JP2002130958A - 連続焼成炉に用いる焼成用匣 - Google Patents
連続焼成炉に用いる焼成用匣Info
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- JP2002130958A JP2002130958A JP2000318784A JP2000318784A JP2002130958A JP 2002130958 A JP2002130958 A JP 2002130958A JP 2000318784 A JP2000318784 A JP 2000318784A JP 2000318784 A JP2000318784 A JP 2000318784A JP 2002130958 A JP2002130958 A JP 2002130958A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】被焼成物の進行方向の前後で生じる温度差を緩
和し、高品質な焼成品を得ることが可能な連続焼成炉に
用いる焼成用匣を提供する。 【解決手段】被焼成物を収容した焼成用匣を炉内を搬送
しながら、被焼成物の焼成を連続的に行う連続焼成炉に
おいて、匣10の進行方向の前部に、匣10を構成する
材料と熱伝導率が同等またはそれより小さな断熱層11
を設ける。匣10と断熱層11を伝熱部材12で覆い、
断熱層11を設けていない匣10の後部に伝熱部材12
の後部を直接接触させた。
和し、高品質な焼成品を得ることが可能な連続焼成炉に
用いる焼成用匣を提供する。 【解決手段】被焼成物を収容した焼成用匣を炉内を搬送
しながら、被焼成物の焼成を連続的に行う連続焼成炉に
おいて、匣10の進行方向の前部に、匣10を構成する
材料と熱伝導率が同等またはそれより小さな断熱層11
を設ける。匣10と断熱層11を伝熱部材12で覆い、
断熱層11を設けていない匣10の後部に伝熱部材12
の後部を直接接触させた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミック部品など
の被焼成物を焼成するのに適した連続焼成炉に用いる焼
成用匣に関するものである。
の被焼成物を焼成するのに適した連続焼成炉に用いる焼
成用匣に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックコンデンサのようなセ
ラミック部品の焼成や外部電極の焼付けを行う場合、メ
ッシュベルト式の連続焼成炉が用いられる。この焼成炉
は、昇降温を繰り返すバッチ炉に比べて、温度、雰囲気
の安定性が良く、しかも連続処理を行うため、大量生産
に向いている。
ラミック部品の焼成や外部電極の焼付けを行う場合、メ
ッシュベルト式の連続焼成炉が用いられる。この焼成炉
は、昇降温を繰り返すバッチ炉に比べて、温度、雰囲気
の安定性が良く、しかも連続処理を行うため、大量生産
に向いている。
【0003】連続焼成炉は、図1,図2に示すように、
入口部1a,加熱部1b,冷却部1c,出口部1dを有
するトンネル型の炉本体1を備え、炉本体1の加熱部1
bと冷却部1cの内部に筒状のマッフル2を配置してあ
る。加熱部1bの中には、ヒーターブロックで区切られ
た複数の温度ゾーンが設けられている。マッフル2内に
はメッシュベルト3が通され、このメッシュベルト3を
駆動ローラ4によって駆動することにより、ベルト3上
に載置された匣Wを連続的に搬送しながら熱処理を行
う。なお、5はモータ、6はテーブルローラ、7はテン
ションローラである。
入口部1a,加熱部1b,冷却部1c,出口部1dを有
するトンネル型の炉本体1を備え、炉本体1の加熱部1
bと冷却部1cの内部に筒状のマッフル2を配置してあ
る。加熱部1bの中には、ヒーターブロックで区切られ
た複数の温度ゾーンが設けられている。マッフル2内に
はメッシュベルト3が通され、このメッシュベルト3を
駆動ローラ4によって駆動することにより、ベルト3上
