の平均として式(9)で定義できるため、副ベクト
ル長V2は、画素エネルギVeと主ベクトル長V1の割
合から式(10)のように算出できる。
された互いに直交する2つのベクトル情報V1,V2を
用いて、それぞれノイズ抑制度の一態様であるエッジ信
頼性Cと画素エネルギE、並びに異方性フィルタの平滑
化方向Dを以下の式に基づいて決定する。すなわち、画
素エネルギEはある閾値Thに対して式(11)で算出
し、エッジの信頼性Cは主ベクトル長V1と副ベクトル
長V2とから式(12)で算出する。
≦1.0、0≦D≦31(Dは整数)である。
ルの単位ベクトル成分から角度θを算出し、算出した角
度からさらに規格化された平滑化方向Dを算出する。な
お、本実施形態では、全32方向とした。
標であり、該当画素位置が直線上であるほど大きな値を
とる一方、画素エネルギEが大きいほど信号であること
を示す。エッジ信頼性Cと画素エネルギEとの関係にお
ける、直線信号と交点・端点信号およびノイズの認識モ
デル(適応フィルタの一例)を図11に示す。
から算出された画素エネルギE、エッジ信頼性C、およ
び平滑化方向Dに基づいて、各帯域制限画像信号(ラプ
ラシアン信号)の各画素に対して異方性フィルタを用い
た平滑化処理と適応的フィルタリングを用いてノイズ抑
制処理を施す。
であるため、本実施形態では、先ず直線方向に沿うよう
に異方性フィルタを用いた平滑化処理を施す。換言すれ
ば、ラプラシアン信号に施す異方性の2次元空間フィル
タ(方向依存性フィルタ)は、主ベクトル方向に平滑化
を行なうものである。この異方性フィルタは、図12に
示すような形状をなすように係数が設定されている。こ
のような異方性フィルタを用いる意図は、ノイズが多い
画像になると、エッジ信号上にもノイズが重畳するた
め、エッジコントラストを低減することなくエッジ上の
ノイズを除去するためである。
は、黒ほどフィルタ係数が大きいことを示している。ま
た、左側に示した(a)は上下方向に沿った平滑化を実
施するためのフィルタであり、中心角θの角度が大きい
ほど平滑化能力が高いがエッジ信号も平滑化する。さら
に、上段に示したものほどマスクサイズが大きいため平
滑化能力が高いがエッジ劣化が懸念される一方、下段は
逆にマスクサイズが小さく平滑化能力が小さいがエッジ
保存の効果がある。
ることにより、ベクトル方向に沿った平滑化処理、すな
わちエッジを保存しながらエッジ上のノイズを抑制もし
くは除去することが可能となるが、本願発明者らの調査
によれば、画像上のノイズ量の大小に応じてフィルタが
影響を及ぼす範囲(マスクサイズ)と方向性(中心角)
の最適値が以下に示すように異なるということが分かっ
た。つまり、画像中に含まれるノイズ量に応じて異方性
フィルタを切り替えることが、エッジを保存しながらエ
ッジ上のノイズを抑制もしくは除去する上で重要である
ということである。 1)ノイズが少ない画像(X線が多く照射された画像)
は、細かな信号に対するベクトルの追従性を向上するた
め、影響範囲が小さく且つ中心角が小さなフィルタ特性
とするのがよい。 2)ノイズが多い画像に対し、上記1)と同じ条件で処
理すると、ベクトル方向を向いたノイズとなりアーチフ
ァクトとなるため、より平滑化能力が高いフィルタ特性
が必要である。
必要となるノイズ量を推測する方法について説明する。
場合、ノイズは主に透過放射線量の減少によりもたらさ
れるため、透過放射線量f(x)が分かれば、おおよそ
のノイズ量を推測できる。
手法としては、1)撮影部位や撮影メニュー、2)規格化条
件(EDR条件)としてのS値やL値、3)画像の信号値
(濃度値)、4)エッジ信頼性、5)患者年齢あるいは撮影
条件など、X線量を示し得る各種情報を用いることがで
きる。
は、例えば低線量用メニューあるいは小児メニューを用
意し、そのメニューに応じて、予めf(x)を設定して
おくとよい。
いほど(高X線量)f(x)が大きくなるような関数、
例えば次式(14)で示すような関数を用いるとよい。
勿論これ以外の関数を用いることもできる。
光体シート面上でのX線量と画像濃度とに相関があり、
画像信号値は相対的にはX線量を表すから、透過放射線
量f(x)として、下記式(15)に示すような関数を
用いるのがよい。
には、該当画素位置における画像信号を参照して透過放
射線量f(x)を算出し、f(x)に依存してフィルタ
特性を切り替える。これにより、例えば、信号値が小さ
い場合(低X線量領域)、平滑フィルタの中心角は大き
くかつ影響範囲も大きくなり、より平滑重視になる。一
方、信号値が大きい(高X線量)領域は、中心角も影響
範囲も狭くなり、エッジのボケを抑制できる。
平均後に求められる指標であり、この値が大きいほど非
ノイズ信号であることになる。ノイズが多い画像になる
とエッジ信頼性が低下するため、この信頼性もノイズ量
