JP2002128924A - ポリエーテルスルフォン樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
ポリエーテルスルフォン樹脂フィルムの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明はダイラインを修正し、リタデーショ
ン値を大きくすることなく表面平滑性を良くし、液晶用
プラスチック基板として使用可能なフィルムを生産性良
く製造する方法を提供することにある。 【解決手段】 ポリエーテルスルフォン樹脂の溶融押出
法でフィルムを成形した後、ポリエーテルスルフォン樹
脂の良溶剤ミスト中を通過させて、該フィルムの表面層
を溶解、平滑化した後、溶剤を除去するポリエーテルス
ルフォン樹脂フィルムの製造方法である。
ン値を大きくすることなく表面平滑性を良くし、液晶用
プラスチック基板として使用可能なフィルムを生産性良
く製造する方法を提供することにある。 【解決手段】 ポリエーテルスルフォン樹脂の溶融押出
法でフィルムを成形した後、ポリエーテルスルフォン樹
脂の良溶剤ミスト中を通過させて、該フィルムの表面層
を溶解、平滑化した後、溶剤を除去するポリエーテルス
ルフォン樹脂フィルムの製造方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学用途、なかでも特に
表面平滑性を必要としかつリタデーション値が小さいこ
とを必要とする液晶用プラスチック基板として使用可能
なフィルムの製造方法に関するものである。
表面平滑性を必要としかつリタデーション値が小さいこ
とを必要とする液晶用プラスチック基板として使用可能
なフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】最近は、ディスプレイ分野で液晶表示が増
加している。液晶用基板としては表面平滑性、透明性等
の性能が要求され、一般的にはガラス板が使用されてい
る。しかしガラス板は薄くすると耐衝撃性に問題を生
じ、厚くするとかさばり重量も重くなる。携帯電話やモ
バイルコンピューター用等薄型、軽量で耐衝撃性が要求
される用途では、プラスチック基板の使用が増加してい
る。プラスチック基板用樹脂としては、ポリカーボネー
ト、シクロオレフィン共重合体等も使用可能であるが、
耐熱性、線膨張係数等を考慮した場合、ポリエーテルス
ルフォン樹脂(以下、PESと略す)が適している。
加している。液晶用基板としては表面平滑性、透明性等
の性能が要求され、一般的にはガラス板が使用されてい
る。しかしガラス板は薄くすると耐衝撃性に問題を生
じ、厚くするとかさばり重量も重くなる。携帯電話やモ
バイルコンピューター用等薄型、軽量で耐衝撃性が要求
される用途では、プラスチック基板の使用が増加してい
る。プラスチック基板用樹脂としては、ポリカーボネー
ト、シクロオレフィン共重合体等も使用可能であるが、
耐熱性、線膨張係数等を考慮した場合、ポリエーテルス
ルフォン樹脂(以下、PESと略す)が適している。
【0003】PESをフィルム状に加工する方法として
は、たとえば溶液キャスト法がある。この方法はPES
を溶剤で溶かし均一な溶液にした後、表面平滑なベルト
の上に溶液を流し、その後溶剤を除去してフィルム状に
加工する方法である。この方法で加工されたフィルム
は、表面平滑性が優れ、光学的異方性も小さくリタデー
ション値が小さいという特徴がある。しかし厚いフィル
ムの場合、溶剤の除去に長時間を要し生産性が悪く、コ
スト高となる。厚いフィルムを生産性良く製造する方法
としては、溶融押出法がある。しかし溶融押出法では、
ダイスから樹脂を押し出す際にフィルム表面にダイライ
ンと称するスジが生じる。このダイラインの凹凸差が6
0nm以上になると、液晶表示された文字等が歪んだり
部分的に見えなくなったりする。このダイラインはフィ
ルムを延伸加工することにより凹凸差を小さくすること
が可能であるが、延伸すると分子の配向性が良くなり光
学異方性が大きくなりリタデーション値が大きくなる。
リタデーション値が大きくなると液晶表示された文字等
がぼやける等の欠陥が生じる。
は、たとえば溶液キャスト法がある。この方法はPES
を溶剤で溶かし均一な溶液にした後、表面平滑なベルト
の上に溶液を流し、その後溶剤を除去してフィルム状に
加工する方法である。この方法で加工されたフィルム
は、表面平滑性が優れ、光学的異方性も小さくリタデー
ション値が小さいという特徴がある。しかし厚いフィル
ムの場合、溶剤の除去に長時間を要し生産性が悪く、コ
スト高となる。厚いフィルムを生産性良く製造する方法