に載置された匣Wを連続的に搬送しながら熱処理を行
う。なお、5はモータ、6はテーブルローラ、7はテン
ションローラである。
【0004】図3は従来の焼成用匣Wの一例を示す。こ
の匣Wは、アルミナなどの耐火物セラミックス材料を用
い、被焼成物であるセラミック基板を収容する箱型の本
体8と、セラミック基板の汚染を防止するための蓋9と
で構成されている。本体8にセラミック基板を収容し、
蓋9をしたものを一組とし、図4のように十組から数十
組をベルト3上に等間隔に載置し、ベルト4を矢印方向
へ駆動することで、連続的に焼成を行っている。
の匣Wは、アルミナなどの耐火物セラミックス材料を用
い、被焼成物であるセラミック基板を収容する箱型の本
体8と、セラミック基板の汚染を防止するための蓋9と
で構成されている。本体8にセラミック基板を収容し、
蓋9をしたものを一組とし、図4のように十組から数十
組をベルト3上に等間隔に載置し、ベルト4を矢印方向
へ駆動することで、連続的に焼成を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゾーン
毎に温度を設定して、その中を搬送していくという連続
炉の構造上、被焼成物の前後方向に温度差が生じる。こ
のことは、被焼成物が大型のセラミック基板になるほど
顕著になり、基板前後の温度差により、前後方向で基板
収縮量に差ができ、これが原因で割れや反りなどが発生
する。
毎に温度を設定して、その中を搬送していくという連続
炉の構造上、被焼成物の前後方向に温度差が生じる。こ
のことは、被焼成物が大型のセラミック基板になるほど
顕著になり、基板前後の温度差により、前後方向で基板
収縮量に差ができ、これが原因で割れや反りなどが発生
する。
【0006】そこで、本発明の目的は、被焼成物の進行
方向の前後で生じる温度差を緩和し、高品質な焼成品を
得ることが可能な連続焼成炉に用いる焼成用匣を提供す
ることにある。
方向の前後で生じる温度差を緩和し、高品質な焼成品を
得ることが可能な連続焼成炉に用いる焼成用匣を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は請求項1また
は2に記載の発明によって達成される。請求項1に記載
の発明は、被焼成物を収容した焼成用匣を炉内を連続的
に搬送しながら、被焼成物の焼成を行う連続焼成炉にお
いて、上記焼成用匣の進行方向の前部に、断熱層を設け
たことを特徴とする連続焼成炉に用いる焼成用匣であ
る。請求項2に記載の発明は、被焼成物を収容した焼成
用匣を炉内を搬送しながら、被焼成物の焼成を連続的に
行う連続焼成炉において、上記焼成用匣に、進行方向の
前部から後部にかけて厚みが薄くなる断熱層を設けたこ
とを特徴とする連続焼成炉に用いる焼成用匣である。
は2に記載の発明によって達成される。請求項1に記載
の発明は、被焼成物を収容した焼成用匣を炉内を連続的
に搬送しながら、被焼成物の焼成を行う連続焼成炉にお
いて、上記焼成用匣の進行方向の前部に、断熱層を設け
たことを特徴とする連続焼成炉に用いる焼成用匣であ
る。請求項2に記載の発明は、被焼成物を収容した焼成
用匣を炉内を搬送しながら、被焼成物の焼成を連続的に
行う連続焼成炉において、上記焼成用匣に、進行方向の
前部から後部にかけて厚みが薄くなる断熱層を設けたこ
とを特徴とする連続焼成炉に用いる焼成用匣である。
【0008】請求項1の場合、炉内に投入された焼成用
匣は、炉内を連続駆動される搬送手段の上に載置され
る。搬送手段としては、例えば搬送ベルトであってもよ
いし、搬送方向に複数本並設された搬送ローラであって
もよい。焼成用匣の前端部は先に炉内の高温部に到達す
るので、後部に比べて温度が高くなる。そこで、温度の
高い前部に断熱層を設け、直接匣に伝わる熱を緩和し、
前部の温度上昇を抑える。これにより、匣の前後の温度
差が緩和され、内部に収容されたセラミック部品が大型
部品であっても、その前後方向で基板収縮量の差が少な
