JP2002129062A - コーティング用二酸化チタンおよび二酸化チタンコーティング層形成用コーティング液ならびにコーティング錠および顆粒 - Google Patents

コーティング用二酸化チタンおよび二酸化チタンコーティング層形成用コーティング液ならびにコーティング錠および顆粒

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーティング層が光や熱による経時変化によ
って変色せず、長期にわたって白色が保持され得るコー
ティング用二酸化チタンおよびこれを用いたコーティン
グ液、ならびにコーティング錠および顆粒を提供する。 【解決手段】 平均粒径が0.20μmの二酸化チタン
粉末を300〜350℃程度に加熱しながら撹拌し、そ
の二酸化チタンにリン酸ナトリウム塩およびリン酸カリ
ウム塩の混合水溶液をスプレー噴射して表面処理する。
リン酸塩混合水溶液におけるリン酸塩の濃度は5〜10
wt%以内、二酸化チタンに対して0.05〜1.0w
t%以上の含有率とする。このように表面処理された二
酸化チタンを白色着色剤として白糖(またはセルロー
ス)および水に混合してコーティング液を製造し、この
コーティング液を錠剤や顆粒の表面にコーティングして
コーティング錠やコーティング顆粒を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タブレット状あるいは
顆粒状の薬剤や食品等の表面を被覆するコーティング層
を白色とする二酸化チタンおよびこれを用いたコーティ
ング液、ならびに二酸化チタンをコーティングしたコー
ティング錠および顆粒に係り、特に、光および熱による
耐変色性を向上させて白色を長寿命化させる改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、錠剤の形態をなす薬剤は、薬剤
自体の苦みや色を隠蔽して服用しやすくするために、中
核錠にコーティング層が被覆された錠剤が多い。このよ
うなコーティング層は、主として、砂糖もしくはセルロ
ースと結合剤および水から構成されるコーティング液を
固化させたものが一般的である。なお、以下の説明で、
砂糖や白糖含有と特定する場合のコーティング層を糖衣
層と称し、セルロース含有と特定する場合のコーティン
グ層をフィルム層と称する。
【0003】結合剤は、薬剤や食品素材である中核錠と
の結合力を高めるもので、特開平9−25245号公報
に開示されているように、ゼラチン、寒天あるいはアラ
ビアガム等が使用されている。また、コーティング層
は、使用目的に応じて様々な色に着色され、そのために
着色剤も添加されている。特に薬剤の場合は白色が多
く、コーティング層を白色にする着色剤としては、特開
平9−25245号公報に開示されているように、馬鈴
薯、とうもろこし、小麦粉、米等の澱粉類、炭酸カルシ
ウム、タルク、二酸化チタン等がある。これらの中で
も、無機白色顔料である二酸化チタンは、白色度、隠蔽
力、着色力などの光学的性質に優れている。この二酸化
チタンは、結晶構造の違いからルチル形とアナタース形
とに大別され、特にルチル形二酸化チタンは耐候性に富
むことから、薬剤用コーティング層の着色剤として広く
使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本発明者に
よれば、白糖もしくはセルロースと二酸化チタンを水に
混合して調製したコーティング液を薬剤等の中核錠に被
覆してコーティング錠とし、このコーティング錠を自然
光下あるいは紫外線下に放置したところ、経時変化によ
り表面が青灰色に変色する(以下、この青灰色に変色す
ることを単に変色と称する)ものがあることが確認され
た。この変色は、自然光に含まれる紫外線が二酸化チタ
ンに照射されて二酸化チタンから酸素が脱離し、コーテ
ィング層中の二酸化チタンの一部が亜酸化物に変化した
ためと推定される。すなわち、光学的性質に優れた二酸
化チタンをコーティング層の着色剤としても、経時的に
変色が生じる場合があり、商品価値の低下を招くおそれ
があることが判明した。この問題を解決するため、特開
平11−222442号公報では、リン酸塩で処理した
コーティング用二酸化チタンが開示されている。
