JP2002129243A - 円筒状金属コイルの加熱方法 - Google Patents

円筒状金属コイルの加熱方法

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JP2002129243A
JP2002129243A JP2000322416A JP2000322416A JP2002129243A JP 2002129243 A JP2002129243 A JP 2002129243A JP 2000322416 A JP2000322416 A JP 2000322416A JP 2000322416 A JP2000322416 A JP 2000322416A JP 2002129243 A JP2002129243 A JP 2002129243A
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cylindrical metal
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Yoshiaki Hirota
芳明 広田
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Nippon Steel Corp
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  • General Induction Heating (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒状金属コイルを歩留りよく、均一に短時
間で加熱できる加熱方法を得ること。 【解決手段】 帯状金属の表面が絶縁されるようにして
巻いて作った円筒状金属コイル及び該円筒状金属コイル
の内周と外周にリーダー金属を接続し、絶縁性の断熱材
でリーダー金属を巻いてコイルとし、このコイル内面に
鉄心を貫通させるとともに、この鉄心と磁気回路を形成
するように円筒状金属コイルの外部に鉄心を設け、この
鉄心に一次コイルを巻き一次電源を接続する。一方、リ
ーダー金属の接続された円筒状金属コイルの外側と内側
は、導電部材で接続された電極で短絡する事により二次
回路を形成する。こうしてトランスを形成し、一次コイ
ルに電圧を加えることにより、帯状金属から形成された
コイルに電流を流し円筒状金属コイルを加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板やアルミ板等
のコイル状に巻いた円筒状金属コイルを効率よく熱処理
できる円筒状金属コイルの加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から円筒状金属コイルの加熱は、バ
ッチ炉に入れガス加熱やパネルヒーターにより加熱する
方法が一般的である。バッチ加熱は、雰囲気が制御で
き、高温で焼鈍できるほか、機械的な歪みを与えずに焼
鈍できることから、連続焼鈍装置では加熱できない特殊
な材質のものや、品質要求が厳しいものなどに適用され
ている。
【0003】しかし、円筒状金属コイルのバッチ焼鈍
は、基本的には金属の塊を外部から加熱することになる
ため、加熱時間が非常に長くなるとともに、温度偏差が
大きくつきやすいため長時間にわたって均熱化する必要
がある。また、長時間加熱のため加熱効率が極めて低い
等の問題がある。
【0004】この問題を解決するため通電加熱を採用す
る事が提唱されている。例えば、特開平6−10067
号公報にはコイルの両端から通電することが、また特開
平5−171259号公報には拡縮機構を有する内外電
極により直接通電することが記載されている。また、電
気を使って加熱する方法としては、特開昭61−190
97号公報にコイル内に鉄心を通し、誘導加熱する方法
が提唱されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通電加熱する
方法では、特開平6−10067号公報の場合、コイル
と電極の接触面が均一に当たりにくいため局部的に発熱
し、コイルに損傷を与えるという問題がある。また、特
開平5−171259号公報では、圧延後の板厚差に起
因し板幅方向で温度差がつくことが問題となる。また、
両者とも塊状なため抵抗が小さく、大電流を流さないと
発熱しにくく、時間をかけないと加熱しにくいという問
題がある。また、特開昭61−19097号公報では、
誘導加熱が効果的に行われるのは、周波数に応じた浸透
深さまでの部分のみで、それ以外の部分は、伝熱により
熱が伝わるため加熱速度を制御することが難しく、温度
分布が大きくつきやすいという問題がある。
【0006】そこで、本発明者らは、特開昭61−19
