JP2002132108A - クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置

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JP2002132108A
JP2002132108A JP2000330681A JP2000330681A JP2002132108A JP 2002132108 A JP2002132108 A JP 2002132108A JP 2000330681 A JP2000330681 A JP 2000330681A JP 2000330681 A JP2000330681 A JP 2000330681A JP 2002132108 A JP2002132108 A JP 2002132108A
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JP2000330681A
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Ryuichiro Maeyama
龍一郎 前山
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 次の作像プロセスに悪影響を及ぼすことな
く、作像エンジンの小型化を図りながら、像担持体上に
残留する熱可塑性記録材料のクリーニング性能を改善す
る。 【解決手段】 像担持体1上に残留する熱可塑性記録材
料2を清掃するクリーニング装置3において、像担持体
1に接触して像担持体1上の前記残留材料2aを清掃す
るクリーニング部材4と、このクリーニング部材4の上
流側直前に位置する像担持体1表面部位で局部的に前記
残留材料2aを軟化する残留材料軟化手段5とを備え
る。また、このクリーニング装置3が組み込まれた画像
形成装置をも対象とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体上に残留
する記録材料を清掃するクリーニング装置に係り、特
に、記録材料としてトナー等の熱可塑性記録材料を使用
した態様において有効なクリーニング装置及びこれを用
いた画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機、プリンタ、ファクシミ
リ等の画像形成装置にあっては、像担持体に例えば熱可
塑性記録材料であるトナーにて画像(以下トナー像とい
う)を形成し、これを記録紙等の記録媒体に転写する一
方、像担持体上の残留トナーをクリーニング装置にて清
掃するようにしたものが既に知られている。この種の画
像形成装置において使用される従来のクリーニング装置
としては例えば特開平8−328442号公報所載のも
のが知られている。
【0003】これは、回転搬送ループを形成する無端ベ
ルト上にトナー像を形成し、このトナー像を記録媒体に
転写する画像形成装置において、前記無端ベルト上にト
ナー像を形成しているトナーに熱を加えて軟化させるト
ナー軟化手段と、前記無端ベルトの表面に接触すると共
に前記無端ベルトの移動に合わせて回動し、前記トナー
軟化手段で軟化したトナーを付着するクリーニングロー
ルとを基本構成として具備したものが知られている。こ
のようなクリーニング装置において、クリーニングロー
ルの表面温度をトナーが固化する温度まで下げるクリー
ニングロール温度下降手段と、前記クリーニングロール
温度下降手段で表面温度を固化したトナーを前記クリー
ニングロールの表面から取り除くリフレッシュ部材とを
具備するようにすれば、クリーニングロールに付着した
トナーを温度の低下に伴って粘性をなくして機械的衝撃
に脆くし、脆くなったトナーをリフレッシュ部材にて除
去することが可能になる。
【0004】また、前記基本構成のクリーニング装置に
おいて、クリーニングロールの表面温度をトナーが溶融
する温度まで上げるクリーニングロール温度上昇手段
と、前記クリーニングロールを前記無端ベルトから離接
する離接手段とを具備させるようにすれば、トナーが蓄
積したクリーニングロールは無端ベルトから離され加熱
されることになり、これによりクリーニングロール上の
トナーは粘度が下がって液状になり、除去し易い状態に
なる。
【0005】更に、前記基本構成のクリーニング装置に
おいて、前記クリーニング部材上の軟化した前記トナー
を前記クリーニング部材上から除去するリフレッシュ機
構を具備させるようにすれば、無端ベルト上の残留トナ
ーは、熱的に軟化された溶融状態でクリーニング部材に
除去され、クリーニングロールに付着した残留トナーは
リフレッシュ機構でクリーニングロールから除去され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来こ
の種のクリーニング装置にあっては、クリーニングロー
ルに対向する無端ベルトの背面にヒータが内蔵されたヒ
ートロールを配設し、無端ベルト上に残留するトナーを
ヒートロールからの熱にて溶融した状態のままクリーニ
ングロール部位を通過させるようにしていた。このと
き、クリーニングロールもヒートロールからの熱により
加熱されるため、無端ベルトとクリーニングロールとの
温度は略一定になり、無端ベルトとクリーニングロール
との接触ニップ部では溶融した残留トナーが介在するこ
とになる。この状態において、クリーニングロール側に
残留トナーを確実に転移させるには、無端ベルトに対す
るクリーニングロールの表面性を工夫することで残留ト
ナーをクリーニングロール側に転移し易くしたり、ある
いは、クリーニングロールに転移バイアスを印加するこ
とでクリーニングロール側へ残留トナーを静電的に転移
させる等、面倒な対策が必要不可欠になってしまう。
【0007】また、無端ベルトのクリーニング部位をヒ
ートロールで加熱するという態様にあっては、無端ベル
トのうち、クリーニング部位と次の作像プロセスの実行
部位との間の距離を充分に確保しなければ、次の作像プ
ロセスに悪影響を及ぼす事態が生じ、作像エンジンの小
型化という要請に沿わない虞れがある。
【0008】本発明は、以上の技術的課題を解決するた
めになされたものであって、次の作像プロセスに悪影響
を及ぼすことなく、作像エンジンの小型化を図りなが
ら、像担持体上に残留する熱可塑性記録材料のクリーニ
ング性能を改善したクリーニング装置及びこれを用いた
画像形成装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、図
1に示すように、像担持体1上に残留する熱可塑性記録
材料2を清掃するクリーニング装置3において、像担持
体1に接触して像担持体1上の残留材料2aを清掃する