くなり、品質が改善される。
匣は、炉内を連続駆動される搬送手段の上に載置され
る。搬送手段としては、例えば搬送ベルトであってもよ
いし、搬送方向に複数本並設された搬送ローラであって
もよい。焼成用匣の前端部は先に炉内の高温部に到達す
るので、後部に比べて温度が高くなる。そこで、温度の
高い前部に断熱層を設け、直接匣に伝わる熱を緩和し、
前部の温度上昇を抑える。これにより、匣の前後の温度
差が緩和され、内部に収容されたセラミック部品が大型
部品であっても、その前後方向で基板収縮量の差が少な
くなり、品質が改善される。
【0009】請求項2の場合には、焼成用匣に、進行方
向の前部から後部にかけて厚みが薄くなる断熱層を設け
たので、匣の前後方向の温度分布を段階的あるいは線形
的に制御することができる。そのため、匣の前後の温度
差を一層緩和できる。
向の前部から後部にかけて厚みが薄くなる断熱層を設け
たので、匣の前後方向の温度分布を段階的あるいは線形
的に制御することができる。そのため、匣の前後の温度
差を一層緩和できる。
【0010】請求項3のように、断熱層の熱伝導率を、
匣を構成する材料と同等またはそれより小さくするのが
よい。すなわち、断熱層を熱伝導率を匣と同等以下にす
ることで、匣の前部に伝わる熱を一層効果的に抑制で
き、前後部の温度差を緩和できる。
匣を構成する材料と同等またはそれより小さくするのが
よい。すなわち、断熱層を熱伝導率を匣と同等以下にす
ることで、匣の前部に伝わる熱を一層効果的に抑制で
き、前後部の温度差を緩和できる。
【0011】請求項4のように、匣の前部に断熱層を設
けた場合に、匣と断熱層とを伝熱部材で覆い、断熱層を
設けていない匣の後部に伝熱部材の後部を接触させるの
がよい。すなわち、匣の温度の高い前部と低い後部の両
方を覆うように伝熱部材を設置し、温度の高い前部から
温度の低い後部へ伝熱部材の熱伝導を利用して熱を伝
え、匣の後部を補助的に加熱している。そのため、匣の
前後の温度差をさらに小さくすることができる。
けた場合に、匣と断熱層とを伝熱部材で覆い、断熱層を
設けていない匣の後部に伝熱部材の後部を接触させるの
がよい。すなわち、匣の温度の高い前部と低い後部の両
方を覆うように伝熱部材を設置し、温度の高い前部から
温度の低い後部へ伝熱部材の熱伝導を利用して熱を伝
え、匣の後部を補助的に加熱している。そのため、匣の
前後の温度差をさらに小さくすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図5は本発明にかかる焼成用匣の
第1実施例を示す。この実施例の匣10は、被焼成物を
収容する箱型の本体10aと、その開口部を閉じる蓋1
0bとを備えている。蓋10bの前部上には、その熱伝
導率が蓋10bと同等またはこれより小さな断熱材11
が設置され、その上に熱伝導率の大きな伝熱板(伝熱部
材)12が蓋10bの後部に接触させた状態で取り付け
られている。伝熱板12は階段状に形成され、その後部
12aが蓋10bの上面を覆い、前部12bが断熱材1
1の上面を覆っている。
第1実施例を示す。この実施例の匣10は、被焼成物を
収容する箱型の本体10aと、その開口部を閉じる蓋1
0bとを備えている。蓋10bの前部上には、その熱伝
導率が蓋10bと同等またはこれより小さな断熱材11
が設置され、その上に熱伝導率の大きな伝熱板(伝熱部
材)12が蓋10bの後部に接触させた状態で取り付け
られている。伝熱板12は階段状に形成され、その後部
12aが蓋10bの上面を覆い、前部12bが断熱材1
1の上面を覆っている。
【0013】この実施例では、本体10aおよび蓋10
bとしてアルミナ(熱伝導率:10W/m・K)を用
い、断熱材11として多孔質アルミナ(熱伝導率:5W
/m・K)を用い、さらに伝熱板12としてSiC(熱
伝導率:120W/m・K)を用いた。なお、断熱材1
1を構成する材料としては、焼成温度以上の耐熱性を有