097号公報に記載の如く制御性、効率がよく、均一な
加熱を短時間に安定してできる円筒状金属コイルの熱処
理装置および熱処理方法を提案すると共に、この装置・
方法をさらに検討し、実用性を高める改善をした結果、
さらに効果的に加熱ができ、後処理工程へのつながりが
容易になる加熱方法を見出したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は下記の通
りである。 (1)金属帯板を巻いて円筒状にしたコイルの内側を貫
通する鉄心と、該鉄心と一次コイルを巻いた鉄心とを円
筒状金属コイルの外で連結してトランスを構成するとと
もに、円筒状金属コイルの最外周部の金属帯板と内側の
金属帯板を導電部材で短絡し二次閉回路を構成し、一次
コイルに通電することにより円筒状金属コイルを加熱す
る加熱装置を用いて、加熱される円筒状金属コイルの内
周端と外周端各々に該円筒状金属コイルに別にリーダー
金属を接続するとともに、該リーダー金属間及び該円筒
状金属コイルとリーダー金属間を絶縁する様にリーダー
金属を巻き、各リーダー金属に短絡用の導電部材をつけ
た電極を取り付けて加熱することを特徴とする円筒状金
属コイルの加熱方法。 (2)金属帯板を巻いて円筒状にしたコイルの内側を貫
通する鉄心と、該鉄心と一次コイルを巻いた鉄心とを円
筒状金属コイルの外で連結してトランスを構成するとと
もに、円筒状金属コイルの最外周部の金属帯板と内側の
金属帯板を導電部材で短絡し二次閉回路を構成し、一次
コイルに通電することにより円筒状金属コイルを加熱す
る加熱装置を用いて、加熱される円筒状金属コイルの内
周側と外周側の金属帯板間に断熱材を挟んで巻くととも
に、さらに該円筒状金属コイルの外周、内周を断熱材で
囲み加熱することを特徴とする円筒状金属コイルの加熱
方法。 (3)リーダー金属の絶縁に絶縁性のある断熱材を用い
ることを特徴とする上記(1)に記載の円筒状金属コイル
の加熱方法。 (4)円筒状金属コイルの加熱方法において、リーダー
金属部が円筒状金属コイルよりも温度が高くなるように
リーダー金属の抵抗を円筒状金属コイルの抵抗よりも高
くしたことを特徴とする上記(1) または(3) に記載の円
筒状金属コイルの加熱方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面で
説明する。説明では特に加熱雰囲気を特定していない
が、酸化雰囲気でもまた非酸化雰囲気でも構わない。図
1は、本発明による円筒状金属コイルの熱処理装置を説
明する模式図である。そして、図2は図1のA−A断面
を示す図である。帯状の金属を巻いた円筒状金属コイル
1の内側の空間部分には、電磁鋼板等でつくられた良磁
性の鉄心2が貫通し、鉄心2と鉄心3により磁気回路を
形成しトランスとする。鉄心2は、鉄心3から分離でき
るように形成する。鉄心3には、一次電源8に接続され
たコイル4を巻きトランスの一次回路とする。
【0009】一方、円筒状金属コイル1は、表面に高抵
抗の皮膜を形成するかあるいはコイル状に巻くときに、
帯状金属板の間に絶縁体を入れて一緒に巻くことによ
り、板間の絶縁性を保つことができる。例えば、熱延さ
れた鋼板などのように、表面に厚いスケール層ができそ
れが絶縁性を有する程の抵抗層になる場合や、電磁鋼板
などのように表層に絶縁皮膜を作る材料などのように、
あらかじめ円筒状金属コイル層間の抵抗が高い場合、円
筒状金属コイルに流れる電流は、層間を伝わらず、円筒
状金属コイル内部を伝わり、円筒状金属コイル1自体が
多数巻きの二次コイルを形成する。この円筒状金属コイ
ル1の両端、すなわちコイル1の外側と内側部分を導電
部材5でつながった電極6と電極7で短絡する事により
二次回路を形成する。
【0010】こうすることにより、一次電源8から一次
電圧を加えると、コイル4の巻き数に応じた二次電圧が
直接円筒状金属コイル1の中に誘起される。誘起された
二次電圧により二次電流が円筒状金属コイル内を流れる
ことにより、円筒状金属コイル自体がジュール加熱され
る。この加熱方法では、加熱電源の周波数が低い場合に
は、コイル内の電流は板幅方向でほぼ均一に流れるため
均一な加熱をすることが可能である。
【0011】本発明では、この円筒状金属コイル1の外
側と内側には円筒状金属コイルとは別に、製品にはなら
ないダミーの金属をリーダーとして溶接などにより必要
な長さだけ巻く。リーダー金属は、製品にならないこと
から通常何度も繰り返し使うため、経済性、耐久力など
を考慮して決めれば良く、更に後に述べるような理由か
ら、幅、厚み、電気抵抗などを考慮して適宜最適なもの
を選定すれば良い。
【0012】この円筒状金属コイル1の内側に巻くリー
ダー金属12及び外側に巻くリーダー金属14には、2