を推測する指標として考えることができる。ここで、エ
ッジ信頼性が高いほど平滑化フィルタの影響範囲と中心
角を狭くし、逆にエッジ信頼性が低いほど広くすること
で、ノイズ除去と先鋭化が両立できる。
はエッジ保存となるが、エッジ交点では平滑化方向に働
く。しかし、実際の画像上に見られる交点は、理想的な
交点(線がシャープで線が互いに直交している交点)と
は異なり、それ程平滑化されない。
(θ)とノイズ量とに応じて方向依存性フィルタとして
の異方性フィルタを選択し、選択されたフィルタでコン
ボリューション(畳込み積分)を行なって変換画像信号
としてのコンボリューション積を得る。このコンボリュ
ーション積(異方性フィルタ信号)が後述する式(1
6)や式(17)に記載されているAである。
分を抑制するための適応的フィルタリング処理として、
上述のように異方性フィルタとラプラシアン信号のコン
ボリューション積Aを求め、このコンボリューション積
Aとラプラシアン信号との加算比率を画素エネルギEお
よびエッジ信頼性Cに基づいて制御することで、各帯域
制限画像信号(ラプラシアン信号)の各画素に対応する
処理済帯域制限画像信号fBk(k=1〜n)(式では
Proc で代表させる)を算出する。処理済帯域制限画像
信号Proc はノイズ成分が抑制された信号となる。この
処理済帯域制限画像信号Proc の算出時の定義には、下
記1,2がある。
合 図11(b)を直線と定義する場合であり、ノイズ成分
が抑制された処理済帯域制限画像信号Proc は次式(1
6)で計算される。
で異方性フィルタ出力を選択し(第1項)、信頼性が低
いときはさらに画素エネルギEによってオリジナルのラ
プラシアン信号を減衰し、ノイズと交点を分離する(第
2項)。
場合 図11(b)をノイズと定義する場合であり、ノイズ成
分が抑制された処理済帯域制限画像信号Proc は次式
(17)で計算される。
ギEに依存して異方性フィルタ出力を減衰し、ノイズと
エッジを分離する(第1項)。エッジ信頼性Cが低い時
も画素エネルギEによってオリジナルのラプラシアン信
号を減衰し、ノイズと交点を分離する(第2項)。
ではノイズ除去効果があるものの、S/Nが悪い画像に
なると効果がほとんどない。この結果から、S/Nが悪
くなるとノイズでも線の信頼性が高くなるということが
考察できる。
ほど、不連続感(突然ノイズやエッジが見える現象:局
所的な不連続感)を生じアーチファクトとなる。このア
ーチファクトを消すためには、画素エネルギ算出時の閾
値を高くする必要があるが、閾値が高くなると当然エッ
ジもボケることになる。これは、S/Nが悪い画像の場
合は、エッジの画素エネルギとノイズの画素エネルギが
拮抗しているためであり、画素エネルギを利用している
限り必ず生じる問題である。
や端点および点信号など)でも小さな値を有するため、
これらの非直線信号とノイズと分離するために、画素エ
ネルギEを用いて、画素エネルギEがある値以上であれ
は信号、以下であればノイズというような判断を行なう
こともできる。実際には、任意の非線形関数により連続
的にノイズらしさを決定する。例えば、ノイズらしさN
は、閾値TH、画素エネルギに基づいて、次式(18)
で示すような非線形関数で決定することもできる。
Nから、上記式(16)に対応して次式(19)を用い
たり、あるいは上記式(17)に対応して次式(20)
を用いるとよい。
相当量に基づいて決まる値であり、線量相当量として画
素値を利用するときには画素位置ごとに値が変化する。
また、式(18)で定義される関数は、エネルギが大き
くなるにつれて1.0に漸近する関数である。例えば、
式(19)は、エネルギEが閾値THに対して十分大き
いときにはN=1となり処理済帯域制限画像信号Proc
が残るが、エネルギEが閾値THに対して十分小さいと
きにはN=0となるから処理済帯域制限画像信号Proc
=0となる。
制限画像信号に対して施して処理済帯域制限画像信号P
roc を得た後、画像再構成部4において、逆多重解像度
変換としてのラプラシアン再構成を行ない、ノイズ成分
が抑制された画像を表す処理済画像信号Sprocを得る。
ノイズ抑制処理が施された帯域制限画像信号に対して補
間処理を施す補間処理手段43と、帯域制限画像信号と
補間処理が施された拡大画像信号とを加算する加算器4
4とが、解像度レベルの段数に応じて設けられている。
を模式的に示す図である。ノイズ成分が抑制された処理
済帯域制限画像信号fBk (k=1〜n)が得られた
ら、処理済帯域制限画像信号fBk のうち、最低解像度
の信号fBn が1段階高解像度の処理済帯域制限画像信
号fBk-1 と同一画素数となるように、補間処理手段4
3において上記補間処理手段11と同様の補間処理がな
されて拡大画像信号Sn′が得られる。この後、処理済