クリーニング部材4と、このクリーニング部材4の上流
側直前に位置する像担持体1表面部位で局所的に前記残
留材料2aを軟化する残留材料軟化手段5とを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0010】このような技術的手段において、像担持体
1とは、熱可塑性記録材料2からなる画像を担持するも
のであれば適宜選定して差し支えなく、画像を形成担持
する感光体や誘電体などの像形成担持体だけでもよい
し、この像形成担持体に加えて、像形成担持体に形成さ
れた画像を最終的な記録媒体に転写する前に中間的に転
写する中間転写体を付加したものなど適宜選定して差し
支えない。また、像担持体1としては、ベルト状、ドラ
ム状など特に形態は問わない。また、熱可塑性記録材料
2としては、電子写真記録用のトナーに限られず、熱可
塑性であればインクを始め適宜選定して差し支えない。
更に、クリーニング部材4としては、ブレード、ブラ
シ、ロール、ウェブなど各種態様の一つ若しくは複数の
組合せのものも含むが、像担持体1の摩耗を最小限に抑
えるという観点からすれば、ブラシ、ロール、ウェブな
ど像担持体1の移動に合わせて移動するクリーニング部
材4が好ましい。
【0011】また、残留材料軟化手段5としては、像担
持体1表面部を加熱して残留材料2aを間接的に軟化す
るようにしてもよいし、残留材料2aを直接的に加熱し
て軟化するようにしてもよい。そして、残留材料軟化手
段5の配設位置としては、クリーニング部材4の上流側
直前であり、クリーニング部材4に対応する部位は除
く。また、残留材料軟化手段5の作用領域は局部的であ
り、クリーニング部位に影響させないことが好ましい。
【0012】ここで、仮に、クリーニング部材4に対応
する部位に残留材料軟化手段5を配設する態様にあって
は、残留材料軟化手段5の影響によりクリーニング部材
4が加熱されてしまう事態が起こり、像担持体1及びク
リーニング部材4の温度が略同じになってしまい、両者
間の接触ニップ部に存在する軟化した残留材料2aを積
極的にクリーニング部材4側へ転移させることは難し
い。この点、クリーニング部材4の上流側直前に残留材
料軟化手段5を配設する態様にあっては、残留材料軟化
部位とクリーニング部位とを異ならせることにより、ク
リーニング部材4が残留材料軟化手段5による影響を直
接受けないことになり、その分、クリーニング部材4の
温度が不必要に上昇することは少ない。このため、クリ
ーニング部材4の温度を所望温度(例えば熱可塑性記録
材料2の固化温度以下)に予め調整することが容易にな
り、クリーニング部材4の温度を前記所望温度に調整し
ておけば、像担持体1上の軟化した残留材料2aをクリ
ーニング部材4側へ容易に転移固化させることができ
る。
【0013】それゆえ、像担持体1上の残留材料2aを
クリーニング部材4側へ確実に転移させるには、残留材
料軟化手段5で軟化した残留材料2aが固化する温度ま
でクリーニング部材4の表面温度を低下させる温度降下
手段を具備させることが好ましい。ここで、温度降下手
段としては、クリーニング部材4を冷却するための冷却
手段(冷却ファンやヒートポンプなど)を積極的に用い
てもよいが、例えば像担持体1からクリーニング部材4
を離間させた後に自然冷却させる態様をも含む。
【0014】更に、像担持体1上にクリーニング部材4
を常時接触配置した態様にあっては、像担持体1とクリ
ーニング部材4との間に残留材料2aが固化したまま堆
積してしまい、これに起因して像担持体1表面に残留材
料2aによる膜が形成されるという所謂フィルミング現
象が生ずる懸念がある。このようなフィルミング現象を
有効に回避するという観点からすれば、クリーニングサ
イクル以外では、像担持体1からクリーニング部材4を
離間させるように、クリーニング部材4には、像担持体
1に対して接離する接離手段を具備させるようにするこ
とが好ましい。この態様によれば、非クリーニングサイ
クル時に、像担持体1からクリーニング部材4を離間さ
せることで、クリーニング部材4の温度を所望温度に冷
却するというような温度コントロールを容易に行うこと
ができる。
【0015】また、残留材料軟化手段5の代表的な態様
としては、例えば像担持体1に電磁誘導発熱層を具備さ
せ、この電磁誘導発熱層に対向した部位に変動磁界生成
用の励磁コイルを配設したものが挙げられる。この態様
によれば、像担持体1と非接触で且つ局所的に集中加熱
することが可能になる点で好ましい。更に、別の態様と
しては、像担持体1に抵抗発熱体を具備させ、この抵抗
発熱体に対し局部的に電力供給する電力供給手段を設け
たものが挙げられる。この態様にあっては、電力供給手
段による電力供給によって発熱抵抗体が発熱するが、こ
の発熱量によって像担持体1上の残留材料2aが軟化す
るように設定することが必要である。
【0016】また、クリーニング部材4については定期
的に交換する態様にしてもよいが、交換の必要性が無
く、メンテナンスフリーという観点からすれば、クリー
ニング部材4に付着した残留材料2aが除去せしめられ
る補助クリーニング部材6を具備させ、クリーニング部
材4を常時清浄状態に保つようにすることが好ましい。
ここで、補助クリーニング部材6としては、ブレード、
ロール、ブラシ、ウェブなど適宜選定して差し支えな
い。
【0017】また、本発明は、クリーニング装置3を対
象とするが、これに限られるものではなく、このクリー
ニング装置が組み込まれた画像形成装置をも対象とす
る。この場合、本発明に係る画像形成装置は、図1に示
すように、熱可塑性記録材料2による画像を担持する像
担持体1と、この像担持体1上に形成された画像を記録
媒体7に少なくとも転写する転写手段8と、像担持体1
上に残留する熱可塑性記録材料2を清掃するクリーニン
グ装置3とを備えた画像形成装置において、前記クリー
ニング装置3には、像担持体1に接触して像担持体1上
の前記残留材料2aを清掃するクリーニング部材4と、
このクリーニング部材4の上流側直前に位置する像担持
体1表面部位で局部的に前記残留材料2aを軟化する残
留材料軟化手段5とを具備させたものである。
【0018】このような技術的手段において、転写手段
8は、少なくとも転写機能を発揮するものであればよ
く、定着手段を別途具備してもよいし、転写手段8自体
が転写のみならず定着機能を具備したものをも含む。ま
た、クリーニング装置3については上述した各種工夫を
施して差し支えなく、特に、クリーニング部材4として
は、クリーニング部材4に付着した残留材料2aが除去
せしめられる補助クリーニング部材6を具備させ、クリ
ーニング部材4を常時清浄状態に維持することが好まし
い。
【0019】更に、この種の画像形成装置においては、