つの役割がある。ひとつは、直接電極6および電極7を
円筒状金属コイル1に接続すると、冷却されている電極
によりコイルも冷却され、材質の不良や形状の不良が発
生し製品歩留まりが下がるため、これを防止するためで
ある。通常両電極は、高温での変形、酸化による通電面
の絶縁、電極自体の発熱等を防止する目的で冷却を行っ
ており、そのため電極接続部近傍の金属帯板は温度が低
くなり加熱温度不足となることから、製品として使えな
くなるため歩留まり落ちにせざるを得なくなる。また、
円筒状金属コイル1が薄い金属の場合、冷却による温度
偏差のため容易に熱応力により変形してしまうという問
題が生じることから、これら電極の冷却に伴う問題を解
決するため、リーダーとなる金属を円筒状金属コイル1
につけて歩留まり防止を図る様にする。リーダー金属を
接続するもう一つの理由は、コイルを加熱した後次の工
程の処理、たとえば圧延などを行う場合、製品歩留まり
を落とさないため、コイルの先端をマンドレルに巻くた
めだけに必要な金属帯板が必要になるため、あらかじめ
リーダー金属ををつけておくと作業がスムース進めやす
いためである。円筒状金属コイル1の内側にもリーダー
金属を巻いておけば、次工程がリバース式の圧延をする
場合などの時に有効である。
【0013】本発明の場合、単純にリーダー金属を円筒
状金属コイル1に接続しただけではリーダー金属の表面
が導電性を有する場合には、1ターン回路を形成してし
まいリーダー金属の中を集中して二次電流が流れてしま
い、円筒状金属コイル1の加熱ができにくくなるという
問題が生じる。そのため、リーダー金属を円筒状金属コ
イル1に巻くときにリーダー金属間同士あるいはリーダ
ー金属と円筒状金属コイル1が短絡せず、層間の絶縁が
できるように、絶縁層11あるいは13を設けてリーダ
ー金属12,14を巻く必要がある。絶縁層11,13
は、絶縁性のセラミックスや、温度によっては樹脂を挿
入してもよいし、あるいは余裕があれば隙間を設けても
よい。さらに、絶縁層11,13が断熱性を有すれば、
加熱する金属帯板間の伝導伝熱が防止できるため、仮に
コイル内周、外周の断熱性能が良くない場合でも各金属
帯板で発生した熱は移動しにくくなり温度の均一性が高
められる。
【0014】また、リーダー金属12,14は、特に規
定するものではないが、円筒状金属コイル1より厚みが
厚すぎると、加熱温度が円筒状金属コイル1より低くな
るためリーダー金属と円筒状金属コイル1の接合部の温
度が低くなり都合が悪い。したがって、円筒状金属コイ
ル1よりやや高く加熱される様にリーダー金属の比抵
抗、厚み、幅を考慮して、使用者が適宜選べばよい。こ
れは、さらに押し進めれば、たとえばコイルの内側と外
側の温度は通常中央部に比べ放射伝熱や対流伝熱で冷え
やすいため、この放散温度を補償する目的や、熱延後に
巻き取ったコイルの様にもともとコイルの内側と外側の
温度が低くなっているコイルの温度偏差を解消するため
など、コイルの内側と外側の温度を中心部より高くする
ことに通じる。すなわち、単位時間あたりのコイルの発
熱は電流2×抵抗であり、本発明の場合電流は板幅方向
でほぼ均等に流れることから、円筒状金属コイルとリー
ダー金属との抵抗値を調整すればコイル内側と外側の温
度を調整できる。リーダー金属の抵抗値を変えるために
は、抵抗=比抵抗×長さ/(板幅×板厚)で表されるこ
とから、これら4つのパラメーターを操作して必要な温
度が得られるように、適宜選択してリーダー金属とすれ
ば良い。すなわち、比抵抗が大きい材料、あるいはリー
ダー長さを長くする、板幅を狭く、板厚を厚くすれば、
リーダー金属部の温度がコイル中央部よりも高くするこ
とが可能となる。
【0015】本加熱方法は、基本的には均一な加熱が可
能であるが、断熱が不十分な場合、熱の放散が円筒状金
属コイルの表面から行われることにより、円筒状金属コ
イルの内部と外表面、内表面との間で温度差が付きやす
い。この対策として、本発明ではコイルの外に逃げる放
散熱を防止するため、円筒状金属コイルの1の内外周面
に断熱層9及び断熱層10を設ける。この断熱層9、1
0は、例えば断熱性のあるアルミナなどのセラミックス
等で電極に接続する帯板が露出する隙間を設けたスリー
ブとする方法、あるいは繊維状のセラミックス等で円筒
状金属コイルの外面を覆い、また内面に充填するなどの
方法により断熱層が形成できる。図示はしていないが、
当然コイル端面側にも断熱層は設ける。しかし、これで
も断熱が不十分な場合には、先に述べた様にコイルの内
側と外側の層間に断熱材を挟んでコイルを巻くことによ
り、効果的にコイルの保温ができる。すなわち、断熱材
をコイル層間に入れれば、放散の大きなコイル外面と内
面の巻き厚み方向の熱移動が抑制され、熱の放散を防ぐ