としては、溶融押出法がある。しかし溶融押出法では、
ダイスから樹脂を押し出す際にフィルム表面にダイライ
ンと称するスジが生じる。このダイラインの凹凸差が6
0nm以上になると、液晶表示された文字等が歪んだり
部分的に見えなくなったりする。このダイラインはフィ
ルムを延伸加工することにより凹凸差を小さくすること
が可能であるが、延伸すると分子の配向性が良くなり光
学異方性が大きくなりリタデーション値が大きくなる。
リタデーション値が大きくなると液晶表示された文字等
がぼやける等の欠陥が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この溶融押
出法でのフィルム成形時に生じるダイラインを、リタデ
ーション値を大きく変更することなく修正し、液晶用プ
ラスチック基板として使用可能なPESフィルムを効率
良く製造する方法を提供することにある。
出法でのフィルム成形時に生じるダイラインを、リタデ
ーション値を大きく変更することなく修正し、液晶用プ
ラスチック基板として使用可能なPESフィルムを効率
良く製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、PESの溶融
押出法でフィルムを成形した後、PESの良溶剤ミスト
中を通過させて、フィルムの表面を溶解、平滑化した
後、溶剤を除去するPESフィルムの製造方法である。
押出法でフィルムを成形した後、PESの良溶剤ミスト
中を通過させて、フィルムの表面を溶解、平滑化した
後、溶剤を除去するPESフィルムの製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いるPESは、耐熱性、線膨張係数等
に優れ液晶プラスチック基板用樹脂として最適なもので
ある。PESの構造上脂肪族の単位を含まずパラフェニ
レン単位がスルフォン基とエーテル基とで交互に結合し
ていて電子が局在化していないため熱安定性が高く透明
性が優れている。フィルムに使用する場合、例えば住友
化学工業のビクトレックスPES4100(Tg=22
6℃)が一般的である。
する。本発明に用いるPESは、耐熱性、線膨張係数等
に優れ液晶プラスチック基板用樹脂として最適なもので
ある。PESの構造上脂肪族の単位を含まずパラフェニ
レン単位がスルフォン基とエーテル基とで交互に結合し
ていて電子が局在化していないため熱安定性が高く透明
性が優れている。フィルムに使用する場合、例えば住友
化学工業のビクトレックスPES4100(Tg=22
6℃)が一般的である。
【0007】本発明で用いる溶融押出法で成形したPE
Sフィルムの厚さは100μm以上500μm以下が好
ましい。厚さ100μm未満では、ガラス基板用液晶製
造ラインをプラスチック基板用に転用して液晶を製造す
る場合、フィルムの取り扱いが困難となる。また液晶の
セルギャップ保持がむつかしく、特に表示面積の大きい
液晶表示素子ではセルギャップ保持ができない場合も生
じる。500μmを越えると液晶表示がダブルイメージ
と呼ばれる表示不良を起こす。更に液晶表示素子の厚さ
が厚くなり機能上好ましくない場合がある。フィルムの
表面粗さの最大(Rmax)は60μm以下が好まし
い。60μmを越えると、液晶表示された文字等が歪ん
だり、見えない部分が生じたりする。溶融した樹脂が通
過するダイス面の表面粗さの最大は0.5μm以下が好
ましい。表面粗さの最大が0.5μmを越えるとダイス
より押出されたPESフィルムの表面に発生したダイラ
インが溶剤ミストで修正してもフィルムの表面粗さの最
大を60μm以下にすることが困難な場合が生ずる。
Sフィルムの厚さは100μm以上500μm以下が好
ましい。厚さ100μm未満では、ガラス基板用液晶製
造ラインをプラスチック基板用に転用して液晶を製造す
る場合、フィルムの取り扱いが困難となる。また液晶の
セルギャップ保持がむつかしく、特に表示面積の大きい
液晶表示素子ではセルギャップ保持ができない場合も生
じる。500μmを越えると液晶表示がダブルイメージ
と呼ばれる表示不良を起こす。更に液晶表示素子の厚さ
が厚くなり機能上好ましくない場合がある。フィルムの
表面粗さの最大(Rmax)は60μm以下が好まし
い。60μmを越えると、液晶表示された文字等が歪ん
だり、見えない部分が生じたりする。溶融した樹脂が通
過するダイス面の表面粗さの最大は0.5μm以下が好
ましい。表面粗さの最大が0.5μmを越えるとダイス
より押出されたPESフィルムの表面に発生したダイラ
インが溶剤ミストで修正してもフィルムの表面粗さの最
大を60μm以下にすることが困難な場合が生ずる。
【0008】本発明でPESフィルムを溶融押し出しす