残留材料軟化手段5は通常クリーニングサイクル時に働
き、像担持体1上の残留材料2aを軟化させるものであ
るが、クリーニングサイクル時以外に働かせるようにし
てもよい。例えば像担持体1に発熱源(電磁誘導発熱層
や発熱抵抗体などを広く含む)を具備させ、クリーニン
グサイクル時以外、例えば電源投入時に前記発熱源の発
熱作用により像担持体1を予備加熱するようにする等適
宜選定して差し支えない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいて本発明を詳細に説明する。 ◎実施の形態1 図2は実施の形態1に係る画像形成装置を示す概略構成
図であり、本例では、4サイクル型の中間転写定着方式
を採用したものが示されている。同図において、この画
像形成装置は表面に静電電位の差による潜像が形成され
る感光体ドラム(OPC又はa−Si等からなる感光体
層を具備)などの記録ドラム11を備えており、この記
録ドラム11の周囲に、記録ドラム11表面を略一様に
帯電する帯電装置12と、記録ドラム11に各色信号に
応じたレーザ光を照射して潜像を形成するレーザスキャ
ナ13及びミラー23等からなる露光部と、イエロ
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(K)の4色のトナーがそれぞれ収容された4つの現像
器14Y、14M、14C、14Kを搭載し、記録ドラ
ム11上の潜像を各色トナーにより可視化する回転式現
像装置14と記録ドラム11に接触配置され且つ一定方
向に循環移動が可能に支持された無端状の中間転写ベル
ト15と、転写後の記録ドラム11表面を清掃するクリ
ーニング装置17と、記録ドラム11の表面を除電する
除電ランプ18とを有している。
【0021】また、本実施の形態において、中間転写ベ
ルト15は、図4(a)に示すように、耐熱性の高いシ
ート状部材からなる基層15aと、その上に積層された
電磁誘導発熱層15bと、最も上層となる表面離型層1
5cと、の3層を基本的に備えている。基層15aは、
例えば厚さ10〜100μmの耐熱性の高いシートであ
ることが好ましく、例えばポリエステル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテ
ルケトン、ポリサルファン、ポリイミド、ポリイミドア
ミド、ポリアミド等の耐熱性の高い樹脂に、導電性を有
する例えばカーボンブラック等の導電材を分散した構成
を好適とするが、この限りではない。また、電磁誘導発
熱層15bとしては、鉄やコバルトの層、メッキ処理に
よって例えばニッケル・銅・クロム等の金属層を1〜5
0μmの厚みで形成している。更に、表面離型層15c
は中間転写ベルト15の画像当接面を構成するものであ
り、例えば厚さ0.1〜100μmの離型性の高いシー
ト又はコート層であることが好ましく、例えばテトラフ
ルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、ポリテトラフルオロエチレン、シリコン共重合
体、シリコンゴム又はそれらの複合層等がある。特に、
表面離型層15cの材料を弾性材料で構成する場合に
は、トナーを包み込むような状態で密着するため、画像
の劣化が少なく画像光沢が均一になる点で好ましい。こ
のことは、表面粗さの大きい記録材50(図2参照)の
場合に特に有効である。更にまた、図4(b)に示すよ
うに、表面離型層15cと電磁誘導発熱層15bとの間
に弾性層や抵抗調整層などの中間層15dを介在させる
ようにしてもよい。尚、表面離型層15c自体が弾性や
抵抗調整の機能を具備していればこのような中間層15
dを具備しなくてもよいことは勿論である。
【0022】また、この中間転写ベルト15内には、図
2及び図3に示すような回転支持ドラム20が配設され
ている。この回転支持ドラム20は、例えばアルミニウ
ムコア+耐熱樹脂(PFAチューブ被覆)等で構成され
るものであり、この回転支持ドラム20の外周面の大部
分が中間転写ベルト15の内面に密着し、中間転写ベル
ト15を回転駆動するようになっている。特に、本実施
の形態では、中間転写ベルト15は、この中間転写ベル
ト15と記録ドラム11との接触領域の下流側では回転
支持ドラム20から離間配置されており、所定角度θ
(本例では90°程度)下流側で再び回転支持ドラム2
0に接触配置されるようになっている。ここで、中間転
写ベルト15と回転支持ドラム20との接触域の一端
は、中間転写ベルト15と記録ドラム11との接触部に
対応する部位であり、記録ドラム11上にトナー像Tを
中間転写ベルト15側へ一次転写させる一次転写領域X
として働くようになっている。一方、中間転写ベルト1
5と回転支持ドラム20との接触域の他端は、中間転写
ベルト15上に転写されたトナー像Tを用紙などの記録
材50に転写同時定着させる転写定着領域Yとして働く
ようになっている。
【0023】そして、本実施例の形態では、電磁誘導発
熱層15bへ一次転写用の転写バイアスが印加される構
造になっており、具体例を図8(a)(b)に示す。本
実施例の形態において、電磁誘導発熱層15bは、中間
転写ベルト15の幅方向一側近傍にて中間転写ベルト1
5の表面側周方向全域に亘って露出する線状の給電部1
51を有し、この給電部151には転写バイアスが印加
される導電性の給電ロール80が接触配置されている。
そして、本実施例の形態では、転写バイアスは、少なく
とも各作像サイクルの一次転写が行われている間印加さ
れ続けるようになっている。尚、一次転写方式として
は、中間転写ベルト15の内部に挿入された電磁誘導発
熱層15bに転写バイアスを給電ロール80を介して印
加する方式を採用しているが、中間転写ベルト15の電
磁誘導発熱層15bに直接転写バイアスを印加するよう
にしてもよい。
【0024】また、図3に示すように、前記転写定着領
域Yに対応した中間転写ベルト15には転写定着装置3
0が設けられている。この転写定着装置30は、回転支
持ドラム20をバックアップロールとして中間転写ベル
ト15を挟持するよう圧接される加圧ロール31を有し
ている。特に、本実施例の形態では、図9(a)〜
(c)に示すようなベルト寄り調整機構90が設けられ
ている。このベルト寄り調整機構90は、中間転写ベル
ト15の両端に位置センサ91,92を設ける一方、加
圧ロール31の一端側軸部31aを偏心カム93にて上
下動可能に支持すると共に、加圧ロール31の他端側軸
部をスプリング94で付勢しておき、いずれかの位置セ
ンサ、例えば図中左側の位置センサ91側に中間転写ベ
ルト15がウォークしたとすると、カムモータ95が1
80°回転して左側の加圧ロール31の荷重を低下させ
る。このとき、加圧ロール31の荷重バランスは相対的