ことができる。これらの断熱は、リーダー金属の絶縁層
として設ける絶縁層11,13に断熱材を用いると、一
層円筒状金属コイルの温度分布は均一になろうとするた
め都合が良い。この様に、本発明を用いれば、円筒状金
属コイルを極めて均一に効率よく加熱ができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実験に
は、トランスとして一辺が100mmの正方形断面の電磁
鋼積層鉄心を用いた。この鉄心は、コの字型とI型から
できており、コの字の方に一次コイルとして直径10mm
の水冷銅パイプを100ターン(記号T、以下Tで標記
する)巻き、10T毎にタップをたて巻き数を自由に選
択できるようにした。一方、二次側となる円筒状金属コ
イルは、内径を500mmとし、幅100mm厚さ3mmのS
US430熱延鋼板を20回巻きしたものを用いた(以
下基準コイルと呼ぶ)。このコイルは、鋼板表面のスケ
ールが絶縁層として働くことを利用した。
【0017】コイルの温度測定は、図3に示すように、
基準コイルを巻くときに、途中コイル厚み方向内側から
3T目、中央、外側から3T目の、板幅方向両端から1
0mm点と中央の3点合計9点と電極の冷却による影響を
みるためコイル内側、外側両端部からコイル周方向へ2
00mm離れた点に同様に板幅方向両端から10mm点と中
央の3点にそれぞれ溶着して行った。リーダー金属は、
この基準コイルの内外端部に接続した。
【0018】コイルの内側と外側の短絡は、基準コイル
または、リーダーの鋼板端部を直径10mmの水冷銅パイ
プを溶接した長さ80mm、厚み10mm、幅50mmの銅製
の電極2枚で挟んで行った。一次電源は、周波数50H
z、電圧400V、容量200KVAのサイリスタ制御
電源を用いた。この装置を用い、二次側電流300
[A]を通じ、コイル中心温度を800℃前後まで加熱
した時の昇温特性を測定した。
【0019】本発明の効果をみるため、実験は、次の水
準で行った。本発明の例として、水準A:基準コイルに
リーダー金属として基準コイルと同じサイズ、すなわち
幅100mm厚さ3mmのSUS430熱延鋼板3.5mを
基準コイルの内側と外側に溶接で接合し、外側を100
mmのセラミックスファイバー(熱伝導率1W/mK)を
巻いて断熱を行った場合、水準B:基準コイルの内周と
外周各5Tに厚み3mm、幅110mmのアルミナクロスを
挿入し外側を100mmのセラミックスファイバー(熱伝
導率1W/mK)を巻いて断熱を行った場合、水準C:
水準Aのリーダー金属と基準コイルの内周と外周各5T
に厚み3mm、幅110mmのアルミナクロスを挿入し外側
を100mmのセラミックスファイバー(熱伝導率1W/
mKを巻いて断熱を行った場合、水準D:水準Aと同様
でリーダー金属の抵抗を高くするためリーダー金属の厚
みを2.4mmとした場合、について実験するとともに比
較例として、水準E:基準コイルの外側を100mmのセ
ラミックスファイバー(熱伝導率1W/mK)を巻いて
断熱を行っただけの場合、各々の温度分布を測定した。
表1にその結果を示す。
【0020】
【表1】
【0021】はじめにリーダー金属をつけただけの場合
の本発明による加熱方法である水準Aをみると、比較例
Eと比べると全体的に目的とする基準コイル内の温度偏
差は改善がなされており、特に電極から200mm離れた
位置の温度偏差が85〜87℃から10〜11℃へと激
減した。
【0022】次に、リーダーをつけず、基準コイルの内
周と外周に断熱材を挿入して加熱を行った本発明による
加熱方法である水準Bも、電極接続部近傍の温度分布を
別にするとほぼ均一な加熱ができた。更に、リーダー金
属と基準コイルの内周と外周に断熱材を挿入した本発明
による加熱方法である水準Cは、基準コイル端部も含
め、全体がほぼ均一に加熱ができた。また、コイルの内
周と外周の温度補償を目的とした、抵抗の高いリーダー
を用いた本発明による加熱方法である水準Dは、中央部
よりも118〜133℃高い温度分布とすることができ
た。
【0023】この様に本発明を用いると、コイル自体を
変圧器の二次コイルとする性能の良い加熱方法が、更に
コイル全体を均一な温度にすることもできるし、目的に
よってはコイルの内周側と外周側を高温に加熱すること
もでき、様々なコイル加熱に対応ができる様になる。
【0024】
【発明の効果】本発明の加熱方法を用いれば、円筒状金
属コイルのバッチ加熱の本質的な問題である外表面から
の輻射加熱によって生じる加熱温度分布の発生や、加熱
時間がかかりすぎて生産性が著しく落ちる、加熱効率が
極めて低いという問題を解決する。すなわち、電流によ
り円筒状金属コイルの内部から加熱を行うため、加熱時
間を自在に制御でき、しかも温度分布、加熱効率が極め