【0005】しかしながら上記従来技術は、光による変
色(耐光安定性)はある程度改善されたものの、50℃
程度の高温雰囲気下に置いた場合に変色が生じてしまう
といった問題が判明し、このため耐熱性の改善が望まれ
ていた。
【0006】よって本発明は、コーティング層の光およ
び熱による経時変化が防止され、結果として変色せず、
長期にわたって白色が保持され得るコーティング用二酸
化チタン、またこれを用いたコーティング液、さらには
このコーティング液を用いてコーティング層を形成した
錠剤および顆粒を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のように、コーティ
ング層の変色は二酸化チタンの光触媒作用に喚起されて
生じるとの推定に基づき、発明者は、この光触媒作用を
抑制する手段について鋭意研究を重ねた結果、2種類の
リン酸塩により処理した二酸化チタンを添加したコーテ
ィング液によりコーティング層を形成したところ、自然
光下あるいは紫外線下、さらには高温下に放置しても変
色が生じないことを見い出した。
【0008】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たもので、すなわち、本発明のコーティング用二酸化チ
タンは、中核錠または顆粒のコーティング層を形成する
コーティング用二酸化チタンであって、リン酸ナトリウ
ム塩およびリン酸カリウム塩により処理されていること
を特徴とする。
【0009】また、本発明の二酸化チタンコーティング
層形成用コーティング液は、上記コーティング用二酸化
チタンを水溶媒に分散させたものであることを特徴とす
る。また、本発明のコーティング錠は、上記コーティン
グ液により二酸化チタンコーティング層が形成されてい
ることを特徴とする。さらに、本発明のコーティング顆
粒は、上記コーティング液により二酸化チタンコーティ
ング層が形成されていることを特徴とする。
【0010】二酸化チタン中における上記リン酸ナトリ
ウム塩およびリン酸カリウム塩の合計濃度は変色に関わ
ってくるので適切な規定が必要であり、0.05〜1.
0wt%の濃度が好ましく、より好ましくは0.1〜
0.8wt%であり、さらに好ましくは0.2〜0.6
wt%である。この範囲を下回ると二酸化チタンが変色
し、また、この範囲を超えるとリン酸ナトリウム塩およ
び/またはリン酸カリウム塩自身が変色の原因となる可
能性がある。
【0011】また、二酸化チタンに含まれるリン酸ナト
リウム塩およびリン酸カリウム塩の重量比は、好ましく
は1:4〜4:1であり、より好ましくは1:3〜3:
1である。このような比率で二酸化チタン中に含まれる
ことによって、二酸化チタンの光触媒作用が抑制され、
この比率の範囲を外れるとナトリウム塩とカリウム塩の
組合わせ効果が減少し、光触媒作用抑制効果が薄れ、変
色など経時変化が大きくなる。
【0012】また、使用される二酸化チタンは微粉状で
あり、コーティング液に分散・混合されること、着色
力、隠蔽力等の顔料特性が求められること、さらには実
際に口にふくんだ際の舌触りあるいは嚥下する際に不快
感を覚えないことを考慮すると、その粒径は0.1〜
0.8μm程度が確保されていれば好適であり、0.2
〜0.4μmであればより好ましい。
【0013】さらに、リン酸ナトリウム塩およびリン酸
カリウム塩により処理される前の二酸化チタンはなるべ
く不純物の少ない高純度のものを用いることが望ましい
ことから、二酸化チタンに含まれるFe、Al、Siお
よびNaがそれぞれ100ppm未満であり、かつ、C
lが1000ppm未満であることが望ましい。
【0014】なお、本発明で用いられるリン酸ナトリウ
ム塩およびリン酸カリウム塩は、具体的には、リン酸三
ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウ
ム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、
リン酸二水素カリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン
酸ナトリウム、ピロリン酸水素ナトリウム、ピロリン酸