に図中右側の方が大きくなるので、中間転写ベルト15
は右側にウォークすることになる。尚、位置センサ9
1,92は、図9(b)に示すように、発光素子96と
受光素子97とを対向配置したフォトカプラ構成になっ
ており、中間転写ベルト15の端部が位置センサ91又
は92の光路を遮断すると、中間転写ベルト15の端部
が一方の寄り位置に達したことを検知するようになって
いる。以後中間転写ベルト15は、左右の位置センサ9
1,92にて位置規制されながらウォーク動作を繰り返
し、ベルト寄り調整が行われる。
【0025】また、回転支持ドラム20から離間した中
間転写ベルト15の内側(若しくは外側あるいは両側)
には、転写定着用加熱装置40として電磁誘導加熱装置
が配設されている。この転写定着用加熱装置40は図
3,図5及び図6に示すように、中間転写ベルト15の
電磁誘導発熱層15bを被加熱体とし、この電磁誘導発
熱層15bを貫く変動磁界Hを生成するものである。具
体的には、転写定着用加熱装置40は、中間転写ベルト
15の搬送方向に直交する幅方向に亘って配設される非
磁性の長尺な板状の台座41と、この台座41内に形成
された凹部の中央に配設されるフェライト等の磁性コア
42と、この磁性コア42に巻き回されて中間転写ベル
ト15の厚さ方向に向かって変動磁界を生成する励磁コ
イル43とを備え、励磁回路44にて励磁コイル43に
給電することにより変動磁界Hを生成するようにしたも
のである。尚、本実施の形態では、転写定着用加熱装置
40は、中間転写ベルト15の内側に配設されている
が、図3に仮想線で示すように、中間転写ベルト15の
外側に配設してもよいし、あるいは、中間転写ベルト1
5を挟んで両側に配設するようにしてもよい。
【0026】ここで、本実施の形態では、例えば台座4
1としては、耐熱ガラスやポリカーボネイト等の耐熱性
樹脂が用いられる。特に、本例では、台座41は中間転
写ベルト15の曲面形状にそって湾曲形成されており、
図6(a)(c)に示すように、その両端には中間転写
ベルト15の幅方向両側縁部を案内支持するガイド部4
5,45を一体的に備えている。尚、この台座41に、
例えば高透磁率の鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性体
やMn−Zn系ソフトフェライトを付けると、励磁コイ
ル43によって生成される電磁エネルギを吸収しやす
く、効率よく加熱でき、且つ、機外へ漏れる磁気も少な
くなり、周辺装置への影響も減らせる。また、これらの
もので高抵抗率のものか、あるいは、低抵抗率の場合は
積層構造にして磁性体に流れる渦電流を抑えたものを選
ぶともっとよい。また、磁性コア42としては、単一ブ
ロック体で構成しても差し支えないが、焼結などの製造
性を考慮し、本例では、複数のコアブロックを一列に並
設する態様が採用されている。更に、励磁コイル43は
磁性コア42全体に跨るように巻き回されており、本例
では、前記ガイド部45による中間転写ベルト15の位
置規制によって、励磁コイル43と中間転写ベルト15
の内面とのギャップδは、例えば図6(a)(b)に示
すように、略一定に0.5〜3.0mm程度に保たれて
いる。
【0027】次に、図5を用いて、転写定着用加熱装置
(電磁誘導加熱装置)40の加熱原理について説明す
る。励磁コイル43には励磁回路44から交流電流が印
加され、これによって励磁コイル43の周囲に矢印で示
す変動磁界Hは生成消滅を繰り返す。この変動磁界Hが
中間転写ベルト15の電磁誘導発熱層15bを横切るよ
うに励磁コイル43及び磁性コア42が配設される。変
動磁界が導体(電磁誘導発熱層15b)を横切る時、そ
の変動磁界Hの変化を妨げる磁界を生ずるように導体中
には渦電流Icが発生する。この渦電流Icは表皮効果
のためにほとんど電磁誘導発熱層15bの励磁コイル4
3側の面に集中して流れ、中間転写ベルト15の電磁誘
導発熱層15bの表皮抵抗Rsに比例した電力で発熱を
生ずる。
【0028】ここで、角周波数をω、透磁率をμ、固有
抵抗をρとすると、表皮深さδは次式(1)で示され
る。 δ=√(2ρ/ωμ) ……(1) 更に、表皮抵抗Rsは次式(2)で示される。 Rs=ρ/δ=√(ωμρ/2) ……(2) 更にまた、中間転写ベルト15の電磁誘導発熱層15b
に発生する電力Pは、中間転写ベルト15中を流れる電
流をIfとすると次式(3)で表せる。 P=Rs∫|If|2dS ……(3) 従って、表皮抵抗Rsを大きくするか、あるいは、中間
転写ベルト15中を流れる電流Ifを大きくすれば、電
力Pを増すことができ、発熱量を増やすことが可能とな
る。表皮抵抗Rsを大きくするには、周波数ωを高くす
るか、透磁率μの高い材料又は固定抵抗ρの高いものを
用いればよい。上記のような加熱原理からすると、非磁
性金属を電磁誘導発熱層15bに用いると、加熱しづら
いことが憶測されるが、電磁誘導発熱層15bの厚さt
が表皮深さδにより薄い場合には、次式(4)のように
なるので、加熱が可能となる。 Rs≒ρ/t ……(4)
【0029】また、励磁コイル43に印加する交流電流
の周波数は10〜500kHzが好ましい。10kHz
以上になると、電磁誘導発熱層15bへの吸収効率が良
くなり、500kHzまでは安価な素子を用いて励磁回
路を組むことができる。更には20kHz以上であれば
可聴域を超えるために通電時に音がすることがなく、2
00kHz以下では励磁回路44で生じるロスも少な
く、周辺への放射ノイズも小さい。また、10〜500
kHzも交流電流を電磁誘導発熱層15bに印加した場
合、表皮深さは数μmから数百μm程度である。実際に
電磁誘導発熱層15bの厚みを1μmより小さくする
と、ほとんどの電磁エネルギが電磁誘導発熱層15bで
吸収しきれないためにエネルギ効率が悪くなる。また、
漏れた磁束が他の金属部を加熱するという問題も生じ
る。一方、50μmを超えた電磁誘導発熱層15bでは
ベルトの熱容量が大きくなりすぎることと、電磁誘導発
熱層15bの熱伝導によって熱が伝わり、表面離型層1
5cが暖まりにくくなるという問題が生じる。従って、
電磁誘導発熱層15bの厚みは1〜50μmが好まし
い。
【0030】また、電磁誘導発熱層15bの発熱を増す
ためにはIfを大きくすればよく、そのためには励磁コ
イル43によって生成される変動磁界を強くする、ある
いは変動磁界の変化を大きくすればよい。この方法とし
ては、励磁コイル43の巻き線数を増すか、励磁コイル
43の磁性コア42をフェライト、パーマロイといった
高透磁率で残留磁束密度の低いものを用いるのがよい。
更に、中間転写ベルト15の電磁誘導発熱層15bの抵
抗値が小さすぎると、渦電流が発生した際の熱エネルギ
効率が悪化するため、電磁誘導発熱層15bの固有体積
