JP2002129289A - 熱間加工用工具材 - Google Patents

熱間加工用工具材

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JP2002129289A
JP2002129289A JP2000320416A JP2000320416A JP2002129289A JP 2002129289 A JP2002129289 A JP 2002129289A JP 2000320416 A JP2000320416 A JP 2000320416A JP 2000320416 A JP2000320416 A JP 2000320416A JP 2002129289 A JP2002129289 A JP 2002129289A
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JP
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roll
hot working
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hot
resistance
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Hide Uchida
秀 内田
Takeshi Inoue
剛 井上
Shoichi Araya
省一 荒谷
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延ロール材として、耐摩耗性および耐
熱亀裂特性を改善することにより、圧延作業率の向上と
ロール原単位の低減を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:2.8〜3.5%、S
i:0.3〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、N
i:1.5〜6.0%、Cr:0.2〜2.0%、M
o:0.1〜1.5%、を含有し、TiおよびZrのう
ちの1種または2種を合計量で0.01〜0.5%含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなる熱間加工用工
具材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性、耐熱亀
裂性に優れた熱間加工用工具材、代表的には熱間圧延用
ロール材に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の高負荷、高熱負荷操業に従い、熱
間圧延用ロール材としては、高温度における耐摩耗性、
耐熱亀裂性が強く要求される。さらに熱間圧延仕上ミル
の後段スタンドでは高速操業のため、蛇行しやすく、板
の端面が折れ込んだまま高面圧で圧延される場合があ
り、ロールへ局部的に急激な負荷がかかるためロール表
層から大きな亀裂が発生しやすくなる。このため耐摩耗
性に優れるが亀裂に敏感なハイスロールは後段スタンド
へは十分に適用されていないのが実状である。後段スタ
ンド用熱延ロールとしては、亀裂に鈍感なNiを含有し
た合金グレン鋳鉄が主に使用されてきたが、耐摩耗性は
ハイスロール等に比べ劣るためその改善が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、耐摩耗性を改
善するには、組織中に硬い炭化物を沢山晶析出させるこ
とが望ましい。しかし、合金グレン鋳鉄では基地中に黒
鉛を晶出することにより耐亀裂性を確保していると言わ
れており、炭化物の晶出を増加させると黒鉛の晶出が困
難となる。また、遠心鋳造法等をはじめとする溶湯から
直接製造する場合は凝固速度が遅いこともあり、炭化物
の粗大化や偏析を伴い易い。これら高硬度炭化物及びそ
の粗大化により、耐熱亀裂性が阻害され、炭化物の欠け
落ち等により耐摩耗性も悪化する。本発明は、耐亀裂性
を損なうことなく耐摩耗性をも改善したロール材を提供
するためになされた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、 (1)質量%で、C:2.8〜3.5%、Si:0.3
〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Ni:1.5〜
6.0%、Cr:0.2〜2.0%、Mo:0.1〜
1.5%、を含有し、TiおよびZrのうちの1種また
は2種を合計量で0.01〜0.5%含有し、残部Fe
および不可避不純物からなることを特徴とする熱間加工
用工具材。 (2)質量%で、C:2.8〜3.5%、Si:0.3
〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Ni:1.5〜
6.0%、Cr:0.2〜2.0%、Mo:0.1〜
1.5%を含有し、Mg、Ca、およびCeのうちの1
種または2種以上を合計量で0.005〜0.15%含
有し、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴
とする熱間加工用工具材。 (3)質量%で、C:2.8〜3.5%、Si:0.3
〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Ni:1.5〜
6.0%、Cr:0.2〜2.0%、Mo:0.1〜
1.5%を含有し、TiおよびZrのうちの1種または
2種を合計量で0.01〜0.5%、さらに、Mg、C
a、およびCeのうちの1種または2種以上を合計量で
0.005〜0.15%含有し、残部Feおよび不可避
不純物からなることを特徴とする熱間加工用工具材。 (4)さらに、質量%で、Bを0.002〜0.02%
含有することを特徴とする上記(1)から(3)の何れ
か1つに記載の熱間加工用工具材である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明による熱間加工用工
具材について詳細に説明する。本発明の熱間加工用工具
材を、上記のような成分系に限定した理由をまず説明す
る。
【0006】Cの含有量は材質が鋳鉄であることことか
ら高C系となり、2.8%〜3.5%とした。下限未満
では黒鉛の晶出および基地の硬さを確保するためのセメ
ンタイトの晶出が不十分となる。一方、上限を越えると
組織的に脆くなり、十分な強度を確保できない。
【0007】Siの含有量を0.3〜2.0%としたの
は、良好な鋳造性および黒鉛を晶出しやすくするためで
あり、通常0.3〜2.0%添加する。Mnの含有量を
0.1〜2.0%としたのは、溶湯の脱酸,脱硫のため
であり、通常0.1〜2.0%添加する.