帯域制限画像信号fBk-1 と拡大画像信号Sn′とが加
算器44において加算されて、加算画像信号Sn−1が
得られる。このような処理をより高解像度となる方向に
繰り返し行なって、最高解像度の加算画像信号S1を得
る。この最高解像度の加算画像信号S1は、ノイズ成分
が抑制された処理済画像信号Sprocとなる。
基づいて画像出力すれば、画質的には、適応的フィルタ
などのパラメータ調整をすることで、「低線量画像を、
通常線量画像の高周波成分を少し暈かしたような画像」
として得ることができる。つまり、放射線画像を得た際
のX線量に依存して、注目する帯域制限画像信号の平均
ベクトルと、より低周波の帯域制限画像信号の平均ベク
トルとの加算比率を制御しているので、高X線量領域で
は微細エッジ重視のノイズ抑制処理がなされる一方、低
X線領域では大きなエッジを重視したノイズ抑制処理が
なされるから、総合的には、ノイズを効果的に抑制ある
いは除去するとともに、ノイズが多い画像に対してノイ
ズ抑制を行なった際に生じ得るエッジの劣化を軽減し、
撮影線量による画質のばらつきを抑制することができ
る。換言すれば、撮影線量にバラ付きがあるなどに起因
して画像に含まれるノイズ成分量が異なる場合において
も、常にノイズ抑制効果が大きく、唐草模様状のアーチ
ファクト(不自然さ)を低減させ、より自然な画像を得
ることができ、また微細信号の劣化が少ない、高画質な
画像を得ることができる。
い実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述
した実施形態に限定されるものではない。
ラミッドの手法により入力画像信号Sinからそれぞれ異
なる周波数帯域を有する帯域制限画像信号を得ている
が、例えば特開平6-274615号に示すように、ウェーブレ
ット変換により帯域制限画像信号を得るようにしてもよ
い。
画像信号を逆多重解像度変換することによりノイズ成分
が抑制された画像を得るようにしていたが、例えば本願
出願人が特願平 11-363766号に提案しているように、多
重解像度信号を用いてノイズ成分SH1を分離した後、
ノイズ分離手段45により入力画像信号Sinからノイズ
成分SH1を差し引くことによってノイズ成分が抑制さ
れた画像を得るという構成とすることもできる。図14
は、このような形態の装置100の詳細を示すブロック
図である。
から局所的に算出される情報(以下局所情報という)と
してベクトル情報を用い、このベクトル情報に基づいて
ノイズ抑制度を示す指標値を求めたりフィルタ処理を施
すようにしていたが、局所情報は、これに限らず、例え
ば移動平均値を用いることもできる。移動平均値を用い
る場合、一の帯域制限画像信号に対する第1の移動平均
値算出時に、撮影メニューやX線撮影条件およびX線相
当量などの放射線の線量を示す情報に応じて、より周波
数帯域の低い帯域制限画像信号における該当画素におけ
る第2の移動平均値を加味するようにしてもよい。
通の2次元)空間フィルタのフィルタ係数を切り替えた
り、マスクサイズを切り替えたりしてもよい。
に記載の方法を利用して、詳細画像の局所2乗和とX線
量に相当する情報とに基づいて、上記フィルタ特性の切
替えを行なうこともできる。ただし、エッジ方向平滑化
に比べてエッジ部が劣化しやすくなるため、やはりエッ
ジ方向平滑化の方が好ましい。
周波数帯域を有する画像を担持する帯域制限画像信号を
作成した後、各帯域制限画像信号それぞれに対して平滑
化フィルタを用いた平滑化処理を施すに際して、線量情
報に基づいて入力画像信号のノイズ特性を算出し、この
算出したノイズ特性に基づいて平滑化フィルタの特性を
切り替えるようにしていたが、入力された画像信号その
ものに対して平滑化フィルタを用いた平滑化処理を施す
場合にも上述同様の手法を適用することができる。ま
た、この場合においても、線量情報に加えて、例えばベ
クトル情報などの局所情報を用いてノイズ特性を求める
手法を同様に適用することもできる。
ータにより実行するものとし、該ノイズ抑制方法をコン
ピュータに実行させるためのプログラムを、コンピュー
タ読取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
成を示す概略ブロック図
を示すフローチャート
図
ロック図
(1次微分後の絶対値)との関係を示す図
る、直線信号と交点・端点信号およびノイズの認識モデ
ルを示す図
示す図
の構成を示す詳細ブロック図
Claims (8)
- 【請求項1】 入力された放射線画像を担持する入力
画像信号に対して平滑化フィルタを用いた平滑化処理を
施す平滑化処理手段を具備し、前記放射線画像に含まれ
るノイズ成分を抑制させるノイズ抑制処理装置におい
て、 前記放射線画像を得た際の放射線の線量を示す情報に基