抵抗率は20℃環境で1.3×10-8Ωm以上が好まし
い。
【0031】また、本実施の形態においては、中間転写
ベルト15の電磁誘導発熱層15bをメッキ等で形成し
たが、真空蒸着・スタッパリング等で形成してもよい。
これによりメッキ処理できないアルミニウムや金属酸化
物合金を電磁誘導発熱層15bに用いることができる。
但し、メッキ処理が膜厚を得られやすいため、1〜50
μmの層厚を得るためにはメッキ処理が好ましい。ま
た、中間転写ベルト15の電磁誘導発熱層15bは金属
のみならず、低熱伝導性基材に表面離型層15cを接着
するための接着剤中に導電性、高透磁率は粒子、ウィス
カーを分散させて構成してもよい。例えば、マンガン、
チタン、クロム、鉄、銅、コバルト、ニッケル等の粒子
やこれらの合金であるフェライトや酸化物の粒子やウィ
スカーといったものをカーボン等の導電性粒子を混合
し、接着剤中に分散させて電磁誘導発熱層15bとする
ことができる。
【0032】更に、本実施の形態において、転写定着領
域Yの下流側には、図3に示すように、中間転写ベルト
15上に付着した紙粉や残留トナーを清掃するためのベ
ルトクリーナ(クリーニング装置)60が配設されてい
る。このベルトクリーナ60は、中間転写ベルト15に
接触して中間転写ベルト15を清掃するクリーニングロ
ール61と、このクリーニングロール61のクリーニン
グ部位の上流側直前に配設されて中間転写ベルト15を
局所的に加熱するクリーニング用加熱装置62と、前記
クリーニングロール61を清掃するための補助クリーニ
ングウェブ63とを備えている。
【0033】そして、クリーニングロール61及び補助
クリーニングウェブ63は、図7に示すように、共通の
支持フレーム64にて支持されており、この支持フレー
ム64を進退駆動機構65にて進退自在に支持すること
で、クリーニングロール61が中間転写ベルト15に対
して接離するようになっている。ここで、クリーニング
ロール61としては、アルミニウム製ロールが用いられ
ており、中間転写ベルト15から離間配置されている時
に、図示外の冷却ファンなどにて例えば使用トナーの固
化温度以下に冷却されるようになっている。一方、補助
クリーニングウェブ63は、例えば繰り出しロール63
1と巻き取りロール632との間にシートウェブ633
を巻き取り可能に配設したもので、クリーニングロール
61の移動に追従してシートウェブ633を移動させ、
クリーニングロール61を常時清浄状態に保つようにな
っている。
【0034】また、本実施の形態において、クリーニン
グ用加熱装置62としては、転写定着用加熱装置40と
同様の構成要素(例えば台座、磁性コア、励磁コイルに
て構成)からなる電磁誘導加熱装置が使用されている。
このクリーニング用加熱装置62は、図3及び図7に示
すように、中間転写ベルト15の外側に離間配置されて
おり、中間転写ベルト15の電磁誘導発熱層15bを被
加熱体とし、この電磁誘導発熱層15bを貫く変動磁界
Hを生成するものである。
【0035】更に、転写定着用加熱装置40及びクリー
ニング用加熱装置62は、図7に示すように、励磁回路
44にて所定の電力配分をもって制御される。具体的に
は、励磁回路44は、使用モードに応じて電力をパルス
幅変調するPWM(Pulse Width Modulationの略)回路
71と、このPWM回路71の電力配分に従って直流を
交流に変換して供給するインバータ回路72とを備えて
いる。例えば使用モードが通常モード(通常の作像モー
ド)である場合には、転写定着用加熱装置40に600
V〜700Vの電圧を印加すると共に、クリーニング用
加熱装置62には100〜200Vの電圧を印加する一
方、使用モードが予備加熱モード(朝一番などの電源投
入時に中間転写ベルト15を予備加熱するモード)であ
る場合には、例えば転写定着用加熱装置40に500〜
600V程度の電圧を印加すると共に、クリーニング用
加熱装置62に500〜600V程度の電圧(但し、両
者を会わせて最大電力に対応する最大電圧、例えば1,
100V以下)を印加するようにすればよい。
【0036】更にまた、本実施の形態では、記録材50
を搬送する記録材搬送系は、図2に示すように、記録材
50が収容されているシート供給ユニット51と、この
シート供給ユニット51内に収容されている記録材50
を1枚ずつ捌いて搬送するピックアップロール52及び
フィードロール53と、転写定着装置30の転写定着領
域Yに向かって記録材50を案内搬送する記録材ガイド
54と、転写定着装置30を通過した記録材50を排出
する排出ロール55と、この排出ロール55にて排出さ
れた記録材50を収容する排出トレイ56とを備えてい
る。
【0037】次に、本実施の形態に係る画像記録装置の
作動について説明する。先ず、図2に示すように、記録
ドラム11が矢印の向きに回転し、帯電装置12によっ
て均等に帯電されると、原稿のイエロ画像信号に従って
パルス幅変調されたレーザ光により画像露光が行われ、
記録ドラム11上にイエロ画像の静電潜像が形成され
る。このイエロ画像の静電潜像は、回転式現像装置14
の回転により予め現像位置に定置されたイエロ現像器1
4Yによって現像される。このとき、イエロ現像器14
Yは、例えば現像スリーブに印加される現像バイアスが
交互電圧値Vppを2kV、周波数fが2kHzの矩形
波交互電圧に直流バイアスVDC=400vを重量して
いる。また、現像により消費された現像器14Y〜14
K内のトナーはトナーホッパー141から補給される。
【0038】このイエロトナー像は記録ドラム11と中
間転写ベルト15との当接部である一次転写領域Xにお
いて中間転写ベルト15上に静電的に転写される。ここ
で、図8(c)に示すように、一次転写領域Xでは、記
録ドラム11と中間転写ベルト15の電磁誘導発熱層1
5bとの間に転写バイアスによる転写電界Eが形成さ
れ、一次転写領域Xにおいて記録ドラム11と同期して
矢印の方向に回転しており、表面にイエロトナー像を保
持したまま回転を継続し、次の色(本例ではマゼンタ)
の転写に備える。他方、記録ドラム11は、クリーニン
グ装置17によってその表面をクリーニングされた後、
再び帯電装置12により均一に帯電され、次のマゼンタ
の画像信号に従って像露光を受ける。回転式現像装置1
4は、記録ドラム11上に前記の像露光によってマゼン
タの画像信号に従って静電潜像が形成される間に回転し
て、マゼンタ現像器14Mを現像位置に定置せしめ、所
定のマゼンタ現像を行う。このマゼンタトナー像は一次
転写領域Xで中間転写ベルト15上に転写される。
【0039】引き続いて、上述したプロセスをそれぞれ
シアン及びブラックに対して実施し、中間転写ベルト1
5への4色分の転写が終了し若しくは最終色のブラック