【0008】Niの含有量を1.5〜6.0%としたの
は、黒鉛の晶出を助長および熱処理時の基地硬さを向上
するために必要であるためである。下限未満では黒鉛の
晶出、焼き入れ性向上が十分に発揮されない。また、
6.0%を越える添加ではその効果は極端に向上しない
ことから、製造コスト上、それ以上の添加は不必要であ
る。
【0009】Cr含有量を0.2〜2.0%、Mo含有
量を0.1〜1.5%としたのは、Cr、Moは基地中
に固溶して、熱間強度を向上する元素であり、各々下限
未満ではその効果を十分に発揮できない。Cr、Mo両
方とも炭化物生成元素であり、上限を越えると黒鉛の晶
出が阻害されるため、Crで2.0%、Moで1.5%
とした。
【0010】さらに、本発明者らは検討を重ねた結果、
微量のTiもしくはZrの少なくとも1種類以上を添加
することにより、基地組織中の黒鉛、セメンタイトおよ
び結晶粒を微細にでき、その結果、耐摩耗性を向上でき
ることを見出した。この場合、TiあるいはZr添加量
の範囲を0.01〜0.5%としたのは、下限未満では
微細化効果が十分に発揮されず、上限を越えるとTi、
Zr自身が炭化物形成元素であって、黒鉛晶出を阻害す
るため上限を0.5%とした。Ti、Zrは同様な効果
を有しており、TiとZrを併用しても同様な効果を得
ることができ、その場合は両者の合計質量%が0.01
〜0.5%となる。Ti、Zrの添加法としては、脱酸
剤として溶解初期に添加すれば合理的である。
【0011】また、本発明者らは、微量のMg、Caも
しくはCeの1種類以上を添加することにより、炭化物
の偏析を防止し、炭化物が微細に晶析出すること、さら
に黒鉛の形状を片状から球状にすることにより耐亀裂性
および耐摩耗性を改善することをみいだした。この場
合、Mg、CaもしくはCeは含有量が0.005%未
満ではその効果が十分でなく、入れすぎると溶湯の攪拌
が激しくなり、ガス等を巻き込みやすくなることから
0.15%を越える含有は好ましくない。Mg、Caも
しくはCeの添加は接種と同様に鋳造前に炉前で処理す
ればよい。
【0012】また、TiあるいはZrの1種以上を所定
量添加後、鋳造前にMg、CaもしくはCeの1種以上
を所定量添加すれば、より一層の複合効果を得ることが
できる。
【0013】さらに、Bを上記組成に添加することによ
り黒鉛、炭化物の微細化および組織の結晶粒の微細化を
よりはかることができる。Bの添加は0.002%未満
では十分な効果を発揮できず、多すぎると材質的に脆く
なるため0.02%で十分である。
【0014】なお、ロールの製造にあたっては、熱処理
等により硬度としてはHs75〜90に調節して耐摩耗
性の維持をはかるため、その強度上、内部に高靭性材を
有する複合ロールとなる。外層の製造法としては、遠心
鋳造法やCPC法(連続溶湯鋳掛け法)等を利用すれば
よい。本発明の材料はロール材以外として耐摩耗・耐熱
亀裂等を要望されるシームレス圧延、熱間押出し、鍛造
等の熱間用工具材にも適用できる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例として表1に示す成分の一般
的な合金グレン鋳鉄ロール材、本発明によるロール材に
ついて熱間摩耗試験および熱亀裂試験を行なった。熱間
摩耗試験は、図1に示すような加熱コイル1を用いたデ
ィスク対ディスクタイプの転動摩耗試験により行い、圧
延材に相当する加熱片2の温度は、850℃で、またデ
ィスク間の接触応力は約300MPa で、ディスク間のす
べりは11%にて行なった。耐摩耗性は合金グレン鋳鉄
(比較例1)の摩耗量を1とした時の摩耗比(各材料の
摩耗量/合金グレン材の摩耗量)で評価した。一方、熱
亀裂試験は、図2に示すように、60mmφの丸棒試験片
