JP2002129308A - 透明導電性薄膜積層体 - Google Patents

透明導電性薄膜積層体

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JP2002129308A
JP2002129308A JP2000323721A JP2000323721A JP2002129308A JP 2002129308 A JP2002129308 A JP 2002129308A JP 2000323721 A JP2000323721 A JP 2000323721A JP 2000323721 A JP2000323721 A JP 2000323721A JP 2002129308 A JP2002129308 A JP 2002129308A
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Japan
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thin film
transparent conductive
conductive thin
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ito
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JP2000323721A
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Riichi Murakami
理一 村上
Hideki Fukunaga
秀樹 福永
Masanao Orihara
正直 折原
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Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無定型質のITO薄膜を熱可塑性樹脂を含む基
材上に積層した透明導電性薄膜積層体を提供すること。 【解決手段】基材上にITO(酸化インジウム/酸化ス
ズ)薄膜が積層された透明導電性薄膜積層体おいて、該
薄膜の結晶形態が無定型であり、且つ該薄膜の比抵抗値
が5×10−4Ωcm以下であることを特徴とする、スパ
ッタリング法によって形成された透明導電性薄膜積層
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無定型質のITO薄
膜を基材上に積層した透明導電性薄膜積層体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ITO薄膜は可視光域での透
明性が良好で、且つ高い導電性を持つため、LCD基板
や液晶表示素子の画素電極、PDP用電磁波遮蔽フィル
ター等に広く用いられている。一般に、導電性薄膜の抵
抗を下げるためには、基材上の薄膜構成原子配置を高密
度化させ、結晶質層を形成すれば良いと考えられてい
る。この結晶質層を形成するためには基材上に堆積され
たスパッタリング粒子の表面拡散が要求され、基材を加
熱することが行われる。例えば、特開昭57−8802
8号公報では、特定のスパッタリングガスを使用した反
応性スパッタリング法において基材を200℃以上とす
る方法が開示されている。また、特開平9−78236
号公報ではキャリヤーガスにキセノンを用い、基材温度
を200℃以上とすることで2.5×10−4Ωcm以
下の低抵抗値が得られている。しかし、このように基材
の温度を上げて薄膜を形成する場合、基材として低軟化
温度を有する材料の使用が困難であり、得られる透明導
電性薄膜積層体の種類が制限されていた。また、スパッ
タリング粒子を表面拡散させる方法として基材のバイア
ス電圧を制御することも行われるが、基材の損傷やAr
トラップを引き起こし、低比抵抗膜は得られていなかっ
た。
【0003】また、ITO薄膜を液晶表示素子の画素電
極に用いる場合は、ITO薄膜を各画素にパターン化す
る必要があり、エッチングのし易さが要求される。一般
に無定型質のITO薄膜はエッチング速度が大きく取れ
るため該用途に好適であるが、無定型質薄膜を得るため
には基材を低温に保って製膜が行う必要があり、基材を
低温に保って製膜した場合は薄膜の抵抗値が大きくな
り、且つ透過率が低下するため透明導電性薄膜積層体と
して十分な性能のものが作製できていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明導電性
薄膜積層体において前述の現状に鑑みてなされたもの
で、従って、本発明は無定型質ITO薄膜であって、且
つ比抵抗が10−4Ωcmオーダーの透明導電性薄膜積
層体の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、前記課題について鋭意検討した結果、スパッタリ
ング法においてスパッタリング粒子やArによる基材上
のITO薄膜の損傷、Arトラップの影響を軽減させる
ことにより無定型質であっても低抵抗のITO薄膜が得
られることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明
は基材上に導電性薄膜として無定型質で比抵抗値が5×
10−4Ωcm以下のITO薄膜が積層された透明導電性
薄膜積層体、を要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。 本発明の透明導電性薄膜積層体は、基材上にITOを積
層させることにより得られる。このITOとは酸化イン
ジウムにスズをドープした化合物を意味しており、イン
ジウム:スズの配合割合は特に制限はないが重量比で9
9〜85:1〜15である。
【0007】本発明の透明導電性薄膜積層体において、
ITO薄膜の比抵抗値は5×10 Ωcm以下、好まし
くは3×10−4Ωcm以下である。比抵抗値が5×10
−4Ωcmを越えると透明導電性薄膜として使用する際、
十分な性能が得られない。
【0008】また、本発明においてはITO薄膜の結晶
形態が無定型である必要がある。このITO薄膜の結晶
形態が無定型であることは、透明導電性薄膜積層体のI
TO薄膜のX線回折測定(Cukα線源)において、J
CPDSカード番号60416に示される酸化インジウ
ムのX線回折測定(Cukα線源)で、(222)を示
す2θ=30.6°付近、(440)を示す2θ=5
1.0°付近の回折ピークが存在しないことより確認で
きる。
【0009】本発明の透明導電性薄膜積層体の光線透過
率は80%以上、すなわちITO薄膜の光線透過率が8
0%以上であることが好ましい。光線透過率が80%未
満では透明導電性薄膜積層体としては実使用上問題があ
る。
【0010】また、本発明の透明導電性薄膜積層体にお
いて、ITO薄膜表面の凹凸の平均値が5nm以下の平
滑性を持つことが好ましい。
【0011】更に、本発明の透明導電性薄膜積層体にお
いて、ITO薄膜表面の摩擦係数が0.3以下の値である
ことが好ましい。