し、匣10と同等またはそれより小さい熱伝導率を有す
る材料であれば、上記材料に限定されるものではない。
また、伝熱板12を構成する材料も、焼成温度以上の耐
熱性を有し、匣10より大きな熱伝導率を有する材料で
あれば、上記材料に限定されるものではない。
bとしてアルミナ(熱伝導率:10W/m・K)を用
い、断熱材11として多孔質アルミナ(熱伝導率:5W
/m・K)を用い、さらに伝熱板12としてSiC(熱
伝導率:120W/m・K)を用いた。なお、断熱材1
1を構成する材料としては、焼成温度以上の耐熱性を有
し、匣10と同等またはそれより小さい熱伝導率を有す
る材料であれば、上記材料に限定されるものではない。
また、伝熱板12を構成する材料も、焼成温度以上の耐
熱性を有し、匣10より大きな熱伝導率を有する材料で
あれば、上記材料に限定されるものではない。
【0014】上記匣10の中に被焼成用セラミック基板
を収容し、この匣10を例えば図1に示される連続焼成
炉のベルト上に等間隔で載置する。この時、断熱材11
を設けた部分が進行方向前方になるように、匣10をベ
ルト上に載置する。ベルトに載置された匣10を、加熱
ゾーン中を通過させながら連続的に焼成を行う。連続焼
成炉では、ヒータブロックで区切られたゾーン毎に温度
を設定しているが、昇温過程において、被焼成用セラミ
ック基板がゾーンをまたがる時にそのゾーン間の温度差
がセラミック基板に生じる。ところが、上記匣10を用
いることで、温度の高いゾーンにまたがった際、匣10
の先頭は断熱材11による断熱効果と熱容量の増加によ
り、温度上昇が遅れ、同時に温度の高いゾーンにある伝
熱板12からの伝導熱により温度の低いゾーンにある匣
10の後部を加熱することができる。そのため、匣10
の前後方向の温度差を減少させることができる。また、
冷却時には匣10の前部の熱容量が後部に比べて大きい
ため、前部の冷却が遅れ、前後方向の温度差を小さくす
ることができる。その結果、大型のセラミック基板を焼
成する場合でも、基板前後の温度差を小さくすることが
でき、基板の割れや反りなどの発生を防止することがで
きる。
を収容し、この匣10を例えば図1に示される連続焼成
炉のベルト上に等間隔で載置する。この時、断熱材11
を設けた部分が進行方向前方になるように、匣10をベ
ルト上に載置する。ベルトに載置された匣10を、加熱
ゾーン中を通過させながら連続的に焼成を行う。連続焼
成炉では、ヒータブロックで区切られたゾーン毎に温度
を設定しているが、昇温過程において、被焼成用セラミ
ック基板がゾーンをまたがる時にそのゾーン間の温度差
がセラミック基板に生じる。ところが、上記匣10を用
いることで、温度の高いゾーンにまたがった際、匣10
の先頭は断熱材11による断熱効果と熱容量の増加によ
り、温度上昇が遅れ、同時に温度の高いゾーンにある伝
熱板12からの伝導熱により温度の低いゾーンにある匣
10の後部を加熱することができる。そのため、匣10
の前後方向の温度差を減少させることができる。また、
冷却時には匣10の前部の熱容量が後部に比べて大きい
ため、前部の冷却が遅れ、前後方向の温度差を小さくす
ることができる。その結果、大型のセラミック基板を焼
成する場合でも、基板前後の温度差を小さくすることが
でき、基板の割れや反りなどの発生を防止することがで
きる。
【0015】図6に本発明にかかる焼成用匣の他の実施
例を示す。図6の(a)は、断熱層として空気層21を
用いた匣20を示す。なお、20aは匣本体、20bは
蓋、22は伝熱板である。伝熱板22の後部が蓋板20
bに接触状態で取り付けられ、前部と蓋20bとの間に
空気層21が設けられている。この場合には、空気層
(熱伝導率:0.03W/m・K)21の断熱効果によ
り、断熱材11を用いた場合と同様の効果を得ることが
できる。
例を示す。図6の(a)は、断熱層として空気層21を
用いた匣20を示す。なお、20aは匣本体、20bは
蓋、22は伝熱板である。伝熱板22の後部が蓋板20