る場合、ダイスのリップ間隔は所定の仕上がりのフィル
ム厚さの5倍以上40倍以下が好ましい。ダイスのリッ
プ間隔が5倍未満であると、ダイスより押出された樹脂
を引き延ばす作用が少なくなりフィルムの表面粗さが悪
化する。この場合、ダイス面の表面粗さを向上させれば
フィルムの表面粗さも向上するが、ダイス面の表面粗さ
を向上させることは技術的にも経済的にも困難が伴う。
ダイスリップの間隔が40倍を越えると、フィルムの表
面粗さは改善されるが、厚さの調整が困難となり、厚さ
のバラツキが大きくなる。また所定の厚さに調整した場
合延伸作用が大きく働き、フィルムのリタデーションが
悪化する。
る場合、ダイスのリップ間隔は所定の仕上がりのフィル
ム厚さの5倍以上40倍以下が好ましい。ダイスのリッ
プ間隔が5倍未満であると、ダイスより押出された樹脂
を引き延ばす作用が少なくなりフィルムの表面粗さが悪
化する。この場合、ダイス面の表面粗さを向上させれば
フィルムの表面粗さも向上するが、ダイス面の表面粗さ
を向上させることは技術的にも経済的にも困難が伴う。
ダイスリップの間隔が40倍を越えると、フィルムの表
面粗さは改善されるが、厚さの調整が困難となり、厚さ
のバラツキが大きくなる。また所定の厚さに調整した場
合延伸作用が大きく働き、フィルムのリタデーションが
悪化する。
【0009】本発明では、PESを溶融押出法でフィル
ムに成形した後、PESの良溶剤ミスト中を通過させ
て、該フィルム表面層を溶解、平滑化した後、溶剤を除
去することを特徴とする。溶融押出法でフィルムを成形
するのみでは、フィルム表面にダイラインが発生し、液
晶表示された文字等に歪み、部分的な消失を招くことに
なる。そこで、溶融押出法で得られたフィルムをPES
の良溶剤ミスト中をフィルムを通過させることで、表面
に10μm以下の溶剤層を付着させ、表面層のみ溶解さ
せ、その後溶剤を除去することにより、ダイラインの凹
凸を修正できる。すなわち、フィルム表面層を溶解する
と、フィルム表面層のみ溶解させることにより、溶液キ
ャスト法に近い表面状態にすることにより、表面平滑性
を改善できる。PESの良溶剤ミストとは、PESを溶
解させる能力のある溶剤で、粒径が1〜10μm程度で
空中に霧状に浮遊するものをいう。1μm以下ではPE
Sの表面を平滑に溶解させることが困難となる。10μ
m以上では均一に付着させた場合表面層のみ溶解させる
ことがむかしく、また表面を平滑にした後溶剤を除去す
るのに時間がかかり生産効率が低下する。本発明におけ
るPESの良溶剤としては、メチルエチルケトン、Nメ
チルピロリドン(NMP)等が挙げられる。比較的沸点
の高いNメチルピロリドン(NMP)がミストの安全性
を考慮すると好ましい。本発明におけるミスト発生する
装置としては、超音波振動による噴霧器等を使用するこ
とができる。超音波振動による噴霧器では、振動子が円
形で厚さ方向共振を利用し、周波数1〜3MHzの出力
で、2〜7μmのミスト粒子を発生させることができ
る。本発明において溶剤を除去する方法としてはヒータ
ーで加熱する方法が最も簡単で効果的な方法である。通
常のシースヒーターや遠赤外線ヒーター等が使用でき
る。溶剤は表面層に近いところに付着しているだけなの
で容易に除去でき、残留溶剤の問題等は生じないように
することが容易である。
ムに成形した後、PESの良溶剤ミスト中を通過させ
て、該フィルム表面層を溶解、平滑化した後、溶剤を除
去することを特徴とする。溶融押出法でフィルムを成形
するのみでは、フィルム表面にダイラインが発生し、液
晶表示された文字等に歪み、部分的な消失を招くことに
なる。そこで、溶融押出法で得られたフィルムをPES
の良溶剤ミスト中をフィルムを通過させることで、表面
に10μm以下の溶剤層を付着させ、表面層のみ溶解さ
せ、その後溶剤を除去することにより、ダイラインの凹
凸を修正できる。すなわち、フィルム表面層を溶解する
と、フィルム表面層のみ溶解させることにより、溶液キ
ャスト法に近い表面状態にすることにより、表面平滑性
を改善できる。PESの良溶剤ミストとは、PESを溶
解させる能力のある溶剤で、粒径が1〜10μm程度で
空中に霧状に浮遊するものをいう。1μm以下ではPE
Sの表面を平滑に溶解させることが困難となる。10μ
m以上では均一に付着させた場合表面層のみ溶解させる
ことがむかしく、また表面を平滑にした後溶剤を除去す
るのに時間がかかり生産効率が低下する。本発明におけ
るPESの良溶剤としては、メチルエチルケトン、Nメ
チルピロリドン(NMP)等が挙げられる。比較的沸点
の高いNメチルピロリドン(NMP)がミストの安全性