水素カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメ
タリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウムまたはポリリ
ン酸カリウムが用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のより好ましい実施
の形態について説明する。 (1)二酸化チタン コーティング層を構成する二酸化チタンは、体内に摂取
されるため、日本薬局方の規定を満足する高純度二酸化
チタンが要求される。本発明においても、日本薬局方の
基準を満足した高純度二酸化チタン粉(東邦チタニウム
社製)を使用した。また、二酸化チタンの好ましい平均
粒径は0.2〜0.4μmであり、コーティング液への
十分な分散・混合性や、実際に口にふくんだ際の舌触り
あるいは嚥下する際に不快感を覚えないことを満足する
レベルが確保されている。なお、粒径は電子顕微鏡写真
に基づいて測定した。
【0016】(2)リン酸ナトリウム塩およびリン酸カ
リウム塩による二酸化チタンの表面処理 二酸化チタンの表面処理用として、本実施の形態では上
述したリン酸ナトリウム塩およびリン酸カリウム塩を組
み合わせて用いるが、具体的にはリン酸二水素ナトリウ
ムおよびリン酸二水素カリウムを好適な材料として用い
る。これらの二酸化チタン中の合計濃度は、上述したよ
うに0.05〜1.0wt%の範囲にあればよいが、
0.1〜0.8wt%であればより好ましく、0.2〜
0.6wt%であればさらに好ましい。また、二酸化チ
タンに含まれるリン酸ナトリウム塩およびリン酸カリウ
ム塩の重量比は、上述したように、好ましくは1:4〜
4:1であり、より好ましくは1:3〜3:1である。
【0017】上記濃度範囲となるようにリン酸ナトリウ
ム塩およびリン酸カリウム塩で二酸化チタンを処理する
が、その処理の形態としては、リン酸ナトリウム塩およ
びリン酸カリウム塩の各水溶液を調製して別々に処理し
てもよいが、各リン酸塩の量比を制御するためにリン酸
ナトリウム塩およびリン酸カリウム塩の混合溶液を調製
し、処理することが望ましい。このとき、リン酸ナトリ
ウム塩およびリン酸カリウム塩の混合水溶液の濃度は、
5〜10wt%が好ましい。この範囲を下回ると二酸化
チタン粒子へのリン酸塩コーティングの歩留まりが悪
く、逆にこの範囲を超えると二酸化チタン粒子の凝集が
起こる。本実施の形態では、二酸化チタンに対する混合
リン酸塩の濃度が0.05〜1.0wt%の含有率にな
るよう処理回数を調製した。
【0018】二酸化チタンをリン酸塩で表面処理するに
は、撹拌槽の中で二酸化チタン粉を300〜350℃ま
で加熱し、撹拌状態にある二酸化チタン粉にリン酸塩の
混合水溶液をスプレー処理する。300〜350℃の温
度域では、二酸化チタン粒子にスプレー処理されたリン
酸塩中の水分は短時間で揮発除去され、リン酸塩のみが
二酸化チタンの表面に吸着し、表面処理が完了する。
【0019】二酸化チタンに前記のリン酸塩を表面処理
するに際し、本実施の形態では撹拌槽を用いたが、二酸
化チタンが十分に分散可能であれば、本装置に限るもの
ではなく、例えば流動槽を用いてもよい。また、二酸化
チタンの加熱温度は、特に制限はないが、水分の揮発除
去性と経済性を考慮すると、110〜400℃の範囲に
設定することが好ましい。
【0020】二酸化チタンに対するリン酸塩処理は、以
上の方法で行ったが、二酸化チタンへのリン酸塩処理を
水溶液中で行ってもよい。例えば二酸化チタンを分散さ
せた水溶液中に、前記のリン酸塩混合水溶液を直接添加
した後、乾燥することでも二酸化チタンへのリン酸塩処
理を行うことができる。
【0021】(3)コーティング液の調製 コーティング液は、糖衣層用の白糖の水溶液に、上記の
ようにしてリン酸塩により表面処理された二酸化チタン
を混合して得られる。白糖水溶液における白糖の濃度は
50〜80wt%の範囲が好ましい。この範囲を下回る
と粘度が低くて中核錠への付着性が悪く、逆にこの範囲
を超えると粘度が高まり中核錠への分散性が低下する。
また、コーティング液がフィルム層用の場合、セルロー