bに接触状態で取り付けられ、前部と蓋20bとの間に
空気層21が設けられている。この場合には、空気層
(熱伝導率:0.03W/m・K)21の断熱効果によ
り、断熱材11を用いた場合と同様の効果を得ることが
できる。
【0016】図6の(b)は、匣30の蓋30bの前部
に断熱材31を載置したものである。なお、30aは匣
本体である。この場合には、伝熱板12を有しないが、
断熱材31の断熱効果と熱容量の増加によって、匣30
の前後方向の温度差を小さくできる。
に断熱材31を載置したものである。なお、30aは匣
本体である。この場合には、伝熱板12を有しないが、
断熱材31の断熱効果と熱容量の増加によって、匣30
の前後方向の温度差を小さくできる。
【0017】図6の(c)は、匣40の蓋40bに、前
方に長く延びる伝熱板41を載置したものである。この
伝熱板41の後部は、蓋40bの後部に接触して取り付
けられている。なお、40aは匣本体、42は断熱材で
ある。この場合には、伝熱板41が匣40より前方へ長
く延びるので、匣40の前部の温度上昇を抑制する効果
が高く、匣40の前後方向の温度差を一層小さくするこ
とができる。
方に長く延びる伝熱板41を載置したものである。この
伝熱板41の後部は、蓋40bの後部に接触して取り付
けられている。なお、40aは匣本体、42は断熱材で
ある。この場合には、伝熱板41が匣40より前方へ長
く延びるので、匣40の前部の温度上昇を抑制する効果
が高く、匣40の前後方向の温度差を一層小さくするこ
とができる。
【0018】図6の(d)は、匣50の蓋50bの後部
に、伝熱板51の後部を取り付けたものであり、蓋50
bの前部と伝熱板51の前部との間に断熱材52が配置
されている。なお、50aは匣本体である。この場合に
は、伝熱板51の中間部に斜め方向に傾斜する部分51
aが設けられており、この部分51aによって伝熱板5
1の前部に加えられた熱が後部へ伝熱する距離を短くで
き、熱伝導効率を上げることができる。
に、伝熱板51の後部を取り付けたものであり、蓋50
bの前部と伝熱板51の前部との間に断熱材52が配置
されている。なお、50aは匣本体である。この場合に
は、伝熱板51の中間部に斜め方向に傾斜する部分51
aが設けられており、この部分51aによって伝熱板5
1の前部に加えられた熱が後部へ伝熱する距離を短くで
き、熱伝導効率を上げることができる。
【0019】図6の(e)は、匣60の蓋60bに、ブ
ロック形状の伝熱板61を取り付けたものである。この
伝熱板61の後部に厚肉部61aが形成され、前部には
薄肉部61bが形成される。薄肉部61bと蓋60bと
の間に断熱材62が配置されている。なお、60aは匣
本体である。この場合には、伝熱板61の形状が簡単に
なる。
ロック形状の伝熱板61を取り付けたものである。この
伝熱板61の後部に厚肉部61aが形成され、前部には
薄肉部61bが形成される。薄肉部61bと蓋60bと
の間に断熱材62が配置されている。なお、60aは匣
本体である。この場合には、伝熱板61の形状が簡単に
なる。
【0020】図6の(f)は、匣70の蓋70bの上面
に伝熱板71を取り付けるとともに、匣本体70aの下
面にも伝熱板72を取り付けたものである。伝熱板7
1,72はいずれも階段状に形成され、その後部が蓋7
0bおよび匣本体70aの後部に取り付けられ、前部と
蓋70bおよび匣本体70aの前部との間に断熱材7
3,74がそれぞれ配置されている。この匣70は、上
面側だけでなく下面側にもヒータがある連続焼成炉の場
合に用いられ、下面側も上面側と同様な効果を発揮する
ことができる。
に伝熱板71を取り付けるとともに、匣本体70aの下
面にも伝熱板72を取り付けたものである。伝熱板7
1,72はいずれも階段状に形成され、その後部が蓋7
0bおよび匣本体70aの後部に取り付けられ、前部と
蓋70bおよび匣本体70aの前部との間に断熱材7
3,74がそれぞれ配置されている。この匣70は、上