を考慮すると好ましい。本発明におけるミスト発生する
装置としては、超音波振動による噴霧器等を使用するこ
とができる。超音波振動による噴霧器では、振動子が円
形で厚さ方向共振を利用し、周波数1〜3MHzの出力
で、2〜7μmのミスト粒子を発生させることができ
る。本発明において溶剤を除去する方法としてはヒータ
ーで加熱する方法が最も簡単で効果的な方法である。通
常のシースヒーターや遠赤外線ヒーター等が使用でき
る。溶剤は表面層に近いところに付着しているだけなの
で容易に除去でき、残留溶剤の問題等は生じないように
することが容易である。
【0010】ダイスより押出され所定の厚さに調整され
たフィルムの表面には、ダイラインと称するスジが生じ
ていて、これが表面粗さを大きくする原因となってい
る。表面粗さの最大が60nm以下であれば、使用上問
題ない。しかし長時間製造しつづけると、部分的に60
nm以上になる場合がある。これらは、たとえば必要サ
イズに裁断した後、暗室でキセノンランプの光をあて
て、ダイラインの凹凸の大きさを判定し、選別すること
ができるが、歩留まりが悪く、多くの工数を無駄にする
場合がある。本発明では、PESの溶融押出法でフィル
ムを成形した後、PESの良溶剤ミスト中を通過させ
て、該フィルムの表面層を溶解、平滑化した後、溶剤を
除去する方法により、表面粗さ0nm以下のPESフィ
ルムを効率的に製造できることになる。
たフィルムの表面には、ダイラインと称するスジが生じ
ていて、これが表面粗さを大きくする原因となってい
る。表面粗さの最大が60nm以下であれば、使用上問
題ない。しかし長時間製造しつづけると、部分的に60
nm以上になる場合がある。これらは、たとえば必要サ
イズに裁断した後、暗室でキセノンランプの光をあて
て、ダイラインの凹凸の大きさを判定し、選別すること
ができるが、歩留まりが悪く、多くの工数を無駄にする
場合がある。本発明では、PESの溶融押出法でフィル
ムを成形した後、PESの良溶剤ミスト中を通過させ
て、該フィルムの表面層を溶解、平滑化した後、溶剤を
除去する方法により、表面粗さ0nm以下のPESフィ
ルムを効率的に製造できることになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるもの
ではない。実施例及び比較例における測定及び評価方法
は以下の通りである。 (1)サンプル 溶融押出で得られたフィルムを幅方向に300mm、長
さ方向に300mmの正方形に切り取りサンプルとし
た。 (2)リターデーション オリンパス(株)製偏向顕微鏡BH2とベレックコンペ
ンセーターを用い、波長550nmでのサンプル内面の
最大屈折率(Nx)と最小屈折率(Ny)を測定し、次
の式より算出した。 Re(リタデーション)=(Nx−Ny)×d(フィル
ムの厚さ) リターデーションは、20nm以下が好ましい。20n
mを越えると、液晶表示された文字等のコントラストが
悪化しぼやけたりする場合があるからである。 (3)ダイライン サンプルにキセノンランプの光線を照射しスクリーンに
ダイラインを写し出し、位置を確認した後、キーエンス
製のMICROSCOPEにより測定し、60nm以上のダイライ
ンの数、表面粗さの最大を評価した。
るが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるもの
ではない。実施例及び比較例における測定及び評価方法
は以下の通りである。 (1)サンプル 溶融押出で得られたフィルムを幅方向に300mm、長
さ方向に300mmの正方形に切り取りサンプルとし
た。 (2)リターデーション オリンパス(株)製偏向顕微鏡BH2とベレックコンペ
ンセーターを用い、波長550nmでのサンプル内面の
最大屈折率(Nx)と最小屈折率(Ny)を測定し、次
の式より算出した。 Re(リタデーション)=(Nx−Ny)×d(フィル
ムの厚さ) リターデーションは、20nm以下が好ましい。20n
mを越えると、液晶表示された文字等のコントラストが
悪化しぼやけたりする場合があるからである。 (3)ダイライン サンプルにキセノンランプの光線を照射しスクリーンに
ダイラインを写し出し、位置を確認した後、キーエンス
製のMICROSCOPEにより測定し、60nm以上のダイライ
ンの数、表面粗さの最大を評価した。
【0012】実施例 住友化学工業(株)の粉末状ポリエーテルスルフォン:
ビクトレックスPES4100(Tg=226℃)を使
用し、通常の押出装置で表面粗さの最大(Rmax)が
0.4μm、リップ間隔が3mmのダイスを使用し、厚
さが400μm、幅600mmのフィルム成形後、1.