て良いため、加熱品質が良く製品の歩留まり落ちを少な
くでき、省エネにも大きく寄与する。特に、本加熱方法
は、内外周端部を含めたコイル全体の温度を均一にする
ことができることから、温度不均一による端部の切り捨
てが不要となり製品歩留まり落ちがほとんど発生しな
い。さらに、たとえば熱延直後のコイル内周と外周の温
度が低いコイルを全体的に均一に加熱する場合でも、コ
イル内外周の温度補償ができることから、効果的に均一
加熱をすることができる。また、コイルの断熱をしっか
り行えば鉄心など他の装置は室温に近い状態で加熱でき
ることから、従来の様な耐火設備仕様にする必要もなく
なり、安価な設備にすることができる。
【0025】また、作業性の面では、本発明は、リーダ
ー金属を初めから接続していることから、酸洗や圧延な
どの次工程の作業を効率的にすることができ、生産性の
向上を図ることができる。この様に、本発明はこれまで
バッチ加熱が抱えていた温度の不均一性に伴う品質への
影響を改善するとともに、生産性の飛躍的向上をもたら
す。また、設備構成がシンプルであるため、設備コスト
を低くできることや、電気を使うことから、自動制御が
しやすく、人手をかけずに生産ができるなど、産業上の
貢献は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、円筒状金属コイルの熱処理装置
を説明する模式図である。
【図2】本発明による、図1に示す円筒状金属コイルの
熱処理装置のA−Aである。
【図3】本発明による、円筒状金属コイルの加熱装置の
実施例における測温位置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 円筒状金属コイル 2 鉄心 3 鉄心 4 一次コイル 5 導電部材 6 電極 7 電極 8 一次電源 9 断熱層 10 断熱層 11 絶縁層または断熱層 12 リーダー金属 13 絶縁層または断熱層 14 リーダー金属

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯板を巻いて円筒状にしたコイルの
    内側を貫通する鉄心と、該鉄心と一次コイルを巻いた鉄
    心とを円筒状金属コイルの外で連結してトランスを構成
    するとともに、円筒状金属コイルの最外周部の金属帯板
    と内側の金属帯板を導電部材で短絡し二次閉回路を構成
    し、一次コイルに通電することにより円筒状金属コイル
    を加熱する加熱装置を用いて、加熱される円筒状金属コ
    イルの内周端と外周端各々に該円筒状金属コイルに別に
    リーダー金属を接続するとともに、該リーダー金属間及
    び該円筒状金属コイルとリーダー金属間を絶縁する様に
    リーダー金属を巻き、各リーダー金属に短絡用の導電部
    材をつけた電極を取り付けて加熱することを特徴とする
    円筒状金属コイルの加熱方法。
  2. 【請求項2】 金属帯板を巻いて円筒状にしたコイルの
    内側を貫通する鉄心と、該鉄心と一次コイルを巻いた鉄
    心とを円筒状金属コイルの外で連結してトランスを構成
    するとともに、円筒状金属コイルの最外周部の金属帯板
    と内側の金属帯板を導電部材で短絡し二次閉回路を構成
    し、一次コイルに通電することにより円筒状金属コイル
    を加熱する加熱装置を用いて、加熱される円筒状金属コ
    イルの内周側と外周側の金属帯板間に断熱材を挟んで巻
    くとともに、さらに該円筒状金属コイルの外周、内周を
    断熱材で囲み加熱することを特徴とする円筒状金属コイ
    ルの加熱方法。
  3. 【請求項3】 リーダー金属の絶縁に絶縁性のある断熱
    材を用いることを特徴とする請求項1に記載の円筒状金
    属コイルの加熱方法。
  4. 【請求項4】 リーダー金属部が円筒状金属コイルより
    も温度が高くなるようにリーダー金属の抵抗を円筒状金
    属コイルの抵抗よりも高くしたことを特徴とする請求項
    1または請求項3に記載の円筒状金属コイルの加熱方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012038652A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Mitsubishi Chemical Engineering Corp 電磁誘導加熱装置及びその製造方法
KR101230091B1 (ko) 2011-08-01 2013-02-05 주식회사 포스코 배치 소둔로 및 이를 이용하여 코일을 소둔하는 방법

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