面側だけでなく下面側にもヒータがある連続焼成炉の場
合に用いられ、下面側も上面側と同様な効果を発揮する
ことができる。
【0021】図6の(g)は、匣80の蓋80bの上
に、前部が厚肉で後部が薄肉となるよう厚みが段階的に
変化する断熱材81を載置したものである。なお、80
aは匣本体である。この場合には、前部から後部にかけ
て温度上昇を複数段階に別けて抑えることができる。こ
れにより、前後方向の温度差をより小さくできる。
に、前部が厚肉で後部が薄肉となるよう厚みが段階的に
変化する断熱材81を載置したものである。なお、80
aは匣本体である。この場合には、前部から後部にかけ
て温度上昇を複数段階に別けて抑えることができる。こ
れにより、前後方向の温度差をより小さくできる。
【0022】図6の(h)は、匣90の蓋90bの上
に、前部が厚肉で後部が薄肉となるよう厚みが連続的に
変化する断熱材91を載置したものである。なお、90
aは匣本体である。この場合には、前後方向の温度分布
を線形的に制御することができるので、匣の前後方向に
温度の境点が発生しない。
に、前部が厚肉で後部が薄肉となるよう厚みが連続的に
変化する断熱材91を載置したものである。なお、90
aは匣本体である。この場合には、前後方向の温度分布
を線形的に制御することができるので、匣の前後方向に
温度の境点が発生しない。
【0023】本発明における焼成とは、単なる焼成に限
らず、脱バインダー処理や電極の焼入れなどの他の熱処
理を含むものである。したがって、被焼成物はセラミッ
ク材料に限らない。本発明の連続焼成炉は、ベルト搬送
式焼成炉に限らず、ローラを用いて搬送するローラ搬送
式焼成炉や、可動テーブルに載せて搬送する焼成炉な
ど、他の形式の焼成炉であってもよい。
らず、脱バインダー処理や電極の焼入れなどの他の熱処
理を含むものである。したがって、被焼成物はセラミッ
ク材料に限らない。本発明の連続焼成炉は、ベルト搬送
式焼成炉に限らず、ローラを用いて搬送するローラ搬送
式焼成炉や、可動テーブルに載せて搬送する焼成炉な
ど、他の形式の焼成炉であってもよい。
【0024】本発明の断熱層としては、必ずしも匣を構
成する材料よりも熱伝導率の小さな材料を用いる必要は
なく、匣を構成する材料よりも熱伝導率の大きな材料を
用いることも可能である。この場合には、匣の前部の熱
容量を増加させることにより、断熱層を設けない場合に
比べて温度上昇が遅れるので、匣の前後の温度差が緩和
される。さらに、本発明の断熱層とは、匣を構成する蓋
あるいは本体と別体である必要はない。例えば、蓋の前
部を後部より厚くし、この厚肉部を断熱層として用いる
ことができる。厚肉部の中は空洞であってもよい。
成する材料よりも熱伝導率の小さな材料を用いる必要は
なく、匣を構成する材料よりも熱伝導率の大きな材料を
用いることも可能である。この場合には、匣の前部の熱
容量を増加させることにより、断熱層を設けない場合に
比べて温度上昇が遅れるので、匣の前後の温度差が緩和
される。さらに、本発明の断熱層とは、匣を構成する蓋
あるいは本体と別体である必要はない。例えば、蓋の前
部を後部より厚くし、この厚肉部を断熱層として用いる
ことができる。厚肉部の中は空洞であってもよい。
【0025】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
にかかる発明によれば、焼成用匣の進行方向の前部に断
熱層を設けたので、断熱層が匣に伝わる熱を緩和し、匣
の前部の温度上昇を抑える。これにより、匣の前後の温
度差が緩和され、内部に収容された被焼成物が大型部品
であっても、その前後方向で基板収縮量の差が少なくな
り、高品質な焼成品を得ることができる。また、請求項
2にかかる発明では、匣に進行方向の前部から後部にか
けて厚みが薄くなる断熱層を設けたので、匣の前後の温
度差を緩和するだけでなく、前後方向の温度分布を段階
的あるいは線形的に制御することができる。したがっ