5MHzの超音波振動装置をもつ霧化器を使用し粒径2
〜7μmのNMPのミストを発生させ、このミストを充
満させたミストゾーンを通過させ、その後赤外線ヒータ
ーで加熱しNMPを蒸発除去し、フィルムを得た。
ビクトレックスPES4100(Tg=226℃)を使
用し、通常の押出装置で表面粗さの最大(Rmax)が
0.4μm、リップ間隔が3mmのダイスを使用し、厚
さが400μm、幅600mmのフィルム成形後、1.
5MHzの超音波振動装置をもつ霧化器を使用し粒径2
〜7μmのNMPのミストを発生させ、このミストを充
満させたミストゾーンを通過させ、その後赤外線ヒータ
ーで加熱しNMPを蒸発除去し、フィルムを得た。
【0013】比較例 住友化学工業(株)の粉末状ポリエーテルスルフォン:
ビクトレックスPES4100(Tg=226℃)を使
用し、通常の押出装置で表面粗さの最大(Rmax)が
0.4μm、リップ間隔が3mmのダイスを使用し、厚
さが400μm、幅600mmのフィルムを得た。
ビクトレックスPES4100(Tg=226℃)を使
用し、通常の押出装置で表面粗さの最大(Rmax)が
0.4μm、リップ間隔が3mmのダイスを使用し、厚
さが400μm、幅600mmのフィルムを得た。
【0014】表1に実施例の評価結果を示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明によると、フィルム成形は溶融押
出法によるため厚いフィルムを効率良く製造でき、ダイ
ラインの修正は、表面層のみ溶剤で溶解させ溶液キャス
ト法に近い表面状態となるため、リタデーション値を大
きく変化させることなく凹凸を修正できる。
出法によるため厚いフィルムを効率良く製造でき、ダイ
ラインの修正は、表面層のみ溶剤で溶解させ溶液キャス
ト法に近い表面状態となるため、リタデーション値を大
きく変化させることなく凹凸を修正できる。
【0017】
【図1】 溶融押出によるフィルムの成形例である。
【図2】 溶剤ミストによるダイライン修正例である。
1 押出機 2 ダイス 3 冷却成形ロール 4 超音波振動式霧化器 5 ミスト充満ゾーン 6 赤外線加熱機 7 冷却成形ロール 8 フィルム巻き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 81:06 C08L 81:06 Fターム(参考) 4F071 AA64 BB06 BC01 BC12 BC16 4F073 AA10 BA32 BB01 EA03 EA25 4F207 AA32 AG01 KA01 KA17 KW41 KW50
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエーテルスルフォン樹脂の溶融押出
法でフィルムを成形した後、ポリエーテルスルフォン樹
脂の良溶剤ミスト中を通過させて、該フィルムの表面層
を溶解、平滑化した後、溶剤を除去するポリエーテルス
ルフォン樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項2】 良溶剤がN・メチルピロリドンである請
求項1記載のポリエーテルスルフォン樹脂フィルムの製
造方法。 - 【請求項3】 フィルムの厚さが100μm以上である
請求項1又は2記載のポリエーテルスルフォン樹脂フィ
ルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000328538A JP2002128924A (ja) | 2000-10-27 | 2000-10-27 | ポリエーテルスルフォン樹脂フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000328538A JP2002128924A (ja) | 2000-10-27 | 2000-10-27 | ポリエーテルスルフォン樹脂フィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002128924A true JP2002128924A (ja) | 2002-05-09 |
Family
ID=18805374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000328538A Pending JP2002128924A (ja) | 2000-10-27 | 2000-10-27 | ポリエーテルスルフォン樹脂フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002128924A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007016076A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Lintec Corp | 高平滑フィルムおよびその製造方法、ならびに光記録媒体用保護層形成シートおよび光記録媒体 |
-
2000
- 2000-10-27 JP JP2000328538A patent/JP2002128924A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007016076A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Lintec Corp | 高平滑フィルムおよびその製造方法、ならびに光記録媒体用保護層形成シートおよび光記録媒体 |
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