の転写途中において、シート供給ユニット51内に収容
される記録材50がピックアップロール52により供給
され、フィードロール53、記録材ガイド54を経由し
て中間転写ベルト15の転写定着領域Yに搬送される。
ここで、中間転写ベルト15上に多重形成された4色の
トナー可視像は転写定着用加熱装置40が配設された加
熱領域Zで加熱溶融される。中間転写ベルト15上の加
熱溶融したトナー像は、記録材50の搬送に合わせて当
接される加圧ロール31による圧力とにより記録材50
上に転写同時定着され、排出ロール55を通って排出ト
レイ56上に排出され、記録材50上へのフルカラー画
像形成を終了する。尚、転写後の記録ドラム11上に若
干のトナーが残留するので、除電ランプ18,クリーニ
ング装置17により残留トナーが除電、クリーニングさ
れる。
【0040】一方、トナー像を転写した中間転写ベルト
15は回転支持ドラム20の駆動により矢印方向へ回転
する。転写定着用加熱装置40としての電磁誘導加熱装
置のある加熱領域Zに到達すると、中間転写ベルト15
の表面近傍の電磁誘導発熱層15bは加熱される。この
とき、加熱領域Zでは中間転写ベルト15は回転支持ド
ラム20の表面から離間しているため、急激に温度上昇
をする。加熱領域Zは転写定着領域Yの上流側に位置
し、転写定着するのに必要な熱エネルギは実質的には加
熱領域Zだけで与えられ、転写定着領域Yでは与えられ
ていない。加熱された電磁誘導発熱層15bの熱はトナ
ー像に伝導し、転写定着領域Yまで到達したときには中
間転写ベルト15上のトナー像は溶融されている。溶融
したトナー像は転写定着領域Yで図示外の給送手段によ
り給送された記録材50に圧接される。
【0041】このような動作過程において、転写定着領
域Yで室温の記録材50がニップ部を通過する時に溶融
トナーが持っている熱エネルギと圧接力とで瞬時に記録
材50に転写定着される。そして、その後記録材50自
身がトナーと表面近傍だけ加熱された中間転写ベルト1
5の熱を奪いながら転写定着領域Yのニップ部出口に向
かって進む。記録材50がニップ部中に存在している時
間が10〜50ms以上となるようなニップ幅であれ
ば、中間転写ベルト15の表面近傍の熱が記録材50に
奪われ、これによって、ニップ部出口のトナーの温度を
トナーの軟化点温度以下にする事ができる。このため、
トナーの凝集力が増大し、記録材50を中間転写ベルト
15から剥離する時にトナーがオフセットする事を防止
できる。中間転写ベルト15に比較的大きな外力が加わ
る転写定着領域Yからの次の一次転写領域Xまでの間は
中間転写ベルト15はその内部に挿入された回転支持ド
ラム20の外表面に密着して搬送されるため、薄膜のベ
ルトであっても十分な搬送性と機械的強度を有すること
になり、ベルトの信頼性が損なわれることはない。
【0042】また、中間転写ベルト15回転中に回転支
持ドラム20のどちらかの軸方向に寄っていく現象(ベ
ルトウォーク)がある。ところが、本実施の形態では、
これを防止するために、図9に示すようなベルト寄り調
整機構を配設するようにしたので、位置センサ(エッジ
センサ)91,92が中間転写ベルト15の寄りを検知
すると、反対側の加圧ロール31の荷重を増加すること
によって、ベルトウォークをある範囲内に制御すること
が可能である。更に、本実施の形態では、4色のトナー
像を順次中間転写ベルト15に静電転写し、最終トナー
像が静電転写された後に一括して加熱溶融して記録材5
0に転写同時定着を行っているが、各色トナーが静電転
写される毎に少ない熱エネルギでトナーを加熱し、中間
転写ベルト15上に仮定着させることも可能である。こ
うすることによって、作像サイクルが4サイクル繰り返
される間に、前に静電転写されたトナーが乱されること
を防止でき、高画質を達成できる。
【0043】また、本実施の形態においては、転写定着
用加熱装置40が配設された加熱領域Zにおいては、電
磁吸収層を有する中間転写ベルト15だけが加熱され
る。そして、転写定着領域Yにおいては加熱領域Zで加
熱溶融したトナーが室温の記録材50と加圧接触するこ
とによって転写定着される。このとき、薄膜の中間転写
ベルト15だけが加熱されているだけなので、中間転写
ベルト15の温度は転写定着後に急激に低下する。この
ため装置内になされる熱の蓄積はきわめて少なくなって
いる。従来の転写定着を同時に行う手法においては、装
置を連続使用した場合に熱の蓄積がなされ、それに伴う
装置の温度上昇が顕著になり、それによって記録ドラム
11の電位繰り返し特性が不安定になる。特に、帯電電
位の低下が顕著になり、トナー像形成方法として例えば
反転現像を用いた場合には、バックグラウンド部の地か
ぶりが発生するようになり、画質の劣化が顕著になる。
これに対し、本実施の形態にあっては、連続使用時にお
ける装置内上昇は従来の方法に比べてはるかに少なく、
記録ドラム11やトナー等の特性が変化することはな
く、連続使用時においても画質の劣化はほとんど見られ
ず、安定して高画質な画像が得られた。この効果はカラ
ー画像を形成する際に顕著であった。
【0044】また、記録材50がジャムした際や、転写
同時定着工程には中間転写ベルト15上にトナーが残留
することが起こり得るが、この残留トナーはベルトクリ
ーナ60によって確実に清掃される。今、図3に示すよ
うに、中間転写ベルト15上に残留トナーT’が存在し
ているとする。中間転写ベルト15の移動に伴って前記
残留トナーT’がクリーニング用加熱装置(電磁誘導加
熱装置)62に対応した部位を通過すると、クリーニン
グ用加熱装置62は中間転写ベルト15の電磁誘導発熱
層15b(図4参照)を局所的に発熱させ、中間転写ベ
ルト15上の残留トナーT’を軟化させる。一方、この
クリーニング用加熱装置62の下流側にあるクリーニン
グロール61は充分に冷却された状態(トナーの固化温
度以下の温度状態)で中間転写ベルト15に接触してい
る。
【0045】この状態において、クリーニング用加熱装
置62によって軟化した残留トナーT’がクリーニング
ロール61と中間転写ベルト15との間の接触ニップ部
(クリーニング部位)へ到達すると、中間転写ベルト1
5上の軟化した残留トナーT’は、その熱可塑性によっ
てクリーニングロール61側に直ちに転移して固化す
る。このため、中間転写ベルト15上の残留トナーT’
はクリーニングロール61側へ確実に転移除去されるこ
とになり、中間転写ベルト15は常時清浄状態に保たれ
る。更に、補助クリーニングウェブ63はクリーニング
ロール61に接触してクリーニングロール61上に付着
した残留トナーを拭き取り、クリーニングロール61を
常時清浄状態に保ち、次のクリーニングサイクルに備え