づいて、前記入力画像信号のノイズ特性を算出するノイ
ズ特性算出手段を備え、 前記平滑化処理手段が、この算出されたノイズ特性に基
づいて、前記平滑化処理を施すために用いられる前記平
滑化フィルタの特性を切り替えるものであることを特徴
とするノイズ抑制処理装置。 - 【請求項2】 前記入力画像信号に基づいて、それぞ
れが異なる周波数帯域を有する画像を担持する複数の帯
域制限画像信号を作成する帯域制限画像信号作成手段を
さらに備え、 前記平滑化処理手段が、前記複数の帯域制限画像信号そ
れぞれに対して平滑化フィルタを用いた平滑化処理を施
すものであることを特徴とする請求項1記載のノイズ抑
制処理装置。 - 【請求項3】 前記帯域制限画像信号作成手段が、前
記入力画像信号を多重解像度分解することにより前記複
数の帯域制限画像信号を作成するものであることを特徴
とする請求項2記載のノイズ抑制処理装置。 - 【請求項4】 前記ノイズ特性算出手段が、前記ノイ
ズ特性を、前記複数の帯域制限画像信号の少なくとも1
つについての注目画素近傍の値から局所的に計算された
情報にも基づいて得るものであることを特徴とする請求
項2または3記載のノイズ抑制処理装置。 - 【請求項5】 前記ノイズ特性算出手段が、前記少な
くとも1つの帯域制限画像信号により表される帯域制限
画像の前記注目画素における画素ベクトルを求め、この
画素ベクトルを前記局所的に計算された情報として用い
て前記ノイズ特性としてのエッジ方向を検出するもので
あり、 前記平滑化処理手段が、この検出されたエッジ方向に沿
って前記平滑化処理を施すように前記平滑化フィルタの
特性を切り替えるものであることを特徴とする請求項4
記載のノイズ抑制処理装置。 - 【請求項6】 前記平滑化処理手段が、特定方向を平
滑化するものであって且つ各特定方向ごとにそれぞれ平
滑化の程度が異なる複数のフィルタを有し、前記算出さ
れたノイズ特性に基づいて、この複数のフィルタの中か
らいずれかを選択することにより前記平滑化フィルタの
特性を切り替えるものであることを特徴とする請求項1
から5いずれか1項記載のノイズ抑制処理装置。 - 【請求項7】 入力された放射線画像を担持する入力
画像信号に対して、前記放射線画像に含まれるノイズ成
分を抑制させるノイズ抑制処理をコンピュータに実行さ
せるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可
能な記録媒体であって、前記プログラムが、 前記放射線画像を得た際の放射線の線量を示す情報に基
づいて、前記入力画像信号のノイズ特性を算出する手順
と、 この算出されたノイズ特性に基づいて、前記入力画像信
号に対して平滑化処理を施すために用いられる平滑化フ
ィルタの特性を切り替える手順と、 この切り替えられた平滑化フィルタを用いて前記入力画
像信号に対して前記平滑化処理を施す手順を前記コンピ
ュータに実行させるものであることを特徴とするコンピ
ュータ読取り可能な記録媒体。 - 【請求項8】 入力された放射線画像を担持する入力
画像信号に対して、前記放射線画像に含まれるノイズ成
分を抑制させるノイズ抑制処理をコンピュータに実行さ
せるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可
能な記録媒体であって、前記プログラムが、 前記入力画像信号に基づいて、それぞれが異なる周波数
帯域を有する画像を担持する複数の帯域制限画像信号を
作成する手順と、 前記放射線画像を得た際の放射線の線量を示す情報に基
づいて、前記入力画像信号のノイズ特性を算出する手順
と、 この算出されたノイズ特性に基づいて、前記複数の帯域
制限画像信号それぞれに対して平滑化処理を施すために
用いられる平滑化フィルタの特性を切り替える手順と、 この切り替えられた平滑化フィルタを用いて前記複数の
帯域制限画像信号それぞれに対して前記平滑化処理を施
す手順を前記コンピュータに実行させるものであること
を特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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EP20050002150 EP1526480A1 (en) | 2000-10-17 | 2001-10-15 | Apparatus for suppressing noise by adapting filter characteristics to input image signal based on characteristics of input image signal |
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