【0012】更にまた、本発明におけるITO薄膜の厚
みは40nm〜1000nm、より好ましくは80nm
〜500nmである。膜厚が40nm未満では十分な導
電性を付与することが困難であり、1000nmを越え
ると製膜に多大な時間を要するため生産上好ましくな
い。
【0013】一方、本発明の透明導電性薄膜積層体にお
ける基材としては、ガラス等の無機質板や熱可塑性樹脂
等いかなるものでもよいが、透明導電性薄膜積層体を目
的とする関係上、透明性を有するものが好ましい。ま
た、柔軟性の必要な用途にはポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタアクリ
レート等の熱可塑性樹脂が用いられる。
【0014】このような性質を有する本発明の透明導電
膜積層体は、例えば、傾斜型対向ターゲット式DCマグ
ネトロンスパッタリングで得ることができる。図1に傾
斜型対向ターゲット式DCマグネトロンスパッタリング
装置の摸式図を示す。この装置は基材12に対してター
ゲット11が45度の角度で設置されており、スッパタ
リングされた粒子を効率よく基材に到着させることがで
きるとともにスパッタリング粒子やArによる基材上の
ITO薄膜の損傷、Arトラップの影響を軽減させるこ
とができる。また、基材12を回転させながらスパッタ
リングできるので均質なITO薄膜を製膜することがで
きる。したがって、この装置を用いることで基材温度が
低くでき、得られたITO薄膜が無定型にもかかわら
ず、当該薄膜の損傷が防止されているので、低比抵抗の
導電性薄膜積層体を得ることができる。
【0015】また、ターゲット11としては、酸化物タ
ーゲット(酸化インジウム・酸化スズ焼結体)や金属タ
ーゲット(インジウム・スズ合金或いはインジウムとス
ズ)のいずれも使用可能であるが、ターゲット11とし
てインジウムとスズの純金属を使用して、スパッタガス
として酸素と不活性ガスの混合ガスを使用して反応スパ
ッタリングするのが好ましい。この際、チャンバ内の酸
素分圧を2.5×10 −2Pa〜3.0×10−2Pa
とするのが良い。ITO膜においては酸素空孔ドナーが
キャリア電子密度を決定し、また酸素空孔は結晶学的欠
損である為、キャリア電子の移動度の低下に影響を及ぼ
す。従って、この2つの因子から比抵抗を最小とする最
適酸素分圧が決定される
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。 実施例1 図1で示すスパッタリング装置1にターゲット11とし
てインジウム(純度99.9%、300×62×5m
m)板、スズ(純度99.9%、300×62×5m
m)板をB、Cの位置に各々取り付け、基材12として
ガラス板を中心部の基材ホルダー2に取付けて、チャン
バ内を4.3×10−1Pa以下になるまで吸引した
後、アルゴン分圧3.00×10−1Pa、酸素分圧
2.73×10 Paの雰囲気中で、基材ホルダー2
を回転速度12rpmで回転させながら、コイル電流3
0A、アノード電圧20V、バイアス電圧−30V、イ
ンジウムターゲットの電流が0.1A、スズターゲット
の電流が0.01Aの条件で30分間スパッタリングを
行い、ガラス板上に膜厚100nmのITO膜を製膜し
た。製膜中の基材温度は30℃とした。得られた透明導
電性薄膜積層体の可視光透過率は92%、比抵抗値は
2.5×10−4Ωcmであった。更に、得られたIT
O薄膜のX線回折測定を行ったところ、図2に示すよう
に酸化インジウムの(222)、(400)を示すピー
クは観察されず、このITO薄膜の結晶形態が無定型で
あることが確認された。また、原子間力顕微鏡より求め
た薄膜表面の凹凸の平均値は3nmであった。 得られたITO薄膜に1Nの荷重で鋼球を押しつけた時
の摩擦係数は0.2であった。ガラスと鋼球の摩擦係数
は0.7でありITO薄膜はガラスよりも優れた滑り性
を示した。
【0017】
【発明の効果】本発明によって、無定型であるにもかか
わらず比抵抗が5×10−4Ωcm以下のITO薄膜を提
供することが可能となった。したがって、製膜時に従来
のように基材温度を高くしなくて導電性の高いITO薄
膜を形成することができるので、熱可塑性樹脂を含む各
種基材に適用することが可能となった。よって、従来に
もましてITO薄膜の使用用途を広げることが可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の透明導電性薄膜積層体の作製に使用
した傾斜型対向ターゲット式DCマグネトロンスパッタ
リング装置の摸式図である。
【図2】実施例1で得られたITO膜のX線回折図であ
る。
【符号の説明】
1 スパッタリング装置 11 ターゲット 12 基材 2 基材ホルダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 折原 正直 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA33B AG00 AK01A AT00A BA02 DD07B EH66B GB41 JA11B JA20B JB16A JG01 JG04B JN01 4K029 AA09 AA11 BA50 BB10 BC05 BC09 CA06 DC03 DC16 5G307 FA02 FB01 FC03 FC10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上にITO(酸化インジウム/酸化ス
    ズ)薄膜が積層された透明導電性薄膜積層体おいて、該
    薄膜の結晶形態が無定型であり、且つ該薄膜の比抵抗値
    が5×10−4Ωcm以下であることを特徴とする、スパ
    ッタリング法によって形成された透明導電性薄膜積層
    体。
  2. 【請求項2】上記透明導電性薄膜積層体において、IT
    O薄膜表面の凹凸が5nm以下であることを特徴とする
    請求項1記載の透明導電性薄膜積層体。
  3. 【請求項3】上記透明導電性薄膜積層体において、IT
    O薄膜表面の摩擦係数が0.3以下であることを特徴と
    する請求項1または2記載の透明導電性薄膜積層体。
  4. 【請求項4】上記透明導電性薄膜積層体において、基材
    が熱可塑性樹脂フイルム又はシートであることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載の透明導電性薄膜
    積層体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006095733A1 (ja) * 2005-03-09 2006-09-14 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 非晶質透明導電膜、ターゲット及び非晶質透明導電膜の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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