る。特に、本実施の形態では、クリーニング用加熱装置
62として、電磁誘導加熱装置を使用したので、中間転
写ベルト15を瞬時に加熱することができ、必要な時に
瞬時にクリーニングサイクルへ移行することができる。
尚、クリーニング性能をより高めるために、中間転写ベ
ルト15とクリーニングロール61との間に所定のクリ
ーニングバイアスを印加し、残留トナーT’をより積極
的にクリーニングロール61側へ転移させるようにして
もよいことは勿論である。
【0046】更に、本実施の形態では、中間転写ベルト
15はクリーニング部位の上流側直前で加熱されるが、
クリーニング部位を通過する段階でクリーニングロール
61によって冷却される。従って、クリーニング部位を
通過した中間転写ベルト15に多くの熱が蓄積されると
いう事態はほとんどなく、次の作像プロセスに悪影響を
与える懸念はほとんどない。更にまた、本実施の形態で
は、クリーニングロール61は接離駆動機構65によっ
てクリーニングサイクル以外では通常中間転写ベルト1
5から離間配置されるため、クリーニングロール61と
中間転写ベルト15との接触ニップ部に残留トナーが蓄
積したまま固化する事態はなくなり、中間転写ベルト1
5上にフィルミング現象が生ずることはない。
【0047】また、本実施の形態では、予備加熱モード
時には、転写定着用加熱装置40及びクリーニング用加
熱装置62が働き、中間転写ベルト15を予備加熱す
る。このため、朝一番などの電源投入時において予備加
熱モードを実行すると、中間転写ベルト15等の温度を
早期に高めることが可能になり、その分、ウォームアッ
プ時間などを短縮することができる点で好ましい。
【0048】また、本実施の形態では、クリーニング用
加熱装置62として電磁誘導加熱装置を使用している
が、これに限られるものではなく、局所的な発熱抵抗加
熱を行うようにしてもよい。この発熱抵抗加熱方式とし
ては、例えば図10に示すように、中間転写ベルト15
に例えばステンレス箔などの発熱抵抗体101(例えば
中間転写ベルト15の幅方向に沿って帯状に延びる態
様)を非連続に設け、クリーニングロール61が配され
たクリーニング部位の上流側直前の中間転写ベルト15
の端部には給電部102及びアース部103を設け、ク
リーニングサイクル時にスイッチ105をオン操作する
ことで電源104からの電力を給電部102に供給する
ようにしたものである。この態様によれば、電源105
からの電力が給電部102に投入されると、発熱抵抗体
101が瞬時に加熱され、中間転写ベルト15上の残留
トナーが瞬時に軟化する。例えば発熱抵抗体101が1
2Ω程度で給電部102に100V印加すると、約80
0W投入されることになり、発熱抵抗体101が瞬時に
加熱される。
【0049】◎実施の形態2 図11は実施の形態2に係る画像形成装置の概略構成図
であり、本例では、タンデム型の中間転写定着方式の画
像形成装置を示す。同図において、画像形成装置は、電
磁誘導発熱層を有する中間転写ベルト15内に回転支持
ドラム20を配設し、この回転支持ドラム20の多くの
部分に中間転写ベルト15の内面を密着させ、回転支持
ドラム20の密着した中間転写ベルト15領域に各色成
分毎の感光体ドラムなどの記録ドラム11(具体的には
11Y、11M、11C、11K)を配設し、回転支持
ドラム20から離間した中間転写ベルト15の内側若し
くは外側あるいは両側に転写定着用加熱装置40として
の電磁誘導加熱装置を配設し、この転写定着用加熱装置
40の下流側には転写定着装置30を配設する一方、転
写定着装置30の下流側に実施の形態1と同様なベルト
クリーナ60(クリーニングロール61,クリーニング
用加熱装置62,補助クリーニングウェブ63)を配設
したものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素に
ついては実施の形態1と同様な符号を付してここではそ
の詳細な説明を省略する。また、各記録ドラム11の周
囲には例えば実施の形態1で示されるような電子写真デ
バイスが配設されている。
【0050】従って、本実施の形態によれば、各記録ド
ラム11からの色成分トナー像が順次一次転写領域Xに
て中間転写ベルト15側へ転写され、しかる後、転写定
着用加熱装置40による加熱領域Zにて中間転写ベルト
15上の各トナー像Tが溶融され、しかる後、転写定着
装置30の転写定着領域Yにて中間転写ベルト15上の
トナー像が記録材50に一括転写される。このタイプに
あっても、実施の形態1と同様に、転写定着用加熱装置
40により中間転写ベルト15上のトナー像Tが瞬間的
に加熱溶融され、また、回転支持ドラム20により中間
転写ベルト15の搬送動作が安定すると共に、転写定着
領域Yから次の一次転写領域Xに至るまでに中間転写ベ
ルト15の蓄熱によって損なわれる懸念はない。一方、
記録材50がジャムした際や、転写同時定着工程後に中
間転写ベルト15上に残留トナーが存在するとしても、
ベルトクリーナ60にて確実に清掃される。すなわち、
クリーニング用加熱装置62が残留トナーを軟化する
と、この軟化した残留トナーが冷却されたクリーニング
ロール61のクリーニング部位にてクリーニングロール
61側へ転移固化し、クリーニングロール61に付着し
た残留トナーは補助クリーニングウェブ63にて確実に
清掃される。尚、本実施の形態でも、クリーニング用加
熱装置62として、電磁誘導加熱方式に代えて発熱抵抗
加熱方式を採用してもよいことは勿論である。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、像担持体に接触して像担持体上の残留材料を清掃す
るクリーニング部材と、このクリーニング部材の上流側
直前に位置する像担持体表面部位で局所的に前記残留材
料を軟化する残留材料軟化手段とを具備させるようにし
たので、残留材料軟化手段によりクリーニング部材の温
度が不必要に上昇することはなく、クリーニングサイク
ル時にクリーニング部材の温度を残留材料が転移し易い
所望温度(例えば熱可塑性記録材料の固化温度以下)に
容易に調整することができる。このため、残留材料軟化
手段により軟化された残留材料をクリーニング部材側に
確実に転移固化させることができ、像担持体のクリーニ
ング性能を大幅に改善することができる。また、本発明
によれば、残留材料軟化手段による軟化作用はクリーニ
ング部位の上流側直前で行われるため、クリーニング部
位の下流側で行われる次の作像プロセス部位と残留材料
軟化手段による作用個所との間を充分長く確保すること
ができる。このため、残留材料軟化手段による軟化作用
に伴って像担持体の温度が上昇したとしても、像担持体
の残留材料軟化手段による作用個所が次の作像プロセス
部位に到達したときには像担持体の温度を充分に低下さ