ス(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース)の水
溶液に上記のリン酸塩処理した二酸化チタンを混合して
得られる。セルロースの水溶液におけるセルロースの濃
度は、中核錠への歩留まりと分散性の点で5〜20wt
%の範囲が好ましい。上記コーティング液に、リン酸ナ
トリウム塩およびリン酸カリウム塩で表面処理された二
酸化チタンを混合し、コーティング液とする。上記のリ
ン酸塩処理した二酸化チタンの濃度は、1〜10wt%
の範囲が好ましく、中核錠の色調に応じて濃度を適宜に
変更すればよい。
【0022】(4)コーティング錠の製造 上記のようにして調製されたコーティング液を、中核錠
の表面に吹き付けてコーティング層を形成し、コーティ
ング錠を得る。本実施の形態においては、コーティング
液を中核錠の表面にスプレー噴射して中核錠を被覆し、
この後、110℃で大気乾燥することによりコーティン
グ液を固化させ、コーティング層を形成してコーティン
グ錠を得る。コーティング液のスプレー噴射と大気乾燥
は、中核錠の固有の色に応じて適宜回数繰り返し行い、
中核錠の色調を完全に隠蔽する。
【0023】(5)コーティング顆粒の製造 上記のようにして調製されたコーティング液を、平均粒
径0.1〜5mmの顆粒の表面に吹き付けてコーティン
グ層を形成し、コーティング顆粒を得る。本実施の形態
においては、顆粒をコーティング液に添加することによ
り顆粒にコーティング液を含浸させ、この後、110℃
で大気乾燥することにより顆粒の表面にコーティング層
を形成してコーティング顆粒を得る。コーティング液の
含浸と大気乾燥は、顆粒の固有の色に応じて適宜回数繰
り返し行い、顆粒の色調を完全に隠蔽する。
【0024】このようにして得られたコーティング錠あ
るいはコーティング顆粒は、耐光安定性および耐熱性に
優れ、経時変化によっても変色せず、長期にわたって白
色が保持される。本発明の二酸化チタンは、薬剤を被覆
するコーティング層のみならず、チョコレート等のタブ
レット状の食品のコーティング層などの着色剤としても
使用可能である。
【0025】
【実施例】次に、本発明をより明らかにした実施例を説
明する。 [実施例1]平均粒径が0.2μmの高純度二酸化チタ
ン(東邦チタニウム社製)300gを撹拌槽中において
350℃に加熱しながら撹拌し、撹拌状態の該二酸化チ
タンに、リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸二水素カ
リウムの混合水溶液を一様にスプレー噴射して表面処理
を施した。二酸化チタンの平均粒径は電子顕微鏡写真に
基づいて測定した。混合水溶液におけるリン酸二水素ナ
トリウムおよびリン酸二水素カリウムの合計濃度は、8
wt%とした。また、二酸化チタン中のリン酸二水素ナ
トリウムおよびリン酸二水素カリウムの合計濃度が0.
4wt%になるよう処理した。また、二酸化チタン中の
リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸二水素カリウムの
重量比は、表1に示すように比率を変えて処理した。
【0026】次に、上記リン酸二水素ナトリウムおよび
リン酸二水素カリウムの混合水溶液で表面処理した二酸
化チタンと65wt%の白糖水溶液を、50:1000
の重量割合で混合して糖衣液(コーティング液)を製造
した。続いて、このコーティング液を、表面が灰色の1
0錠の薬剤にスプレーして平均厚さ0.5mmの糖衣層
をそれぞれ形成し、10錠の糖衣錠を得た。
【0027】[実施例2]二酸化チタン中のリン酸二水
素ナトリウムおよびリン酸二水素カリウムの合計濃度を
0.7wt%になるように処理した以外は、実施例1と
同様にして糖衣錠のサンプルを製造した。表2に、二酸
化チタン中のリン酸二水素ナトリウムおよびリン酸二水
素カリウムの重量比を示す。
【0028】[実施例3]実施例1で使用したリン酸二
水素ナトリウムとリン酸二水素カリウムの水溶液(5
0:50)で表面処理した二酸化チタンと白糖液とから
なるコーティング液を用い、平均粒径1.5mmの灰色
の顆粒にこのコーティング液をスプレーして顆粒表面に
塗布し、その後大気中で110℃で乾燥し平均厚さ0.