(ロール材に相当)6を局部的に高周波加熱コイル4で
急熱後、水冷装置5により水冷することにより、約45
0℃と約200℃のサイクルを与え、5000回の繰り
返し後に発生したクラック深さをクラックメータで測定
し、比較した。なお、耐亀裂性は合金グレン鋳鉄材(比
較例1)のクラック深さを1とした時の深さ比(各材料
のクラック深さ/合金グレン材の深さ)で評価した。
【0016】表2より、発明材は現行合金グレン材(比
較例1)に比べて耐摩耗性・耐亀裂性に優れ、特に耐摩
耗性が約10〜30%と改善が大きいことがわかる。
尚、比較例2は、Tiが下限値未満であり、摩耗量点ク
ラック深さともに現行合金グレン材よりやや劣る。比較
例3は、Tiが上限を越えており、ブローホールが多く
クラック深さも劣る。比較例4は、Mgが下限値未満で
あり、摩耗量、クラック深さともに現行合金グレン材よ
り若干劣る。比較例5は、Mgが上限を越えており、ブ
ローホールが多くクラック深さも劣る。比較例6は、C
aが下限未満のため、現行合金グレン材とほぼ同等の特
性である。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【発明の効果】上記した本発明組成よりなるロールを使
用することにより、晶出黒鉛、セメンタイト、組織等の
微細化による耐摩耗性の向上が可能となり、さらに耐亀
裂性も改善する等、高いロール寿命が得られる。そし
て、製品品質の向上、作業率の向上、ロール原単位の向
上等、その効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種ロール材の熱間における摩耗量を評価する
試験機の構成を示す図である。
【図2】各種ロール材の熱亀裂特性を評価する試験機の
構成を示す図である。
【符号の説明】
1 加熱コイル 2 加熱片(圧延材相当) 3 試験片(ロール材相当) 4 高周波加熱コイル 5 水冷装置 6 試験片(ロール材相当)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 C :2.8〜3.5% Si:0.3〜2.0% Mn:0.1〜2.0% Ni:1.5〜6.0% Cr:0.2〜2.0% Mo:0.1〜1.5% を含有し、TiおよびZrのうちの1種または2種を合
    計量で0.01〜0.5%含有し、残部Feおよび不可
    避不純物からなることを特徴とする熱間加工用工具材。
  2. 【請求項2】 質量%で、 C :2.8〜3.5% Si:0.3〜2.0% Mn:0.1〜2.0% Ni:1.5〜6.0% Cr:0.2〜2.0% Mo:0.1〜1.5% を含有し、Mg、Ca、およびCeのうちの1種または
    2種以上を合計量で0.005〜0.15%含有し、残
    部Feおよび不可避不純物からなることを特徴とする熱
    間加工用工具材。
  3. 【請求項3】 質量%で、 C :2.8〜3.5% Si:0.3〜2.0% Mn:0.1〜2.0% Ni:1.5〜6.0% Cr:0.2〜2.0% Mo:0.1〜1.5% を含有し、TiおよびZrのうちの1種または2種を合
    計量で0.01〜0.5%、さらに、Mg、Ca、およ
    びCeのうちの1種または2種以上を合計量で0.00
    5〜0.15%含有し、残部Feおよび不可避不純物か
    らなることを特徴とする熱間加工用工具材。
  4. 【請求項4】 さらに、質量%で、Bを0.002〜
    0.02%含有することを特徴とする請求項1から請求
    項3の何れか1項に記載の熱間加工用工具材。
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