て、一層高品質な焼成品を得ることが可能である。
にかかる発明によれば、焼成用匣の進行方向の前部に断
熱層を設けたので、断熱層が匣に伝わる熱を緩和し、匣
の前部の温度上昇を抑える。これにより、匣の前後の温
度差が緩和され、内部に収容された被焼成物が大型部品
であっても、その前後方向で基板収縮量の差が少なくな
り、高品質な焼成品を得ることができる。また、請求項
2にかかる発明では、匣に進行方向の前部から後部にか
けて厚みが薄くなる断熱層を設けたので、匣の前後の温
度差を緩和するだけでなく、前後方向の温度分布を段階
的あるいは線形的に制御することができる。したがっ
て、一層高品質な焼成品を得ることが可能である。
【図1】従来のベルト搬送式焼成炉の概略断面図であ
る。
る。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】従来の焼成用匣の一例の斜視図である。
【図4】ベルト上に匣を載置した状態の斜視図である。
【図5】本発明にかかる焼成用匣の第1実施例の斜視図
である。
である。
【図6】本発明にかかる焼成用匣の他の実施例の斜視図
である。
である。
10 匣 10a 本体 10b 蓋 11 断熱材(断熱層) 12 伝熱板
Claims (4)
- 【請求項1】被焼成物を収容した焼成用匣を炉内を搬送
しながら、被焼成物の焼成を連続的に行う連続焼成炉に
おいて、上記焼成用匣の進行方向の前部に、断熱層を設
けたことを特徴とする連続焼成炉に用いる焼成用匣。 - 【請求項2】被焼成物を収容した焼成用匣を炉内を搬送
しながら、被焼成物の焼成を連続的に行う連続焼成炉に
おいて、上記焼成用匣に、進行方向の前部から後部にか
けて厚みが薄くなる断熱層を設けたことを特徴とする連
続焼成炉に用いる焼成用匣。 - 【請求項3】上記断熱層の熱伝導率は、上記匣を構成す
る材料と同等またはそれより小さいことを特徴とする請
求項1または2に記載の連続焼成炉に用いる焼成用匣。 - 【請求項4】上記匣と断熱層が伝熱部材で覆われ、断熱
層を設けていない匣の後部に伝熱部材の後部が接触して
いることを特徴とする請求項1または3に記載の連続焼
成炉に用いる焼成用匣。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000318784A JP2002130958A (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | 連続焼成炉に用いる焼成用匣 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000318784A JP2002130958A (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | 連続焼成炉に用いる焼成用匣 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002130958A true JP2002130958A (ja) | 2002-05-09 |
Family
ID=18797359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000318784A Pending JP2002130958A (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | 連続焼成炉に用いる焼成用匣 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002130958A (ja) |
-
2000
- 2000-10-19 JP JP2000318784A patent/JP2002130958A/ja active Pending
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