2mmの糖衣層を形成して二酸化チタンコーティング顆
粒を製造した。
【0029】[比較例1]リン酸二水素ナトリウムおよ
びリン酸二水素カリウムによる二酸化チタンの表面処理
を行わず、これ以外は実施例1と同様にして、糖衣錠の
サンプルを製造した。 [比較例2]二酸化チタンの8wt%のリン酸二水素ナ
トリウム水溶液を用い、二酸化チタン中のリン酸二水素
ナトリウム含有量が0.4wt%になるように表面処理
を行った以外は実施例1と同様にして、糖衣錠のサンプ
ルを製造した。 [比較例3]二酸化チタンの8wt%のリン酸二水素カ
リウム水溶液を用い、二酸化チタン中のリン酸二水素カ
リウム含有量が0.4wt%になるように表面処理を行
った以外は実施例1と同様にして、糖衣錠のサンプルを
製造した。
【0030】[比較例4]二酸化チタンの8wt%のリ
ン酸二水素ナトリウム水溶液を用い、二酸化チタン中の
リン酸二水素ナトリウム含有量が0.7wt%になるよ
うに表面処理を行った以外は実施例2と同様にして、糖
衣錠のサンプルを製造した。 [比較例5]二酸化チタンの8wt%のリン酸二水素カ
リウム水溶液を用い、二酸化チタン中のリン酸二水素カ
リウム含有量が0.7wt%になるように表面処理を行
った以外は実施例2と同様にして、糖衣錠のサンプルを
製造した。
【0031】上記実施例および比較例のサンプルにつ
き、次の評価を行った。評価の結果を表1および表2に
併記する。 1.耐光安定性 出力20Wの紫外線ランプの下に400時間連続して置
く曝露試験を行い、変色の度合いを目視により調べ、実
用に供することができるか否かの評価を行った。変色の
評価は次の通りである。 変色の評価 ◎:変色なし ○:変色が僅かに認められるが実用上問題ない △:変色は軽度であるが実用上問題あり ×:変色が激しく実用上問題あり
【0032】2.耐熱性 50℃の環境下に400時間連続して置く曝露試験を行
い、変色の度合いを目視により調べ、実用に供すること
ができるか否かの評価を行った。変色の評価は上記と同
様である。
【0033】3.水可溶分 日本薬局方(13版)にしたがって水可溶分の評価を行
った。水可溶分は日本薬局方で規定されている数値であ
り、数値が高いほど薬剤として体に摂取した際に早く錠
剤中の薬成分が吸収されやすく好ましい。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1および表2から明らかなように、二酸
化チタンをリン酸ナトリウム塩およびリン酸カリウム塩
により表面処理した実施例1〜3は、耐光安定性および
耐熱性のいずれに関しても実用上問題がないことが確か
められた。一方、二酸化チタンをリン酸塩により表面処
理しない比較例1と、1種類のみのリン酸塩で表面処理
した比較例2〜5とは、特に耐熱性評価でいずれも実用
上問題のあるレベルまで変色が生じており、リン酸ナト
リウム塩およびリン酸カリウム塩による表面処理の効果
が確かめられた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リン酸ナトリウム塩およびリン酸カリウム塩により処理
した二酸化チタンで白色のコーティング層が形成される
ので、経時変化によるコーティング層の変色が長期にわ
たって防止され、また、このようなコーティング層を有
するコーティング錠およびコーティング顆粒は、商品価
値が長期にわたって維持される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 1/00 C09D 1/00 Fターム(参考) 4C076 AA31 AA43 AA44 DD26 DD29 EE30 FF27 FF36 FF37 FF46 4J037 AA22 CA22 DD12 EE03 EE28 EE43 FF04 FF11 FF22 FF23 4J038 AA001 BA021 HA161 HA166 JA21 KA12 LA04 MA08 MA10 NA17 NA26 PA18 PB01 PC11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中核錠または顆粒のコーティング層を形
    成するコーティング用二酸化チタンであって、 リン酸ナトリウム塩およびリン酸カリウム塩により処理
    されていることを特徴とするコーティング用二酸化チタ
    ン。
  2. 【請求項2】 二酸化チタン中における前記リン酸ナト
    リウム塩およびリン酸カリウム塩の合計濃度が0.05
    〜1.0wt%であることを特徴とする請求項1に記載
    のコーティング用二酸化チタン。
  3. 【請求項3】 二酸化チタンに含まれる前記リン酸ナト
    リウム塩およびリン酸カリウム塩の重量比が1:4〜
    4:1であることを特徴とする請求項1に記載のコーテ
    ィング用二酸化チタン。
  4. 【請求項4】 二酸化チタンの粒径が0.1〜0.8μ
    mであることを特徴とする請求項1に記載のコーティン
    グ用二酸化チタン。
  5. 【請求項5】 前記リン酸ナトリウム塩およびリン酸カ
    リウム塩により処理される前の二酸化チタンに含まれる
    Fe、Al、SiおよびNaがそれぞれ100ppm未
    満であり、かつ、Clが1000ppm未満であること
    を特徴とする請求項1に記載のコーティング用二酸化チ
    タン。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載のコーティング用二
    酸化チタンを水溶媒に分散させたものであることを特徴
    とする二酸化チタンコーティング層形成用コーティング
    液。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のコーティング液により
    二酸化チタンコーティング層が形成されていることを特
    徴とするコーティング錠。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のコーティング液により
    二酸化チタンコーティング層が形成されていることを特
    徴とするコーティング顆粒。
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