せておくことが可能になり、次の作像プロセスに悪影響
を与えにくい。
【0052】また、このようなクリーニング装置を組み
込んだ画像形成装置にあっては、次の作像プロセスに悪
影響を与えることなく、像担持体を常時清浄状態に保つ
ことが可能になるため、クリーニング装置によるクリー
ニング不良がなく、画像品質を極めて良好に保つことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るクリーニング装置及びこれを用
いた画像形成装置を示す説明図である。
【図2】 実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成
を示す説明図である。
【図3】 その要部説明図である。
【図4】 (a)は本実施の形態で用いられる中間転写
ベルトの構造を示す説明図、(b)はその変形形態を示
す説明図である。
【図5】 本実施の形態で用いられる転写定着用加熱装
置の動作原理を示す説明図である。
【図6】 (a)は本実施の形態に係る転写定着用加熱
装置の詳細を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断
面図、(c)は(a)中C方向から見た矢視図である。
【図7】 本実施の形態に係る転写定着用加熱装置及び
クリーニング装置(加熱装置及びクリーニング接離機
構)の制御系を示す説明図である。
【図8】 (a)は本実施の形態で用いられる一次転写
域への通電構造を示す説明図、(b)は(a)中B方向
から見た矢視図、(c)は一次転写部の動作原理を示す
説明図である。
【図9】 (a)は本実施の形態で用いられるベルト寄
り調整機構の詳細を示す説明図、(b)は(a)中B−
B線断面図、(c)はC方向から見た矢視図である。
【図10】 本実施の形態で用いられるクリーニング用
加熱装置の変形形態を示す説明図である。
【図11】 本発明が適用された画像形成装置の実施の
形態2を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体,2…熱可塑性記録材料,2a…残留材
料,3…クリーニング装置,4…クリーニング部材,5
…残留材料軟化手段,6…補助クリーニング部材,7…
記録媒体,8…転写手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上に残留する熱可塑性記録材料
    を清掃するクリーニング装置において、 像担持体に接触して像担持体上の前記残留材料を清掃す
    るクリーニング部材と、 このクリーニング部材の上流側直前に位置する像担持体
    表面部位で局所的に前記残留材料を軟化する残留材料軟
    化手段とを備えたことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクリーニング装置におい
    て、 更に、クリーニング部材に付着した残留材料が除去せし
    められる補助クリーニング部材を備えたことを特徴とす
    るクリーニング装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のクリーニング装置
    において、 クリーニング部材は、像担持体の移動に合わせて移動す
    るものであることを特徴とするクリーニング装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のクリーニング装置
    において、 クリーニング部材は、残留材料軟化手段で軟化した残留
    材料が固化する温度まで表面温度を低下させる温度降下
    手段を具備することを特徴とするクリーニング装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載のクリーニング装置
    において、 クリーニング部材は、像担持体に対して接離する接離手
    段を具備することを特徴とするクリーニング装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載のクリーニング装置
    において、 残留材料軟化手段は、像担持体に電磁誘導発熱層を具備
    させ、この電磁誘導発熱層に対向した部位に変動磁界生
    成用の励磁コイルを配設したものであることを特徴とす
    るクリーニング装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載のクリーニング装置
    において、 残留材料軟化手段は、像担持体に抵抗発熱体を具備さ
    せ、この抵抗発熱体に対し局部的に電力供給する電力供
    給手段を設けたことを特徴とするクリーニング装置。
  8. 【請求項8】 熱可塑性記録材料による画像を担持する
    像担持体と、 この像担持体上に形成された画像を記録媒体に少なくと
    も転写する転写手段と、 像担持体上に残留する熱可塑性記録材料を清掃するクリ
    ーニング装置とを備えた画像形成装置において、 前記クリーニング装置には、像担持体に接触して像担持
    体上の前記残留材料を清掃するクリーニング部材と、 このクリーニング部材の上流側直前に位置する像担持体
    表面部位で局部的に前記残留材料を軟化する残留材料軟
    化手段とを具備させたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の画像形成装置において、 クリーニング装置には、更に、クリーニング部材に付着
    した残留材料が除去せしめられる補助クリーニング部材
    を具備させたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の画像形成装置に
    おいて、 残留材料軟化手段は、像担持体に発熱源を具備させ、こ
    の発熱源の発熱作用により像担持体を予備加熱すること
    を特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008276083A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Ricoh Co Ltd 画像形成方法、画像形成装置

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JP2008276083A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Ricoh Co Ltd 画像形成方法、画像形成装置

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